特開2017-194216(P2017-194216A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-194216(P2017-194216A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】警棒
(51)【国際特許分類】
   F41B 15/02 20060101AFI20170929BHJP
   F41B 15/00 20060101ALI20170929BHJP
   F41B 7/00 20060101ALI20170929BHJP
   G08B 15/02 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
   F41B15/02 A
   F41B15/00 A
   F41B15/00 Z
   F41B7/00 C
   G08B15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2016-84360(P2016-84360)
(22)【出願日】2016年4月20日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
5C084
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA07
5C084BB31
5C084HH17
(57)【要約】
【課題】 本発明は、格闘用の警棒として使用されるだけではなく、刃物やピストルから身を守ったり、離れた相手の行動に制限を加えたり、相手を捕えたりする機能を有することを可能にする。また、本発明の警棒が周知になることにより、犯罪の抑止力を高めることができる。
【解決手段】 外筒2と、前記外筒2の内部に収容されたネット9・10と、前記ネット9・10を発射又は展開させる機構11A・11Bを有することを特徴とする警棒1とした。ネット9を展開することで刃物やピストルから身を守り、ネット10を発射することで相手に絡ませることができる。警棒1は、更に、催涙弾13又はカラー弾14と、それを発射するための機構12A・12Bを有することができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒と、前記外筒の内部に収容されたネットと、前記ネットを発射又は展開させる機構を有することを特徴とする警棒。
【請求項2】
前記ネットを展開するための骨棒を更に有することを特徴とする請求項1に記載の警棒。
【請求項3】
前記外筒の内部に収容された催涙弾又はカラー弾と、前記催涙弾又はカラー弾を発射するための機構を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の警棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警棒に関し、特に、警棒内部にネットを装備した警棒に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、警官や警備員が携帯する警棒は、棍棒の種類の一つで、護身用具・逮捕具として使用される。材質や形状が特殊なものや伸縮性を有する特殊警棒は存在するが、その内部に機能性を有する部材を装備したものは知られていない。
【0003】
不審者等を一時的に拘束するための網を発射する装置が知られている。例えば、人体に絡む様に加工した動作遅延網を発射し、不審侵入者の行動を一時的に束縛する事を特徴とする据付形及び携帯形の逃走遅延装置が知られている(特許文献1)。また、侵入経路又は逃走経路に取り付けられ、加速錘によって投げ放つべき捕捉網の投網器として設計されている一時的な犯人拘束装置が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−326155号公報
【特許文献2】特表2000−503142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2では、不審者等の行動に制限を加えることを目的とするものであるが、何れも予め設置が必要であり、警官や警備員が携帯できるものではなく、警棒としても使用できない。特許文献1は、携帯形の逃走遅延装置も開示するが、ピストル状の装置であり、警棒としては使用できない。
【0006】
本発明は、格闘用の警棒として使用できるだけではなく、刃物やピストルなどによる危害から身を守ったり、離れた相手の行動に制限を加えたり、相手を捕えたりする機能を有することを目的とする。また、本発明の警棒が周知になることにより、犯罪の抑止力を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、外筒と、前記外筒の内部にネットを装備し、該ネットを発射又は展開させる機構を有することを特徴とする警棒である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、格闘用の警棒として使用可能であり、更に、内部に装備されたネットを発射又は展開する機構を有する。よって、展開したネットによって刃物やピストルなどの危害から身を守ったり、発射したネットによって離れた相手の行動に制限を加えてたりすることができる。予め難しい設定や設置が不要であり、警官や警備員が従来の警棒と同様に携帯することができる。本発明の警棒が周知になることにより、犯罪の抑止力を高めることができる。更に、本発明の警棒の内部に催涙弾又はカラー弾を装備し、該弾丸を発射させる機構を有することで、離れた相手に威嚇したり、相手の行動に制限を加えたり、相手に色付けをしたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の1実施形態の警棒1の外観図である。
