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特開2017-1941ガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-1941(P2017-1941A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】ガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/037 20060101AFI20161209BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20161209BHJP
   B28D 7/00 20060101ALI20161209BHJP
【FI】
   C03B33/037
   B28D5/00 Z
   B28D7/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-105115(P2016-105115)
(22)【出願日】2016年5月26日
(62)【分割の表示】特願2015-117872(P2015-117872)の分割
【原出願日】2015年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【テーマコード(参考)】
3C069
4G015
【Fターム(参考)】
3C069AA02
3C069AA03
3C069CA11
3C069CB00
3C069DA00
3C069EA02
3C069EA05
4G015FA02
4G015FA03
4G015FB01
4G015FB02
4G015FC02
4G015FC07
4G015FC10
4G015FC14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大板素板ガラスからの小割素板ガラスの多数切り出し及び切り出し小割素板ガラスを順次位置決めするガラス板の位置決め装置及びその方法を提供する。
【解決手段】小割素板ガラス5の切り出し及び位置決め装置1は、大板素板ガラス2に多数の小割素板ガラス5形状の切線3を形成する切線形成装置4と、小割素板ガラス5を順次折割分離していく折割分離装置6と、分離された小割素板ガラス5を次の位置決めテーブル8へ吸着持上げ搬送する吸着搬送装置9と、位置決めテーブル8の上方に設置された2台のCCDカメラ10と、CCDカメラ10による撮像、続く画像処理演算に基づいて載置された小割素板ガラス5の位置決めを行う位置決めテーブル8とを具備しているガラス板の位置決め装置及びその方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクライブヘッドをNC制御し、ガラス板面に沿ってXY平面座標移動してガラス板に切線を形成する切線形成装置において、スクライブヘッドとマーキング装置とを並設し、スクライブヘッドとマーキング装置とを一体として座標移動させ、素板ガラスからガラス板の切り出し前に切り出しガラス板の予定域に少なくとも2箇所にアライメントマークを付け、切り出したガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、上記切線形成装置に設定のワーク座標系において付けたマーク座標値を基準位置として設置したCCDカメラにより上記アライメントマークを撮像、画像処理して実際のアライメントマークの位置、角度を検出し、上記基準位置との位置ズレ量、角度ズレ量を算出し、この位置ズレ量、角度ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置、角度を修正するようにしたガラス板の位置決め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板の切り出し及び切り出しガラス板の位置決め方法に関する。
【0002】
また、本発明は、大板素板ガラスからの小割素板ガラスの多数切り出し及び切り出し小割素板ガラスを順次位置決めするガラス板の位置決め方法に係る。
【背景技術】
【0003】
従来、一般的には、小割素板ガラスの位置決めは、ガラス板エッヂを複数の必要位置ごとに配置したストッパーコロに押し当てて行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−124330
【特許文献2】特開2001−261357
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小割素板ガラスの位置決めコロへの接触当てによる位置決め方法は、ガラス板の折割エッヂの形状具合、またコロの摩耗具合、コロへの押付け方法、押付け力の具合によってバラツキが生じる。特に、近年のように小割素板ガラスのエッヂと、この小割素板ガラスに形成する切線との間の耳部が零か極小にしか許されない場合は、位置決め精度低下、バラツキの発生は、切線形成折割不良となり、小割素板ガラスの損失となる。
【0006】
本発明は、上記欠陥を除去したガラス板の位置決め方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のガラス板の位置決め方法は、スクライブヘッドをNC制御し、ガラス板面に沿ってXY平面座標移動してガラス板に切線を形成する切線形成装置において、スクライブヘッドとマーキング装置とを並設し、スクライブヘッドとマーキング装置とを一体として座標移動させ、素板ガラスからガラス板の切り出し前に切り出しガラス板の予定域に少なくとも2箇所にアライメントマークを付け、切り出したガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、上記切線形成装置に設定のワーク座標系において付けたマーク座標値を基準位置として設置したCCDカメラにより上記アライメントマークを撮像、画像処理して実際のアライメントマークの位置、角度を検出し、上記基準位置との位置ズレ量、角度ズレ量を算出し、この位置ズレ量、角度ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置、角度を修正することにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明のガラス板の位置決め方法によれば、切線形成装置4において、切線形成のスクライブヘッド12とマーキングヘッド装置33とが共通のブラケットに並設され、一体となって座標移動し、先ず先の移動でスクライブヘッド12により大板素板ガラス2に切線3を形成し、次の回の移動でマーキングヘッド装置33により大板素板ガラス2にアライメントマーク85を付けるため、切線形状に対して精確位置にアライメントマーク85付けができる。
【0009】
