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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-202018(P2017-202018A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】モップ収容容器
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/51 20060101AFI20171020BHJP
【FI】
   A47L13/51
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-93926(P2016-93926)
(22)【出願日】2016年5月9日
(71)【出願人】
【識別番号】390005212
【氏名又は名称】株式会社トーカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】高井 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】清水 克彦
(57)【要約】
【課題】床用モップとハンディモップを選択した組合せで無駄なく安定した状態で収容することができるモップ収容容器を提供すること。
【解決手段】モップ収容容器は、第1の当接面34と、ここに設けられた係合部35と、オーバーハング部36とを有した開口部33を備え筒状の床用モップ収容部3と、水平な底面42と、開口部43と、第1の当接面34と当接可能な第2の当接面44と、係合部35と係合・分離可能な係止部45とを有した筒状のハンディモップ収容部4とからなり、係止部45を係合部35と係合した場合に、第1の当接面34と第2の当接面44が当接するとともに、ハンディモップ収容部4の底面42が台座2に当接し、床用モップ収容部3のオーバーハング部36上端は、ハンディモップ収容部4の開口部43の上方に位置するように構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に載置される台座と、
当該台座上面中央に設けられ、上方に開口した開口部を備えた有底筒状に形成されるとともに、側面に設けられた第1の当接面と、当該第1の当接面に設けられた係合部と、前記第1の当接面の上方に設けられたオーバーハング部とを有した床用モップ収容部と、
水平面に載置可能な閉鎖された底面を備え、上方に開口した開口部を備えた筒状に形成されるとともに、前記第1の当接面と当接可能な第2の当接面と、前記係合部と係合・分離可能な係止部とを有したハンディモップ収容部とからなり、
当該係止部を前記係合部と係合した場合に、前記第1の当接面と第2の当接面が当接するとともに、前記ハンディモップ収容部の底面が前記台座に当接し、
前記床用モップ収容部のオーバーハング部上端は、前記ハンディモップ収容部の開口部の上方に位置するように構成された
ことを特徴とするモップ収容容器。
【請求項2】
前記第1の当接面と第2の当接面とは相互に密着する形状とされ、前記ハンディモップ収容部の底面と前記台座は相互に密着する形状とされていることを特徴とする請求項1に記載のモップ収容容器。
【請求項3】
前記係合部及び係止部は、いずれか一方が基部に溝を備えた突起からなり、他方が当該突起を挿入する孔からなり、前記係合部に前記係止部が係合することで、第1の当接面と第2の当接面が密着するとともに、前記ハンディモップ収容部の底面と前記台座が密着して前記ハンディモップの質量を前記台座が支えるとともに、床用モップ収容部とハンディモップ収容部との相対移動を規制するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載のモップ収容容器。
【請求項4】
前記ハンディモップ収容部の内部に、挿入方向に沿って形成されたリブであって、挿入されたハンディモップをその端部で外側周囲から支えるように複数配設されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のモップ収容容器。
【請求項5】
前記リブは、開口部周縁を除き、より底面側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のモップ収容容器。
【請求項6】
前記ハンディモップ収容部は、前記第2の当接面に沿った幅の大きさが、前記床用モップ収容部の幅の大きさより小さく構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のモップ収容容器。
【請求項7】
