【解決手段】PAPシステムは、加圧空気の供給を生成するPAP装置と、患者の顔面との封止を形成するように適合された患者インターフェイスと、当該患者インターフェイスと当該PAP装置を相互接続する空気送達管類と、当該PAP装置の少なくとも一部分および当該空気送達管類の一部分を実質的に取り巻く被覆とを含む。当該被覆は、当該患者の頭部によって当該PAP装置が担持されること、および/または、当該患者の頭部上に当該PAP装置が支持されることを可能にする。
漏れまたは前記患者の不快感に応答して、前記患者インターフェイスと前記患者の顔面との間の接触部の角度を調節するように構造化されたインターフェイスコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
前記システムが、前記患者が気付いていない間か、または就寝している間に、前記患者にそれ自体をぴったり適合させるように適合される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムが、前記患者インターフェイスによってもたらされる力および力の角度をリアルタイムで適合させることによって、満足のできる封止および快適性を得るのに必要最低限の力をもたらすように適合される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
前記管が、その長さに沿って一連の能動要素を含み、前記能動要素の各々が、選択的に収縮および/または延伸して前記管の長さを調節するように構造化される、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
前記管は、前記患者の動きを検知するように構成された1つまたは複数のセンサと、前記管の位置を自動的に調節して前記患者の体位を補完するように構成された調節装置とを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
前記管は、ヘッドギアを用いることなく前記患者の顔面上に前記患者インターフェイスを封着するために前記患者インターフェイスに力を与えるように構造化されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
前記コントローラは、前記患者の活動および位置付けを分析し、前記患者インターフェイスを調節して最適な治療を得るために、力センサからのデータ、前記管の位置付けに関するデータ、前記患者の就寝体位に関するデータ、および、前記患者の呼吸パターンに関するデータのうち1つまたは複数を受信するように構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムは、漏れまたは前記患者の不快感に応答して、前記患者インターフェイスが前記患者の顔面に印加する力の総計を調節するように適合されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムは、漏れまたは前記患者の不快感に応答して、前記患者インターフェイスが前記患者の顔面に印加する力の角度を調節するように適合されている、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本技術の一実施例による頭部着用式PAPシステムの正面図である。
【
図3】
図1のPAPシステムの使用時における側面斜視図である。
【
図3A】
図3のPAPシステムを通った例示的断面図である。
【
図3B】
図3のPAPシステムを通った例示的断面図である。
【
図5】
図1のPAPシステムの使用時における側面図である。
【
図7】本技術の別の実施例によるPAPシステムの正面図である。
【
図9】
図7のPAPシステムの使用時における上面斜視図である。
【
図9A】
図9のPAPシステムを通った例示的断面図である。
【
図10】
図7のPAPシステムの使用時における側面図である。
【
図13】本技術の別の実施例によるPAPシステムの正面図である。
【
図15】
図13のPAPシステムの使用時における正面斜視図である。
【
図16】
図13のPAPシステムのPAP装置および被覆の斜視図である。
【
図17】
図13のPAPシステムの使用時における背面斜視図である。
【
図19】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図20】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図21】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図22】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図23】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図24】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図25】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図26】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図27】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図28】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図29】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図30】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図31】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図32】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図33】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図34】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図35】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図36】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図37】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図38】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図39】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図40】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図41】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図42】本技術の代替的実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図43】本技術の一実施例による、患者の頭部に対してPAP装置を位置付けるための例示的区域を示す模式図である。
【
図44】本技術の別の実施例によるPAPシステムの模式図である。
【
図45】本技術の別の実施例によるPAPシステムの模式図である。
【
図46】本技術の一実施例によるPAPシステムの使用時における透視図である。
【
図47】
図46のPAPシステムの使用時における別の斜視図である。
【
図48】
図46のPAPシステムの使用時における別の斜視図である。
【
図49-1】本技術の代替的実施例によるPAP装置のための保持構造を示す図である。
【
図49-2】本技術の代替的実施例によるPAP装置のための保持構造を示す図である。
【
図49-3】本技術の代替的実施例によるPAP装置のための保持構造を示す図である。
【
図49-4】本技術の代替的実施例によるPAP装置のための保持構造を示す図である。
【
図49-5】本技術の代替的実施例によるPAP装置のための保持構造を示す図である。
【
図49-6】本技術の代替的実施例によるPAP装置のための保持構造を示す図である。
【
図50】本技術の一実施例によるPAPシステムの使用時における斜視図である。
【
図51】本技術の一実施例によるPAPシステムの使用時における斜視図である。
【
図52】本技術の一実施例によるPAPシステムの使用時における斜視図である。
【
図53】本技術の一実施例によるPAPシステムの使用時における斜視図である。
【
