【課題】1つのチューナでデータ放送受信処理とその他の処理とを交互に切り替えて行う際に、データ放送の無効なファイル受信を抑制して、データ放送を効率的に受信できるようにすることが可能な「放送受信装置および受信切替制御方法」を提供する。
【解決手段】第1の受信処理によって受信すべき各ファイルの伝送開始時間を算出する伝送開始時間算出部131と、算出された各ファイルの伝送開始時間に基づいて、第2のチューナ部120が第2の受信処理から第1の受信処理に切り替えるタイミングを決定する切替タイミング決定部132と、決定された切替タイミングに従って、第2の受信処理から第1の受信処理への切り替えを行うように第2のチューナ部120を制御する切替制御部133とを備えることにより、第2のチューナ部120が、第2の受信処理から第1の受信処理に切り替えたときに、ファイルを先頭から受信することができるようにする。
前記伝送開始時間算出部は、前記第2のチューナ部が前記第1の受信処理から前記第2の受信処理に切り替えたときのファイル受信終了時間と、前記第2の受信処理を行っている際に伝送される未受信ファイルのファイルサイズと、前記未受信ファイルの伝送レートとに基づいて、前記未受信ファイルの次に伝送される受信対象ファイルの伝送開始時間を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
前記切替タイミング決定部は、前記伝送開始時間算出部により算出された前記受信対象ファイルの伝送開始時間よりも所定時間前のタイミングを、前記第2の受信処理から前記第1の受信処理に切り替えるタイミングとして決定することを特徴とする請求項2に記載の放送受信装置。
前記第2の受信処理は、前記データ放送の、前記第1の受信処理によって受信するファイルに関する第1のデータ種別とは異なる第2のデータ種別のファイルの受信処理である
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の放送受信装置。
前記第1の受信処理によって前記第1のデータ種別の全ファイルの受信が完了するまでの間は、前記第1のデータ種別のファイルの受信が終了したタイミングで前記第1の受信処理から前記第2の受信処理への切り替えを行うとともに、前記切替タイミング決定部により決定された切替タイミングで前記第2の受信処理から前記第1の受信処理への切り替えを行い、
前記第1の受信処理によって前記第1のデータ種別の全ファイルの受信が完了した後は、前記第2のデータ種別のファイルの受信が終了したタイミングで前記第2の受信処理から前記第1の受信処理への切り替えを行うとともに、前記切替タイミング決定部により決定された切替タイミングで前記第1の受信処理から前記第2の受信処理への切り替えを行う
ことを特徴とする請求項6に記載の放送受信装置。
前記第2の受信処理によって前記第2のデータ種別の全ファイルの受信も更に完了した後は、前記第1のデータ種別のファイルの受信が終了したタイミングで前記第1の受信処理から前記第2の受信処理への切り替えを行うとともに、前記切替タイミング決定部により決定された切替タイミングで前記第2の受信処理から前記第1の受信処理への切り替えを行う
ことを特徴とする請求項7に記載の放送受信装置。
デジタル放送における番組データを受信する第1のチューナ部と、データ放送のファイル受信を行う第1の受信処理と、当該第1の受信処理とは異なる第2の受信処理とを交互に切り替えて行う第2のチューナ部と、を備えた放送受信装置によって実行される受信切替制御方法であって、
前記放送受信装置の伝送開始時間算出部が、前記第1の受信処理によって受信すべきファイルの伝送開始時間を算出する伝送開始時間算出工程と、
前記放送受信装置の切替タイミング決定部が、前記伝送開始時間算出部により算出されたファイルの伝送開始時間に基づいて、前記第2のチューナ部が前記第2の受信処理から前記第1の受信処理に切り替えるタイミングを決定する切替タイミング決定工程と、
前記放送受信装置の切替制御部が、前記切替タイミング決定部により決定された切替タイミングに従って、前記第2の受信処理から前記第1の受信処理への切り替えを行うように前記第2のチューナ部を制御する切替制御工程と
を含むことを特徴とする受信切替制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
1つのチューナでデータ放送受信処理とスキャン処理とを交互に切り替えて行うようになされた受信装置において、事前に決めた割当時間で区切って2つの処理を交互に実施する従来の方法では、スキャン処理に割り当てる処理時間を所定の長さとしている。その一方、データ放送はファイル単位で順次伝送されている。
【0009】
そのため、所定時間のスキャン処理が終了してデータ放送の受信へと切り替えが行われたときに、ファイルの伝送が既に開始されてしまっていると、そのファイルは途中からの不完全なものとなってしまう。このため、その受信ファイルは無効となり、次回以降伝送されたときに改めて最初から受信し直さなければならない。
【0010】
このような事象は、全ての受信対象ファイルに生じ得るため、全ての受信対象ファイルの受信を完了するまでに多くの時間がかかるといった問題が生じていた。また、不完全なファイルは、メモリに残されたままとなり、このような不完全なファイルが次第に増えてゆくと、メモリの容量を圧迫するといった問題も生じ得る。
【0011】
図6は、従来の放送受信装置によるデータ放送受信処理とスキャン処理との切り替え動作の一例を示す図である。
図6では、放送受信装置のバックグラウンドチューナが行う処理(データ放送受信処理およびスキャン処理)を時系列に表している。
図6に示すように、バックグラウンドチューナは、データ放送受信処理およびスキャン処理を交互に行う。
【0012】
