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特開2017-202130特典付与システム、装置、および台間機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-202130(P2017-202130A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】特典付与システム、装置、および台間機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171020BHJP
【FI】
   A63F7/02 328
   A63F7/02 352F
   A63F7/02 352L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-95823(P2016-95823)
(22)【出願日】2016年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 和之
(72)【発明者】
【氏名】横山 徳彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 均
(72)【発明者】
【氏名】木谷 信哉
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB03
2C088BB07
2C088BB25
2C088CA02
2C088CA27
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】任意の遊技台の稼働率を向上させる。
【解決手段】条件設定部15が、特典付与の対象となる遊技台30を示す対象条件および遊技実績が満たすべき充足条件と、充足条件の成立時に付与する特典との組を、予め特典付与条件として設定しておき、特典処理部17が、遊技台30における利用者の遊技状況を集計して得られた遊技実績のうち、対象条件と一致する遊技台30に関する遊技実績が充足条件を満たす場合に、対応する特典を利用者に付与する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台で遊技している利用者の遊技状況を取得し、前記利用者の遊技実績として集計する実績集計部と、
特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件および前記遊技実績が満たすべき充足条件と、前記充足条件の成立時に付与する特典との組を、予め特典付与条件として設定する条件設定部と、
前記特典付与条件ごとに、前記利用者に関する前記遊技実績のうち、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たすか否か判定し、前記充足条件を満たす場合には前記充足条件と対応する前記特典を前記利用者に付与する特典処理部と
を備えることを特徴とする特典付与システム。
【請求項2】
請求項1に記載の特典付与システムにおいて、
前記特典処理部は、前記利用者に対する前記特典の付与に応じて、前記利用者の遊技台または前記遊技台に併設されている台間機で、前記付与に関する表示を行うことを特徴とする特典付与システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の特典付与システムにおいて、
前記特典処理部は、前記利用者に対する前記特典の付与に応じて、前記利用者の遊技台に併設されている台間機に挿入されている利用者カードに、付与した前記特典に関する記録を行うことを特徴とする特典付与システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の特典付与システムにおいて、
前記特典処理部は、前記特典付与条件のうち、予め前記利用者に割り当てた特典付与条件のみを前記判定の対象とすることを特徴とする特典付与システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の特典付与システムにおいて、
前記特典処理部は、前記判定の際、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たさない場合、前記充足条件を満たすのに必要となる残りの遊技実績、または、前記充足条件に対する前記遊技実績の達成度を、前記利用者の遊技台に併設されている台間機で表示することを特徴とする特典付与システム。
【請求項6】
各遊技台に併設された台間機と通信回線を介して接続されて、前記台間機から通知された前記遊技台における利用者の遊技状況に基づいて、前記利用者に特典を付与する特典付与装置であって、
前記台間機から通知された前記遊技状況を前記利用者の遊技実績として集計する実績集計部と、
特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件および前記遊技実績が満たすべき充足条件と、前記充足条件の成立時に付与する特典とを対応付けて設定する条件設定部と、
前記利用者に関する前記遊技実績のうち、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たす場合、前記充足条件と対応する前記特典を前記利用者に付与する特典処理部と
を備えることを特徴とする特典付与装置。
【請求項7】
各遊技台に併設された台間機であって、
