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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-196006(P2017-196006A)
(43)【公開日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】遊技機及び演出用役物
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171006BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-87636(P2016-87636)
(22)【出願日】2016年4月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 芳充
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC22
2C088BC25
2C333AA11
2C333CA77
2C333GA01
(57)【要約】
【課題】役物を用いた演出に対する遊技者の注目度を高くし易い遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技機が備える演出用役物4は、送風ファン43を設けたダクト状の筐体41の内部にイナズマ形状のスリットを設けた薄膜部材40が設けられ、薄膜部材40の手前側に当たる筐体41の側面がハーフミラー400によって形成されていると共に、薄膜部材40の背面側に当たる筐体41の内壁面には光照射手段をなすLED基板45が配置された役物であり、特別演出の実行中では、薄膜部材40に対する送風状態でLED基板45が0.1秒周期で点滅する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた決定条件が成立した場合に遊技結果を決定する遊技結果決定手段と、
前記遊技結果決定手段が決定した遊技結果が遊技者に有利な特別遊技状態の発生であった場合に、当該特別遊技状態を発生させる遊技状態発生手段と、
動作による演出を実行するための可動部材と、
前記特別遊技状態が発生すること、又は前記特別遊技状態が発生する期待度を遊技者に報知する演出であり、前記可動部材の動作による演出である特別演出を当該可動部材に行わせる制御を実行する動作制御手段と、
前記可動部材の前方に設けられ、入射する光の一部を反射し一部を透過することで、光を照射した場合に前記可動部材を前方から視認可能にする透過部材と、
発光することで前記透過部材に光を照射する光照射手段と、
前記動作制御手段が前記可動部材を動作させている場合に、前記光照射手段に点滅を繰り返させる点滅制御を実行する点滅制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記可動部材に風を送る送風手段を備え、
前記動作制御手段は、前記動作制御として前記送風手段に風を送らせる制御を実行し、その風によって前記可動部材を動作させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記可動部材は、前記送風手段による送風によってたなびくことが可能な薄膜状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記可動部材は、風が送られてくる方向に向けて予め定められた角度で傾斜して設けられた第1面部と、当該第1面部よりも風が送られている方向に向けて大きく傾斜して設けられた第2面部と、を備えていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記可動部材は、予め定められた絵柄を形成した切欠であり、前記送風手段により風が送られてくる方向とは反対側の端部まで到達した切欠である特別切欠部が設けられており、
前記光照射手段は、前記特別切欠部の後方から光を照射することを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技機に対応して設けられた演出用役物において、
遊技者に有利な特別遊技状態が発生すること、又は前記特別遊技状態が発生する期待度を遊技者に報知する特別演出を動作によって行う可動部材と、
予め定められた演出実行条件が成立した場合に、前記可動部材を動作させる制御を実行する動作制御手段と、
前記可動部材の前方に設けられ、入射する光の一部を反射し一部を透過することで、光を照射した場合に前記可動部材を前方から視認可能にする透過部材と、
発光することで前記透過部材に光を照射する光照射手段と、