図6の例では、データ放送により伝送されるデータは、先頭のディレクトリ情報(ヘッダ情報)と6個のファイル1〜6とにより、1つのカルーセルを構成する。データ放送では、このカルーセルが繰り返し伝送されるため、バックグラウンドチューナは、このカルーセルを繰り返し受信する。
【0013】
図6の例では、まず、バックグラウンドチューナは、ディレクトリ情報に続いて、データ放送のファイル1の受信を開始する(タイミングt1)。そして、バックグラウンドチューナは、ファイル1の受信が終了すると、スキャン処理に切り替える(タイミングt2)。そして、バックグラウンドチューナは、スキャン処理を所定時間実行する。バックグラウンドチューナがスキャン処理を実行している間、データ放送では、ファイル1に続いてファイル2,3が順次伝送されてくる。しかし、バックグラウンドチューナは、スキャン処理を実行している間は、これらファイル2,3の受信を行わない。
【0014】
そして、バックグラウンドチューナは、スキャン処理を開始してから所定時間経過後、データ放送の受信処理に切り替える(タイミングt3)。このとき、ファイル3の伝送が既に開始されているため、バックグラウンドチューナは、ファイル3を途中から受信することになる。このため、バックグラウンドチューナが受信したファイル3は無効となる。そして、バックグラウンドチューナは、ファイル3の受信を終了すると(タイミングt4)、その次に伝送されてくるファイル4を先頭から受信する。このため、バックグラウンドチューナが受信したファイル4は有効である。
【0015】
そして、バックグラウンドチューナは、ファイル4の受信が終了すると、スキャン処理に切り替える(タイミングt5)。そして、バックグラウンドチューナは、スキャン処理を所定時間実行する。バックグラウンドチューナがスキャン処理を実行している間、データ放送では、ファイル4に続いてファイル5,6が順次伝送されてくる。しかし、バックグラウンドチューナは、スキャン処理を実行している間は、これらファイル5,6の受信を行わない。
【0016】
そして、バックグラウンドチューナは、スキャン処理を開始してから所定時間経過後、データ放送の受信処理に切り替える(タイミングt6)。このとき、ファイル6の伝送が既に開始されているため、バックグラウンドチューナは、ファイル6を途中から受信することになる。このため、バックグラウンドチューナが受信したファイル6は無効となる。そして、バックグラウンドチューナは、ファイル6の受信を終了すると(タイミングt7)、その次に伝送されてくるディレクトリ情報およびファイル1を先頭から受信する。
【0017】
ここで、ファイル1は既に受信済みであるが、バックグラウンドチューナは、ファイル1をそのまま受信する。そして、バックグラウンドチューナは、ファイル1の受信が終了すると、スキャン処理に切り替える(タイミングt8)。以降、バックグラウンドチューナは、同様の処理を繰り返し実行する。
【0018】
以上のような動作において、受信した有効なファイルはファイル1,4だけである。ファイル3,6は、受信しているものの不完全であるため、次回以降に伝送されたものを受信し直す必要がある。また、ファイル1は、二度も受信がなされている一方で、ファイル2,5は、一度も受信がなされていない。このため、ファイル2,5は、次回以降に伝送されたものを受信し直す必要がある。このように、従来のデータ放送受信処理とスキャン処理との切り替え動作では、データ放送のファイル受信処理が非効率であり、全ファイルの受信が完了するまでに長い時間がかかってしまう。
【0019】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、1つのチューナでデータ放送受信処理とその他の処理とを交互に切り替えて行う際に、データ放送の無効なファイル受信を抑制して、データ放送を効率的に受信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記した課題を解決するために、本発明では、デジタル放送における番組データを受信する第1のチューナ部と、データ放送のファイル受信を行う第1の受信処理と、当該第1の受信処理とは異なる第2の受信処理とを交互に切り替えて行う第2のチューナ部と、を備えた放送受信装置において、第1の受信処理によって受信すべきファイルの伝送開始時間を算出し、算出されたファイルの伝送開始時間に基づいて、第2のチューナ部が第2の受信処理から第1の受信処理に切り替えるタイミングを決定し、決定された切替タイミングに従って、第2の受信処理から第1の受信処理への切り替えを行うように第2のチューナ部を制御するようにしている。
【発明の効果】
【0021】
上記のように構成した本発明によれば、データ放送のファイルの伝送開始時間に基づいて、そのファイルを先頭から受信できるように、第2の受信処理から第1の受信処理への切り替えタイミングを制御することができる。このため、本発明によれば、1つのチューナでデータ放送受信処理とその他の処理とを交互に切り替えて行う際に、データ放送の無効なファイル受信を抑制して、データ放送を効率的に受信できるようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔第1実施形態〕
以下、
図1〜
図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
【0024】
〔放送受信装置10の機能構成例〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る放送受信装置10の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示す放送受信装置10は、DAB放送を受信可能な装置である。放送受信装置10は、本放送を受信するメインチューナ(第1チューナ部110)とは別にサブチューナ(第2チューナ部120)を備え、メインチューナが本放送を受信しているバックグラウンドで、サブチューナがデータ放送(例えば、EPG、TPEG、BWS(Broadcasting Web Site)等)を受信するようになされている。
