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特開2017-194886フィードバック機構を有する操作装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-194886(P2017-194886A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】フィードバック機構を有する操作装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170929BHJP
   G05G 1/02 20060101ALI20170929BHJP
   G05G 5/03 20080401ALI20170929BHJP
【FI】
   G06F3/041 480
   G05G1/02 B
   G05G5/03 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-85836(P2016-85836)
(22)【出願日】2016年4月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 康司
【テーマコード(参考)】
3J070
【Fターム(参考)】
3J070AA07
3J070BA17
3J070CB37
3J070CC71
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】 共通の弾性部材を使用して、装置本体を押圧方向へ移動可能で且つフィードバック力が作用する方向へ移動させることができるフィードバック機構を有する操作装置を提供する。
【解決手段】 装置本体10が、複数の複数の支持金属板20によって基台13に支持されている。支持金属板20は、第1の取付片21と第2の取付片23および中間板部22を有している。装置本体10の操作面4aが指で押された押圧力Pが作用すると、中間板部22がα方向へ変形して装置本体10を押し込んで検知部材を動作させることができる。フィードバック機構から装置本体10にフィードバック力Fが作用すると、第2の取付片23がβ方向へ曲げ変形し、装置本体10が力Fに沿って動くことができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が操作面とされた装置本体と、前記操作面が押されたことを検知する検知部材と、前記装置本体に設けられたフィードバック機構と、基台に前記装置本体を固定する複数の支持金属板とが設けられた操作装置において、
それぞれの前記支持金属板は、前記装置本体と前記基台の一方に固定される第1の取付片と、他方に固定される第2の取付片と、前記第1の取付片と前記第2の取付片との間に位置する中間板部とが一体に形成されており、
前記第1の取付片の板面は、前記操作面とほぼ平行に設置され、前記第2の取付片の板面の少なくとも一部は前記操作面とほぼ垂直に設置されており、
前記フィードバック機構によって、前記装置本体に対して、前記第2の取付片の板面と交差する向きのフィードバック力が与えられ、前記操作面が押されたときに、前記中間板部が押圧方向へ弾性変形可能であることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
複数の前記支持金属板は、前記第2の取付片が同じ向きで互いに平行に配置されている請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
前記支持金属板は、前記第1の取付片と前記中間板部との境界部および前記中間板部と前記第2の取付片との境界部の、それぞれの境界部で折られており、前記中間板部の板面が、前記第1の取付片の板面と前記第2の取付片の板面の双方に対して傾斜している請求項1または2記載の操作装置。
【請求項4】
前記支持金属板は、前記第1の取付片と前記第2の取付片との間が所定の曲率を有する湾曲面を介して連続しており、前記湾曲面が前記中間板部とされている請求項1または2記載の操作装置。
【請求項5】
前記支持金属板は、前記第1の取付片と前記第2の取付片との境界部で折られて、前記第1の取付片の板面と前記第2の取付片の板面とがほぼ直角に対向しており、前記第1の取付片の途中から前記境界部までが前記中間板部とされ、この中間板部が、前記装置本体または前記基台から浮いている請求項1または2記載の操作装置。
【請求項6】
前記支持金属板は、前記第2の取付片を前記操作面と平行な向きに曲げるときの曲げ剛性よりも、前記第2の取付片を前記操作面と垂直な向きに押し込んだときの前記中間板部の曲げ剛性の方が高い請求項1ないし5のいずれかに記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧操作されたときに操作本体に対してフィードバック力を与えるフィードバック機構を有する操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、フィードバック機構を有する入力装置に関する発明が記載されている。
【0003】
