特開2017-202144(P2017-202144A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイコク電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2017202144-遊技場用システム 図000003
  • 特開2017202144-遊技場用システム 図000004
  • 特開2017202144-遊技場用システム 図000005
  • 特開2017202144-遊技場用システム 図000006
  • 特開2017202144-遊技場用システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-202144(P2017-202144A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171020BHJP
【FI】
   A63F7/02 353
   A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-96042(P2016-96042)
(22)【出願日】2016年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA13
2C088BA33
2C088BA90
2C088BB28
2C088BB30
2C088BC67
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】従業員による計数作業の状況を精度よく把握することが可能な遊技場用システムを提供する。
【解決手段】遊技場用システムにおいて、従業員IDの認証履歴だけでなく、従業員が実際に行った計数処理の履歴も合わせて確認することができる構成としたので、各従業員の計数作業の状況をより詳細に把握することが可能となる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入賞の発生に応じて遊技媒体を払い出す遊技機と、遊技者が獲得した遊技媒体を計数する計数機と、前記遊技機及び前記計数機の稼動状況を管理する管理装置と、が設置された遊技場における遊技場用システムにおいて、
前記計数機は、計数作業を行う従業員のIDを認証する従業員ID認証手段を有し、当該従業員IDを認証することを条件として計数不能状態から計数可能状態へ移行するとともに、当該計数可能状態において遊技媒体の計数が可能となるように構成され、
前記管理装置は、前記従業員IDを認認した履歴を認証履歴情報として記録するとともに、前記計数機が計数不能状態から計数可能状態へ移行してから再度計数不能状態へ復帰するまでの間に実行した計数処理の履歴を前記従業員IDと対応付けた計数履歴として記録する履歴記録手段を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記従業員IDを認証した認証回数と、前記計数処理の回数とを計数するとともに、当該計数処理回数を認証回数で除算することにより1回の認証に対する計数処理回数の平均値を求める平均計数処理回数算出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記履歴記録手段は、前記計数機が従業員IDを認証して計数不能状態から計数可能状態へ移行した後に先の従業員IDと異なる従業員IDを認証したときは、計数作業を行う従業員が途中で交代したものとして当該異なる従業員IDを記録することを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、一般的な遊技場においては遊技者が獲得した遊技媒体を従業員が計数機で計数するようにしている。これは、遊技者に対するサービス向上という目的だけでなく計数時の不正行為を抑制するという目的もあって、従業員の作業負担が小さくないのが実情であり、遊技場経営者は各従業員の計数作業状況を把握する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−124462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、従業員による計数作業の状況を精度よく把握することが可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
