特開2017-200373(P2017-200373A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工サーマルシステムズ株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000003
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000004
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000005
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000006
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000007
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000008
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000009
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000010
  • 特開2017200373-冷凍機ユニット 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-200373(P2017-200373A)
(43)【公開日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】冷凍機ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02P 9/06 20060101AFI20171006BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20171006BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
   H02P9/06
   H02K7/18 B
   H02K7/116
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-90856(P2016-90856)
(22)【出願日】2016年4月28日
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】外薗 寿幸
(72)【発明者】
【氏名】神野 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】ダラマシ ケワル
(72)【発明者】
【氏名】星 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】成田 定治
【テーマコード(参考)】
5H590
5H607
【Fターム(参考)】
5H590AA03
5H590CA07
5H590CA23
5H590CB01
5H590CB03
5H590CC24
5H590CE04
5H590EA07
5H590EB07
5H590FA01
5H607BB02
5H607CC03
5H607CC05
5H607CC09
5H607DD19
5H607EE31
5H607FF22
(57)【要約】
【課題】エンジン回転数を変速機構によって変速することで所望の周波数の電力を発電可能であって且つ小型化された冷凍機ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】冷凍機ユニットは、サブエンジン3の駆動力を三相交流発電機5で変換した三相交流電力と外部電源入力装置6を介して入力された電力とが利用可能な三相交流電動機7を備え、輸送車に搭載される。サブエンジン3と三相交流発電機5との間には1段変速機4が設けられ、1段変速機4はサブエンジン3のエンジン回転数を所定の発電機入力回転数に変速している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、サブエンジンの駆動力により発電する発電機の電源と前記車両の外部の電源とを利用可能な冷凍機ユニットであって、
前記サブエンジンと前記発電機とを連結し、前記サブエンジンのエンジン回転数を所定の発電機回転数に変換する1段変速機を備え、
前記所定の発電機回転数は、前記発電機の電源の電圧及び周波数と前記車両の外部の電源の電圧及び周波数とが等しくなるように前記1段変速機により設定されている冷凍機ユニット。
【請求項2】
前記エンジン回転数は、最大発電負荷に応じて、定格回転数となるように設定されている請求項1に記載の冷凍機ユニット。
【請求項3】
