(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-2009(P2017-2009A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】免疫賦活剤
(51)【国際特許分類】
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A23L 33/00 20160101ALN20161209BHJP
【FI】
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A61P35/00
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A61K9/16
A61K9/08
A61K31/405
A61K31/714
A23L1/29
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-120508(P2015-120508)
(22)【出願日】2015年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(72)【発明者】
【氏名】長崎 歩
(72)【発明者】
【氏名】北村 整一
(72)【発明者】
【氏名】鍔田 仁人
(72)【発明者】
【氏名】山口 和也
(72)【発明者】
【氏名】高垣 欣也
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C084
4C086
4C087
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
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4C206ZB26
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(57)【要約】
【課題】 マクロファージ活性化能が飛躍的に向上した免疫賦活剤を提供すること。
【解決手段】 ラクトフェリンと、甘藷、長命草、ヨモギ、葛、松、ターミナリア等の植物素材などの特定の成分とを有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトフェリンと、下記(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤。
(a)甘藷、長命草、ヨモギ、松、葛、及びターミナリアから選ばれる少なくとも1種の植物素材
(b)アスパルテーム、麦芽糖、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖、トレハロース、還元パラチノース、還元麦芽糖、及びシェラックから選ばれる少なくとも1種の機能性添加剤
(c)アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸
(d)没食子酸及びクロロゲン酸から選ばれる少なくとも1種のポリフェノール
(e)ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE、パントテン酸ナトリウム、ナイアシン、葉酸、ビオチン、カルシウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、マグネシウム、及びクロムから選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類
【請求項2】
ラクトフェリンと(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とからなる有効成分を添加して得たことを特徴とする請求項1記載の免疫賦活剤。
【請求項3】
ラクトフェリン及び他の有効成分の配合質量比が、0.5:1〜70:1の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の免疫賦活剤。
【請求項4】
錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の免疫賦活剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか記載の免疫賦活剤を摂取させることを特徴とする免疫賦活方法(ただし、医療行為を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫賦活剤に係り、詳しくは、ラクトフェリン及び特定の他の成分を有効成分とする免疫賦活剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガン、エイズ、アレルギー等の免疫に関連する疾患が増加傾向にある。これらの疾患は、加齢、ストレス、疲労、環境因子などにより、免疫機能が低下した場合に引き起こされやすくなると考えられている。したがって、日頃から免疫力を強化することが望まれている。
【0003】
免疫力を強化させる免疫賦活剤としては、例えば、多糖の基本構造の糖残基が少なくともガラクトースとマンノースで構成されており、当該ガラクトースにフラノース型が存在する多糖体を含有する免疫賦活剤(特許文献1参照)や、レンチナンと、特定のピロリドン類及びスルホキシド類から選ばれる1種以上とを組み合わせてなる免疫賦活剤(特許文献2参照)等が提案されている。
【0004】
また、ラクトフェリンを有効成分とする免疫賦活剤も提案されている(特許文献3参照)。この文献においては、ラクトフェリンが、マクロファージではなく好中球に対して作用することが開示されており、その作用としては、好中球の貧食機能を向上させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−105202号公報
【特許文献2】特開2014−80383号公報
