【解決手段】電子部品1は、一方表面2aおよび他方表面2bを有するインターポーザ2を含む。インターポーザ2の一方表面2aには、複数の配線膜8が形成されている。複数の配線膜8にはチップ3が接合されている。チップ3は、複数の実装用電極21が形成された実装面20aとその反対側の裏面20bとを含む。チップ3は、複数の実装用電極21と複数の配線膜8とが接合されることによって、インターポーザ2の一方表面2aに実装面20aを対向させた状態で複数の配線膜8に接合されている。インターポーザ2上には、チップ3を封止する封止樹脂30が形成されている。この構成において、電子部品1は、チップ3の裏面20bが封止樹脂30から露出していることを特徴とする。
前記研削工程は、前記封止樹脂の表面の研削と同時に、前記チップの一部を裏面側から実装面側に向かって研削することによって前記チップを薄化する工程を兼ねている、請求項18に記載の電子部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子部品1を示す斜視図である。
図2は、
図1の電子部品1を示す平面図である。
図3は、
図2のIII-III線に沿う縦断面図である。
図4は、
図3の一点鎖線IVで取り囲まれた部分の拡大断面図である。
【0011】
図1〜
図3を参照して、電子部品1は、本発明の基板の一例としてのシリコン製のインターポーザ2を含む。なお、シリコン製のインターポーザ2に代えて、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の有機系の絶縁材料製のインターポーザ2が採用されてもよいし、ガラス(SiO
2)等の無機系の絶縁材料製のインターポーザ2が採用されてもよい。
インターポーザ2は、平面視長方形状に形成されており、一方表面2aと、その反対側の他方表面2bと、一方表面2aおよび他方表面2bを接続する側面2cとを有している。本実施形態では、インターポーザ2の一方表面2aおよび他方表面2bは、互いに平行な平坦面とされている。なお、以下では、インターポーザ2の短手方向に沿う側面2cを短手側面2cということがある。
【0012】
インターポーザ2の一方表面2aの中央部には、チップ3が配置されるチップ配置領域4が設定されており、インターポーザ2の一方表面2aにおけるチップ配置領域4の周囲には、外部端子5が配置される外部端子配置領域6が設定されている。チップ配置領域4はその一辺がインターポーザ2の各辺に平行な平面視四角形状に設定されている。外部端子配置領域6は、チップ配置領域4とインターポーザ2の一方の短手側面2cとの間、および、チップ配置領域4とインターポーザ2の他方の短手側面2cとの間に設定されている。外部端子配置領域6は、インターポーザ2の一方および他方の短手側面2cに沿って延びる平面視長方形状に設定されている。
【0013】
インターポーザ2の一方表面2aには、その全域を被覆するように絶縁膜7が形成されている。絶縁膜7は、窒化膜(SiN膜)であってもよいし、酸化膜(SiO
2膜)であってもよい。絶縁膜7上には、複数個(本実施形態では8個)の配線膜8が形成されている。
各配線膜8は、チップ配置領域4内に配置された第1パッド領域9と、外部端子配置領域6に配置された第2パッド領域10と、第1パッド領域9および第2パッド領域10を接続する接続領域11とを含む。本実施形態では、チップ配置領域4におけるインターポーザ2の一方の短手側面2c側および他方の短手側面2c側に第1パッド領域9が4個ずつインターポーザ2の短手方向に沿って間隔を空けて配置されている。各第1パッド領域9は、平面視四角形状に形成されている。
【0014】
また、本実施形態では、外部端子配置領域6におけるインターポーザ2の一方の短手側面2c側および他方の短手側面2c側に第2パッド領域10が4個ずつインターポーザ2の短手方向に沿って間隔を空けて配置されている。各第2パッド領域10は、平面視四角形状に形成されている。接続領域11は、対応する第1パッド領域9および第2パッド領域10の間において選択的に引き回されている。
【0015】
図3および
図4を参照して、本実施形態では、各配線膜8は、シード層12と、シード層12上に積層された配線膜8の本体となる導電体層13とを含む積層構造を有している。シード層12は、インターポーザ2側から順に積層されたTi膜14とCu膜15とを含む積層構造を有している。導電体層13は、本実施形態ではCuからなる単層構造を有しており、シード層12の厚さよりも大きい厚さを有している。この厚い導電体層13によって、配線抵抗の低減が図られている。
【0016】
各配線膜8におけるチップ配置領域4内に位置する部分には、当該配線膜8から上方に向かって立設された接続用電極16が配置されている。接続用電極16は、配線膜8の第1パッド領域9に接するように当該第1パッド領域9上に形成されており、ブロック状、ピラー状または柱状とされている。
接続用電極16は、Cuを含む本体部17と、本体部17上に形成され、Niを含むバリア層18とを含む積層構造を有している。接続用電極16は、高さTと幅Wとの比で定義されるアスペクト比R(=T/W)が1以下(R≦1)とされている。アスペクト比Rが1以下(R≦1)とされることにより、接続用電極16をバランスよく各配線膜8上に形成できる。
【0017】
図1〜
図3を参照して、チップ配置領域4には、チップ3が配置されている。チップ3は、略直方体形状とされたシリコン製、GaAs(ガリウムヒ素)製または絶縁材料製(たとえばガラス製やセラミック製)のチップ本体20を含む。チップ本体20は、複数個の実装用電極21が形成された実装面20aと、その反対側の裏面20bと、実装面20aおよび裏面20bを接続する側面20cとを有している。チップ本体20の実装面20aは、機能素子が形成された機能素子形成面でもある。この機能素子に、実装用電極21が電気的に接続されている。なお、チップ本体20の裏面20bはチップ3の裏面でもある。
【0018】
図3および
図4を参照して、実装用電極21は、チップ本体20の実装面20a側からこの順に積層されたCuを含む本体部22とNiを含むバリア層23とを含む積層構造を有している。バリア層23は、本実施形態では、本体部22側からこの順に積層されたNi層24、Pd層25およびAu層26を含む積層構造を有している。
チップ3は、複数個の実装用電極21と複数個の配線膜8とが接合されることによって、チップ本体20の実装面20aをインターポーザ2の一方表面2aに対向させた状態で複数個の配線膜8に接合されている。より具体的には、チップ3は、各実装用電極21と各第1パッド領域9に設けられた接続用電極16とが接合されて複数個の配線膜8に接合されている。チップ3は、接続用電極16によって、チップ本体20がインターポーザ2の一方表面2aから浮いた状態で各配線膜8に接合されており、チップ本体20の実装面20aとインターポーザ2の一方表面2aとの間に所定高さの空間A1が設定されている。
【0019】
なお、チップ本体20に形成される機能素子としては、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード(トランジスタを含む)等を例示できる。チップ3は、単一の機能素子からなるチップであってもよいし、複数の機能素子によって形成された集積回路を含むチップであってもよい。また、チップ本体20の実装面20a上には、当該実装面20aを被覆する絶縁層が形成されており、複数個の実装用電極21が当該絶縁層から外側に突出するように設けられていてもよい。また、この絶縁層内には、実装用電極21と機能素子とを電気的に接続させるための配線を選択的に含む配線層が形成されていてもよい。
【0020】
各実装用電極21と各第1パッド領域9に設けられた接続用電極16とは、導電性接合材27を介して接合されている。導電性接合材27は、たとえば半田または金属ペーストである。本実施形態では、導電性接合材27として半田が採用されており、接続用電極16のバリア層18および実装用電極21のバリア層23によって、接続用電極16の本体部17および実装用電極21の本体部22への半田の拡散が抑制されている。なお、各接続用電極16の本体部17と各実装用電極21の本体部22とが、直接接合された形態が採用されてもよい。各接続用電極16の本体部17と各実装用電極21の本体部22とは、たとえば公知の超音波接合法によって接合させることができる。
【0021】
外部端子配置領域6には、複数個の外部端子5が配置されている。各外部端子5は、各配線膜8の第2パッド領域10上に立設されており、各配線膜8の第2パッド領域10に接合された一端面5aと、その反対側に位置する外部接続用の他端面5bと、一端面5aおよび他端面5bの各周縁部を接続する側面5cとを有している。各外部端子5は、ブロック状、ピラー状または柱状に形成されている。
【0022】
インターポーザ2の一方表面2aには、チップ本体20の裏面20bの全域を露出させるようにチップ3を封止する封止樹脂30が形成されている。封止樹脂30は、たとえばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂またはアクリル樹脂を含む。封止樹脂30は、チップ本体20の側面20cの全域を被覆しているのに加えて、チップ本体20の実装面20aとインターポーザ2の一方表面2aとの間の空間A1を満たしている。また、封止樹脂30は、各外部端子5の側面5c全域を被覆し、かつ他端面5bを露出させるように各外部端子5を封止している。
【0023】
本実施形態では、接続用電極16によって、チップ本体20の実装面20aとインターポーザ2の一方表面2aとの間に封止樹脂30を充填させるのに十分な高さを有する空間A1が確保されている。したがって、当該空間A1において、ボイド(空孔)が形成されるのを良好に抑制しつつ、接続用電極16、実装用電極21および導電性接合材27の各外面の全域を封止樹脂30によって良好に被覆できる。これによって、ボイド(空孔)内に貯留される水分を原因とする接続用電極16、実装用電極21および導電性接合材27の腐食が抑制されている。
【0024】
封止樹脂30は、インターポーザ2の一方表面2a側に位置する表面30aと、インターポーザ2の側面2c側に位置する側面30bとを有している。チップ本体20の裏面20bおよび各外部端子5の他端面5bは、封止樹脂30の表面30aと段差なく繋がっている。チップ本体20の裏面20b、各外部端子5の他端面5bおよび封止樹脂30の表面30aは、インターポーザ2の一方表面2aおよび他方表面2bと平行な一つの平坦面を形成している。封止樹脂30の側面30bは、インターポーザ2の側面2cと段差なく繋がっている。