また、本発明のガラス板の位置決め方法によれば、位置決めポジション16での2つのCCDカメラ10の設置が切線形成装置4に設定のワーク座標系をシフトし、切線形成装置4での設定のアライメントマーク座標値を位置決めポジション16での基準位置とし、この基準位置にCCDカメラ10が設置されているため、切線形成装置4でのマーク付け座標位置に基づいてのマーク位置検出となり、小割素板ガラス5の位置修正、角度修正となるため、精確な位置決めとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、小割素板ガラス切り出し及び位置決め装置の平面図である。
図2図2は、小割素板ガラス切り出し及び位置決め装置の一部切欠縦断面図である。
図3図3は、図1のA−A線断面図である。
図4図4は、スクライブヘッドの正面図である。
図5図5は、図1のB−B線断面図である。
図6図6は、ガラス板上面へのマーキング動作の説明図である。
図7図7は、小割素板ガラスの位置決めポジションへの搬送状態の説明図である。
図8図8は、位置決めポジションにおいてCCDカメラによる小割素板ガラスのアライメントマークの撮像状態図である。
図9図9は、図1のC−C線矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の好ましい実施の態様を図面に示す一具体例に基づいて説明する。本発明は、これら具体例に何ら限定されない。
【0012】
図1から図9において、小割素板ガラス切り出し及び位置決め装置1は、大板素板ガラス2の搬入を受け、大板素板ガラス2に多数の小割素板ガラス形状の切線3を形成する切線形成装置4と、切線形成装置4から搬出され、切線形成済の大板素板ガラス2を受け、寸動送りしながら前端域から切線3に沿って小割素板ガラス5を順次折割分離する折割分離装置6と、折割分離装置6の折割分離ポジション7の上方において、直交して架設され、分離された小割素板ガラス5を次の位置決めテーブル8へ吸着持上げ搬送する吸着搬送装置9と、位置決めテーブル8の上方に設置された2台のCCDカメラ10と、2台のCCDカメラ10による撮像、続く画像処理演算に基づいて載置された小割素板ガラス5の位置決めを行う位置決めテーブル8とを具備している。
【0013】
位置決めテーブル8は、次の加工装置90の入込みポジション91に設置されている。
【0014】
切線形成装置4は、大板素板ガラス2の搬入、停止、搬出を行い、大板素板ガラス2を平面支持するベルトコンベアテーブル11と、ベルトコンベアテーブル11の上方において、ベルトコンベアテーブル11の上面と平行してXY平面座標移動を行うスクライブヘッド12を備えた切線形成手段42とを備える。
【0015】
ベルトコンベアテーブル11は、巾広のコンベアベルト13と、コンベアベルト13を下面から平面支持する支持台14と、コンベアベルト13を回走させる駆動装置15とを備える。
【0016】
ベルトコンベアテーブル11は、本体フレーム18の内側にX軸方向に沿って取付けられている。ベルトコンベアテーブル11の両側それぞれには、X軸方向に沿って一対のガイドレール19が本体フレーム18に設けられ、両側それぞれのガイドレール19には、スライドブロック20夫々が移動自在に保持されている。
【0017】
ベルトコンベアテーブル11の上方には、ベルトコンベアテーブル11を跨がって、走行フレーム21が、その両端をブラケット22を介して一対のスライドブロック20に固定して架設されている。
【0018】
走行フレーム21は、両側のスライドブロック20に支持され、一対のガイドレール19にカイドされ、X軸方向を移動自在である。
【0019】
ベルトコンベアテーブル11の両側それぞれには、ガイドレール19と平行してラック23が並設されている。
【0020】
走行フレーム21の両端の一対のブラケット22には、一対のピニオンギア装置24が取付けられ、ピニオンギア17がラック23にかみ合わされている。
【0021】
走行フレーム21には、両側に貫通してシャフト25が回転自在に組付けてあり、シャフト25は、両端部において両側のピニオンギア装置24にプーリベルトを介して連結されている。
【0022】
シャフト25の一端には、X軸サーボモータ26が連結されている。
【0023】
走行フレーム21は、X軸サーボモータ26の駆動によってX軸移動する。
【0024】
走行フレーム21には、Y軸方向に沿って一対のガイドレール27が並設され、ガイドレール27に沿ってラック43が並設されている。
【0025】
ガイドレール27のそれぞれに移動自在に保持されたスライドブロック28に正面が立面に形成されたブラケット29が取付けられている。
【0026】
ブラケット29は、一対のガイドレール27にガイドされ、Y軸方向に移動自在である。ブラケット29の上面にはY軸サーボモータ30が取付けられ、その出力シャフトにはピニオンギア31が取付けられ、ピニオンギア31は、ラック43にかみ合わされている。
【0027】
ブラケット29は、Y軸サーボモータ30によりY軸移動する。
【0028】
ブラケット29の正面には、大板素板ガラス2に切線3を形成するスクライブヘッド32と、大板素板ガラス2の上面にアライメントマーク85を付けるマーキングヘッド装置33とが並設され、一体となって移動する。
【0029】
スクライブヘッド32は、下端にカッタホイール34を備えたスプライン軸35と、スプライン軸35を上下動自在にかつ回転させられるように保持するスプライン装置36と、スプライン軸35に連結したエアーシリンダ装置37とを備える。
【0030】
エアーシリンダ装置37は、本体をブラケット29に取付けられ、シリンダロッドがスプライン軸35の上端に連結されている。
【0031】
エアーシリンダ装置37は、スプライン軸35、延いてはカッタホイール34を上下動させ、大板素板ガラス2への切線形成時には、カッタホイール34を降下させて、大板素板ガラス2にエアー圧により押付けている。スプライン装置36の横には角度制御モータ38が隣接されている。
【0032】
スプライン装置36は、スプライン軸35を回転させるギアー39を備えており、ギアー39は、角度制御モータ38に取付けた駆動ギア40とかみ合わせ連結され、角度制御モータ38によりスプライン軸35、延いてはカッタホイール34は切線3の形成方向に合せるように角度制御回転される。
【0033】
折割分離装置6は、ベルトコンベア装置50を備えており、ベルトコンベア装置50に切線3の形成及び各小割素板ガラス5域にアライメントマーク85を付けた大板素板ガラス2を搬入し、大板素板ガラス2を平面支持して、前進送り、送りの一時停止を繰り返しながら、大板素板ガラス2を前端域から切線3に沿った折割、分離を行い、順次小割素板ガラス5を切り出すようになっている。
【0034】
折割、分離を行うポジション51は、ベルトコンベア装置50後半域において、大板素板ガラス2の進行方向と直交して設けられている。
【0035】
ベルトコンベア装置50は、巾広のコンベアベルト52と、コンベアベルト52を下面から平面支持する支持台53と、コンベアベルト52を回動させる駆動装置54とを備える。
