(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-1965(P2017-1965A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】血糖値上昇抑制組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/721 20060101AFI20161209BHJP
A61K 36/53 20060101ALI20161209BHJP
A61K 36/899 20060101ALI20161209BHJP
A61K 36/78 20060101ALI20161209BHJP
A61K 36/738 20060101ALI20161209BHJP
A61K 36/605 20060101ALI20161209BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20161209BHJP
【FI】
A61K31/721
A61K36/53
A61K36/899
A61K36/78
A61K36/738
A61K36/605
A61P3/10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-114597(P2015-114597)
(22)【出願日】2015年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敬
(72)【発明者】
【氏名】鍔田 仁人
(72)【発明者】
【氏名】山口 和也
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
【テーマコード(参考)】
4C086
4C088
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA20
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZC35
4C086ZC75
4C088AB34
4C088AB38
4C088AB47
4C088AB51
4C088AB73
4C088MA02
4C088MA17
4C088MA35
4C088MA37
4C088MA41
4C088MA43
4C088MA52
4C088NA05
4C088NA14
4C088ZC35
4C088ZC75
(57)【要約】
【課題】 血糖値上昇抑制作用が飛躍的に向上した血糖値上昇抑制組成物を提供すること。
【解決手段】 難消化性デキストリンと、ラベンダー、レモングラス、ドクダミ、ローズヒップ、及びクワからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材とを有効成分として含有することを特徴とする血糖値上昇抑制組成物である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
難消化性デキストリンと、ラベンダー、レモングラス、ドクダミ、ローズヒップ、及びクワからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材とを有効成分として含有することを特徴とする血糖値上昇抑制組成物。
【請求項2】
有効成分を添加して得たことを特徴とする請求項1記載の血糖値上昇抑制組成物。
【請求項3】
難消化性デキストリン及び他の有効成分の配合質量比が、0.5:1〜70:1の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の血糖値上昇抑制組成物。
【請求項4】
錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の血糖値上昇抑制組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか記載の血糖値上昇抑制組成物を摂取させることを特徴とする血糖値上昇抑制方法(ただし、医療行為を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血糖値上昇抑制組成物に係り、詳しくは、難消化性デキストリン及び特定の植物素材を有効成分とする血糖値上昇抑制組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
難消化性デキストリンは、身体の調子を整える様々な機能を有していることが知られており、その一つとして、血糖値上昇抑制作用が知られている。しかしながら、その単独の作用効果は必ずしも十分なものとはいえない。
【0003】
一方、難消化性デキストリンの機能に関するものとしては、例えば、難消化性デキストリンを有効成分とするIgA分泌促進剤(特許文献1参照)や、難消化性デキストリンを有効成分とする腎不全患者用の血中クレゾール低下剤(特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−152125号公報