前記動作制御手段が前記可動部材を動作させている場合に、前記光照射手段に点滅を繰り返させる点滅制御を実行する点滅制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機に設けられた演出用役物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場に設置された遊技機では様々な演出を実行している。遊技機の多くは液晶表示部を備えており、液晶表示部に画像を表示することで演出を実行する。また遊技機によっては液晶表示部に加えて役物を用いた演出も行っており、例えば下記の特許文献1には、図柄変動を実行している場合に役物の動きによって大当たり状態が発生する期待度を示唆する技術的思想が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−168576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、役物を用いた演出は単調になり易いことや迫力に欠けることがあり、遊技者が演出に慣れ易く、役物の動きに対する遊技者の注目度が高い状態を維持しにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、役物を用いた演出に対する遊技者の注目度を高くできる遊技機及び演出用役物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の構成では、可動部材が透過部材の後方に設けられている。このため遊技者側からは、光照射手段が発光したときに透過部材を透して可動部材を視認できる。この光照射手段は点滅するため、点灯した瞬間に可動部材が視認可能になった後、その後の消灯期間中では残像効果によって可動部材がそのまま静止しているように遊技者側から視認される。さらに、光照射手段が点滅を繰り返せば、遊技者側では、可動部材の動作を複数の静止画のコマ送りのように視認することになり、可動部材の動作が飛び飛びのカクカクした動作として確認できる。これにより、可動部材の動作に迫力を持たせることができ、可動部材を用いた演出に対する遊技者の注目度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】遊技機の正面図。
図2】遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図3】特別役物の断面構造を示す断面図(図1中のA−A線矢視断面図)。
図4】特別役物の断面構造を示す断面図(図1中のB−B線矢視断面図)。
図5】特別役物における薄膜部材及びLED基板を示す斜視図。
図6】薄膜部材を横から見た図。
図7】特別演出の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、大当たり図柄が停止したときに大当たり状態を発生させるパチンコ遊技機(遊技機)1に関する例である。この内容について、図1図7を用いて説明する。
【0009】
図1に例示のパチンコ遊技機1は、始動口12への入賞に応じて大当たり状態(特別遊技状態)の抽選(特図判定)を実行し、抽選結果を表す図柄変動を実行する、いわゆるセブン機である。このパチンコ遊技機1では、大当たり状態以外の遊技状態として、遊技者側の有利度合いが低い通常状態のほか、特図判定の当選確率が高くなる確率変動状態(確変状態)、大当たり図柄の変動時間が短くなる時短状態等が設定されている。
【0010】
パチンコ遊技機1は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13を有し、その内側の遊技盤130Aの表面側に沿うように略円形状の遊技領域130が形成された遊技機である。遊技領域130の左側下部にはスピーカ131が配置され、遊技領域130の下側では遊技者側に張り出すように上皿135及び下皿137が設けられている。上皿135は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れて玉を貯留する受け皿である。下皿137は、上皿135の収容限度を超える玉等を受け入れる皿である。上皿135の右下には、上皿135の玉を遊技領域130に向けて発射するための操作ハンドル15が立設されている。
【0011】
開閉扉13は、パチンコ遊技機1に向かって左側に位置するヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、透明窓139の上部両側に配置された装飾ランプ部136と、が設けられている。
【0012】
遊技領域130は、遊技媒体である玉が流下する領域である。遊技領域130には、図柄を変動表示する図柄変動表示手段としての表示装置5を中心として、特別役物4、始動口12、通過ゲート14、大入賞口160等が配置されている。大入賞口160は、始動口12の下方に設けられ、通常状態よりも大当たり状態(特別遊技状態)において玉が入賞し易くなっている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するための玉排出口138が開口している。
【0013】
特別役物4は、遊技機に対応して設けられた演出用役物であって、遊技者側から見て表示装置5の右側に隣接して配置されている。この特別役物4は、ハーフミラーの内側でイナズマが閃光する特別演出を実行可能である。この特別役物4のハーフミラーの内側には、光源をなすLED基板(図3を参照して後述する。)、LED基板の光を透過するスリット409を設けた薄膜部材40(図3図5を参照して後述する。)が配置されている。さらに、この特別役物4は、スリット409から漏れて来る光をイナズマのように見せるための工夫として、薄膜部材40を風にたなびかせて小刻みに振動させる送風ファン43(図3を参照して後述する。)等を備えている。なお、パチンコ遊技機1の演出を特徴付ける特別役物4の構成や動作については後で詳しく説明する。
【0014】