この入力装置は、支持基台上に板ばねである第1の弾性部材が固定され、第1の弾性部材によって可動基台が水平方向へ移動自在に支持されている。可動部の上にはゴム材料である第2の弾性部材が設置され、第2の弾性部材の上にパネル組立体が設置されている。第2の弾性部材が収縮することで、可動基台上でパネル組立体を垂直方向へ押し込めるようになっている。パネル組立体には、表示部材と静電容量型の第1の検知部材とが搭載されている。
【0004】
可動基台には、力センサである第2の検知部材が設けられて、可動基台上でパネル組立体が垂直方向へ押されたことを、第2の検知部材で検知できるようになっている。また、可動基台上にゴム材料である第3の弾性部材が設置され、その上に振動発生部材が設置されている。
【0005】
この入力装置では、パネル組立体が垂直方向に押されると、これが可動基台上に設けられた第2の検知部材で検知され、このときの検知出力に基づいて振動発生部材が動作し、可動基台に水平方向への振動力(フィードバック力)が与えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−161384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された入力装置は、支持基台上に、可動基台とパネル組立体が2段構造で配置され、可動基台を振動力の作用方向へ移動させるための第1の弾性部材(板ばね)と、パネル組立体を押し込み方向へ移動させるための第2の弾性部材(ゴム材料)とが別部材として設けられている。そのため、弾性部材の数が多く必要になり、部品点数が多くなっている。
【0008】
また、パネル組立体の押圧動作を検知するための第2の検知部材(力センサ)と振動発生部材とが、可動基台とパネル組立体との間に配置されている。このように、支持基台上に、可動基台とパネル組立体とが2段構造で重ねられ、可動基台とパネル組立体との間に、第2の検知部材と振動発生部材とが介在する構造であるため、入力装置の全体構造を薄型化することが難しい。
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、弾性部材の数を減らすことができ、また薄型に構成でき、しかも操作面が押されたときに装置本体を押圧方向へ移動させることができ、さらにフィードバック機構によって、装置本体を水平方向へ駆動することが可能なフィードバック機構を有する操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、表面が操作面とされた装置本体と、前記操作面が押されたことを検知する検知部材と、前記装置本体に設けられたフィードバック機構と、基台に前記装置本体を固定する複数の支持金属板とが設けられた操作装置において、
それぞれの前記支持金属板は、前記装置本体と前記基台の一方に固定される第1の取付片と、他方に固定される第2の取付片と、前記第1の取付片と前記第2の取付片との間に位置する中間板部とが一体に形成されており、
前記第1の取付片の板面は、前記操作面とほぼ平行に設置され、前記第2の取付片の板面の少なくとも一部は前記操作面とほぼ垂直に設置されており、
前記フィードバック機構によって、前記装置本体に対して、前記第2の取付片の板面と交差する向きのフィードバック力が与えられ、前記操作面が押されたときに、前記中間板部が押圧方向へ弾性変形可能であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の操作装置は、複数の前記支持金属板が、前記第2の取付片が同じ向きで互いに平行に配置されているものである。
【0012】
本発明の操作装置は、前記支持金属板が、前記第1の取付片と前記中間板部との境界部および前記中間板部と前記第2の取付片との境界部の、それぞれの境界部で折られており、前記中間板部の板面が、前記第1の取付片の板面と前記第2の取付片の板面の双方に対して傾斜しているものとして構成できる。
【0013】
あるいは、前記支持金属板は、前記第1の取付片と前記第2の取付片との間が所定の曲率を有する湾曲面を介して連続しており、前記湾曲面が前記中間板部とされているものとして構成できる。
【0014】
または、前記支持金属板は、前記第1の取付片と前記第2の取付片との境界部で折られて、前記第1の取付片の板面と前記第2の取付片の板面とがほぼ直角に対向しており、前記第1の取付片の途中から前記境界部までが前記中間板部とされ、この中間板部が、前記装置本体または前記基台から浮いているものとして構成できる。
【0015】
本発明の操作装置における前記支持金属板は、前記第2の取付片を前記操作面と平行な向きに曲げるときの曲げ剛性よりも、前記第2の取付片を前記操作面と垂直な向きに押し込んだときの前記中間板部の曲げ剛性の方が高いことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の入力装置は、基台上で装置本体を支持している複数の支持金属板が設けられ、この支持金属板の弾性変形よって、装置本体を、フィードバック力が作用する方向へ移動させることができるとともに、操作面を押し込む方向へも移動させることができる。よって、従来のように、装置本体をフィードバック力の方向へ移動させる弾性部材と、装置本体を押し込む方向へ移動させる弾性部材を別々に設ける必要がなく、部品点数を少なくできる。さらに、従来のように前方へ複数段に重ねる構造を採用する必要がないため、装置を薄型に構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態のフィードバック機構を有する操作装置が、車両のインストルメントパネルに取付けられた状態を示す外観斜視図、