前記エンジン回転数は、冷凍機の所望の冷凍能力に応じた回転数に設定されている請求項1に記載の冷凍機ユニット。
【請求項4】
内部に前記1段変速機を密閉する密閉ボックスを備えた請求項1〜請求項3のいずれかに記載の冷凍機ユニット。
【請求項5】
前記サブエンジンと前記1段変速機との連結部分に防振部を設けた請求項1〜請求項4のいずれかに記載の冷凍機ユニット。
【請求項6】
前記1段変速機は、前記サブエンジンと連結する入力軸部と、前記発電機と連結する出力軸部とを有し、
前記出力軸部の軸線は、前記入力軸部の軸線よりも上方に位置して、
前記出力軸部の下方には、前記サブエンジンを始動させるバッテリが設けられている請求項1〜請求項5のいずれかに記載の冷凍機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される輸送用冷凍機ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジン駆動式の冷凍機として、エンジンの駆動力を発電機で電力に変換し、冷凍機を運転するものがある。このような冷凍機には、エンジンと発電機との間に変速機構を設け、エンジンの回転数が変動しても発電機の回転数は一定に保持するもの(例えば特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−237500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、エンジンの回転数を変速する変速機構として、ベルト駆動機構等の大きな機構が必要となる無段変速機を適用しているので、変速機構が大型化し、それによって冷凍機全体も大型化してしまうことがあった。したがって、このような冷凍機を、車室や輸送スペースの確保が要請される車両に搭載される輸送用冷凍機に適用した場合には、レイアウト制限により車両へ搭載できなくなる。また、ベルト駆動機構のベルト等の定期交換部品が生じるので、サービス性が低下してしまう可能性があった。
【0005】
一方、変速機構を設けず、エンジンと発電機とを直結する冷凍機の場合には、エンジンの駆動力により発電される電力の電圧及び周波数は、エンジンの回転数と同期して変化する。したがって、エンジンの回転数がエンジン駆動時に変化するような場合には、冷凍機を高効率な駆動周波数で運転させ続けることが難しかった。また、このような冷凍機を、エンジンの駆動力により発電した電力と外部から入力された電力とを使い分ける車載用輸送用冷凍機に適用する場合、発電される電力の電圧及び周波数を外部から入力される電力の電圧及び周波数と同一にするには、エンジン回転数を外部から入力される電力の周波数に応じた一定の回転数にしなければならず、製品によって低騒音化のためにエンジン回転数を下げるといった製品ごとに応じた柔軟な対応をとることが難しかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エンジン回転数を変速機構によって変速することで所望の周波数の電力を発電可能であって且つ小型化された冷凍機ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の冷凍機ユニットは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の一態様に係る冷凍機ユニットは、車両に搭載され、サブエンジンの駆動力により発電する発電機の電源と前記車両の外部の電源とを利用可能な冷凍機ユニットであって、前記サブエンジンと前記発電機とを連結し、前記サブエンジンのエンジン回転数を所定の発電機回転数に変換する1段変速機を備え、前記所定の発電機回転数は、前記発電機の電源の電圧及び周波数と前記車両の外部の電源の電圧及び周波数とが等しくなるように前記1段変速機により設定されている。
【0008】
上記構成では、サブエンジンのエンジン回転数を1段変速機で所定の発電機回転数に変換することができるので、エンジン回転数によることなく、所望の発電機回転数とすることができる。すなわち、発電機で発電される電力の周波数は発電機回転数によって決まるので、エンジン回転数によることなく、発電機の電源の電圧及び周波数を所望の電圧及び周波数とすることができる。
【0009】
また、サブエンジンのエンジン回転数が、1段変速機によって、発電機の電源の電圧及び周波数と車両の外部の電源の電圧及び周波数とが等しくなるような発電機回転数に変換されている。したがって、発電機電源の電圧及び周波数と外部電源の電圧及び周波数とが等しくなる。これにより、冷凍機ユニットに備えられた電動機等の電子機器に給電する際に、発電機電源を利用する場合であっても、外部電源を利用する場合であっても、同一の電圧及び周波数の電源を利用することができるので、電動機等の電子機器の設計を共通化することができる。