【0025】
図1に示すように、放送受信装置10は、第1チューナ部110、第2チューナ部120および切替制御装置130を備える。切替制御装置130は、伝送開始時間算出部131、切替タイミング決定部132、切替制御部133、ファイル情報記憶部134、ファイル情報取得部135および第2の切替制御部136を備える。第1チューナ部110は、アンテナ11およびスピーカ13に接続されている。また、第2チューナ部120は、アンテナ11およびディスプレイ12に接続されている。
【0026】
上記各機能ブロック131〜136は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック131〜136は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0027】
第1チューナ部110(メインチューナ)は、アンテナ11を介して、デジタル放送における番組データを受信する。第1チューナ部110が受信した番組データは、復号化等の工程を経て出力可能な形式へと変換された後に、スピーカ13から出力されることにより、ユーザが視聴可能となる。
【0028】
第2チューナ部120(バックグラウンドチューナ)は、アンテナ11を介してデータ放送のファイル受信を行う第1の受信処理と、当該第1の受信処理とは異なる第2の受信処理とを交互に切り替えて行う。本実施形態において、第2チューナ部120が行う第1の受信処理は、データ放送受信処理である。データ放送受信処理によって受信されるデータ放送の情報は、ディレクトリ情報と複数のファイルとからなるカルーセルを構成する(
図3参照)。各ファイルは、複数のセグメントから構成されており、先頭のセグメントには、ファイルの識別情報等の情報が格納されている。ディレクトリ情報には、各ファイルを構成しているセグメントの数およびサイズ等の情報が含まれている。なお、本実施形態において、「ファイルを受信する」の定義には、各ファイルを受信することのみならず、ディレクトリ情報を受信することも含むこととする。
【0029】
また、第2チューナ部120が行う第2の受信処理は、デジタル放送におけるサービスリストを作成するためのスキャン処理である。第2チューナ部120は、データ放送受信処理とスキャン処理とを交互に行う。スキャン処理からデータ放送受信処理への切り替えは、次の受信対象ファイルの伝送開始時間の直前に行われるように、後述する切替制御部133によって制御される。また、データ放送受信処理からスキャン処理への切り替えは、原則として、完全な状態でのファイルの受信が終了した時点で行われる。但し、スキャン処理からデータ放送受信処理へ切り替えられた後に、次に受信しようとするファイルが既に受信済みである場合、後述する第2の切替制御部136によって、データ放送受信処理からスキャン処理への切り替えが制御される。第2チューナ部120が受信したデータ放送のデータ、および、第2チューナ部120が生成したサービスリストは、ディスプレイ12から出力されることにより、ユーザが閲覧可能となる。
【0030】
伝送開始時間算出部131は、データ放送受信処理によって受信すべきファイルの伝送開始時間を算出する。具体的には、伝送開始時間算出部131は、第2のチューナ部120がデータ放送受信処理からスキャン処理に切り替えたときのファイル受信終了時間と、スキャン処理(第2の受信処理)を行っている際に伝送されるファイル(以下、「未受信ファイル」と示す)のファイルサイズと、当該未受信ファイルの伝送レートとに基づいて、未受信ファイルの次に伝送される受信対象ファイルの伝送開始時間を算出する。例えば、未受信ファイルのファイルサイズは、ディレクトリ情報に含まれている当該未受信ファイルのセグメント数およびセグメントサイズから算出することができる。また、未受信ファイルの伝送レートは、第2チューナ部120の選局を行ったときに取得可能なサービス情報から取得することができる。この伝送レートは、データ放送の受信に関する伝送レートであり、各ファイルに共通の値である。
【0031】
切替タイミング決定部132は、伝送開始時間算出部131により算出された次の受信対象ファイルの伝送開始時間に基づいて、第2のチューナ部120がスキャン処理からデータ放送受信処理に切り替えるタイミングを決定する。特に、本実施形態では、切替タイミング決定部132は、伝送開始時間算出部131により算出された受信対象ファイルの伝送開始時間よりも所定時間前のタイミングを、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替えるタイミングとして決定するようにしている。
【0032】
切替制御部133は、切替タイミング決定部132により決定された切替タイミングに従って、スキャン処理からデータ放送受信処理への切り替えを行うように第2のチューナ部120を制御する。
【0033】
ファイル情報記憶部134は、データ放送受信処理により受信済みのファイルの識別情報を記憶する。例えば、データ放送受信処理による受信対象ファイルの伝送が開始されたとき、ファイル情報取得部135が、そのファイルの先頭セグメントから当該ファイルの識別情報を取得する。そして、データ放送受信処理によるファイルの受信が終了すると、ファイル情報取得部135が取得したそのファイルの識別情報を、ファイル情報記憶部134が記憶する。
【0034】
ファイル情報取得部135は、1つのファイルの受信が終了した後、次のファイルの伝送が開始されたときに、当該次のファイルから当該ファイルの識別情報を取得する。例えば、ファイル情報取得部135は、そのファイルの先頭セグメントから当該ファイルの識別情報を取得する。