【特許文献3】特開平5−178759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、マクロファージ活性化能が飛躍的に向上した免疫賦活剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ラクトフェリンの免疫賦活作用について鋭意調査・研究したところ、ラクトフェリンと特定の他の成分とを組み合わせることにより、マクロファージ活性化能を飛躍的に向上させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、ラクトフェリンと、マクロファージ活性化能がほとんどないか、その能力が小さい特定の他の成分を組み合わせることにより、マクロファージ活性化能を相乗的に向上させることができることを見いだした。
【0008】
すなわち、本発明は、ラクトフェリンと、下記(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とを有効成分として含有することを特徴とする免疫賦活剤に関する。
(a)甘藷、長命草、ヨモギ、松、葛、及びターミナリアから選ばれる少なくとも1種の植物素材
(b)アスパルテーム、麦芽糖、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖、トレハロース、還元パラチノース、還元麦芽糖、及びシェラックから選ばれる少なくとも1種の機能性添加剤
(c)アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸
(d)没食子酸及びクロロゲン酸から選ばれる少なくとも1種のポリフェノール
(e)ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE、パントテン酸ナトリウム、ナイアシン、葉酸、ビオチン、カルシウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、マグネシウム、及びクロムから選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類
【0009】
本発明の免疫賦活剤は、ラクトフェリンと(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分とからなる有効成分を添加して得たものであってもよい。
【0010】
本発明の免疫賦活剤において、ラクトフェリン及び他の有効成分の配合質量比は、0.5:1〜70:1の範囲であることが好ましい。
また、本発明の免疫賦活剤は、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、又は液剤であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、上記本発明の免疫賦活剤を摂取させることを特徴とする免疫賦活方法(ただし、医療行為を除く)に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の免疫賦活剤は、マクロファージ活性化能を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+植物素材)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、植物素材として甘藷を用いたものであり、右上のグラフが、植物素材として長命草を用いたものであり、左下のグラフが、植物素材としてヨモギを用いたものであり、右下のグラフが、植物素材として松を用いたものである。
【
図2】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+植物素材)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左のグラフが、植物素材として葛を用いたものであり、右のグラフが、植物素材としてターミナリアを用いたものである。
【
図3】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+機能性添加剤)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、機能性添加剤としてアスパルテームを用いたものであり、右上のグラフが、機能性添加剤として麦芽糖を用いたものであり、左下のグラフが、機能性添加剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いたものであり、右下のグラフが、機能性添加剤としてフラクトオリゴ糖を用いたものである。
【
図4】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+機能性添加剤)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、機能性添加剤としてトレハロースを用いたものであり、右上のグラフが、機能性添加剤として還元パラチノースを用いたものであり、左下のグラフが、機能性添加剤として還元麦芽糖を用いたものであり、右下のグラフが、機能性添加剤としてシェラックを用いたものである。
【
図5】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+アミノ酸)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸としてアラニンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸としてアルギニンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸としてアスパラギンを用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸としてアスパラギン酸を用いたものである。
【
図6】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+アミノ酸)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸としてシステインを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸としてグルタミンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸としてグルタミン酸を用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸としてグリシンを用いたものである。
【