遊技場用システムにおいて、従業員IDの認証履歴だけでなく、従業員が実際に行った計数処理の履歴も合わせて確認することができるので、各従業員の計数作業の状況をより詳細に把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
図2】計数装置の機能ブロック図
図3】計数作業履歴データを示す図
図4】作業員別集計データを示す図
図5】計数作業履歴記録処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、遊技場用システムの全体構成を概略的に示しており、遊技場には、複数の遊技機島1が設けられている。同図に示すように、各遊技機島1には、多数の遊技機2や、これに対応する多数の貸出装置3が設置されており、各遊技機島1の端部には、呼出ランプ4や島端計数装置5が設置されている。こうした遊技機2、貸出装置3、呼出ランプ4、島端計数装置5等の各種機器は、LAN6aを介して中継装置7に接続されている。中継装置7は、LAN6bを介して、管理装置8や景品交換端末(POS端末)9等に接続されている。尚、呼出ランプ4は、従業員を呼び出すためのランプであり、島端計数装置5での従業員の呼出操作に応じて点灯する。
【0008】
図1に示す遊技機2はCR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、始動口16、大入賞口17を有する。遊技機2において、遊技者が操作ハンドル12を操作すると、玉(遊技媒体)が盤面11に発射され、そのパチンコ玉が始動口16に入賞すると、その入賞の発生に応じた玉数のパチンコ玉を払い出したり大当たり抽選を行ったりする。大当たり抽選では、液晶表示部15において所謂特別図柄(特図)による図柄変動を実行し、停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりが発生する。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド分だけ大入賞口17を開放する。
【0009】
尚、遊技機2は、遊技者による遊技が進行することに応じて、打ち込んだパチンコ玉の玉数である投入媒体数を特定可能なアウト信号、払い出されたパチンコ玉の玉数である払出媒体数を特定可能なセーフ信号、大当たり状態を特定可能な大当たり信号等の各種の遊技信号を出力する。
【0010】
遊技機島1において遊技機2毎に設置されている貸出装置3は、紙幣(千円等)の投入が可能な紙幣投入口18を有する所謂CRユニットであり、CPU、ROM、RAM、I/Oを有する制御部、各種信号を送受信する送受信部等を備えて構成されている。貸出装置3は、遊技者が紙幣を紙幣投入口18に投入した状態で遊技機2に設けられている図示しない貸出ボタンを操作すると、払い出し単位の玉数のパチンコ玉が遊技機2の払出機構から払い出される。
【0011】
管理装置8は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード8a、モニタ8b、図示しないプリンタ等が接続されている。管理装置8は、上記した遊技場内における遊技機2、貸出装置3、島端計数装置5、及び景品交換端末9を含む各種機器から出力される信号等に基づいて、それら各種機器の稼動状況を管理するとともに、後述する計数履歴や貯玉に関する情報等を記憶管理する。
【0012】
島端計数装置5は遊技媒体計数装置として、遊技機2で遊技者が獲得したパチンコ玉(獲得玉)を計数する計数機である。遊技者の獲得玉は玉箱に収納した上で、遊技機2から遊技機島1の島端まで運んで島端計数装置5を用いて計数する必要があり、その計数に係る作業は従業員により行われる。
【0013】
図1に示す島端計数装置5は、その装置本体において上方が開放された凹状の獲得玉用投入容器20、その開放面を開閉する開放位置と閉鎖位置との間でスライド移動するスライドカバー21、計数情報等の各種情報を表示する表示機能及び従業員や遊技者の操作入力を受け付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部22、装置本体の状態を示すためのLED表示部24、装置本体の前面側で余り玉を放出する玉返却口23を備える。