【0025】
外部端子5の他端面5bには、外部導電体膜31が形成されている。外部導電体膜31は、外部端子5の他端面5b側からこの順に積層されたNi層、Pd層およびAu層を含む積層構造を有している。外部導電体膜31は、外部端子5の他端面5bの全域を被覆しており、その一部が封止樹脂30の表面30aにオーバラップしている。
以上、本実施形態に係る電子部品1によれば、インターポーザ2上に配置されたチップ3のチップ本体20の裏面20bが、封止樹脂30から露出している。したがって、封止樹脂30内で発生した熱をチップ本体20の裏面20bを介して外部に放散させることができる。これにより、封止樹脂30内での温度上昇を抑制できるから、チップ3の温度上昇も抑制できる。
【0026】
特に、本実施形態に係る電子部品1によれば、チップ本体20の裏面20bの全域が封止樹脂30から露出している。これにより、封止樹脂30内で発生した熱をチップ本体20の裏面20bの全域を介して外部に放散させることができるから、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品1を提供できる。
次に、
図5を参照して、電子部品1の製造方法について説明する。
図5は、
図1の電子部品1の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0027】
電子部品1を製造するにあたり、まず、一方表面2aおよび他方表面2bを有するインターポーザ2が準備される(ステップS1)。本実施形態ではシリコン製のインターポーザ2が準備される。次に、たとえばCVD法または熱酸化処理によって、インターポーザ2の一方表面2aに絶縁膜7(本実施形態ではSiO
2膜)が形成される(ステップS2)。
【0028】
次に、絶縁膜7上に、複数個の配線膜8が形成される(ステップS3)。配線膜8を形成する工程では、まず、たとえばスパッタ法により、インターポーザ2の一方表面2aにTiおよびCuが順に堆積されて、Ti膜14およびCu膜15を含むシード層12が形成される。次に、たとえばマスクを介するエッチングにより、シード層12の不要な部分が選択的に除去される。
【0029】
次に、シード層12の平面形状に整合する平面形状の開口を有するマスクが絶縁膜7上に形成される。次に、たとえば電界めっき法により、開口から露出するシード層12上にCuが堆積されて導電体層13が形成される。これにより、第1パッド領域9、第2パッド領域10および接続領域11を含む所定パターンの配線膜8が形成される。その後、マスクが除去される。むろん、シード層12上に導電体層13を形成した後、配線膜8を形成すべき領域を被覆するマスクを介するエッチングにより、所定パターンの配線膜8を形成するようにしてもよい。
【0030】
次に、各配線膜8の第1パッド領域9上に接続用電極16が形成される(ステップS4)。接続用電極16を形成する工程では、まず、各配線膜8の第1パッド領域9の上面を選択的に露出させる開口を有するマスクが絶縁膜7上に形成される。次に、たとえば電界めっき法により、マスクの開口から露出する第1パッド領域9の上面にCuおよびNiが順にめっき成長される。これにより、Cuを含む本体部17と、Niを含むバリア層18とを含む積層構造を有する接続用電極16が形成される。その後、マスクが除去される。
【0031】
次に、各配線膜8の第2パッド領域10上に外部端子5が形成される(ステップS5)。外部端子5を形成する工程では、まず、各配線膜8の第2パッド領域10の上面を選択的に露出させる開口を有するマスクが形成される。次に、たとえば電界めっき法により、マスクの開口から露出する第2パッド領域10の上面にCuがめっき成長される。これにより、ブロック状、ピラー状または柱状の外部端子5が形成される。その後、マスクが除去される。
【0032】
次に、チップ3がインターポーザ2に実装される(ステップS6)。チップ3は、前述の通り、複数個の実装用電極21が形成された実装面20aと、その反対側の裏面20bとを有するチップ本体20を備えている。チップ3は、各実装用電極21と各配線膜8の第1パッド領域9に設けられた接続用電極16とが接合されることによって、インターポーザ2の一方表面2aに実装面20aを対向させた状態で複数個の配線膜8に接合される。
【0033】
次に、チップ本体20の裏面20bが露出するようにチップ3を封止する封止樹脂30がインターポーザ2上に形成される(ステップS7)。封止樹脂30を形成する工程では、まず、チップ3の外面全域に加えて外部端子5の外面全域を被覆するように封止樹脂30がインターポーザ2上に形成される。次に、チップ本体20の裏面20bに加えて外部端子5の他端面5bが露出するまで封止樹脂30の表面30aを研削する研削工程が実行される(ステップS8)。研削工程は、封止樹脂30の表面30aの研削と同時に、チップ3の一部を裏面20b側から実装面20a側に向かって研削することによってチップ3を薄化する工程を兼ねている。これにより、チップ3の厚さに加えて電子部品1の厚さが調整される。
【0034】
次に、各外部端子5の他端面5bを被覆する外部導電体膜31が形成される(ステップS9)。外部導電体膜31を形成する工程では、まず、各外部端子5の他端面5bを選択的に露出させる開口を有するマスクが封止樹脂30の表面30a上に形成される。次に、たとえば電界めっき法により、マスクの開口から露出する各外部端子5の他端面5b側から、Ni、PdおよびAuが順にめっき成長させられる。これにより、Ni層、Pd層およびAu層を含み、各外部端子5の他端面5bを被覆する外部導電体膜31が形成される。その後、マスクは除去される。このよな工程を経て、電子部品1が製造される。
【0035】
以上、本実施形態の製造方法によれば、インターポーザ2上に配置されたチップ本体20の裏面20bが、封止樹脂30から露出した構成の電子部品1を製造できる。したがって、製造された電子部品1では、封止樹脂30内で発生した熱をチップ本体20の裏面20bを介して外部に放散させることができる。これにより、封止樹脂30内での温度上昇を抑制できるから、チップ3の温度上昇も抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品1の製造方法を提供できる。
【0036】
また、本実施形態の製造方法は、チップ本体20の裏面20bが露出するまで封止樹脂30の表面30aを研削する研削工程(ステップS8)を含む。したがって、手間をかけることなく、チップ本体20の裏面20bの全域を封止樹脂30から良好に露出させることができる。これによって、封止樹脂30内で発生した熱をチップ本体20の裏面20bの全域を介して外部に放散させることができる電子部品1を提供できる。
【0037】
また、本実施形態の製造方法によれば、研削工程(ステップS8)が、チップ3の一部を裏面20b側から実装面20a側に向かって研削することによって当該チップ3を薄化する工程を兼ねている。したがって、チップ3の厚さに加えて、電子部品1の厚さを調整できる。これによって、電子部品1の微細化を容易に図ることが可能となる。
さらに、本実施形態の製造方法では、チップ本体20の外面全域が封止樹脂30によって保護された状態で、封止樹脂30の表面30aと共にチップ本体20の裏面20bを研削できる。これにより、チップ本体20の裏面20bとなる研削面にクラックが生じるのを効果的に抑制できる。よって、チップ3の低背化および電子部品1の低背化を良好に実現できる。
【0038】
一般的に、ガリウムヒ素(GaAs)系のチップ本体20を含むチップ3の場合、その性質上、シリコン(Si)系のチップ本体20を含むチップ3と比較して、研削等によってクラック等が生じやすく、チップ3の低背化が困難であるという課題がある。この点、本実施形態の製造方法では、チップ本体20の外面全域が封止樹脂30によって保護された状態でチップ本体20の裏面20bを研削できるから、ガリウムヒ素(GaAs)系のチップ本体20が採用される場合であっても、クラック等の発生を抑制しつつチップ3の低背化に加えて電子部品1の低背化を良好に図ることができる。
【0039】
<電子部品1の第1変形例>
図6は、
図1の電子部品1の第1変形例を示す縦断面図である。
図6は、前述の
図3に対応する部分の縦断面図である。
図6において、前述の
図1〜
図5に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第1変形例に係る電子部品1は、チップ本体20の裏面20bに接合され、封止樹脂30の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する放熱部材32をさらに含む。より具体的には、放熱部材32は、チップ本体20の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有しており、本変形例では金属層33によって形成されている。金属層33は、前述の外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)のマスクレイアウトを変更することにより形成されており、チップ本体20の裏面20b側から順に積層されたNi層、Pd層およびAu層を含む積層構造を有している。金属層33は、たとえば金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を含む単層構造を有していてもよい。
【0040】
このように、第1変形例に係る電子部品1では、所定の熱伝導率を有する放熱部材32を含むから、封止樹脂30内の熱をチップ本体20の裏面20bを介して放熱部材32に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、チップ3の温度上昇も効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品1を提供できる。
【0041】
<電子部品1の第2変形例>
図7は、
図1の電子部品1の第2変形例を示す縦断面図である。
図7は、前述の
図3に対応する部分の縦断面図である。
図7において、前述の
図1〜
図5に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2変形例に係る電子部品1では、封止樹脂30の表面30aに表面絶縁膜34が形成されている。表面絶縁膜34は、窒化膜(SiN)または酸化膜(SiO