【特許文献2】特開2014−148467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、血糖値上昇抑制作用が飛躍的に向上した血糖値上昇抑制組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、難消化性デキストリンの血糖値上昇抑制作用について鋭意調査・研究したところ、難消化性デキストリンに特定の植物素材を組み合わせることにより、血糖値上昇抑制作用を飛躍的に向上させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、血糖値上昇抑制作用がほとんどないか、その作用が小さい植物素材を、難消化性デキストリンと組み合わせることにより、難消化性デキストリン単独の場合に比して、その血糖値上昇抑制作用を飛躍的に向上させることができることを見いだした。
【0007】
すなわち、本発明は、難消化性デキストリンと、ラベンダー、レモングラス、ドクダミ、ローズヒップ、及びクワ(桑)からなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材とを有効成分として含有することを特徴とする血糖値上昇抑制組成物に関する。
【0008】
本発明の血糖値上昇抑制組成物は、有効成分を添加して得たものであってもよい。
【0009】
本発明の血糖値上昇抑制組成物において、難消化性デキストリン及び他の有効成分の配合質量比は、0.5:1〜70:1の範囲であることが好ましい。
また、本発明の血糖値上昇抑制組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることが好ましい。
【0010】
また、本発明は、上記本発明の血糖値上昇抑制組成物を摂取させることを特徴とする血糖値上昇抑制方法(ただし、医療行為を除く)に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の血糖値上昇抑制組成物によれば、難消化性デキストリン単独の場合に比して、血糖値上昇抑制作用を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の血糖値上昇抑制組成物を適用した場合のCaco−2単層膜に吸収後、分泌されたモノレイヤーを通過したグルコース濃度を示す図であり、難消化性デキストリンと共に、植物素材としてラベンダー、レモングラスを用いた場合の結果を示す。
【
図2】本発明の血糖値上昇抑制組成物を適用した場合のCaco−2単層膜に吸収後、分泌されたグルコース濃度を示す図であり、難消化性デキストリンと共に、植物素材としてドクダミを用いた場合の結果を示す。
【
図3】本発明の血糖値上昇抑制組成物を適用した場合のCaco−2単層膜に吸収後、分泌されたグルコース濃度を示す図であり、難消化性デキストリンと共に、植物素材としてローズヒップ、クワを用いた場合の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の血糖値上昇抑制組成物は、難消化性デキストリンと、ラベンダー、レモングラス、ドクダミ、ローズヒップ、及びクワからなる群より選ばれる少なくとも1種の植物素材(以下、他成分ということがある)とを有効成分として含有することを特徴とする。
【0014】
[難消化性デキストリン]
本発明の血糖値上昇抑制組成物の有効成分となる難消化性デキストリンは、ヒトの消化酵素(アミラーゼ)では加水分解されにくい難消化性の多糖類であり、例えば、デンプンを加熱により加水分解した後、アミラーゼにより加水分解し、加水分解されにくい成分を精製して得ることができる。この難消化性デキストリンは、粉末、細粒、顆粒等の形態で市販されており、これら市販品を使用することができる。また、難消化性デキストリンは水溶性であるため、水溶液の形態のものを使用してもよい。
【0015】
[他成分]
植物素材は、葉、茎、根、花、実、幹、枝等、植物のいずれの部位を用いてもよく、植物素材そのもの(乾燥物を含む)の他、その粉砕物、搾汁、抽出物等の植物素材処理物を用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することに得ることができ、溶媒としては、例えば、水(温水、熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。
【0016】
前記ラベンダーは、シソ科に属する植物であって、本発明で用いる部位としては、花が好ましい。レモングラスは、イネ科に属する植物であって、本発明で用いる部位としては、葉が好ましい。ドクダミは、ドクダミ科ドクダミ属に属する植物であって、本発明で用いる部位としては、茎や葉(地上部)が好ましい。ローズヒップは、バラ科に属する植物であって、本発明で用いる部位としては、果実が好ましい。クワは、クワ科クワ属に属する植物であって、本発明で用いる部位としては、葉が好ましい。
【0017】
本発明の血糖値上昇抑制組成物は、血糖値上昇抑制に用いる血糖値上昇抑制剤であることが好ましい。かかる血糖値上昇抑制剤としては、難消化性デキストリン及び所定の植物素材を含有し、血糖値上昇抑制に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに血糖値上昇抑制作用の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、飼料等を挙げることができる。いわゆる健康食品においては、「血糖値が気になりはじめた方に」、「(食後の)血糖値が気になる方に」、「血糖値の上昇をおだやかにする」、「糖の吸収をおだやかにする」、「血糖値を抑える」等を表示したものを例示することができる。これらの健康食品は、食事と別に摂取してもよいが、食事の際に摂取することが好ましく、例えば、食事前1時間から食事後1時間の間に摂取することが好ましく、食事前0.5時間から食事後0.5時間の間に摂取することがより好ましく、食事前0.5時間から食事開始時まで或いは食事中に摂取することがさらに好ましい。