【0014】
また、島端計数装置5には、レシート発行部25、会員カードリーダ部26、従業員カードリーダ部27等が設けられており、図2では、係る発行部25で発行されるレシート35や、カードリーダ部26,27で読み取られる各カード36,37を示している。レシート35は、投入容器20に投入された獲得玉の計数結果としての計数値を示す2次元コード(或いはバーコード)や数字等が印字された紙片である。会員カード36は、会員登録を行った遊技者を識別可能な会員IDが記録されたICチップを内蔵したICカードである。従業員カード37は、従業員を識別可能な従業員IDが記録されたICチップを内蔵したICカードである。
【0015】
図2の機能ブロック図で示すように、島端計数装置5は、CPU30a、ROM30bやRAM30cといった記憶部30M、I/O30d等を有するマイクロコンピュータにより構成される制御部30を備える。制御部30には、上記液晶表示部22、LED表示部24、レシート発行部25、会員カードリーダ部26、従業員カードリーダ部27が接続されるとともに、液晶表示部22の表面に設けられたタッチパネル31、スライドカバー21を自動ロックするカバーロック部32、玉を計数する計数部33、玉返却口23へパチンコ玉を払い出す返却部23a、各種信号を管理装置8との間で送受信するI/F部34等が接続されている。
【0016】
島端計数装置5は、計数作業を行う従業員IDを認証する従業員ID認証手段として従業員カードリーダ部27を有し、当該従業員IDを認証することを条件として遊技媒体の計数が可能となる。
【0017】
具体的には、獲得玉の投入口となる投入容器20は、その開放面をスライドカバー21(以下、カバー21と略す)で閉鎖してカバーロック部32によりロックした状態が維持されている。それ故、島端計数装置5において、獲得玉の計数を行う必要がないときには、投入容器20へ獲得玉を投入できない計数不能状態とされている。そこで、獲得玉の計数を行う際、従業員がカードリーダ部27に従業員カード37を翳す認証操作を行うと、島端計数装置5の制御部30(以下適宜、島端計数装置5と略す)は、カードリーダ部27で読み取った従業員IDを照合して認証し、認証に成功したと判断すると、カバーロック部32によるロックを解除させる。この場合、島端計数装置5は、管理装置8に対して、ロック解除情報と従業員IDとを送信する。
【0018】
また、島端計数装置5において、カバーロック部32のロック解除に伴い、カバー21を閉鎖位置から開放位置へ手動でスライド移動させることにより、投入容器20が開放された計数可能状態となる。こうして、島端計数装置5は、計数不能状態から計数可能状態へ移行するとともに、当該計数可能状態において投入容器20へ投入された獲得玉の計数が可能に構成されている。尚、従業員のID(Identification)については、各島端計数装置5の記憶部30Mに予め従業員のID情報(登録ID)テーブルが登録されており、従業員IDの認証は、登録IDと認証される従業員IDとを照合することにより行う。
【0019】
従業員は獲得玉が収納された玉箱を持って、投入容器20へ獲得玉を投入すると、その獲得玉は容器20底部の落下口(図示略)から落下して計数部33で計数される。そして、島端計数装置5は、獲得玉の計数を終了したときに、会員カード36がカードリーダ部26の挿入口(図示略)に挿入されていれば、その獲得玉の計数値を貯玉預入数として液晶表示部22に表示するとともに、貯玉預入数を含む計数完了情報を管理装置8へ送信する。
【0020】
一方、島端計数装置5は、獲得玉の計数を終了したときに、会員カード36がカードリーダ部26の前記挿入口に挿入されていなければ、獲得玉の計数値を特定するバーコード(2次元コードでもよい)を記録したレシート35を発行するとともに、その発行した計数値を含む計数完了情報を管理装置8へ送信する。
【0021】
従業員は、一の遊技者の獲得玉についての上記作業(計数作業)後、待機中の他の遊技者がいれば、当該他の遊技者の獲得玉の計数作業へ移り、待機中の他の遊技がいなければ、カバー21を開放位置から閉鎖位置へスライド移動させて作業を終了する。この場合、カバー21は、閉鎖位置へ戻した時点で、カバーロック部32により自動でロックされる。
【0022】