図2図1に示すフィードバック機構を有する操作装置をII−II線で切断した断面図、
図3】支持金属板の斜視図、
図4】(A)は、図3に示す支持金属板が取り付けられている部分を拡大して示す拡大説明図、(B)は比較例として従来の支持金属板を示す説明図、
図5図3に示す支持金属板の他の使用例を示す拡大説明図、
図6】他の実施の形態の支持金属板が取り付けられている部分を拡大して示す拡大説明図、
図7】他の実施の形態の支持金属板が取り付けられている部分を拡大して示す拡大説明図、
図8】他の実施の形態の支持金属板が取り付けられている部分を拡大して示す拡大説明図、
図9】他の実施の形態の支持金属板が取り付けられている部分を拡大して示す拡大説明図、
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図2に本発明の実施の形態としてフィードバック機構を有する操作装置1が示されている。操作装置1は車載用である。
【0019】
操作装置1は装置本体10を有している。装置本体10は、前方のパネル部2と後方の筐体部3とを有している。パネル部2は前方の表面が化粧面2aとなっている。図1に示すように、化粧面2aの中央の広い領域が表示・操作領域4であり、表示・操作領域4を囲む枠状の領域が加飾領域5である。
【0020】
表示・操作領域4では、表面に透光性の表面パネルが設けられ、その内方に透光性のタッチセンサと、カラー液晶表示パネルなどの表示装置が順に配置されている。表面パネルはガラス板やアクリルなどの合成樹脂板で構成されている。タッチセンサは、透明基板に複数の透明電極が設けられ、表面パネルの表面に人の指が触れたときに電極で検知される静電容量の変化を検出し、これにより指が触れた位置を検知することができる。したがって、パネル部2における表示・操作領域4の表面が、指で押圧する操作面4aである。
【0021】
なお、表示装置で生成される表示画面は、タッチセンサと表面パネルを透過して、前方から目視可能となる。
【0022】
加飾領域5には、パネル部2を構成する合成樹脂材料が現れており、所定の色相を有している。図1に示すように、加飾領域5には、回転式の操作部材6やプッシュ式の操作部材6が設けられている。
【0023】
筐体部3は、圧延鋼板やアルミニウムなどで形成された金属ケースであり、パネル部2は筐体部3の前方にねじ止めなどで固定されている。前記表示装置や、操作部材6,7で操作される操作型電子部品などは筐体部3の内部に収納されている。
【0024】
図2に示すように、装置本体10の内部、すなわち筐体部3の内部にフィードバック機構8が収納されている。フィードバック機構8が動作することによって、装置本体10にフィードバック力Fが与えられる。フィードバック機構8には、磁気吸引力を発揮するソレノイドが設けられ、ソレノイドの磁気駆動部と、磁気駆動部によって進退駆動されるプランジャの一方が、筐体部3に直接に固定され、他方がゴムなどの弾性部材を介して筐体部3に連結されている。このソレノイドにおけるプランジャの磁気吸引力によって、装置本体10に水平方向のフィードバック力Fが作用する。フィードバック力Fは、単発に発生される磁気吸引力に基づく衝撃力であり、またはフィードバック力Fは所定の周波数の振動力である。
【0025】
あるいは、フィードバック機構8は、ばね部材でF方向に移動自在に支持された錘である磁石と、磁石を力Fの発生方向へ往復移動させるコイルとで構成された振動発生機構であってもよい。または、力Fの方向と直交する回転軸を有するモータと、回転軸に固定されて質量が偏った錘とが設けられ、回転軸の回転力でF方向の振動力が発生するものであってもよい。
【0026】
各図には、フィードバック機構8によって装置本体10に与えられるフィードバック力Fの向きと、パネル部2の表面である操作面4aが指で押されるときの押圧力Pの向きが矢印で示されている。ここでは、押圧力Pが、操作面4aに垂直に作用するものとする。
【0027】
操作装置1は、車両のインストルメントパネル11に設置される。図1図2に示すように、インストルメントパネル11に矩形状の開口部12が形成されており、装置本体10は、開口部12の内部に位置し、装置本体10の周縁部と、開口部12の内縁部との間には、フィードバック力Fの作用方向である水平方向と、これと直交する重力方向である垂直方向にわずかな隙間が形成されている。
【0028】
図2に示すように、インストルメントパネル11の開口部12の内部に基台13が設けられている。基台13は車体構造部の一部あるいはインストルメントパネル11の内部構造部である。基台13の前方で操作装置1が、複数の支持金属板20によって支持されている。支持金属板20は、ある程度の弾性を有する金属板で形成されており、例えば冷間圧延鋼板で形成されている。