【0036】
折割分離装置6は、折割分離ポジション7を備えており、折割分離ポジション7において、ベルトコンベア装置50のコンベアベルト52を支持する支持台53に大板素板ガラス2の送り方向に直交して開口部55が設けられ、開口部55の内に上下動する横方向折割ローラ56が装置されている。
【0037】
支持台53には、中央域において出口側に向かってかつ大板素板ガラス2の送り方向に沿って開口部57が設けられ、開口部57に縦方向折割ローラ58が上下動するように装置されている。
【0038】
折割分離ポジション7の上方において、大板素板ガラス2の送り方向であるX軸方向に直交して吸着搬送装置9が架設されている。吸着搬送装置9は、吸着搬送シャトル59を備え、吸着搬送シャトル59は、折割分離ポジション7と位置決めポジション16の位置決めテーブル8との間を往復動する。
【0039】
吸着搬送装置9は、立設台60に取付けられており、折割分離ポジション7上方から位置決めポジション16上方に至って架設されたフレーム体61を備え、フレーム体61の上面にガイドレール装置62が敷設され、ガイドレール装置62のスライドブロックに吸着搬送シャトル59がブラケット88を介して取付けられている。
【0040】
吸着搬送シャトル59は、ガイドレール装置62に保持され、直動自在である。
【0041】
吸着搬送シャトル59は、吸着持上げ装置63を備え、吸着持上げ装置63は、ブラケット88の立面に取付けられたガイド式エアーシリンダ装置64と、ガイド式エアーシリンダ装置64の上下移動体に取付けた吸着パット65とを備える。
【0042】
フレーム体61には、ガイドレール装置62に沿ってボールネジ66が装置され、ボールネジ66はナットを介してブラケット88に連結され、他端にシャトル移動用モータ67が連結されている。
【0043】
シャトル移動用モータ67は、数値制御され、吸着搬送シャトル59を数値制御直動させる。吸着搬送シャトル59は、折割分離ポジション7で折割、分離された小割素板ガラス5を吸着持上げて、位置決めポジション16まで吸着搬送し、位置決めテーブル8の上面に吸着開放載置する。
【0044】
位置決めポジション16には、位置決めテーブル8と、位置決めテーブル8の上方にテーブル上面に垂直に向かって設置された2台のCCDカメラ10とを備える。
【0045】
位置決めテーブル8は、最少位に小割素板ガラス5を載置する回転テーブル71を備える。
【0046】
回転テーブル71は、角度制御モータを備え、中央を中心として角度制御される。
【0047】
回転テーブル71は、切線形成装置4のワーク座標系のX軸、Y軸に平行してX軸方向及びY軸方向にNC制御されて移動されるようになっている。
【0048】
回転テーブル71は、Y軸テーブル72のガイドレール装置73に支持され、Y軸モータ74によりY軸移動される。
【0049】
Y軸テーブル72は、X軸テーブル75のガイドレール装置76に支持され、X軸モータ77によりX軸移動されるようになっている。
【0050】
位置決めポジション16での2つのCCDカメラ10の設置位置を説明する。
【0051】
切線形成装置4に設定のワーク座標系を位置決めポジション16にシフトし、切線形成装置4での設定の2つのアライメントマーク85の座標値を位置決めポジション16での2つのアライメントマーク85の基準位置とし、この2つの基準位置のそれぞれにCCDカメラ10を設置し、位置決めテーブル8に搬送されてきた小割素板ガラス5のアライメントマーク85を撮像、画像処理して基準位置との位置ズレ量、角度ズレ量を算出する。
【0052】
マーキングヘッド装置33は、スタンプ方式でもインクジェット方式でもよい。
【0053】
大板素板ガラス2への小割素板ガラス5の切線3の形成及び切り出し前の小割素板ガラス5域へのアライメントマーク85付け、大板素板ガラス2からの小割素板ガラス5の折割分離、分離した小割素板ガラス5の位置決め方法は、下記の通り。
【0054】
切線形成装置4のベルトコンベアテーブル11上に大板素板ガラス2を搬入、位置決め停止させる。
【0055】
記憶させた小割素板用切線形成情報に基づいてスクライブヘッド12及びマーキングヘッド装置33を一体としてNC制御移動させ、先ず、スクライブヘッド12を動作させて、大板素板ガラス2上面に多数の小割素板ガラス5の形状の切線3を形成する。
【0056】
次に、マーク付け情報に基づいて、スクライブヘッド12及びマーキングヘッド装置33を一体としてNC制御の座標移動をさせ、マーキングヘッド装置33を大板素板ガラス2の上面に切線形成した各小割素板ガラス5域内に設定の2箇所位置へ移動位置させ、マーキングヘッド装置33を作動させ、2つのアライメントマーク85を付ける。マーク付けは各小割素板ガラス5域ごとに行う。
【0057】
切線形成、マーク付けの終わった大板素板ガラス2は、搬出され、次の折割分離装置6のベルトコンベア装置50上面に搬入される。
【0058】
折割分離装置6で大板素板ガラス2は、ベルトコンベア装置50に平面支持され、前方への直線送り、停止の繰返しの寸動送りされる。即ち、大板素板ガラス2の前端域87が折割分離ポジション7に入り、横方向切線が横方向折割ローラ56に達すると、大板素板ガラス2は停止し、この停止で、吸着搬送シャトル59の吸着パット65が降下し、小割素板ガラス5を吸着する。
【0059】
同時に、横方向折割ローラ56及び縦方向折割ローラ58が押上がり、小割素板ガラス5を切線3で折割る。
【0060】
同時に、吸着搬送シャトル59が小割素板ガラス5を吸着中の吸着パット65が上昇し、小割素板ガラス5を大板素板ガラス2から分離させる。
【0061】
吸着搬送シャトル59は、分離した小割素板ガラス5を吸着したまま位置決めポジション16に吸着搬送し、位置決めテーブル8上に載置する。
【0062】
位置決めテーブル8上に載置された小割素板ガラス5は、上方に設置の2台のCCDカメラ10により2箇所のアライメントマーク85を撮像される。
【0063】
画像データは、再像処理、演算処理され、2つのアライメントマーク85の中心の実際の位置、角度が検出され、基準位置からの位置ズレ量、角度ズレ量が算出される。
【0064】
位置決めテーブル8は、位置ズレ量、角度ズレ量を零にするように、角度制御回転、X軸及びY軸に制御移動し、載置の小割素板ガラス5の位置決めを行う。
【符号の説明】
【0065】
1 小割素板ガラス切り出し及び位置決め装置
2 大板素板ガラス
3 切線
4 切線形成装置
5 小割素板ガラス
6 折割分離装置
7 折割分離ポジション
8 位置決めテーブル
9 吸着搬送装置