図54】本技術の一実施例による、角度付きエルボ継手を有する患者インターフェイスの斜視図である。
【
図55】本技術の一実施例による、角度付きエルボ継手を有する患者インターフェイスの斜視図である。
【
図56】本技術の一実施例による、角度付きエルボ継手を有する患者インターフェイスの斜視図である。
【
図57】本技術の一実施例による、角度付きエルボ継手の斜視図である。
【
図58】本技術の一実施例による患者インターフェイスの斜視図である。
【
図59】本技術の一実施例による患者インターフェイスの斜視図である。
【
図60】本技術の一実施例による患者インターフェイスの基部部分の透視図である。
【
図61】本技術の一実施例によるPAPシステムの透視図である。
【
図62】
図61のPAPシステムの反転可能な位置を示す図である。
【
図63】
図61のPAPシステムの反転可能な位置を示す図である。
【
図64】本技術の一実施例によるPAPシステムの斜視図である。
【
図67】
図64のPAPシステムのPAP装置の斜視図である。
【
図68】
図64のPAPシステムの使用時における斜視図である。
【
図69】
図64のPAPシステムのヘッドギアの斜視図である。
【
図70】
図64のPAPシステムの使用時における斜視図である。
【
図71】
図64のPAPシステムの、取り巻かれたPAP装置の斜視図である。
【
図72】本技術の一実施例によるPAPシステムのヘッドギア内における接続タブの斜視図である。
【
図73】本技術の一実施例によるPAPシステムのヘッドギア内における接続タブの斜視図である。
【
図74】本技術の一実施例によるPAPシステムのヘッドギア内における接続柱の斜視図である。
【
図76】本技術の一実施例による、アライメント隆起を含むPAPシステムの斜視図である。
【
図77】本技術の一実施例による、アライメント隆起を含むPAPシステムの模式図である。
【
図78】本技術の一実施例による、磁性アライメント隆起を含むPAPシステムの模式図である。
【
図79】本技術の一実施例による、ヘッドギアストラップ内に挟み込まれた延伸コネクタを含む患者インターフェイスの図を示す図である。
【
図80】本技術の一実施例による、ヘッドギアストラップ内に挟み込まれた延伸コネクタを含む患者インターフェイスの図を示す図である。
【
図81】本技術の一実施例による、ヘッドギアストラップ内に挟み込まれた延伸コネクタを含む患者インターフェイスの図を示す図である。
【
図82】本技術の一実施例による、回転する剛性エルボを有する患者インターフェイスの図である。
【
図83】本技術の一実施例による、回転する剛性エルボを有する患者インターフェイスの図である。
【
図85】本技術の一実施例による、回転する剛性エルボを有する患者インターフェイスの正面図である。
【
図86】本技術の一実施例による、一部品式患者インターフェイスおよび空気送達管の図である。
【
図87】本技術の一実施例による、一部品式患者インターフェイスおよび空気送達管の図である。
【
図88】本技術の一実施例による、空気送達管への直接接続部を有する患者インターフェイスの図である。
【
図89】本技術の一実施例による、空気送達管への直接接続部を有する患者インターフェイスの図である。
【
図90】本技術の一実施例による、感応により電力供給されるPAPシステムの図である。
【
図91】本技術の一実施例による、感応により電力供給されるPAPシステムの図である。
【
図92】本技術の一実施例による、感応により電力供給されるPAPシステムの図である。
【
図93】本技術の一実施例によるPAP装置を示す図である。
【
図94】本技術の一実施例によるPAP装置を示す図である。
【
図95】本技術の一実施例による、被覆によって取り巻かれた
図93および
図94のPAP装置を示す図である。
【
図96】本技術の一実施例によるPAP装置を示す図である。
【
図97】本技術の一実施例によるPAP装置を示す図である。
【
図98】本技術の一実施例によるPAP装置を示す図である。
【
図99】本技術の一実施例による、被覆によって取り巻かれた
図96〜
図98のPAP装置を示す図である。
【
図100】本技術の一実施例によるPAP装置を示す図である。
【
図101】本技術の一実施例による、被覆部によって取り巻かれた
図100のPAP装置を示す図である。
【
図102】本技術の一実施例による、被覆部によって取り巻かれた
図100のPAP装置を示す図である。
【
図103】本技術の一実施例によるブロワ用貯気袋の模式図である。
【
図104】本技術の一実施例によるブロワ用懸架装置の模式図である。
【
図105】本技術の一実施例によるプリント回路基板の模式図である。
【
図106】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図107】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図108】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図109】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図110】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図111】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図112】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図113】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図114】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図115】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図116】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図117】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図118】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図119】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図120】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図121】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図122】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図123】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図124】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図125】本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す図である。
【
図126】本技術の一実施例による、被覆によって取り巻かれたPAP装置を示す図である。
【
図127】本技術の一実施例による、被覆から取り外された
図126のPAP装置を示す図である。
【
図128】本技術の一実施例による、被覆から取り外された
図126のPAP装置を示す図である。
【
図129】本技術の一実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図130】本技術の一実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図131】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図132】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図133】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図134】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図135】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図136】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図137】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図138】本技術の別の実施例による、ユーザインターフェイスを含むPAPシステムを示す図である。
