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特開2017-199181タッチパネル装置及びタッチ位置検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-199181(P2017-199181A)
(43)【公開日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】タッチパネル装置及びタッチ位置検知方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20171006BHJP
   G06F 3/045 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   G06F3/041 522
   G06F3/045 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-88995(P2016-88995)
(22)【出願日】2016年4月27日
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】三枝 暁
(57)【要約】
【課題】タッチパネルから検知した電圧にノイズが重畳する環境であっても、操作者の操作感度を損ねることなく、タッチ位置の座標を特定する、ことを目的とする。
【解決手段】タッチパネル装置は、操作者によるタッチパネルに対するタッチの有無を認識し、タッチと認識された後から連続回数検知時間経過の直前における所定数のAD値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均AD値に応じた座標をタッチ位置として特定する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルに設けられた対向する2枚の導電膜の接触位置に応じて生じる電圧値を検知することで、操作者によるタッチ位置の座標を特定するタッチパネル装置であって、
操作者による前記タッチパネルに対するタッチの有無を認識するタッチ認識手段と、
前記タッチと認識された後から所定時間経過の直前における所定数の電圧値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均値に応じた座標を前記タッチ位置として特定する第1特定手段と、
を備えるタッチパネル装置。
【請求項2】
前記所定時間内に、予め定められた誤差許容値内の電圧値を所定回数以上連続して検知することを条件とし、前記条件を満たした電圧値に応じた座標を前記タッチ位置として特定する第2特定手段を備え、
前記第1特定手段は、前記所定時間内に前記条件が満たされなかった場合、前記平均値に応じた座標を前記タッチ位置として特定する請求項1に記載のタッチパネル装置。
【請求項3】
前記第1特定手段は、少なくとも2つの電圧値によって前記平均値を算出するように、除去する電圧値の数が設定される請求項1又は請求項2記載のタッチパネル装置。
【請求項4】
前記第1特定手段による前記タッチ位置の座標の特定回数に応じて、前記平均値を算出するために除去する前記電圧値の数を多くする請求項1から請求項3の何れか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項5】
前記条件を満たしたタイミングと前記所定時間が経過したタイミングとが同時となった場合、前記第2特定手段によって前記タッチ位置が特定される請求項2から請求項4の何れか1項記載のタッチパネル装置。
【請求項6】
タッチパネルに設けられた対向する2枚の導電膜の接触位置に応じて生じる電圧値を検知することで、操作者によるタッチ位置の座標を特定するタッチ位置検知方法であって、
操作者による前記タッチパネルに対するタッチの有無を認識し、
前記タッチと認識された後から所定時間経過の直前における所定数の電圧値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均値に応じた座標を前記タッチ位置として特定するタッチ位置検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル装置及びタッチ位置検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
抵抗膜式のタッチパネルは、2枚の導電膜が対向して設けられ、操作者によってタッチ(押し下げ)されると、その位置(以下「タッチ位置」という。)で2枚の導電膜が接触し、タッチ位置に応じた電圧を生じさせる。すなわち、タッチパネルに対するタッチ位置の座標を特定する座標検知は、タッチされたときに生じる電圧を検知することで行われる。このため、座標検知に用いられる電圧は、耐ノイズ性が高く、安定している必要がある。
【0003】