10 CCDカメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2016年10月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素板ガラスに対する切線形成ポジションにおいて予め設定されたワーク座標系をもって素板ガラスに切線を形成し、この素板ガラスから切線に沿って切り出された複数の切り出しガラス板を形成する前に、素板ガラスから複数の切り出し予定のガラス板の夫々に該ワーク座標系において予め設定された少なくとも2箇所にアライメントマークを付し、アライメントマークが付され且つ切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、該ワーク座標系において設定したアライメントマークの座標値を基準位置として設置したカメラによりアライメントマークを撮像及び画像処理して切り出されたガラス板の実際のアライメントマークの位置を検出し、実際のアライメントマークの位置と基準位置との位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正するガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法。
【請求項2】
スクライブヘッドを数値制御して素板ガラスのガラス板面に沿って予め設定されたワーク座標系においてXY平面座標移動させて素板ガラスに当該スクライブヘッドで切線を形成し、この素板ガラスから切線に沿って切り出された複数の切り出しガラス板を形成する前に、素板ガラスから複数の切り出し予定のガラス板の夫々に該ワーク座標系において設定された少なくとも2箇所にアライメントマークを付し、アライメントマークが付され且つ切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、該ワーク座標系において設定したアライメントマークの座標値を基準位置として設置したカメラによりアライメントマークを撮像及び画像処理して切り出されたガラス板の実際のアライメントマークの位置を検出し、実際のアライメントマークの位置と基準位置とのXY平面での位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板のXY平面での位置及び角度を修正するガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法。
【請求項3】
素板ガラスに対する切線形成ポジションにおいて予め設定されたワーク座標系をもって素板ガラスに切線を形成し、この素板ガラスから切線に沿って切り出された複数の切り出しガラス板を形成する前に、素板ガラスから複数の切り出し予定のガラス板の夫々に該ワーク座標系において予め設定された少なくとも1箇所にアライメントマークを付し、アライメントマークが付され且つ切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、該ワーク座標系において設定したアライメントマークの座標値を基準位置として設置したカメラによりアライメントマークを撮像及び画像処理して切り出されたガラス板の実際のアライメントマークを検出し、この検出した実際のアライメントマークの位置及び形態と基準位置及び付されたアライメントマークの形態とに基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正するガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法。
【請求項4】
素板ガラスの板面に沿ってXY平面座標移動して当該素板ガラスに切線を形成するスクライブヘッドを有した切線形成装置と、スクライブヘッドにより切線が形成された素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す前に、切り出し予定のガラス板の領域の少なくとも2箇所にアライメントマークを付するマーク付与装置と、切線形成装置により形成された切線に沿って素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す切り出し装置と、この切り出し装置により切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、切線形成装置に設定のワーク座標系において設定したマーク座標値を基準位置として設置されたカメラと、このカメラにより撮像されたアライメントマークを画像処理して実際のアライメントマークの位置を検出し、この検出した実際のアライメントマークの位置とアライメントマークの基準位置との位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正する位置及び角度修正装置とを具備したガラス板の切り出しと切り出したガラス板の位置決めとを行う装置。
【請求項5】
素板ガラスの板面に沿ってXY平面座標移動して当該素板ガラスに切線を形成するスクライブヘッドを有した切線形成装置と、スクライブヘッドにより切線が形成された素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す前に、切り出し予定のガラス板の領域の少なくとも1箇所にアライメントマークを付するマーク付与装置と、切線形成装置により形成された切線に沿って素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す切り出し装置と、この切り出し装置により切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、切線形成装置に設定のワーク座標系において付けたマーク座標値を基準位置として設置されたカメラと、このカメラにより撮像されたアライメントマークを画像処理して実際のアライメントマークの位置を検出し、この検出した実際のアライメントマークの位置とアライメントマークの基準位置との位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正する位置及び角度修正装置とを具備したガラス板の切り出しと切り出したガラス板の位置決めとを行う装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法及びその装置に関する。
【0002】
また、本発明は、大板の素板ガラスからの多数の小割の素板ガラスの切り出し及び切り出した素板ガラスを順次位置決めするガラス板の位置決め方法及びその装置に係る。
【背景技術】
【0003】
従来、一般的には、小割の素板ガラスの位置決めは、小割の素板ガラスの周縁を複数の必要位置ごとに配置したストッパーコロに押し当てて行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−124330号公報