図2】本発明の警棒1におけるA部材の縦断図である。
図3】本発明の警棒1におけるB部材の縦断図である。
図4】本発明の警棒1におけるネット9の展開図である。
図5】本発明の警棒1におけるネット10の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る警棒の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る警棒1の全体構成を示す外観図である。警棒1はA部材及びB部材からなる棒状の部材であり、警官や警備員が携帯することができ、警棒として使用できる。警棒1の両端にはキャップ部材15A、15Bが取り付けられている。
【0011】
図2、3は、それぞれ、A部材及びB部材の縦断図である。本発明の警棒1は、外筒2及び内筒21を有する。外筒2は、警棒としての使用を可能にするように、強度の高い材料で形成する。A部材とB部材の間は、ジョイント板20で仕切られている。
【0012】
図2に示すように、A部材の外筒2と内筒21の間の空間には、ネット9と、ネット9を効果的に展開させる骨棒7と、ネット9を押し出すためのバネ11Aが収容される。内筒21の内側の空間には、催涙弾13と、催涙弾13を押し出すためのバネ12Aが収容される。外筒2の外周には、圧縮棒3、4と、スイッチ16、17が取り付けられている。
【0013】
図3に示すように、B部材の外筒2と内筒21の間の空間にはネット10と、ネット10を効果的に展開させる骨棒8と、ネット10を押し出すためのバネ11Bが収容される。内筒21の内側の空間には、カラー弾14と、カラー弾14を押し出すためのバネ12Bが収容される。外筒2の外周には、圧縮棒5、6と、スイッチ18、19が取り付けられている。
【0014】
圧縮棒3,4,5,6は、それぞれ、バネ11A,12A,11B,12Bを圧縮するために使用される。例えば、圧縮棒3,4,5,6を水平の状態(図1〜3の状態)から垂直の状態(不図示)にする等の操作をすることにより、バネ11A,12A,11B,12Bを圧縮することができる。以下では、バネ11A,12A,11B,12Bが圧縮されているものとして、警棒1の動作を説明する。
【0015】
キャップ15Aを外してからスイッチ16を押すと、バネ11Aが解除され、バネ11Aの力でネット9が図2の右側に向けて押し出される。押し出されたネット9は、図4に示すように骨棒7により効果的に展開される。このように、展開されたネット9が先端に付いた警棒1として使用できる。展開されたネット9により、相手の刃物やピストルなどによる攻撃から身を守ることができる。このため、骨棒8及び/又はネット9は、強度のある素材を使用するとよい。ネットは、例えば、ケブラー等を使用するとよい。
【0016】
キャップ15Aを外してからスイッチ17を押すと、バネ12Aが解除され、バネ12Aの力で催涙弾13が図2の右側に向けて発射される。このとき、催涙弾13から催涙剤が放出され、相手は目を開けていられなくなり、離れた相手に威嚇したり、離れた相手の行動に制限を加えたりすることができる。
【0017】
キャップ15Bを外してからスイッチ18を押すと、バネ11Bが解除され、バネ11Bの力でネット10が図3の左側に向けて発射される。発射されたネット10は、図5に示すように展開し、狙った方向に飛行する。発射されたネット10が不審者に絡み付くことで動作に制限を加えて捕捉を容易にすることができる。そのため、骨棒8及びネット10は、絡み付き易い柔軟性のある素材であることが好ましい。また、ネット10は、10mまで飛ぶようにするとよい。
【0018】
キャップ15Bを外してからスイッチ19を押すと、バネ12Bが解除され、バネ12Bの力でカラー弾14が図3の左側に向けて発射される。このとき、発射されたカラー弾14から塗料等が放出され、例えば逃走中の相手に色付けをすることができる。
【0019】
上記実施形態では、ネット9,催涙弾13,ネット10,カラー弾14を展開又は発射するための機構としてバネ11A,12A,11B,12Bを用いる場合を説明したが、バネに代えて、圧縮空気や火薬を用いてもよい。バネ11A,12A,11B,12Bの圧縮方法は任意であり、圧縮棒3、4、5、6以外の構造で圧縮してもよい。
【符号の説明】
【0020】
1・・・警棒
2・・・外筒
21・・・内筒
3、4、5、6・・・圧縮棒
7、8・・・骨棒
9、10・・・ネット
11A、12A、11B、12B・・・バネ
13・・・催涙弾
14・・・カラー弾
15A、15B・・・キャップ部材
16、17、18、19・・・スイッチ
20・・・ジョイント板
図1
図2
図3
図4
図5