【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、上辺にフランジ部を有する側壁と、底板とからなる包装容器本体の、底板に波状に凸凹部を設け、凸部の頂部で包装容器本体に収容する食材を支承し、凹部を流通部として構成したことを要旨とするものである。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、通常の包装容器の底板のリブは包装容器の強度を確保するために設けられているものであるが、本発明の包装容器本体に底板の凸部の頂部及び凹部の底辺部を設けることにより、頂部で食材を支承することのできる包装容器とすることができる。この包装容器に食材を収容して保管流通後、加熱調理機器で包装容器本体ごと食材を加熱調理することにより、出来立ての食品を食することができるため、従来の包装容器に入れて蓋をして店頭に陳列された、調理後時間の経過した調理済み食品を喫食する必要がなくなる。
【0014】
凸凹部7は、波状に並列するように形成してもよく、その並列は底板に対して縦方向でも横方向でもよい。また、凸凹部が、底板に2列以上の複数列で並列してもよい。さらに、直線状の凸凹部が平行に並列してもよく、弧を描いた形状の凸凹部が並列してもよい。また、同心円状に底板の中心を囲むように設けてもよい。したがって、凸凹部の形状や配置、数は限定されない。
【0015】
請求項2記載の本発明は、凸凹部は、底板に包装容器本体と一体成形したことを要旨とするものである。
【0016】
請求項2記載の本発明によれば、包装容器本体のみの使用で、底板の凸凹部の頂部で食材を支承する包装容器とすることができる。この底板の凸凹部は包装容器本体と一体成形したことにより、包装容器本体の強度を増加することもできる。
【0017】
請求項3記載の本発明は、凸凹部は取り外し可能な中敷としたことを要旨とするものである。
【0018】
請求項3記載の本発明によれば、凸凹部のない底板を有する包装容器に、凸凹部を有する中敷を設置することにより、凸凹部を設けた底板を有する包装容器とすることができる。
【0019】
また、包装容器本体より中敷を取り出すことにより、加熱調理した食材を食器に盛り付けやすく、中敷ごと食器に盛り付けたり、中敷を食器として使用することができる。さらに、包装容器本体より加熱調理済み食品を中敷ごと取り出し、中敷を外した底板の上に本食品のみ盛り付けることにより、不要な油脂等を取り除いた状態で食することができる。
【0020】
さらに、包装容器本体より加熱調理済み食品を中敷ごと取出し、汚れのない底板の上に本食品のみを収容した後、たれやドレッシング、香辛料等の調味料や他の具材を、かけたり、あえたり、マリネ等して、喫食者の好みに本食品をアレンジして食することができる。そして喫食者は、包装容器本体1ごと本調味済み食品を食することもでき、また、皿に盛り付けてもよい。
【0021】
請求項4記載の本発明は、底板の凸部の頂部と凹部の底辺部の間隔は5mm〜30mmとすることを要旨とするものである。
【0022】
請求項4記載の本発明によれば、通常の包装容器の強度を保つための底の高低の間隔が2mmから3mmのリブと比べて、包装容器本体の底板の凸凹部の凸部の頂点部と凹部と底辺部の高低を5mm以上と大きく有し、流通部を大きく設けることにより、空気の流通をスムースにできるため、加熱調理機器からの熱を効率良く食材に伝達でき、また、加熱調理により食材から発生する蒸気を効率よく除去することができる。
【0023】
さらに、食材から流出した不要な脂肪分は、凹部や底縁部に流れ落ち、喫食する食品に接することなく仕上がるため、さっぱりとした食味となり、余分なカロリーをカットすることができる。
【0024】
請求項5記載の本発明は、底板の凸部の頂部と頂部のピッチ寸法は、3mm〜30mmとすることを要旨とするものである。
【0025】
請求項5記載の本発明によれば、底板の凸部の頂部と頂部のピッチ寸法を、3mm〜30mmとすることにより、流通部を大きく設けることができ、空気の流通をスムースにできるため、加熱調理機器からの熱を効率良く食材に伝達でき、また、加熱調理により食材から発生する蒸気を効率よく除去することができる。
【0026】
請求項6記載の本発明は、フランジ部は、蓋材を加熱シールし密封することを要旨とするものである。
【0027】
請求項6記載の本発明によれば、包装容器本体に食材を収容した後、蓋材、例えばシート状の蓋材をフランジ部に加熱シールすることにより、包装容器本体と外界との遮断をするため、包装容器内への外気の流入を止め、空気中の細菌やカビ、異物の混入を防ぐことができ、包装容器本体内に収容する食材の保存性を高めることができる。