前記遊技台から取得した利用者の遊技状況を前記利用者の遊技実績として集計する実績集計部と、
特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件および前記遊技実績が満たすべき充足条件と、前記充足条件の成立時に付与する特典との組が、予め設定された特典付与条件ごとに、前記利用者に関する前記遊技実績のうち、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たすか否か判定し、前記充足条件を満たす場合には前記充足条件と対応する前記特典を前記利用者に付与する特典処理部と
を備えることを特徴とする台間機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台における遊技状況に応じて利用者に特典を付与する特典付与技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機やスロット機などの遊技台が設置されている遊技場では、遊技台での遊技内容と利用者の携帯端末で実行されるアプリとを連携させる技術として、例えば、遊技中に発生した大当たりなどの事象を示す伝達情報を、遊技台から音声により出力し、これを利用者の携帯端末に付属するマイクで検出して、携帯端末に遊技台での遊技内容に応じた各種画面を表示したり、あるいは遊技中に表示されるキャラクタの画像が得られる特典を付与する技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
【0003】
このような従来技術によれば、遊技により払い出されたパチンコ玉やメダルを景品に交換するという本来の遊技目的とは別の特典を、利用者に付与することができる。したがって、利用者による遊技意欲を高めることができ、利用者の来場機会や遊技時間を増大させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−161451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術では、遊技中に遊技台で発生した事象など、遊技台での遊技内容を条件として予め指定されている特典を利用者に付与することになるため、特典を付与する特典付与条件が、遊技台メーカーにより、特定機種の遊技台の特定の事象に限定されるという問題点があった。
【0006】
一般に、遊技場では、利用者の来場機会や遊技時間を増大させることだけでなく、各遊技台を効率よく利用者に利用させ、すべての遊技台の稼働率を向上させることも重要となる。したがって、特典を利用してすべての遊技台の稼働率を向上させるためには、限られた特定の機種だけでなく、稼働率の低い任意の機種の遊技台で特典を付与することが必要となる。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、任意の遊技台の稼働率を向上させることができる特典付与技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる特典付与システムは、遊技台で遊技している利用者の遊技状況を取得し、前記利用者の遊技実績として集計する実績集計部と、特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件および前記遊技実績が満たすべき充足条件と、前記充足条件の成立時に付与する特典との組を、予め特典付与条件として設定する条件設定部と、前記特典付与条件ごとに、前記利用者に関する前記遊技実績のうち、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たすか否か判定し、前記充足条件を満たす場合には前記充足条件と対応する前記特典を前記利用者に付与する特典処理部とを備えている。
【0009】
また、本発明にかかる上記特典付与システムの一構成例は、前記特典処理部が、前記利用者に対する前記特典の付与に応じて、前記利用者の遊技台または前記遊技台に併設されている台間機で、前記付与に関する表示を行うようにしたものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記特典付与システムの一構成例は、前記特典処理部が、前記利用者に対する前記特典の付与に応じて、前記利用者の遊技台に併設されている台間機に挿入されている利用者カードに、付与した前記特典に関する記録を行うようにしたものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記特典付与システムの一構成例は、前記特典処理部が、前記特典付与条件のうち、予め前記利用者に割り当てた特典付与条件のみを前記判定の対象とするようにしたものである。
【0012】
また、本発明にかかる上記特典付与システムの一構成例は、前記特典処理部が、前記判定の際、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たさない場合、前記充足条件を満たすのに必要となる残りの遊技実績、または、前記充足条件に対する前記遊技実績の達成度を、前記利用者の遊技台に併設されている台間機で表示するようにしたものである。
【0013】