【0029】
図3図4(A)に示すように、支持金属板20は、板厚寸法と幅寸法とがほぼ均一な帯状の金属板を折り曲げて形成されている。支持金属板20は、第1の取付片21と中間板部22および第2の取付片23が連続して形成されている。第1の取付片21の板面21aと、第2の取付片23の板面23aは、設計上は互いに直角である。第1の取付片21の板面21aは、装置本体10に与えられるフィードバック力Fの作用方向に延びており、板面21aは操作面4aと平行である。第2の取付片23の板面23aは、操作面4aに与えられる押圧力Pの作用する方向に延びており、板面23aは操作面4aと垂直である。
【0030】
第1の取付片21と中間板部22は、境界部24で折られ、中間板部22と第2の取付片23は境界部25で折られている。中間板部22の板面22aは平面であり、板面22aは、第1の取付片21の板面21aと第2の取付片23の板面23aの双方に対して傾斜している。
【0031】
第1の取付片21には取付け穴26が形成され、第2の取付片23には取付け穴27が形成されている。
【0032】
図2図4(A)に示す実施の形態では、支持金属板20の第1の取付片21が、装置本体10の筐体部3の背面3aに設置され、固定ねじ28が取付け穴26に挿通されて、筐体部3に螺着されて固定されている。また、第2の取付片23が、基台13において操作面4aと垂直に形成された支持面13aに設置され、取付け穴27に挿入された固定ねじ29が支持台13に螺着されて、第2の取付片23が固定される。
【0033】
図2に示すように、第2の取付片23は、操作面4aと垂直であり、全ての支持金属板20の第2の取付片23の板面23aは互いに平行である。また、第2の取付片23は、板厚方向がフィードバック力Fの作用方向(操作面4aと平行な方向)に向けられている。なお、第2の取付片23は、一部が平板でその板厚方向がフィードバック力Fの作用方向に向けられ、第2の取付片23の一部がコの字形状などに形成されていてもよい。
【0034】
図4(A)に示すように、支持金属板20の中間板部22は、筐体部3の背面3aに対して角度θを有して後方へ斜めに延びている。角度θは、30〜60度の範囲が好ましく、実施の形態では、θが45度である。
【0035】
図2に示すように、基台13には検知支持部14が固定されており、検知支持部14に複数の検知部材15が取り付けられている。検知部材15は、力センサあるいは近接センサである。力センサは、装置本体10から押圧力Pを受けたときにその荷重で変形する弾性変形部と、この弾性変形部の変形を検知する歪みゲージとで構成されている。近接センサは、筐体部3の背面に設けられた磁石と、検知支持部14に設けられて前記磁石との距離の変化を検出する磁気センサとから構成される。
【0036】
あるいは、装置本体10のパネル部2に設けられた静電容量型の前記タッチセンサで、指の接触面積を検知し、この接触面積から押圧力Pを推測してもよい。この場合には、押圧力の大きさと指の接触面積の大きさとが比例するとは限らず、誤動作が生じる可能性があるので、本実施の形態のように、力センサや近接センサを用いて、装置本体10の変位を検出した方が確実に押圧操作を検出することができる。
【0037】
次に、前記操作装置1の動作について説明する。
この操作装置1は、装置本体10の内部に設けられた表示装置で表示される画像が、パネル部2に設けられたタッチセンサと表面パネルを透過して表示・操作領域4で前方から目視可能になる。操作装置1は、加飾領域5に設けられた操作部材6,7によって操作することができるが、さらに表示・操作領域4の表示画像を見ながら、表示・操作領域4の表面の操作面4aに指を触れることによっても入力操作を行うことができる。
【0038】
この入力操作では、表示・操作領域4に表示された操作釦の画像に指を触れると、タッチセンサの座標検知出力によって、指がどの操作釦の画像に触れたかが判別される。その指で、操作面4aを押し込むと、支持金属板20の中間板部22が境界部24を支点としてα方向(図4(A)参照)へ倒れるように弾性変形し、装置本体10が押し込み方向へ移動でき、検知部材15でそのときの押圧力Pが検知される。制御部では、タッチセンサの検知出力から、表示・操作領域4に表示された画像のうちのどの操作釦の画像が操作されているのかを識別し、さらに検知部材15で押圧力が検知されたときに、押された操作釦の表示内容に基づく処理動作を開始する。
【0039】
検知部材15が押圧力Pを検知すると、制御部からフィードバック機構8に動作指令が出され、装置本体10に水平方向のフィードバック力Fが単発の力としてあるいは振動として与えられる。図4(A)に示すように、支持金属板20の第2の取付片23は、板厚方向がフィードバック力Fの作用方向に向けられているため、フィードバック力Fによって、第2の取付片23が板厚方向(β方向)へ曲げ変形できる。これにより、操作面4aがフィードバック力Fの付与方向へ動き、あるいは振動して、操作面4aに指を触れている操作者にフィードバック力Fが伝達される。
【0040】