【0028】
請求項7記載の本発明は、包装容器本体に、蓋材をはめたことを要旨とするものである。
【0029】
請求項7記載の本発明によれば、包装容器本体に食材を収容した後、包装容器本体側壁上辺のフランジ部に、蓋材をはめることにより、包装容器本体と外界との遮断をするため、包装容器内への外気の流入を止め、空気中の細菌やカビ、異物の混入を防ぐことができ、包装容器本体内に収容する食材の保存性を高めることができる。
【0030】
請求項8記載の本発明は、包装容器本体は、外包装体を設けたことを要旨とするものである。
【0031】
請求項8記載の本発明によれば、食材を収容した包装容器本体を外包装体で包装することにより、包装容器本体と外界との遮断をするため、包装容器内への外気の流入を止め、空気中の細菌やカビ、異物の混入を防ぐことができ、包装容器本体内に収容する食材の保存性を高めることができる。
【0032】
請求項9記載の本発明は、包装容器本体は、ガスを封入することを要旨とするものである。
【0033】
請求項9記載の本発明によれば、包装容器本体に食材を収容した後、蓋材をシール又ははめる前に、包装容器にN
2やCO
2等のガスを封入充填することにより、収容した食材を前記不活性ガス中に保持し、空気中の酸素があることによる好ましくない変化、例えば、栄養、味、色、香り等食材中の成分の酸化や、外界から付着、混入するカビや細菌、害虫等の生存及び増加を抑制することができる。これにより、冷凍状態でも進む脂肪酸化を抑制し、食材の新鮮さを保持することができるうえ、カビや害虫に対する食品衛生の安全を確保できる。
【0034】
請求項10記載の本発明は、食材は、下味又は/及び衣をつけ油脂を噴霧することを要旨とするものである。
【0035】
請求項10記載の本発明によれば、包装容器本体に収容する食材は、下味又は/及び衣をつけた後油脂を噴霧したものであり、食材への油脂の噴霧は、包装容器本体への収容前であっても収容後でもよい。喫食者は、包装容器本体のまま調理できるため、他の調理器具を用意する必要がなく、かつ、その器具に食材を移す手間が省け、手や調理器具を洗浄する必要もなく、簡便にできたてのおいしい食品を簡便に食することができる。
【0036】
具体的には、本発明の包装容器で包装された下調理済みの食材を、蓋材を取り外した後、加熱調理機器にかけることで、食材に噴霧した油脂により揚げたような本格的なおいしいトンカツやコロッケ、照り焼きやスペアリブ、ステーキ等の揚げ物や焼き物等を簡便に調理して、出来たてのお惣菜を食することができる。
【0037】
これにより、小売店の冷凍又は/及び冷蔵で流通・販売され、また、自宅でストックする本発明の食材を収容した包装容器の蓋材を外し調理機器で加熱するだけで、複数の食材を購入して一から調理したり、揚げ油や調理器具の始末に悩みながら料理する必要なく、自宅で簡便においしい揚げ物や焼き物等を、食品衛生上問題なく、誰でも食することができる。
【0038】
また、食材に油脂を噴霧するのは、下味又は/及び衣をつけた食材を、カリッと揚げたように、パリッと焼いたように加熱調理するためである。食材によっては、食材中の脂肪分が多量に流出するため、食材の上面のみ油脂を噴霧すればよい。食材自身から流出した脂肪が食材の表面を覆い、その脂肪分で十分カリッと、パリッと加熱調理することができる。これにより、揚げ油で食材を揚げるより、食材が吸収する油脂が少ないため、摂取エネルギーを低く抑えることができ、また、食材の節約することができる。
【0039】
請求項11記載の本発明は、上辺にフランジ部を有する側壁と、底板とからなる包装容器本体の、底板に波状に凸凹部を設け、凸部の頂部で包装容器本体に収容する下味又は/及び衣をつけ油脂を噴霧した食材を支承し、凹部を流通部として構成した包装容器の、前記フランジ部に蓋材を加熱シールし又ははめ、冷凍又は/及び冷蔵保存し、前記蓋材を除去した包装容器本体を加熱調理機器に入れて食材を焼成する包装容器を用いた調理方法を要旨とするものである。
【0040】
請求項11記載の本発明によれば、食材の下準備をせず、本発明の包装用器の蓋材を除去した後、最適な時間、適温の加熱調理機器に入れるだけで、出来立てのおいしい食品を食することができる。
【0041】
請求項12記載の本発明は、包装容器本体は、ガスを封入する包装容器を用いた調理方法を要旨とするものである。
【0042】
請求項12記載の本発明によれば、食材を収容した包装容器本体にガス封入するため、ガスを封入しない場合に比べて空気中の酸素があることによる好ましくない変化を抑制することができる。