図7】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+アミノ酸)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸としてヒスチジンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸としてイソロイシンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸としてロイシンを用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸としてリジン−塩酸塩を用いたものである。
【
図8】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+アミノ酸)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸としてメチオニンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸としてフェニルアラニンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸としてプロリンを用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸としてセリンを用いたものである。
【
図9】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+アミノ酸)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、アミノ酸としてトレオニンを用いたものであり、右上のグラフが、アミノ酸としてトリプトファンを用いたものであり、左下のグラフが、アミノ酸としてチロシンを用いたものであり、右下のグラフが、アミノ酸としてバリンを用いたものである。
【
図10】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+ポリフェノール)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左のグラフが、ポリフェノールとして没食子酸を用いたものであり、右のグラフが、ポリフェノールとしてクロロゲン酸を用いたものである。
【
図11】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、ビタミン類としてビタミンB1を用いたものであり、右上のグラフが、ビタミン類としてビタミンB2を用いたものであり、左下のグラフが、ビタミン類としてビタミンB6を用いたものであり、右下のグラフが、ビタミン類としてビタミンB12を用いたものである。
【
図12】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、ビタミン類としてビタミンCを用いたものであり、右上のグラフが、ビタミン類としてビタミンD3を用いたものであり、左下のグラフが、ビタミン類としてビタミンEを用いたものであり、右下のグラフが、ビタミン類としてパントテン酸ナトリウムを用いたものである。
【
図13】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、ビタミン類としてナイアシンを用いたものであり、右上のグラフが、ビタミン類として葉酸を用いたものであり、左下のグラフが、ビタミン類としてビオチンを用いたものである。
【
図14】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、ミネラル類としてカルシウムを用いたものであり、右上のグラフが、ミネラル類としてマンガンを用いたものであり、左下のグラフが、ミネラル類として亜鉛を用いたものであり、右下のグラフが、ミネラル類として鉄を用いたものである。
【
図15】本発明の免疫賦活剤(ラクトフェリン+ビタミン・ミネラル類)を適用した場合のマクロファージNO産生試験の結果を示す図である。左上のグラフが、ミネラル類として銅を用いたものであり、右上のグラフが、ミネラル類としてモリブデンを用いたものであり、左下のグラフが、ミネラル類としてマグネシウムを用いたものであり、右下のグラフが、ミネラル類としてクロムを用いたものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の免疫賦活剤は、ラクトフェリンと、下記(a)〜(e)からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(以下、他成分ということがある)とを有効成分として含有することを特徴とする。すなわち、ラクトフェリンと共に用いられる下記(a)〜(e)の成分は、1種(例えば(a)成分)であってもよいし、2種以上組み合わせてもよい。他成分を2種以上組み合せて用いる場合、ラクトフェリンと相乗効果の高い他成分同士を組み合わせることが好ましい。本発明の免疫賦活剤は、高いマクロファージ活性化能を有し、免疫を高めることができる。
【0015】
[ラクトフェリン]
本発明の免疫賦活剤の有効成分となるラクトフェリンとしては、例えば、哺乳類の乳等の分泌液から分離されるラクトフェリンを挙げることができる。具体的には、ウシ、ヒト等の哺乳動物の乳や、これらの乳を加工して得られる脱脂乳、ホエイ(乳清)等から分離精製したものを例示することができる。ラクトフェリンは、医薬品、試薬等として市販されており、これらの市販品を用いることができる。
【0017】
(a)植物素材
本発明の免疫賦活剤においては、ラクトフェリンと共に、有効成分として、甘藷、長命草、ヨモギ、松、葛、及びターミナリアから選ばれる少なくとも1種の植物素材を用いることが好ましい。
【0018】
これらの植物素材は、葉、茎、根、花、実、幹、枝等、植物のいずれの部位であってもよく、植物素材そのもの(乾燥物を含む)の他、その粉砕物、搾汁、抽出物等の植物素材処理物を用いることができる。粉砕物としては、粉末、顆粒等が挙げられる。絞汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末として用いることもできる。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することに得ることができ、溶媒としては、例えば、水(熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。これらの植物素材は、市販されているものを使用することができる。