【0018】
本発明の血糖値上昇抑制組成物の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント粉末飲料、インスタント顆粒飲料を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0019】
本発明の血糖値上昇抑制組成物における難消化性デキストリン及び他成分(有効成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0020】
一般的には、本発明の血糖値上昇抑制組成物が医薬品やサプリメント(錠剤,カプセル剤)の場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01〜100質量%含まれていることが好ましく、0.1〜85質量%含まれていることがより好ましく、0.5〜70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0021】
本発明の血糖値上昇抑制組成物が容器詰飲料(液剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.1〜10質量%含まれていることが好ましく、0.3〜6質量%含まれていることがより好ましく、0.5〜4質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0022】
また、本発明の血糖値上昇抑制組成物がインスタント粉末飲料(粉末剤)、インスタント顆粒飲料(顆粒剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の10〜100質量%含まれていることが好ましく、50〜100質量%含まれていることがより好ましく、80〜100質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0023】
本発明の効果を特に有効に発揮させるためには、有効成分が乾燥質量換算で本発明の血糖値上昇抑制組成物全体(水分を除く)の80質量%以上含まれていることが好ましく、90質量%以上含まれていることがより好ましく、95質量%以上含まれていることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
【0024】
本発明の血糖値上昇抑制組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの有効成分の摂取量が、500mg/日以上となるように摂取することが好ましく、1g/日以上となるように摂取することがより好ましく、2g/日以上となるように摂取することがさらに好ましく、4g以上/日以上となるように摂取することが特に好ましい。
【0025】
本発明の血糖値上昇抑制組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2〜3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0026】
また、本発明の血糖値上昇抑制組成物は、食事と別に摂取してもよいが、食後の一過性の血糖値の上昇を特に有効に抑制することができることから、食事の際に摂取することが好ましく、例えば、食事前1時間から食事後1時間の間に摂取することが好ましく、食事前0.5時間から食事後0.5時間の間に摂取することがより好ましく、食事前0.5時間から食事開始時まで或いは食事中に摂取することがさらに好ましい。
【0027】
難消化性デキストリン及び他成分の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1〜70:1の範囲であることが好ましく、0.75:1〜60:1の範囲であることがより好ましく、1:1〜60:1の範囲であることがさらに好ましく、1:1〜50:1の範囲であることが特に好ましい。難消化性デキストリン及び他成分の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0028】
本発明の血糖値上昇抑制組成物は、必要に応じて、経口用として許容される有効成分以外の成分を添加して、公知の製剤方法によって製造することができる。
【0029】
また、本発明の血糖値上昇抑制組成物としては、有効成分を含有する血糖値上昇抑制組成物の他、食品に対して有効成分を添加して得た血糖値上昇抑制組成物(血糖値上昇抑制食品)を挙げることができ、例えば、通常の食品(天然の食品を含む)に比して本発明の有効成分含有量を増加させた食品や、本発明の有効成分を通常含まない食品に対して有効成分を添加した食品を挙げることができる。また、本発明の血糖値上昇抑制組成物としては、本発明の効果がより有効に発揮される点から、糖質含有量が10質量%以上、好ましくは20質量%以上の高糖質食品に対して有効成分を添加して得た血糖値上昇抑制高糖質食品が好ましい。有効成分の添加は、それぞれの成分を別々に添加してもよいし、同時に添加してもよく、また、有効成分以外の他の成分と共に添加してもよい。
【0030】