2膜)であってもよい。表面絶縁膜34には、チップ本体20の裏面20bを露出させる第1開口34aと、外部端子5の他端面5bを露出させる第2開口34bとが形成されている。第1開口34aは、チップ本体20の裏面20b全域を露出させており、第2開口34bは、外部端子5の他端面5b全域を露出させている。
【0042】
第2変形例に係る電子部品1は、チップ本体20の裏面20bに接合され、封止樹脂30の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する放熱部材35を含む。放熱部材35は、表面絶縁膜34の第1開口34a内に配置されている。放熱部材35は、より具体的には、チップ本体20の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有しており、チップ本体20の裏面20bに接合された第1金属層36と、表面絶縁膜34の表面よりも外側に突出するように第1金属層36上に配置された第2金属層37とを含む。第1金属層36は、たとえば金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を含む単層構造を有している。第2金属層37は、第1金属層36側から順に積層されたNi層、Pd層およびAu層を含む積層構造を有している。
【0043】
本変形例では、第1金属層36は、金(Au)からなり、チップ本体20の裏面20bとの間でオーミックコンタクトを形成している。より具体的には、チップ3および第1金属層36に対して、たとえば400℃程度の温度の熱処理が施されており、これによって、チップ本体20の裏面20bにAuSi共晶合金層38が形成されている。このAuSi共晶合金層38によって、第1金属層36とチップ本体20の裏面20bとの間でオーミックコンタクトが形成されている。
【0044】
チップ3および第1金属層36に対して熱処理が施される構成では、各接続用電極16の本体部17と各実装用電極21の本体部22とが、たとえば超音波接合法等によって直接接合された形態が採用されることが好ましい。この構成によれば、導電性接合材27を形成する必要がなくなるため、各接続用電極16と各実装用電極21との接合後に導電性接合材27が熱処理によって溶融するということがない。よって、熱処理を施すという条件下では、各接続用電極16の本体部17と各実装用電極21の本体部22とを直接接続させることにより、チップ3と複数の配線膜8とを良好に電気的に接続させることができる。
【0045】
表面絶縁膜34の第2開口34b内には、外部導電体膜39が配置されている。外部導電体膜39は、外部端子5の他端面5b側からこの順に積層された第1導電体層40と第2導電体層41とを含む。第1導電体層40は、第1金属層36と同一材料および同一厚さで形成されており、第2導電体層41は、第2金属層37と同一材料および同一厚さで形成されている。
【0046】
第2変形例に係る電子部品1は、前述の外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)に代えて、次の工程を実行することにより形成される。すなわち、まず、たとえばCVD法によって、封止樹脂30の表面30aを被覆する表面絶縁膜34が形成される。次に、たとえばマスクを介するエッチングにより、チップ本体20の裏面20bを露出させる第1開口34aと、外部端子5の他端面5bを露出させる第2開口34bとが表面絶縁膜34に形成される。
【0047】
次に、たとえばスパッタ法または電界めっき法によって、第1開口34aから露出するチップ本体20の裏面20b上および第2開口34bから露出する外部端子5の他端面5b上にAuが成膜されて、第1金属層36および第1導電体層40が形成される。次に、チップ3および第1金属層36に対して、たとえば400℃程度の温度で熱処理が施されて、チップ本体20の裏面20bにAuSi共晶合金層38が形成される。
【0048】
次に、たとえば電界めっき法によって、第1開口34aから露出する第1金属層36上および第2開口34bから露出する第1導電体層40上にNi、PdおよびAuが順に成膜されて、第2金属層37および第2導電体層41が形成される。これにより、放熱部材35および外部導電体膜39が形成される。このようにして、第2変形例に係る電子部品1が製造される。
【0049】
このように、第2変形例に係る電子部品1によれば、チップ本体20の裏面20bに接合された所定の熱伝導率を有する放熱部材35を含む。これにより、封止樹脂30内の熱をチップ本体20の裏面20bを介して放熱部材35に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、チップ3の温度上昇も効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品1を提供できる。
【0050】
また、第2変形例に係る電子部品1によれば、放熱部材35が、チップ本体20の裏面20bとの間でオーミックコンタクトを形成する第1金属層36を有している。ここで、チップ本体20の裏面20bと第1金属層36との間でショットキ接合が形成される場合について考える。この場合、チップ本体20の裏面20b側にショットキーダイオードが形成されることとなる。
【0051】
そのため、このショットキーダイオードによって、実装面20a側に形成された機能素子の特性が変動させられる虞がある。これに鑑みて、本実施形態では、チップ本体20の裏面20bとの間でオーミックコンタクトを形成する第1金属層36を形成している。つまり、チップ本体20の裏面20bにAuSi共晶合金層38が形成されており、第1金属層36は、当該AuSi共晶合金層38に接続されている。これにより、チップ本体20の裏面20bにショットキーダイオードが形成されるのを効果的に抑制できる。その結果、チップ3の電気的特性の安定性を高めつつ、チップ3の温度上昇を効果的に抑制できる電子部品1を提供できる。
【0052】
<電子部品1の第3変形例>
図8は、
図2の電子部品1の第3変形例を示す縦断面図である。
図8は、前述の
図3に対応する部分の縦断面図である。
図8において、前述の
図1〜
図5に示された構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第3変形例に係る電子部品1は、チップ本体20の裏面20bを被覆するように封止樹脂30の表面30aに形成された表面絶縁膜42を含む。表面絶縁膜42には、外部端子5の他端面5bを露出させる開口42aが形成されており、この開口42a内に前述の外部導電体膜31が配置されている。
【0053】
第3変形例に係る電子部品1は、前述の外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)の際に使用するマスクに代えて、外部端子5の他端面5bを露出させる開口42aを有する表面絶縁膜42を形成することによって製造される。表面絶縁膜42は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等の有機系の絶縁材料や、窒化シリコン(SiN)や酸化シリコン(SiO
2)等の無機系の絶縁材料を含んでいてもよい。表面絶縁膜42は、有機系の絶縁材料としてネガ型またはポジ型の感光性樹脂を含んでいてもよい。むろん、前述の外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)の際に使用するマスクをそのまま表面絶縁膜42として利用することもできる。
【0054】
第3変形例に係る電子部品1では、チップ本体20の裏面20bが表面絶縁膜42によって被覆されているので、チップ3の温度上昇の抑制効果は小さい。しかし、チップ本体20の裏面20bが封止樹脂30から露出している構成を望まない一方で、低背化を望む市場の要求に良好に応えることができる。また、第3変形例に係る電子部品1によれば、
図5において説明した工程と共通の工程を経て製造されるので、表面絶縁膜42を有する電子部品1を手間取ることなく製造できる。
【0055】
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係る電子部品51を示す平面図である。
図10は、
図9のX-X線に沿う縦断面図である。
図9および
図10において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図9および
図10を参照して、本実施形態に係る電子部品51では、インターポーザ2の一方表面2aに他方表面2b側に向かって窪んだ凹部52が形成されており、インターポーザ2の他方表面2bが平坦面とされている。凹部52は、本実施形態では、インターポーザ2の一方表面2aの中央部に当該インターポーザ2の周縁から間隔を空けて形成されており、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。
【0056】
インターポーザ2の一方表面2aには、凹部52によって、当該凹部52の底面である低域部53と、凹部52の周囲領域である高域部54とが形成されている。低域部53は、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。高域部54は、凹部52を取り囲む平面視四角環状とされている。低域部53と高域部54との間には、それらを接続する接続部55が形成されている。
【0057】
凹部52は、その開口幅が一方表面2a側から他方表面2b側に向かって徐々に狭まる断面視テーパ状に形成されている。これにより、接続部55は、低域部53から高域部54に向かうに従って凹部52の横断面積が徐々に大きくなる傾斜面とされている。前述のチップ配置領域4は、低域部53内に設定されており、前述の外部端子配置領域6は、高域部54におけるインターポーザ2の一方の短手側面2cに沿う部分および他方の短手側面2cに沿う部分に設定されている。各外部端子配置領域6は、インターポーザ2の短手方向に沿って延びる平面視長方形状に設定されている。
【0058】
チップ3は、インターポーザ2の凹部52内に収容されている。より具体的には、チップ3は、チップ本体20の実装面20aが凹部52内に位置し、チップ本体20の裏面20bが高域部54よりも上方に位置するように凹部52内に収容されている。つまり、チップ3は、インターポーザ2の高域部54がチップ本体20の実装面20aと裏面20bとの間に位置する高さで凹部52内に収容されている。
【0059】