【0019】
甘藷とは、ヒルガオ科に属する植物をいい、一般にサツマイモと呼ばれる。甘藷の品種は、特に限定されるものではなく、例えば、すいおう、ジョイホワイト、コガネセンガン、シロユタカ、サツマスターチ、アヤムラサキ等を挙げることができる。本発明の植物素材として用いる部位としては、茎、葉が好ましく、特に若葉が好ましい。
【0020】
長命草は、セリ科カワラボウフウ属に属するボタンボウフウとも呼ばれる多年草植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、葉、根が好ましい。
【0021】
ヨモギは、キク科の多年草である。本発明の植物素材として用いる部位としては、茎、葉が好ましい。
【0022】
松としては、例えば、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ等を挙げることができ、これらの中でも、プロアントシアニジンが豊富に含まれるフランス海岸松(Pinus Martima)が好ましい。本発明の植物素材として用いる部位としては樹皮が好ましく、この松樹皮から得られる抽出物が特に好ましい。この抽出物には、プロアントシアニジンの他、オリゴメリックプロアントシアニジンが高濃度で含まれており、例えば、抽出物の乾燥質量に対してオリゴメリックプロアントシアニジンを20質量%以上含むものが好ましい。
【0023】
葛は、マメ科クズ属のつる性の多年草植物である。本発明の植物素材として用いる部位としては、花、根が好ましく、花が特に好ましい。葛花としては、蕾から全開した花までのいずれの過程で採取したものを用いてもよく、各過程で採取したものを混合して用いることもできる。葛の種類としては、特に制限はないが、プエラリア・トムソニイ(Pueraria thomsonii)、プエラリア・ロバータ(Pueraria lobata)、プエラリア・スンバーギアナ(Pueraria thunbergiana)等を例示することができる。
【0024】
ターミナリアとしては、例えば、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia catappa、Terminalia tomentosa、Terminalia citrina、Terminalia phellocarpa、Terminalia copelandii、Terminalia brassi、Terminalia ivorensis、Terminalia superba、Terminalia arjuna、Terminalia chebula等を挙げることができ、これらの中でも、Terminalia bellirica(belerica)、Terminalia chebulaが好ましい。本発明の植物素材として用いる部位としては、果実が好ましい。
【0025】
(b)機能性添加剤
本発明の免疫賦活剤においては、ラクトフェリンと共に、有効成分として、アスパルテーム、麦芽糖、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖、トレハロース、還元パラチノース、還元麦芽糖、及びシェラックから選ばれる少なくとも1種の機能性添加剤を用いることが好ましい。アスパルテーム、ショ糖脂肪酸エステル、フラクトオリゴ糖、還元パラチノース、還元麦芽糖、及びシェラックは、単独ではマクロファージ活性化能がないにもかかわらず、ラクトフェリンと組み合わせることで、ラクトフェリン単独の場合に比して、マクロファージ活性化能を向上させることができる。なお、アスパルテーム、麦芽糖、フラクトオリゴ糖、トレハロース、還元パラチノース、還元麦芽糖等は、甘味料としても機能することから、本発明の免疫賦活剤に甘みを付与することができる。
【0026】
(c)アミノ酸
本発明の免疫賦活剤においては、ラクトフェリンと共に、有効成分として、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸(塩を含む)を用いることが好ましい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、塩酸塩等を挙げることができる。
【0027】
(d)ポリフェノール
本発明の免疫賦活剤においては、ラクトフェリンと共に、有効成分として、没食子酸及びクロロゲン酸から選ばれる少なくとも1種のポリフェノールを用いることが好ましい。
【0028】
(e)ビタミン・ミネラル類
本発明の免疫賦活剤においては、ラクトフェリンと共に、有効成分として、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD3、ビタミンE、パントテン酸ナトリウム、ナイアシン、葉酸、ビオチン、カルシウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、マグネシウム、及びクロムから選ばれる少なくとも1種のビタミン・ミネラル類を用いることが好ましい。なお、本発明のミネラル類としてのカルシウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、マグネシウム、及びクロムは、これらの金属を含む化合物の形態を含む。
【0029】
本発明の免疫賦活剤は、ラクトフェリン及び所定の他成分を含有し、免疫賦活に用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに免疫賦活作用(マクロファージ活性化)の機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、飼料等を挙げることができる。いわゆる健康食品においては、「健康な生活習慣を目ざす」、「すこやかな毎日に」、「健康な体を維持したい人に」、「戦う力を補う」、「外敵に負けない」、「健康なカラダをサポート」等を表示したものを例示することができる。本発明の免疫賦活剤は、性別や年齢に関係なく摂取することができるが、本発明の免疫賦活剤の効果をより有効に享受することができることから、女性が摂取することが望ましく、閉経後の女性が摂取することがより望ましい。
【0030】