【0010】
また、エンジン回転数を所定の発電機回転数に変換する変速機構として、1段変速機を適用しているので、多段変速機や無段変速機を適用する場合に比べて変速機構を小型化することができる。したがって、車室スペースや輸送スペースの確保が要請される車両に好適に設置することができる。
【0011】
また、1段変速機を適用しており、変速機構を小型化できるので、それに応じてサブエンジン、1段変速機及び発電機を収容するエンジンルームエンクロージャも小型化することができる。エンジンルームエンクロージャを小型化することで、エンジンルームエンクロージャの密閉性、遮蔽性を向上させることができるので、サブエンジンの駆動による騒音が外部に放射され難くなり、騒音を低減することができる。
【0012】
また、1段変速機を適用しているので、多段変速機や無段変速機に比べて変速機構を簡易な構成とすることができるので、メンテナンス性を高めることができる。
なお、サブエンジンのエンジン回転数は、通常運転では一定の回転数であってもよい。この場合には、サブエンジンにエンジン回転数を調整する機能を設けず、変速機構でエンジン回転数を変速するので、例えばサブエンジンにソレノイドのような複雑な機構を設けてエンジン回転数を制御する場合に比べて、冷凍機ユニットを簡易な構成とすることができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る冷凍機ユニットは、前記エンジン回転数は、最大発電負荷に応じて、定格回転数となるように設定されていてもよい。
【0014】
上記構成では、エンジン回転数の定格回転数が最大発電負荷に応じて設定されている。したがって、所定の効果を有する発電機回転数を維持しながら、発電機の最大発電負荷となるエンジン回転数での運転を好適に持続することができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る冷凍機ユニットは、前記エンジン回転数は、冷凍機の所望の冷凍能力に応じた回転数に設定されていてもよい。
【0016】
上記構成では、エンジン回転数が冷凍機の所望の冷凍能力に応じた回転数に設定されている。したがって、所定の発電機回転数を維持しながら、所望の冷凍能力を得ることができる。所望の冷凍能力を得る場合として、例えば、エンジンの回転数を高く設定し大冷凍能力を得る場合や、エンジンの回転数を低く設定し低冷凍能力を得る場合が考えられる。すなわち、1段変速機の変速比を変更するだけで様々な冷凍能力帯の冷凍機ユニットを構成することができる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る冷凍機ユニットは、内部に前記1段変速機を密閉する密閉ボックスを備えていてもよい。
【0018】
上記構成では、変速機構として1段変速機を適用しているので、多段変速機や無段変速機を適用する場合に比べて変速機構を小型化できる。したがって、1段変速機を密閉する密閉ボックスも小型化することができ、簡易に1段変速機を密閉することができる。よって、容易に1段変速器の騒音を抑制することができる。また、密閉ボックスの内部にオイルを封入する場合には、容易に1段変速機の潤滑性を高めることができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る冷凍機ユニットは、前記サブエンジンと前記1段変速機との連結部分に防振部を設けていてもよい。
【0020】
上記構成では、サブエンジンと1段変速機との連結部分に防振部が設けられているので、サブエンジンの駆動によるトルク変動を防振部が吸収し、サブエンジンと連結する1段変速機の振動を抑制することができる。したがって、1段変速機の振動に起因する騒音を低減することができる。
【0021】
また、本発明の一態様に係る冷凍機ユニットは、前記1段変速機は、前記サブエンジンと連結する入力軸部と、前記発電機と連結する出力軸部とを有し、前記出力軸部の軸線は、前記入力軸部の軸線よりも上方に位置して、前記出力軸部の下方には、前記サブエンジンを始動させるバッテリが設けられていてもよい。
【0022】
上記構成では、出力軸部の軸線は、入力軸部の軸線よりも上方に位置しているので、出力軸部の下方には空間が形成される。上記構成では、その空間にサブエンジンを始動させるバッテリが設けられているので、サブエンジンとバッテリとの距離を、1段変速機を介しただけの比較的短い距離にすることができる。したがって、サブエンジンとバッテリとをつなぐバッテリケーブルも短くすることができるので、スタータ電圧降下を抑制し、サブエンジンの始動性を向上させることができる。また、サブエンジン始動時には、サブエンジンとバッテリとをつなぐバッテリケーブルには大きな電流が流れるが、このバッテリケーブルを短くできるので、エンジン始動時の電圧降下を最小に抑えることができると共に、安全性を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