通過ゲート14は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート14には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート14を玉が通過すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。普図当選確率は、通常状態では1/30、確変状態及び時短状態では1/1となっている。
【0015】
始動口12は、特図判定の契機となる入賞口(払出3玉)である。始動口12に玉が入賞すると、特図判定の抽選用乱数が抽出され大当たり状態を発生させるか否かの抽選(特図判定)が実行される。この始動口12は、一対の可動羽根121を開口部120に設けた電チュー(電動チューリップ)により構成された可変入賞口となっている。
【0016】
通常時の一対の可動羽根121は、隙間を空けて相互に対面するように起立する状態(図1中、点線で示す状態。)にある。この状態では、上方に向けて開口する玉1個分の隙間を介してのみ玉が入賞する可能性がある。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根121(同図中、実線で示す状態。)は、開口部120への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。このような開放状態では、始動口12への入賞が容易に発生する。始動口12は、上記の普図当選に応じて開放し、その開放時間は、通常状態では0.2秒、確変状態では1.5秒×3回となっている。
【0017】
大入賞口160は、アタッカーとも呼ばれる可変入賞装置である。大入賞口160は、始動口12の下側に配置されている。横長の大入賞口160には、開閉可能な蓋部材161が設けられている。大入賞口160は、遊技領域130をなす盤面と略面一をなすように蓋部材161が位置したとき、閉鎖状態となる。蓋部材161が手前側に回動すると大入賞口160が開放状態となり、大入賞口160に玉を導くための受け皿として蓋部材161が機能する。なお、大入賞口160に入賞したときの払出は15玉となっている。
【0018】
表示装置5は、液晶表示部52を備え、枠59の内側に液晶表示画面520が配置された表示装置である。表示装置5は、特図判定の結果を報知するための演出用の3桁の数字図柄(1〜9のいずれか)51を液晶表示画面520に表示する。
【0019】
液晶表示画面520の下側に当たる枠59の前面には、それぞれ、4個のLEDが水平方向に配列された特図保留表示部597が配置されている。特図保留表示部597は、始動口12への玉の入賞を契機とした特図保留(保留情報)の表示部である。特図保留表示部597は、LEDの点灯個数により特図保留の保留数(限度数4つ)を表示する。
【0020】
液晶表示画面520の上側に当たる枠59の前面には、普図表示部182及び普図保留表示部183が配置されている。普図表示部182は、上記の普図判定の当否の表示部である。普図表示部182は、○の点灯により普図判定の普図当選を表示し、×の点灯によりハズレを表示する。なお、普図の変動時間は通常状態で30秒、時短状態で1秒となっている。普図保留表示部183は、普図保留として記憶(保留)する保留数を表示できるよう、4つのLEDが連設された表示部である。普図保留表示部183は、LEDの点灯個数により普図保留の保留数(限度数4つ)を表示する。
【0021】
表示装置5は、予め定められた図柄変動を実行した後に特図判定の結果を表す図柄を停止表示する図柄変動手段としての機能を備えている。この表示装置5は、液晶表示画面520において、演出用の数字図柄51を所定時間に亘って変動表示した後、停止表示された3桁の数字図柄51の組合せに応じて特図判定の結果を報知する。特図判定の結果としては、大当たり状態の契機となる特図当選(大当たり状態を発生させる旨の抽選結果、大当たり当選)のほか、ハズレがある。
【0022】
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、図2を参照して説明する。パチンコ遊技機1は、主回路20を中心として構成されている。主回路20に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路33、玉の打込を制御する発射制御回路34、遊技演出を制御する演出制御部35、液晶表示部52を制御する表示制御回路36、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ311〜313、始動口12の可動羽根121を駆動する電チューソレノイド321、大入賞口160を開放させる大入賞口ソレノイド324、普図表示部182、普図保留表示部183、特図保留表示部597、外部に各種信号を出力する信号出力部38、電力供給のための電源回路328、等が電気的に接続されている。また、演出制御部35には、スピーカ131を駆動するアンプ351や装飾ランプ部136が電気的に接続されているほか、液晶表示部52を制御する表示制御回路36が通信可能に接続され、さらに特別役物4を構成するLED基板45と送風ファン43とが電気的に接続されている。
【0023】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、始動口12への入賞玉を検出する特図始動センサ311、通過ゲート14の通過玉を検出する普図始動センサ312、及び大入賞口160への入賞玉を検出する大入賞センサ313がある。特図始動センサ311は、始動口12に入賞した玉を検出できるようにその入賞口に取り付けられている。大入賞センサ313は、大入賞口160に流入した入賞玉を検出できるように取り付けられている。また、普図始動センサ312は、通過ゲート14を通過する玉を検出できるように取り付けられている。
