(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-200435(P2017-200435A)
(43)【公開日】2017年11月2日
(54)【発明の名称】電気機械式フライホイール
(51)【国際特許分類】
H02K 21/22 20060101AFI20171006BHJP
H02K 7/09 20060101ALI20171006BHJP
F16C 32/04 20060101ALI20171006BHJP
【FI】
H02K21/22 B
H02K7/09
F16C32/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-112594(P2017-112594)
(22)【出願日】2017年6月7日
(62)【分割の表示】特願2014-541411(P2014-541411)の分割
【原出願日】2012年11月13日
(31)【優先権主張番号】13/343,603
(32)【優先日】2012年1月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/559,128
(32)【優先日】2011年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/568,126
(32)【優先日】2011年12月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/342,886
(32)【優先日】2012年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】514318127
【氏名又は名称】ロトニックス ホンコン リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】カレヴ,クロード,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,ヒース,エフ.
【テーマコード(参考)】
3J102
5H607
5H621
【Fターム(参考)】
3J102AA01
3J102BA04
3J102BA19
3J102DA03
3J102DA09
3J102DA28
3J102DA30
3J102GA09
5H607AA04
5H607BB02
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB17
5H607CC01
5H607GG21
5H621GA01
5H621HH05
5H621JK07
5H621JK19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】真空環境で安定した高速運転を可能にする電気機械式フライホイールを提供する。
【解決手段】電気機械式フライホイール装置400は、フライホイールマス416および電動発電機を有する。電動発電機は、コアアセンブリ412、コアアセンブリ412の周りに回転するローター414を有する。センタリングし、かつ、上昇させる力を印加する第1の電磁石ベアリングと、センタリングする力を印加する第2の電磁石ベアリング452で、ロータは保持される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動発電機のステーターを有するコアアセンブリと、
前記ステーターを包囲する電動発電機のローターと、
前記ローターの外周に位置し、前記ローターに結合され、前記ローターとともに回転するフライホイールマスと、
前記ローターおよび前記フライホイールマスを包含する排気可能なハウジングと、
互いに離隔された第1のサスペンションアセンブリおよび第2のサスペンションアセンブリと、
を備え、
前記ステーターは、回転軸を画定し、前記回転軸の周りに位置するフィールドコイルおよび前記回転軸の周りに位置しないアーマチュアコイルを有し、
前記第1のサスペンションアセンブリは、前記ローターをセンタリングし、かつ、上昇させる力を印加する第1の電磁石ベアリングを有し、
前記第2のサスペンションアセンブリは、前記ローターをセンタリングする力を印加する第2の電磁石ベアリングを有する
電気機械式フライホイール。
【請求項2】
非磁性体マトリクス内に埋め込まれた積層体をさらに備え、
前記積層体およびマトリクスは、前記ローターの壁の少なくとも一部を形成する、請求項1に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項3】
前記フライホイールマスおよび回転磁気プラットフォームに結合された円錐形状のハブと、
前記回転磁気プラットフォームに対向する固定磁気プラットフォームと、
をさらに備え、
前記回転磁気プラットフォームは、回転永久磁石部および回転電磁石部を有し、
前記固定磁気プラットフォームは、固定永久磁石部および固定電磁石部を有する、
請求項1に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項4】
前記フライホイールマスに結合された円錐形状のハブと、
上端部および下端部を有するサポートピンと、
をさらに備え、
減摩ベアリングが前記サポートピンの前記上端部と嵌合する際に、前記サポートピンは前記ハブを支持し、
前記減摩ベアリングが前記サポートピンの前記下端部と嵌合する際に、磁力によって前記サポートピンは前記ハブを支持する、請求項1に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項5】
3つ以上のステーターリングであって、前記ステーターリングの各々は、前記回転軸の周りに位置し、かつ、外縁にスロットを有する、ステーターリングと、
一対の前記スターターリングの間に配置されたフィールドコイルと、
前記ステーターリングの前記スロットと嵌合する複数のアーマチュアコイルと、
をさらに備える、請求項4に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項6】
前記排気可能なハウジング内に設けられた吸気領域および排気領域であって、
前記吸気領域は、真空バリアハウジング、ハブの外側面、および、フライホイールマスの外縁の一部によって少なくとも部分的に画定された境界を有し、
前記排気領域は、前記真空バリアおよび前記コアアセンブリの一部によって少なくとも部分的に画定された境界を有する、吸気領域および排気領域と、