また、本発明にかかる特典付与装置は、各遊技台に併設された台間機と通信回線を介して接続されて、前記台間機から通知された前記遊技台における利用者の遊技状況に基づいて、前記利用者に特典を付与する特典付与装置であって、前記台間機から通知された前記遊技状況を前記利用者の遊技実績として集計する実績集計部と、特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件および前記遊技実績が満たすべき充足条件と、前記充足条件の成立時に付与する特典とを対応付けて設定する条件設定部と、前記利用者に関する前記遊技実績のうち、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たす場合、前記充足条件と対応する前記特典を前記利用者に付与する特典処理部とを備えている。
【0014】
また、本発明にかかる台間機は、各遊技台に併設された台間機であって、前記遊技台から取得した利用者の遊技状況を前記利用者の遊技実績として集計する実績集計部と、特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件および前記遊技実績が満たすべき充足条件と、前記充足条件の成立時に付与する特典との組が、予め設定された特典付与条件ごとに、前記利用者に関する前記遊技実績のうち、前記対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が前記充足条件を満たすか否か判定し、前記充足条件を満たす場合には前記充足条件と対応する前記特典を前記利用者に付与する特典処理部とを備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、特典を付与する特典付与条件が、遊技台メーカーにより、特定機種の遊技台の特定の事象に限定されなくなり、遊技場側で、任意の機種の遊技台を特典付与判定の対象として設定できるとともに、任意の遊技実績を特典付与判定の充足条件として設定できる。したがって、稼働率の低い機種の遊技台について特典を付与することができ、各遊技台を効率よく利用者に利用させ、すべての遊技台の稼働率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施の形態にかかる特典付与システムの構成を示すブロック図である。
図2】実績データの構成例である。
図3】条件データの構成例である。
図4】特典データの構成例である。
図5】特典付与動作を示すシーケンス図である。
図6】特典付与判定処理を示すフローチャートである。
図7】第2の実施の形態にかかる特典付与システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる特典付与システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる特典付与システムの構成を示すブロック図である。
【0018】
この特典付与システム1は、遊技場に設置された各遊技台30に併設されている台間機20と、通信回線lを介して各台間機20と接続されて、遊技台30で遊技する利用者に特典を付与する特典付与装置10とから構成されている。
【0019】
本発明は、特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件および遊技実績が満たすべき充足条件と、充足条件の成立時に付与する特典との組からなる特典付与条件を予め設定しておき、利用者の遊技状況を集計して得られた遊技実績のうち、対象条件と一致する遊技台に関する遊技実績が充足条件を満たす場合に、対応する特典を付与するようにしたものである。
【0020】
[台間機]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる台間機20の構成について説明する。
台間機20は、パチンコ機やスロット機などの遊技台30に併設されたCRユニットやメダル貸機などの端末装置からなり、利用者カード40に記録されている貨幣価値の投入に応じて、遊技玉やメダルなどの遊技媒体を貸し出して遊技台30に供給する機能を有している。
この台間機20には、主な機能部として、通信I/F部21、操作入力部22、画面表示部23、カードI/F部24、玉貸部25、および制御部26が設けられている。
【0021】
通信I/F部21は、通信回線Lを介して特典付与装置10とデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部22は、タッチパネルや操作キーなどの操作入力装置からなり、利用者操作を検出して出力する機能を有している。
画面表示部23は、LCDなどの画面表示装置からなり、付与された特典などの各種情報を画面表示する機能を有している。
【0022】
カードI/F部24は、利用者が挿入した利用者カード40に記録されている各種データの読み出し/書き込みを行う機能を有している。
玉貸部25は、カードに記録されている貨幣価値に応じた数の遊技媒体を貸し出して遊技台30に供給する機能を有している。
【0023】
制御部26は、対応する遊技台30から収集した利用者の遊技状況および台番号と、利用者カード40に記録されている利用者IDとを含む遊技情報を、通信I/F部21から通信回線Lを介して特典付与装置10へ通知する機能と、通信回線Lを介して通信I/F部21で受信した特典付与装置10からの各種情報を画面表示部23で画面表示し、あるいはカードI/F部24を介して利用者カード40に記録する機能とを有している。
【0024】
[特典付与装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる特典付与装置10の構成について説明する。