島端計数装置5において、カバー21を閉鎖位置へ戻す前に、計数作業を行う従業員が交代するときは、次の従業員がカードリーダ部27での従業員カード37の認証操作を行ってから交代する。これにより、島端計数装置5は、読み取った交代後の従業員IDを管理装置8に送信する。尚、島端計数装置5では、自身の液晶表示部22に、従業員の計数作業に応じて例えば、図示しない「貯玉」ボタン、レシートの「発券」ボタン、「計数完了」のタイトル、「カバーを閉めてください」等の指示内容や各種メッセージが表示されるようになっている。
【0023】
管理装置8(履歴記録手段)は、島端計数装置5により従業員IDが認認された履歴をロック解除情報に基づき認証履歴情報として記録するとともに、計数不能状態を元の状態とする島端計数装置5が計数可能状態へ移行してから再度計数不能状態へ復帰するまでの間に実行した計数処理の履歴を従業員IDと対応付けた計数履歴として記録するようになっている。この管理装置8の構成について、図3図4も参照しながら詳述する。
【0024】
管理装置8は、図示しないCPU、RAMやROMといった記憶部、I/O等を有するマイクロコンピュータにより構成される制御部と、前記モニタ8bやプリンタ等からなる出力部(出力手段)と、前記キーボード8aやマウス等からなる操作部とを備える。
【0025】
管理装置8の記憶部には、各島端計数装置5や各会員口座を識別するためのデータが予め登録されている。管理装置8の制御部(以下適宜、管理装置8と略す)は、島端計数装置5から送信される計数値乃至貯玉預入数を含む計数完了情報に基づいて、その計数処理の履歴を島端計数装置5毎に記録し、その履歴や集計結果を、図3に示す計数作業履歴データや図4に示す従業員別集計データとしてモニタ8bでの表示出力乃至プリンタでの印刷出力が可能とされている。
【0026】
ここで、図3は、計数作業履歴データの一例として、管理装置8にて管理者により指定入力された当日(営業日)の「計数機No.1」の島端計数装置5における計数作業を、「履歴No.1」〜「履歴No.6」まで抽出して示している。同図に示すように、管理装置8は、島端計数装置5から入力したロック解除情報や計数完了情報等に基づき、それら情報の入力「時刻」が早い方から「履歴No」を付して、カバー21の「開放」を表すフラグ「F」、「発券」としてレシート35を発行した「計数値」、若しくは「貯玉」としての「計数値」と、対応する従業員の「ID」とを関連付けて自身の記憶部に記録する。
【0027】
「開放」の「F」は、カバーロック部32のロック解除情報の管理装置8への入力により、カバー21が開放されたものとみなして付されるフラグであり、その「時刻」はロック解除情報を管理装置8が入力した時点の時刻である。「発券」は、レシート35を発行したときの獲得玉の計数値を表す計数処理の履歴であり、その「時刻」は管理装置8が計数完了情報を入力した時点の時刻である。「貯玉」は、会員カード36の使用により獲得玉を貯玉として預け入れるときの計数値を表す計数処理の履歴であり、その「時刻」は管理装置8が計数完了情報を入力した時点の時刻である。
【0028】
こうした「開放」と「発券」と「貯玉」は、何れも管理装置8において島端計数装置5から直近の入力として識別された(或いはそれら何れかと併せて入力された)従業員IDと対応付けてある。換言すれば、管理装置8は、島端計数装置5において従業員IDを認証して計数不能状態から計数可能状態へ移行した後に先の従業員IDと異なる従業員IDを認証したとき、その認証された従業員IDが入力されることで、計数作業を行う従業員が途中で交代したものとして当該異なる従業員IDを記録する。それ故、図3の「履歴No.1」〜「履歴No.6」は、次の具体事例に相応する。
【0029】
履歴No.1 : 従業員X(ID:1234)が、カバーロック部32のロックを解除してカバー21を開放した。
履歴No.2 : 同じく従業員X(ID:1234)が、投入容器20へ獲得玉を投入して、その計数値(1234玉)を表すレシート35を発行した。
【0030】
履歴No.3 : 従業員Y(ID:1003)が、カバーロック部32のロックを解除してカバー21を開放した。
履歴No.4 : 同じく従業員Y(ID:1003)が、投入容器20へ獲得玉を投入して、その計数値(29876玉)を貯玉預入数として貯玉した。