【特許文献2】特開2001−261357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ストッパーコロへの接触当てによる小割の素板ガラスの位置決めには、素板ガラスの折割エッヂの形状具合、コロの摩耗具合、コロへの押付け態様及び押付け力の具合等によってバラツキが生じる。特に、近年のように小割の素板ガラスの周縁とこの小割の素板ガラスに形成する切線との間の耳部が零か極小にしか許されない場合又は小割の素板ガラスの周縁の正確な研削が要求される場合には、位置決め精度の低下及び位置決めのバラツキは、切線形成折割不良、周縁研削不良となり、小割の素板ガラスの損失となる。
【0006】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、切線形成折割不良又は周縁研削不良を回避でき、小割の素板ガラスである切り出しガラス板の損失を生じさせないようにしたガラス板の切り出し及び切り出しガラス板の位置決め方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法は、素板ガラスに対する切線形成ポジションにおいて予め設定されたワーク座標系をもって素板ガラスに切線を形成し、この素板ガラスから切線に沿って切り出された複数の切り出しガラス板を形成する前に、素板ガラスから複数の切り出し予定のガラス板の夫々に該ワーク座標系において予め設定された少なくとも2箇所にアライメントマークを付し、アライメントマークが付され且つ切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、該ワーク座標系において設定したアライメントマークの座標値を基準位置として設置したカメラによりアライメントマークを撮像及び画像処理して切り出されたガラス板の実際のアライメントマークの位置を検出し、実際のアライメントマークの位置と基準位置との位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正することを含んでいる。
【0008】
また本発明によるガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法は、スクライブヘッドを数値制御して素板ガラスのガラス板面に沿って予め設定されたワーク座標系においてXY平面座標移動させて素板ガラスに当該スクライブヘッドで切線を形成し、この素板ガラスから切線に沿って切り出された複数の切り出しガラス板を形成する前に、素板ガラスから複数の切り出し予定のガラス板の夫々に該ワーク座標系において設定された少なくとも2箇所にアライメントマークを付し、アライメントマークが付され且つ切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、該ワーク座標系において設定したアライメントマークの座標値を基準位置として設置したカメラによりアライメントマークを撮像及び画像処理して切り出されたガラス板の実際のアライメントマークの位置を検出し、実際のアライメントマークの位置と基準位置とのXY平面での位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板のXY平面での位置及び角度を修正することを含んでいる。
【0009】
更にまた本発明によるガラス板の切り出し及び切り出したガラス板の位置決め方法は、素板ガラスに対する切線形成ポジションにおいて予め設定されたワーク座標系をもって素板ガラスに切線を形成し、この素板ガラスから切線に沿って切り出された複数の切り出しガラス板を形成する前に、素板ガラスから複数の切り出し予定のガラス板の夫々に該ワーク座標系において予め設定された少なくとも1箇所にアライメントマークを付し、アライメントマークが付され且つ切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、該ワーク座標系において設定したアライメントマークの座標値を基準位置として設置したカメラによりアライメントマークを撮像及び画像処理して切り出されたガラス板の実際のアライメントマークを検出し、この検出した実際のアライメントマークの位置及び形態と基準位置及び付されたアライメントマークの形態とに基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正することを含んでいる。
【0010】
本発明によるガラス板の切り出しと切り出したガラス板の位置決めとを行う装置は、素板ガラスの板面に沿ってXY平面座標移動して当該素板ガラスに切線を形成するスクライブヘッドを有した切線形成装置と、スクライブヘッドにより切線が形成された素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す前に、切り出し予定のガラス板の領域の少なくとも2箇所にアライメントマークを付するマーク付与装置と、切線形成装置により形成された切線に沿って素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す切り出し装置と、この切り出し装置により切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、切線形成装置に設定のワーク座標系において設定したマーク座標値を基準位置として設置されたカメラと、このカメラにより撮像されたアライメントマークを画像処理して実際のアライメントマークの位置を検出し、この検出した実際のアライメントマークの位置とアライメントマークの基準位置との位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正する位置及び角度修正装置とを具備している。
【0011】
また本発明によるガラス板の切り出しと切り出したガラス板の位置決めとを行う装置は、素板ガラスの板面に沿ってXY平面座標移動して当該素板ガラスに切線を形成するスクライブヘッドを有した切線形成装置と、スクライブヘッドにより切線が形成された素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す前に、切り出し予定のガラス板の領域の少なくとも1箇所にアライメントマークを付するマーク付与装置と、切線形成装置により形成された切線に沿って素板ガラスから切り出しガラス板を切り出す切り出し装置と、この切り出し装置により切り出されたガラス板を位置決めする位置決めポジションにおいて、切線形成装置に設定のワーク座標系において付けたマーク座標値を基準位置として設置されたカメラと、このカメラにより撮像されたアライメントマークを画像処理して実際のアライメントマークの位置を検出し、この検出した実際のアライメントマークの位置とアライメントマークの基準位置との位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、切り出しガラス板の位置及び角度を修正する位置及び角度修正装置とを具備している。
【0012】
本発明の方法の一例によれば、切線形成装置において、切線形成のスクライブヘッドとマーキングヘッド装置とを共通のブラケットに並設してこれらを一体となって座標移動させ、先ず先の移動でスクライブヘッドにより大板の素板ガラスに切線を形成し、次の移動でマーキングヘッド装置により大板の素板ガラスにアライメントマークを付けるため、切線形状に対して精確な位置にアライメントマーク付けができる。
