【課題】少なくとも1の水素結合供与体部分及びプロトン供与体部分を有する活性剤(例えば、イブプロフェン、フェノフィブリン酸、又は、ナプロキセン)の固体分散体生成物の放出プロフィールの改善
【解決手段】(a)少なくとも1の水素結合供与体部分及びプロトン供与体部分を有する活性剤;(b)製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマー;及び(c)製薬上許容されるpH調節剤を含有する固体分散体を含む製剤
前記水素結合供与体部分が、第一級アミノ、第二級アミノ、ヒドロキシ、カルバモイル、チオカルバモイル、スルファモイル、スルフィナモイル及びウレイドから選択される、請求項2に記載の製剤。
前記活性剤が、(RS)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン酸、2−{4−[(4−クロロフェニル)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸及び(2S)−2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸から選択される、請求項1に記載の製剤。
前記酸性pH調節剤が、一塩基カルボン酸、二塩基カルボン酸、多塩基カルボン酸、モノスルホン酸、ジスルホン酸、ポリスルホン酸及びそれらの酸性塩から選択される、請求項13に記載の製剤。
請求項1〜15のいずれか1項に記載の製剤を製造する方法であって、少なくとも1の水素結合供与体部分又はプロトン供与体部分を有する前記活性剤、前記製薬上許容されるpH調節剤及び前記製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーを密接にブレンドする、製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
用語「製薬上許容される」は、本明細書中で使用される場合、特定の化合物を含んでいる本発明の製剤が医学的治療若しくは化粧品としての処置又は医学的予防に必要な量で投与された場合に、又は、本発明の該製剤を含んでいる栄養学的生成物の推奨されている最大摂取量を消費することによって摂取される量で投与された場合に、急性毒性を引き起こすことのない化合物を示している。便宜上、本発明の製剤の全ての成分は、製薬上許容される。
【0013】
本明細書中で使用される場合、用語「pH調節剤」は、水中に溶解されたときに、アルカリ性の環境を作ることが可能な化合物(「アルカリ性pH調節剤」)又は酸性の環境を作ることが可能な化合物(「酸性pH調節剤」)を示している。
【0014】
用語「水素結合供与体部分」は、本明細書中で使用される場合、比較的電気的陰性の原子(例えば、酸素原子又は窒素原子)に結合した水素原子を含んでいて、塩基性水溶液の中で解離しない(プロトンを放出しない)部分を示している。
【0015】
代表的な水素結合供与体部分は、第一級アミノ、第二級アミノ、ヒドロキシ、カルバモイル、チオカルバモイル、スルファモイル、スルフィナモイル及びウレイドから選択される。
【0016】
用語「プロトン供与体部分」は、本明細書中で使用される場合、酸性水素原子を含んでいて、塩基性水溶液の中で解離してプロトンを放出することが可能な部分を示している。好ましくは、本発明において使用される活性剤のプロトン供与体部分は、3.0〜5.5(例えば、4.0〜5.0)のpKa値を有している。
【0017】
該プロトン供与体部分は、酸性水素が酸素又は窒素などのヘテロ原子に結合している有機酸部分であり得る。そのようなプロトン供与体部分の例としては、カルボキシ、スルホ及びスルフィノなどを挙げることができる。カルボキシが特に好ましい。
【0018】
あるいは、該プロトン供与体部分は、CH−酸性部分であり得る。CH−酸性部分の中の酸性水素原子は、強電子吸引性基(例えば、カルボニル基(例えば、エステル、ケトン又はアルデヒドにおけるカルボニル基)、スルホニル基、シアノ基、トリフルオロメチル基又はニトロ基)に隣接する炭素原子(即ち、α位)に結合しており、その強電子吸引性基は、そのα−炭素と酸性水素原子の間の結合を分極させる誘起効果を示す。CH−酸性部分は、プロトン化されたときに共鳴安定化アニオン(resonance−stabilized anion)を形成する部分を含んでいる。
好ましい実施形態においては、該活性剤は、少なくとも1のカルボキシ基又はCH−酸性部分を有している。
【0019】
本発明の一実施形態においては、該活性剤は、非イオン性化合物である。
【0020】
特に、本明細書中に記載されている固体分散体生成物の中に含まれている活性剤(1種類又は複数種類)は、医薬的活性剤、化粧品的活性剤及び栄養補給剤から選択され得る。
【0021】