前記フライホイールマスの表面と前記真空バリアハウジングとの間に設けられた第1のドラグポンプと
をさらに備える、請求項5に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項7】
前記ステーターリングと前記ローターとの間に設けられた第2のドラグポンプをさらに備えた請求項6に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項8】
前記第1のドラグポンプによって確立された流れの方向と実質的に垂直な方向の流れを確立するよう動作する第2のドラグポンプをさらに備える請求項6に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項9】
天部および底部を有するフライホイールのハウジングを含む固定アセンブリと、
前記ハウジングの前記底部から支持された下部電磁気ベアリング(LEMB)と、
前記ハウジングの前記天部からぶらさがる電動発電機のステーターと、
前記ハウジングの前記天部から支持された上部電磁気ベアリング(UEMB)と、
前記ステーターを包囲する電動発電機のローターを有し、垂直方向に回転軸を画定する回転アセンブリと、
前記ローターを包囲して、前記ローターと結合するフライホイールマスと、
前記回転軸の周りに位置する前記ステーターのフィールド巻き線と、
垂直方向に離隔された終端部を有する前記ステーターのアーマチュア巻き線と、
を備え、
前記LEMBは、前記ローターを上昇させかつセンタリングする力を印加し、
前記UEMBは、前記ローターをセンタリングする力を印加するフライホイールアセンブリ。
【請求項10】
前記ローターはシャフトレスである、請求項9に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項11】
第1のサポート面および第2のサポート面を画定するフライホイールハウジングと、
電動発電機のステーターと、
電動発電機のローターと、
前記ローターを包囲して、前記ローターと結合するフライホイールマスと、
前記第1のサポート面により支持された第1の電磁気ベアリング(EMB1)と、
前記第2のサポート面により支持された第2の上部電磁気ベアリング(EMB2)と
を備え、
前記ステーターは、前記第2のサポート面により支持され、回転軸を画定し、前記回転軸の周りに位置するフィールドコイルを有し、かつ、前記フィールドコイルと略垂直なアーマチュアコイルを有し、
前記ローターは、前記ステーターを包囲し、前記回転軸の周りを回転し、
前記EMB1は前記ローターを上昇させかつセンタリングする力を印加し、
前記EMB2は前記ローターをセンタリングする力を印加する、フライホイールアセンブリ。
【請求項12】
前記ローターは、シャフトレスである、請求項11に記載のフライホイールアセンブリ。
【請求項13】
周囲の壁から支持されたコアアセンブリと、
ステーターと、
ローターを包囲しかつ前記ローターに結合されたフライホイールマスと、
第1および第2サスペンションアセンブリを有するサスペンションシステムと、
を備え、
前記ステーターは、電動発電機のローターの周りに位置し、前記ローターが回転する回転軸を画定し、前記回転軸の周りに位置するステーターフィールドコイルを有し、前記回転軸の周りに位置しないステーターアーマチュアコイルを有し、
前記サスペンションシステムは、前記ローターに対して軸線方向および半径方向の力を印加するための複数の磁気ベアリングを有する、
電気機械式フライホイール。
【請求項14】
前記ローターはシャフトレスである、請求項13に記載の電気機械式フライホイール。
【請求項15】
ひとつ以上の環状ステーターポケットであって、前記環状ステーターポケットの各々は、前記回転軸の周りに位置し、前記環状ステーターポケットを画定する構造体は、外縁にスロットが設けられる、環状のステーターポケットと、
前記環状ステーターポケットの各々の中に配置されたフィールドコイルと、
前記スロットと嵌合する複数のアーマチュアコイルと
をさらに備える請求項4に記載の電気機械式フライホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ここに参考文献として組み込む、2011年11月13日出願の米国仮特許出願第61/559,128号の優先権の利益を主張するものである。また、本願は、ここに参考文献として組み込む、2011年12月7日出願の米国仮特許出願第61/568,126号の優先権の利益を主張するものである。また、本願は、ここに参考文献として組み込む2012年1月3日出願の米国特許出願第13/342,886号の一部継続出願である。さらに、本願は、ここに参考文献として組み込む、2012年1月4日出願の米国特許出願第13/343,603号の一部継続出願である。
【0002】
本願発明は、電気機械分野の技術に関し、特に、エネルギーの蓄積および解放をもたらすフライホイールマスを組み込んだ電気機械式装置に関する。
【背景技術】
【0003】
周知のフライホイールは、運動エネルギーを蓄積する。このエネルギーを解放するよう要求されると、フライホイールは運動エネルギーが減少するに従い遅くなる。フライホイール駆動および電気機械式により駆動されるフライホイールも周知である。数十年の間、この電気機械的装置が作られ、さまざまな動作を達成してきた。しかし、最も進化した商業的装置でさえ、性能がよりよい代替品よりコストが高く、かつ、有意な動作制限にさらされるので、多くの業者はフライホイールの製造を避けてきた。小さいフライホイール製造業者による賢明な努力にも拘わらず、近代の電気機械式フライホイールは、わずかな隙間市場での狭い応用分野で見受けられ、現在の発達した世界的エネルギー供給に対して有意な寄与をしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気機械的フライホイールは、大気圧条件下で動作する装置および真空条件下で動作する装置を含む。真空環境で装置の動作は高速運転において有効であるが、フライホイールマスの応力、磁気部品の温度、安全な格納容器を管理するための有用な技術によって制限されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、ステーターおよびステーター巻き線の周りに位置するローターを有する電気機械式フライホイールを提供する。ステーター巻き線は、1)ステーターにより画定された回転軸の周りに位置するフィールド巻き線と、2)回転軸の周りに位置しないアーマチュア巻き線を有する。