前記ハンディモップ収容部の開口部は、前記床用モップ収容部とは反対の方向に傾けて開口されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモップ収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モップ収容容器に係り、詳しくは床用モップ収容部とハンディモップ収容部とを備えたモップ収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水拭きをしないでホコリを吸着するいわゆる化学ぞうきんからなるモップが、店舗や家庭で清掃に使用されている。このようなモップは水洗いをする必要がないため、使用後は水洗いしないで直ちに収容可能である。そこで、特許文献1に示すようなモップを自立した状態で保管するモップ収容容器が提案されている。このようなモップ収容容器であれば、使用後、容器開口部にモップを挿入するだけで汚れた部分が隔離され清潔に保管できる。また必要なときは引き抜くだけで直ちに使用できるため、不使用時には衛生的に保管でき店舗内やリビングなどでも好適に使用できる。
【0003】
また、このようなモップには、床用のモップだけでなく、家具などを清掃するハンディモップがあり、特許文献2に示すように、容器の内部を2つに区切り、一方にハンディモップを立てて収容し、他方に取替え用拭き取り地を収容するようなものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−240504号公報
【特許文献2】特開平10−179488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗や家庭の状況により、床用モップしか使わない場合や、ハンディモップしか使わない場合がある。さらに床用モップとハンディモップの両方を使用したい場合もある。
このような場合、床用モップの収容容器と、ハンディモップの収容容器と両方を設置するとそれぞれがスペースを占めることになる。
【0006】
一方、1つの容器の内部を区切り、床用モップとハンディモップの両方を収容すれば、大きなスペースを占めることがない。しかしながら、床用モップとハンディモップの一方しか使用しなければ、無用な空間ができ、収容部の開口部が開いたままでは、視覚的に不衛生な感じを与える。
【0007】
そこで、本発明は、床用モップとハンディモップの組合せを環境に合わせて選択した組合せで無駄なく安定した状態で収容することができるモップ収容容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願に係る発明のモップ収容容器では、床面に載置される台座と、当該台座上面中央に設けられ、上方に開口した開口部を備えた有底筒状に形成されるとともに、側面に設けられた第1の当接面と、当該第1の当接面に設けられた係合部と、前記第1の当接面の上方に設けられたオーバーハング部とを有した床用モップ収容部と、水平面に載置可能な閉鎖された底面を備え、上方に開口した開口部を備えた筒状に形成されるとともに、前記第1の当接面と当接可能な第2の当接面と、前記係合部と係合・分離可能な係止部とを有したハンディモップ収容部とからなり、当該係止部を前記係合部と係合した場合に、前記第1の当接面と第2の当接面が当接するとともに、前記ハンディモップ収容部の底面が前記台座に当接し、前記床用モップ収容部のオーバーハング部上端は、前記ハンディモップ収容部の開口部の上方に位置するように構成されたことを要旨とする。
【0009】
このような構成によれば、床用モップ収容部とハンディモップ収容部は、それぞれ単独で収容容器として載置して使用可能であり、かつ相互に係合すれば一体になり、それぞれ載置するよりも小さな載置場所とすることができる。そして、第1当接面と第2当接面とが当接し、かつハンディモップ収容部の底面と台座が当接するため、ハンディモップ収容部は、安定した状態で床用モップ収容部に支持される。この場合、ハンディモップ収容部はより安定して支持できるように床用モップ収容部に近接するようにするとともに、大きな床用モップを収容しやすくするために、その開口を大きく拡げハンディモップ収容部の開口部を覆うようなかたちになっている。
【0010】
その結果、床用モップだけでも、ハンディモップだけでも、あるいは床用モップとハンディモップの両方でも、無駄なく安定した状態で収容することができる。
また、本願に係る発明では、前記第1の当接面と第2の当接面とは相互に密着する形状とされ、前記ハンディモップ収容部の底面と前記台座は相互に密着する形状とされていることをも望ましい。
【0011】
このような構成によれば、床用モップ収容部とハンディモップ収容部の一体感が増し、より安定した支持ができる。なお、ここでいう「密着」とは、少なくとも一部が安定して支持できる程度に密に接すればよい。
【0012】
また、本願に係る発明では、前記係合部及び係止部は、いずれか一方が基部に溝を備えた突起からなり、他方が当該突起を挿入する孔からなり、前記係合部に前記係止部が係合することで、第1の当接面と第2の当接面が密着するとともに、前記ハンディモップ収容部の底面と前記台座が密着して前記ハンディモップの質量を前記台座が支えるとともに、床用モップ収容部とハンディモップ収容部との相対移動を規制するように構成されたことも望ましい。