チップ本体20の実装面20aは、平面視において低域部53の面積よりも小さい面積を有している。チップ3は、その周縁全域が低域部53の周縁に取り囲まれた領域内に位置し、かつ、チップ本体20の実装面20aの全域が低域部53に対向している。なお、チップ3は、チップ本体20の実装面20aが低域部53に加えて接続部55と対向していてもよい。また、チップ3は、チップ本体20の実装面20aは、平面視において低域部53の面積よりも大きい面積を有していてもよい。
【0060】
以上、本実施形態に係る電子部品51によれば、インターポーザ2の一方表面2aに形成された凹部52にチップ3が収容されているので、当該凹部52の深さに応じた分だけ、チップ本体20の裏面20bとインターポーザ2の他方表面2bとの間の厚さを小さくすることができる。これにより、良好な放熱性を維持しつつ、低背化による微細化を図ることができる電子部品51を提供できる。
【0061】
このような電子部品51は、前述の
図5に示される工程を次のように変更することによって製造できる。すなわち、インターポーザ2の準備工程(ステップS1)において、凹部62を有するインターポーザ2を準備する工程を実行する。インターポーザ2の凹部52は、たとえばマスクを介するエッチングにより、インターポーザ2の一方表面2aを他方表面2b側に向かって選択的に掘り下げることにより形成できる。このようにして、電子部品51を製造できる。
【0062】
<電子部品51の第1変形例>
図11は、
図9の電子部品1の第1変形例を示す縦断面図である。
図11は、前述の
図10に対応する部分の縦断面図である。
図11において、前述の
図9および
図10において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第1変形例に係る電子部品51は、前述の放熱部材32をさらに含む(
図6も併せて参照)。これにより、封止樹脂30内の熱をチップ本体20の裏面20bを介して放熱部材32に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、チップ3の温度上昇も効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品51を提供できる。
【0063】
<電子部品51の第2変形例>
図12は、
図9の電子部品51の第2変形例を示す縦断面図である。
図12は、前述の
図10に対応する部分の縦断面図である。
図12において、前述の
図9および
図10において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2変形例に係る電子部品51は、前述の表面絶縁膜34、放熱部材35および外部導電体膜39をさらに含む(
図7も併せて参照)。これにより、封止樹脂30内の熱をチップ本体20の裏面20bを介して放熱部材35に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、チップ3の温度上昇も効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品51を提供できる。
【0064】
また、第2変形例に係る電子部品51によれば、放熱部材35が、チップ本体20の裏面20bとの間でオーミックコンタクトを形成する第1金属層36を有している。つまり、チップ本体20の裏面20bにAuSi共晶合金層38が形成されており、第1金属層36は、当該AuSi共晶合金層38に接続されている。これにより、チップ3の温度上昇を効果的に抑制しつつ、チップ3の電気的特性の安定性を高めることができる。
【0065】
<電子部品51の第3変形例>
図13は、
図9の電子部品51の第3変形例を示す縦断面図である。
図13は、前述の
図10に対応する部分の縦断面図である。
図12において、前述の
図9および
図10において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第3変形例に係る電子部品51は、前述の表面絶縁膜42を含む(
図8も併せて参照)。第3変形例に係る電子部品51は、チップ本体20の裏面20bが表面絶縁膜42によって被覆されているので、チップ3の温度上昇の抑制効果は小さい。しかし、チップ本体20の裏面20bが封止樹脂30から露出している構成を望まない一方で、低背化を望む市場の要求に良好に応えることができる。
【0066】
また、第3変形例に係る電子部品51によれば、
図5において説明した外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)の際に使用するマスクをそのまま表面絶縁膜42として利用することもできる。したがって、
図5において説明した工程と共通の工程を経て、表面絶縁膜42を有する電子部品51を手間取ることなく製造できる。
<第3実施形態>
図14は、本発明の第3実施形態に係る電子部品61を示す平面図である。
図15は、
図14のXV-XV線に沿う縦断面図である。
図14および
図15において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0067】
図14および
図15を参照して、本実施形態に係る電子部品61では、インターポーザ2の一方表面2aに他方表面2b側に向かって窪んだ凹部62が形成されており、インターポーザ2の他方表面2bが平坦に形成されている。凹部62は、本実施形態では、インターポーザ2の一方表面2aの中央部に当該インターポーザ2の周縁から間隔を空けて形成されており、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。
【0068】
インターポーザ2の一方表面2aには、凹部62によって、当該凹部62の底面である低域部63と、凹部62の周囲領域である高域部64とが形成されている。低域部63は、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。高域部64は、凹部62を取り囲む平面視四角環状とされている。低域部63と高域部64との間には、それらを接続する接続部65が形成されている。凹部62は、その開口幅が一方表面2a側から他方表面2b側に向かって徐々に狭まる断面視テーパ状に形成されている。これにより、接続部65は、低域部63から高域部64に向かうに従って凹部62の横断面積が徐々に大きくなる傾斜面とされている。
【0069】
本実施形態では、インターポーザ2の高域部64に第1チップ66が配置される第1チップ配置領域67が設定されており、低域部63に第2チップ68が配置される第2チップ配置領域69が設定されている。第1チップ配置領域67は、インターポーザ2の周縁と凹部62の周縁との間の領域内において当該凹部62を取り囲むように設定されており、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。第2チップ配置領域69は、低域部63の周縁に取り囲まれた領域内に設定されており、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。
【0070】
前述の外部端子配置領域6は、第1チップ配置領域67とインターポーザ2の一方の短手側面2cとの間の領域、および、第1チップ配置領域67とインターポーザ2の他方の短手側面2cとの間の領域に設定されている。外部端子配置領域6は、インターポーザ2の短手方向に沿って延びる平面視長方形状に設定されている。
インターポーザ2の一方表面2aには、前述の絶縁膜7が形成されている。インターポーザ2の高域部64における前述の絶縁膜7上には、複数個(本実施形態では8個)の第1配線膜70が形成されている。各第1配線膜70は、第1チップ配置領域67内に配置された第1パッド領域71と、外部端子配置領域6に配置された第2パッド領域72と、第1パッド領域71および第2パッド領域72を接続する接続領域73とを含む。
【0071】
本実施形態では、第1チップ配置領域67におけるインターポーザ2の一方の短手側面2c側および他方の短手側面2c側に第1パッド領域71が4個ずつインターポーザ2の短手方向に沿って間隔を空けて配置されている。また、本実施形態では、各外部端子配置領域6に第2パッド領域72が4個ずつインターポーザ2の短手方向に沿って間隔を空けて配置されている。
【0072】
インターポーザ2の第2チップ配置領域69内には、複数個(本実施形態では2個)の第2配線膜74が形成されている。各第2配線膜74は、インターポーザ2の長手方向に間隔を空けて配置された一対の第3パッド領域75と、一対の第3パッド領域75間に配置された第4パッド領域76および第5パッド領域77とを含む。本実施形態では、第4パッド領域76および第5パッド領域77は、一対の第3パッド領域75間において一体的に形成されている。
【0073】
絶縁膜7上には、さらに、第1配線膜70と第2配線膜74とを電気的に接続するための接続用配線膜78が形成されている。接続用配線膜78は、対応する第1パッド領域71と第3パッド領域75とを接続することによって、第1配線膜70と第2配線膜74とを電気的に接続させている。
なお、第1配線膜70、第2配線膜74および接続用配線膜78は、いずれも前述のシード層12と導電体層13とを含む積層構造を有している。また、第2パッド領域72の上面を除く、第1パッド領域71、第3パッド領域75、第4パッド領域76および第5パッド領域77の各上面には、前述の接続用電極16が形成されている。
【0074】
第1チップ配置領域67には、第1チップ66が配置されている。第1チップ66は、略直方体形状とされたシリコン製、GaAs(ガリウムヒ素)製または絶縁材料製(たとえばガラス製やセラミック製)の第1チップ本体80を含む。第1チップ本体80は、複数個の第1実装用電極81が形成された第1実装面80aと、その反対側の第1裏面80bと、第1実装面80aおよび第1裏面80bを接続する第1側面80cとを有している。
【0075】
なお、第1実装用電極81は、前述の本体部22とバリア層23とを含む積層構造を有している。第1チップ本体80の第1実装面80aは、機能素子が形成された機能素子形成面でもある。この機能素子に、第1実装用電極81が電気的に接続されている。なお、第1チップ本体80の第1裏面80bは第1チップ66の裏面でもある。
第1チップ66は、第1チップ本体80の第1実装面80aと低域部63との間で凹状の空間A2を区画するように高域部64に架設されている。より具体的には、第1チップ66は、複数個の第1実装用電極81と複数個の第1配線膜70とが接合されることによって、第1チップ本体80の第1実装面80aをインターポーザ2の一方表面2aに対向させた状態で複数個の第1配線膜70に接合されている。
