(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-194256(P2017-194256A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】固形燃料用灯り調整器
(51)【国際特許分類】
F23L 13/06 20060101AFI20170929BHJP
F23B 20/00 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
F23L13/06
F23B20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-95651(P2016-95651)
(22)【出願日】2016年4月19日
(71)【出願人】
【識別番号】591200346
【氏名又は名称】株式会社システム電子設計
(71)【出願人】
【識別番号】516138875
【氏名又は名称】仁摩電器株式会社
(72)【発明者】
【氏名】住谷 輔則
(72)【発明者】
【氏名】大畑 拓治
(72)【発明者】
【氏名】井上 等
(72)【発明者】
【氏名】塩津 敏治
【テーマコード(参考)】
3K023
3K046
【Fターム(参考)】
3K023PA06
3K023PB17
3K023PC01
3K023PF01
3K046AA11
3K046AB08
3K046AD01
3K046BA02
(57)【要約】
【課題】 従来の技術は、ローソクを使用した野外キャンプ等用灯具であり、固形燃料を使用してローソクの炎(灯り)を得ることのできるものではない。また、空気の対流作用により燭台のローソクの炎をホヤ内で首振り回転させるもので、これもまた固形燃料を使用してローソクの炎(灯り)を得ることのできるものではない。
【解決手段】 内面を略円錐台形状に形成し、上面及び下面を開口した透明素材による調整器本体に、空気を内部に流入させるための通孔あるいは切欠孔を設けると共に、空気流入量を調整するための調整具を設け、ベンチュリ効果により、固形燃料の炎を調整する調整器で、灯りとして使用することを特徴とする固形燃料用灯り調整器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面を略円錐台形状に形成し、上面及び下面を開口した透明素材による調整器本体に、空気を内部に流入させるための通孔あるいは切欠孔を設けると共に、空気流入量を調整するための調整具を設け、ベンチュリ効果により、固形燃料の炎を調整する調整器で、灯りとして使用することを特徴とする固形燃料用灯り調整器。
【請求項2】
調整具が、リング状のベルトに調整用の孔あるいは切欠部を設けてあり、左右移動可能に形成してなることを特徴とする請求項1記載の固形燃料用灯り調整器。
【請求項3】
調整具が、孔に着脱自在に取り付けるピンであることを特徴とする請求項1又は2記載の固形燃料用灯り調整器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形燃料である特にアルコール系固形燃料の火を灯りとして調整を行うことのできる固形燃料用灯り調整器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、ペットボトルのボトルキャップを用い又はこれと同じにネジ切りして成るキャップを設け、これにローソクを立てるための支持棒を立設すると共に、前記キャップに固定手段を設けて成る。多く場合、前記固定手段はオネジである。前記オネジは支持部材を介して設置することができる野外キャンプ等用灯具がある。(特許文献1参照)
【0003】
また、別の従来技術として、ローソクを立てるべき燭台と該燭台の上面に着脱自在に冠着されるべきホヤからなるテーブルキャンドルにおいて、燭台の底部からホヤに囲われる空間内に向かって外部空間に通ずる空気導入口を複数設けると共に、該燭台の上面に、空気導入口の上面開口部に合致すべき楕円状の複数の弁穴を設け且つ該弁穴の上部に空気の吹込口を一定方向に開口させたフードを設けたリング状の空気調整弁を回転自在に装着してホヤ内の上昇気流によって生じる低気圧と外部の気圧差により外部の空気が空気導入口からホヤ内に向かって一定方向で吸入されるように構成し、且つ空気調整弁を回転させることにより空気の吸入量を調節可能にしたことを特徴とするテーブルキャンドルの空気吸入機構がある。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2003−346552号公報
【特許文献2】 登録実用新案第3048234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記前者の技術においては、ローソクを使用した野外キャンプ等用灯具であり、本発明のような固形燃料を使用してローソクの炎(灯り)を得ることのできるものではない。
【0006】
また、前記後者においても、空気の対流作用により燭台のローソクの炎をホヤ内で首振り回転させるもので、これもまた本発明のような固形燃料を使用してローソクの炎(灯り)を得ることのできるものではない。
【0007】
本発明は、このような従来の構成が有する問題を解決しようとするもので、ベンチュリ効果を有すると共に、調整具により火をローソクの炎位に調整できる固形燃料用灯り調整器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記問題点を達成するために、内面を略円錐台形状に形成し、上面及び下面を開口した透明素材による調整器本体に、空気を内部に流入させるための通孔あるいは切欠孔を設けると共に、空気流入量を調整するための調整具を設け、ベンチュリ効果により、固形燃料の炎を調整する調整器で、灯りとして使用すること。調整具が、リング状のベルトに調整用の孔あるいは切欠部を設けてあり、左右移動可能に形成してなること。調整具が、孔に着脱自在に取り付けるピンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