【0035】
第2の切替制御部136は、第2のチューナ部120がスキャン処理からデータ放送受信処理に切り替えた後、次のファイルの伝送が開始されたときに、ファイル情報取得部135により取得された次のファイルの識別情報がファイル情報記憶部134に既に記憶されている場合、データ放送受信処理からスキャン処理への切り替えを行うように第2のチューナ部120を制御する。
【0036】
〔放送受信装置10による処理の一例〕
図2は、本発明の第1実施形態に係る放送受信装置10による処理の一例を示すフローチャートである。
図2に示す処理は、例えば、放送受信装置10の電源がONに切り替えられたときに開始され、放送受信装置10の電源がOFFに切り替えられるまで継続的に実行される。
【0037】
まず、第2チューナ部120が、データ放送受信処理により、ファイル(最初は、ディレクトリ情報)を受信する(ステップS202)。そして、第2チューナ部120が、データ放送受信処理によるファイルの受信が終了したか否かを判断する(ステップS204)。ここで、ファイルの受信が終了していないと第2チューナ部120が判断した場合(ステップS204:No)、第2チューナ部120が、ステップS204の処理を再度実行する。
【0038】
一方、ファイルの受信が終了したと第2チューナ部120が判断した場合(ステップS204:Yes)、第2チューナ部120が、受信が終了したファイルがディレクトリ情報であるか否かを判断する(ステップS206)。ここで、受信が終了したファイルがディレクトリ情報であると第2チューナ部120が判断した場合(ステップS206:Yes)、第2チューナ部120は、ステップS202以降の処理を再度実行する。一方、受信が終了したファイルがディレクトリ情報ではないと第2チューナ部120が判断した場合(ステップS206:No)、第2チューナ部120は、ステップS208へ処理を進める。
【0039】
ステップS208では、ファイル情報記憶部134が、受信済みのファイルの識別情報を記憶する。そして、第2チューナ部120が、スキャン処理を開始する(ステップS210)。また、伝送開始時間算出部131が、スキャン処理中に伝送される未受信ファイルの次に伝送される、次の受信対象ファイルの伝送開始時間を算出する(ステップS212)。さらに、切替タイミング決定部132が、ステップS212で算出された次の受信対象ファイルの伝送開始時間よりも所定時間前のタイミングを、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える切替タイミングとして決定する(ステップS214)。
【0040】
その後、切替制御部133が、ステップS214で決定された切替タイミングが到来したか否かを判断する(ステップS216)。ここで、切替タイミングが到来していないと切替制御部133が判断した場合(ステップS216:No)、切替制御部133は、ステップS216の処理を再度実行する。一方、切替タイミングが到来したと切替制御部133が判断した場合(ステップS216:Yes)、切替制御部133の制御により、第2のチューナ部120が、スキャン処理からデータ放送受信処理への切り替えを行う(ステップS218)。この時点では、未だ次の受信対象ファイルの伝送が開始されていないため、第2のチューナ部120は、未受信ファイルの残りの一部を受信することになる。
【0041】
その後、第2のチューナ部120が、次の受信対象ファイルの伝送が開始されたか否かを判断する(ステップS220)。ここで、次の受信対象ファイルの伝送が開始されていないと第2のチューナ部120が判断した場合(ステップS220:No)、第2のチューナ部120は、ステップS220の処理を再度実行する。
【0042】
一方、次の受信対象ファイルの伝送が開始されたと第2のチューナ部120が判断した場合(ステップS220:Yes)、ファイル情報取得部135が、当該受信対象ファイルから、当該受信対象ファイルの識別情報を取得する(ステップS222)。そして、第2の切替制御部136が、ステップS222で取得された受信対象ファイルの識別情報がファイル情報記憶部134に記憶されているか否かを判断する(ステップS224)。
【0043】
ここで、次の受信対象ファイルの識別情報がファイル情報記憶部134に記憶されていないと第2の切替制御部136が判断した場合(ステップS224:No)、ステップS202に戻り、第2チューナ部120が、そのまま、受信対象ファイルを受信する(ステップS202)。そして、第2チューナ部120は、ステップS204以降の処理を再度実行する。
【0044】
一方、次の受信対象ファイルの識別情報がファイル情報記憶部134に記憶されていると第2の切替制御部136が判断した場合(ステップS224:Yes)、第2の切替制御部136の制御により、第2のチューナ部120が、データ放送受信処理からスキャン処理への切り替えを行う(ステップS226)。そして、第2チューナ部120は、ステップS210以降の処理を再度実行する。
【0045】
〔放送受信装置10による切り替え動作の一例〕
図3は、本発明の第1実施形態に係る放送受信装置10によるデータ放送受信処理とスキャン処理との切り替え動作の一例を示す図である。
図3では、放送受信装置10の第2のチューナ部120が行う処理(データ放送受信処理およびスキャン処理)を時系列に表している。
図3に示すように、第2のチューナ部120は、データ放送受信処理およびスキャン処理を交互に行う。
【0046】
図3の例では、データ放送により伝送されるデータは、先頭のディレクトリ情報(ヘッダ情報)と6個のファイル1〜6とにより、1つのカルーセルを構成する。データ放送では、このカルーセルが繰り返し伝送されるため、第2のチューナ部120は、このカルーセルを繰り返し受信する。
【0047】