本発明の血糖値上昇抑制食品としては、例えば、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、スムージー、青汁等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及びその加工食品;ソース、醤油等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、牛丼、ハヤシライス、オムライス、おでん、マーボドーフ、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール、各種ソース、各種スープ等のレトルトパウチ食品などを挙げることができる。
【0031】
本発明の血糖値上昇抑制方法としては、上記説明した本発明の血糖値上昇抑制組成物を摂取させることを特徴とするが、医療行為は含まれない。本発明の血糖値上昇抑制組成物は、食事と別に摂取させてもよいが、食後の一過性の血糖値の上昇を特に有効に抑制することができることから、食事の際に摂取させることが好ましく、例えば、食事前1時間から食事後1時間の間に摂取させることが好ましく、食事前0.5時間から食事後0.5時間の間に摂取させることがより好ましく、食事前0.5時間から食事開始時まで或いは食事中に摂取させることがさらに好ましい。本発明の方法としては、例えば、レストラン等の飲食店において、高糖質食品と共に本発明の血糖値上昇抑制組成物を提供することにより、血糖値の上昇抑制を図る方法を挙げることができる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
ヒト結腸癌由来細胞Caco−2単層膜吸収分泌試験により、血糖値上昇抑制の評価を行った。Caco−2細胞は、培養により腸管上皮様に分化することが知られており、Caco−2細胞膜に対する物質の吸収分泌量を測定することにより、腸管吸収性を評価することができる。
【0033】
1.サンプルの調製
PBS(+)bufferに対して、D−グルコース、被験物質(難消化性デキストリン単独、難消化性デキストリン+表1に示す他成分)を加えた。最終濃度は、D−グルコースは、25mMとした。また、難消化性デキストリン単独の場合は、難消化性デキストリン500μg/mLとし、難消化性デキストリン+他成分の場合は、難消化性デキストリン500μg/mL、他成分1000μg/mLとした。
【0034】
2.Caco−2細胞膜吸収分泌試験
Caco−2単層膜のインサートウェルへサンプルを100μL加え、37℃、5%CO
2インキュベーターにて保持した。4時間経過後、基底膜側の溶液を回収し、かかる溶液を10μL採取し、Wakoのキット(グルコースCII−テストワコー)で、グルコース濃度を測定した。
【0035】
その結果を表1、及び
図1〜
図3に示す。図中の各グラフは、コントロール(難デキ)については、「−」は、無添加を示し、「+」は、500μg/mL難消化性デキストリンの単独添加を示す。また、他成分が表示されたものについては、「−+」が、1000μg/mL他成分の単独添加を示し、「++」が、500μg/mL難消化性デキストリン+1000μg/mL他成分添加を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
難消化性デキストリンについては、市販の難消化性デキストリン粉末を用いた。
ラベンダー、レモングラス、及びローズヒップについては、市販の原料を、ビーズショッカー(回転数2,300rpm)にて20秒×7回粉砕した粉砕物を用いた。ドクダミについては、市販の粉末状の原料を用いた。クワ及びヨモギについては、生葉の乾燥粉砕末を用いた。
【0038】
表1、及び
図1〜
図3に示すように、難消化性デキストリンと、本発明の特定の植物素材を組み合わせることにより、Caco−2単層膜に吸収後、分泌されるグルコース量が相乗的に低下した。したがって、本発明の血糖値上昇抑制組成物によれば、血糖値の上昇を有効に抑制することができることがわかる。
【0039】
[実施例2](錠剤の製造)
下記に示す割合で各成分を混合し、打錠機によって打錠を行った。
【0040】
配合成分 組成(mg)
難消化性デキストリン 125
ラベンダー末 100
賦形剤 35
ビタミン剤 15
無水クエン酸 15
【0041】
本錠剤を例えば1日当たり3〜10粒程度摂取(1日当たりの有効成分の摂取量675〜2250mg)することにより、血糖値上昇抑制効果を得られることが期待される。
【0042】
[実施例3](カプセル剤の製造)
レモングラス末1重量部に対し15重量部の難消化性デキストリンを混合し、常法に従い顆粒剤とし、その顆粒剤250mgをカプセルに充填しカプセル剤を調製した。
【0043】
本カプセルを例えば1日当たり2粒摂取(1日当たりの有効成分の摂取量500mg)することにより、血糖値上昇抑制効果を得られることが期待される。
【0044】
[実施例4](顆粒剤の製造)
ローズヒップ1重量部に対し15重量部の難消化性デキストリンを混合し、常法に従い顆粒剤とし、その顆粒剤800mgをアルミスティックに包装した。
【0045】
本顆粒剤を例えば1日当たり3袋摂取(1日当たりの有効成分の摂取量2400mg)することにより、血糖値上昇抑制効果を得られることが期待される。
【0046】
[実施例5](液剤の製造)
大麦若葉末5重量部、ケール末2重量部、ドクダミ抽出物1重量部、クワ抽出物1重量部、15重量部の難消化性デキストリン、ビタミンC適量、水500mlをペットボトルに充填して密封し、液剤を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の血糖値上昇抑制組成物は、血糖値の上昇を抑制する効果を有することから、産業上の有用性は高い。