【0013】
また、本発明の方法の一例によれば、位置決めポジションでの2つのCCDカメラの設置が切線形成装置に設定のワーク座標系をシフトし、切線形成装置での設定のアライメントマーク座標値を位置決めポジションでの基準位置とし、この基準位置にCCDカメラが設置されているため、切線形成装置でのマーク付け座標位置に基づいてのマーク位置検出となり、小割の素板ガラスの位置修正、角度修正となるため、精確な位置決めとなる。
【0014】
本発明では、アライメントマークは、好ましくは、少なくとも2箇所に付されるが、アライメントマークが例えば十字形、三角形を含む多角形等の角度ズレ量をも検出し得る形状を含んでいれば、アライメントマークは、少なくとも1箇所に付されてもよく、アライメントマークが少なくとも1箇所であれば、カメラもまた少なくとも1箇所に設置すればよく、また、カメラ、言い換えると、イメージセンサとしてのカメラは、好ましくは、CCDイメージセンサからなるCCDカメラであるが、その他のカメラ、例えば、CMOSイメージセンサからなるCMOSカメラであってもよい。
【0015】
また本発明では、位置決めポジションにおいて、位置決めされた切り出しガラス板は、次の加工ポジションに搬送されるが、斯かる次の加工ポジションで、最終形状の切線に加えて端切線が形成されて、これら最終形状の切線及び端切線に沿って折割られ、折割り後、折割りガラス板の周縁に研削が施されて、最終ガラス板製品にされてもよく、これに代えて、次の加工ポジションでは、切り出しガラス板の周縁に研削のみが施されて、最終ガラス板製品にされてもよく、この場合には、前段の切線形成ポジションで、最終形状の切線及び端切線の素板ガラスへの形成に加えてアライメントマークの付与がなされ、同じく前段の折割ポジションで最終形状の切線及び端切線に沿って折割られて切り出されたアライメントマーク付のガラス板が位置決めポジションにおいて位置決めされることになる。
【0016】
加えて、本発明では、端切線を含む切線形成、アライメントマークの付与及び切り出しを一つのポジションで行わせてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、切り出しガラス板の位置及び角度を修正するために、切り出しガラス板に対する次の加工での切線形成折割不良又は周縁研削不良を回避でき、小割の素板ガラスである切り出しガラス板の損失を生じさせないようにしたガラス板の切り出し及び切り出しガラス板の位置決め方法及びその装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の好ましい一具体例の平面説明図である。
図2図2は、図1に示す一具体例の一部断面側面説明図である。
図3図3は、図1に示す一具体例のIII−III線矢視断面説明図である。
図4図4は、図1に示すスクライブヘッドの正面説明図である。
図5図5は、図1に示すV−V線矢視断面説明図である。
図6図6は、図1に示す一具体例でのガラス板の上面へのマーキング動作の説明図である。
図7図7は、図1に示す一具体例での小割の素板ガラスの位置決めポジションへの搬送状態の説明図である。
図8図8は、図1に示す一具体例での位置決めポジションにおいてCCDカメラによる小割の素板ガラスのアライメントマークの撮像状態説明図である。
図9図9は、図1に示す一具体例でのIX−IX線矢視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の好ましい実施の態様を図面に示す一具体例に基づいて説明する。本発明は、これら具体例に何ら限定されない。
【0020】
図1から図9において、ガラス板の切り出しと切り出したガラス板の位置決めとを行う本例の装置(以下、切り出しガラス板の位置決め装置という)1は、搬入された大板の素板ガラス2に多数の小割の素板ガラス5の形状の切線3を形成するべく、切線形成ポジション4aに設けられた切線形成装置4と、切線形成装置4から搬出され、切線3の形成済の素板ガラス2を受け、素板ガラス2を寸動(間欠)送りしながら前端域から素板ガラス2を切線3に沿って素板ガラス5に順次折割分離する、即ち、切線形成装置4により形成された切線3に沿って素板ガラス2から切り出しガラス板である素板ガラス5を切り出す切り出し装置である折割分離装置6と、折割分離装置6からの素板ガラス5が受容されると共に受容した素板ガラス5に対する位置及び角度の修正を行う一対の位置及び角度修正装置8と、折割分離装置6における折割分離ポジション7及び位置及び角度修正装置8の上方に設けられていると共に素板ガラス5を各位置及び角度修正装置8へ吸着持上げ搬送する一対の吸着搬送装置9と、位置及び角度修正装置8の上方に設置された少なくとも一つのカメラ、本例では2台のCCDカメラ10とを具備しており、次の一対の加工装置90、例えば切り出した素板ガラス5の周縁の研削を行う加工装置90の夫々の入込みポジション91でもある位置決めポジション16に設置されている位置及び角度修正装置8の夫々では、2台のCCDカメラ10による撮像、続く画像処理演算に基づいて載置された素板ガラス5の位置及び角度修正を含む位置決めが行われるようになっている。
【0021】
切線形成装置4は、搬入された素板ガラス2のX軸方向と平行なA方向の搬送を行うと共に素板ガラス2を平面支持するコンベアベルト13を有したベルトコンベアテーブル11と、コンベアベルト13の上方において、コンベアベルト13の上面に対して平行なXY平面座標移動を行うスクライブヘッド12を備えた切線形成手段42とを具備している。
【0022】
ベルトコンベアテーブル11は、巾広のコンベアベルト13に加えて、コンベアベルト13においてA方向に走行する側を下面から平面支持する支持台14と、コンベアベルト13を回走させる電動モータ、プーリ及びベルト等からなる駆動装置15とを具備しており、駆動装置15の電動モータの数値制御による駆動で素板ガラス2をA方向に搬送するようにコンベアベルト13を走行させる。
【0023】
本体フレーム18の内側にX軸方向に沿って取付けられているコンベアベルト13のX軸方向に直交するY軸方向の両側の夫々の本体フレーム18には、X軸方向に沿ってガイドレール19が設けられ、ガイドレール19の夫々には、スライドブロック20がX軸方向に移動自在に保持されている。
【0024】
コンベアベルト13の上方には、コンベアベルト13を跨いで、走行フレーム21が、そのY軸方向の両端でブラケット22の夫々を介してスライドブロック20に固定して架設されており、Y軸方向の両側のスライドブロック20に支持された走行フレーム21は、一対のガイドレール19に案内されてX軸方向に移動自在である。
【0025】