【0006】
ひとつの態様において、電気機械式フライホイールは、電動発電機のステーターを有するコアアセンブリと、ステーターを包囲する電動発電機のローターと、ローターの外周に位置し、ローターに結合され、ローターとともに回転するフライホイールマスと、ローターおよびフライホイールマスを包含する排気可能なハウジングとを備え、ステーターは、回転軸を画定し、回転軸の周りに位置するフィールドコイルおよび回転軸の周りに位置しないアーマチュアコイルを有する。
【0007】
さまざまな態様において、ローターは、互いに離隔された第1のサスペンションアセンブリおよび第2のサスペンションアセンブリを有し、第1のサスペンションアセンブリは、ローターをセンタリングし、かつ、上昇させる力を印加する第1の電磁石ベアリングを有し、第2のサスペンションアセンブリは、ローターをセンタリングする力を印加する第2の電磁石ベアリングを有する。
【0008】
本願発明は、図面を参照して説明される。しかし、ここで示す図面は例示に過ぎず、当業者であれば、これらの記載から、本願発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本願発明に従う電気機械式フライホイール装置のブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1の電気機械式フライホイール装置の選択した機能およびイクイップメントを示す。
【
図3】
図3は
図1の電気機械式フライホイール装置の第1の実施形態を示す。
【
図4】
図4は
図1の電気機械式フライホイール装置の第2の実施形態を示す。
【
図5B】
図5Bは、
図1の電気機械式フライホイール装置のローター磁極およびステーターを示す。
【
図6】
図6は、
図1の電気機械式フライホイール装置の下部ベアリングアセンブリおよび部品を示す。
【
図7】
図7は、
図1の電気機械式フライホイール装置の上部ベアリングアセンブリおよび部品を示す。
【
図8】
図8は、
図1の電気機械式フライホイール装置の第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願発明のいくつかの実施形態を説明する。デザイン、図面および説明は本願発明の実施形態の一例に過ぎず、これに限定するものではない。例えば、ここに開示されたもの以外の実施形態は、これらの特徴を含んでも含まなくてもよい。また、開示された利点および利益は、本願発明の特定の実施形態にのみ適用され、開示される発明はそれに限定されない。
【0011】
図1は、電気機械式フライホイール100を示す。電気的相互接続104は、エネルギー交換ブロック102、パワーエレクトロニクスおよびコントロール106、および、電力ネットワーク108を電気的に接続する。
【0012】
特に断らない限り、ここで使用する用語“接続”は、1)Bに直接接続されるA、2)Dを介してEに間接的に接続されるCを指す。
【0013】
エネルギー交換ブロック102は、スピニングアセンブリ110およびコアアセンブリ112を有する。スピニングアセンブリ110は、電動発電機ローター114、フライホイールマス116、および、ハブ118を有する。コアアセンブリ112は、電動発電機ステーター120および電動発電機ステーターサポート122を有する。さまざまな例において、スピニングアセンブリ110はシャフトレスである。
【0014】
電気的相互接続104は、任意の電気的導体接続、電気的インターフェース装置、電気的トランスデューサ等を有する。パワーエレクトロニクスおよびコントロール106は、任意のシリコンおよび/または半導体装置、および/またはデジタルプロセッサ、およびヒューマンインターフェースを含む関連インターフェースを有する。電力ネットワーク108は、1)ある例において、エネルギー交換ブロック102への電力源であり、2)ある例において、エネルギー交換ブロック102からの電力ユーザであり、3)ある例において、エネルギー交換ブロック102への電力源であり、かつ、エネルギー交換ブロック102からの電力のユーザである。
【0015】
図2は、選択された電気機械式フライホイール装置の機能およびイクイップメント200を示す。エネルギーストレージ202はフライホイール動作の中心である。電気機械式フライホイールにおいて、エネルギーストレージ202およびエネルギー変換204は運動エネルギーを電力に変換する手段、および/または、電力を運動エネルギーに変換するための手段を与える。エネルギー伝達206は、エネルギー変換のイクイップメント220、216と電力ネットワーク108との間で電力の伝達をもたらす。さまざまな例において、回路ブレーカー230のような電気スイッチは、電力伝達を可能にする導体の接続および切断をもたらす。さまざまな例において、他の電気機械式フライホイール装置の機能は、以下に説明するいくつかの補助サポート機能を有する。
【0016】
エネルギーストレージ202はスピニングアセンブリ110を使用する。さまざまな例において、サスペンションシステム210はスピニングアセンブリ110を支持する。サスペンションイクイップメントは、ベアリングまたはそれと同様の部材212を有する。ある例において、受動シャットダウンシステム215は、シャットダウンなどの選択された動作再開においてスピニングアセンブリ110を支持する。
【0017】
エネルギー変換204は、ジェネレータまたは電動発電機のような運動エネルギーを電力に変換する手段を利用する。電動発電機220が示されている。電動発電機220は、ローター114およびステーター120を有し、スピニングアセンブリ110を回転駆動するための手段、および、スピニングアセンブリ110によって回転駆動される手段を与える。さまざまな例において、パワーエレクトロニクス216は、電動発電機220および/または電力ネットワーク108から放出される電気波形の調整を可能にする。例えば、さまざまな例において、パワーエレクトロニクス216は、中間DCバス有するAC−ACコンバータにおいて周波数変換を与える。また、パワーエレクトロニクス216はフライホイールのローター114の回転速度を加速するような可変速度駆動機能を提供する。
【0018】
さまざまな例において、補助サポート機能208は以下に詳細に説明する補助サポートイクイップメントにより実行される。補助サポート機能208は、ハウジング240、安全装置242、真空装置244、冷却装置248、および、マン-マシンインターフェース246を有する。