【0031】
履歴No.5 : 同じく従業員Y(ID:1003)が、投入容器20へ獲得玉を投入して、その計数値(3608玉)を表すレシート35を発行した。
履歴No.6 : No.5の従業員Yから交代した従業員Z(ID:1017)が、投入容器20へ獲得玉を投入して、その計数値(1856玉)を表すレシート35を発行した。
【0032】
上記履歴No.2,4,5,6は、レシート35発行或いは貯玉に対応した従業員につき、直近の従業員IDを記録している。
図示は省略するが、上記計数作業履歴データは、管理装置8により管理・蓄積されるのであるから、島端計数装置5単位で表す記録に代えて、全ての島端計数装置5をひとまとめにした遊技場全体の単位で表す記録として、その履歴データを当該単位でモニタ8bに表示出力したりプリンタで印刷出力したりすることができる。
【0033】
図4は、上記計数履歴に関するデータの一例として、上記従業員Y及び他の従業員(ID:1001、1002)の所定時間帯における従業員別集計データを示している。
同図に示すように、管理装置8は、島端計数装置5で従業員IDが認証された認証回数を、前記ロック解除情報の入力回数を全てカウント(計数)することにより、「開放回数」(カバー21のロックを解除して開放した回数)として求める。また、管理装置8は、計数処理の回数を、計数完了情報の入力回数を全てカウントして求める。そして、管理装置8は平均計数処理回数算出手段として、「計数/開放」の欄で示すように、計数処理の回数を認証回数で除算することにより1回の認証に対する計数処理回数の平均値を求める。
【0034】
即ち、管理装置8は、貯玉を伴う計数完了情報が入力された場合の当該入力の回数(「貯玉回数」(=貯玉をした回数))と、貯玉を伴わない計数完了情報が入力された場合の当該入力の回数(「発券回数」(=レシート35を発行した回数))とを全てカウントする。これにより、島端計数装置5において1回のカバー21の開放で行われる計数回数(貯玉回数+発券回数)の平均値は、管理装置8により以下の式で算出される。
【0035】
「計数/開放」=(貯玉回数+発券回数)/開放回数
尚、計数処理の履歴及びカバー21開放の履歴は、何れも従業員IDと対応付けてあるから、上記した島端計数装置5単位で或いは遊技場全体等の単位で、計数作業に係る従業員の全部又は一部を対象とする集計・演算結果を、モニタ8bに表示出力したりプリンタで印刷出力したりすることができる。
【0036】
次に、上記遊技場用システムの作用について、図5も参照しながら説明する。図5は、管理装置8によって定期的に実行される計数作業履歴記録処理を示している。
管理装置8は、計数作業履歴記録処理の開始タイミングになったと判定すると、カバー21のロック解除情報と従業員IDの入力が有るか否かを判定する(S1)。管理装置8は、ロック解除情報と従業員IDの入力が無いと判定し(S1:NO)、且つ従業員IDのみの入力も無いと判定し(S4:NO)、且つ計数完了情報の入力も無いと判定した場合(S6:NO)、計数作業履歴記録処理を終了してリターンする。
【0037】
一方、遊技機2で遊技者により獲得された玉を計数する場合、例えばインカム装置の音声案内により駆けつけた従業員は、その獲得玉を玉箱に収納した状態で島端計数装置5まで運ぶ。従業員はカード37を島端計数装置5に翳す認証操作により、カバー21のロックを解除させ、カバー21を手動で開放する。この場合、管理装置8は、島端計数装置5での認証の成功に伴い、ロック解除情報と併せて従業員IDの入力が有ったと判定すると(S1:YES)、計数作業履歴データに係る新規レコードを作成する(S2)。この場合、管理装置8は、現時点での時刻とカバー21の「開放」を表すフラグ「F」とを、従業員「ID」と対応付けて記録する(S3、図3参照)。
【0038】
カバー21が開放された島端計数装置5において獲得玉を玉箱から投入するとき、従業員の交代はないもの、つまり異なる従業員IDが管理装置8に入力されることがないもの(S4:NO)とする。また、係る獲得玉の計数が完了した場合、会員カード36がカードリーダ部26にセットされていることにより、管理装置8は、貯玉預入数としての計数値を含む計数完了情報の入力が有ったと判定すると(S6:YES)、新規レコードを作成する(S7)。この場合、管理装置8は、現時点での時刻と「貯玉」の預入数を、直近の従業員「ID」と対応付けて記録する(S8、図3の履歴No.4参照)。
