【解決手段】光半導体装置1Aは、半導体レーザチップ20と、主面10a、裏面、及び一対の側面10c,10dを有し、半導体レーザチップ20を主面10a上に搭載するキャリア10と、主面10a上において一方の側面10cに近い領域に設けられ、半導体レーザチップ20と接続される信号線路12、及び信号線路12の両側に設けられたグランドパターン13を含むコプレーナ線路11と、キャリア10の裏面に設けられた裏面金属膜17と、他方の側面10d上に設けられ、グランドパターン13と裏面金属膜17とを電気的に接続する側面金属膜16とを備える。
前記グランドパターンと前記裏面金属膜とを電気的に接続する前記金属は、前記キャリアの側面のうち、前記他方の側面にのみ配置された金属膜である、請求項1記載の光半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態に係る光半導体装置は、半導体レーザチップと、主面、裏面、一方の側面および一方の側面に対向する他方の側面を備えたキャリアと、キャリアの主面に設けられたグランドパターンと、キャリアの裏面に設けられ、外部と電気的に接続されない実装面と接続される裏面金属膜と、キャリアに設けられ、グランドパターンと裏面金属膜とを電気的に接続する金属と、キャリアの中心線よりも一方の側面に近い領域に配置された信号線路、および信号線路の両側に配置されたグランドパターンを備えたコプレーナ線路と、信号線路に対してキャリアの他方の側面側に位置するグランドパターンに画定された、半導体レーザチップの搭載領域と、信号線路の両側に位置するグランドパターンのそれぞれに画定された、グランド電位供給のためのワイヤボンディング領域と、を備える。
【0010】
上記の光半導体装置では、裏面金属膜がキャリアの裏面に設けられている。この裏面金属膜は、例えば検査用であって、外部と電気的に接続されない実装面に接続される。更に、グランドパターンと裏面金属膜とを金属が電気的に接続する。このような構成によれば、裏面金属膜に検査装置のグランドパターンを接続し、金属を介してコプレーナ線路のグランドパターンにグランド電位を確実に供給することができる。従って、キャリア単体での検査の際に、キャリア主面のコプレーナ線路のグランドパターンを確実にグランド電位とすることができる。
【0011】
上記の光半導体装置において、グランドパターンと裏面金属膜とを電気的に接続する金属は、キャリアの側面のうち、他方の側面にのみ配置された金属膜であってもよい。このような構成によれば、例えば貫通ビアを介してこれらを接続する方式と比較して、製作工数(製造時間)を少なくし、製造コストを低減できる。
【0012】
上記の光半導体装置において、裏面金属膜は、半導体レーザチップの試験を実施する際に、試験用のグランド電位と接続するための接続面を提供してもよい。
【0013】
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光半導体装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る光半導体装置1Aの構成を示す平面図である。また、
図2は、
図1のII−II線に沿った断面図である。本実施形態の光半導体装置1Aは、光通信システムの光送信器に搭載されるものである。
図1及び
図2に示されるように、光半導体装置1Aは、キャリア10、コプレーナ線路11、グランドパターン13、バイアスパターン14、終端パターン15、側面金属膜16、裏面金属膜17、及び半導体レーザチップ20を備える。
【0015】
半導体レーザチップ20は、レーザダイオードと光変調器とが共通基板上に集積されたモノリシック構造を有する。半導体レーザチップ20は、レーザダイオードにバイアス電流を供給するためのアノード電極に接続されたパッド21と、光変調器に駆動電流を供給するためのアノード電極22に接続されたパッド23とを有する。これらのパッド21,23は、例えばAuメッキによって形成される。
【0016】