特典付与装置10は、全体としてサーバ装置などの情報処理装置からなり、通信回線Lを介して接続された台間機20から通知された遊技状況に基づいて、遊技台30で遊技する利用者に特典を付与する機能を有している。
特典付与装置10には、主な機能部として、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、条件設定部15、実績集計部16、および特典処理部17が設けられている。
【0025】
通信I/F部11は、通信回線Lを介して各台間機20とデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、特典付与条件の設定画面など、各種情報を画面表示する機能を有している。
【0026】
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、特典付与処理で用いる各種処理情報を記憶する機能を有している。
記憶部14で記憶する主な処理部として、実績データ、条件データ、および特典データがある。
【0027】
実績データは、各台間機20から通知された、遊技台30で遊技している利用者の遊技状況を、利用者ごとに遊技実績として集計したデータである。図2は、実績データの構成例である。ここでは、利用者を識別するための利用者IDごとに、利用者が遊技した遊技台の台番号、アウト玉数、セーフ玉数、大当たり回数、リーチ回数、遊技の開始・終了時間などの遊技状況が組として登録されている。
【0028】
条件データは、実績データに記録されている利用者の遊技実績に基づいて、特典付与の要否を判定するための特典付与条件を示すデータである。図3は、条件データの構成例である。ここでは、特典付与条件を識別するための条件IDごとに、特典付与の対象となる遊技台を示す対象条件、遊技実績が満たすべき条件を示す充足条件、および充足条件の成立時に付与する特典が組として登録されている。
【0029】
特典データは、利用者に付与された特典を示すデータである。図4は、特典データの構成例である。ここでは、利用者IDごとに、付与された特典と特典が付与された付与日時とが組として登録されている。
【0030】
条件設定部15は、操作入力部12で検出されたオペレータ操作に応じて、特典付与の対象となる遊技台30を示す対象条件および遊技実績が満たすべき充足条件と、充足条件の成立時に付与する特典との組を、特典付与条件として記憶部14の条件データに設定する機能を有している。
【0031】
実績集計部16は、各台間機20から通知された、遊技台30で遊技している利用者の遊技状況を、利用者ごとに遊技実績として集計し、記憶部14の実績データに記録する機能を有している。
【0032】
特典処理部17は、記憶部14の条件データに設定されている特典付与条件ごとに、記憶部14の実績データに記録されている利用者に関する遊技実績のうち、対象条件と一致する遊技台30に関する遊技実績が充足条件を満たすか否か判定する機能と、充足条件を満たす場合には充足条件と対応する特典を利用者に付与する機能と、付与した特典を記憶部14の特典データに記録する機能とを有している。
【0033】
また、特典処理部17は、利用者に対する特典の付与に応じて、利用者の遊技台30または台間機20で、付与に関する表示を行う機能と、利用者に対する特典の付与に応じて、利用者の台間機20に挿入されている利用者カード40に、付与した特典に関する記録するよう、台間機20に指示する機能と、特典付与条件のうち、台間機20での利用者操作により予め選択された特典付与条件のみを判定の対象とする機能とを有している。
【0034】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図5を参照して、本実施の形態にかかる特典付与システムの動作について説明する。図5は、特典付与動作を示すシーケンス図である。
以下では、1つの台間機20から通知される遊技状況を、特典付与装置10で逐次集計して得られた遊技実績に基づいて、遊技台30で遊技する利用者に特典を付与する場合を例として説明するが、実際には、複数の台間機20に対して特典付与動作が実行される。
【0035】
利用者が、遊技開始時、選択した遊技台30の台間機20に利用者カード40を挿入した場合(ステップ100)、台間機20の制御部26は、遊技台30の台番号と利用者カード40に記録されている利用者IDとを含むカード挿入通知を、特典付与装置10へ通知する(ステップ101)。
特典付与装置10の実績集計部16は、台間機20からのカード挿入通知に応じて、記憶部14の実績データに、通知された利用者IDに関連付けて台番号や遊技開始時間を記録し(ステップ102)、遊技状況の集計を開始する。
【0036】
この後、利用者による遊技開始に応じて(ステップ103)、台間機20の制御部26は、例えば周期的に、遊技台30から収集した利用者の遊技状況および台番号と、利用者カード40に記録されている利用者IDとを含む遊技情報を、特典付与装置10へ通知する(ステップ104)。
特典付与装置10の実績集計部16は、台間機20からの遊技情報に応じて、記憶部14の実績データに、通知された利用者IDに関連付けて遊技内容を集計して記録する(ステップ105)。
【0037】
一方、特典付与装置10の特典処理部17は、例えば新たな遊技情報の通知ごとに、集計後の遊技実績に関する特典付与判定を実行し(ステップ110)、遊技実績が特定付与条件を満たす場合、利用者に対して特典を付与する(ステップ111)。