コンベアベルト13のY軸方向の両側の本体フレーム18の夫々には、ガイドレール19と平行にX軸方向に伸びたラック23が設けられており、走行フレーム21のY軸方向の両端の夫々に取付けられたブラケット22の夫々には、ラック23に噛合ったピニオンギア17を有したピニオンギア装置24が取付けられている。
【0026】
走行フレーム21には、Y軸方向のその両側の壁部及びブラケット22を回転自在に貫通してシャフト25が組付けてあり、シャフト25は、Y軸方向の両端部の夫々においてピニオンギア装置24にプーリ・ベルトを介して連結されており、シャフト25のY軸方向の一方の端部には、一方のブラケット22に支持されたX軸サーボモータ26の出力回転軸が連結されており、走行フレーム21は、X軸サーボモータ26の駆動によるシャフト25の回転及びプーリ・ベルトを介するピニオンギア17の回転によってX軸方向に移動するようになっている。
【0027】
走行フレーム21には、Y軸方向に沿って一対のガイドレール27が並設されていると共にガイドレール27に沿ってラック43が並設されており、ガイドレール27の夫々にY軸方向に移動自在に保持されたスライドブロック28にブラケット29が取付けられており、スライドブロック28を介して一対のガイドレール27に案内されてY軸方向に移動自在であるブラケット29の上面には、Y軸サーボモータ30が取付けられており、Y軸サーボモータ30の出力回転軸には、ラック43に噛合ったピニオンギア31が取付けられており、ブラケット29は、Y軸サーボモータ30の駆動によるピニオンギア31の回転及びピニオンギア31のラック43への噛合いによりY軸方向に移動するようになっている。
【0028】
ブラケット29の前面32には、素板ガラス2に切線3を形成するスクライブヘッド12と、素板ガラス2の上面にスタンプ方式又はインクジェット方式でアライメントマーク85を付するマーク付与装置であるマーキングヘッド装置33とが並設されており、スクライブヘッド12及びマーキングヘッド装置33とは、Y軸サーボモータ30の駆動で一体となってY軸方向に移動するようになっている。
【0029】
スクライブヘッド12は、カッタホイール34と、下端にカッタホイール34を備えたスプライン軸35と、ブラケット29に取付けられていると共にスプライン軸35をX−Y平面に直交する上下方向Hに移動自在且つその軸心Oを中心としてR方向に回転自在に保持するスプライン装置36と、スプライン軸35の上端に連結されたシリンダロッド有していると共にブラケット29に取付けられたエアーシリンダ装置37とを具備しており、切線形成手段42は、スクライブヘッド12に加えて、カッタホイール34の刃先を切線3の形成方向に合せるようにスプライン軸35を角度制御回転させる角度制御回転装置41を更に具備している。
【0030】
スプライン軸35、延いてはカッタホイール34を上下方向Hに上下動させるエアーシリンダ装置37は、カッタホイール34による素板ガラス2への切線形成時には、カッタホイール34を降下させて、素板ガラス2にエアー圧により押付けるようになっている。
【0031】
角度制御回転装置41は、スプライン軸35に取付けられた従動ギア39と、従動ギア39に噛合う駆動ギア40と、駆動ギア40が取付けられえた出力回転軸を有していると共にブラケット29に取付けられた角度制御モータ38と具備しており、カッタホイール34の刃先を切線3の形成方向に合せるように、スプライン軸35を軸心Oを中心としてR方向に角度制御回転させるるようになっている。
【0032】
折割分離装置6は、切線3が形成され且つ各素板ガラス5の領域にアライメントマーク85が付された素板ガラス2が搬入されるようになっているベルトコンベア装置50を備えており、ベルトコンベア装置50は、搬入された素板ガラス2を平面支持して、A方向への前進送り、この送りの一時停止を繰り返すコンベアベルト52を具備しており、折割分離装置6は、コンベアベルト52の前進送り及び送りの一時停止に同期して、素板ガラス2を前端域から切線3に沿った折割、分離を行い、順次素板ガラス5を切り出すようになっている。
【0033】
ベルトコンベア装置50は、巾広のコンベアベルト52に加えて、コンベアベルト52を下面から平面支持する支持台53と、コンベアベルト52を回動、即ち、平面支持した素板ガラス2にA方向への前進送り、この送りの一時停止を繰り返させるようにコンベアベルト52を回動させる駆動装置54とを具備している。
【0034】
ベルトコンベア装置50の下流域において、A方向と直交して設けられた折割、分離を行うポジション51において、折割分離装置6は、折割分離ポジション7を備えており、折割分離ポジション7において、コンベアベルト52を支持する支持台53には、素板ガラス2の搬送方向であるA方向に直交してY軸方向に伸びた開口部55と、そのY軸方向の中央域においてA方向、即ち、X軸方向に伸びた開口部57とが設けられており、開口部55には、上下方向Hに移動する横方向折割ローラ56が、開口部57には、上下方向Hに移動する縦方向折割ローラ58が夫々配されている。
【0035】
折割分離ポジション7の上方において、Y軸方向に直列に並んで架設された一対の吸着搬送装置9の夫々は、吸着搬送シャトル59を備えており、吸着搬送シャトル59の夫々は、Y軸方向において折割分離ポジション7と位置決めポジション16の位置及び角度修正装置8との間を往復動するようになっている。
【0036】
立設台60に取付けられた吸着搬送装置9の夫々は、折割分離ポジション7の上方から位置決めポジション16の上方までに亘って架設されたフレーム体61を備えており、各フレーム体61の上面には、一対のガイドレール62が敷設されており、ガイドレール62にY軸方向に移動自在に嵌合されたスライドブロックに吸着搬送シャトル59の夫々がブラケット88を介して取付けられており、対応のガイドレール62に案内されて、Y軸方向に直動自在である各吸着搬送シャトル59は、吸着持上げ装置63を具備しており、吸着持上げ装置63の夫々は、ブラケット88の前面に取付けられたガイド式エアーシリンダ装置64と、ガイド式エアーシリンダ装置64の上下移動体に取付けられた吸着パット65とを具備している。
【0037】
各フレーム体61には、ガイドレール62に沿ってボールネジ66が回転自在に取付けられており、ボールネジ66の夫々は、ブラケット88に取付けられたナット68に螺合して当該ナット68を介してブラケット88に連結されており、その一端でシャトル移動用モータ67の出力回転軸に連結されている。
【0038】
フレーム体61のY軸方向の一端に取付けられたシャトル移動用モータ67の夫々は、その数値制御駆動によるボールネジ66の回転でナット68及びブラケット88を介して吸着搬送シャトル59をY軸方向に数値制御直動させるようになっており、吸着搬送シャトル59の夫々は、折割分離ポジション7で折割、分離された素板ガラス5を、吸着パット65を介して吸着持上げて位置決めポジション16まで吸着搬送し、位置及び角度修正装置8の回転テーブル71の上面で吸着開放して回転テーブル71の上面に載置するようになっている。