本発明の免疫賦活剤の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤、粒状剤、棒状剤、板状剤、ブロック状剤、固形状剤、丸状剤、ペースト状剤、クリーム状剤、カプレット状剤、ゲル状剤、チュアブル状剤、スティック状剤等を挙げることができる。これらの中でも、錠剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、液剤の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント粉末飲料、インスタント顆粒飲料を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0031】
本発明の免疫賦活剤におけるラクトフェリン及び他成分(有効成分)の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。
【0032】
一般的には、本発明の免疫賦活剤が医薬品やサプリメント(錠剤,カプセル剤)の場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01〜100質量%含まれていることが好ましく、0.1〜85質量%含まれていることがより好ましく、0.5〜70質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0033】
本発明の免疫賦活剤が容器詰飲料(液剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の0.01〜10質量%含まれていることが好ましく、0.03〜6質量%含まれていることがより好ましく、0.05〜4質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0034】
また、本発明の免疫賦活剤がインスタント粉末飲料(粉末剤)、インスタント顆粒飲料(顆粒剤)である場合には、有効成分が乾燥質量換算で全体の1〜100質量%含まれていることが好ましく、5〜90質量%含まれていることがより好ましく、10〜80質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0035】
本発明の効果をより有効に発揮させるためには、有効成分が乾燥質量換算で本発明の免疫賦活剤全体(水分を除く)の80質量%以上含まれていることが好ましく、90質量%以上含まれていることがより好ましく、95質量%以上含まれていることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。さらに、本発明の免疫賦活剤が成分(a)〜(e)のいずれかを含有する場合、その含有される成分は、本発明における有効成分のみで構成されることが好ましい。すなわち、本発明の免疫賦活剤が例えば成分(a)(植物素材)を含む場合には、甘藷、長命草、ヨモギ、松、葛、ターミナリア以外の植物素材を含まないように構成することが好ましい。
【0036】
本発明の免疫賦活剤の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、1日当たりの有効成分の摂取量が、50mg/日以上となるように摂取することが好ましく、100mg/日以上となるように摂取することがより好ましく、300mg/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は特に制限されないが、例えば、8g/日であり、好ましくは4g/日である。本発明の免疫賦活剤は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2〜3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0037】
ラクトフェリン及び他成分の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.5:1〜70:1の範囲であることが好ましく、0.75:1〜60:1の範囲であることがより好ましく、1:1〜60:1の範囲であることがさらに好ましく、1:1〜50:1の範囲であることが特に好ましい。ラクトフェリン及び他成分の配合比が、上記範囲であることにより、本発明の効果をより有効に発揮することができる。
【0038】
本発明の免疫賦活剤は、必要に応じて、経口用として許容される添加剤や、有効成分以外の成分を添加して、公知の製剤方法によって製造することができる。
【0039】
また、本発明の免疫賦活剤としては、有効成分を含有する免疫賦活用食品の他、食品に対して有効成分を添加して得た免疫賦活用食品を挙げることができ、例えば、通常の食品(天然の食品を含む)に比して本発明の有効成分含有量を増加させた食品や、本発明の有効成分を通常含まない食品に対して有効成分を添加した食品を挙げることができる。有効成分の添加は、それぞれの成分を別々に添加してもよいし、同時に添加してもよく、また、有効成分以外の他の成分と共に添加してもよい。
【0040】
本発明の免疫賦活用食品としては、例えば、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料、スムージー、青汁等の飲料;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓;そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及びその加工食品;ソース、醤油等の調味料;カレー、シチュー、親子丼、お粥、雑炊、中華丼、かつ丼、天丼、牛丼、ハヤシライス、オムライス、おでん、マーボドーフ、餃子、シューマイ、ハンバーグ、ミートボール、各種ソース、各種スープ等のレトルトパウチ食品などを挙げることができる。
【0041】
本発明の免疫賦活方法としては、上記説明した本発明の免疫賦活剤を摂取させることを特徴とするが、医療行為は含まれない。本発明の免疫賦活剤は、性別や年齢に関係なく摂取することができるが、本発明の免疫賦活剤の効果をより有効に享受することができることから、女性に摂取させることが望ましく、閉経後の女性に摂取させることがより望ましい。本発明の方法としては、例えば、レストラン等の飲食店において、本発明の免疫賦活用食品を提供することにより、免疫の強化を図る方法を挙げることができる。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