【0038】
この後、特典処理部17は、特典付与に応じて、特典付与を表示する特典付与表示指示を利用者の台間機20へ通知するようにしてもよい(ステップ112)。これに応じて、台間機20の制御部26は、特典付与および特典内容を画面表示部23や遊技台30で表示する(ステップ113)。これにより、利用者は特典が付与されたことをリアルタイムで知ることができる。また、付与された特典が遊技場からの景品である場合、利用者に呼ばれた係員が表示内容を確認して、対応する景品を利用者に提供することができ、きめ細かいサービスを提供できる。
【0039】
また、特典処理部17は、特典付与に応じて、特典付与をカードに記録する特典付与記録指示を利用者の台間機20へ通知するようにしてもよい(ステップ114)。これに応じて、台間機20の制御部26は、特典付与および特典内容をカードI/F部24を介して利用者カード40に記録する(ステップ115)。これにより、遊技終了後、利用者が遊技場のカウンターで利用者カード40を提示することにより、特典に応じた景品を受け取ることができる。
【0040】
この後、利用者が、遊技終了時、台間機20から利用者カード40を排出させた場合(ステップ120)、台間機20の制御部26は、遊技台30の台番号と利用者カード40に記録されていた利用者IDとを含むカード排出通知を、特典付与装置10へ通知する(ステップ121)。
特典付与装置10の実績集計部16は、台間機20からのカード排出通知に応じて、記憶部14の実績データに、通知された利用者IDに関連付けて台番号や遊技終了時間を記録し(ステップ122)、一連の特典付与動作を終了する。
【0041】
[特典付与判定処理]
次に、図6を参照して、図5のステップ110で実行される特典付与判定処理について説明する。図6は、特典付与判定処理を示すフローチャートである。ここでは、台間機20からの遊技情報に応じて新たな集計された、特定の利用者に関する特定の遊技台30での遊技実績について、特典付与判定を行う場合を例として説明する。
【0042】
まず、特典付与装置10の特典処理部17は、記憶部14の条件データから未判定の特典付与条件を1つ選択し(ステップ130)、遊技実績の台番号が選択した特典付与条件の対象条件と一致するか確認する(ステップ131)。
ここで、遊技実績の台番号と対象条件とが一致しない場合(ステップ131:NO)、特典処理部17は、ステップ134へ移行して、未判定の特典付与条件が存在するか確認し(ステップ134)、存在する場合には(ステップ134:YES)、ステップ130へ戻る。
【0043】
一方、遊技実績の台番号と対象条件とが一致した場合(ステップ131:YES)、特典処理部17は、遊技実績の集計結果が選択した特典付与条件の充足条件を満足するか確認する(ステップ132)。
ここで、遊技実績の集計結果が充足条件を満足しない場合(ステップ132:NO)、特典処理部17は、前述したステップ134へ移行する。
【0044】
また、遊技実績の集計結果が充足条件を満足した場合(ステップ132:YES)、特典処理部17は、遊技実績の利用者と選択した特典付与条件で指定されている特典とを、記憶部14の特典データに登録することにより、利用者に特典を付与し(ステップ133)、前述したステップ134へ移行する。
ステップ134において、すべての特典付与条件について判定が終了した場合(ステップ134:NO)、一連の特典付与判定処理を終了する。
【0045】
なお、図6では、特定の利用者に関する特定の遊技台30での遊技実績について、特典付与判定を行う場合を例として説明したが、特典付与判定によっては異なる複数の遊技台30での遊技実績に基づき特典付与判定を行う場合もある。例えば、利用者が、同一特典付与判定の対象条件に含まれる複数の遊技台30で遊技した場合、これら遊技台30での遊技実績をまとめて、特典付与判定を行えばよい。
【0046】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、条件設定部15が、特典付与の対象となる遊技台30を示す対象条件および遊技実績が満たすべき充足条件と、充足条件の成立時に付与する特典との組を、予め特典付与条件として設定しておき、特典処理部17が、遊技台30における利用者の遊技状況を集計して得られた遊技実績のうち、対象条件と一致する遊技台30に関する遊技実績が充足条件を満たす場合に、対応する特典を利用者に付与するようにしたものである。
【0047】
これにより、特典を付与する特典付与条件が、遊技台メーカーにより、特定機種の遊技台30の特定の事象に限定されなくなり、遊技場側で、任意の機種の遊技台30を特典付与判定の対象として設定できるとともに、任意の遊技実績を特典付与判定の充足条件として設定できる。したがって、稼働率の低い機種の遊技台30について特典を付与することができ、各遊技台30を効率よく利用者に利用させ、すべての遊技台30の稼働率を向上させることが可能となる。
【0048】