本発明は、水不溶性又は水難溶性(又は、親油性)の化合物に対して、特に有用である。化合物は、その25℃(pH7.0)での水中溶解度が1g/100mL以下(特に、0.1g/100mL以下、0.05g/100mL以下、又は、さらに、0.01g/100mL以下)である場合、水不溶性又は水難溶性であると見なされる。
【0022】
本発明による医薬的活性剤の例としては、限定するものではないが、以下のものを挙げることができる:
(RS)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン酸[イブプロフェン];
2−{4−[(4−クロロフェニル)カルボニル]フェノキシ}−2−メチルプロパン酸[フェノフィブリン酸];
(2S)−2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸[ナプロキセン];
及び、それらの立体化学的異性体形態。
【0023】
用語「立体化学的異性体形態」は、当該活性成分が有し得る可能な全ての立体異性体形態を定義している。特に、立体中心(stereogenic center)は、R配置又はS配置を有することができ、そして、1以上の二重結合を有している活性成分は、E配置又はZ配置を有することができる。
【0024】
本明細書中に記載されている固体分散体生成物は、該生成物の総重量に対して、約1重量%から最大で60重量%まで(例えば、約1重量%から最大で40重量%まで、約1重量%から最大で30重量%まで、約1重量%から最大で20重量%まで、又は、約1重量%から最大で10重量%まで)の活性剤(1種類又は複数種類)を含有することができる。
【0025】
本明細書中に記載されている固体分散体生成物の中で使用されている製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーは、固体を溶解し得る溶媒として作用することが可能な熱可塑性高分子である。それは、該活性剤(1種類又は複数種類)と該pH調節剤(1種類又は複数種類)を分散させるための(特に、溶解させるための)マトリックスを形成する。好ましくは、該ポリマーは、特に、その使用条件下において、とりわけ、当該製剤が経口投与を意図したものである場合には消化管内の生理学的な条件下においては、水性媒体中で少なくとも部分的に溶解し得るか又は膨潤し得る。最も好ましくは、該ポリマーは、水溶性ポリマーである。
【0026】
用語「グラフトコポリマー」は、第1のポリマー鎖が第2のポリマー鎖にグラフトしているコポリマーを示している。言い換えれば、グラフトコポリマーは、ポリマー鎖の側面に異なる化学組成を有する1種類の「伸長する」ポリマー鎖を有している。
【0027】
上記固体分散体生成物の中で使用されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーは、ポリアルキレングリコール鎖の側面にN−ビニルラクタム/ビニルアセテートコポリマーのポリマー鎖が伸長しているコポリマーである。
【0028】
そのようなグラフトコポリマーを製造する方法は、概して、当技術分野において知られている。それらは、ポリ(アルキレングリコール)の存在下でN−ビニルラクタムとビニルアセテートを重合させることによって得ることができる。重合は、好ましくは、フリーラジカルによって開始させ、及び、好ましくは、非水性有機溶媒の中の溶液状態で、又は、非水性溶媒と水性溶媒の混合物の中の溶液状態で、実施する。本発明に関して有用なポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーを製造するのに適している方法は、例えば、WO2009/013202及びWO 2007/051743に記載されている。
【0029】
本明細書中に記載されている固体分散体生成物の中で使用される製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーは、
(i) 10〜50重量%のポリ(アルキレングリコール)部分;
(ii) 30〜80重量%のN−ビニルラクタム部分;及び、
(iii) 10〜50重量%のビニルアセテート部分
を含んでいる。
【0030】
好ましくは、該グラフトコポリマーは、
(i) 10〜35重量%のポリ(アルキレングリコール)部分;
(ii) 30〜70重量%のN−ビニルラクタム部分;及び、
(iii) 15〜35重量%のビニルアセテート部分
を含んでいる。
【0031】
さらに好ましくは、該グラフトコポリマーは、
(i) 10〜30重量%のポリ(アルキレングリコール)部分;
(ii) 40〜60重量%のN−ビニルラクタム部分;及び、
(iii) 15〜35重量%のビニルアセテート部分
を含んでいる。
【0032】
該グラフトコポリマーは、
(i) 10〜20重量%のポリ(アルキレングリコール)部分;
(ii) 50〜60重量%のN−ビニルラクタム部分;及び、
(iii) 25〜35重量%のビニルアセテート部分