【
図139】本技術の代替的実施例による、代替的表示サイズを含むPAP装置を示す図である。
【
図140】本技術の代替的実施例による、代替的表示サイズを含むPAP装置を示す図である。
【
図141-1】本技術の一実施例による、色/強度を変化させる非数値表示を有するPAP装置を示す図である。
【
図141-2】本技術の一実施例による、色/強度を変化させる非数値表示を有するPAP装置を示す図である。
【
図141-3】本技術の一実施例による、色/強度を変化させる非数値表示を有するPAP装置を示す図である。
【
図142-1】本技術の一実施例による、棒グラフを含む非数値表示を有するPAP装置を示す図である。
【
図142-2】本技術の一実施例による、棒グラフを含む非数値表示を有するPAP装置を示す図である。
【
図143】本技術の一実施例による、パイチャートを含む非数値表示を有するPAP装置を示す図である。
【
図144】本技術の一実施例による、黒色樹脂層、透き通った樹脂層、およびIMD層を含む表示装置を示す図である。
【
図145-1】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図145-2】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図145-3】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図146-1】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図146-2】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図147-1】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図147-2】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図147-3】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図148-1】PAP装置および管類をPAPシステムの被覆内に組み付けるための代替的実施例を示す図である。
【
図148-2】PAP装置および管類をPAPシステムの被覆内に組み付けるための代替的実施例を示す図である。
【
図148-3】PAP装置および管類をPAPシステムの被覆内に組み付けるための代替的実施例を示す図である。
【
図149】本技術の一実施例による、被覆を製造するための例示的技法を示す模式図である。
【
図150】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図151】本技術の一実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図152-1】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図152-2】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図152-3】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図153-1】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図153-2】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図153-3】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図154-1】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図154-2】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図154-3】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図155-1】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図155-2】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図155-3】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図156】本技術の一実施例によるPAP装置用の外側ケーシングを示す図である。
【
図157】本技術の別の実施例によるPAP装置用の外側ケーシングを示す図である。
【
図158】本技術の別の実施例によるPAP装置用の外側ケーシングを示す図である。
【
図159】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図160】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図161】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図162】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図163】本技術の別の実施例による、被覆を有するPAPシステムを示す図である。
【
図164】本技術の一実施例による、管結合器を含む空気送達管類の模式図である。
【
図165】本技術の一実施例による、管結合器を含む空気送達管類の斜視図である。
【
図169】本技術の一実施例による管結合器の断面図である。
【
図170】本技術の一実施例による、管結合器を含む空気送達管類の斜視図である。
【
図171】本技術の一実施例による、管結合器を含む空気送達管類およびPAP装置の斜視図である。
【
図172】本技術の一実施例による患者インターフェイス用のリジダイザ(rigidizer)を示す図である。
【
図173】本技術の別の実施例による患者インターフェイス用のリジダイザを示す図である。
【
図174】本技術の別の実施例による患者インターフェイス用のリジダイザを示す図である。
【
図175】本技術の別の実施例による患者インターフェイス用のリジダイザを示す図である。
【
図176】本技術の別の実施例による患者インターフェイス用のクッションおよびリジダイザを示す図である。
【
図177】本技術の別の実施例による患者インターフェイス用のクッションおよびリジダイザを示す図である。
【
図178】本技術の別の実施例による患者インターフェイス用のクッションおよびリジダイザを示す図である。
【
図179】本技術の別の実施例による患者インターフェイス用のクッションおよびリジダイザを示す図である。
【
図180】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図181】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図182】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図183】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図184】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図185】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図186】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図187】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図188】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図189】本技術の一実施例によるPAPシステムの図を示す図である。
【
図190】本技術の一実施例によるヘッドギアの後面図を示す図である。
【
図191】本技術の一実施例によるヘッドギアの正面図を示す図である。
【
図192】本技術の一実施例による、能動管またはスマート管を含むシステムの模式図である。
【
図193-1】本技術の一実施例による、能動管またはスマート管の能動要素の拡大模式図である。
【
図193-2】本技術の一実施例による、収縮位置にある能動管またはスマート管の模式図である。
【
図193-3】本技術の一実施例による、延伸位置にある能動管またはスマート管の模式図である。
【
図194】本技術の一実施例による、能動管、患者インターフェイス、およびインターフェイスコントローラを示す模式図である。