一方、電圧にノイズが全く重畳しない環境は存在しない。このため、電圧へのノイズの重畳による座標の誤検知を防ぐために、タッチパネルがタッチされると、電圧値を複数回検知し、所定回数連続で一致した電圧値に応じた座標をタッチ位置とする。
【0004】
このような方法の例として、特許文献1には、タッチパネルがタッチされると、測定電圧値を複数回測定して第1回目の測定電圧値を基準電圧値とし第2回目以降の測定電圧値を比較電圧値とし、基準電圧値と比較電圧値とを順次比較して連続して予め定められた規定回数一致すると基準電圧値又は比較値を座標データに変換することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−306259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電圧にノイズが過度に重畳する環境下では、電圧値の連続した一致という座標検知の条件を満たせず、座標検知までに時間を要したり、座標の誤検知が生じたり、さらには、座標の特定ができなかったりし、タッチパネルに対する操作者の操作感度を損ねる場合がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、タッチパネルから検知した電圧にノイズが重畳する環境であっても、操作者の操作感度を損ねることなく、タッチ位置の座標を特定できる、タッチパネル装置及びタッチ位置検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のタッチパネル装置及びタッチ位置検知方法は以下の手段を採用する。
【0009】
本発明の第一態様に係るタッチパネル装置は、タッチパネルに設けられた対向する2枚の導電膜の接触位置に応じて生じる電圧値を検知することで、操作者によるタッチ位置の座標を特定するタッチパネル装置であって、操作者による前記タッチパネルに対するタッチの有無を認識するタッチ認識手段と、前記タッチと認識された後から所定時間経過の直前における所定数の電圧値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均値に応じた座標を前記タッチ位置として特定する第1特定手段と、を備える。
【0010】
本構成に係るタッチパネルは、所謂、抵抗膜式のタッチパネルであり、対向する2枚の導電膜の接触位置に応じて生じる電圧値を検知することで、操作者によるタッチ位置の座標を特定する。
【0011】
操作者によるタッチパネルに対するタッチの有無は、タッチ認識手段によって認識される。タッチ認識手段は、例えば、検知された電圧値が所定閾値以上の場合にタッチパネルが操作者によってタッチされたと認識する。
【0012】
ここで、予め定められた誤差許容値内の電圧値を所定回数以上連続して検知することを条件とし、この条件を満たした電圧値に応じた座標がタッチ位置として特定する処理がある。しかしながら、電圧値に重畳するノイズが大きいと、所定回数以上、電圧値が誤差許容値内で連続し難い。
【0013】
そこで、本構成は、第1特定手段によって、タッチと認識された後から所定時間経過の直前における所定数の電圧値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均値に応じた座標がタッチ位置として特定される。操作者によるタッチと認識された後から所定時間経過すると、ノイズの影響を受けない電圧値そのものの変動量は小さい。一方、上記所定数の電圧値のうち、最大値と最小値とが最も大きくノイズが重畳された電圧値である。このため、これらを除去して算出した電圧値の平均値に応じた座標をタッチ位置とすることで、電圧値に重畳するノイズの影響が小さくなる。また、本構成は、連続して一致する電圧値を検知できなくても、既に検知済みの電圧値を用いてタッチ位置の座標を強制的に特定するので、電圧値の再検知等を必要とせず、確実にタッチ位置の座標を特定できる。
【0014】
従って、本構成は、タッチパネルから検知した電圧にノイズが重畳する環境であっても、操作者の操作感度を損ねることなく、タッチ位置の座標を特定できる。
【0015】
上記第一態様では、前記所定時間内に、予め定められた誤差許容値内の電圧値を所定回数以上連続して検知することを条件とし、前記条件を満たした電圧値に応じた座標を前記タッチ位置として特定する第2特定手段を備え、前記第1特定手段は、前記所定時間内に前記条件が満たされなかった場合、前記平均値に応じた座標を前記タッチ位置として特定してもよい。
【0016】
本構成は、タッチパネルから検知した電圧にノイズが重畳する環境であっても、操作者の操作感度を損ねることなく、タッチ位置の座標を特定できる。
【0017】
上記第一態様では、前記第1特定手段が、少なくとも2つの電圧値によって前記平均値を算出するように、除去する電圧値の数が設定してもよい。
【0018】
本構成によれば、タッチパネル装置の設置環境に適した平均値を算出すための設定が可能となる。