【0024】
払出制御回路33は、始動口12あるいは大入賞口160への玉の入賞が発生したとき、玉を払い出す払出手段の一例である払出装置331を制御し、所定数の玉の払出により入賞に対して特典を付与する。
発射制御回路34は、操作ハンドル15の操作量に応じて、上皿135の玉を発射する発射手段の一例である発射装置341を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
【0025】
図2に示す主回路20は、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部27、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部26、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)25等を備えている。
【0026】
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない特図判定用の抽選テーブル、普図判定用の抽選テーブル、演出抽選用の抽選テーブルを記憶している。
特図判定用の抽選テーブルでは、通常状態及び時短状態での特図当選の当選乱数と、確変状態での特図当選の当選乱数と、が規定されている。確変状態での特図当選の当選乱数の数は、通常状態等での特図当選の当選乱数よりも多く設定され、これにより、通常状態及び時短状態の当選確率1/300に対して、確変状態における特図当選の確率が1/60と高確率になっている。なお、特図当選の当選乱数の振分割合は、確変大当たりが50%、通常大当たりが50%となっている。
【0027】
普図判定用の抽選テーブルでは、通常状態での普図当選の当選乱数と、時短状態及び確変状態での普図当選乱数の当選乱数と、が規定されている。通常状態での普図当選の当選乱数の数よりも、時短状態等での普図当選の当選乱数の方が多く設定され、通常状態での普図当選1/30に対して、時短状態及び確変状態での普図当選の当選確率が1/1となっている。
【0028】
演出抽選用の抽選テーブルは、特別役物4による特別演出を実行するか否かを決定するための抽選テーブルであり、特図判定用の抽選用乱数が照合される。この演出抽選用の抽選テーブルでは、演出当選乱数として、通常状態及び時短状態での演出当選乱数と、確変状態での演出当選乱数と、が規定されている。いずれの演出当選乱数についても、80%が特図判定の当選乱数となっており、残りの20%が特図判定のハズレ乱数となっている。したがって、演出抽選に当選して特別演出が実行された場合には、特図判定に当選している期待度が80%ということになる。
【0029】
RAM24は、CPU21のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶エリアには、特図保留エリア241、普図保留エリア243、及び各1データ分の特図読出エリア245、普図読出エリア246が割り当てられている。RAM24は、始動口12への始動入賞に応じた特図判定の抽選結果を記憶する後述の記憶手段としての機能を備えている。
【0030】
特図保留エリア241は、特図判定の当否を表す保留乱数の記憶領域である。普図保留エリア243は、普図判定の保留乱数の4データ分の記憶領域である。特図保留エリア241、普図保留エリア243には、それぞれ4データ分の保留エリアが設定されている。
【0031】
本実施形態の主回路20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、以下の各機能を実現している。
(1)遊技結果決定手段:予め定められた決定条件が成立した場合に遊技結果を決定する手段。遊技結果決定手段は、始動口12への玉の入賞という決定条件が成立したとき、特図判定用の抽選用乱数を抽出することで、遊技者に有利な大当たり状態を発生させるか否かの抽選である特図判定により遊技結果を決定する。
(2)演出抽選手段:特別役物4による特別演出を実行するか否かを決定する手段。なお、特別演出の内容については後で説明する。
(3)記憶手段:特図判定用に抽出された抽選用乱数を保留乱数として記憶する手段。記憶手段は、始動口12への始動入賞に応じた特図判定用の抽選用乱数を上記特図保留エリア241に記憶する。なお、上限である4データ分の保留乱数が保留された状態で対応する抽選用乱数が新たに抽出された場合、記憶手段は、その抽選用乱数を保留することなくそのまま消去する。このような抽選用乱数の保留処理は、普図判定についても同様である。
(4)読出手段:特図保留エリア241、普図保留エリア243の保留乱数を、特図読出エリア245あるいは普図読出エリア246に読み出す手段。読出手段は、特図保留エリア241、普図保留エリア243の保留乱数である特図保留あるいは普図保留を1つずつ読み出し、保留数を減少させる。
(5)遊技状態発生手段:遊技結果決定手段が決定した遊技結果が遊技者に有利な特別遊技状態の一例である大当り状態の発生であった場合に、遊技者側に有利な大当り状態を発生させる手段。
【0032】