【0013】
このような構成によれば、簡単に係合することができるばかりか、密着した形状によりハンディモップ収容部の質量自体が安定して支持されるように働く。そして、密着した形状により有効に床用モップ収容部とハンディモップ収容部との相対移動を規制することができる。
【0014】
また、本願に係る発明では、ハンディモップ収容部の内部に、挿入方向に沿って形成されたリブであって、挿入されたハンディモップをその端部で外側周囲から支えるように複数配設されたことも望ましい。
【0015】
このような構成によれば、ハンディモップ挿入時の摺動抵抗を低くして挿入しやすくできる。特に、ハンディモップが水分や油分で汚れたときには効果的で、摺動抵抗が大きくなって収容容器を倒してしまうようなことを抑制することができる。また、水分を含んだようなハンディモップの乾燥を促進することもできる。また、摺動抵抗を小さくするだけでなく、ハンディモップ収容部の内壁の汚損を有効に防止することができる。
【0016】
特に、本願においては、挿入されたハンディモップを周囲から支持することで、容器内のハンディモップの傾きを抑制して、その質量が有効に台座に掛かるような姿勢とすることができる。その結果、ハンディモップ収容部を支持している床用モップ収容部の安定に資することができる。
【0017】
また、本願においては、前記リブが、開口部周縁を除き、より底面側に設けられていることも望ましい。
このような構成によれば、ハンディモップの傾きを抑制しつつ、ハンディモップ収容部の開口を大きくとることができ、ハンディモップをハンディモップ収容部に挿入しやすくできる。
【0018】
また、本願においては、前記ハンディモップ収容部は、前記第2の当接面に沿った幅の大きさが、前記床用モップ収容部の幅の大きさより小さく構成されていることも望ましい。
【0019】
このような構成によれば、ハンディモップをハンディモップ収容部に挿入したときに、第2の当接面に沿った傾きを抑制してより安定した支持を得ることができる。
また、本願においては、前記ハンディモップ収容部の開口部は、前記床用モップ収容部とは反対の方向に傾けて開口されていることも望ましい。
【0020】
このような構成にすることで、ハンディモップ収容部を床用モップ収容部に近接させて、上部に床用モップ収容部のオーバーハング部が覆いかぶさっても、ハンディモップを挿入しやすくなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のモップ収容容器によれば、床用モップとハンディモップの組合せを環境に合わせて選択した組合せで無駄なく安定した状態で収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ハンディモップ収容部を係合したモップ収容容器を示す斜視図。
図2】ハンディモップ収容部を分離した床用モップ収容部の斜視図。
図3】分離したハンディモップ収容部を斜め下から見た斜視図。
図4】ハンディモップ収容部を中心線に沿って斜め上方から見た斜視図。
図5】(a)モップ収容容器を側面から見た断面図、(b)係合部・係止部の拡大図。
図6】ハンディモップ収容部を係合したモップ収容容器を示す正面図。
図7】ハンディモップ収容部を係合したモップ収容容器を示す平面図。
図8】ハンディモップ収容部を係合したモップ収容容器を示す右側面図。
図9】床用モップの一例を示す斜視図。
図10】ハンディモップの一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した一実施形態のモップ収容容器1を図1図10にしたがって説明する。
(モップ収容容器1)
図1に示すように本実施形態のモップ収容容器1は、全体がPP(ポリプロピレン)等の樹脂からなり、床面に載置する円盤状の台座2と、この台座2の上面の中央に設けられた床用モップ収容部3と、この床用モップ収容部3の側面に装着するハンディモップ収容部4とから構成されている。床用モップ収容部3には、床用モップFMが上方より挿入されて収容される。また、ハンディモップ収容部には、ハンディモップHMが方より挿入されて収容される。
【0024】
(床用モップFM、ハンディモップHM)
図9に示すように床用モップFMは、化学ぞうきんの繊維からなる拭き取り部FM1とこれを支持する支持部FM2と、支持部と首振り自在に連結された柄FM3とからなり、収納する場合には支持部FM2を柄FM3と平行にして収容する。
【0025】
図10に示すようにハンディモップHMは、化学ぞうきんの繊維からなる拭き取り部HM1とこれを支持する支持部HM2と、この支持部HM2と連結された柄HM3とからなり、収納する場合には、そのまま拭き取り部HM3を収容する。
【0026】
(台座2)
図1に示すように台座2は、全体が背が低い椀状の形状を伏せたような形状で、中央部には、床用モップ収容部3の基部を固定するため、上下方向に無底の水平断面が概ねD字形状の筒状の孔が形成されている。