を含んでいるのが特に好ましい。
【0033】
いずれの場合にも、(i)と(ii)と(iii)の総量は、該ポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーの総重量の少なくとも95重量%、少なくとも99重量%及び、好ましくは、100重量%を構成する。
【0034】
該グラフトコポリマーのN−ビニルラクタム部分は、N−ビニルカプロラクタム部分又はN−ビニルピロリドン部分又はそれらの混合物であることができ、好ましくは、N−ビニルカプロラクタム部分である。
【0035】
ポリ(アルキレングリコール)は、該グラフトコポリマーの骨格鎖を構成する。グラフトする基体として、好ましくは、1,000〜100,000、又は、1,500〜35,000、又は、特に、1,500〜10,000の数平均分子量を有するポリ(アルキレングリコール)を使用する。該分子量は、DIN 53240に従って測定されるヒドロキシル価に基づいて決定する。該ポリ(アルキレングリコール)のアルキル部分は、分枝鎖又は直鎖のC
1〜C
22アルキル部分(特に、C
1〜C
18アルキル部分、例えば、メチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、及び、オクタデシル)から選択され得る。例えば、該ポリ(アルキレングリコール)は、以下のものから選択される:ポリ(エチレングリコール);ポリ(プロピレングリコール);ポリテトラヒドロフラン;2−エチルオキシラン又は2,3−ジメチルオキシランから得られるポリ(ブチレングリコール);エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び/若しくはブチレンオキシドから得られるコポリマー、例えば、ポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)ブロックコポリマー;又は、それらの混合物。好ましくは、該ポリ(アルキレングリコール)は、ポリ(エチレングリコール)及びそれらの混合物から選択される。
【0036】
本発明に従って使用されるグラフトコポリマーは、適切には、10〜60(好ましくは、15〜40)のFikentscherによるK値を有する(1重量%エタノール溶液中で、31〜41℃で測定)。
【0037】
本発明の1実施形態では、該ポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーは、ポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテートポリ(エチレングリコール)グラフトコポリマーである。
【0038】
本発明の好ましい実施形態では、該ポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーは、90,000〜140,000の範囲内のゲル浸透クロマトグラフィーで測定された数平均分子量及び70℃のガラス転移温度を有するポリビニルカプロラクタムポリビニルアセテートポリ(エチレングリコール)グラフトコポリマー、例えば、Soluplus(登録商標)(供給元:BASF AG, Ludwigshafen, Germany)である。
【0039】
本明細書中に記載されている固体分散体生成物は、少なくとも1種類の製薬上許容されるpH調節剤を含んでいる;例えば、当該固体分散体生成物の総重量当たり、0.5〜20重量%の、又は、0.5〜10重量%の、又は、1〜6重量%のpH調節剤(1種類又は複数種類)を含んでいる。
【0040】
好ましくは、本発明において使用されるpH調節剤は、周囲温度では固体である水溶性化合物である。
【0041】
本発明の1実施形態によれば、該製薬上許容されるpH調節剤は、酸性pH調節剤である。そのような酸性pH調節剤としては、以下のものを挙げることができる:製薬上許容される無機酸、例えば、スルファミン酸、並びに、製薬上許容される有機酸、例えば、一塩基カルボン酸、二塩基カルボン酸又は多塩基カルボン酸、及び、モノスルホン酸、ジスルホン酸又はポリスルホン酸、並びに、それらの酸性塩、例えば、有機酸又は無機酸の酸性アンモニウム塩、酸性アルカリ金属塩及び酸性アルカリ土類金属塩。
【0042】
本発明に関するpH調節剤として有用な製薬上許容されるカルボン酸としては、以下のものを挙げることができる:脂肪族のモノカルボン酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸例えば、2〜8個の炭素原子を有するもの、特に、4〜6個の炭素原子を有するもの。該カルボン酸は、飽和であっても又は不飽和であってもよい。適切なモノカルボン酸の例としては、ソルビン酸、グルコン酸、乳酸、グリコール酸及びアスコルビン酸などを挙げることができる。適切なジカルボン酸の例としては、アジピン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、タルトロン酸、粘液酸、グルタミン酸及びアスパラギン酸などを挙げることができる。適切なトリカルボン酸の例としては、クエン酸などを挙げることができる。
