(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-194254(P2017-194254A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】換気フードの取り替え方法及びそのための換気フード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/04 20060101AFI20170929BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
F24F7/04 B
F24F13/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-86541(P2016-86541)
(22)【出願日】2016年4月22日
(71)【出願人】
【識別番号】500381775
【氏名又は名称】ワコー北成メタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113332
【弁理士】
【氏名又は名称】一入 章夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160037
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 真紀
(72)【発明者】
【氏名】川田 眞範
(72)【発明者】
【氏名】川田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】川田 宣規
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BB04
3L058BC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】埋込型換気フードを、簡便かつ安価に別の型の換気フードに取り替える方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】通気パイプ5との連結部6を外壁4の内部に有し、外壁4から突出するように設置されている換気フードを外壁面に取り付ける換気フード2に取り替える方法であって、(a)外壁面に近接する位置で前記換気フードを切断する工程、及び(b)工程(a)によって露出する換気口7を覆うことのできる大きさの開口部9と該開口部9の外周に設けられた平板状の取付部10とを有する換気フード2を、前記換気口7を前記開口部9で覆うように、前記取付部10と外壁4との間に防水部材11を設けて配置し、前記取付部10を介して外壁面に取り付ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気パイプとの連結部を外壁の内部に有し、外壁から突出するように設置されている換気フード1を外壁面に取り付ける換気フード2に取り替える方法であって、
(a)外壁面に近接する位置で前記換気フード1を切断する工程、及び
(b)工程(a)によって露出する換気口を覆うことのできる大きさの開口部と該開口部の外周に設けられた平板状の取付部とを有する換気フード2を、前記換気口を前記開口部で覆うように、前記取付部と外壁との間に防水部材を設けて配置し、前記取付部を介して外壁面に取り付ける工程
を含む、前記方法。
【請求項2】
少なくとも一対の開口部と、一方の開口部の外周に設けられた平板状の取付部と、前記取付部に設けられた防水部材とを有する、建物の外壁面に取り付けられる換気フード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に取り付けられている換気フードを簡便に新しい換気フードに取り替える方法及びそのための換気フードに関する。
【背景技術】
【0002】
商業用、工業用又は一般住宅用を問わず、建物の殆どには、換気又は排気のための通気パイプと、雨風の吹き込みを防止するために通気パイプの外側開口部にとりつけられる換気フードとを有する換気システムが設けられている。
【0003】
換気システムの中には、通気パイプと換気フードとの連結部が建物の外壁の内部に埋め込まれた位置にあって、外壁側からも内壁側からも連結部を直接触れたり視認したりすることができないタイプのものがある。以下、このタイプの換気システムを構成する換気フードを、埋込型換気フードと称する。
【0004】
従来、埋込型換気フードを取り替えるには、交換対象である換気フードが突出している部分の外壁を壊して連結部を露出させる、交換対象である換気フードを外して新たな換気フードを通気パイプに連結する、外壁を元に戻す、交換後の新たな換気フードと外壁との隙間をコーキング剤またはシーリング剤で目止めして防水加工する等の、多数の作業工程が必要である。当然、このような多工程を含む作業は、手間と費用を要する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、埋込型換気フードを、簡便かつ安価に別の型の換気フードに取り替える方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意工夫を重ねることで、下記の発明を完成させた。
【0007】
(1)通気パイプとの連結部を外壁の内部に有し、外壁から突出するように設置されている換気フード1を外壁面に取り付ける換気フード2に取り替える方法であって、
(a)外壁面に近接する位置で前記換気フード1を切断する工程、及び
(b)工程(a)によって露出する換気口を覆うことのできる大きさの開口部と該開口部の外周に設けられた平板状の取付部とを有する換気フード2を、前記換気口を前記開口部で覆うように、前記取付部と外壁との間に防水部材を設けて配置し、前記取付部を介して外壁面に取り付ける工程
を含む、前記方法。
(2)少なくとも一対の開口部と、一方の開口部の外周に設けられた平板状の取付部と、前記取付部に設けられた防水部材とを有する、建物の外壁面に取り付けられる換気フード。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、埋込型換気フードを、外壁を壊したり復元したりせずに別の型の換気フードへと取り替えることができ、作業工程の簡略化とコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の方法の工程(a)の一例を示す図である。
【
図2】本発明の方法の工程(b)の一例を示す図である。
【
図4】本発明の換気フードの正面図(左)及び背面図(右)である。
【
図5】本発明の換気フードの左側面図(左)及び右側面図(右)である
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、埋込型換気フードを別の新たな換気フードに取り替える方法及び該方法で新たに取り付けられる換気フードに関する。本発明の方法の一例を示す