【0076】
さらに具体的には、第1チップ66は、各第1実装用電極81と各第1パッド領域71に設けられた前述の接続用電極16とが接合されることによって複数個の第1配線膜70に接合されている。このようにして、第1チップ66は、第1チップ本体80の第1実装面80aとインターポーザ2の低域部63との間で凹状の空間A2を区画するように高域部64に架設されている。
【0077】
なお、第1チップ本体80に形成される機能素子としては、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード(トランジスタを含む)等を例示できる。第1チップ66は、単一の機能素子からなるチップであってもよいし、複数の機能素子によって形成された集積回路を含むチップであってもよい。また、第1チップ本体80の第1実装面80a上には、当該第1実装面80aを被覆する絶縁層が形成されており、複数個の第1実装用電極81が当該絶縁層から外側に突出するように設けられていてもよい。また、この絶縁層内には、第1実装用電極81と機能素子とを電気的に接続させるための配線を選択的に含む配線層が形成されていてもよい。
【0078】
各接続用電極16と各第1実装用電極81とは、前述の導電性接合材27を介して接合されている。なお、各接続用電極16の本体部17と各第1実装用電極81の本体部22とが、たとえば公知の超音波接合法によって直接接合された形態が採用されてもよい。
第2チップ配置領域69には、下側チップの一例としての複数個(本実施形態では4個)の第2チップ68が配置されている。以下では、4個の第2チップ68を、第2チップ68A、第2チップ68B、第2チップ68Cおよび第2チップ68Dという。各第2チップ68A〜68Dは、いずれも、平面視において第1チップ66と重なるように、第1チップ本体80の第1実装面80aと低域部63との間で区画される凹状の空間A2内に収容されている。
【0079】
各第2チップ68A〜68Dは、略直方体形状とされたシリコン製、GaAs(ガリウムヒ素)製または絶縁材料製(たとえばガラス製やセラミック製)の第2チップ本体90を含む。第2チップ本体90は、複数(本実施形態では一対)の第2実装用電極91が形成された第2実装面90aと、その反対側の第2裏面90bと、第2実装面90aおよび第2裏面90bを接続する第2側面90cとを有している。なお、第2実装用電極91は、前述の本体部22とバリア層23とを含む積層構造を有している。第2チップ本体90の第2実装面90aは、機能素子が形成された機能素子形成面でもある。この機能素子に、第2実装用電極91が電気的に接続されている。
【0080】
各第2チップ68A〜68Dは、第2チップ本体90の第2実装面90aおよび第2裏面90bが凹部62内に位置するように凹部62内に収容されている。つまり各第2チップ68A〜68Dは、インターポーザ2の高域部64が第2チップ本体90の第2裏面90bよりも上方に位置する高さで凹部62内に収容されている。
各第2チップ68A〜68Dは、複数個の第2実装用電極91と複数個の第2配線膜74とが接合されることによって、第2チップ本体90の第2実装面90aをインターポーザ2の一方表面2aに対向させた状態で複数個の第2配線膜74に接合されている。
【0081】
より具体的には、第2チップ68A〜68Dのうちの第2チップ68A,68Cは、一方の第2実装用電極91が一方の第3パッド領域75に設けられた接続用電極16に接合され、他方の第2実装用電極91が第4パッド領域76に設けられた接続用電極16に接合されることによって第2配線膜74に接合されている。
また、第2チップ68A〜68Dのうちの第2チップ68B,68Dは、一方の第2実装用電極91が第5パッド領域77に設けられた接続用電極16に接合され、他方の第2実装用電極91が他方の第3パッド領域75に設けられた接続用電極16に接合されることによって、第2配線膜74に接合されている。
【0082】
このようにして、第2チップ68A,68Bの直列回路と、第2チップ68C,68Dの直列回路とが凹部62(凹状の空間A2)内に形成されている。第2チップ68A,68Bの直列回路および第2チップ68C,68Dの直列回路は、いずれも第1チップ66に並列接続されている。第3パッド領域75、第4パッド領域76および第5パッド領域77の接続形態を変更することによって、第2チップ68A〜68Dのいずれかを含む並列回路が第1チップ66に並列接続される構成が採用されてもよい。凹部62内には、第2チップ68A〜68Dによって構成される直列回路を含む回路網、または、並列回路を含む回路網、もしくは、直列回路および並列回路の両方を含む回路網が収容されていてもよい。
【0083】
なお、第2チップ本体90に形成される機能素子としては、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード(トランジスタを含む)等を例示できる。第2チップ68A〜68Dは、単一の機能素子からなるチップであってもよいし、複数の機能素子によって形成された集積回路を含むチップであってもよい。また、第2チップ本体90の第2実装面90a上には、当該第2実装面90aを被覆する絶縁層が形成されており、複数個の第2実装用電極91が当該絶縁層から外側に突出するように設けられていてもよい。また、この絶縁層内には、第2実装用電極91と機能素子とを電気的に接続させるための配線を選択的に含む配線層が形成されていてもよい。
【0084】
外部端子配置領域6には、前述の複数個の外部端子5が配置されている。各外部端子5は、各第2パッド領域72上に形成されている。そして、インターポーザ2の一方表面2aには、第1チップ本体80の第1裏面80bの全域を露出させるように第1チップ66を封止する封止樹脂30が形成されている。
封止樹脂30は、第1チップ本体80の第1側面80cの全域を被覆しているのに加えて、第1チップ本体80の第1実装面80aとインターポーザ2の一方表面2aとの間の凹状の空間A2の全域を満たしている。また、第1チップ本体80の第1実装面80aとインターポーザ2の高域部64との間には、接続用電極16によって、封止樹脂30を充填させるのに十分な高さの空間A3が確保されている。
【0085】
したがって、当該空間A3において、ボイド(空孔)が形成されるのを良好に抑制しつつ、第1実装用電極81、接続用電極16および導電性接合材27の各外面の全域を封止樹脂30によって良好に被覆できる。これによって、ボイド(空孔)内に貯留される水分を原因とする第1実装用電極121、接続用電極16および導電性接合材27の腐食が抑制されている。
【0086】
一方、凹状の空間A2内では、封止樹脂30は、第2チップ68の外面全域を封止している。本実施形態では、第2チップ本体90の第2実装面90aとインターポーザ2の一方表面2aとの間には、接続用電極16によって、封止樹脂30を充填させるのに十分な高さの空間A4が確保されている。したがって、当該空間A4において、ボイド(空孔)が形成されるのを良好に抑制しつつ、第2実装用電極91、接続用電極16および導電性接合材27の各外面の全域を封止樹脂30によって良好に被覆できる。これによって、ボイド(空孔)内に貯留される水分を原因とする第2実装用電極91、接続用電極16および導電性接合材27の腐食が抑制されている。
【0087】
第1チップ本体80の第1裏面80bおよび各外部端子5の他端面5bは、封止樹脂30の表面30aと段差なく繋がっている。第1チップ本体80の第1裏面80b、各外部端子5の他端面5bおよび封止樹脂30の表面30aは、インターポーザ2の他方表面2bと平行な一つの平坦面を形成している。
以上、本実施形態の構成によれば、第2チップ68A〜68Dの上方に第1チップ66が積層配置された複合型の電子部品61を提供できる。したがって、外部端子5を実装基板に実装するという一度の工程で、第1チップ66と第2チップ68A〜68Dとを同時に3D実装できる。これにより、第1チップ66および第2チップ68A〜68Dを実装基板に高密度に実装できるから、実装基板に対する電子部品61の実装面積の削減を図ることができる。また、これによって、実装基板の小型化を図ることも可能となる。
【0088】
また、本実施形態の電子部品61では、インターポーザ2上に配置された第1チップ66の第1チップ本体80の第1裏面80bが、封止樹脂30から露出している。したがって、封止樹脂30内で発生した熱を第1チップ本体80の第1裏面80bを介して外部に放散させることができる。これにより、封止樹脂30内での温度上昇を抑制できるから、第1チップ66に加えて、第2チップ68A〜68Dの温度上昇も抑制できる。
【0089】
特に、本実施形態に係る電子部品61によれば、第1チップ本体80の第1裏面80bの全域が封止樹脂30から露出している。これにより、封止樹脂30内で発生した熱を第1チップ本体80の第1裏面80bの全域を介して外部に放散させることができるから、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品61を提供できる。
【0090】
このような電子部品61は、前述の
図5に示される工程を次のように変更することによって製造できる。すなわち、インターポーザ2の準備工程(ステップS1)において、凹部62を有するインターポーザ2を準備する工程を実行する。インターポーザ2の凹部62は、たとえばマスクを介するエッチングにより、インターポーザ2の一方表面2aを他方表面2b側に向かって選択的に掘り下げることにより形成できる。
【0091】
そして、配線膜形成工程(ステップS3)において、配線膜8に代えて、第1配線膜70、第2配線膜74および接続用配線膜78を形成する工程を実行する。第1配線膜70、第2配線膜74および接続用配線膜78は、配線膜8用のマスクのレイアウト等を変更することによって形成できる。その後、チップマウント工程(ステップS6)におて、第2チップ68A〜68Dを第2配線膜74に接合させる工程を実行した後、第1チップ66を第1配線膜70に接合させる工程を実行すればよい。このようにして、電子部品61を製造できる。
【0092】
<電子部品61の第1変形例>
図16は、
図14の電子部品61の第1変形例を示す縦断面図である。
図16において、前述の
図14および