エンジン回転数を変速することで所望の周波数の電力を発電可能であって且つ小型化された冷凍機ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る冷凍機ユニットを備えた車両の側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る冷凍機ユニットを模式的に表した図である。
図3】本発明の実施形態に係るサブエンジン及び1段変速機を模式的に表した図である。
図4図3にバッテリを備えた図である。
図5】本発明のサブエンジン負荷と発電機出力特性の関係を示した図である。
図6】本発明のエンジン回転数等と冷凍能力との関係を示した図である。
図7図6の数値例を示した図である。
図8図1の変形例を示した図である。
図9図1の変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1図5を用いて説明する。
図1に示されているように、本実施形態に係る冷凍機ユニット1は、輸送車(車両)2の荷台の前端部分に搭載される、いわゆるフラッシュマウント型冷凍機ユニットである。
冷凍機ユニット1は、図2に示されているように、サブエンジン3と、サブエンジン3に連結される1段変速機4と、1段変速機4に連結される三相交流発電機(発電機)5と、輸送車2の外部から入電を可能にする外部電源入力装置6と、三相交流発電機5で発電された三相交流電力及び外部電源からの電力によって駆動する三相誘導電動機(電動機)7とを備える。
【0026】
サブエンジン3は、図3及び図4に示されているように、1段変速機4方向へ延びるエンジン出力軸11を有し、エンジン出力軸11を介して三相交流発電機5等に駆動力を伝達する。また、サブエンジン3は、エンジンルームエンクロージャ(図示省略)によって覆われている。本実施形態のサブエンジン3は、エンジン回転数を調整する機構(ソレノイド等)を有しておらず、通常運転時には、一定の回転数(本実施形態では定格回転数)を維持し続ける。サブエンジン3の定格回転数は、三相交流発電機5の最大負荷に応じた回転数となっている。
【0027】
1段変速機4は、入力した回転数を変速するギア部12と、ギア部12からサブエンジン3方向へ延びる入力軸(入力軸部)13と、三相交流発電機5と連結する出力軸(出力軸部)14とを有する。ギア部12は、入力軸13と連結する入力ギア15と、出力軸14と連結する出力ギア16とを有する。入力ギア15と出力ギア16とは、噛合するように配置されている。入力ギア15と出力ギア16との噛合態様は、出力ギア16が入力ギア15の上方に位置するように噛合している。したがって、出力ギア16及び入力ギア15にそれぞれ連結されている出力軸14及び入力軸13の位置関係も、出力ギア16が入力ギア15よりも上方になるように位置している。
【0028】
サブエンジン3のエンジン出力軸11と1段変速機4の入力軸13とは、防振カップリング(防振部)17を介して連結されている。防振カップリング17は、密閉カップリングボックス18によって密閉状態で覆われている。また、1段変速機4は、密閉ギアボックス(密閉ボックス)19によって密閉状態で覆われている。密閉ギアボックス19内はギア部12の円滑な動作のための潤滑油によって油雰囲気となっている。
【0029】
三相交流発電機5は、1段変速機4の出力軸14によって1段変速機4と連結され、1段変速機4によって変速された所定の発電機入力回転数(所定の発電機回転数)で駆動することでサブエンジン3の駆動力をU相、V相、W相からなる三相交流電力に変換する。このとき変換された三相交流電力は、後述する外部の電源の周波数と同一の周波数となる。三相交流発電機5から出力された三相交流電力は、電気回路20を介して三相誘導電動機7に給電される。このとき、U相、V相、W相の電力はそれぞれ対応する電気回路20u、20v、20wを流れ、三相誘導電動機7に給電される。
【0030】
三相交流発電機5の下方には、サブエンジン3の始動用電源としてバッテリ21が配置されている。サブエンジン3とバッテリ21とは、バッテリケーブル(図示省略)で接続される。サブエンジン3始動時には、バッテリ21からバッテリケーブルを介してサブエンジン3に給電され、サブエンジン3の始動動作が開始される。
【0031】
外部電源入力装置6は、輸送車2の外部の電源(本実施形態では使用地域の商用電源)から電力を輸送車2に入力可能にする。したがって、例えば、商用電源が使用可能な環境下にある場合、商用電源と外部電源入力装置6が接続されることにより、外部電源入力装置を介して輸送車2に商用電源からの電力が入力し、冷凍機ユニット1において商用電源からの電力が使用可能となる。