図1及び
図2、並びに新たに取り付けられる換気フードの一例を示す
図3〜
図6を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0011】
図中、符号1は埋込型換気フード、符号2は新たに取り付けられる換気フード、符号3は外壁面、符号4は外壁、符号5は通気パイプ、符号6は換気フード1と通気パイプ5との連結部、符号7は換気フード1が取り外された後に露出する換気口、符号8は換気フード1の残部、符号9は新たに取り付けられる換気フード2の開口部、符号10は換気フード2の取付部、符号11は防水部材、符号12は貫通孔、符号13は金網である。
【0012】
第1の態様にかかる発明は、通気パイプ5との連結部6を外壁4の内部に有し、外壁4から突出するように設置されている埋込型換気フード1を外壁面に取り付ける換気フード2に取り替える方法であって、
(a)外壁面3に近接する位置で前記換気フード1を切断する工程、及び、
(b)工程(a)によって露出する換気口7を覆うことのできる大きさの開口部9と該開口部9の外周に設けられた平板状の取付部10とを有する換気フード2を、前記換気口7を前記開口部9で覆うように、前記取付部10と外壁4との間に防水部材11を設けて配置し、前記取付部10を介して外壁面3に取り付ける工程
を含む、前記方法に関する。
【0013】
図1及び
図2は、第1の態様にかかる発明に基づいてフードカバーを取り替える作業を、外壁の横方向から見た図で説明するものである。
図1は工程(a)を、
図2は工程(b)をそれぞれ表す。
【0014】
工程(a)において、埋込型換気フード1は外壁面3に近接する位置(
図1左の矢印で示される位置)で切断される。切断位置に特に限定はないが、外壁面3にできるだけ近い位置であることが好ましい。また切断方法は、糸鋸、グラインダー又はバーナー等、埋込型換気フード1の材質に合わせて適宜選択すればよい。工程(a)によって、外壁4の内部における通気パイプとの連結部6から切断部分までからなる残部8以外の換気フード1は外壁4から取り外される。
【0015】
工程(b)は、工程(a)で換気フード1が切断される結果として露出する換気口7を覆うようにして、新たな換気フード2を外壁面3に取り付ける工程である。ここで換気フード2は、前記換気口7を覆うことのできる大きさの開口部9と、該開口部9の外周に設けられた平板状の取付部10とを有する。
【0016】
換気口7を覆うことのできる大きさの開口部9とは、換気口7の外縁を取り囲むことができる程度の大きさを有する開口部9である。開口部9の形状は、換気口7の外縁を取り囲むことができるかぎり、特に制限はない。
【0017】
換気フード2は、上記開口部9の外周に設けられた平板状の取付部10を有する。この取付部10には、取付部10とほぼ同じ形状及び大きさを有する防水部材11が取付部10全体にわたって設けられていることが好ましい。
【0018】
防水部材11は、換気フード2本体と外壁4との間に位置することで主に雨水の浸入を防ぐことができるものであればよく、典型的にはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ゴムその他の防水材からなるパッキン又はシーリング材等を挙げることができる。
【0019】
防水部材11は、換気フード2の加工成形時に適当な接着剤を用いて前記取付部10に設けてもよく、また工事現場において適当な接着剤を用いて前記取付部11に設けてもよい。
【0020】
換気フード2は、工程(a)によって露出する換気口7を覆うようにして、防水部材11を間に挟む形で、外壁面3に取付部10を介して取り付けられる。取付部10及び防水部材11は、換気フード2を外壁面3に固定するための固定具、例えばボルト等を通す貫通孔12(
図4)が、適当な間隔を置いて設けられていることが好ましい。なお、換気フード2及び防水部材11はかかる貫通孔12を有していなくてもよく、この場合には、木ねじ、ビス、釘等を取付部10及び防止部材11を貫通させ、換気フード2を外壁面3に固定すればよい。
【0021】
第1の態様にかかる方法によって、埋込型換気フードは外壁から突出する部分で切り取られ、外壁面に取り付けられる換気フードに変更される。この方法により、取り替え工事に要するコスト及び手間を大幅に低減することができ、従来の換気フードの取り替え工事に伴って生じ得る建物の外壁破損の問題を回避することができる。
【0022】
第1の態様にかかる方法において利用される換気フード2は、先に説明した開口部及び取付部に加えて、適当な接着剤を用いて前記取付部に設けられる防水部材を有するものが好ましい。本出願は、かかる構造を有する換気フード2を第2の態様の発明として提供する。
【0023】
すなわち第2の態様にかかる発明は、少なくとも一対の開口部と、一方の開口部の外周に設けられた平板状の取付部と、前記取付部に設けられた防水部材とを有する、建物の外壁面に取り付けられる換気フードに関する。
【0024】
第2の態様にかかる換気フード2は、先に説明した第1の態様である取り替え方法において使用される換気フード2において、取付部に防水部材が設けられているものである。ここにおいて、換気フード2を構成する外壁面の換気口を覆う側の開口部、前記開口部の外周に設けられた平板状の取付部及び防水部材については、それぞれ第1の態様にかかる方法において説明したとおりの特徴を有する。また、本発明にかかる換気フード2は換気フードであることから、必然的に前記外壁面の換気口を覆う開口部とは別の開口部を有する。
【0025】
第2の態様にかかる換気フード2は、上記の特徴を有するものであれば、その形状や、製造時の材料において特に制限はない。好ましい材料を例示すれば、アルミ、ステンレス、ASA樹脂、ABS樹脂、PP樹脂(ポリプロピレン)、PE樹脂(ポリエチレン)、AES樹脂、スチール、高耐食溶融めっき鋼板、ガルバリウム(登録商標)鋼板、亜鉛めっき鋼板等を挙げることができる。
【0026】
また、換気フードの標準的な装備として、昆虫や鳥が通気パイプ等に侵入しないようにする格子または金網(
図6の符号13)を、外壁面の換気口を覆う側の開口部別の開口部に備えていることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
第1の態様にかかる方法及び第2の態様にかかる換気フードはいずれも、建物の換気システムを構成する換気フードの取り替え作業において、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0028】
1 換気フード1
2 換気フード2
3 外壁面
4 外壁
5 通気パイプ
6 連結部
7 通気口
8 換気フード1の残部
9 開口部
10 取付部
11 防水部材
12 貫通孔
13 金網