1)、略円錐台形状に形成した透明素材による調整器本体内に、例えばアルコール系固形 燃料(円柱形)を入れることによりベンチュリ効果にて炎(灯り)を強くすることが でき、大きな灯りが欲しい場合に有効である。
2)、調整具により空気量を調整することにより、炎(灯り)を強くしたり弱くすること ができ、必要に応じてローソクの炎に近く調整でき、灯りとして長時間使用できる。
3)、特に、アルコール系固形燃料を使用すれば、家庭内でも一酸化炭素等の危険が少な く強い灯りや弱い灯りを調整できるため、色々なシーンに使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】 本発明の第1実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整器本体縦断正面図。
【
図2】 本発明の第1実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整器本体平面図。
【
図3】 本発明の第1実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整具の正面図。
【
図4】 本発明の第1実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整具の平面図。
【
図5】 本発明の第1実施例を示す固形燃料用灯り調整器の使用状態図。
【
図6】 本発明の第2実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整器本体縦断正面図。
【
図7】 本発明の第2実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整器本体の平面図。
【
図8】 本発明の第2実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整具の正面図。
【
図9】 本発明の第2実施例を示す固形燃料用灯り調整器の調整具の平面図。
【
図10】 本発明の第2実施例を示す固形燃料用灯り調整器の正面図。
【
図11】 本発明の第3実施例を示す固形燃料用灯り調整器の一部縦断正面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0011】
固形燃料用灯り調整器1は、調整器本体2と調整具3とから構成される。
調整器本体2は、耐熱ガラス等の透明素材による上面及び下面を開口し、内面を略円錐台形状に形成したもので、下部周囲に空気を内部に流入させるための通孔2a(この実施例の場合、4箇所)を設けてある。
なお、必要に応じて蓋2b(材質は特に限定しない)を設けてある。
【0012】
調整具3は、帯板を折曲したリング状のベルト体3aに通孔2aに対応する調整用の孔3b(この実施例の場合、4箇所)を設けると共に、掴み部3cを突設してある。
【0013】
つぎに、固形燃料用灯り調整器1の使用例について説明します。
例えば、テーブルT上の所要位置に、アルコール固形燃料AK(主にブルー色で旅館等で、小さな鍋料理に使用されており、透明なフィルムで包まれ、アルミ箔のカップが付いている形態)を置き、その上方より調整器本体2を置き、調整器本体2の通孔2aの位置に調整具3を取り付ける。
この状態で、アルコール固形燃料AKの頂面を着火させることにより、孔3b・通孔2aより空気Kを流入させ、上昇させるものである。
この時、通孔2c付近の容積YSを大きく、上部の容積YS1(隙間)は小さくすることによりベンチュリ効果(流体の流れを絞ることによって、流速を増加させて、低速部にくらべ低い圧力を発生させる)を有し、調整具3の掴み部3cを左右に移動させ空気の流入量を調整できるものである。
必要に応じて炎の強弱を調整し、ローソクのような炎も可能となる。
【実施例2】
【0014】
固形燃料用灯り調整器21は調整器本体22と調整具23とから構成される。
調整器本体22は、前記と同様な材質による上面及び下面を開口し、内面を少し湾曲し、底面に略円錐台形状に形成し、下部周囲に空気を内部に流入させるための底面を開放した切欠孔22a(この実施例の場合、4箇所)を設けてある。
【0015】
調整具23は、前記調整器本体22の下部と同形を少し大径にした受片23bを周設したベルト体23aに、切欠孔22aに対応する上面を開放した切欠部23c(この実施例の場合、4箇所)を設けると共に、掴み部23dを突設してある。
【0016】
この固形燃料用灯り調整器21の使用時において、調整器本体22と調整具23とを一体的に受片22b・23bで重合させることができセッティングし易いものである。
【実施例3】
【0017】
固形燃料用灯り調整器31は、前記と同様な素材による上面及び下面を開口し、内面を少し湾曲した略円錐台形状に形成し、下部周囲に空気を内部に流入させるための通孔32a(この実施例の場合、4箇所)を設けてある調整器本体32と通孔32a−−に着脱自在に取り付ける砲弾形の調整具33(この実施例の場合、4箇所)とから構成される。
【0018】
この固形燃料用灯り調整器31は、4つの調整具33を取り外したり、少し入れたりして空気量を調整でき、特に屋外で風の方向で空気量が変化する場合の微調整に有効である。
【0019】
上記各実施例において、大きさ等は使用する固形燃料に対応すればよく使用も室内・室外等特に限定するものではない。
【0020】
固形燃料(特にアルコール固形燃料)の炎を自在にコントロールできることにより、明るい灯りやローソクのような小さな灯り等を作り出すことができ、色々なシーンに対応できると共に、今まで使用されなかった家庭内やアウトドアに新しい市場が見えてくる。
【符号の説明】
【0021】
1−−−−−固形燃料用灯り調整器
2−−−−−調整器本体
2a−−−−通孔
3−−−−−調整具
3a−−−−ベルト体
3b−−−−孔
AK−−−−固形燃料