さらに、特別役物4の演出を制御する演出制御部35は、以下の手段としての機能を備えている。
(6)動作制御手段:大当り状態が発生する期待度を遊技者に報知する演出であり、可動部材の一例である薄膜部材40の動作による特別演出を、この薄膜部材40に行わせるための制御を実行する手段。この動作制御手段は、特別役物4の内部に収容された送風ファン43を駆動して送風し、薄膜部材40を動作させるという制御を実行する。
(7)点滅制御手段:動作制御手段による制御で薄膜部材40が動作している場合に、光照射手段の一例をなすLED基板45に点滅を繰り返させる点滅制御を実行する手段。本例では、0.1秒毎(10ヘルツ)に瞬間的にLED基板45を点灯させる点滅制御が採用されている。
【0033】
次に、図3図5に示す特別役物4について説明する。特別役物4は、略L字形状をなし両端が開口する断面矩形ダクト状の筐体41を有する役物であり、L字の縦棒部分をなす縦ダクト部411の側面が遊技者側に面し、横棒部分をなす横ダクト部412が反対側に延在する姿勢で遊技盤130Aに取り付けられている。L字の縦棒をなす縦ダクト部411の内側ではスリット409を設けた薄膜部材40が立設され、その背面側に当たる縦ダクト部411の内壁面にはLED基板45が取り付けられている。また、横ダクト部412の内部には、可動部材の一例をなす薄膜部材40に風を送る送風手段の一例をなし、ダクト状の筐体41の内部に風を送りこむ送風ファン43が配設されている。なお、図5では、薄膜部材40をわかり易く示すため、縦ダクト部411等の図示を省略してある。
【0034】
縦ダクト部411の遊技者側に面する側面の一部は、薄膜部材(可動部材)40の前方に設けられ、入射する光の一部を反射し一部を透過することで、光を照射した場合に薄膜部材40を前方から視認可能にする透過部材の一例をなすハーフミラー400により形成されている。前記LED基板45は、薄膜部材40を介在して、このハーフミラー400と対面するように配置されている。LED基板45は、縦方向に複数のLED素子451を配列した電子基板であり、LED素子451が発光することで透過部材の一例をなすハーフミラー400に光を照射する光照射手段を構成している。
【0035】
シート状の薄膜部材40は、大当たり状態が発生する期待度を遊技者に報知する特別演出を、その動作により実行するための可動部材の一例をなしている。可動部材をなす薄膜部材40は、送風ファン43による送風によりたなびくことが可能な薄膜状に形成されている。本例では、自立可能な強度を有する厚さ約1mmの金属製薄膜フィルムにより薄膜部材40を形成している。薄膜部材40の下端は、縦ダクト部411の内部に配設された膜役物取付板410に立設支持されている。
【0036】
膜役物取付板410は、縦ダクト部411のダクト方向に沿う隔壁により形成されたハニカム構造を呈し、ダクト方向に通風性を有するメッシュ板を加工したものである。膜役物取付板410は、縦ダクト部411のダクト方向(筒方向)の下部の横ダクト部412に近い位置において、鉛直方向に沿って延びる縦ダクト部411の内側壁に固定されている。メッシュ板よりなる膜役物取付板410であれば、縦ダクト部411のダクト方向の送風を阻害する度合いが少なく、可動部材としての機能を薄膜部材40に効率良く実現させることができる。
【0037】
なお、表示装置5の右側にオフセットして配置された特別役物4において、シート状の薄膜部材40は、シート状の面が遊技者側から見て右端が左端よりも前方に位置するように斜めの状態で立設支持されている。これにより、薄膜部材40のシート状の面が遊技者に面することになり、遊技者側の視認性が向上されている。
【0038】
薄膜部材40には、予め定められた絵柄の一例であるイナズマを形成した切欠であり、送風ファン43による風が送られてくる方向とは反対側の端部(送風方向の下流側の端部)まで到達したスリット(特別切欠部)409が設けられている。そして、光照射手段の一例をなす上記のLED基板45は、このスリット409の後方から光を照射するように配置されている。なお、以下の説明におけるダクト方向は、縦ダクト部411の筒方向(方向の指定なし)、すなわち縦ダクト部411の軸方向(縦ダクト部411の延在方向)を意味している。同様の送風方向は、風が送られる図3中の矢印で示す方向を意味している。つまり、縦ダクト部411における送風方向は、ダクト方向の両方向のうちの一方の方向であって、縦ダクト部411において下方から上方に向けて風が吹くように送風する方向を意味している。
【0039】
さらに、可動部材としての薄膜部材40側では、風が送られてくる送風方向に一致するダクト方向に向けて予め定められた角度で傾斜して設けられた第1面部401と、この第1面部401よりも風が送られている方向に向けて大きく傾斜して設けられた第2面部402と、が設けられている。図6に示す通り、第1面部401は、薄膜部材40の最下部をなしダクト方向に対する傾斜角度が5度に設定された面であり、薄膜部材40の上方に向けて次第に前後方向前側に張り出してくるように傾斜する面である。第2面部402は、ダクト方向に対する傾斜角度が25度に設定された面である。
【0040】