【0019】
制御機能205は、監視、評価、命令および他の電気機械式フライホイール機能の制御の一つ以上を与える。特に、制御機能205は、エネルギーストレージ202、エネルギー変換204、エネルギー伝達206、および補助サポート208機能のひとつ以上の監視および/または制御を通じて電気機械式フライホイールの動作を可能にする。
【0020】
図3は、電気機械式フライホイールの第1部分300を示す。エネルギー交換ブロック302は付加的な外側ハウジング338により包囲された内側ハウジング328に包囲されている。
【0021】
エネルギー交換ブロック302は、スピニングアセンブリ310およびコアアセンブリ321を有する。スピニングアセンブリ310内に含まれるのは、電動発電機ローター314、電動発電機ローター314に接続され外周を取り囲むフライホイールマス316、フライホイールマス316に結合されたハブ318、および、可動サスペンションエレメント344である。いくつかの例において、非磁性スリーブ(例えば、非磁性合金および超合金)のようなスリーブが、とりわけローター314を支持するために、ローター314とフライホイールマス316との間に挿入されている。ローター314、フライホイールマス316、ハブ318および可動サスペンションエレメント344は、軸線x−xに関して回転対称である。さまざまな例において、ハブ318はローター314に対して位置350に、および、フライホイールマス316に対して位置352に、それぞれまたは一方に取り付けられている。可動サスペンションエレメント344に対向して、内側ハウジング332の第1の壁に支持された固定サスペンションエレメント346がもうけられている。コアアセンブリ312には、ステーター320およびステーターサポート322が含まれる。ある例において、ステーターサポート322は内側ハウジング334の第2の壁に結合されている。
【0022】
電動発電機ステーター320の外周を包囲するのは、電動発電機ローター314である。さまざまな例において、ローター314は、磁石部354および非磁石部356を有する。ある例において、非磁石部356は、磁石部354をブロックまたは支持するマトリクス材料を有する。ある例において、磁気ローター部は、積層構造である。
【0023】
さまざまな例において、ステーター320は、可変電流を流すことができる導電体巻き線を有する一つ以上のコイルを有する磁石構造を含む。それによって、磁気構造体の磁束を変化させることができる。ある例において、第1ステーターコイル364は、軸線x−xに対してほぼ垂直に交差する軸線y−yの周りに形成されている。ある例において、第2ステーターコイル368は軸線x−xの周りに形成されている。ある例において、複数の第1ステーターコイル364が軸線y−yの周りに形成され、一つ以上の第2ステーターコイル368が軸線x−xの周りに形成されている。第1ステーターコイル364はアーマチュアコイルであり、第2ステーターコイル368はフィールドコイルである。
【0024】
またある例において、電動発電機360は、内部構成(ローターがステーターを包囲する)で示されるような単極装置である。当該単極装置は、a)ローター314と類似の回転可能ローターが、コイルレスの積層磁石構造を有し、b)ステーター320に類似の固定中心ステーターは磁気構造体内部の磁束を形成するためのコイルを有する積層磁気構造体を有し、c)ローターはステーターを包囲している。
【0025】
図4は、第2の実施形態にかかる電気機械式フライホイール400を示す。エネルギー変換ブロック402は、外側ハウジング(図示せず)によって、全体または一部を包囲された内側ハウジング428によって包囲されている。
【0026】
エネルギー変換ブロック402は、スピニングアセンブリ410およびコアアセンブリ412を有する。スピニングアセンブリ410は、電動発電機ローター414、ローターを包囲し、かつ、結合されたフライホイールマス416、フライホイールマス416に接続されたハブ418、ハブ418を支持するためのサポートピン496、および、ハブ418を支持するための可動サスペンションアセンブリ492を含む。ある例において、ローター414とフライホイールマス416との間に非磁性スリーブのようなスリーブが設けられる。
【0027】
さまざまな例において、フライホイールマス416は、一つ以上の種類またはグレードのガラス繊維および、一つ以上の種類またはグレードの炭素繊維のような異なる材料の層を有する。ここに参考文献として組み込む、1997年8月4日出願され、“HUB CYLINDER DESIGN FOR FLYWHEEL SYSTEM FOR MOBILE ENERGY STORAGE”と題する米国特許第6,175,172号の
図4Aおよび関連する説明にはフライホイールマス構造技術および材料が記載されている。
【0028】
図に示すように、フライホイールマス416は、ローターに隣接する内側層417のような第1層、中間層419、および、外側層421を有する。ある例において、中間層419および外側層421は炭素繊維材料を含み、内側層417はガラス繊維を含む。他の例において、三層すべてが実質的に炭素繊維から形成されている。さまざまな例において、一つ以上の層が、テンションがかかった巻き繊維により予め応力がかけられており、固有の圧縮応力によって実質的に円筒形状のシェルを形成する。
【0029】
サポートピン496、可動サスペンションアセンブリ492、および、ハブ418は同軸上に配置されており、軸線x−xに関して回転対称である。サポートピン496は上部ベアリングキャリア490と下部ベアリングキャリア494との間のギャップ491の中に配置されている。ステーターサポート422から延在するのは、上部ベアリングキャリア490である。ハウジング432の第1の壁に支持されるのは、下部ベアリングキャリア494である。ある例において、上部ベアリングキャリア490の軸線x−xに沿った長さ493は、上部ベアリングキャリア490と下部ベアリングキャリア494との間でサポートピン496を回転可能に保持するように機能する。この意味で、上部および下部ベアリングキャリアはサポートピン496を介してスピニングアセンブリ410を捕捉する手段を与え、受動シャットダウンを含む機能に対して有用である。さまざまな例において、下部ベアリングキャリア494および可動サスペンションアセンブリ492は第1の電磁気ベアリングを導入する。