【0043】
本発明の特定の実施形態では、該酸性pH調節剤は、クエン酸(C
6H
8O
7)又はアスコルビン酸(C
6H
8O
6)である。
【0044】
本発明の別の実施形態では、該製薬上許容されるpH調節剤は、アルカリ性pH調節剤である。そのようなアルカリ性pH調節剤の例としては、以下のものを挙げることができる:有機酸及び無機酸の製薬上許容される塩基性塩、塩基性アミノ酸、金属酸化物、並びに、金属水酸化物。
【0045】
有機酸の適切な製薬上許容される塩基性塩としては、以下のものを挙げることができる:有機酸の塩基性アルカリ金属塩及び塩基性アルカリ土類金属塩。該有機酸は、酸性pH調節剤として本明細書中に記載されている有機酸であり得る。
【0046】
無機酸の適切な製薬上許容される塩としては、以下のものを挙げることができる:無機酸の塩基性アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、特に、リン酸又はカルボン酸の塩基性塩。例えば、該塩は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム及び炭酸マグネシウムから選択され得る。
【0047】
適切な製薬上許容される金属酸化物及び金属水酸化物としては、以下のものを挙げることができる:それぞれ、塩基性アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物、又は、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物。そのような化合物の例は、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムである。
【0048】
適切な製薬上許容される塩基性アミノ酸としては、アルギニン及びリシン並びにそれらの塩基性塩などを挙げることができる。
【0049】
本発明の特定の実施形態では、該アルカリ性pH調節剤は、クエン酸三ナトリウム(Na
3C
6H
5O
7)、酸化マグネシウム(MgO)又は炭酸ナトリウム(Na
2CO
3)である。
【0050】
本明細書中に記載されている固体分散体生成物は、少なくとも1種類のグラフトコポリマーのマトリックス(b)を含んでおり、そのマトリックスの中に、少なくとも1種類の活性剤(a)及び少なくとも1種類のpH調節剤(c)が均質に分配されている。好ましくは、 成分(a)、成分(b)及び成分(c)の総量は、該固体分散体生成物の、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%を構成し、及び、最も好ましくは、該固体分散体生成物の100重量%を構成する。
【0051】
本発明の製剤には、さまざまな添加剤(例えば、滑沢剤、増量剤、崩壊剤、防腐剤、又は、安定剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、遊離基捕捉剤及び微生物の攻撃に対する安定剤、染料、例えば、アゾ染料、有機若しくは無機の顔料、例えば、酸化鉄又は二酸化チタン、天然の染料、並びに、当該製剤の香味及び/若しくは臭気を改変若しくはマスクする化合物、例えば、甘味料、矯味矯臭剤及び着臭剤)を含ませることができる。
【0052】
該固体分散体生成物のマトリックスは、該製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーによって形成させる。該固体分散体生成物の中の該活性剤(1種類又は複数種類)は、本質的に非晶質状態で存在しているのが、特に好ましい。これは、活性剤(1種類又は複数種類)の本質的に無定形な領域が当該マトリックスの中に点在している状態、及び、該活性剤(1種類又は複数種類)が当該マトリックスの中に分子的に分散している状態を包含する。高分子相中における該活性剤(1種類又は複数種類)の当該分散が、活性剤とポリマーからなる当該系が化学的及び物理的に至るところで一様又は均質であるようなものである場合、そのような固体分散体は、「固溶体」又は「分子分散」と称される。分子分散の状態は、該活性剤が該ポリマー相の中に最大限可能な均質な状態で存在していることに対応する。
【0053】
既知分析的方法、例えば、示差走査熱量測定(DSC)又は広角X線散乱測定(WAXS測定)を用いて、そのような固体分散体の状態を調べることができる。本質的に非晶質な状態のDSC分析的測定は、純粋な結晶質物質で生じる溶融ピークを欠いており、そして、通常、吸熱性である。本質的に非晶質な状態を確認することに関する別の可能性は、WAXS分析における典型的なX線回折シグナルの強度の低下及び/又は非存在である。