【
図195-1】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の総計を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図195-2】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の総計を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図195-3】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の総計を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図195-4】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の総計を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図196-1】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の角度を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図196-2】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の角度を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図196-3】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の角度を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図196-4】本技術の一実施例による、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスによって患者の顔面に印加される力の角度を調節するシステムの模式図を示す図である。
【
図197-1】本技術の一実施例による、患者が入眠した後に患者の顔面を自動的に突き止めて、それ自体をぴったり適合させるように構造化された患者インターフェイスを含むシステムの模式図を示す図である。
【
図197-2】本技術の一実施例による、患者が入眠した後に患者の顔面を自動的に突き止めて、それ自体をぴったり適合させるように構造化された患者インターフェイスを含むシステムの模式図を示す図である。
【
図197-3】本技術の一実施例による、患者が入眠した後に患者の顔面を自動的に突き止めて、それ自体をぴったり適合させるように構造化された患者インターフェイスを含むシステムの模式図を示す図である。
【
図198】本技術の別の実施例によるシステムの模式図である。
【
図199】本技術の別の実施例によるシステムの模式図である。
【
図200】本技術の別の実施例によるシステムの模式図である。
【
図201】本技術の一実施例による、評価結果を算定するための使用期間を示すグラフである。
【
図202】本技術の一実施例による、評価結果を算定するための騒音のない期間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、共通の特性および特徴を共有し得るいくつかの実施例(それらのうちのほとんどは例示され、いくつかは例示されていないことがあり得る)に関して提供される。いずれか1つの実施例の1つまたは複数の特徴も、他の実施例の1つまたは複数の特徴と組み合わせ可能であり得ることを理解されるべきである。加えて、1つまたは複数の任意の実施例における単一の特徴または特徴の組み合わせのいずれもが、特許可能な主題を構成し得る。
【0020】
本明細書において、「備える(comprising)」という語は、その「オープンな」意味合いで、すなわち、「含む(including)」の意味合いで理解されるべきであり、したがって、その「クローズな」意味合いに、すなわち、「…のみから成る(consisting only of)」の意味合いに限定されるべきではない。対応する意味は、それらが出現するところの、対応する語である「備える(comprise)」、「備えられた(comprised)」、および「備える(comprises)」に属する。
【0021】
用語「空気」は、呼吸可能な気体、たとえば補助酸素を有する空気を含むようにみなされる。
【0022】
用語「ウェアラブルな」は、ポータブルであり、軽量であり、および/または、小さく、結果的に、ユーザがシステムを着用している間に動き回ることを可能にするシステムを指すとみなされる。
【0023】
詳細な説明内で使用される主題の見出しは、読者の参照を容易にするためにのみ含まれており、この開示または請求項の全体にわたって見られる主題を限定するために使用されるべきではない。主題の見出しは、請求項の範囲または請求項の限定事項を解釈するのに使用されるべきではない。
【0024】
1. PAPシステム
PAPシステムは、典型的に、PAP装置(陽圧で空気を生成するためのブロワを含む)と、空気送達導管(管または管類とも称される)と、患者インターフェイス(たとえばマスク)とを含む。使用時において、PAP装置は、空気送達導管を介して患者インターフェイスに送達される加圧空気(たとえば2〜30cmH
2O)の供給を生成する。患者インターフェイスまたはマスクは、当該技術において公知である好適な構成、たとえば、フルフェイスマスク、鼻マスク、口腔鼻マスク、口マスク、ノズル、鼻プロング、鼻ピロー、カニューレ、鼻受け台などを有し得る。また、患者の顔面上の所望の位置に患者インターフェイスを快適に支持するために、ヘッドギアも利用され得る。
【0025】
或る実施例は、PAP装置もしくはブロワが、患者の頭部上に着用されるように適合されており、患者インターフェイスもしくはマスク内に製作されるか、もしくは組み込まれており、患者によって担持されるか、もしくはウェアラブルであり、ポータブルであり、サイズが縮小されており、または、それらの組み合わせである、PAPシステムに関する。或る実施例において、PAPシステムは、本明細書においてその各々の全体が参照によって組み込まれている特許文献3および/または特許文献4に記載されたタイプのものでよい。
【0026】
一実施例において、PAPシステムは、1人の患者が使用する装置として就寝中に着用されて、気流の減少に関連するいびき障害の緩和を提供することが意図される。PAPシステムは、気道抵抗を減少させ、鼻道を経由する気流を増加させる。
【0027】
一実施例において、PAPシステムは、約6cmH
2Oの圧力(たとえば、これは最大圧力であり得る)で、かつ、マスクにおいて60lpmの一定流量で、加圧気体を送達するように構造化され得る。一実施例において、PAPシステムは、90〜260ボルトの交流電流(Volts Alternating Current)(VAC)と、50〜60Hzの主入力電源と、電源に対して選択された電源コード/プラグとを含み得る。一実施例において、標的となる可聴騒音レベルは、標準的なCPAPシステムと同等であり得る。一実施例において、PAPシステムの外観は、なめらかで医用らしくなく、従来のCPAPシステムとは似ていないことが考えられる。一実施例において、PAPシステムは、簡単で直感的な使用と、1個のオン/オフスイッチを組み込んだ接続とを提供し得る。一実施例において、PAPシステムは、特別な訓練を何ら必要とせずに、ぴったり適合させることが容易で、漏れを防止する、患者インターフェイスまたはマスクを提供し得る。
【0028】
2. 例示的な頭部着用式PAPシステム−ループの実施例
図1から
図6は、PAP装置20(流れ生成器またはブロワとも称される)と、患者インターフェイス30(たとえば、ノズル、ピロー、プロング、または鼻クッション構成体)と、当該患者インターフェイスおよび当該PAP装置を相互接続する空気送達管類40(たとえば、1つまたは複数の管または入口導管)とを含む頭部着用式PAPシステム10を示す。被覆50は、PAP装置、患者インターフェイス、および空気送達管類の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻き、使用時において、このようなコンポーネントを患者の頭部上の定位置に取り付ける。一実施例において、これらのコンポーネントは、たとえば、清掃、交換などのために容易に分解され得る。
【0029】
示されるように、PAPシステムは、患者の頭部上にPAPシステムを安定化させて、かつ、患者の鼻に対する封止力をもたらすために、一般に、患者の鼻の下側に沿って、頬の領域に沿って、耳の上方に、ならびに、患者の頭部の頭頂および頭頂部の真上に走るループを規定する。代替的実施例において、ループは、患者の耳の下方を、次いで、患者の頭部の頭頂および頭頂部の真上を走ることが考えられる。