【0030】
第2の電磁気ベアリング451は、上部ベアリングキャリア490と下部ベアリングキャリア494から離隔されている。第2の電磁気ベアリング451は、ステーターサポート422によって支持された固定ベアリングステーター454、ステーターを磁化するための電気巻き線452、ローターに結合された対向位置ローター456を有する。図に示すように、電磁石の係合面498、499は、電磁石ベアリング力が軸線x−xに対して垂直となるように、軸線x−xに対して平行である。他の例において、上記傾斜した電磁石ベアリング面は、軸線x−xに平行な線に沿った成分と、軸線x−xに対して垂直な線に沿った成分とを有する電磁気ベアリング力を与える。ローターと一緒に動き、かつ、電磁気ベアリング内で使用される電磁石は、ソリッドまたは積層電磁石コアを有する。ある例において、電磁石コアは、合成電磁気コアを構成するべく小さい鋼鉄粒子が混入されたエポキシマトリクスのような樹脂マトリクスを含む。このようなコアは、電磁気コア、例えば、生成された磁場に垂直なコアの厚さに関連する磁気拡散時係数を減少させ、印加中の電流と出力される力との間の時間インターバルを減少させる傾向がある。この合成技術は、適当な薄い寸法の非常に硬い鋼鉄の積層体が得にくいため、単純に性能を向上させるのには不向きである。
【0031】
コアアセンブリ412には、ステーター420および、内側ハウジング428の第2の壁434に結合されたステーターサポート422が含まれる。電動発電機ローター414は電動発電機ステーターを包囲する。さまざまな例において、ローターは磁石および非磁石部分(例えば、
図3の354、356参照)を有する。ある例において、非磁石部分は磁石部分を支持またはブロックするマトリクス材料を含む。ある例において、磁石ローター部分は積層体構造を有する。
【0032】
さまざまな例において、ステーター420は、可変電流を運ぶことができる導電体巻き線を有する一つ以上の一体型コイルを含む磁石構造を有する。それによって、磁石構造は、磁束を変化させる。
【0033】
ある例において、単極ステーターのようなステーターは、少なくとも2つの周辺リムおよび一つのより小さい中間リムを有する。これらのリムは、鉄のような磁性材料を含む。さまざまな例において、リムはそれぞれが実質的に環状の積層構造体である。
【0034】
図に示すように、ステーター420は、3つの大きい直径のリム464、466、470および2つの小さい直径のリム484、488を有する。実質的に環状またはドーナツ形状のポケット481が大きい直径のリムと小さい直径のリムとの間に形成されている。これらの3つのポケットの中で、軸線x−xを回転軸として、それを包囲するようにコイルが配置され、フィールド巻き線482、486を形成する。フィールドコイルに加え、ステーター420はアーマチュアコイル450も含む。
【0035】
アーマチュアコイル450は、各アーマチュアコイルが回転軸x−xと実質的に垂直の軸線y−yを包囲するように、大きいリム464、466、470の周辺においてスロット483と嵌合する(
図3参照)。
【0036】
ステーター420の各リムに対して、複数のローター磁極が存在する。外側のステーターリム464、470は軸線方向に離隔したローター磁極462、468(図中の実線で示す)を有し、中央のステーターリム466は軸方向に隣接するローター磁極463、469(図中の破線で示す)を有する。隣接するリム用のローター磁極(例えば、462、463)は軸線方向(x−x)に離隔されているだけでなく、ひとつのリム用のローター磁極が隣接するリムと関連する最も近いローター磁極から90電気角度だけ半径方向に離隔されるように、半径方向においても離隔されている。
【0037】
さまざまな例において、ターボ分子ポンプのような内部真空ポンプがフライホイールマス416から分子を除去するために与えられる。特に、速度が最大となるフライホイールマス周縁から分子を除去する。ここに参考文献として組み込む、米国特許第5,462,402号の“FLYWHEEL WITH MOLECULAR PUMP”には、ターボ分子ポンプおよびそれを組み込んだフライホイールシステムが記載されている。
【0038】
ある例において、第1の真空ポンプは、フライホイールマスの面459に関して近接して離隔された、ハウジング壁434から支持された固定ラビリンス形状リング458により形成されている。さまざまな例において、ラビリンスリングの溝は、動くフライホイール面459に対して排気作用を与える。ある例において、その溝は流れの方向に沿って概して減少する断面積を有するスパイラル形状である。またある例において、第2の真空ポンプは上記したものに類似のラビリンスリングによって形成される。それは、ステーター周辺部品(大きい直径のステーターリング454、464、466、470など)に固定されるか、または、対向位置ローター極(456、462、463、469、468)に固定される。ある例において、他の第2ポンプは、ラビリンスリングおよびフライホイールマス413の動く面によって形成される。例えば、内側ハウジング428の上に配置されまたは一体化されたラビリンス、および、当該ラビリンスに近接して動作し、かつ、第1ドラグポンプ(図示しない周縁ラビリンス)によって確立された流れの方向に対してほぼ垂直の方向に真空流を確立するフライホイールマスの周縁部によって形成される。さまざまな例において、他の第2ドラグポンプが第1ドラグポンプと協働し、2ステージドラグポンプを提供する。
【0039】
ある例において、吸気領域および排気領域は真空可能な内側ハウジング428の内部に含まれる。吸気領域の少なくとも一部は、内側ハウジング428、ハブ418の外側面417、および、フライホイールマス416の外周面413の部分によって画定された境界を有する。排気領域の少なくとも一部は、真空バリアハウジングおよびコアアセンブリ412の部分によって画定された境界を有する。第1ドラグポンプは、フライホイールマス416の面459と真空バリアのハウジング壁434との間に設けられる。第2ドラグポンプは少なくともひとつのステーターリング466とローター414との間に設けられる。
【0040】
図5Aは、2+2極のシングルステージ単極装置500A用の隣接極平面におけるローター極の半径方向の千鳥配列を示す。ローター断面
図502およびローター514を参照して、第1極462は第1極平面Y1に配置され、反対位置の極463は同じ平面内に配置されている。同様の時計回りに隣接する極面Y2において、隣接する面の極465はY1面の極の間にある。この断面図では、Y2面464内の第2極は存在しない。