【0054】
本明細書中に記載されている固体分散体生成物を製造するのに適用することが可能なさまざまな固体分散体製造方法が、当技術分野において知られている。
【0055】
該固体分散体生成物は、酸素原子又は窒素原子に結合している少なくとも1個の水素原子を有する少なくとも1種類の活性剤と少なくとも1種類の製薬上許容されるpH調節剤と少なくとも1種類の製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーをブレンドし;そのブレンドを加熱して均質な溶融物とし;及び、その溶融物を固化させて固体分散体生成物を得ることによって、製造することができる。用語「溶融物」又は「溶融させる」は、広く解釈されるべきである。本発明における目的のために、これらの用語は、固体状態から液体状態への変質を意味するのみではなく、ガラス状態又はゴム状態への遷移も示し得るが、ここで、当該混合物の1種類の成分が残りの成分の中におおよそ均質に組み込まれていることも可能である。特定の場合には、1種類の成分は溶融し、そして、残りの成分(1種類又は複数種類)はその溶融物の中に溶解し、それによって、冷却されたときに有利な溶解特性を有する固体分散体を形成し得る溶液を形成する。ブレンド及び加熱は、好都合には、加熱のためのジャケットが付けられている混合機又は混練機の中で実施する。
【0056】
本発明の製剤を製造するための好ましい方法は、
(a) 該活性剤(1種類又は複数種類)と該pH調節剤(1種類又は複数種類)と該グラフトコポリマー(1種類又は複数種類)をブレンドすること;
(b) 該ブレンドを加熱して均質な溶融物とすること;
(c) そのようにして得られた溶融物を1以上のノズルを通して押し出すこと;及び、
(d) その溶融物を固化させて固体分散体生成物とすること
を含んでいる。
【0057】
段階(a)〜段階(c)は、上記目的に適している1又はそれ以上の装置(例えば、押出機又は混練押出機)の中で実施することができる。好ましくは、該ブレンドを、押出機の混合区域内で混合作用に付す。
【0058】
押出機は、自体公知である。押出機は、幾つかに分割されたハウジング又はバレルを長手方向に含んでいる。押出機の上流域には、該活性剤(1種類又は複数種類)、該pH調節剤(1種類又は複数種類)及び該グラフトコポリマー(1種類又は複数種類)並びにさらなる任意の成分(例えば、本明細書中に記載されている添加剤)を給送するために開口部が設けられている。通常、当該成分(これは、通常、粉末の形態にある)が押出機のバレルの中に容易に給送され得るように、上記開口部にホッパーが配置されている。そのバレルの末端は、当該分散液が押し出されるダイの中の輸送方向にある。
【0059】
該押出機は、少なくとも1の回転軸を含んでいる。あるいは、該押出機は、2つの又は最大で6までの回転軸を含み得る。該軸は、共回転であり得るか又は逆回転であり得る。隣接する軸上に配置されている加工エレメント(processing element)は、ぴったりとかみ合っている。
【0060】
各軸は、軸方向に前後に配置された複数の加工エレメントを有している。その加工エレメントは、給送及び輸送区域、少なくとも1の混合区域並びに排出区域の境界を定めている。該給送及び輸送区域は、最も上流で、押出機のホッパーに近接して配置されており、該少なくとも1の混合区域は、該給送及び輸送区域の下流に配置されており、並びに、該排出区域は、最下流で、押出機の排出開口部に近接して配置されている。本明細書中で使用されている用語「下流」は、当該材料物質が押出機の中を輸送されている方向(即ち、輸送方向)を示している。
【0061】
該給送及び輸送区域の加工エレメント並びに該排出区域の加工エレメントは、スクリュー型のエレメントによって形成されている。好ましくは、これらのスクリュー型エレメントは、給送方向と均一なピッチフライトを有するエンドレススクリューを形成する。かくして、該給送及び輸送区域において、該粉末は押出機の中に給送され、下流方向に輸送される。
【0062】
該混合区域(1つ又は複数)において、加工対象の材料物質は、混合又は混練によって均質化される。薬剤混合物の混練及び可塑化においては、慣習的に、パドル手段又は混練ブロックが使用されている。これらの混練ブロックは、周辺方向においてある角度で互いにオフセットされているカムディスクで構成されている。該カムディスクは、押出機内の全体的な輸送方向に対して直角な隣接する面を有している。あるいは、該混合区域(1つ又は複数)は、スクリュー型エレメントから誘導される混合エレメントを含んでいる加工エレメント(1つ又は複数)によってその境界が定められている。「スクリュー型エレメントから誘導される」混合エレメントは、その基本的な形状はスクリューエレメントの形状であるが輸送効果に加えて配合効果又は混合効果も発揮するように改変されているエレメントを意味することが意図されている。