【0039】
位置決めポジション16の夫々には、位置及び角度修正装置8と、位置及び角度修正装置8の上方に設置された2台のCCDカメラ10とが配されており、位置及び角度修正装置8の夫々は、素板ガラス5を載置する回転テーブル71と、回転テーブル71をX−Y平面に対して直交する中央軸O2を中心として角度制御回転させる角度制御モータ70とを具備している。
【0040】
回転テーブル71の夫々は、角度制御モータ70を介してY軸テーブル72のガイドレール装置73に支持されていると共にY軸モータ74の数値制御駆動によりY軸方向に移動されるようになっており、Y軸テーブル72は、X軸テーブル75のガイドレール装置76に支持されていると共にX軸モータ77の数値制御駆動によりX軸方向に移動されるようになっており、これらにより、回転テーブル71の夫々は、切線形成ポジション4aにおけるワーク座標系のX軸方向及びY軸方向に対応した位置決めポジション16でのワーク座標系のX軸方向及びY軸方向に数値制御されて移動されるようになっている。
【0041】
位置決めポジション16での2つのCCDカメラ10は、一つの素板ガラス5に対して切線形成ポジション4aにおける切線形成装置4に設定のワーク座標系と同一のワーク座標系を位置決めポジション16においても設定し、切線形成装置4のワーク座標系において素板ガラス5に対して設定された2つのアライメントマーク85の位置(切線形成ポジション4aにおける切線形成装置4に設定のワーク座標系でのX軸方向及びY軸方向の座標値)に対応する位置決めポジション16に設定したワーク座標系での位置(2つのアライメントマーク85対する位置決めポジション16でのワーク座標系での基準位置)にその撮像の中心位置が配されるように、設置されており、回転テーブル71に搬送されてきた素板ガラス5のアライメントマーク85を撮像、画像処理して当該基準位置との位置ズレ量及び位置ズレ量から素板ガラス5の角度ズレ量を算出する。
【0042】
素板ガラス2の板面に沿ってXY平面座標移動して当該素板ガラス2に切線3を形成するスクライブヘッド12を有した切線形成装置4と、スクライブヘッド12により切線3が形成された素板ガラス2から切り出しガラス板である素板ガラス5を切り出す前に、切り出し予定の素板ガラス5の領域の少なくとも1箇所、本例では2箇所にアライメントマーク85を付するマーク付与装置であるマーキングヘッド装置33と、切線形成装置4により形成された切線3に沿って素板ガラス2から素板ガラス5を切り出す切り出し装置である折割分離装置6と、折割分離装置6により切り出された素板ガラス5を位置決めする位置決めポジション16において、切線形成装置4に設定のワーク座標系において設定したマーク座標値を基準位置として設置されたカメラとしてのCCDカメラ10と、CCDカメラ10により撮像されたアライメントマーク85を画像処理して実際のアライメントマーク85の位置を検出し、この検出した実際のアライメントマーク85の位置とアライメントマーク85の基準位置との位置ズレ量を算出し、この位置ズレ量に基づいて、素板ガラス5の位置及び角度を修正する位置及び角度修正装置8とを具備した以上の素板ガラス2からガラス板としての素板ガラス5の切り出しと切り出したガラス板としての素板ガラス5の位置決めとを行う切り出しガラス板の位置決め装置装置1では、ベルトコンベアテーブル11上において予め設定の切線形成ポジション4aでのワーク座標系の所定の初期位置に位置合わせされて素板ガラス2がベルトコンベアテーブル11上に搬入、載置されて、搬入、載置後のベルトコンベアテーブル11の数値制御による走行後の設定の切線形成ポジション4aでのワーク座標系の位置に素板ガラス2が位置決め停止されると、予め記憶された小割素板用切線形成用の数値情報に基づいて、スクライブヘッド12及びマーキングヘッド装置33が一体として数値制御移動されて、先ず、スクライブヘッド12の動作で、素板ガラス2上面に多数の素板ガラス5の形状の切線3が形成され、次に、予め記憶されたマーク付け用の数値情報に基づいて、スクライブヘッド12及びマーキングヘッド装置33が一体として数値制御移動されて、素板ガラス2の上面に切線形成された各素板ガラス5の領域内の設定の2箇所へ移動されたマーキングヘッド装置33の作動で、2つのアライメントマーク85が各素板ガラス5ごとに付される。
【0043】
更に切り出しガラス板の位置決め装置1では、切線形成及びマーク付けの完了した素板ガラス2は、コンベアベルト13の走行でベルトコンベアテーブル11から搬出され、次の折割分離装置6のベルトコンベア装置50のコンベアベルト52の上面に搬入され、折割分離装置6では、素板ガラス2は、コンベアベルト52に平面支持されると共にコンベアベルト52でA方向の直線送り、その停止の繰返しからなる寸動送りされ、斯かる寸動送りにおいて、素板ガラス2の前端域87の折割分離ポジション7への到達及びY軸方向の切線3の横方向折割ローラ56への到達でのコンベアベルト52の停止で、各吸着搬送シャトル59の吸着パット65は、降下されて、小割素板ガラス5を吸着し、この吸着と同時に、横方向折割ローラ56及び縦方向折割ローラ58が押上がり、折割分離ポジション7での素板ガラス2が切線3で折割られ、吸着搬送シャトル59における素板ガラス5を吸着中の吸着パット65が上昇され、この上昇で吸着パット65に吸着されている素板ガラス5は、残る素板ガラス2から分離されて切り出され、吸着搬送シャトル59は、切り出した素板ガラス5を吸着したまま位置決めポジション16に吸着搬送し、当該素板ガラス5を回転テーブル71上に載置し、回転テーブル71上に載置された素板ガラス5の2箇所のアライメントマーク85は、上方に設置の2台のCCDカメラ10により撮像され、撮像された画像データは、画像処理及び演算処理され、この演算処理で回転テーブル71上に載置された素板ガラス5の2つのアライメントマーク85の中心の実際の位置及び素板ガラス5の角度が検出され、アライメントマーク85の中心の基準位置及び素板ガラス5のX軸方向及びY軸方向に関する基準角度からの位置ズレ量及び角度ズレ量が算出され、回転テーブル71は、算出された位置ズレ量及び角度ズレ量を零にするように、角度制御モータ70の数値制御回転による角度制御回転並びにY軸モータ74及びX軸モータ77の数値制御駆動によるX軸方向及びY軸方向の制御移動で、載置の素板ガラス5の位置決めを行うようになっている。
【0044】
位置及び角度修正装置8で位置決めされた素板ガラス5は、次段の加工装置90の搬送装置94の吸盤装置92により持上げられて、加工装置90の加工テーブル93の上に載置される。
【符号の説明】
【0045】
1 切り出しガラス板の位置決め装置
2、5 素板ガラス
3 切線
4 切線形成装置
6 折割分離装置
7 折割分離ポジション
8 位置及び角度修正装置
9 吸着搬送装置
10 CCDカメラ
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9