【0019】
上記第一態様では、前記第1特定手段による前記タッチ位置の座標の特定回数に応じて、前記平均値を算出するために除去する前記電圧値の数を多くしてもよい。
【0020】
本構成によれば、タッチパネル装置の設置環境に応じて、平均値を算出すための設定を自動的に変更できる。
【0021】
上記第一態様では、前記条件を満たしたタイミングと前記所定時間が経過したタイミングとが同時となった場合、前記第2特定手段によって前記タッチ位置を特定してもよい。
【0022】
本構成によれば、第2特定手段により特定されるタッチ位置の方が第1特定手段により特定されるタッチ位置に比べてノイズの影響を受けないため、特定されるタッチ位置の精度を高くできる。
【0023】
本発明の第二態様に係るタッチ位置検知方法は、タッチパネルに設けられた対向する2枚の導電膜の接触位置に応じて生じる電圧値を検知することで、操作者によるタッチ位置の座標を特定するタッチ位置検知方法であって、操作者による前記タッチパネルに対するタッチの有無を認識し、前記タッチと認識された後から所定時間経過の直前における所定数の電圧値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均値に応じた座標を前記タッチ位置として特定する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、タッチパネルから検知した電圧にノイズが重畳する環境であっても、操作者の操作感度を損ねることなく、タッチ位置の座標を特定できる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係るタッチパネル装置の構成図である。
図2】連続回数検知特定処理を示す模式図である。
図3】ノイズが重畳した場合のAD値の変化を示す模式図である。
図4】本発明の実施形態に係る平均値特定処理を示す模式図である。
図5】本発明の実施形態に係るタッチパネル制御装置のタッチパネル検知機能に関する電気的構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態に係るタッチ位置検知処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係るタッチ位置検知処理の例を示す模式図である。
図8】本発明の実施形態に係るタッチ位置検知処理の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係るタッチパネル装置及びタッチ位置検知方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、本実施形態に係るタッチパネル装置10の構成図である。なお、本実施形態に係るタッチパネル装置10は、一例として、空気調和装置等の電気機器に備えられ、空気調和装置のオン、オフ及び運転モードや温度等の各種設定等、空気調和装置の操作を行うために用いられる。
【0028】
タッチパネル装置10は、筐体12にタッチパネル14、複数のスイッチ16、リモコンセンサ18、及びタッチパネル制御装置20を備える。
【0029】
タッチパネル14は、入力される表示データをビデオ信号に変換し、変換したビデオ信号に応じた各種情報をLCD(Liquid Crystal Display)に表示する。また、タッチパネル14は、操作者の指やタッチペン等の指示体を用いて押し下げされた位置であるタッチ位置を検知する。
【0030】
このタッチパネル14は、所謂、抵抗膜式であり、LCDの上面に設けられた対向する2枚の透明な導電膜(TiO)の接触位置に応じて生じる電圧値を検知することで、操作者によるタッチ位置の座標を特定する。
具体的には、タッチパネル14は、x軸方向である左右両端に+側のx軸電極30A及び−側のx軸電極30Bを備え、y軸方向である上下両端に+側のy軸電極32A及び−側のy軸電極32Bを備える。2枚の導電膜の接触位置に応じた分圧値(電圧値)がx軸電極30A,30B及びy軸電極32A,32Bによって検知される。すなわち、x軸電極30A,30Bによって検知された電圧値によって、タッチ位置に対するx軸方向の座標が特定され、y軸電極32A,32Bによって検知された電圧値によって、タッチ位置に対するy軸方向の座標が特定される。
【0031】
複数のスイッチ16は、空気調和装置のオン、オフや、各種設定を行う場合に、操作者によって押圧される。
【0032】
リモコンセンサ18は、空気調和装置を制御するために、後述するCPU22に電圧値を出力する。リモコンセンサ18は、温度に応じた抵抗値の変動に基づく電圧値を出力する周知のセンサである。
【0033】
タッチパネル制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)22、RAM(Random Access Memory)24の他に、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPU22がRAM24等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。