【0032】
三相誘導電動機7は、三相交流発電機5で発電された電力と及び外部電源入力装置6を介して入力された輸送車外部からの電力の両方によって駆動可能となっており、輸送車の使用状況に応じて発電機側スイッチ22及び外部電源側スイッチ23を切り替えることで、三相交流発電機5と外部電源とを使い分けることができる。なお、三相交流発電機5で発電された電力及び外部電源から入力された電力は冷凍機ユニット1を構成する三相誘導電動機7以外の電子機器にも給電可能となっている。
【0033】
以上説明した本実施形態の冷凍機ユニット1が奏する作用及び効果について説明する。
本実施形態では、サブエンジン3のエンジン回転数を1段変速機4によって所定の発電機入力回転数に変換することができるので、サブエンジン3のエンジン回転数によることなく、三相交流発電機5の回転数を所望の発電機入力回転数とすることができる。よって、三相交流発電機5で発電される電力の周波数は三相交流発電機5の発電機入力回転数によって決まるので、エンジン回転数によることなく、三相交流発電機5の電源の周波数を所望の周波数とすることができる。
【0034】
また、サブエンジン3のエンジン回転数が、1段変速機4によって、三相交流発電機5の電源の周波数と輸送車2の外部の電源(使用地域の商用電源)の周波数とが等しくなるような三相交流発電機5の発電機入力回転数に変換されている。したがって、発電機電源の周波数と外部電源の周波数とは、同一の周波数となる。これにより、冷凍機ユニット1に備えられた三相誘導電動機7等の電子機器に給電する際に、発電機電源を利用する場合であっても、外部電源を利用する場合であっても、同一の周波数の電源を利用することができるので、三相誘導電動機7等の電子機器の設計を共通化することができる。
【0035】
また、エンジン回転数を所定の発電機入力回転数に変換する変速機構として、1段変速機4を適用しているので、多段変速機や無段変速機を適用する場合に比べて変速機構を小型化することができる。したがって、車室スペースや輸送スペースの確保が要請される輸送車2に好適に設置することができる。
【0036】
また、1段変速機4を適用しており、変速機構を小型化できるので、それに応じてサブエンジン3、1段変速機4及び三相交流発電機5を収容するエンジンルームエンクロージャも小型化することができる。エンジンルームエンクロージャを小型化することで、エンジンルームエンクロージャの密閉性、遮蔽性を向上させることができるので、サブエンジン3の駆動による騒音が外部に放射され難くなり、騒音を低減することができる。
【0037】
また、1段変速機4を適用しているので、多段変速機や無段変速機に比べて変速機構を簡易な構成とすることができるので、メンテナンス性を高めることができる。さらに、本実施形態ではサブエンジン3にエンジン回転数を調整する機構(ソレノイド等)が設けていないので、サブエンジン3を小型軽量化できるとともに、部品点数を減少させ、コストを低減することができる。
【0038】
また、上記構成では、サブエンジン3のエンジン回転数が最大発電負荷に応じて定格回転数が設定されている。したがって、所定の効果を有する発電機回転数を維持しながら、三相交流発電機5の最大発電負荷となるエンジン回転数での運転を好適に持続することができる。
【0039】
上記構成では、変速機構として比較的小型である1段変速機4を適用しているので、1段変速機4を密閉する密閉ギアボックス19及び1段変速機4の一部を密閉する密閉カップリングボックス18も小型化することができ、簡易に1段変速機4を密閉することができる。よって、容易に1段変速器4の騒音を抑制することができる。また、密閉ギアボックス19の内部にオイルを封入する場合には、容易に1段変速機4の潤滑性を高めることができる。
【0040】
上記構成では、エンジン出力軸11と入力軸13との連結部分に防振カップリング17が設けられているので、サブエンジン3の駆動によるトルク変動を防振カップリング17が吸収し、サブエンジン3と連結する1段変速機4の振動を抑制することができる。したがって、1段変速機4の振動に起因する騒音を低減することができる。
【0041】
上記構成では、出力軸14の軸線は、入力軸13の軸線よりも上方に位置しているので、出力軸14の下方には空間が形成される。上記構成では、その空間にサブエンジン3を始動させるバッテリ21が設けられているので、サブエンジン3とバッテリ21との距離を、1段変速機4を介しただけの比較的短い距離にすることができる。したがって、サブエンジン3とバッテリ21とをつなぐバッテリケーブルも短くすることができるので、スタータ電圧降下を抑制し、サブエンジン3の始動性を向上させることができる。また、サブエンジン3始動時には、サブエンジン3とバッテリ21とをつなぐバッテリケーブルには大きな電流が流れるが、このバッテリケーブルを短くできるので、エンジン始動時の電圧降下を最小に抑えることができると共に、安全性を向上することができる。