【0030】
2.1 PAP装置
PAP装置20は、被覆50内に支持され、それにより、PAP装置20は、使用時に、患者の頭部の上部上に静止し、たとえば、患者の頭部の頭頂および/または頭頂部の上に支持される。
図5に示すように、このような位置付けは、使用時における(たとえば、PAP装置の上部部分に沿って設けられた)PAP装置の入口または空気摂取口を妨げず、すなわち、患者の就寝体位、たとえば、患者自身の側面または背中を下にして横たわっていることに関係なく、空気摂取口が制限されない。PAP装置20の各側面は、使用時にPAP装置が患者の頭部の両側面に沿って空気を送達するよう、それぞれの空気送達管と連通するように構造化された出口または出口開口部21(たとえば
図4を参照されたい)を含む。
図6に示すように、システム用の1つまたは複数の制御装置60(たとえば、PAP装置用の制御装置)は、たとえば、患者および/または健康管理専門職が容易に接触することができるように、患者の頭部の上部上に設けられ得る。
【0031】
示されるように(たとえば
図4を参照されたい)、PAP装置の外側ケーシングは、たとえば、快適性、より一層の目立ちにくさ、インパクトの少なさ、ロープロファイルなどを得るために、患者の頭部の輪郭に実質的に合致するように好適に輪郭形成され得、構成され得る。
【0032】
2.2 患者インターフェイス
示された実施例において、患者インターフェイス30は、患者の鼻腔との封止を形成するように適合されたノズル、鼻プロング、ピロー、もしくはクッション31を含む、ノズル、鼻プロング、ピロー、または、クッション構成体(たとえばシリコーンで構築されたもの)を含み得る。ノズル構成体の各側面は、それぞれの空気送達管と連通するように構造化された入口または入口開口部32を含む。ノズル構成体は、患者インターフェイスおよび患者から気体の発散を可能にする通気孔33を含み得る。
【0033】
示された患者インターフェイスは、ノズルタイプのものであるが、このようなインターフェイスのタイプが単に例示的なものであり、他のインターフェイスが可能であること、たとえば、鼻マスク、フルフェイスマスク、口マスク、鼻下インターフェイスなどが可能であることを認識されるべきである。加えて、患者インターフェイスは、他の好適な材料、たとえば、シリコーン、発泡体、ゲル、織物などで構築され得る。一実施例において、患者インターフェイスは、本明細書においてその全体が参照によって組み込まれている特許文献5に記載された「花」タイプのインターフェイスを含み得る。
【0034】
2.3 空気送達管類
各空気送達管40は、PAP装置20のそれぞれの出口に接続するように構成された第1端と、患者インターフェイス30のそれぞれの入口に接続するように構成された第2端とを含む。使用時において、これらの管には、PAP装置から呼吸可能な加圧気体が供給され、呼吸可能な加圧気体は、インターフェイスの対向端内に送達される。
【0035】
図3Aに示すように、各管40は、当該管40が、2つの段階、すなわち、第1の開いた段階(
図3A)と、管が少なくとも部分的に潰されて、上に横たわるのに快適な、第2の少なくとも部分的に潰された段階(
図3B)との間を移行し得るように構造化された非円筒形の断面形状を有し得る。第2の少なくとも部分的に潰された段階(
図3B)において、管の対向する壁は、少なくとも部分的に潰された管を経由するコンダクタンスが最小化され得るように、その長さに沿って1つまたは複数の点または表面において互いに係合し得る。各管は、使用時における全圧に対処するように構造化される。このような管類のさらなる実施例は、本明細書においてその全体が参照によって組み込まれている特許文献6に開示されている。
【0036】
2つの管が使用され、それにより、たとえば、患者がその側面を下にして横たわることにより、これらの管の一方が少なくとも部分的に潰されたときにも、呼吸可能な気体の充分な供給が、それでもなお患者インターフェイスに送達され得ることが好ましい。すなわち、2つの管が使用されると、使用時に、これらの管の一方または両方が開いていることが考えられる。しかしながら、1つの管または3つ以上の管、たとえば、3つまたはそれよりも多くの管が使用され得ることを認識されるべきである。
【0037】
2.4 被覆
被覆50の1つまたは複数の部分は、熱の知覚を低減し、かつ、性能を発揮するために、織物材料、たとえば、通気性を有する布地で構築され得る。
【0038】
被覆50の1つまたは複数の部分は、たとえば、患者の顔面を見せ、技術を明らかにするために、透かし部または窓/開口部を含み得る。たとえば、被覆は、患者インターフェイスの封止と空気送達管類との部分を露出する透かし部50(1)、50(2)と、患者インターフェイスの通気孔を露出する開口部50(3)とを含み得る。
【0039】
被覆の1つまたは複数の部分は、異なる色(色対比)、パターン、および/または表面質感を有し得る。たとえば、青色のピンストライプを被覆に沿って設け、気流を示す性能要素をもたらすことができる。また、吊り下げタグを被覆に設けて、衣料の審美性およびソフト面のブランドの扱い(soft brand treatment)をもたらすことができる。加えて、被覆は、視覚的な厚さを減じるか、または、配向をもたらす、2つの色調の配色を含み得、たとえば、区別可能な内側表面および外側表面を含み得る。
【0040】
被覆のさらなる実施例は、本明細書においてその全体が参照によって組み込まれている特許文献7に開示されている。
【0041】
一実施例において、被覆は、空気送達管類と一部品式に形成され(たとえば、共成形され)得る。一実施例において、被覆は、PAP装置から患者インターフェイスへの空気送達経路を構成するか、または、その他の態様において提供することが考えられ、すなわち、シリコーンタイプの空気送達管類の代わりに織物タイプの管類を構成するか、または、その他の態様において提供することが考えられる。
【0042】
3. 例示的なPAPシステム−ピローの実施例
図7〜
図12は、開示された技術の別の実施例によるPAPシステム210を示す。この例において、PAPシステムは、使用時に、患者のピロー内、ピローの下、またはピローに隣接して位置付けられるように適合されたPAP装置220と、患者インターフェイス230(たとえばノズル/鼻プロング構成体)と、当該患者インターフェイスおよび流れ生成器を相互接続する空気送達管類240(たとえば、2つの入口管240(2)へと2つに分岐する出口管240(1))とを含む。患者の頭部上に患者インターフェイスおよび入口管を安定化させて支持するために、1個のほぼ円形のストラップ270(たとえば、頭頂ストラップ部270(1)および後方ストラップ部270(2))を含むヘッドギアが設けられる。1個のほぼ円形のストラップにより、患者の頭部からのPAPシステムの着脱が簡単になる。被覆250は、PAP装置220、および空気送達管類の出口管240(1)の、1つまたは複数の部分を実質的に取り巻く。一実施例において、これらのコンポーネントは、たとえば清掃、交換などのために、容易に分解され得る。
【0043】
患者インターフェイスおよび入口管は、一般に、患者の鼻の下側に沿って、頬の領域に沿って、耳の上方を、および、患者の頭部の頭頂の真上を走るループを規定し得る。このシステムは、継ぎ目のない移行をもたらし、すなわち、簡単で流れるような形状が、極小であって、ウェアラブルに見え、それによって(医療用配管とは異なって)全体的な認識が改善される。また、このシステムは、当該システムによってもたらされる空気感に関してトランスペアレントである、審美性をもたらす。代替的実施例において、管は、患者の耳の下方を、次いで、患者の頭部の頭頂の真上を走り得る。
【0044】
この実施例において、患者インターフェイス、入口管、およびヘッドギアは、患者の皮膚および頭髪に調和するために、異なる色、パターン、および/または、表面質感を含む材料(たとえば、「見えなくなる」材料)で構築され得る。たとえば、患者インターフェイスおよび入口管は、それが透明であるように、または、患者の顔面と調和するように、実質的に透明な材料(たとえばシリコーン)で構築され得る。ヘッドギア(ほぼ円形のストラップ)は、患者の頭髪と調和する材料、たとえば、患者の頭髪によって隠れる暖色グレーの布地で構築され得る。材料が、異なるユーザに対して好適に選択され得ることが認識されるべきである。
【0045】
3.1 PAP装置
図9および
図10において最も良く示されるように、PAP装置220は、被覆250内に位置決めされ、使用時に、患者のピローの下またはピローに隣接して位置付けられるように適合される。PAP装置は、実質的にロープロファイルをもたらし、それによって当該PAP装置は目立たず、患者の就寝体位に著しく影響を及ぼさない。
【0046】