【0039】
これに対し、カバー21を開放したまま、従業員の交代により別の従業員が計数作業を行うものとする。この場合、管理装置8は、別の従業員のカードリーダ部27での認証操作に伴い、島端計数装置5から従業員IDの入力が有ったと判定すると(S4:YES)、次の計数作業と対応づける従業員IDとして取得する(S5)。
【0040】
続いて、交代後の従業員が島端計数装置5に獲得玉を投入して、その獲得玉の計数を行い、貯玉をせずにレシート35を発行するものとする。この場合、管理装置8は、計数値を含む計数完了情報の入力が有ったと判定すると(S6:YES)、新規レコードを作成し(S7)、現時点での時刻と「発券」の計数値を、S5で取得した従業員「ID」と対応付けて記録して(S8、図3の履歴No.6参照)、計数作業履歴記録処理を終了する(リターンする)。
【0041】
尚、計数を希望する全ての遊技者の計数を終了した場合、従業員はカバー21を閉鎖してロックされたこと、つまり島端計数装置5の計数可能状態から計数不能状態への移行を確認する。
【0042】
上記実施形態によれば、次のような効果を奏する。
管理装置8は、島端計数装置5での従業員IDの認証履歴だけでなく、従業員が実際に行った計数処理の履歴も合わせて確認することができるので、各従業員の計数作業の状況をより詳細に把握することが可能となる。
【0043】
従業員IDの1回の認証に対する計数処理回数の平均値を確認することも作業状況を把握する上で有意義といえる。図3に例示したように、従業員は、1回の従業員IDの認証で複数回の計数作業を行う場合が多いので、従業員IDの認証回数だけでなく実際の計数作業回数を特定することにより、従業員の計数作業状況を精度よく把握することができるからである。
島端計数装置5での計数作業の途中で別の従業員に交代した場合には、上記実施形態の如く管理装置8において、その交代した新たな従業員IDと対応付けて計数履歴を記録するのが望ましい。
【0044】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
従業員IDの認証を島端計数装置5が行うようにしたが、読み取った従業員IDを管理装置8へ送信して管理装置8側で認証を行い、島端計数装置5ヘフィードバックする(計数可能状態への移行を指示する)ようにしてもよい。
【0045】
従業員IDの認証媒体を従業員カード37としたが、これに限定されるものではない。例えば、従業員が携帯するリモコン装置から島端計数装置5に従業員IDを送信するようにしてもよい。或いは、指紋や声紋などの生体情報に基づいて認証を行うようにしてもよい。従って、島端計数装置5の有する従業員ID認証手段は、従業員カードリーダ部27に限らず、リモコン信号を受け付ける手段、或いは生体情報を受け付ける手段等で構成してもよい。
【0046】
島端計数装置5において計数した遊技媒体を貯玉できるようにしたが、貯玉できる構成を無くし、必ずレシート35を発行するようにしてもよい。また、レシート35の発行に代えてカードを発行するようにしてもよい。
【0047】
島端計数装置5は、一つの遊技機島1に対して1台又は2台程度設置するのが望ましい。
尚、管理装置8は、履歴記録手段及び平均計数処理回数算出手段を構成するものであるが、厳密には自身8の内蔵する前記記憶部を含む制御部が履歴記録手段及び平均計数処理回数算出手段を構成している。よって例えば、管理装置8の外部記憶装置に、履歴記録手段としての機能を持たせてもよく、この場合でも、管理装置8の制御部が外部記憶装置の計数履歴の読み込み或いは書き込み及び前記算出を行うことにより、履歴記録手段及び平均計数処理回数算出手段として機能する。
【0048】
更に本発明は、上記した実施形態の構成や変形例も含めて、どのように組み合わせてもよいし、適宜、採用しない構成を設けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
図面中、2は遊技機、5は島端計数装置(計数機)、8は管理装置(履歴記録手段、平均計数処理回数算出手段)、27は従業員カードリーダ部(従業員ID認証手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5