[実施例1]
1.細胞の培養
(1)37℃、5%CO
2インキュベーター内で、75cm
2フラスコを用いて、RAW264.7細胞を10%FBS−DMEM(以下、培地)により培養した。
(2)トリプシン処理により浮遊させた細胞を、75cm
2フラスコから96well plateの各wellに、2.5×10
4cells/wellの細胞密度で播種した。
(3)37℃、5%CO
2インキュベーター内で48時間前培養した。
(4)各wellより培地を除去後、所定濃度に調製した被験物質含有培地を100μLずつ添加し、CO
2インキュベーター内で24時間培養した。なお、ラクトフェリンと他成分との併用サンプルについては、それぞれ2倍濃度の被験物質含有培地を調製し、50μLずつ添加することで目的の濃度とした。また、controlについては、被験物質をDMSOに溶解したものに対しては0.25%DMSO含有培地を用いた。
【0043】
具体的に、被験物質培地の調製は、以下のように行った。
ラクトフェリンについては、10%FBS−DMEMに溶解し、所定濃度(μg/mL)に調整した。
【0044】
ラクトフェリンと共に用いる他成分としては、表1〜表5に示す物質を用いた。他成分については、基本的に、被検物質を10%FBS−DMEMに溶解し、所定濃度(μg/mL)に調整した。ラクトフェリンとの併用サンプルは2倍濃度の被験物質含有培地を等量混合し、所定濃度とした。
【0045】
ただし、黒ショウガ及びココナッツ(植物素材)、ショ糖脂肪酸エステル、シェラック及びステアリン酸カルシウム(機能性添加剤)、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD3及びビタミンK(ビタミン類)については、被検物質をDMSOに溶解し、DMSO終濃度が0.25%になるよう所定濃度(μg/mL)に調整した。ラクトフェリンとの併用サンプルは2倍濃度の被験物質含有培地を等量混合し、所定濃度とした(DMSO終濃度0.25%)。
【0046】
2.NO測定
(1)24時間培養後、培養上清50μLを回収した。培養上清50μLにグリース試薬(2%リン酸、1%スルファニルアミド、0.1%N−1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩)50μLを添加し、550nmの吸光度(A)を測定した。
また、ブランクとして被験物質含有培地50μLとグリース試薬50μLを反応後、550nmの吸光度(B)を測定し、A−Bを試料の吸光度として用いた。
(2)10%FBS−DMEMにて調製した亜硝酸ナトリウム溶液で検量線を作成し、NO濃度(μM)を算出した。
(3)算出したNO濃度を元に「% of control」を算出した。
「% of control」
=試料のNO濃度(μM)/controlのNO濃度(μM)×100
【0047】
その結果を表1〜表5、及び
図1〜
図15に示す。図中の各グラフは、左から、「コントロール(添加なし)」、「ラクトフェリン(LF)の単独添加」、「他成分の単独添加」、「ラクトフェリン+他成分添加」の結果を表す。また、グラフ下部の説明における数値は、サンプル濃度を示し、例えば、
図1の左のグラフの「LF_1000」は、ラクトフェリン1000(μg/mL)を示す。添加成分の濃度単位は、すべてのグラフにおいて、μg/mLである。なお、グラフの縦軸はNO濃度の「% of control」を表す。
【0048】
【表1】
【0049】
甘藷については、生若葉の微粉砕末を用いた。
長命草については、生葉の微粉砕末を用いた。
ヨモギについては、生葉の微粉砕末を用いた。
葛については、花の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
松については、フランス海岸松の樹皮の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
ターミナリアについては、果実の熱水抽出物(乾燥粉末)を用いた。
米ぬかについては、市販品を用いた。
マキベリーについては、市販品の果実の乾燥粉末を用いた。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
表1〜表5、及び
図1〜
図15に示すように、ラクトフェリンと、特定の他成分を組み合わせることにより、マクロファージ活性化能を相乗的に向上させることができる。
【0055】
[実施例2](錠剤の製造)
配合成分 組成(mg)
ラクトフェリン 100
甘藷若葉 60
フラクトオリゴ糖 50
ショ糖脂肪酸エステル 20
シェラック 10
アラニン 10
没食子酸 10
ビタミンB1 10
塩化カルシウム 15
上記組成物を打錠し、錠剤を製造した。
【0056】
[実施例3](カプセル剤の製造)
配合成分 組成(mg)
ラクトフェリン 200
長命草 50
麦芽糖 10
フラクトオリゴ糖 20
アスパラギン 10
没食子酸 5
ビタミンC 5
塩化鉄 3
上記組成物をソフトカプセルに封入し、カプセル剤を製造した。
【0057】
[実施例4](インスタント粉末剤の製造)
配合成分 組成(mg)
ラクトフェリン 1000
甘藷若葉 250
長命草 150
ヨモギ 150
松樹皮抽出物(乾燥粉末) 2.5
葛の花抽出物(乾燥粉末) 1.0
ターミナリア 150
アスパルテーム 50
アラニン 5
没食子酸 10
ビタミンB1 10
塩化カルシウム 15
上記組成物を混合し、粉末剤を製造した。
【0058】
[実施例5](PETボトル液剤の製造)
配合成分 組成(mg)
ラクトフェリン 2000
甘藷若葉 25
長命草 25
ヨモギ 25
松樹皮抽出物(乾燥粉末) 0.5
葛の花抽出物(乾燥粉末) 0.25
ターミナリア 25
アスパルテーム 50
アスパラギン酸 5
クロロゲン酸 10
ビタミンC 5
葉酸 10
グルコン酸亜鉛 0.1
水 350ml
上記組成物をペットボトルに充填して密封し、液剤を製造した。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の免疫賦活剤は、免疫を強化する効果を有し、経口剤として用いることができることから、本発明の産業上の有用性は高い。