図3の例では、まず、第2のチューナ部120は、ディレクトリ情報の受信に続いて、データ放送のファイル1の受信を開始する(タイミングt1)。そして、第2のチューナ部120は、ファイル1の受信が終了すると、データ放送受信処理からスキャン処理に切り替える(タイミングt2)。
【0048】
このとき、ファイル情報記憶部134が、受信済みのファイル1の識別情報を記憶する。また、伝送開始時間算出部131が、ファイル1の受信終了時間(すなわち、タイミングt2)と、スキャン処理を行っている際に伝送される未受信ファイル(すなわち、ファイル2)のファイルサイズと、ファイル2の伝送レートとに基づいて、未受信ファイルの次に伝送される受信対象ファイル(すなわち、ファイル3)の伝送開始時間を算出する。ここで、ファイル2のファイルサイズは、ディレクトリ情報に含まれている当該ファイル2のセグメント数およびセグメントサイズから算出することができる。また、ファイル2の伝送レートは、第2チューナ部120の選局を行ったときに取得可能なサービス情報から取得することができる。この伝送レートは、各ファイル1〜6に共通の値である。
【0049】
さらに、切替タイミング決定部132が、伝送開始時間算出部131により算出されたファイル3の伝送開始時間よりも所定時間前のタイミング(タイミングt3)を、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える切替タイミングとして決定する。
【0050】
そして、決定した切替タイミングが到来すると、切替制御部133の制御により、第2のチューナ部120は、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える(タイミングt3)。このとき、未受信ファイルであるファイル2の伝送中であるが、すぐにファイル2の伝送が終了し、続けてファイル3の伝送が開始される。ファイル3の伝送が開始されると、ファイル情報取得部135が、当該ファイル3の先頭セグメントから、当該ファイル3の識別情報を取得する。ここでは、取得したファイル3の識別情報がファイル情報記憶部134に記憶されていないため、第2のチューナ部120は、ファイル3を先頭から受信する。よって、第2のチューナ部120が受信したファイル3は、有効なものとなる。
【0051】
そして、第2のチューナ部120は、ファイル3の受信が終了すると、データ放送受信処理からスキャン処理に切り替える(タイミングt4)。
【0052】
このとき、ファイル情報記憶部134が、受信済みのファイル3の識別情報を記憶する。また、伝送開始時間算出部131が、ファイル3の受信終了時間(すなわち、タイミングt4)と、スキャン処理を行っている際に伝送される未受信ファイル(すなわち、ファイル4)のファイルサイズと、ファイル4の伝送レートとに基づいて、未受信ファイルの次に伝送される受信対象ファイル(すなわち、ファイル5)の伝送開始時間を算出する。
【0053】
さらに、切替タイミング決定部132が、伝送開始時間算出部131により算出されたファイル5の伝送開始時間よりも所定時間前のタイミング(タイミングt5)を、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える切替タイミングとして決定する。
【0054】
そして、決定した切替タイミングが到来すると、切替制御部133の制御により、第2のチューナ部120は、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える(タイミングt5)。このとき、未受信ファイルであるファイル4の伝送中であるが、すぐにファイル4の伝送が終了し、続けてファイル5の伝送が開始される。ファイル5の伝送が開始されると、ファイル情報取得部135が、当該ファイル5の先頭セグメントから、当該ファイル5の識別情報を取得する。ここでは、取得したファイル5の識別情報がファイル情報記憶部134に記憶されていないため、第2のチューナ部120は、ファイル5を先頭から受信する。よって、第2のチューナ部120が受信したファイル5は、有効なものとなる。
【0055】
そして、第2のチューナ部120は、ファイル5の受信が終了すると、データ放送受信処理からスキャン処理に切り替える(タイミングt6)。
【0056】
このとき、ファイル情報記憶部134が、受信済みのファイル5の識別情報を記憶する。また、伝送開始時間算出部131が、ファイル5の受信終了時間(すなわち、タイミングt6)と、スキャン処理を行っている際に伝送される未受信ファイル(すなわち、ファイル6)のファイルサイズと、ファイル6の伝送レートとに基づいて、未受信ファイルの次に伝送される受信対象ファイル(すなわち、ディレクトリ情報)の伝送開始時間を算出する。
【0057】
さらに、切替タイミング決定部132が、伝送開始時間算出部131により算出されたディレクトリ情報の伝送開始時間よりも所定時間前のタイミング(タイミングt7)を、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える切替タイミングとして決定する。
【0058】
そして、決定した切替タイミングが到来すると、切替制御部133の制御により、第2のチューナ部120は、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える(タイミングt7)。このとき、未受信ファイルであるファイル6の伝送中であるが、すぐにファイル6の伝送が終了し、続けてディレクトリ情報の伝送が開始される。よって、第2のチューナ部120は、ディレクトリ情報を先頭から受信することができる。
【0059】