第2面部402としては、薄膜部材40の立設方向の中間部分をなし第1面部401と折り目408を介して隣接する中間第2面部402Aと、薄膜部材40の先端部分をなし中間第2面部402Aと折り目408を介して隣接する先端第2面部402Bと、がある。中間第2面部402Aと先端第2面部402Bとは、いずれもダクト方向に対する傾斜角度が25度である一方、その傾斜角度の正負が逆になっている。中間第2面部402Aは、薄膜部材40の上方に向けて次第に前後方向後ろ側に奥まっていくように傾斜する面である。先端第2面部402Bは、薄膜部材40の上方に向けて次第に前後方向前側に張り出してくるように傾斜する面である。第1面部401と中間第2面部402Aとは、遊技者側から見て山折の折り目408を介して接続し、中間第2面部402Aと先端第2面部402Bとは遊技者側から見て谷折の折り目408を介して接続している。このように折り目408を設けてダクト方向にジグザクをなす薄膜部材40の屈曲形状は、ダクト方向の風による動作を生じ易くするために好適な形状となっている。
【0041】
さらに、薄膜部材40のスリット409は、送風方向の下流側に当たる上端まで到達しているうえ、スリット409の左右方向の幅も下流側の方が大きくなっている。このようなスリット409の切欠形状は、ダクト方向の送風によって薄膜部材40の動作を生じ易くし、その動きを大きくするために好適である。
【0042】
次に、以上のような構成のパチンコ遊技機1の遊技の内容を説明する。パチンコ遊技機1は、操作ハンドル15が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、始動口12等が配置された遊技領域130を流下する。始動口12や大入賞口160等に入賞しなかった玉は、遊技領域130の最下部に設けられた玉排出口138から回収される。
【0043】
主回路20は、通過ゲート14を通過する玉を検出したとき、乱数発生部27が発生する乱数の中から普図判定用の抽選用乱数を抽出する抽選を実行する。主回路20は、この抽選用乱数を普図判定用の抽選テーブル(図示略)と照合し、普図判定の当否を決定する。普図判定に当選したとき、主回路20は、普図表示部182を構成するLEDの点滅動作(普図変動)の後、○印を点灯させる。ハズレの場合には、点滅動作の後、×印を点灯させる。普図判定に当選すると、可動羽根121が外側に回動し、これにより、始動口12が開放されて入賞確率が高められる。
【0044】
始動口12に玉が流入して始動入賞が発生した場合には、主回路20は、特図判定用の抽選用乱数を抽出することで特図判定を実行する。主回路20は、抽出した特図判定用の抽選用乱数を特図保留として記憶する。抽選用乱数は、上限保留数の一例である4個を限度として保留される。保留数が4個の場合、主回路20は、始動口12への入賞に応じて抽出された新たな抽選用乱数を特図保留として記憶することなく消去する。なお、特図保留の個数は、上記の特図保留表示部597のLEDの点灯個数により表示される。
【0045】
主回路20は、表示装置5による図柄変動が停止しており、かつ、大当たり状態の発生中でもないとき、特図保留エリア241に記憶された保留乱数を1つずつ読み出し、図示しない特図判定用の抽選テーブルと照合して特図判定の当否を判定する。保留乱数の読み出しに当たっては、記憶時点(入賞時点)が古い保留乱数から順番に1つずつ読み出される。また、特図判定の実行時には、同じ保留乱数が上記の演出抽選用の抽選テーブルと照合されて特別演出の当否が判定される。上記の通り、特別演出を実行した場合の特図当選の期待度は80%となっている。
【0046】
主回路20が特図判定の当否を判定したとき、表示装置5の液晶表示画面520上で図柄変動が表示されるように液晶表示部52が制御される。表示装置5に表示された横並びの3つの数字図柄51は、左→右→中の順番で停止する。大当たり状態の契機となる特図当選のとき、表示装置5にゾロ目の組合せである大当たり図柄を停止表示させて特図当選を報知する。なお、確変大当たりが当選した場合には奇数のゾロ目となり、通常大当たりの場合は偶数のゾロ目となる。
【0047】
大当たり図柄の停止表示によって特図当選が報知されると、まず、15秒間に亘ってオープニング演出が実行され、その後、大当たり状態が開始される。大当たり状態では、大入賞口160が開放されて玉が入賞可能になるラウンドが繰り返し実行される。なお、主回路20は、大当たり状態の発生中に、その旨を表す大当たり信号を出力する。
【0048】
大当たり状態の実行中に大入賞口160が開放されるラウンドの繰返し回数は、確変大当たり状態であるか通常大当たり状態であるかによらず15回となっている。1回のラウンドは、大入賞口160に玉が10個入賞するか、30秒経過したときに終了する。ラウンド15回分の平均的な出玉は約1500個となっている。大当たり状態においてラウンドが15回消化されると、10秒間に亘るエンディング演出が実行されて大当たり状態が終了する。
【0049】
確変大当たり状態の終了後には、特図当選の確率が高くなる確変状態が発生する。この確変状態は、通常大当たり状態に対応する通常大当たり当選(通常大当たりの特図当選)に応じて終了し、確変大当たり当選(確変大当たりの特図当選)の場合には、対応する確変大当たり状態の終了後に確変状態が再開されて継続する。通常大当たり状態の終了後には、図柄変動50回転に亘る時短状態が発生し、50回転の図柄変動を消化すると通常状態に復帰する。
【0050】
次に、特図判定と同時に実行される上記の演出抽選に当選した場合に特別役物4により実行される特別演出の内容、及びそのときの特別役物4の動作について説明する。