【0034】
また、タッチパネル制御装置20は、ADC(Analog to Digital Converter)26を備えている。ADC26は、x軸電極30A,30B及びy軸電極32A,32Bによって検知された電圧値や、リモコンセンサ18が出力した電圧値をAD変換(アナログ・デジタル変換)し、CPU22へ出力する。また、AD変換後の電圧値(以下「AD値」という。)は、時系列でRAM24に記憶される。
【0035】
なお、ADC26は、一例として、x軸電極30A,30Bで検知した電圧値、y軸電極32A,32Bで検知した電圧値、リモコンセンサ18が出力した電圧値を、1msec毎に切り替えてAD変換する。すなわち、x軸電極30A,30Bで検知した電圧値、y軸電極32A,32Bで検知した電圧値、リモコンセンサ18が出力した電圧値は、各々3msec周期でAD変換される。
【0036】
CPU22は、x軸電極30A,30B及びy軸電極32A,32Bによって検知された電圧値に基づいて、タッチ位置の座標を特定(以下「座標検知」という。)する。そして、タッチパネル制御装置20は、特定した座標に応じた制御信号、押圧されたスイッチ16に応じた制御信号、及びリモコンセンサ18が出力した電圧値をAD変換した制御信号等を空気調和装置に送信する。
【0037】
次に、タッチパネル制御装置20によるタッチ位置の座標検知について説明する。
【0038】
本実施形態に係るタッチパネル制御装置20は、連続回数検知特定処理又は平均値特定処理を行う。
【0039】
連続回数検知特定処理は、予め定められた許容誤差値内の電圧値を所定回数以上連続して検知することを条件(以下「連続回数検知条件」という。)とし、連続回数検知条件を満たした電圧値に応じた座標をタッチ位置として特定する。上記所定回数は、一例として8回とする。
【0040】
図2は、連続回数検知特定処理による座標検知を示す模式図である。図2の横軸は時間経過を示し、縦軸はAD変換後の電圧値(以下「AD値」という。)の大きさを示す。図2の上方に示される一致カウンタとは、AD値が前回のAD値と同一となった連続回数である。
なお、AD値が安定したとしても、実際には十数mV程度で振動している。このため、前回検知したAD値に対して予め定められた誤差許容値内のAD値は、同一のAD値とされる。すなわち、以下の説明において、同一のAD値とは誤差許容値内のAD値をいう。この誤差許容値は、上述した振動範囲に基づいて予め設定されている。
【0041】
次にAD値の変化と連続回数検知について説明する。
図2に示すようにAD値は、操作者によるタッチパネル14に対するタッチ(押し下げ)の開始時は、押し下げ強さが小さいためAD値が小さい。AD値が入力閾値以下の場合は、それが操作者によるタッチに基づくものか、ノイズ等のタッチ以外に基づくものであるか判別できないため、連続回数検知に用いない。換言すると、AD値が入植閾値を超えると、そのAD値は、タッチパネル14に対する操作者によるタッチであると認識される。
【0042】
AD値は、タッチパネル14に対する押下開始から徐々に大きくなる。ここで、連続回数検知#1では、●(黒丸)で示される比較開始となるAD値を含んで6回連続でAD値が同一となっているが、比較開始のAD値に対して7回目のAD値は、誤差許容値を超える。このため、“6”までカウントアップされていた一致カウンタは、カウントクリアされて“0”に戻る。この結果、連続回数検知#1におけるAD値は、タッチ位置の座標検知には用いられない。そして、新たに検知されたAD値が、比較開始のAD値とされる。
【0043】
操作者による押し下げ強さが最大となると、AD値が略一定となる。ここで、連続回数検知#2では、●で示される比較開始となるAD値を含んで8回連続でAD値が同一となっている。このため、連続回数検知#2における比較開始とされたAD値が、タッチ位置の座標検知に用いられる。また、連続回数検知#3でも8回連続でAD値が同一となっているように、連続回数検知は繰り返し行われ、タッチ位置の座標検知に用いられる。
【0044】
図3は、電圧値にノイズが重畳する場合を示している。図3に示されるように、電圧値に重畳するノイズが大きいと、AD値が大きく変化し、所定回数以上、AD値が一致して連続し難い。このため、電圧値にノイズが重畳している場合に、連続回数検知特定処理による座標検知では時間を要したり、誤検知、さらには座標を特定できない場合がある。
【0045】
そこで、本実施形態に係るタッチパネル装置10では、平均値特定処理を行う。
平均値特定処理は、操作者によるタッチと認識された後から所定時間経過の直前における所定数(以下「抽出数」という。)のAD値のうち、最大値と最小値とを除去して平均値(以下「平均AD値」という。)を算出する。そして、平均AD値に応じた座標が、タッチ位置として特定される。