キャリア10は、四角形の平板状(基板状)の部材であって、主面10a、裏面10b、互いに対向する一対の側面10c及び10d、並びに互いに対向する一対の端面10e及び10fを有する。一対の側面10c及び10dは、第1の方向(以下、縦方向という)に沿ってそれぞれ延びており、縦方向と交差する第2の方向(以下、横方向という)に並んで配置されている。一対の端面10e及び10fは、側面10cと側面10dとを繋ぐように横方向に沿ってそれぞれ延びており、縦方向に並んで配置されている。キャリア10は、半導体レーザチップ20を主面10a上の端面10e寄りの位置に搭載する。キャリア10は、例えば窒化アルミニウム(AlN)などの絶縁体からなる。キャリア10の厚さ(すなわち主面10aと裏面10bとの間隔)Tは0.3mm以上であり、一実施例では0.4mmである。
【0017】
コプレーナ線路11は、信号線路12及びグランドパターン13を含んで構成される。信号線路12は、主面10a上において、端面10f寄りの位置から端面10e寄りの位置にわたって縦方向に延びる導電性金属膜である。端面10f寄りの部分はワイヤボンディングのためのパッド12aとなっており、このパッド12aには、図示しないパッケージのリード端子に電気的に接続されるためのボンディングワイヤの一端が接合される。また、他方の端面10e寄りの部分はワイヤボンディングのためのパッド12bとなっており、このパッド12bと半導体レーザチップ20のパッド23とは、ボンディングワイヤ41を介して電気的に接続される。
【0018】
縦方向における信号線路12の中心より端面10e側の部分(パッド12bを含む)は、半導体レーザチップ20と側面10cとの間に配置されている。また、縦方向における信号線路12の中心より端面10f側の部分(パッド12aを含む)は、側面10cから僅かに離れているが、側面10dからの距離よりも側面10cからの距離の方が短い。従って、全体的に、信号線路12は一方の側面10cに近い領域に偏って設けられている。
【0019】
グランドパターン13は、主面10a上において、横方向における信号線路12の両側に所定の間隔をあけて設けられた導電性金属膜である。本実施形態では、グランドパターン13は、信号線路12、バイアスパターン14、及び終端パターン15の形成領域を除く主面10a上のほぼ全域に設けられている。信号線路12に対して側面10d側に位置するグランドパターン13には、半導体レーザチップ20の搭載領域B1が画定されている。半導体レーザチップ20はグランドパターン13の搭載領域上に実装され、半導体レーザチップ20の裏面電極(カソード)がグランドパターン13と導電接続される。また、信号線路12の両側に位置するグランドパターン13のそれぞれには、グランド電位供給のためのワイヤボンディング領域B2が画定されている。これらのワイヤボンディング領域B2には、後述するボンディングワイヤ73(
図3参照)の一端が接続される。
【0020】
バイアスパターン14は、主面10a上において、縦方向における略中央、且つ側面10d寄りの位置に設けられた導電性金属膜である。バイアスパターン14と半導体レーザチップ20のパッド21とは、ボンディングワイヤ43を介して電気的に接続される。また、バイアスパターン14には、図示しないパッケージの電源用リード端子に電気的に接続されるためのボンディングワイヤの一端が接合される。
【0021】
終端パターン15は、主面10a上において、端面10e寄り且つ側面10d寄りの位置に設けられた導電性金属膜である。終端パターン15と半導体レーザチップ20のパッド23とは、ボンディングワイヤ42を介して電気的に接続される。また、終端パターン15とグランドパターン13とは、終端抵抗チップ31を介して電気的に接続される。
【0022】
裏面金属膜17(
図2参照)は、キャリア10の裏面10bの全面にわたって設けられた導電性金属膜である。裏面金属膜17は、光半導体装置1Aの検査時にグランドパターン13の電位を制御するためにのみ用いられるものである。すなわち、光送信器を製造する際、光半導体装置1Aの半導体レーザチップ20の動作特性を検査することがある。その検査時には、光半導体装置1Aを検査装置に設置し、コプレーナ線路11の信号線路12に検査用の駆動信号を供給する。その際、コプレーナ線路11のグランドパターン13をグランド電位に落とす必要がある。裏面金属膜17は、そのために用いられ、検査装置のグランド配線と電気的に接続される。従って、裏面金属膜17は、光半導体装置1Aが光送信器に組み込まれた後には用いられず、外部と電気的に接続されない実装面と接続される。