PAP装置は、使用時に当該PAP装置の入口または空気摂取口を経由して空気を吸い込むための延伸特徴を含み得る(たとえば
図45の実施形態を参照されたい)。この延伸特徴は、PAP装置220の入口に付設された第1端と、周辺環境から空気を受けるように位置付けられるように適合された第2端とを有する、細長い入口または空気摂取口(図示せず)を含み得る。細長い入口または空気摂取口の第2端は、微粒子を除去する入口フィルタ527も有し得る。一実施例において、細長い入口または空気摂取口および空気送達管類は、平行な方向に、または代替的に、異なる方向に、延びることが考えられる。
【0047】
PAP装置は、空気送達管類の出口管240(1)と連通するように構造化された出口または出口開口部221を含む(たとえば
図11および
図12を参照されたい)。
【0048】
図12に示すように、PAP装置上に、Hi/Low圧力制御装置/トグル260が位置決めされ得る。システム用の付加的な制御装置がPAP装置に設けられ得ることを認識されるべきである。
【0049】
3.2 患者インターフェイス
示された実施例において、患者インターフェイス230は、上で説明したように、ノズル/鼻プロング構成体を含む(たとえば
図11を参照されたい)。しかしながら、他の好適なインターフェイス、たとえば、鼻マスク、フルフェイスマスク、口マスク、鼻下インターフェイスなどが可能である。
【0050】
3.3 空気送達管類
示された実施例において、空気送達管類240は、PAP装置の出口において共に接合された2つの管(たとえば
図9Aを参照されたい)を有する出口管240(1)(たとえば、両方の管は、PAP装置の1個の出口に結合されるように適合されている)を含み、次いで、これらの管は、患者インターフェイスのそれぞれの端に向けて2つに分岐する(すなわち、分離された入口管240(2)へと分裂するか、または、分かれる)。
【0051】
上で説明したように、入口管240(2)は、当該入口管240(2)が、開いた段階と少なくとも部分的に潰された段階との間を移行し得るように構造化された非円筒形の断面形状を有し得る。加えて、この断面形状は、滑らかで、流線型であって、なめらかな、調和する輪郭を含み、(標準的な医療用配管または管類とは異なって)患者の頭部の輪郭と当該管を調和させるか、または、当該管を患者の頭部の輪郭にテーパさせる。
【0052】
一実施例において、
図12において最も良く示されるように、PAP装置から延伸する入口管240(2)と出口管240(1)との間に迅速接続解除機構280が設けられ、たとえば、患者が、患者インターフェイスの全体を取り外す必要なく、夜間に起き上がることを可能にし得る。一実施例において、迅速接続解除機構280にオン/オフ制御装置281が設けられるか、または結合されて、たとえば、起きるときにPAP装置を容易にオフにすることができる。
【0053】
3.4 被覆
図11に示すように、被覆250は、PAP装置220の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻くポーチ部251と、出口管240(1)の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻く管部252とを含む。
【0054】
4. 例示的なPAPシステム−巻き付く実施例
図13〜
図18は、開示された技術の別の実施例によるPAPシステム310を示す。この実施例において、PAPシステム310は、PAP装置320と、患者インターフェイス330(たとえば、ノズル/鼻プロング/クッション構成体)と、当該患者インターフェイスおよび流れ生成器を相互接続する空気送達管類340とを含む。被覆350は、PAP装置および空気送達管類の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻く。加えて、被覆は、ヘッドギアストラップ部355を含み、当該ヘッドギアストラップ部355は、別のヘッドギアストラップ370と協働して患者の頭部の周囲に巻き付き、患者の頭部上でシステムを安定化させて支持する。一実施例において、これらのコンポーネントは、たとえば、清掃、交換などのために、容易に分解され得る。また、システムは、人体の非対称性をもたらし、これによって「顔面を幅広にする」効果をなくすことを助け、配向を示すことが考えられる。
【0055】
4.1 PAP装置
PAP装置320は、被覆350内で支持される。一実施例において、
図16に示すように、PAP装置320は、被覆の端から延伸して、当該PAP装置に設けられた1つまたは複数の制御装置360に接触できる。
【0056】
患者が
図14に示すように起立しているとき、PAP装置は、管類によって患者の頭部から懸架され得、それにより、PAP装置は、患者の肩に隣接して位置付けられ、および/または、患者の肩によって支持される。
図15に示すように、患者がベッドに横たわっているとき、PAP装置は、患者の頭部に隣接して(たとえば、患者のピローの上、ピローの下、またはピローに隣接して)位置付けられ得る。PAPシステム310は、患者の体または顔面の左側面まで横切って巻き付くように構成されているように示されている。しかしながら、PAPシステム310が、患者の体または顔面の右側面まで横切って巻き付くように構成され得ることも理解されるべきである。
【0057】
PAP装置320は、空気送達管類340と連通するように構造化された出口または出口開口部321を含む(たとえば
図18を参照されたい)。
図15に示すように、患者の頭部からの、PAP装置の懸架された構成体は、融通のきく就寝体位を可能にし、たとえば、PAP装置は、患者の頭部を基準にして180°旋回させることができる。
【0058】
4.2 患者インターフェイス
示された実施例において、患者インターフェイス330は、患者の鼻腔との封止を形成するように適合されたノズル/鼻プロングを含む、(たとえば、シリコーンで構築された)ノズル/鼻プロング構成体を含む(たとえば
図18を参照されたい)。この実施例では、ノズル構成体の1つの側面のみが、空気送達管類と連通するように構造化された入口または入口開口部332を含む。ノズル構成体は、患者インターフェイスおよび患者からの気体の発散を可能にする通気孔を含み得る。しかしながら、他の好適なインターフェイスおよびインターフェイス構成体、たとえば、鼻マスク、フルフェイスマスク、口マスク、鼻下インターフェイスなどが可能である。
【0059】
4.3 空気送達管類
示された実施例において、空気送達管類340は、被覆350内において支持されて、PAP装置の出口とノズル構成体の入口との間に接続された、1つの管を含む。
図13〜
図15に示すように、被覆された管は、患者の頭部の周囲に、たとえばスカーフのように巻き付く。
【0060】
4.4 被覆
図14および
図18において最も良く示されるように、被覆350は、PAP装置の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻くポーチ部351と、空気送達管の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻く管部352と、別のヘッドギアストラップと協働して患者の頭部の周囲に巻き付き、患者の頭部上にシステムを安定化させて支持するヘッドギアストラップ部355とを含む。
【0061】
ヘッドギアストラップ部355は、頬の領域に沿って、耳の上方に、患者の頭部の後方の周囲に巻き付き、かつ、ヘッドギアストラップ370の中間部に接続するように構造化され(たとえば、ヘッドギアストラップは、その周囲にヘッドギアストラップ部が巻き付くことを可能にするループを含み)、それにより、システムを支持するための後方ストラップを規定する。ヘッドギアストラップ370は、患者の鼻の下に、頬の領域に沿って、耳の上方に、および、患者の頭部の頭頂の真上に巻き付き、かつ、ヘッドギアストラップ部355の中間部に接続するように構造化され(たとえば、ヘッドギアストラップ部は、その周囲にヘッドギアストラップが巻き付くことを可能にするループを含み)、それにより、システムを支持するための頭頂ストラップを規定する。代替的実施例において、ストラップは、患者の耳の下方を、次いで、患者の頭部の頭頂の真上を走り得る。
【0062】
ヘッドギアストラップ部355およびヘッドギアストラップ370は、患者の鼻のそばで部分的に重複する。ヘッドギアストラップ部およびヘッドギアストラップは、部分的重複部において、たとえばボタン375(たとえば、ほくろが思い起こされる)によって互いに接続され得、このボタン375は、患者インターフェイスからの通気孔としても働き得る(たとえば
図13および
図15を参照されたい)。部分的に重複させた接続部は、鼻の区間における視覚的な重みを減じ得る。
【0063】
被覆350の1つまたは複数の部分は、織物材料、たとえば、寝室用のような布地で構築され得、当該織物材料は、システムを環境に繋ぎ、総体的な親しみやすさおよび快適性に寄与することが考えられる。また、