【0027】
(床用モップ収容部3)
図2に示すように床用モップ収容部3は、有底筒状に形成されている本体31を備え、上方にラッパ状に開口した開口部33を備えている。本体31及び開口部33は、その水平断面が概ねD字形状となっている。本体31は、床面に載置する円盤状の台座2の上面の中央に基部32が固定され立設される。
【0028】
本体31の側面には、概ね垂直な平面である第1の当接面34が形成されている。第1の当接面34の上部中央に、概ね、水平に突出したきのこ形状の突起からなる係合部35を備える。係合部35は、基端部35aが軸状となっており、先端部35bがフランジ状に膨らんだ形状で、基端部35aの上側には、溝35cが形成されている。この溝35cは、後述するハンディモップ収容部4の係止部45と係合するための溝である。
【0029】
第1の当接面34から連なる上部は、ラッパ状に開口した開口部33によりオーバーハング部36が形成されている。
(ハンディモップ収容部4)
図3に示すように、ハンディモップ収容部4は、床用モップ収容部3から分離することができる。
【0030】
ハンディモップ収容部4は、水平断面形状が角を丸くした6角形とされ、上方に向かい高さに応じて断面積が大きくなるように開口した開口部43を備えた6つの平面から筒状に形成された本体41を備える。開口部43は水平から概ね45度傾けた方向に開口している(図8参照)。
【0031】
本体41の底部には水平面に載置可能な閉鎖された底面42を備える。そのため水平面に底面42を載置することでハンディモップ収容部4は、それのみで自立して、ハンディモップHMを上部から挿入可能に構成される。
【0032】
本体41の開口部43の一番背の高い側面には、概ね垂直な平面である第2の当接面44を備える。図5(a)、(b)に示すように、この第2の当接面44の上部中央には、床用モップ収容部3と組み合わせたときに、第1当接面34に設けた係合部35と対応する位置に、係止部45が形成されている。係止部45は、床用モップ収容部3の係合部35の先端部35bが挿入できる程度の穴が穿設されている。この係止部45に先端部35bを挿入すると係止部45の周縁が、ハンディモップ収容部4自体の質量で基端部35aの溝35cと係合し、係合部35と係止部45との係合は解除されない。
【0033】
図2に示すように底面42は、前述したとおり、その周縁42aは水平面に載置したときに、ハンディモップ収容部4が自立するようになっている。底面42の内側は、曲面状に凹部42bが形成されている。この凹部42bの形状は、床用モップ収容部3と係合した時に台座2の上面に当接して密着するように、台座2の形状に倣って形成されている(図5(a)参照)。
【0034】
(リブ46)
図4に示すように、ハンディモップ収容部4の内面には、ハンディモップHMの挿入方向に沿って6条のリブ46が形成されている。このリブ46は、本体41を形成する6つの平面の略中央にそれぞれ配置されている。これら6条のリブ46は、挿入されたハンディモップHMを囲むように配置されており、ほぼ均等にハンディモップHMを周囲から包むように支持する。
【0035】
図5(a)に示すように、このリブ46は、開口部43近傍には配設されていないため、ハンディモップHMを開口部43から挿入するときの障害にはならない。ハンディモップHMをハンディモップ収容部4に挿入するときには、開口部43上端の開口面積をすべて使用できる。6条のリブ46は、開口部43の周縁を除き、より底面42側に設けられ、底面42に至っている。リブ46間の間隔は、底面42に近づくほど相互に近接して、ハンディモップHMをしっかりと支持するため、ハンディモップHMは傾きにくい。
【0036】
また、リブ46は、挿入されたハンディモップHMの姿勢を維持するだけでなく、ハンディモップHM挿入時の摺動抵抗を低くして挿入しやすくできる。特に、ハンディモップHMが水分や油分で汚損した場合でも接触面積を小さくして、内壁面に貼りつくような状態を抑制することができるため、汚れたときにも効果的で、摺動抵抗が大きくなって収容容器を倒してしまうようなことを抑制することができる。その結果、摺動抵抗を小さくするだけでなく、ハンディモップ収容部4の内壁の汚損を有効に防止することができる。
【0037】
また、水分を含んだようなハンディモップHMを挿入したときでも、挿入されたハンディモップと内壁面との間に間隙を形成してハンディモップHMの乾燥を促進することもできる。
【0038】
(モップ収容容器1の作用)
このように構成された本実施形態のモップ収容容器1の作用を説明する。
図5(b)に示す状態からハンディモップ収容部4を上に持ち上げると、係止部45が係合部35の溝35cから離脱し、その状態で床用モップ収容部3から離間すると係合部35の先端部35bが係止部45の穴から離脱する。そうすれば、係合が解除されて、図2に示すモップ収容容器1の床用モップ収容部3と、図3に示すハンディモップ収容部4との状態になる。