図15において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第1変形例に係る電子部品61は、第1チップ本体80の第1裏面80bの全域に接合された前述の放熱部材32をさらに含む(
図6も併せて参照)。これにより、封止樹脂30内の熱を第1チップ本体80の第1裏面80bを介して放熱部材32に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、第1チップ66および第2チップ68A〜68Dの温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品61を提供できる。
【0093】
<電子部品61の第2変形例>
図17は、
図14の電子部品61の第2変形例を示す縦断面図である。
図17において、前述の
図14および
図15において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2変形例に係る電子部品61は、前述の表面絶縁膜34、放熱部材35および外部導電体膜39をさらに含む(
図7も併せて参照)。放熱部材35は、第1チップ本体80の第1裏面80bの全域に接合されている。これにより、封止樹脂30内の熱を第1チップ本体80の第1裏面80bを介して放熱部材35に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、第1チップ66および第2チップ68A〜68Dの温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品61を提供できる。
【0094】
また、第2変形例に係る電子部品61によれば、第1チップ本体80の第1裏面80bとの間でオーミックコンタクトを形成する第1金属層36を有する放熱部材35を含む。つまり、第1チップ本体80の第1裏面80bにAuSi共晶合金層38が形成されており、第1金属層36は、当該AuSi共晶合金層38に接続されている。これにより、第1チップ66および第2チップ68A〜68Dの温度上昇を効果的に抑制しつつ、第1チップ66の電気的特性の安定性を高めることができる。
【0095】
<電子部品61の第3変形例>
図18は、
図14の電子部品61の第3変形例を示す縦断面図である。
図18において、前述の
図14および
図15において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第3変形例に係る電子部品61は、第1チップ本体80の第1裏面80bを被覆する前述の表面絶縁膜42を含む(
図8も併せて参照)。第3変形例に係る電子部品61では、第1チップ本体80の第1裏面80bが表面絶縁膜42によって被覆されているので、第1チップ66および第2チップ68A〜68Dの温度上昇の抑制効果は小さい。しかし、第1チップ本体80の第1裏面80bが封止樹脂30から露出している構成を望まない一方で、低背化を望む市場の要求に良好に応えることができる。
【0096】
また、第3変形例に係る電子部品61によれば、
図5において説明した外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)の際に使用するマスクをそのまま表面絶縁膜42として利用することもできる。したがって、
図5において説明した工程と共通の工程を経て、表面絶縁膜42を有する電子部品61を手間取ることなく製造できる。
<第4実施形態>
図19は、本発明の第4実施形態に係る電子部品101を示す平面図である。
図20は、
図19のXX-XX線に沿う縦断面図である。
図21は、
図19のXXI-XXI線に沿う縦断面図である。
図19〜
図21において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0097】
図19〜
図21を参照して、本実施形態に係る電子部品101では、インターポーザ2の一方表面2aに他方表面2b側に向かって窪んだ凹部102が形成されており、インターポーザ2の他方表面2bが平坦に形成されている。凹部102は、本実施形態では、インターポーザ2の一方表面2aの中央部に当該インターポーザ2の周縁から間隔を空けて形成されており、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。
【0098】
インターポーザ2の一方表面2aには、凹部102によって、当該凹部102の底面である低域部103と、凹部102の周囲領域である高域部104とが形成されている。低域部103は、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。高域部104は、凹部102を取り囲む平面視四角環状とされている。低域部103と高域部104との間には、それらを接続する接続部105が形成されている。凹部102は、その開口幅が一方表面2a側から他方表面2b側に向かって徐々に狭まる断面視テーパ状に形成されている。これにより、接続部105は、低域部103から高域部104に向かうに従って凹部102の横断面積が徐々に大きくなる傾斜面とされている。
【0099】
低域部103には、第1チップ106が配置される第1チップ配置領域107と、第2チップ108が配置される第2チップ配置領域109とが互いに隣り合って設定されている。第1チップ配置領域107は、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四形状とされている。第2チップ配置領域109は、各辺がインターポーザ2の各辺と平行な平面視四角形状とされている。
【0100】
前述の外部端子配置領域6は、高域部104におけるインターポーザ2の一方の短手側面2cと凹部102との間の領域、および、高域部104におけるインターポーザ2の他方の短手側面2cと凹部102との間の領域にそれぞれ設定されている。外部端子配置領域6は、インターポーザ2の短手方向に沿って延びる平面視長方形状に設定されている。
インターポーザ2の一方表面2aには、前述の絶縁膜7が形成されている。絶縁膜7上には、複数個(本実施形態では4個)の第1配線膜110と、複数個(本実施形態では4個)の第2配線膜111とが形成されている。
【0101】
各第1配線膜110は、第1チップ配置領域107内に配置された第1パッド領域112と、外部端子配置領域6に配置された第2パッド領域113と、第1パッド領域112および第2パッド領域113を接続する第1接続領域114とを含む。本実施形態では、第1パッド領域112は、第1チップ配置領域107におけるインターポーザ2の一方の短手側面2c側および他方の短手側面2c側に2個ずつ間隔を空けて並んで配置されている。
【0102】
また、本実施形態では、第2パッド領域113は、一方側の外部端子配置領域6および他方側の外部端子配置領域6に2個ずつ間隔を空けて並んで配置されている。第1接続領域114は、対応する第1パッド領域112および第2パッド領域113の間において選択的に引き回されている。各第1パッド領域112の上面には、前述の接続用電極16が形成されている。
【0103】
図20を参照して、第1配線膜110において、第1パッド領域112は、その厚さが他の部分の厚さよりも小さい薄膜部とされている。より具体的には、第1配線膜110は、前述のシード層12と導電体層13とを含む積層構造を有しており、導電体層13は、第1パッド領域112を構成するシード層12を露出させている。したがって、本実施形態では、第1パッド領域112がシード層12からなり、第2パッド領域113および第1接続領域114がシード層12および導電体層13の積層構造からなる。このようにして、第1パッド領域112の厚さが、他の部分の厚さよりも選択的に小さくされた構成の第1配線膜110が形成されている。
【0104】
一方、
図21を参照して、第2配線膜111は、第2チップ配置領域109内に配置された第3パッド領域115と、外部端子配置領域6に配置された第4パッド領域116と、第3パッド領域115および第4パッド領域116を接続する第2接続領域117とを含む。本実施形態では、第3パッド領域115は、第2チップ配置領域109におけるインターポーザ2の一方の短手側面2c側および他方の短手側面2c側に2個ずつ間隔を空けて並んで配置されている。
【0105】
また、本実施形態では、第4パッド領域116は、一方側の外部端子配置領域6および他方側の外部端子配置領域6に2個ずつ間隔を空けて並んで配置されている。第2接続領域117は、対応する第3パッド領域115および第4パッド領域116の間において選択的に引き回されている。各第3パッド領域115の上面には、前述の接続用電極16が形成されている。第2配線膜111は、前述のシード層12と導電体層13とを含む積層構造を有しており、前述の第1配線膜110と異なり、一様な厚さで形成されている。
【0106】
図20および
図21を参照して、第1チップ配置領域107には、第1チップ106が配置されており、第2チップ配置領域109には、その厚さが第1チップ106よりも小さい第2チップ108が配置されている。なお、第2チップ108に供給される電流の電流値は、第1チップ106に供給される電流の電流値よりも大きい。
第1チップ106は、略直方体形状とされたシリコン製、GaAs(ガリウムヒ素)製または絶縁材料製(たとえばガラス製やセラミック製)の第1チップ本体120を含む。第1チップ本体120は、複数個の第1実装用電極121が形成された第1実装面120aと、その反対側の第1裏面120bと、第1実装面120aおよび第1裏面120bを接続する第1側面120cとを有している。
【0107】
なお、第1実装用電極121は、前述の本体部22とバリア層23とを含む積層構造を有している。第1チップ本体120の第1実装面120aは、機能素子が形成された機能素子形成面でもある。この機能素子に、第1実装用電極121が電気的に接続されている。なお、第1チップ本体120の第1裏面120bは第1チップ106の裏面でもある。
第1チップ106は、複数個の第1実装用電極121と複数個の第1配線膜110とが接合されることによって、第1チップ本体120の第1実装面120aをインターポーザ2の一方表面2aに対向させた状態で複数個の第1配線膜110に接合されている。より具体的には、第1チップ106は、各第1実装用電極121と各第1パッド領域112に設けられた前述の接続用電極16とが接合されることによって第1配線膜110に接合されている。
【0108】