基本的なスクリュー型エレメントは、前向きフライト(positive−flight)〔前向き給送(positive−feed)、「右回り(right−handed)」〕スクリューエレメントを有し得るか、逆向きフライト(reverse−flight)〔逆向き給送(negative−feed)、「左回り(left−handed」)〕スクリューエレメントを有し得るか、又は、それらを組み合わせたものを有し得る。好ましい混合エレメントは、スクリュー型エレメントの中に回転して進んでいく溝によって形成される複数の同軸環部分を有している。従って、該混合エレメントは、連続的なスクリューフライトを有しており、その連続的なスクリューフライトは、環部分を有する回転する溝によってのみ中断されている。有利には、該混合エレメントは、剪断作用及び伸長を伴って押出ハウジングと環部分の間の環状ギャップを通して当該物質を押し出す圧力上昇を最初に引き起こすスクリュー部分を環部分の間に含んでいる。該圧力は、その後、再度低減される。
【0063】
該押出機の軸は、さらに、1つ又は2以上の逆向きフライト区域、好ましくは、(最後の)混合区域の後ろに配置され、逆向きフライト区域によって境界が定められている1つ又は2以上の逆向きフライト区域も含み得る。逆向きフライトエレメントは、押出機の全体的な輸送方向の境界を定める該給送及び輸送区域の中に配置され得るスクリュー型エレメントに対して逆向きのフライトを有するスクリューを有している。かくして、該逆向きフライトエレメントは、押出機の全体的な輸送方向に対して反対の方向に材料物質を輸送し、そして、望まれる程度の混合/均質化を可能とする充分な背圧を生み出す働きをする。該逆向きフライトエレメントは、押出機内を輸送される材料物質を格納するように設計される。従って、それは、背圧エレメントとも称され得る。
【0064】
押出機の中に給送される物質は、当該溶融物を均質化し且つ当該活性剤をマトリックスの中に効率的に分散させ、好ましくは、溶解させるために、溶融される。「溶融させる」は、1種類の成分が残りの成分の中に均質に埋め込まれることを可能とする液体状態又はゴム状態への遷移を意味する。溶融させることは、通常、当該ポリマーの軟化点を超えて加熱することを含んでいる。一般に、最大溶融温度は、50〜260℃(例えば、100〜190℃)の範囲内にあり、そして、好ましくは、160℃を超えない(例えば、140℃を超えない、又は、120℃を超えない)。該固体分散体生成物を形成させるのに最適な最大溶融温度は、溶融押出しようとする当該混合物の組成に依存し、例えば、当該生成物の中に混和させる活性剤の量及び融点に依存する。当該混合物の少なくとも一部分は、使用する温度において可塑化可能であることが必要である。便宜上、溶融押出される混合物の成分がいずれも分解されないような温度が選択されるべきである。
【0065】
溶融押出しようとする混合物のガラス転移温度及び溶融粘度は、高いガラス転移温度を有する熱可塑性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシアルキルセルロース又はヒドロキシアルキルデンプン)を添加することによって、調節することができる。可塑剤(例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール 400)を添加して、低いガラス転移温度を達成することができる。
【0066】
押出機に給送された物質から溶融物を形成得させるために、押出機のハウジングを加熱する。押出機の種類又は使用する押出機の中の配置の種類によって使用温度が決定されるということは、理解されるであろう。押出機内の成分を溶融、混合及び溶解させるのに必要なエネルギーの一部分は、加熱エレメントによって供給され得るが、押出機内の材料物質の摩擦及び剪断も、当該混合物に実質的な量のエネルギーを供給することが可能であり、そして、当該成分の均質な溶融物を形成させるうえで助けとなり得る。
【0067】
該活性剤を均質に分配させて、分散の程度が充分であるその活性剤の分散液を得るために、その溶融物を、充分に長い時間の間、溶融押出機の加熱されているバレルの中に維持する。
【0068】
該押出機から出てくる押出物は、ペースト状から粘性物まで多岐にわたる。該押出物を固化させる前に、その押出物を実質的に任意の所望形状に直接成形することができる。押出物の成形は、好都合には、表面上に相互に合致する窪みを有する2つの逆回転ローラーを有しているカレンダーによって実施することができる。種々の形態の窪みを有するローラーを用いることによって、広範囲な錠剤形態を達成することができる。ローラーがその表面上に窪みを有していない場合、フィルムを得ることができる。あるいは、該押出物は、射出成形によって、所望の形状に成形する。あるいは、該押出物は、異形押出に付して、固化前に切断して小片とする(ホットカット)か、又は、固化後に切断して小片とする(コールドカット)。