特別演出は、特図判定と同時に実行された演出抽選に当選したときに発生する。上記の通り、演出抽選での当選の80%は特図当選時であるため、演出抽選が実行されれば特図当選の期待度が80%ということになる。
【0051】
特別演出は、特図判定の当否を報知するための図柄変動中に実行される。この特別演出では、上記の動作制御手段としての演出制御部35により送風ファン43を動作させる動作制御が実行され、送風ファン43の風によって可動部材の一例である薄膜部材40が動作する。さらに、上記の点滅制御手段としての演出制御部35は、光照射手段の一例をなすLED基板45を10ヘルツで点滅させる。
【0052】
特別役物4では、遊技者側から見て手前から、ハーフミラー400、イナズマ形状のスリット409が設けられた金属製の薄膜部材40、LED基板45の順番に配列されている。特別演出の実行中では、送風ファン43の風で薄膜部材40がたなびくように動きが生じている状態でLED基板45が点滅する。
【0053】
特別役物4の前面に配設されたハーフミラー400は、光の透過率と反射率とが同程度であるので、LED基板45の消灯時には鏡のように作用して薄膜部材40を視認できなくする一方、LED基板45の点灯時には薄膜部材40を視認可能とする。薄膜部材40には正面から見た場合にイナズマのように見えるスリット409が設けられているため、LED基板45が発光した瞬間にイナズマ形状のスリット409が光って見え、遊技者側から見るとイナズマのような閃光を目視できる。
【0054】
LED基板45の点滅制御と並行して送風ファン43が駆動され、薄膜部材40に向けて風が送られるため、スリット409のイナズマ形状は時々刻々、その位置や形状が変化する。スリット409は、送風方向下流側に当たる薄膜部材40の上端部まで達しており、スリット409の幅も送風方向下流側に当たる上端側の方が大きくなっている。このようなスリット409を設けた薄膜部材40では、送風ファン43による風を受けた際、送風方向下流側に当たる上端側ほど動きが大きくなり、迫力のある演出が実行される。
【0055】
さらに、薄膜部材40には折り目408が設けられ、風を受け易くなっている。折り目408は、風を受けたときに薄膜部材40の動きを大きくするように作用する。さらに、折り目408によって設定される傾斜角度は、送風方向下流側に当たる上側の方が大きくなっている。このような構成も、送風時に薄膜部材40の先端側の動きを下側の動きよりも大きくして演出に迫力を持たせるために有効に作用している。
【0056】
このように特別演出の実行中では、送風ファン43の風により薄膜部材40が不規則にたなびくため、スリット409の位置や形状が不規則に変化する。このような薄膜部材40の動きに並行してスリット409の背面側に配置されたLED基板45が10ヘルツの周期でストロボのように瞬間的な発光を繰り返す。遊技者側からは、LED基板45が発光した瞬間のスリット409の形状の閃光がハーフミラー400を介して視認できる。このようなスリット409の閃光は、LED基板45が点灯する0.1秒毎に1回ずつ瞬間的に発生する。
【0057】
人間の視覚には、光が消えた後もその光が残って見えるという残像効果があるため、図7のように、遊技者側では、0.1秒毎に異なる位置や形状の閃光の静止画がコマ送り(飛び飛び)で変化するように知覚される。スリット409のイナズマ形状との相乗効果により、本物のイナズマの閃光のような迫力ある光の演出を遊技者に提示できる。このような光の演出によれば、単なる動作役物の動きによる演出に比べて、迫力のある演出で薄膜部材40の動きを遊技者に視認させることができる。なお、LED基板45(LED素子451)が点滅する周期を変更しても良く、例えば10ヘルツではなく3ヘルツや5ヘルツ等の周期を採用することも可能である。
【0058】
以上のように、パチンコ遊技機1に対応して設けられた演出用役物の一例をなす特別役物4は、大当り状態が発生する期待度を遊技者に報知する特別演出を動作によって行う薄膜部材40と、薄膜部材40の手前側に配設されたハーフミラー400と、薄膜部材40の背面側で発光するLED基板45と、を備えている。特別演出の実行中では、LED基板45が点滅し、これによりスリット409を設けた薄膜部材40を視認でき、スリット409の形状の閃光がイナズマのように発生する。
【0059】
特別役物4では、可動部材をなす薄膜部材40がハーフミラー400の背面側に設けられているため、LED基板45が発光したとき、遊技者がハーフミラー400を介して薄膜部材40を視認することになる。さらに、10ヘルツで点滅するLED基板45が点灯した瞬間、スリット409の形状の閃光が目視され、その後LED基板45が消灯しても残像効果によって薄膜部材40がそのまま静止しているように知覚される。ストロボライトのようなLED基板45の点滅によりこのような視認が繰り返されると、薄膜部材40の動きや位置の変化が静止画のコマ送りのように遊技者に知覚され、薄膜部材40の動きや位置の変化が飛び飛びになってカクカクした動きが確認される。このような演出効果によれば、薄膜部材40の動きに迫力を与えることができ、薄膜部材40を利用した特別演出に対する遊技者の注目度を高くすることができる。
【0060】
また、特別役物4は、薄膜部材40に風を送る送風ファン43を備えている。特別演出の実行中では、送風ファン43が駆動されて薄膜部材40に風が供給される制御が実行される。薄膜部材40に風を供給してたなびかせれば、薄膜部材40の動きに不規則性を持たせることができ、動きの単調化を抑制できる。