各接続用電極16と各第1実装用電極121とは、前述の導電性接合材27を介して接合されている。なお、各接続用電極16の本体部17と各第1実装用電極121の本体部22とが、たとえば公知の超音波接合法によって直接接合された形態が採用されてもよい。
第1チップ106は、インターポーザ2の凹部102内に収容されている。より具体的には、第1チップ106は、第1チップ本体120の第1実装面120aが凹部102内に位置し、第1チップ本体120の第1裏面120bが高域部104よりも上方に位置するように凹部102内に収容されている。つまり、第1チップ106は、インターポーザ2の高域部104が第1チップ本体120の第1実装面120aと第1裏面120bとの間に位置する高さで凹部102内に収容されている。
【0109】
第1チップ本体120の第1実装面120aは、平面視において低域部103の面積よりも小さい面積を有している。第1チップ106は、その周縁全域が低域部103の周縁に取り囲まれた領域内に位置し、かつ、第1チップ本体120の第1実装面120aの全域が低域部103に対向するように凹部102内に収容されている。なお、第1チップ106は、その周縁の一部が低域部103外に位置するように配置され、第1チップ本体120の第1実装面120aの一部が接続部105の一部と対向していてもよい。
【0110】
なお、第1チップ本体120に形成される機能素子としては、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード(トランジスタを含む)等を例示できる。第1チップ106は、単一の機能素子からなるチップであってもよいし、複数の機能素子によって形成された集積回路を含むチップであってもよい。また、第1チップ本体120の第1実装面120a上には、当該第1実装面120aを被覆する絶縁層が形成されており、複数個の第1実装用電極121が当該絶縁層から外側に突出するように設けられていてもよい。また、この絶縁層内には、第1実装用電極121と機能素子とを電気的に接続させるための配線を選択的に含む配線層が形成されていてもよい。
【0111】
第2チップ108は、略直方体形状とされたシリコン製、GaAs(ガリウムヒ素)製または絶縁材料製(たとえばガラス製やセラミック製)の第2チップ本体130を含む。第2チップ本体130は、複数個の第2実装用電極131が形成された第2実装面130aと、その反対側の第2裏面130bと、第2実装面130aおよび第2裏面130bを接続する第2側面130cとを有している。
【0112】
なお、第2実装用電極131は、前述の本体部22とバリア層23とを含む積層構造を有している。第2チップ本体130の第2実装面130aは、機能素子が形成された機能素子形成面でもある。この機能素子に、第2実装用電極131が電気的に接続されている。なお、第2チップ本体130の第2裏面130bは第2チップ108の裏面でもある。
第2チップ108は、複数個の第2実装用電極131と複数個の第2配線膜111とが接合されることによって、第2チップ本体130の第2実装面130aをインターポーザ2の一方表面2aに対向させた状態で複数個の第2配線膜111に接合されている。より具体的には、第2チップ108は、各第2実装用電極131と各第3パッド領域115に設けられた接続用電極16とが接合されることによって複数個の第2配線膜111に接合されている。
【0113】
各接続用電極16と各第2実装用電極131とは、前述の導電性接合材27を介して接合されている。なお、各接続用電極16の本体部17と各第2実装用電極131の本体部22とが、たとえば公知の超音波接合法によって直接接合された形態が採用されてもよい。
第2チップ108は、インターポーザ2の一方表面2aと第1チップ本体120の第1裏面120bとの間の高さ位置に、第2チップ本体130の第2実装面130aと第2裏面130bとが位置するようにインターポーザ2の凹部102内に収容されている。本実施形態では、第2チップ108は、第1チップ本体120の第1実装面120aと第1裏面120bとの間の高さ位置に、第2チップ本体130の第2実装面130aと第2裏面130bとが位置するようにインターポーザ2の凹部102内に収容されている。
【0114】
したがって、第2チップ本体130の第2裏面130bは、第1チップ本体120の第1裏面120bよりも下側(インターポーザ2の一方表面2a側)に位置している。なお、第2チップ本体130の第2裏面130bは、インターポーザ2の高域部104よりも下側に位置していてもよい。
第2チップ本体130の第2実装面130aは、平面視において低域部103の面積よりも小さい面積を有している。第2チップ108は、その周縁全域が低域部103の周縁に取り囲まれた領域内に位置しており、第2チップ本体130の第2実装面130aの全域が低域部103に対向している。なお、第2チップ108は、その周縁の一部が低域部103外に位置するように配置されており、第2チップ本体130の第2実装面130aの一部が接続部105の一部と対向していてもよい。
【0115】
なお、第2チップ本体130に形成される機能素子としては、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード(トランジスタを含む)等を例示できる。第2チップ108は、単一の機能素子からなるチップであってもよいし、複数の機能素子によって形成された集積回路を含むチップであってもよい。また、第2チップ本体130の第2実装面130a上には、当該第2実装面130aを被覆する絶縁層が形成されており、複数個の第2実装用電極131が当該絶縁層から外側に突出するように設けられていてもよい。また、この絶縁層内には、第2実装用電極131と機能素子とを電気的に接続させるための配線を選択的に含む配線層が形成されていてもよい。
【0116】
外部端子配置領域6には、前述の複数個の外部端子5が配置されている。複数個の外部端子5は、第2パッド領域113および第4パッド領域116上に形成されている。インターポーザ2の一方表面2aには、第1チップ本体120の第1裏面120bの全域を露出させ、かつ、第2チップ本体130の第2裏面130bの全域を被覆するように第1チップ106および第2チップ108を封止する封止樹脂30が形成されている。
【0117】
封止樹脂30は、第1チップ本体120の第1側面120cの全域を被覆しているのに加えて、第1チップ本体120の第1実装面120aとインターポーザ2の一方表面2aとの間の空間A5を満たしている。本実施形態では、当該空間A5が、第1チップ本体120の第1実装面120aとインターポーザ2の一方表面2aとの間に封止樹脂30を充填させるのに十分な高さに設定されている。
【0118】
したがって、当該空間A5において、ボイド(空孔)が形成されるのを良好に抑制しつつ、第1実装用電極121、接続用電極16および導電性接合材27の各外面の全域を封止樹脂30によって良好に被覆できる。これによって、ボイド(空孔)内に貯留される水分を原因とする第1実装用電極121、接続用電極16および導電性接合材27の腐食が抑制されている。
【0119】
また、封止樹脂30は、第2チップ本体130の第2実装面130a、第2裏面130bおよび第2側面130cを含む外面全域を被覆しているのに加えて、第2チップ本体130の第2実装面130aとインターポーザ2の一方表面2aとの間の空間A6を満たしている。本実施形態では、当該空間A6が、第2チップ本体130の第2実装面130aとインターポーザ2の一方表面2aとの間に封止樹脂30を充填させるのに十分な高さに設定されている。
【0120】
したがって、当該空間A6において、ボイド(空孔)が形成されるのを良好に抑制しつつ、第2実装用電極131、接続用電極16および導電性接合材27の各外面の全域を封止樹脂30によって良好に被覆できる。これによって、ボイド(空孔)内に貯留される水分を原因とする第2実装用電極131、接続用電極16および導電性接合材27の腐食が抑制されている。
【0121】
第1チップ本体120の第1裏面120bおよび各外部端子5の他端面5bは、封止樹脂30の表面30aと段差なく繋がっている。第1チップ本体120の第1裏面120b、各外部端子5の他端面5bおよび封止樹脂30の表面30aは、インターポーザ2の他方表面2bと平行な一つの平坦面を形成している。
以上、本実施形態の構成によれば、第1チップ106および第2チップ108が共通の凹部102に収容された複合型の電子部品101を提供できる。したがって、外部端子5を実装基板に実装するという一度の工程で、第1チップ106と第2チップ108とを同時に実装できる。これにより、第1チップ106および第2チップ108を実装基板に高密度に実装できるから、実装基板に対する電子部品101の実装面積の削減を図ることができる。また、これによって、実装基板の小型化を図ることも可能となる。
【0122】
また、本実施形態の電子部品101では、インターポーザ2上に配置された第1チップ106の第1チップ本体120の第1裏面120bの全域が、封止樹脂30から露出している。したがって、封止樹脂30内で発生した熱を第1チップ本体120の第1裏面120bを介して外部に放散させることができる。これにより、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、第1チップ106に加えて、第2チップ108の温度上昇も抑制できる。
【0123】
また、本実施形態に係る電子部品101は、第1パッド領域112の厚さが、他の部分の厚さよりも小さくされた構成の第1配線膜110を備えており、この第1パッド領域112に第1チップ106が接合されている。したがって、第1配線膜110が薄膜化された分だけ、第1チップ本体120の第1裏面120bとインターポーザ2の他方表面2b間の厚さを小さくすることができる。
【0124】
特に、本実施形態に係る電子部品101では、インターポーザ2の一方表面2aに形成された凹部102に第1チップ106が収容されているので、当該凹部102の深さに応じた分だけ、第1チップ本体120の第1裏面120bとインターポーザ2の他方表面2b間の厚さを小さくすることができる。これにより、良好な放熱性を維持しつつ、低背化による微細化を効果的に図ることができる電子部品101を提供できる。
【0125】
また、本実施形態に係る電子部品101によれば、第1チップ106が第1配線膜110の薄膜部に接合されている一方で、第2チップ108が、一様な厚さとされた第2配線膜111に接合されている。したがって、第2チップ108として、第1チップ106に供給される電流の電流値よりも大きい電流値の電流が供給されるものが採用されることによって、配線抵抗の低減による低消費電力化を良好に図ることが可能となる。