【0042】
なお、本実施形態では、サブエンジン3の定格回転数(使用地域の商用電源の周波数に対応する回転数)を三相交流発電機5の最大負荷に応じた回転数とした例について説明したが、サブエンジン3の定格回転数は、図5に示す、一般的な輸送用冷凍機が採用する運転点(ATP冷蔵条件運転点)よりも低い負荷である、最大負荷と最小負荷との中間の負荷(以下、「中間負荷」という。)に応じた回転数としてもよい。定格回転数を中間負荷とした場合、使用状況環境等の影響でエンジン回転数に多少の変動が生じた場合であっても、三相交流発電機5の発電出力を、一般的な電子機器及び三相誘導電動機7の使用可能範囲内(使用地域の商用電源の電圧の−10%から+10%であって、使用地域の商用電源の周波数の−3%から+3%の範囲内)の電圧及び周波数にすることができる。したがって、本機器の使用範囲を一般的な電子機器等の使用範囲に収めることができる。
【0043】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、サブエンジン3のエンジン回転数の設定が一部異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様につき説明は省略する。
本実施形態のサブエンジン3のエンジン回転数は冷凍機の所望の冷凍能力に応じた回転数に設定され、1段変速ギア4のギア減速比はエンジン回転数を所定の発電機入力回転数に変速する比率に設定される。
【0044】
図6に示すように、冷凍機において大冷凍能力を得たい場合には、エンジン回転数は高速となり、ギア減速比は高速のエンジン回転数を所定の発電機入力回転数に変速するために大きくなる。一方、冷凍機において低冷凍能力を得たい場合には、エンジン回転数は低速となり、ギア減速比は小さくなる。具体的な数値例を示すと、図7に示されているように、例えば大冷凍能力を得たい場合には、エンジン回転数を1875rpmとし、ギア減速比を1.25/1とすることで発電機入力回転数は1500rpmとなり、低冷凍能力を得たい場合には、エンジン回転数を1200rpmとし、ギア減速比を1/1.25とすることで発電機入力回転数を1500rpmとなる。このように、サブエンジン3のエンジン回転数に影響されることなく、三相交流発電機5の発電機入力回転数を一定にすることができる。
【0045】
このように、エンジン回転数を冷凍能力に応じて変更しても、ギア減速比を変更するだけで、発電機入力回転数を一定回転速度にできるので、所定の発電機回転数を維持しながら、所望の冷凍能力を得ることができる。また、発電機入力回転数を一定回転速度にできるので、三相交流発電機5の発電機出力を一定電圧及び一定周波数(本実施形態では使用する地域の商用電源電圧及び周波数)とすることができる。したがって、商用電源駆動用に作られた一般的な電子機器や三相誘導電動機7が使用可能となり、全機種で同一の電子機器及び三相誘導電動機7が使用可能となる。すなわち、1段変速機4のギア減速比を変更するだけで様々な冷凍能力帯の冷凍機ユニット1を構成することができ、商品性に合わせたアレンジを容易にすることができる。
【0046】
なお、本実施形態では、サブエンジン3のエンジン回転数を冷凍能力に応じて設定したが、エンジン回転数の設定はこれに限定されない。例えば、コストに応じてエンジン回転数を設定してもよいし、騒音量に応じてエンジン回転数を設定してもよい。
【0047】
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、冷凍機ユニット1を輸送車2の荷台の前端部分に搭載するフラッシュマウント型について説明したが、冷凍機ユニット1の配置はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、荷台の下方に冷凍機ユニット30を搭載するアンダーマウント型であってもいいし、図9に示すように、荷台の前面上端部分から前方に延びるように冷凍機ユニット40を搭載するノーズマウント型であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 冷凍機ユニット
3 サブエンジン
4 1段変速機
5 三相交流発電機(発電機)
6 外部電源入力装置
7 三相誘導電動機(電動機)
12 ギア部
13 入力軸(入力軸部)
14 出力軸(出力軸部)
15 入力ギア
16 出力ギア
17 防振カップリング(防振部)
19 密閉ギアボックス(密閉ボックス)
21 バッテリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9