【0061】
特別役物4が備える薄膜部材40は、折り目408が設けられ屈曲されてダクト方向に傾斜する面により構成され、送風方向の下流側ほどこの傾斜角が大きく設定されている。風が送られてくるダクト方向に傾斜する面により構成された薄膜部材40は風を受け易いため、比較的容易に風にたなびくことができ、その動きも比較的大きなものとなる。また、傾斜角度が異なる第1面部401と第2面部402とを設けたことで、たなびき方の単調化を抑制でき、一層の不規則性を持たせることができる。
【0062】
さらに、薄膜部材40に設けられたスリット409は、送風方向下流側の上端部に達して薄膜部材40を幅方向に分割している。送風方向下流側の上端まで延在するスリット409を設けた薄膜部材40は、ダクト方向の送風によって大きくたなびくことになる。これにより、薄膜部材40の動きや位置の変化を利用した特別演出に一層の迫力を与えることができる。
【0063】
以上のように、本例のパチンコ遊技機1が備える特別役物4によれば、イナズマの閃光を模擬した特別演出により遊技に対する遊技者の注目度を高めることができる。
【0064】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
パチンコ遊技機1に対して特別役物4を組み合わせた構成を例示したが、その他の遊技機に特別役物4を適用しても良い。例えば、玉が封入してあり、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、メダルを消費して抽選を行うことでゲームが進行するスロットマシンや、得点を消費して抽選を行うことでゲームが進行するクレジット式スロットマシン等が考えられる。スロットマシンにおいては、ボーナスゲーム(特別遊技状態)の抽選に当選したことを示す演出や、ボーナスゲームの抽選に当選している期待度が高いことを示す演出として特別演出を実行しながらLED基板45を点滅させると良い。
【0065】
本例では、特別演出を実行することで大当たり状態が発生する期待度が高いことを遊技者に報知する構成を例示したが、大当たり状態が発生することを遊技者に確定的に報知する構成にしても良い。本構成においては、遊技結果決定手段が抽選により遊技結果を決定する構成だけでなく、所定の領域を玉が通過した場合に大当たり状態が発生するパチンコ遊技機等、抽選を行うことなく遊技結果を決定する構成に対応することも可能である。
【0066】
薄膜部材40の形状については任意に変更しても良い。例えば、山折の折り目と谷折の折り目とを交互に設けず、山折及び谷折の一方のみにすることや、折り目を無くすことも可能である。折り目をなくした場合、薄膜部材40の角度が一定である構成にしても良いし、薄膜部材40が湾曲することで傾斜角度が変化する構成にしても良く、例えば側部が前後方向に湾曲する形状とし、これにより風の抵抗が生じるようにしても良い。また、スリット409によって絵柄を遊技者に視認させる構成にしたが、スリット409がなく絵柄が描かれている構成を採用することも可能である。この場合には、薄膜部材40が光を通すか、あるいは薄膜部材40の手前側に光を照射すると絵柄を遊技者に視認させ易くすることができる。
【0067】
本例では、下方から風を送ることで薄膜部材40を動作させる構成としたが、送風方向は適宜変更できる。薄膜部材40に動きや位置の変化等が生じる構成であれば良い。特別演出の実行中に送風ファン43のファン回転数や回転方向に変化を与えることも良い。ファン回転数や回転方向を変化させれば、薄膜部材40の動きに一層の不規則性を与えることができる。さらに、期待度が高いほど、送風ファン43のファン回転数を上げて送風量を大きくして、薄膜部材40の動きを激しくすることも良い。
【0068】
可動部材の一例として薄膜部材40を例示したが、立体的な人形等を可動部材として採用することも可能である。この場合、動作を風によって生じさせる構成ではなくモーター等を利用する構成にしても良い。つまり、可動部材の動きの動力源は風力に限定されるものではない。
【0069】
透過部材としてハーフミラー400を使用する構成としたが、光の透過率、及び反射率を任意に変更しても良い。例えば、入射する光を80%反射し、20%を透過する部材を採用した構成が考えられる。
また、光照射手段として、LED素子451を配列したLED基板45を例示したが、白熱灯や蛍光灯や面発光素子を含む面発光体など光源は任意に変更できる。
【0070】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0071】
1 パチンコ遊技機(遊技機)
12 始動口
130 遊技領域
160 大入賞口
20 主回路(遊技結果決定手段、演出抽選手段、記憶手段、読出手段、遊技状態発生手段)
35 演出制御部(動作制御手段、点滅制御手段)
4 特別役物(演出用役物)
40 薄膜部材(可動部材)
400 ハーフミラー(透過部材)
401 第1面部
402、402A、402B 第2面部
409 スリット(特別切欠部)
41 筐体
411 縦ダクト部
412 横ダクト部
43 送風ファン(送風手段)
45 LED基板(光照射手段)
451 LED素子
5 表示装置
52 液晶表示部
520 液晶表示画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7