【0039】
分離した、床用モップ収容部3と、ハンディモップ収容部4とは、それぞれ自立して載置できるため、それぞれ単独で使用することができる。
また、ハンディモップ収容部4の係止部45を床用モップ収容部3の係合部35に近接させると係合部35の先端部35bが係止部45の穴に挿入される。その状態でハンディモップ収容部4を下に置けば、図5(b)に示すように係止部45に係合部35の溝35cが嵌合し、モップ収容容器1の床用モップ収容部3とハンディモップ収容部4とが合体する。
【0040】
図5(a)に示すように、このとき床用モップ収容部3の第1の当接面34と、ハンディモップ収容部4の第2の当接面44は、いずれも平面からなるので、係合部35と係止部45により密着する。
【0041】
また、ハンディモップ収容部4の底面42の凹部42bに台座2の凸曲面2aが嵌り込んで、ハンディモップ収容部4が床用モップ収容部の相対移動が規制されることになる。
また、ハンディモップ収容部4の底面42の凹部42bに台座2の凸曲面2aが嵌り込んで、ハンディモップ収容部4の質量を台座2に支持させるため、ハンディモップ収容部4は安定して支持される。
【0042】
このとき、6条のリブ46により挿入されたハンディモップHMが外側に倒れないように有効に支持して、ハンディモップ収容部の重心が、床用モップ収容部3から離れないようにするため、全体として倒れにくくすることができる。
【0043】
さらに、図6に示すように、ハンディモップ収容部4は、第2の当接面44に沿った幅の大きさW1が、床用モップ収容部3の幅の大きさW2より小さく構成されている。その結果、ハンディモップHMは、リブ46の作用と相俟って、第2の当接面44沿った方向の傾きを小さくすることができる。
【0044】
なお、図7図8に示すように、第1の当接面34と第2の当接面44とを密着させた状態では、床用モップ収容部3のオーバーハング部36の上端は、ハンディモップ収容部4の開口部43の上方に位置するように位置する。このため、床用モップ収容部3の開口部33を十分に広くとり、より大きな床用モップFMの挿入を円滑にしている。
【0045】
一方、図8に示すように、ハンディモップ収容部4の開口部43は、床用モップ収容部3とは反対の方向の外側に傾きαだけ傾けて開口されている。このため、床用モップ収容部3のオーバーハング部36にかかわらず、ハンディモップHMもハンディモップ収容部4に挿入が容易になっている。
【0046】
(実施形態の効果)
上記実施形態のモップ収容容器1によれば、以下のような効果を得ることができる。
○ 本実施形態のモップ収容容器1によれば、床用モップFMとハンディモップHMの組合せを環境に合わせて選択した組合せに応じて、最少のスペースで無駄なく安定した状態で収容することができる。
【0047】
○ 床用モップ収容部3とハンディモップ収容部4は、それぞれ単独で収容容器として載置して使用可能であり、かつ相互に係合すれば一体になり、それぞれ載置するよりも小さな載置場所とすることができる。その結果、床用モップFMだけでも、ハンディモップHMだけでも、あるいは床用モップFMとハンディモップHMの両方でも、無駄なく最小のスペースで収容することができる。
【0048】
○ そして、第1当接面34と第2当接面44とが当接し、かつハンディモップ収容部4の底面42と台座2が当接するため、ハンディモップ収容部4は、安定した状態で床用モップ収容部3に支持される。この場合、ハンディモップ収容部4はより安定して支持できるように床用モップ収容部3に近接するようにするとともに、大きな床用モップFMを収容しやすくするために、その開口部33を大きく拡げハンディモップ収容部4の開口部43を覆うようなかたちになっている。
【0049】
その結果、床用モップFMとハンディモップHMの両方を小さなスペースで収容する場合でも、安定した状態で、いずれのモップも挿入しやすくすることができる。
○ 係合部35と係止部45を係合することで、第1の当接面34と第2の当接面44とが密着する。それとともに、ハンディモップ収容部4の底面42と台座2が密着してハンディモップHMの質量を台座2が支える。さらに、床用モップ収容部3とハンディモップ収容部4との相対移動を規制するように構成された。そのため、簡単に係合することができるばかりか、密着した形状によりハンディモップ収容部の質量自体が安定して支持されるように働く。そして、密着した形状により有効に床用モップ収容部とハンディモップ収容部との相対移動を規制することができる。
【0050】
○ ハンディモップ収容部4の内部に、挿入方向に沿って形成された6条のリブ46により挿入されたハンディモップHMをその端部で外側周囲から支えるため、ハンディモップHM挿入時の摺動抵抗を低くして挿入しやすくできる。特に、ハンディモップHMが水分や油分で汚れたときには効果的で、摺動抵抗が大きくなってモップ収容容器1を倒してしまうようなことを抑制することができる。また、水分を含んだようなハンディモップHMの乾燥を促進することもできる。また、摺動抵抗を小さくするだけでなく、ハンディモップ収容部4の内壁の汚損を有効に防止することができる。