そして、第2のチューナ部120が、ディレクトリ情報の受信を終了すると、ファイル情報取得部135が、続けて伝送されるファイル1の先頭セグメントから、当該ファイル1の識別情報を取得する。ここで、ファイル1は、受信済みファイルであるため、その識別情報が既にファイル情報記憶部134に記憶されている。このため、第2のチューナ部120は、ファイル1の受信を再び行わずに、第2の切替制御部136の制御により、データ放送受信処理からスキャン処理に切り替える(タイミングt8)。
【0060】
このとき、伝送開始時間算出部131が、ディレクトリ情報の受信終了時間(すなわち、タイミングt8)と、スキャン処理を行っている際に伝送される未受信ファイル(すなわち、ファイル1)のファイルサイズと、ファイル1の伝送レートとに基づいて、未受信ファイルの次に伝送される受信対象ファイル(すなわち、ファイル2)の伝送開始時間を算出する。さらに、切替タイミング決定部132が、伝送開始時間算出部131により算出されたファイル2の伝送開始時間よりも所定時間前のタイミング(タイミングt9)を、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える切替タイミングとして決定する。
【0061】
そして、決定した切替タイミングが到来すると、切替制御部133の制御により、第2のチューナ部120は、スキャン処理からデータ放送受信処理に切り替える(タイミングt9)。このとき、未受信ファイルであるファイル1の伝送中であるが、すぐにファイル1の伝送が終了し、続けてファイル2の伝送が開始される。ファイル2の伝送が開始されると、ファイル情報取得部135が、当該ファイル2から、当該ファイル2の識別情報を取得する。ここでは、取得したファイル2の識別情報がファイル情報記憶部134に記憶されていないため、第2のチューナ部120は、ファイル2を先頭から受信する。よって、第2のチューナ部120が受信したファイル2は、有効なものとなる。以降、第2のチューナ部120は、同様の処理を繰り返し実行する。
【0062】
以上のような動作において、受信済みの有効なファイルはファイル1,2,3,5である。なお、
図3の動作を続けて行うことにより、あと2回のデータ放送受信処理を行うだけで、受信すべき残りのファイル4,6を、直ちに有効な状態で受信できることは明らかである。
【0063】
このように、本実施形態の放送受信装置10によれば、データ放送のファイルの伝送開始時間を算出し、その直前にスキャン処理からデータ放送受信処理への切り替えタイミングを制御しているので、ファイルを先頭から受信することができる。このため、本実施形態の放送受信装置10によれば、1つのチューナでデータ放送受信処理とその他の処理とを交互に切り替えて行う際に、データ放送の無効なファイル受信を抑制して、データ放送を効率的に受信できるようにすることができる。
【0064】
また、本実施形態の放送受信装置10によれば、受信済みファイルの識別情報を記憶しているので、伝送されるファイルが受信済みファイルであるか否かを判断し、受信済みファイルである場合には、そのファイルが伝送されている間、代わりにスキャン処理を実行することができる。このため、本実施形態の放送受信装置10によれば、受信済みファイルの無駄な再受信を無くして、データ放送受信処理およびスキャン処理の双方を効率的に行うことができる。
【0065】
〔第2実施形態〕
次に、
図4〜5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、第2の受信処理としてスキャン処理を行うようにしているが、これに限らない。例えば、以下の第2実施形態で説明するように、第2の受信処理として、第1の受信処理として行うデータ放送受信処理とは異なるデータ放送受信処理を行うようにしてもよい。
【0066】
〔放送受信装置10’の機能構成例〕
図4は、本発明の第2実施形態に係る放送受信装置10’の機能構成例を示すブロック図である。
図4に示す放送受信装置10’は、第2のチューナ部120の代わりに第2のチューナ部120’を備えている点、および、切替制御装置130が切替制御部133の代わりに切替制御部133’を備えている点で、第1実施形態の放送受信装置10(
図1参照)と異なる。
【0067】
第2実施形態では、第2のチューナ部120’が行う第1の受信処理は、第1のデータ種別のファイルを受信するデータ放送受信処理(以下、「第1のデータ放送受信処理」と示す)である。一方、第2のチューナ部120’が行う第2の受信処理は、第1のデータ種別とは異なる第2のデータ種別のファイルを受信するデータ放送受信処理(以下、「第2のデータ放送受信処理」と示す)である。
【0068】
第1のデータ放送受信処理および第2のデータ放送受信処理は、互いにデータ種別が異なるものであれば、どのような組み合わせであってもよい。例えば、第1のデータ放送受信処理として、EPGのファイルを受信するデータ放送受信処理を適用し、第2のデータ放送受信処理として、TPEGのファイルを受信するデータ放送受信処理を適用するようにしてもよい。
【0069】
ここで、第2のチューナ部120’は、第1のデータ放送受信処理と第2のデータ放送受信処理とを交互に行う。このとき、第2のチューナ部120’は、原則的に、第1のデータ種別のファイルを優先して受信するように、切替制御部133’によって制御される。但し、第1のデータ種別の全ファイルの受信を完了した場合には、第2のデータ種別のファイルを優先して受信するように、切替制御部133’によって制御される。第1のデータ種別のファイルを優先して受信するだけでは、第2のデータ種別の無効ファイルが増えるばかりであり、第2のデータ種別の全ファイルの受信を完了させることができないからである。
【0070】
具体的には、切替制御部133’は、第1のデータ種別の全ファイルの受信が完了するまでの間は、以下(1),(2)のように、第1のデータ種別のファイルを優先して受信するように、第2のチューナ部120’を制御する。
【0071】