【0023】
側面金属膜16は、側面10c,10dのうち側面10dにのみ設けられ、グランドパターン13と裏面金属膜17とを電気的に接続する金属である。具体的には、側面金属膜16は、側面10d上において主面10aから裏面10bにわたって設けられている。側面金属膜16の主面10a側の端はグランドパターン13に接しており、側面金属膜16の裏面10b側の端は裏面金属膜17に接している。
【0024】
また、側面金属膜16は、縦方向における側面10dの一部(端面10f側の部分)にのみ設けられている。具体的には、グランドパターン13がバイアスパターン14を避けるように側面10dの端面10f側の部分へ延びており、側面金属膜16は、当該部分から裏面10bに向けて延びている。
【0025】
なお、上述した信号線路12、グランドパターン13、バイアスパターン14、終端パターン15、側面金属膜16、及び裏面金属膜17は、いずれもAuメッキにより形成され、キャリア10側から、Ti膜、Pt膜、及びAu膜を含んでいる。Ti膜の厚さは例えば0.1μmである。Pt膜の厚さは例えば0.2μmである。Au膜の厚さは例えば3μmである。
【0026】
図3は、光半導体装置1Aを備える光送信器の構成例を示す平面図である。
図3に示されるように、この光送信器2Aは、光半導体装置1Aに加えて、パッケージ61、レンズ62、配線基板63、及びTEC(Termo Electric Cooler)68を備える。パッケージ61は、略直方体状の箱体であり、光半導体装置1A、レンズ62、及び配線基板63を収容する。パッケージ61の後端には、リード端子から延びる端子67が並んでいる。また、パッケージ61の後端に設けられたフィードスルー69上には、コプレーナ線路を構成する信号線路65及びグランドパターン66が設けられている。
【0027】
TEC68は、パッケージ61の底面上に設けられている。TEC68は、光送信器2Aの外部から供給される駆動電力に応じて、上面に設けられた部品の温度を制御する部材である。TEC68の上面には、電気絶縁性のプレート68aが設けられている。プレート68a上には、光半導体装置1Aの裏面金属膜17の寸法形状に対応する金属パターン、レンズ62の裏面の寸法形状に対応する金属パターン、及び、配線基板63の裏面の寸法形状に対応する金属パターンが設けられている。光半導体装置1Aは、裏面金属膜17がプレート68a上の金属パターンに導電性接着剤を介して接合されることにより、プレート68a上に実装される。同様に、レンズ62及び配線基板63は、それらの裏面がプレート68a上の各金属パターンに導電性接着剤を介して接合されることにより、プレート68a上に実装される。これらの金属パターンは、電気絶縁性のプレート68aを介してパッケージ61に固定されているので、パッケージ61の電位(シャーシグランド)とは絶縁されている。従って、光半導体装置1Aの裏面金属膜17は、パッケージ61の電位から絶縁された浮遊金属膜(Float Metal)となっている。
【0028】
レンズ62は、半導体レーザチップ20の光出射端面と光学的に結合されており、光半導体装置1Aの半導体レーザチップ20から出射されたレーザ光L1をコリメートする。コリメートされたレーザ光L1は、図示しない光出力ポートを通ってパッケージ61の外部へ出力される。
【0029】
配線基板63は、光半導体装置1Aとフィードスルー69との間に配置されている。配線基板63上には、コプレーナ線路を構成する信号線路63a及びグランドパターン63bが設けられている。信号線路63aは縦方向に延びており、その一端はボンディングワイヤ74を介して光半導体装置1Aの信号線路12のパッド12aと電気的に接続されている。また、信号線路63aの他端は、ボンディングワイヤ77を介してフィードスルー69の信号線路65と電気的に接続されている。なお、フィードスルー69の信号線路65には、図示しないリードピンを介して、パッケージ61の外部から駆動信号が提供される。
【0030】