【0051】
特に、本願においては、挿入されたハンディモップHMを周囲から支持することで、ハンディモップ収容部4内のハンディモップHMの傾きを抑制して、その質量が有効に台座2に掛かるような姿勢とすることができるため、ハンディモップ収容部4を支持している床用モップ収容部3の安定に資することができる。
【0052】
リブ46は、開口部43周縁を除き、底面42側に設けられているので、ハンディモップHMの傾きを抑制しつつ、ハンディモップ収容部4の開口部43を大きくとることができ、ハンディモップHMをハンディモップ収容部4に挿入しやすくできる。
【0053】
○ また、本願においては、ハンディモップ収容部4の幅が、床用モップ収容部3の幅より小さく、ハンディモップHMをハンディモップ収容部4に挿入したときに、幅方向の傾きを抑制してより安定した支持を得ることができる。
【0054】
○ ハンディモップ収容部4の開口部43は、床用モップ収容部3とは反対の方向に傾けて開口されているので、ハンディモップ収容部4を床用モップ収容部3に近接させて、上部に床用モップ収容部3のオーバーハング部36が覆いかぶさっても、ハンディモップHMを挿入しやすくなる。
【0055】
(変形例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態の床用モップ収容部3は、水平断面がD字状の形状であるが、円筒形や、断面三角形や四角形など適宜採用できる。また、実施形態のハンディモップ収容部4の水平断面が6角形であったが、この形状も適宜選択できる。要は、第1の当接面と第2の当接面が、安定した状態で当接する形状であれば、実施形態に示す形状に限定されるものではない。
【0056】
つまり、第1の当接面34と第2の当接面44は平面に限定されるものではない。
また、安定して当接できれば必ずしも密着するような構成でなく、線接触のような部分的に隙間がある当接でもよい。
【0057】
例えば、床用モップ収容部3を円筒状とし、ハンディモップ収容部4が、第1の当接面に合わせた窪みを有する。例えば三日月形でもよい。
或いは第1の当接面34と第2の当接面44の凹凸形状が噛合うような形状でもよい。
【0058】
○ 実施形態では、1つの床用モップ収容部3と1つのハンディモップ収容部4により説明したが、例えば、1つの床用モップ収容部3に対して、対向する方向に2つのハンディモップ収容部4を組み合わせるような構成でもよい。
【0059】
○ 実施形態では、床用モップ収容部3の係合部35と、ハンディモップ収容部4の係止部45を例に説明したが、突起と穴が逆の構成でもよい。また、突起と穴の構成に限定されるものではなく、平面ファスナや磁力による係合でもよい。要は、第1の当接面34と第2の当接面44が当接するように係合できれば十分である。
【0060】
○ 係止部45と係合部35は、一か所でなく複数設けてもよい。さらに、係止部45と係合部35以外に当接を安定させる回り止め、ガイドやサポートを設けてもよい。
○ 台座2は、円盤状の形状に限らず、ハンディモップ収容部4の底面42を支えることができれば形状は限定されない。また、台座2に、ハンディモップ収容部4の底面42を固定する形状を採用することも好ましい。
【0061】
また、台座2と床用モップ収容部3を一体に形成することも好ましい。本願においては、台座2と床用モップ収容部3の機能を奏する部分があれば、これらが明確に分離できることは要求されない。もちろん、脚、滑り止め、ウエイトなどを付加することもできる。
【0062】
○ 本実施形態では、樹脂製の物を例示したが、素材は樹脂製に替えて、陶器製、木製、金属製、あるいはこれらの複合材料でもよい。
○ リブ46は、実施形態に示す例示の外、長さや数、配置は同様の機能を発揮するように適宜変更できる。また、実施形態ではリブの名称を例示したが、リブの名称に拘泥せず多数のボスとするなど同様な機能を有する構成にすることができる。
【0063】
○ また、床用モップ、ハンディモップの名称に拘泥せず、ほうきや、チリ落としなどの収容に適用できるものである。
○ その他本願発明の技術的思想を損なわない範囲で、当業者において適宜変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0064】
1…モップ収容容器、2…台座、3…床用モップ収容部、4…ハンディモップ収容部、31…本体、32…基部、33…開口部、34…第1の当接面、35…係合部、35a…基端部、35b…先端部、35c…溝、36…オーバーハング部、41…本体、42…底面、42a…周縁、42b…凹部、43…開口部、44…第2の当接面、45…係止部、46…リブ、HM…ハンディモップ、FM床用モップ。
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