【0041】
極面Y1、Y2の平面
図504、506は各極面における極462、463、464および465を示す。それらは90°の角度だけ分離されている。この4極実施形態において、極は同様に90電気角度だけ分離されている。
【0042】
さまざまな例において、磁路は、隣接する千鳥格子極の間で伸長する。例えば、極アセンブリ508、510に示すように、磁路466、468は、極対462、463と463、464との間で伸長する。ここに示すように、磁路462−466−465および463−468−464によって、2つの連続磁路が4極装置ローター内に形成される。ある例において、それぞれの磁路アセンブリ462−466−465および463−468−464は、中央部466および468が他の関連部材462、465および463、464とそれぞれ実質的に直角に接続された、“Z”字形状を有する。とりわけ、この構造は磁路の容量を保存する。
【0043】
図5Bは、3ステージ装置用のローターおよびステーターを示す。各ステージは4つの極500Bを有する。ここで、ローター磁路アセンブリ560が、通常は円筒形のローター構造がロールしていない、つまり、平坦面として図示されている。磁路アセンブリ520、522、523、521は部材519の間にスペースを有する格子569を作るように配列されている。さまざまな例において、当該スペースは、非磁性体によって充填されてよい。
【0044】
格子569は、複数のステージA、B、Cが、それぞれ4つの極を有するように構成されている。例えば、ステージAは、第1の完全極557および、2つの半分極553、555からなる第2の極を有するN極面を有する。ステージAは、2つの完全極559、561を有するS極面を有する。したがって、ステージAのN極面およびS極面は全部で4つの完全な極を有する。
【0045】
各ステージは4つの磁路アセンブリまたはローター格子部を有する。例えば、ステージAは磁路アセンブリ520、522、520および522を有する。ステージBは磁路アセンブリ523、521、523、521を有する。ステージCはステージAと同様に、磁路アセンブリ520、522、520および522を有する。ある例において、磁路アセンブリの位置は、曲面が考慮されない場合、最初の向きである程度異なる。ここで、例えば、アセンブリ520は、アセンブリ522と軸線x−xと平行な軸線の周りに180°回転だけ異なる。アセンブリ522は、アセンブリ521と軸線x−xと垂直な軸線の周りに180°回転だけ異なる。
【0046】
ステーター562の断面図が示されている。ステーターは大きな直径のリム534、536、538、540、および、小さい直径のリム544、546、548を軸線x−xを中心軸として有する。第1および第2の大きい直径の中間リム536、538は、大きい直径のリム534、540の外周に間に挿入される。ひとつの小さい直径のリムは、リムが、534、544、536、546、538、548および540の順番で積まれるように、大きい直径のリムの各一対の間に挿入される。リムは、壁530を介して支持される結合されたステーターサポート532によって支持される。
【0047】
複数のアーマチュア巻き線、例えば、571、572は、スロットまたはより小さい構造を介して複数の大きい直径のリム外周部574と嵌合する。フィールド巻き線535、537、539は、ステーターの回転軸x−xを、各フィールド巻き線が一対の大きい直径リムの間にあるように、小さい直径のリムのそれぞれを包囲する一本のフィールド巻き線で包囲する。
【0048】
ローター569の格子構造は、ステーター534の第1リムがステージAのN極に対応し、ステーター536の第3リムがステージAのS極およびステージBのS極に対応し、ステーターの第4リムがステージBのN極およびステージCのN極に対応し、ステーターの第7リムがステージCのS極に対応するように、配置される。
【0049】
さまざまな例において、ベアリングがスピニングアセンブリおよびフライホイールマス116、316、416を支持するのに使用される。ここで示すスピニングアセンブリを支持するのに十分なベアリングの任意の組み合わせが、使用可能である。
【0050】
図6は、下部ベアリングキャリアおよびいくつかの関連部品600を示す。図面の上半分に示すように、フライホイールマスに結合するためのハブ618、ハブ618を支持するためのサポートピン696、ハブ618を支持するための可動サスペンションアセンブリ692、および、下部ベアリングキャリア694がもうけられている。ハブ618、サポートピン696、および可動サスペンションアセンブリ692は一緒に固定して結合されている(
図6では分解図で示す)。
【0051】
さまざまな例において、可動サスペンションアセンブリ692は、可動サスペンションアセンブリ電磁気ベアリングローター602を有する。ある例において、ベアリングは可動サスペンションアセンブリ電磁気ベアリング面603を有する。当該面は軸線x−xに平行なx1−x1軸線と当該面とによりなす角度θ1=0°で方向付けられている。ある例において、ベアリングは、0<θ1<90°(傾斜面)の角度を向いた面603を有する。それにより、軸線x−xに垂直な軸線に平行な電磁気ベアリング力成分、および、軸線x−xに平行な電磁気ベアリング力成分が与えられる。
【0052】
さまざまな例において、可動サスペンションアセンブリ692は、可動サスペンションアセンブリ永久磁石604を有する。また、ある例において、永久磁石は電磁気ベアリングローター602に付加される。ある例において、可動サスペンションアセンブリ磁石ホルダ606は可動サスペンションアセンブリ電磁気ベアリングローターおよび可動サスペンションアセンブリ永久磁石の一方又は両方を保持するためのホルダを与える。
【0053】
可動サスペンションアセンブリ692が電磁気ベアリングローター602を有する場合、下部ベアリングローターキャリア694は、対応する下部ベアリングキャリア電磁気ベアリングステーター614およびステーターを磁化するための下部ベアリングキャリアステーター電磁気コイル616を有する。ステーターは、ハウジングの壁632によって支持される下部ベアリングキャリアフレーム612によって支持される。
【0054】