また、遊技中に画面表示される映像メディア作品に関連した画像データやグッズを特典としても、利用者の嗜好に合わず入手したいと思わない特典を付与しても、遊技台30の稼働率を向上させることは難しい。本実施の形態によれば、付与する特典の内容を遊技場側で任意設定することができ、さらには、充足条件の難易度に応じて付与する特典を設定できるため、利用者にニーズにあった特典を設定することができ、より効果的に遊技台30の稼働率を向上させることが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態において、特典処理部17が、利用者に対する特典の付与に応じて、利用者の遊技台30または遊技台30に併設されている台間機20で、付与に関する表示を行うようにしてもよい。これにより、利用者は特典が付与されたことをリアルタイムで知ることができる。また、付与された特典が遊技場からの景品である場合、利用者に呼ばれた係員が画面を確認して、対応する景品を利用者に提供することができ、きめ細かいサービスを提供できる。
【0050】
また、本実施の形態において、特典処理部17が、利用者に対する特典の付与に応じて、利用者の遊技台30に併設されている台間機20に挿入されている利用者カード40に、付与した特典に関する記録を行うようにしてもよい。これにより、遊技終了後、利用者が遊技場のカウンターで利用者カード40を提示することにより、特典に応じた景品を受け取ることができる。
【0051】
また、本実施の形態において、特典処理部17が、特典付与条件のうち、予め利用者に割り当てた特典付与条件のみを判定の対象とするようにしてもよい。これにより、利用者が台間機20から予め選択した特典付与条件を割り当てることができ、利用者が不要な特典の付与を回避することができる。また、遊技場側で任意の特典付与条件のみを判定の対象として自動選択することもでき、付与する特典の数を制限できる。あるいは、遊技実績ごとに適応される特典付与条件を予め設定しておけば、利用者が遊技実績を重ねるについて、より魅力的な特典の特典付与条件に利用者がチャレンジできるよう制御することもできる。
【0052】
また、本実施の形態において、特典処理部17が、判定の際、対象条件と一致する遊技台30に関する遊技実績が充足条件を満たさない場合、充足条件を満たすのに必要となる残りの遊技実績、または、充足条件に対する遊技実績の達成度を、利用者の遊技台30に併設されている台間機20で表示するようにしてもよい。
これにより、利用者は、あとどの程度の遊技実績を積めばどのような特典が付与されるかを確認することができ、遊技の目標を把握することができ、利用者による遊技意欲を高めることができる。
【0053】
[第2の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる特典付与システム1について説明する。図7は、第2の実施の形態にかかる特典付与システムを示すブロック図である。
第1の実施の形態では、遊技実績の集計や特典付与の判定を特典付与装置10で実行する場合を例として説明した。本実施の形態では、遊技実績の集計や特典付与の判定を台間機20で実行する場合について説明する。
【0054】
図7に示すように、台間機20には、実績集計部27と特典処理部28とが追加されている。また、実績データ、条件データ、および特典データは、利用者カード40に記録される。
【0055】
実績集計部27は、遊技台30から取得した利用者の遊技状況を利用者の遊技実績として集計し、カードI/F部24を介して利用者カード40の実績データに記録する機能を有している。
【0056】
また、特典処理部28は、利用者カード40に予め記録されている特典付与条件ごとに、利用者カード40の実績データに記録されている利用者に関する遊技実績のうち、対象条件と一致する遊技台30に関する遊技実績が充足条件を満たすか否か判定し、充足条件を満たす場合には充足条件と対応する特典を利用者に付与する機能、付与した特典を利用者カード40の特典データに記録する機能とを有している。
【0057】
したがって、特典付与装置10から実績集計部16と特典処理部17とが省かれている。また、利用者カード40挿入時、制御部26が利用者カード40に最新の特典付与条件が記録されているか確認し、最新のものでない場合、特典付与装置10の条件設定部15で設定した内容を、通信回線Lを介して取得し、カードI/F部24を介して利用者カード40に記録するようにしてもよい。なお、特典付与条件については、利用者が遊技場に設置されている専用端末で利用者カード40に記録するようにしてもよい。
【0058】
なお、本実施の形態にかかる特典付与動作や特典付与判定処理については、通信回線Lを介した各種情報のやり取りがなくなるものの、前述した第1の実施の形態とほぼ同様であり、ここでの説明は省略する。
【0059】
[第2の実施の形態の効果]
このように本実施の形態によれば、遊技実績の集計や特典付与の判定を台間機20で実行するようにしたので、特典付与装置10での処理負担を大幅に軽減できるとともに、台間機20では、遊技中の利用者に関する特典付与判定を実行すればよく、少ない処理負担で遊技状況の変化に遅れることなく特典付与を実施することができる。
【0060】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0061】
1…特典付与システム、10…特典付与装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、15…条件設定部、16…実績集計部、17…特典処理部、20…台間機、21…通信I/F部、22…操作入力部、23…画面表示部、24…カードI/F部、25…玉貸部、26…制御部、27…実績集計部、28…特典処理部、30…遊技台、40…利用者カード、L…通信回線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7