図4(A)に示すように、支持金属板20は、フィードバック力Fの作用方向に対しては、主に第2の取付片23が板厚方向であるα方向へ曲げ変形する。一方で、装置本体10から押圧力Pが与えられたときは、中間板部22が境界部24を支点としてα方向へ倒れるように変形する。このとき、境界部24では、第1の取付片21と中間板部22との対向角度(i)が広がるように変形し、境界部25では、中間板部22と第2の取付片との対向角度(ii)が狭まるように変形する。したがって、装置本体10がフィードバック力Fに沿う方向へ動くときの支持金属板20の曲げ剛性(弾性係数)に対して、装置本体10が押圧力Pで押し込まれるときの支持金属板20の曲げ剛性(弾性係数)の方が十分に高くなる。
【0041】
よって、装置本体10の操作面4aを指で押すときの抵抗力が十分に大きくなり、指に作用する反力で、操作者は指で十分強く押した操作感触を得ることができる。このとき、力センサなどの検知部材15によって、装置本体10の押圧力Pの作用方向へのわずかな動きを検知できるようにしている。一方で、フィードバック機構8が動作して、装置本体10に水平方向へのフィードバック力Fが作用したときは、装置本体10がその力の方向へ比較的動きやすくなっており、操作面4aに触れている指で、フィードバック力を十分に感じることができるようになる。
【0042】
ただし、支持金属板20の力Fの方向への剛性は十分に高い値に維持することができる。図4(B)には比較例の支持金属板120が示されている。この支持金属板120は、第1の取付片121と第2の取付片123とが境界部122で直角に折り曲げられており、中間板部が設けられていない。比較例の支持金属板120を実施の形態の支持金属板20の代わりに使用することを想定したときに、実施の形態の支持金属板20と比較例の支持金属板120とで、フィードバック力Fが作用する方向での曲げ剛性(弾性係数)をほぼ同等にすることができる。
【0043】
すなわち、実施の形態の支持金属板20は、互いに垂直な第1の取付片21と第2の取付片23との間に、中間板部22を形成し、第1の取付片21と中間板部22との対向角度(i)および中間板部22と第2の取付片22との対向角度(ii)を鈍角にすることで、力Fの方向の曲げ剛性が、支持金属板120と同等となっている。よって、図4(A)に示す支持金属板20を用いて装置本体10を支持した構造では、車体振動などに対しては、比較例の支持金属板120を使用したのと同等の支持強度を発揮することができる。
【0044】
図5は、図3に示す支持金属板20の他の使用例を示している。
この使用例では、支持金属板20の第1の取付片21が、基台13の操作面4aと平行な表面13bに固定ねじ28で固定されている。装置本体10の筐体部3では、背面3aから後方に向けて固定突起3bが突出形成されており、第2の取付片23が固定突起3bの側面に設置されて固定ねじ29で固定されている。図5に示す使用例では、装置本体10に押圧力Pが与えられたときと、装置本体10にフィードバック力Fが作用したときとで、支持金属板20が図4(A)に示す使用例と同様に弾性変形し、図4(A)と図5で支持金属板20のF方向とP方向への曲げ剛性が同じである。
【0045】
図6ないし図9は本発明の他の実施の形態における支持金属板の取付け構造を示している。
【0046】
図6に示す実施の形態では、支持金属板20Aの第1の取付片21と中間板部22との対向角度(iii)が鋭角となっている。図7に示す実施の形態では、支持金属板20Bの第1の取付片21と第2の取付片23との間が所定の曲率を有する湾曲面を介して連続しており、この湾曲面が中間板部22とされている。
【0047】
図6図7に示す実施の形態では、装置本体10にフィードバック力Fが作用したときと押圧力Pが作用したときとで、支持金属板20A,20Bの曲げ剛性が図4(A)に示す実施の形態とほぼ同じである。
【0048】
図8に示す実施の形態では、図4(B)に示したのと同じL字形状の支持金属板120が使用されている。筐体部3の背面3aに段差部3cが形成されている。第1の取付片121はその一部が背面3aに固定されているが、第1の取付片121のうちの中間部から境界部122までの一部が、段差部3cから突出して筐体部3から浮き上がっている。この浮き上がっている部分が、押圧力Pが作用したときに弾性変形可能な中間板部124になっている。
【0049】
図9に示す実施の形態では、支持金属板20Cの第1の取付片21と第2の取付片23との間のU字形状に曲げられた中間板部22が形成されており、装置本体10に押圧力Pが作用したときに、U字形状の中間板部22が弾性変形可能となっている。この実施の形態は、図4(A)に示す実施の形態に比較して、押圧力Pの作用方向の曲げ剛性がやや低くなっている。
【符号の説明】
【0050】
1 操作装置
2 パネル部
3 筐体部
4 表示・操作領域
4a 操作面
5 加飾領域
8 フィードバック機構
10 装置本体
11 インストルメントパネル
12 開口部
15 検知部材
20 支持金属板
21 第1の取付片
22 中間板部
23 第2の取付片
24,25 境界部
F フィードバック力
P 押圧力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9