ある例において、ベアリングステーターは積層構造である。ある例において、ベアリングは下部ベアリングキャリア電磁石ベアリング面615を有する。当該面は、軸線x−xに平行なx2−x2軸および当該面とのなす角度θ2=0°で方向付けられる。ある例において、ベアリングは、0<θ2<90°(傾斜面)の角度を向いた面615を有する。それによって、軸線x−xに垂直な軸線に平行な電磁気ベアリング力成分、および、軸線x−xに平行な電磁気ベアリング力成分が与えられる。当業者が理解するように、ベアリング面603、615は直線のローター面が直線のステーター面と一致し、かつ、傾斜ローター面と傾斜ステーター面とが一致するように、連係する。
【0055】
可動サスペンションアセンブリ永久磁石604が使用される場合、下部ベアリングキャリア694は、対向位置の永久磁石620を有する。ある例において、下部ベアリングキャリア永久磁石ホルダ619は、下部ベアリングキャリアフレーム612から支持され、永久磁石620を支持する。
【0056】
さまざまな例において、下部ベアリングキャリア694は、減摩ベアリング622のような下部ベアリングキャリアランディングベアリングを有する。ランディングベアリングは下部ベアリングキャリアフレーム612から支持される。ある例において、ダンピング材料624はランディングベアリングに対する着座材を与える。
【0057】
図7は、上部ベアリングキャリアおよびいくつかの関連部品700を示す。上部ベアリングキャリア790は、固定プレート702および可動プレート704を有する。
【0058】
固定プレート702は溝形式のコイルスペース706を有する。当該溝は可動プレート730に面する固定プレート702の側にある。コイル707により包囲される磁気材料を磁化するための電気コイル722が含まれる。
【0059】
可動プレート704はスプリングスペース708および機械的ベアリングスペース710を有する。スプリングスペース708は、可動プレート704の減少する直径部が固定プレート732に面するプレートの側に延在し、かつ、コイルスプリング720のようなスプリングがこのスペースを占めるように形成される。ベアリングスペース710は、固定プレート732に面する可動プレート面と対向する可動プレート面734の中心のキャビティである。この電磁石の動作はスプリングを圧縮しプレートを一緒に引く。
【0060】
さまざまな例において、上部ベアリングキャリア790は、減摩ベアリング716のような上部ベアリングキャリアランディングベアリングを有する。ランディングベアリングは可動プレートキャビティ710内に配置される。ある例において、ダンピング材料718はランディングベアリングに対する着座材を提供する。
【0061】
図6および
図7に示すように、サポートピン696は上部ベアリングキャリア790および下部ベアリングキャリア694との間で伸長する。また、上部ベアリングキャリアランディングベアリング716、サポートピン696、可動サスペンションアセンブリ692、下部電磁石ベアリングステーター614、下部ベアリングキャリア永久磁石620、および下部ベアリングキャリアランディングベアリング622は、可動プレート704が下部ベアリングキャリア793の方向に移動するとき、サポートピンの上方端728および下方端628が上部ランディングベアリング716および下部ランディングベアリング622とそれぞれ係合し、かつ、それぞれのランディングベアリング726、626の中央アパーチャと係合するように、軸線x−xを中心として配置される。
【0062】
図8は、電気機械式フライホイール800の他の実施形態を示す。フライホイールマス831は、金属ライナー830を有する単極電動発電機ローターを包囲しかつ結合されている。ローターは、N極ローター824、832を有する。S極ローターは図示していない。
図5BのステージAおよびステージBを参照して、S極ローターが同様に配置される。
【0063】
ステーターサポート811は電動発電機ステーター828に結合される。フィールド巻き線826およびアーマチュア巻き線820は上述したのと同様の方法で一体化される。
【0064】
ローター830およびフライホールマス831を支持するのは、ハブ846である。当該ハブは上部および下部ベアリングキャリア860、862との間に係合および/または配置されたサポートピン864によって支持される。
図6および
図7に、同様のベアリングキャリアが詳細に示されている。第1電磁気ベアリング866は下部ベアリングキャリア内に配置される。第2電磁式ベアリング870は第1および第2ベアリングキャリアから離隔されており、ベアリングステーター818、ベアリングローターおよびステーターを磁化するためのステーターコイル814を有する。
【0065】
電磁気フライホイールハウジングは内部真空バリア812を有する。ある例において、外側ハウジング807は真空バリアを支持する。適当な真空バリアの材料として、ステンレススチールおよび当業者に周知の他の材料が含まれる。
【0066】
さまざまな例において、ステーターサポート811は中空構造を有し、同軸チューブ801が内部に配置されている。同軸チューブ801はステーターサポート802に進入する液体冷媒を閉じこめる。サポート構造の内径と同軸チューブ801の外径との間の環状部分はステーターサポート803を流れる冷媒用の流路を与える。環状部分を通じて流れる冷媒はステーター828から熱を吸収し、さまざまな例において、流入口802内にポンプによって戻る前にクーラーによって冷却される。
【0067】
ある例において、熱パイプ808はステーターを冷却する。複数の熱パイプの各々は、ステーターに近接した位置にステーターアマーチュア巻き線スロット872のような熱吸収第1端を有する。熱パイプの熱放出端は真空バリア874に接触するほど真空バリアに近接した位置にあり、または、上述の冷媒流によって冷却される。
【0068】
動作中、電気機械式フライホイールのフライホイールマスは、フライホイール充電中に電動発電機によって加速される。充電中に、エネルギーは電動発電機に伝達される。放電中に、電動発電機はフライホイールの運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、それに伴いフライホイールマスは減速する。パワーエレクトロニクスは、電動発電機および機械的に結合されたフライホイールマスを駆動させるためにネットワーク電力の変換を与える。パワーエレクトロニクスは、電力が伝送される電気ネットワークによる使用に適した波形に、電動発電機で生成された電力を変換する。
【0069】