グランドパターン63bは、信号線路63aの両側に所定の間隔をあけて設けられ、その一端はボンディングワイヤ73を介して光半導体装置1Aのグランドパターン13と電気的に接続されている。また、グランドパターン63bの他端は、ボンディングワイヤ75を介してフィードスルー69のグランドパターン66と電気的に接続されている。なお、フィードスルー69のグランドパターン66は、図示しないリードピンを介して、パッケージ61外部のグランド配線と電気的に接続される。
【0031】
配線基板63のグランドパターン63b上には、バイパスコンデンサとしてのキャパシタ64が実装されている。キャパシタ64の一方の電極はグランドパターン63bに導電接続されている。キャパシタ64の他方の電極は、ボンディングワイヤ71を介してバイアスパターン14と電気的に接続され、且つ、ボンディングワイヤ72を介して一つの端子67と電気的に接続されている。該端子67には、図示しないリードピンを介して、パッケージ61の外部からバイアス電圧が提供される。
【0032】
以上に説明した本実施形態の光半導体装置1Aによって得られる効果について説明する。この光半導体装置1Aでは、裏面金属膜17がキャリア10の裏面10bに設けられている。この裏面金属膜17は、例えば検査用であって、光送信器2Aにおいては外部と電気的に接続されない実装面に接続される。更に、グランドパターン13と裏面金属膜17とが側面金属膜16によって電気的に接続される。このような構成によれば、裏面金属膜17に検査装置のグランドパターンを接続し、側面金属膜16を介してコプレーナ線路11のグランドパターン13にグランド電位を確実に供給することができる。従って、キャリア単体での検査の際に、キャリア主面のコプレーナ線路11のグランドパターン13を確実にグランド電位とすることができる。
【0033】
ここで、光半導体装置1Aの検査方法の一例について説明する。
図4は、光半導体装置1Aの検査の様子を示す斜視図である。この試験は、半導体レーザチップ20のレーザダイオード及び光変調器の動作試験であって、光半導体装置1Aをパッケージ61内に配置する前に行う。この試験では、
図4に示されるように、プローブP1を裏面金属膜17に、プローブP2をバイアスパターン14に、プローブP3をパッド12aにそれぞれ押し当てる。そして、レーザダイオードの静的特性を調べる際には、パッド12aと裏面金属膜17との間に試験用信号として直流信号または低周波信号を入力し、バイアスパターン14と裏面金属膜17との間にバイアス電圧を入力する。また、光変調器の動的特性を調べる際には、パッド12aと裏面金属膜17との間に試験用信号として高周波信号を入力し、バイアスパターン14と裏面金属膜17との間にバイアス電圧を入力する。光半導体装置1Aをパッケージ61内に配置する際には、多数のプローブP1〜P3を用いた複雑な操作が要求される。その際、プローブP1を裏面金属膜17に押し当てることで、プローブP1をグランドパターン13に押し当てる場合(図中に破線で示す)と比較して、プローブP1〜P3の間隔を広くでき、プローブP1〜P3の取り回し等の操作を容易化することができる。
【0034】
また、本実施形態では、光半導体装置1Aをパッケージ61内に配置する際、電気的に浮いた状態のTEC68上の金属パターンに裏面金属膜17が接続される。これにより、グランドパターン13とパッケージ61との導電接続を回避して、信号線路12における高周波信号の伝搬特性の変化を抑えることができる。また、光送信器2Aの外部からパッケージ61に入力されるノイズがグランドパターン13に伝わることを回避し、信号線路12を伝搬する高周波信号へのノイズによる影響を抑えることができる。
【0035】
また、本実施形態のように、グランドパターン13と裏面金属膜17とを電気的に接続する金属は、キャリア10の側面のうち、側面10dにのみ配置された側面金属膜16であってもよい。このような構成によれば、側面金属膜という簡易な構造によって、主面10a上のグランドパターン13と裏面金属膜17とを導電接続することができる。また、例えば貫通ビアを介してこれらを接続する方式(第1変形例)と比較して、製作工数(製造時間)を少なくし、製造コストを低減できる。