【0046】
上記所定時間(以下「連続回数検知時間」という。)は、操作者がタッチパネル14をタッチしてから反応がないため、ストレスを感じるまでの時間よりも短い時間が設定され、一例として、50msecである。
【0047】
また、抽出数は、一例として8つである。この場合、最大値と最小値とを除去した6つのAD値によって平均AD値が算出されるが、これに限らず、少なくとも2つの電圧値によって平均AD値を算出するように、除去するAD値の数が設定されればよい。すなわち、少なくともAD値の最大値と最小値が除去されればよく、例えば、2番目に大きなAD値と2番目に小さなAD値をさらに除去し、4つのAD値によって平均AD値を算出してもよい。
除去するAD値の数は、タッチパネル装置10の設置環境等によって予め設定される。このような処理によって、タッチパネル装置10の設置環境等に適した平均AD値を算出すための設定が可能となる。
【0048】
図4は、平均値特定処理の例を示しており、連続回数検知時間がタイムアップ(経過)したタイミングから遡って8つのAD値のうち、最大値である最初のAD値と最小値である4つめのAD値の除いた残りの6つのAD値によって平均AD値を算出する。また、図4の他の例では、連続回数検知時間がタイムアップしたタイミングから遡って8つのAD値のうち、最大値である最初のAD値と最小値である2つめのAD値の除いた残りの6つのAD値によって平均AD値を算出する。
【0049】
図5は、タッチパネル制御装置20のタッチパネル検知機能に関する電気的構成を示すブロック図である。
CPU22は、ADC26から入力されたAD値に基づいて座標検知を行うために、タッチ認識部40、連続回数検知特定部42、平均値特定部44、及びタイムカウンタ46を備える。これらの構成が有する機能は、ソフトウェアによって実現される。
【0050】
タッチ認識部40は、操作者によるタッチの有無を認識する。タッチ認識部40は、上述したように、AD値が入力閾値以上の場合にタッチパネル14が操作者によってタッチされたと認識する。
【0051】
連続回数検知特定部42は、連続回数検知特定処理を実行する機能を有し、連続回数検知時間内に、連続回数検知条件を満たしたAD値に応じた座標をタッチ位置として特定する。
【0052】
平均値特定部44は、平均値特定処理を実行する機能を有し、連続回数検知時間内に連続回数検知条件が満たされなかった場合、連続回数検知時間経過の直前における所定数のAD値をRAM24から読み出す。そして、平均値特定部44は、RAM24から読み出したAD値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均AD値に応じた座標をタッチ位置として特定する。
【0053】
タイムカウンタ46は、連続回数検知時間を計時する。なお、タイムカウンタ46は、連続回数検知時間に達するまで0からカウントアップするが、これに限らず、連続回数検知時間から0に達するまでカウントダウンしてもよい。
【0054】
図6は、検知された電圧値がAD変換されて、AD値がCPU22に入力される毎に行われるタッチ位置検知処理の流れを示すフローチャートである。
【0055】
AD値がCPU22に入力されると、ステップ100によって、AD値が入力閾値以上であるか否かを判定し、否定判定の場合はステップ102へ移行し、肯定判定の場合はステップ104へ移行する。
【0056】
ステップ102では、連続回数検知時間のカウントをスタートし、次のAD値がCPU22に入力されるとステップ100から処理が再開される。すなわち、AD値がCPU22に入力されても入力閾値以上でない場合には、ステップ102へ常に移行するため、連続回数検知時間のカウントがその都度、初期値(ゼロクリア)とさる。一方、AD値が入力閾値以上となった場合にはステップ104へ移行するので、連続回数検知時間は、ゼロクリアされず、そのまま計時され続けることとなる。
【0057】
ステップ104では、AD値が所定回数以上連続して一致したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ110へ移行する。一方、否定判定の場合はステップ106へ移行する。
【0058】
ステップ106では、連続回数検知時間がタイムアップしたか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ108へ移行する。一方、否定判定の場合は一旦処理を終了し、次のAT値がCPU22に入力されるとステップ100から処理が開始される。
【0059】
ステップ108では、連続回数検知時間経過の直前における所定数のAD値をRAM24から読み出して、平均AD値を算出し、ステップ110へ移行する。
【0060】
ステップ110では、AD値に応じた座標をタッチ位置として特定する。