(1)第1のデータ放送受信処理を行っているとき、切替制御部133’は、第1のデータ種別のファイルの受信が終了したタイミングで第1のデータ放送受信処理から第2のデータ放送受信処理への切り替えを行うように、第2のチューナ部120’を制御する。これにより、優先して取得すべき第1のデータ種別のファイルが無効とならないように、当該第1のデータ種別のファイルを最後まで受信することができるようにしている。
【0072】
(2)第2のデータ放送受信処理を行っているとき、切替制御部133’は、切替タイミング決定部132により決定された切替タイミングで第2のデータ放送受信処理から第1のデータ放送受信処理への切り替えを行うように、第2のチューナ部120’を制御する。これにより、優先して取得すべき第1のデータ種別のファイルが無効とならないように、当該第1のデータ種別のファイルを先頭から受信することができるようにしている。このとき、第2のデータ種別のファイルの受信が途中で中断されてしまい、当該第2のデータ種別のファイルが無効となってしまう可能性があるが、それよりも、第1のデータ種別のファイルを先頭から受信することが優先される。
【0073】
一方、切替制御部133’は、第1のデータ種別の全ファイルの受信が完了した後は、以下(3),(4)のように、第2のデータ種別のファイルを優先して受信するように、第2のチューナ部120’を制御する。
【0074】
(3)第2のデータ放送受信処理を行っているとき、切替制御部133’は、第2のデータ種別のファイルの受信が終了したタイミングで第2のデータ放送受信処理から第1のデータ放送受信処理への切り替えを行うように、第2のチューナ部120’を制御する。これにより、優先して取得すべき第2のデータ種別のファイルが無効とならないように、当該第2のデータ種別のファイルを最後まで受信することができるようにしている。
【0075】
(4)第1のデータ放送受信処理を行っているとき、切替制御部133’は、切替タイミング決定部132により決定された切替タイミングで第1のデータ放送受信処理から第2のデータ放送受信処理への切り替えを行うように、第2のチューナ部120’を制御する。これにより、優先して取得すべき第2のデータ種別のファイルが無効とならないように、当該第2のデータ種別のファイルを先頭から受信することができるようにしている。このとき、第1のデータ種別のファイルの受信が途中で中断されてしまい、当該第1のデータ種別のファイルが無効となってしまう可能性があるが、それよりも、第2のデータ種別のファイルを先頭から受信することが優先される。
【0076】
さらに、切替制御部133’は、第2のデータ種別の全ファイルの受信が完了した後は、再び、上記(1),(2)のように、第1のデータ種別のファイルを優先して受信するように、第2のチューナ部120’を制御する。これにより、例えば、データ放送のデータの内容が変更した際に、第1のデータ種別のファイルおよび第2のデータ種別のファイルを再度取得する必要が生じた場合であっても、再び、第1のデータ種別のファイルを優先して受信することができるようにしている。
【0077】
〔放送受信装置10’による切り替え動作の一例〕
図5は、本発明の第2実施形態に係る放送受信装置10’によるデータ放送受信処理の切り替え動作の一例を示す図である。
図5では、放送受信装置10’の第2のチューナ部120’が行う処理(第1のデータ放送受信処理および第2のデータ放送受信処理)を時系列に表している。
図5に示すように、第2のチューナ部120’は、第1のデータ放送受信処理および第2のデータ放送受信処理を交互に行う。
【0078】
図5の例では、データ放送により伝送される第1のデータ種別のデータは、先頭のディレクトリ情報(ヘッダ情報)と、6個のファイルA1〜A6とにより、1つのカルーセルを構成する。第2のチューナ部120’は、第1のデータ放送受信処理により、このように構成された第1のデータ種別のデータを受信する。
【0079】
また、
図5の例では、データ放送により伝送される第2のデータ種別のデータは、先頭のディレクトリ情報(ヘッダ情報)と、6個のファイルB1〜B6とにより、1つのカルーセルを構成する。第2のチューナ部120’は、第2のデータ放送受信処理により、このように構成された第2のデータ種別のデータを受信する。
【0080】
図5(a)は、第2のチューナ部120’が第1のデータ種別のファイルA1〜A6の全ての受信を完了する前の、第2のチューナ部120’が行う処理を表している。
図5(a)では、第1のデータ種別のファイルA1〜A6の受信(すなわち、第1のデータ放送受信処理)を優先させている。このため、第2のチューナ部120’は、第1のデータ放送受信処理を行っている場合、第1のデータ種別のファイルの受信が終了したタイミングで、第1のデータ放送受信処理から第2のデータ放送受信処理に切り替える。よって、このときの第1のデータ放送受信処理では、第1のデータ種別のファイルを完全に受信することができる。一方、第2のチューナ部120’は、第2のデータ放送受信処理を行っている場合、次の受信対象ファイル(第1のデータ種別)の伝送開始時間の直前の切替タイミングで、第2のデータ放送受信処理から第1のデータ放送受信処理に切り替える。よって、このときの第2のデータ放送受信処理では、第2のデータ種別のファイルを完全に受信することができない場合がある。
【0081】
例えば、
図5(a)では、第2のチューナ部120’が第1のデータ放送受信処理によってファイルA1,A3,A5の受信処理を行っている場合、これらのファイルA1,A3,A5の受信が終了したタイミング(タイミングt2,t4,t6)で、第1のデータ放送受信処理から第2のデータ放送受信処理に切り替える。一方、第2のチューナ部120’が第2のデータ放送受信処理によってファイルB2,B4の受信処理を行っている場合、ファイルA3,A5の伝送開始時間の直前の切替タイミング(タイミングt3,t5)で、第2のデータ放送受信処理から第1のデータ放送受信処理に切り替える。