本願発明のさまざまな実施形態を説明してきたが、これらは例示に過ぎず、発明を限定するものではない。発明の思想および態様から離れることなく、さまざまな修正および変更が可能であることは当業者の知るところである。本願発明の範囲および態様は、以下の特許請求の範囲の記載およびその均等の範囲において解釈されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】米国特許第6,175,172号
【特許文献2】米国特許第5,462,402号
【手続補正書】
【提出日】2017年6月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動発電機のステーターと、
前記ステーターを包囲する電動発電機のローターと、
前記ローターを包囲し、かつ、前記ローターとともに回転するように前記ローターに結合されたフライホイールマスと、
ハブであって、当該ハブの一端において前記ローターに結合されたハブと、
前記ローターおよび前記フライホイールマスを包含する排気可能なスペースを含む排気可能ハウジングであって、上側支持面および下側支持面を有する排気可能ハウジングと、
前記ローターを上昇させ、かつ、センタリングする力を印加するべく、前記下側支持面により支持された下部電磁石ベアリングと、
前記ローターをセンタリングする力を印加するべく、前記上側支持面により支持された上部電磁石ベアリングと、
を備え、
前記ステーターは、前記ローターの回転軸としての中心軸線と、前記回転軸の周りに位置するフィールドコイルと、前記回転軸に対して平行に配置されたアーマチュアコイルとを有し、
前記ローターおよび前記ステーターは、単極の電動発電機を形成し、
前記ハブは当該ハブの他の端部においてハブサポートに結合されており、
前記下部電磁石ベアリングは、前記ハブサポートを受設するよう、前記ステーターに関して固定された第1レシーバーを有する、
ことを特徴とするフライホイールアセンブリ。
【請求項2】
前記第1レシーバーとともに、前記ローターを上昇させかつセンタリングするべく、前記ステーターと前記下側支持面との間に配置された、移動可能な第2レシーバーと、
前記第1レシーバーに設けられた電磁石と
をさらに備え、
前記電磁石の作用によって、前記第1レシーバーと前記第2レシーバーとの間の間隔が変化し、よって、前記第1レシーバーと前記ハブサポートとの間の係合が変化する、ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記電磁石の作用によって、前記ハブサポートと前記第2レシーバーとの間の係合が変化する、ことを特徴とする請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第2レシーバーは、電磁気ベアリングローターを有する、ことを特徴とする請求項2または3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ステーターにおけるひとつ以上の環状のポケットであって、前記ポケットの各々は、前記中心軸線を包囲するところのポケットをさらに備え、
各前記ポケット内に前記フィールドコイルが配置される、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ハブサポートは前記中心軸線とアライメントされたハブサポートピンである、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
複数のステーターリングであって、各々が、前記中心軸線を包囲し、かつ、前記ステーターリングの外周部にスロットを有するところの複数のステーターリングをさらに備え、
前記フィールドコイルは、一対の前記ステーターリングの間に配置され、
前記アーマチュアコイルは、前記スロットと嵌合する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記ハブは、円錐形状の外側面を有し、前記外側面が、真空排気可能空間の境界を画定することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記真空排気可能空間内に配置されたドラグポンプをさらに備える、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記第1レシーバーは、電磁気ベアリングステーターを有する、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記第1レシーバーは、減摩ベアリングを有する、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
隣接する前記ステーターリングの第1ペアの間で、磁路を形成する第1の複数の極アセンブリと、
隣接する前記ステーターリングの第2ペアの間で、磁路を形成する第2の複数の極アセンブリと、
をさらに備え、
前記第1の複数の極アセンブリにおいて、各々の前記極アセンブリ間に磁路は存在せず、かつ、前記第2の複数の極アセンブリにおいて、各々の前記極アセンブリ間に磁路は存在しない、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記極アセンブリは、非磁性支持体構造に固定されている、ことを特徴とする請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記ローターは、前記中心軸線に沿って複数のステージを有し、
各前記ステージにおいて、複数のZ字形状の極アセンブリが、鏡面対称となるように隣接して配置されており、
ひとつのステージにおける各前記Z字形状の極アセンブリが、他のステージにおける隣接する各前記Z字形状の極アセンブリと、鏡面対称となるように配置されて、前記複数のステージが形成されており、
前記複数のZ字形状の極アセンブリは前記複数のステージで全体として、千鳥格子の磁路を与える、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記極アセンブリは、非磁性支持体構造に固定される、ことを特徴とする請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記ローターは、前記上側支持面と前記下側支持面との間で、前記中心軸線に沿って移動可能である、ことを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のアセンブリ。