【0069】
そのような溶融押出プロセスから得られた固体分散体生成物は、場合により、粉砕又は摩砕して顆粒とする。その顆粒を、次に、圧縮成型することができる。圧縮成型は、空隙率が小さい成形体(例えば、錠剤)を得るために当該顆粒を構成する粉末塊を高圧下で圧縮するプロセスを意味する。粉末塊の圧縮は、通常、錠剤成形機の中で実施し、より特定的には、2つの可動式パンチの間の鋼製ダイの中で実施する。
【0070】
あるいは、該固体分散体生成物は、酸素原子又は窒素原子に結合している少なくとも1個の水素原子を有する少なくとも1種類の活性剤と少なくとも1種類の製薬上許容されるpH調節剤と少なくとも1種類の製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマーを適切な溶媒に溶解させ、次いで、その溶媒を除去することによっても製造することが可能である。適切な溶媒は、有機溶媒、例えば、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、酢酸エチル、アセトン及びジメチルホルムアミドなどであり得る。その溶媒を除去するためには、任意の乾燥方法(例えば、噴霧乾燥、流動床乾燥、ローラー乾燥、超臨界乾燥(supercritical drying)、凍結乾燥、真空乾燥又は蒸発)を使用することができる。
【0071】
本発明の製剤を経口投与するためには、顆粒剤、カプセル剤、ペレット剤、散剤又は錠剤などのさまざまな投与形態を使用することができる。
【0072】
顆粒剤は、本発明の製剤の固形粒で構成され、各粒は、粉末粒子の凝集塊に相当する。該顆粒剤の圧縮成型においては、好ましくは、滑沢剤を使用する。適切な滑沢剤は、ポリエチレングリコール(例えば、、1,000〜6,000のMwを有するポリエチレングリコール)、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなどから選択される。使用者には、単一用量調製物(例えば、小さな袋(サッシェ)、紙袋又は小さなボトルの中に入れられた顆粒剤)又は適切な寸法を必要とする複数用量調製物を提供することができる。しかしながら、多くの場合、そのような顆粒剤は、実際の薬物形態には相当せず、特定の薬物形態の製造における中間生成物、例えば、圧縮成型して錠剤になる錠剤顆粒(tablet granule)、硬カプセル剤の中に詰められるカプセル顆粒(capsule granule)又は摂取前に水の中に入れられる経口懸濁液剤用の即製顆粒若しくは顆粒などである。
【0073】
カプセル剤として、本発明の製剤は、通常、合わさって一緒になる2つの小片で構成されるハードシェルの中に詰められるか、又は、形状及び寸法がさまざまであり得る密閉された一体型ソフトシェルの中に詰められる。本発明の製剤は、同様に、適切なポリマー中のマトリックスの中に入れるか又は封入する(enveloped)か又は埋め込むことも可能である(即ち、マイクロカプセル及び微小球(microspherules))。硬カプセル剤及び軟カプセル剤は主としてゼラチンで構成されるが、後者は、適切な含有量の可塑化物質(例えば、グリセロール又はソルビトール)を含んでいる。硬カプセル剤は、固体コンシステンシーを有する本発明の製剤(例えば、顆粒剤、散剤又はペレット剤)を収容するために使用される。軟カプセル剤は、半固体のコンシステンシーを有する製剤に特に適しており、及び、必用に応じて、粘性液体のコンシステンシーを有する製剤にも特に適している。
【0074】
ペレットは、粒径が直径約0.5〜2mmの範囲内にある、本発明の製剤の顆粒である。狭い粒径分布(好ましくは、0.8〜1.2mm)を有し且つ本質的に丸い形状を有しているものが好ましい。
【0075】
錠剤は、特に経口で使用するための、固体調製物である。本発明の枠組みの範囲内における「経口投与(oral administration)」の意味は、特に、用語「経口投与(peroral administration)」又は「経口摂取(ingestion)」の意味であり、従って、錠剤は、消化管の中で当該活性剤を吸収させるか又は作用させるためのものである。特定の実施形態は、コーティング錠、積層錠(layered tablet)、薄層錠(laminated tablet)、当該活性剤の放出が改変されている錠剤、マトリックス錠、発泡錠、咀嚼錠又は丸剤である。本発明の製剤は、通常、必要な錠剤賦形剤の少なくとも一部分(例えば、結合剤、増量剤、流動促進剤(glidant)及び滑沢剤(lubricant)、並びに、崩壊剤)を含んでいる。本発明の製剤は、必用に応じて、別の適切な賦形剤(例えば、錠剤化を補助する賦形剤、例えば、滑沢剤及び流動促進剤、例えば、タルク及びシリコーン類、動物性又は植物性の脂肪、特に、水素化された形態にある動物性又は植物性の脂肪、及び、室温で固体である動物性又は植物性の脂肪)も含有し得る。コーティング錠は、さらに、適切なコーティング物質(例えば、コーティング助剤を含んでいるフィルムコーティング剤、特に、以下で挙げられているもの)も含んでいる。コーティング錠としては、特に、糖衣錠及びフィルムコーティング錠などがある。