図17に示すように、ヘッドギアストラップ部355およびヘッドギアストラップ370は、2つの色調の色構成体を含み、迅速に読める配向をもたらし得る。2つの色調の色構成体は、装置のサイズおよび外観を最小化し、かつ、装置のどちらの側面が患者に対面するかを示すことが考えられ、たとえば、
図106〜
図125を参照されたい。
【0064】
5. 制御装置およびフィードバックの実施例
以下に、本明細書に記載する例示的なPAPシステムのいずれか1つと共に使用するためのものを含めた、PAPシステム用の制御装置およびフィードバックの代替的実施例を提供する。
【0065】
5.1 フィードバックのない、基本的制御装置
一実施例において、PAPシステムは、コストを低く保つ基本的制御装置を含み得るが、このような基本的制御装置は、患者に対し、たとえあったとしても極めて少ないフィードバックしか提供しないことが考えられる。
【0066】
図12は、基本的制御装置、たとえば、PAP装置220上に位置決めされたHi/Low圧力制御装置/トグル260と、空気送達管類の迅速接続解除機構280に設けられたオン/オフ制御装置281とを備えたPAPシステムの実施例を示す。PAP装置は、自動的傾斜特徴(automatic ramp feature)、過熱モーター遮断器、および/または、モーター過熱LED表示器も含み得る。
【0067】
5.2 基本的制御装置、オンラインにおける包括的フィードバック
一実施例において、PAPシステムは、オンラインで患者に提供される包括的フィードバックを有する基本的制御装置を含み得る。PAP装置上の基本的制御装置は、毎日の使用を簡単にし、オンラインの包括的情報は、患者を関与させた状態に保つ。
【0068】
図6は、基本的制御装置、たとえば、PAP装置20に設けられたHi/Low圧力制御装置/トグル61およびオン/オフ制御装置/ボタン60を備えたPAPシステムの実施例を示す。PAP装置は、関連データを監視および収集する電子機器、データを転送するUSBスティック65、自動的傾斜特徴、過熱モーター遮断器、ならびに/または、モーター過熱LED表示器も含み得る。また、追跡を行って患者にフィードバックを提供するために、オンラインサービスが提供され得る。
【0069】
5.3 基本的制御装置、PAP装置についての必須フィードバック
一実施例において、PAPシステムは、PAP装置に設けられた、たとえばグラフィカル表示装置などによる必須フィードバックを伴う基本的制御装置を含み得る。簡単な制御装置およびグラフィカルフィードバックは、患者が治療法について理解すること、および、動機付けがなされた状態を保つことを助ける。
【0070】
図16は、基本的制御装置、たとえば、PAP装置320に設けられた、Hi/Low圧力制御装置/トグルおよびオン/オフ制御装置/ボタンを提供する制御装置360を備えるPAPシステムの実施例を示す。PAP装置は、関連データを監視および収集する電子機器、フィードバックを表示する低解像度のバックライト付き液晶表示装置 (LCD)、ならびに/または、過熱モーター遮断器も含み得る。付加的な制御装置または設定には、目覚ましアラーム(たとえば、呼吸パターンで目覚めさせる)が含まれ得る。
【0071】
6. PAPシステムの付加的な実施例
図19〜
図42は、ヘッドギアストラップおよび/もしくは被覆を患者の頭部の周囲に巻き付けるため、患者の頭部上もしくは患者の頭部に隣接してPAP装置を支持するため、患者の顔面をバンダナ状の被覆で被覆するため、ならびに/または、患者の頭部に沿って空気送達管類を方向付けるための付加的な実施例を含めた、PAPシステムの付加的な実施例を示す。1つまたは複数の実施例は、熱快適性、着/脱の容易性、ストラップのサイズおよび位置決め、釣り合い、ならびに/または、部品の破損に鑑みて構成され得る。加えて、1つまたは複数の実施例は、材料の品質、色、細部、人体との釣り合い、視覚的なサイズ、および/または、性別中立性を考慮して構成され得る。
【0072】
図19、
図29、および
図30は、材料被覆3001が患者インターフェイスの真上に位置決めされて、患者の鼻および口、ならびに患者インターフェイスを遮蔽、保護、または隠蔽するようにバンダナタイプの構成体を有するPAPシステムを示す。材料被覆3001の異なる長さが、
図19、
図29、および
図30に示されるように提供され得る。
図19は、患者が直立しているときの材料被覆3001の構成体を示し、
図29および
図30は、患者が横たわっているときの材料被覆3001の構成体を示す。
【0073】
図20、
図21、および
図37は、被覆して巻き付いてヘッドギアとなるように構成された織物被覆3101の異なる実施例を示す。
図20は、密にぴったり適合する織物被覆3101を示し、
図21および
図37は、より緩やかな織物被覆3101を示す。空気送達管は、織物被覆内に延びる。この構成体は、システムの医療用の見た目の特徴を隠すことを補助し、このシステムを、共に接合された複数個のコンポーネントではなく、むしろオールインワンのユニットとして見せる。織物被覆上のボタン3101−1は、システムの、非医療性の、または、より柔軟な見た目と感触とを提供することを補助し得る。このボタンは、患者インターフェイス用の通気孔と、患者インターフェイス用の付設機構との両方も構成し得る。
図26は、患者が横たわっているときの織物被覆3101の構成体を示す。空気送達管、患者インターフェイス、およびPAPシステムはすべて、織物被覆内に位置決めされて、単一の完全なシステムの外観をもたらす。
【0074】
図22および
図28は、患者の頭部の上部部分上に位置決めされたPAP装置3201を備えた実施例を示す。PAP装置、患者インターフェイス、および空気送達管の各々は、被覆内または被覆下に位置決めされて、オールインワンのシステム、または完全な単一システムの、総体的な見た目をもたらす。この被覆は、システムの医療用の見た目を低減すること、および/または、患者インターフェイス、空気送達管類、およびPAP装置の接続点などの、システムの異なるコンポーネント間の接続点を隠し、覆い隠し、もしくは隠蔽することも考えられる。患者インターフェイスは、鼻ピロー、鼻受け台、鼻プロング、または鼻クッションを含み得る。
図27は、患者の頭部の上部上に位置決めされて、患者インターフェイスとして鼻カニューレを含むPAP装置を備えた、類似する実施例を示す。
【0075】
図23は、頭部着用式の別の構成体を示し、当該構成体において、PAP装置および被覆3301は、頭部の上部上よりもむしろ、前額部の周囲に巻き付けられる。
【0076】
図24は、例示的なPAPシステムを示し、当該PAPシステムにおいて、PAP装置3401は、頭部からぶら下がるか、または懸架されるように構成され、患者が仰臥した体位にあるときには、胸部に寄り掛かり得る。空気送達管類は、頭部の上部の周囲に巻き付き、かつ、顔面を横切って巻き付かせた患者インターフェイスストラップ3403に接続する、織物被覆3402内に位置決めされる。
【0077】
図25は、
図9〜
図10に示すPAPシステム構成体に類似したPAPシステム構成体を示し、わずかに異なるヘッドギアストラップ構成体を有する。ヘッドギアストラップ部3501は、頬の領域に沿って、患者の頭部の上部の真上を上へと巻き付くように、ならびに、耳の下方に、および患者の頭部または頚部領域の後方の周囲に巻き付くように構造化された支持ストラップ3502も含むように、構造化される。
【0078】
図31は、主として耳下のベクトルをもたらして、織物被覆内または織物被覆下において支持される患者インターフェイスおよび空気送達管類を支持するように構成された巻き付き構成体3601を有するPAPシステム構成体を示す。頭部の上部の真上に延伸する、さらなるヘッドギアストラップ3602は、患者の顔面または鼻に接してインターフェイスを上へと支持または保留することを補助する。
【0079】
図32は、顔面を横切って、上唇の上方に、鼻の下方に、および、患者の耳の下に巻き付いて、顔面に接して患者インターフェイスを支持するように構造化されたヘッドギアストラップ3701を含むPAPシステム構成体を示す。さらなるストラップ3702は、耳の真上に延伸して、鼻領域に接して定位置に患者インターフェイスを維持および封止することを補助する。
【0080】
図33は、PAPシステム構成体を示し、当該PAPシステム構成体において、気流は、ヘッドギアシステム内に位置決めされた空気送達管または導管3801を経由して経路指定される。
【0081】
図34および
図35は、患者の前額部を横切ってストラップ上もしくはストラップ内に、または、前額部支持体内に位置付けられたPAP装置3901を有するPAPシステム構成体を示す。