【0126】
一方、第1配線膜110では、薄膜部によって配線抵抗が高くされているものの、それ以外の領域ではシード層12の厚さよりも大きい厚さの導電体層13が存在しているので、第1配線膜110全体としての配線抵抗の増加が抑制されている。しかも、この第1配線膜110には、比較的電流値の小さい電流が供給される第1チップ106が接続されているので、消費電力が上昇するのを効果的に抑制できる。よって、低消費電力化を良好に図ることができ、第1チップ106および第2チップ108の温度上昇を良好に抑制できる電子部品101を提供できる。
【0127】
なお、電子部品101は、第1チップ本体120の第1裏面120bの全域に接合された前述の放熱部材32をさらに含んでいてもよい(
図6も併せて参照)。これにより、封止樹脂30内の熱を第1チップ本体120の第1裏面120bを介して放熱部材32に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、第1チップ106および第2チップ108の温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品101を提供できる。
【0128】
また、電子部品101は、前述の表面絶縁膜34、放熱部材35および外部導電体膜39をさらに含んでいてもよい(
図7も併せて参照)。放熱部材35は、第1チップ本体120の第1裏面120bの全域に接合されている。これにより、封止樹脂30内の熱を第1チップ本体120の第1裏面120bを介して放熱部材35に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、第1チップ106および第2チップ108の温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品101を提供できる。
【0129】
また、放熱部材35は、第1チップ本体120の第1裏面120bとの間でオーミックコンタクトを形成する第1金属層36を有している。つまり、第1チップ本体120の第1裏面120bに前述のAuSi共晶合金層38が形成され、第1金属層36は、当該AuSi共晶合金層38に接続される。これにより、第1チップ106および第2チップ108の温度上昇を効果的に抑制しつつ、第1チップ106の電気的特性の安定性を高めることができる。
【0130】
さらに、電子部品101は、第1チップ本体120の第1裏面120bを被覆する前述の表面絶縁膜42をさらに含んでいてもよい(
図8も併せて参照)。この構成では、第1チップ本体120の第1裏面120bが表面絶縁膜42によって被覆されているので、第1チップ106および第2チップ108の温度上昇の抑制効果は小さい。しかし、第1チップ本体120の第1裏面120bが封止樹脂30から露出している構成を望まない一方で、低背化を望む市場の要求に良好に応えることができる。
【0131】
また、この構成によれば、
図5において説明した外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)の際に使用するマスクをそのまま表面絶縁膜42として利用することもできる。したがって、
図5において説明した工程と共通の工程を経て、表面絶縁膜42を有する電子部品101を手間取ることなく製造できる。
<第5実施形態>
図22は、本発明の第5実施形態に係る電子部品141を示す縦断面図である。本実施形態に係る電子部品141が、前述の第1実施形態に係る電子部品1と異なる点は、配線膜8が第1パッド領域9のみを含む点、外部端子5に代えて、配線膜8に電気的に接続されたビア電極142を有している点である。
図22において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0132】
ビア電極142は、本実施形態ではシリコン製のインターポーザ2に形成されたTSV(Through Silicon Via)であり、平面視において配線膜8に重なる位置に形成されたビアホール143と、ビアホール143に埋め込まれた導電体144とを含む。ビア電極142は、配線膜8に電気的に接続された上端部142aと、インターポーザ2の他方表面2bから露出する下端部142bとを有している。
【0133】
ビア電極142の下端部142bには、前述の外部導電体膜31が接合されている。外部導電体膜31は、ビア電極142の下端部142b側からこの順に積層されたNi層、Pd層およびAu層を含む積層構造を有している。外部導電体膜31は、ビア電極142の下端部142bの全域を被覆しており、その一部がインターポーザ2の他方表面2bにオーバラップしている。
【0134】
このように、外部端子5に代えてビア電極142を形成することによっても、前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。むろん、外部端子5に代えてビア電極142が形成された構成は、前述の第1〜第4実施形態においても採用できる。この場合、ビア電極142は、配線膜に設けられた所定のパッド領域に接続されるようにインターポーザ2内に形成され、当該配線膜を介してチップ3に電気的に接続される。
【0135】
なお、電子部品141は、チップ本体20の裏面20bの全域に接合された前述の放熱部材32をさらに含んでいてもよい(
図6も併せて参照)。これにより、封止樹脂30内の熱をチップ本体20の裏面20bを介して放熱部材32に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、チップ3の温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品141を提供できる。
【0136】
また、電子部品141は、前述の表面絶縁膜34、放熱部材35および外部導電体膜39をさらに含んでいてもよい(
図7も併せて参照)。放熱部材35は、チップ本体20の裏面20bの全域に接合されている。これにより、封止樹脂30内の熱をチップ本体20の裏面20bを介して放熱部材35に効率良く伝達させることができる。その結果、封止樹脂30内での温度上昇を効果的に抑制できるから、チップ3の温度上昇を効果的に抑制できる。よって、信頼性に優れた電子部品141を提供できる。
【0137】
また、放熱部材35は、チップ本体20の裏面20bとの間でオーミックコンタクトを形成する第1金属層36を有している。つまり、チップ本体20の裏面20bに前述のAuSi共晶合金層38が形成され、第1金属層36は、当該AuSi共晶合金層38に接続される。これにより、チップ3の温度上昇を効果的に抑制しつつ、チップ3の電気的特性の安定性を高めることができる。
【0138】
さらに、電子部品141は、チップ本体20の裏面20bを被覆する前述の表面絶縁膜42をさらに含んでいてもよい(
図8も併せて参照)。この構成では、チップ本体20の裏面20bが表面絶縁膜42によって被覆されているので、チップ3の温度上昇の抑制効果は小さい。しかし、チップ本体20の裏面20bが封止樹脂30から露出している構成を望まない一方で、低背化を望む市場の要求に良好に応えることができる。
【0139】
また、この構成によれば、
図5において説明した外部導電体膜31を形成する工程(ステップS9)の際に使用するマスクをそのまま表面絶縁膜42として利用することもできる。したがって、
図5において説明した工程と共通の工程を経て、表面絶縁膜42を有する電子部品141を手間取ることなく製造できる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
【0140】
たとえば、前述の第1〜第3実施形態の各第1変形例では、放熱部材32が設けられた例について説明した。この放熱部材32の上面には、
図23を参照して、複数の凹凸150が形成されていてもよい。放熱部材32の上面に形成された複数の凹凸150によって、放熱部材32の上面の表面積を増加させることができる。このような凹凸150は、たとえばマスクを介するエッチングにより選択的に放熱部材32の上部の一部を除去することにより形成できる。この凹凸150によって、放熱部材32による放熱性を向上させることができる。
【0141】
また、前述の第1〜第3実施形態の各第2変形例では、放熱部材35が設けられた例について説明した。この放熱部材35の上面には、
図24を参照して、複数の凹凸151が形成されていてもよい。
図24では、放熱部材35が、チップ本体20の裏面20b上に間隔を空けて配列された複数の第1金属層36と、複数の第1金属層36を被覆するようにチップ本体20の裏面20b上に形成された第2金属層37とを含む例が示されている。第2金属層37は、一方表面および他方表面が、チップ本体20の裏面20bおよび第1金属層36の外面に沿って形成されており、これによって、第2金属層37の表面に複数の凹凸151が形成されている。
【0142】
このような凹凸151は、たとえば、一様な厚さの第1金属層36をチップ本体20の裏面20b上に形成し、マスクを介するエッチングにより選択的に第1金属層36の一部を除去した後、当該第1金属層36に沿って第2金属層37を形成することにより得ることができる。
このような複数の凹凸151によっても、放熱部材35の上面の表面積を増加させることができるから、放熱部材35による放熱性を向上させることができる。なお、複数の第1金属層36は、離散的に配置されていてもよいし、行列状に配列されていてもよい。また、複数の第1金属層36は、同一方向に沿って平行に延びるストライプ状に形成されていてもよい。また、複数の第1金属層36に代えて、格子状の第1金属層36が形成されていてもよい。
【0143】
また、前述の第1実施形態および第5実施形態では、インターポーザ2が、互いに平行な平坦面とされた一方表面2aおよび他方表面2bを有している例について説明した。この構成において、インターポーザ2は、たとえばエッチング等によって粗面化された一方表面2aを有していてもよい。粗面化された一方表面2aの一つの形態として、一方表面2aには、複数の凹凸が形成されていてもよい。インターポーザ2が粗面化された一方表面2aを有することにより、当該一方表面2a上に形成される絶縁膜7、配線膜8、封止樹脂30等のインターポーザの一方表面2aに対する密着力を高めることができる。
【0144】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。