【0076】
散剤は、粒径が通常1mm未満の本発明の製剤の微細分散固体である。顆粒剤について上記で記載したことは、同様に当てはまる。
【0077】
本明細書中に記載されている固体分散体生成物は、pH調節剤(1種類又は複数種類)を含んでいない固体分散体と比較して、水性媒体中で高い分散速度を有し、及び、含まれている活性剤(1種類又は複数種類)の水性媒体中への高い放出速度を有する。固体分散体生成物からの活性剤の放出は、「Chapter <711> Dissolution of United States Pharmacopeia (USP 33,2010)」に従って、USP装置2(パドル)及び37℃の溶出媒体500mL及び50rpmの撹拌速度を使用することによって、測定することができる。溶解された活性剤(1種類又は複数種類)は、HPLC及びUV/Vis光度測定法を用いて検出することができる。
【0078】
以下の非限定的な実施例によって、本発明についてさらに説明する。
【実施例】
【0079】
実施例1: DSC(示差走査熱量測定)装置を用いることによる固体分散体生成物の調製
適切な量の活性剤(フェノフィブリン酸、又は、ナプロキセン)、製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマー(Soluplus(登録商標))及び製薬上許容されるpH調節剤(クエン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム、又は、クエン酸)を秤量してサンプル容器の中に入れて、各サンプルについて、総量約200mgとした。約0.50〜0.75mLのテトラヒドロフランを添加した後、各サンプルを2時間撹拌した。炭酸ナトリウム又はクエン酸三ナトリウムを含んでいるサンプルに数滴の脱イオン水を添加して、該pH調節剤の溶解を促進した。次いで、そのサンプルを減圧下に室温で蒸発乾燥させて、固体分散体フィルムを形成させた。約70mgの各固体分散体フィルムを集め、160μLアルミニウムDSCパンの中にロードし、3℃/分の加熱速度で154℃まで加熱した。かくして、円柱状の固体分散体サンプルが得られた。
【0080】
実施例2: 熱溶融押出による固体分散体生成物の調製
各サンプル当たり適切な量の活性剤(フェノフィブリン酸、又は、ナプロキセン)、製薬上許容されるポリビニルラクタムポリビニルアセテートポリ(アルキレングリコール)グラフトコポリマー(Soluplus(登録商標);「BASF AG, Ludwigshafen, Germany」から入手可能である)及び製薬上許容されるpH調節剤(クエン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム、又は、クエン酸)と、1重量%のAerosilを混合させた。その混合物を、温度プロフィール(Z1=110℃、Z2=170℃、Z3=170℃)を有する押出機を用いる熱溶融押出によって加工した。
【0081】
実施例3: 固体分散体生成物の分散性
pH調節剤クエン酸三ナトリウムの存在下又は非存在下において、フェノフィブリン酸とSoluplus(登録商標)から、固体分散体生成物を調製した。その固体分散体生成物の組成は、表1中に示してある。該固体分散体生成物の分散性は、室温で、脱イオン水中で測定した。
【0082】
【表1】
【0083】
生成物#1及び生成物#2は、それぞれ、4時間後又は0.5時間後に完全に分散したが、対照生成物では、24時間後でさえ、分散は観察されなかった。
【0084】
実施例4: 固体分散体生成物からの薬物の放出
クエン酸、炭酸ナトリウム及び酸化マグネシウムから選択されるpH調節剤の存在下又は非存在下において、フェノフィブリン酸(「フェノ酸(Feno acid)」)又はナプロキセンとSoluplus(登録商標)から、固体分散体生成物を調製した。各固体分散体生成物の円柱状サンプル約70mgを、75mLの脱イオン水又はリン酸緩衝液(pH 6.8)を含んでいる容器の中に置いた。その容器を、37℃で、Heidolphプラットホームシェーカー上で250rpmの回転速度で振盪した。一定時間毎に、各溶液から50μLのサンプルを取り、メタノールで希釈し、及び、それが含んでいる希釈された薬物の量について、Shimadzu UV/Vis−1800装置上で分光法によって分析した。
【0085】
pH調節剤を含んでいる各サンプルは、pH調節剤を含んでいない対応するサンプルと比較して、有意に向上した薬物放出速度を示した(
図1〜
図8を参照されたい)。