【0082】
図5(b)は、第2のチューナ部120’が第1のデータ種別のファイルA1〜A6の全ての受信を完了した後の、第2のチューナ部120’が行う処理を表している。
図5(b)では、第2のデータ種別のファイルB1〜B6の受信(すなわち、第2のデータ放送受信処理)を優先させている。このため、第2のチューナ部120’は、第2のデータ放送受信処理を行っている場合、第2のデータ種別のファイルの受信が終了したタイミングで、第2のデータ放送受信処理から第1のデータ放送受信処理に切り替える。よって、このときの第2のデータ放送受信処理では、第2のデータ種別のファイルを完全に受信することができる。一方、第2のチューナ部120’は、第1のデータ放送受信処理を行っている場合、次の受信対象ファイル(第2のデータ種別)の伝送開始時間の直前の切替タイミングで、第1のデータ放送受信処理から第2のデータ放送受信処理に切り替える。よって、このときの第1のデータ放送受信処理では、第1のデータ種別のファイルを完全に受信できない場合がある。
【0083】
例えば、
図5(b)では、第2のチューナ部120’が、第2のデータ放送受信処理によってファイルB1,B3,B5の受信処理を行っている場合、これらのファイルB1,B3,B5の受信が終了したタイミング(タイミングt2,t4,t6)で、第2のデータ放送受信処理から第1のデータ放送受信処理に切り替える。一方、第2のチューナ部120’が、第1のデータ放送受信処理によってファイルA2,A4の受信処理を行っている場合、ファイルB3,B5の伝送開始時間の直前の切替タイミング(タイミングt3,t5)で、第1のデータ放送受信処理から第2のデータ放送受信処理に切り替える。
【0084】
このように、第2のチューナ部120’は、第1のデータ種別のファイルA1〜A6の全ての受信を完了するまでは、第2のデータ種別のファイルB1〜B6よりも優先して、第1のデータ種別のファイルA1〜A6の各々を先頭から最後まで受信するように動作する。また、第2のチューナ部120’は、第1のデータ種別のファイルA1〜A6の全ての受信を完了した後は、第1のデータ種別のファイルA1〜A6よりも優先して、第2のデータ種別のファイルB1〜B6の各々を先頭から最後まで受信するように動作する。これにより、第2のチューナ部120’は、第1のデータ種別のファイルA1〜A6と、第2のデータ種別のファイルB1〜B6との各々について、効率的に、全ファイルの受信を完了することができる。
【0085】
第2のチューナ部120’は、
図5(b)に示す動作により、第2のデータ種別のファイルB1〜B6の全ての受信を完了した場合、再び、
図5(a)に示すように、第2のデータ種別のファイルB1〜B6よりも優先して、第1のデータ種別のファイルA1〜A6の各々を先頭から最後まで受信するように動作する。これにより、例えば、データ放送のデータの内容が変更して、第1のデータ種別のファイルA1〜A6と、第2のデータ種別のファイルB1〜B6との各々について、全ファイルを再度取得する必要が生じた場合であっても、
図5(a)と同様に、最初に、第2のデータ種別のファイルB1〜B6よりも優先して、第1のデータ種別のファイルA1〜A6の各々を先頭から最後まで受信することができるようにしている。
【0086】
なお、
図5に示す例では、最初に、第2のデータ種別のファイルB1〜B6よりも、第1のデータ種別のファイルA1〜A6を優先して受信するようにしているが、これに限らない。すなわち、最初に、第1のデータ種別のファイルA1〜A6よりも、第2のデータ種別のファイルB1〜B6を優先して受信するようにしてもよい。また、第1のデータ種別のファイルA1〜A6と、第2のデータ種別のファイルB1〜B6とのいずれを先に優先して受信するかを、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0087】
上記各実施形態において、第1の受信処理によって1つのファイルを受信する毎に、第2の受信処理へ切り替えるようにしているが、第1の受信処理によって複数のファイルを受信する毎に、第2の受信処理へ切り替えるようにしてもよい。
【0088】
また、上記各実施形態において、第2の受信処理を行っている間、受信されない未受信ファイルの数を1つとしているが、複数としてもよい。但し、より短時間で全てのファイルの受信を完了させるとするという観点からすれば、この未受信ファイルの数はできるだけ少ない方が好ましい。
【0089】
また、上記各実施形態において、伝送開始時間算出部131が算出する受信対象ファイルの伝送開始時間は、その受信対象ファイルの前に伝送される未受信ファイルの伝送終了時間と等しい。よって、上記実施形態において、受信対象ファイルの伝送開始時間を算出する代わりに、未受信ファイルの伝送終了時間を算出するようにしてもよい。
【0090】
また、上記各実施形態において、第1の受信処理から第2の受信処理に切り替えたときに、次の受信対象ファイルの伝送開始時間を算出するようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、ディレクトリ情報を受信したときに、受信すべき全てのファイルの伝送開始時間を予め算出しておくようにしてもよい。
【0091】
また、上記各実施形態において、次の受信対象ファイルの伝送開始時間よりも所定時間前のタイミングを、第2の受信処理から第1の受信処理に切り替える切替タイミングとして決定するようにしているが、次の受信対象ファイルを先頭から受信することが可能であれば、次の受信対象ファイルの伝送開始時間そのものを、切替タイミングとして決定するようにしてもよい。
【0092】
その他、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。