【0036】
また、本実施形態のように、側面金属膜16は、縦方向における側面10dの一部にのみ設けられてもよい。これにより、信号線路12に沿う側面金属膜16の長さが短くなるので、側面金属膜16に起因する高周波特性の劣化を抑制できる。
【0037】
また、本実施形態のように、キャリア10の主面10aと裏面10bとの間隔Tは0.3mm以上であってもよい。これにより、信号線路12と裏面金属膜17との距離が0.3mm以上となるので、この裏面金属膜17は、信号線路12と共に伝送路(マイクロストリップライン)を構成するための金属膜とは区別される。すなわち、本実施形態の裏面金属膜17は、光半導体装置1Aの検査時にグランドパターン13の電位を制御する為のものであり、信号線路12を伝送される高周波信号への影響は小さいほど良い。本発明者の知見によれば、例えばT=0.15mmでは高周波信号がグランドパターン13の影響を受けるが、T≧0.3mmであれば、高周波信号はグランドパターン13の影響を殆ど受けない。
【0038】
(第1変形例)
図5及び
図6は、上記実施形態の第1変形例として、光半導体装置1Bの構成を示す。
図5は光半導体装置1Bの平面図であり、
図6は
図5のVI−VI線に沿った断面図である。これらの図に示されるように、グランドパターン13と裏面金属膜17とを電気的に接続する金属は、キャリア10を厚さ方向に貫通する貫通ビア18であってもよい。このような構成であっても、キャリア単体での検査の際に、キャリア主面のコプレーナ線路11のグランドパターン13を確実にグランド電位とすることができる。
【0039】
(第2変形例)
図7及び
図8は、第2変形例としての光半導体装置1Cの構成を示す。
図7は光半導体装置1Cの平面図であり、
図8は
図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。この光半導体装置1Cでは、グランドパターン13と裏面金属膜17とを電気的に接続する側面金属膜19が、キャリア10の側面10c上に設けられている。このような構成であっても、キャリア単体での検査の際に、キャリア主面のコプレーナ線路11のグランドパターン13を確実にグランド電位とすることができる。
【0040】
なお、本変形例では、信号線路12が側面10c寄りに配設されているため、信号線路12を伝送される駆動信号の高周波特性(S11特性など)が、側面金属膜19の影響により劣化するおそれがある。これに対し、上記実施形態の光半導体装置1Aでは、側面金属膜16が、信号線路12に近い側面10cではなく、信号線路12から遠い側面10d上に設けられている。
【0041】
ここで、
図9(a)は、第2変形例に係る光半導体装置1Cにおける半導体レーザチップ20の高周波特性(S11特性)を示すグラフである。また、
図9(b)は、上記実施形態に係る光半導体装置1Aにおける半導体レーザチップ20の高周波特性(S11特性)を示すグラフである。
図9(a)に示されるように、第2変形例に係る光半導体装置1Cでは、周波数25GHz付近に大きなディップ(Dip)が生じる。このような不連続点は、信号線路12と側面金属膜19との間で共振現象が発生したことを示す。これに対し、上記実施形態に係る光半導体装置1Aでは、
図9(b)に示されるように、上記のディップが顕著に緩和される。これは、第2変形例に対して信号線路12と側面金属膜との間の電界強度すなわち寄生容量(リアクタンス成分)が変化し、高周波特性における不連続点の共振状態が変化したことに因る。従って、上記実施形態によれば、側面金属膜に起因する高周波特性の劣化を効果的に抑制できる。
【0042】
本発明による光半導体装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では側面10dの一部にのみ側面金属膜16が設けられているが、側面10dの全体にわたって側面金属膜16が設けられてもよい。また、上記実施形態ではレーザダイオードと光変調器とによる間接変調方式が例示されているが、レーザダイオードを駆動する直接変調方式であっても、本発明を適用できる。その場合には、コプレーナ線路の信号線路はレーザダイオードの電極に接続される。