すなわち、ステップ104からステップ110へ移行した場合、ステップ110では、連続したAD値に応じた座標をタッチ位置として特定する。
一方、ステップ108からステップ110へ移行した場合、ステップ110では、平均AD値に応じた座標をタッチ位置として特定する。
【0061】
図7は、ステップ108からステップ110した場合におけるタッチ位置検知処理(平均値特定処理)の例を示す模式図である。
【0062】
操作者によるタッチと認識された後から連続回数検知時間経過すると、ノイズの影響を受けないAD値そのものの変動量は小さい。一方、連続回数検知時間経過の直前における所定数のAD値のうち、最大値と最小値とが最も大きくノイズが重畳されたAD値である。このため、これらを除去して算出した平均AD値に応じた座標をタッチ位置とすることで、AD値に重畳するノイズの影響が小さくなる。また、図7に示されるように、操作者がタッチパネル14をタッチし続けていると、連続回数検知時間が経過しても、連続回数検知時間を繰り返しカウントアップし、連続回数検知特定処理又は平均値特定処理を繰り返す。
【0063】
このように、平均値特定処理は、連続して一致するAD値を検知できなくても、既に検知済みのAD値を用いてタッチ位置の座標を強制的に特定する。このため、本実施形態に係るタッチ位置検知処理は、連続回数検知特定処理によってタッチ位置の座標が特定できなくても、電圧値の再検知等を必要としない。
従って、本実施形態に係るタッチ位置検知処理は、座標検知までにさらに時間を要したり、タッチ位置の座標が特定できないことを防止でき、確実にタッチ位置の座標を特定できる。
【0064】
図8は、タッチ位置検知処理の他の例を示す模式図である。
処理Aに示されるように、連続回数検知条件を満たしたタイミングと連続回数検知時間が経過(タイムアップ)するタイミングとが同時となった場合、連続回数検知特定処理によってタッチ位置が特定される。この理由は、連続回数検知特定処理により特定されるタッチ位置の方が平均値特定処理により特定されるタッチ位置に比べてノイズの影響を受けないため、特定されるタッチ位置の精度が高くなるためである。
【0065】
また、処理2に示されるように、AD値が所定回数一致し、連続回数検知特定処理によってタッチ位置の座標が特定されると、連続回数検知時間のカウントが初期値から繰り返され、押下終了となるまでタッチ位置検知処理が繰り返される。
【0066】
さらに、本実施形態に係るタッチ位置検知処理は、平均値特定処理によるタッチ位置の座標の特定回数に応じて、平均AD値を算出するために除去するAD値の数を多くしてもよい。
平均値特定処理による座標の特定回数が多い環境は、よりノイズが重畳し易く、ノイズが重畳したAD値の数もより多いと推測される。
【0067】
そこで、タッチパネル制御装置20は、タッチパネル装置10の電源投入から一定時間の間、平均値特定処理によってタッチ位置の座標の特定した回数をカウントし、このカウント数が所定の閾値を超える毎に除去するAD値の数を多くする。除去されるAD値は、値が大きい順又は小さい順である。
【0068】
より具体的には、カウント数が第1閾値を超えるまでは、除去するAD値は最大値と最小値の2つとされる。カウント数が第1閾値を超えると除去されるAD値は、最大値を含む大きい値2つと最初値を含む小さい値2つ、計4つとされる。さらに、カウント数がより大きな第2閾値を超えると除去されるAD値は、最大値を含む大きい値3つと最初値を含む小さい値3つ、計6つとされる。なお、除去後のAD値の数は、少なくとも2つ以上とする。
この処理により、タッチパネル制御装置20は、タッチパネル装置10の設置環境に応じて、平均値を算出すための設定を自動的に変更できる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係るタッチパネル装置10は、操作者によるタッチパネル14に対するタッチの有無を認識し、タッチと認識された後から連続回数検知時間経過の直前における所定数のAD値のうち、最大値と最小値とを除去して算出した平均AD値に応じた座標をタッチ位置として特定する。
これにより、タッチパネル装置10は、タッチパネル14から検知したAD値にノイズが重畳する環境であっても、操作者の操作感度を損ねることなく、タッチ位置の座標を特定できる。
【0070】
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0071】
また、上記各実施形態で説明したタッチ位置検知処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 タッチパネル装置
14 タッチパネル
40 タッチ認識部(タッチ認識手段)
42 連続回数検知特定部(第2特定手段)
44 平均値特定部(第1特定手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8