図34に示すように、PAPシステムは、装置の前方に入口フィルタ3901−1を含み、清浄な空気を提供することができる。このような構成体は、浄化空気を提供して、喘息、アレルギーなどの病状を治療するのに好適であることも考えられる。代替的に、ブランドまたはロゴ3901−2が、
図35に表示されるように、装置の前方に印刷され得る。患者インターフェイスは、外側表面上に、通気孔も含み得る。
【0082】
図36は、患者の前額部を横切って位置付けられ、頭部の後方に位置決めされたPAP装置に対して支持をもたらす前額部ストラップ4001の実施例を示す。前額部ストラップは、側面ストラップおよび上部ストラップを定位置に支持することも行い、患者の顔面または鼻に接して定位置に患者インターフェイスを維持することを補助する。
【0083】
図38、
図39、および
図40は、患者インターフェイスに結合され、ヘッドギアストラップ内に配設された空気送達管類4101を有するPAPシステム構成体を示す。患者インターフェイス部および当該患者インターフェイス部がヘッドギア内において空気送達管類に接続するところの長さは、これらの異なる構成体間で異なる。
図40は、主に鼻の下に位置決めされる小さな患者インターフェイス部4102を示す。
図39は、空気送達管類に結合する前に頬の領域を横切って延伸する、わずかにより大きな患者インターフェイス部4102を示す。
図38は、空気送達管類に結合する前に、耳領域に隣接して上へと延伸する大きな患者インターフェイス部4102を示す。
図40に示すように、患者インターフェイス部の前方に透かし窓4102−1が設けられて、使用時における鼻孔の可視性を実現し得る。
【0084】
図41は、たとえば、ヘッドバンド上に空気送達管の一部分を保留するストラップ部を有することにより、空気送達管類4202を支持して、頭部および顔面上の定位置にシステムを維持することを補助するように構成されたヘッドバンドストラップ4201を有するPAPシステム構成体を示す。
【0085】
図42は、頭部上の被覆4301内に位置決めされたPAPシステムを有するPAPシステム構成体を示し、空気送達導管は、PAP装置と共に被覆内に位置決めされる。透かし窓4302が患者インターフェイスの下に設けられて、鼻領域の可視性を実現し得る。
【0086】
上で説明した実施例のすべてが、透き通ったシリコーン、エラストマー材料で形成されて、可視性を実現し、かつ、顔面上でより見えないようになり得ることに留意されたい。代替的に、これらの実施例の各々は、織物材料か、または、織物材料の組み合わせで形成されて、本明細書でより詳細に説明するように、より医療用ではなさそうな、より目立ちにくい見た目をもたらし得る。
【0087】
一実施例において、患者の頭部に対するPAP装置の位置付けは、空気送達管のサイズを少なくとも部分的に決定し得る。たとえば、患者の鼻からのPAP装置の距離を増大させると、空気送達管の直径の増大を生じ得る。一実施例において、患者の鼻から60cmまたは70cmなど(たとえば最大距離)の、約50cm〜80cmに位置付けられたPAP装置は、15mmなどの、約10mm〜20mmの直径を有する空気送達管を生じる。
【0088】
図43に示すように、区域A内に位置付けられたPAP装置は、当該PAP装置の快適性および機能状態に関して好ましいことが考えられる。区域Bは、縮小された管の直径を有する、より小さなシステムを提供するのに、区域Cよりも一層好ましいことが考えられる。
【0089】
7. 代替的実施例
以下に、ウェアラブルなPAPシステムの代替的実施例を提供する。
【0090】
7.1 不可視であるように見える流れ生成器
一実施例において、PAP装置の第1の側面に、ビデオカメラまたは画像記録装置が付設されるか、またはその他の態様において設けられることが考えられ、PAP装置の別の側面上に、画面または出力装置が設けられ得る。画像記録装置は、当該画像記録装置のすぐ前方にある画像を記録することができ、その記録された画像を出力装置上に表示することができる。一実施例において、出力装置は、PAP装置の、画像記録装置に対向する側に設けられる。
【0091】
たとえば、画像記録装置は、壁に向けられるか、または方向付けられ得、これにより、出力装置は壁の画像を表示することになる。この表示装置は、PAP装置をより不可視であるように見せ得ることが考えられるが、その理由は、患者には壁の画像しか見えないためである。
【0092】
7.2 モーターを有さない小さなPAP装置
一実施例において、空気は、空気を電気刺激することによって加圧され得る。
【0093】
たとえば、織物導管は、脈動、または弛緩および収縮(蠕動に類似する運動を)するように電気刺激され得、それによって当該織物導管は、織物筋肉のようになる。導管の直径を変動させることにより、当該導管は、その導管の患者端に向けて空気を進行させ、当該空気を加圧する。織物導管は、圧力の増強を支援するために定期的に開閉し得る1つまたは複数の弁も含み得る。
【0094】
一実施例では、各鼻孔においてシリンダ内に1対のピストンが位置付けられ得、各ピストンは、駆動構造(たとえば、接続棒およびクランク)によって駆動されて、ピストンを上下に動かす。ピストンが上に動くにつれて、当該ピストンは、患者の鼻に空気を送り込む。ピストンの速度は、患者の鼻に送達される圧力を決定付ける。各ピストンは、一方のピストンが上に動いて患者の気道内に空気を送り込むにつれて、他方のピストンが後退してシリンダが空気を補充するように接続され得る。代替的に、ピストンは、同調または非同調の態様のいずれかで接続されること、および、稼動することのないことが考えられる。
【0095】
7.3 モーターを有する小さなPAP装置
図44に示すように、患者インターフェイスまたはマスク430には、インペラ490が設けられ得、ツイストドライブまたはスネークドライブ497、すなわちケーブル状のドライブシャフトによって当該インペラ490に結合された(たとえばバッテリにより電力供給される)モーター495によって駆動される。
【0096】
7.4 「スマート」管
一実施例において、空気送達管は、使用時における患者の動きを追従するように構成され得、すなわち、スマート管であり得る。たとえば、管は、患者の動きを検知するように構成された1つまたは複数のセンサと、管の位置を自動的に調節して患者の体位を補完するように構成された調節装置とを含み得る。別の実施例では、管に患者の動きを追従させるために、1つもしくは複数の磁石もしくは電磁石、または他の誘引手段、たとえば、患者のベッドクロス内に埋設された磁石が使用され得る。
【0097】
図192は、この技術の実施例によるシステム2500の模式図である。このシステムは、患者にとっての全体的な睡眠と治療送達の経験とを改善するために、患者にとって最適な態様で患者インターフェイスを自動的に位置付け、患者を検知し、患者に応答するように構造化される。このシステムは、患者の顔面上に患者インターフェイスを押圧または封止するために患者インターフェイスに力を与え、それによってヘッドギアの機能を実施するように構造化された能動管またはスマート管を含む。実施例において、ヘッドギアは、システムにおいて設けられていないか、または必要とされていないが、患者インターフェイスの安定性および位置決めを向上させるために、任意に設けられ得る。ヘッドギアをなくすと、ヘッドギアの表面区間を取り外すことによる閉所恐怖感と、患者の頭部にかかる力とが低減され得る。
【0098】
このシステムは、当該システムがヘッドギアの機能を実施する点において、ユーザにとって不可視であるように見え、かつ、不可視であるように感じられる。一実施例において、このシステムは、患者が就寝した後に、当該患者に患者インターフェイスを自動的にぴったり適合させるように構造化され得る。
【0099】
示されるように、システム2500は、(陽圧で空気を生成するためのブロワを含む)基部ユニット2501と、患者の顔面に係合するように適合された患者インターフェイス2502と、患者インターフェイスに加圧空気(たとえば、2〜30cmH
2O)の供給量を送達して、患者の顔面に対する適正なインターフェイス力および角度を生じる能動管またはスマート管2503とを含む。患者インターフェイスまたはマスクは、当該技術において公知である任意の好適な構成、たとえば、フルフェイスマスク、鼻マスク、口腔鼻マスク、口マスク、ノズル、鼻プロング、鼻ピロー、カニューレ、鼻受け台などを有してよい。代替的実施例において、患者インターフェイスは、患者の顔面に隣接して、または患者の顔面の付近に位置付けられて、特に係合しないことが考えられる。この構成体は、たとえば、医療上の利益または健康をもたらす利益を有する、処置が施された空気、たとえば、浄化空気、および、抗酸化剤または薬剤を含んだ空気を送達するために設けられ得る。
【0100】
能動管2503は、患者インターフェイスを動かすために、患者インターフェイスと患者との間に及ぼされる力の量を変更するために、および/または、それ自体の位置付けを動かす/調節するために、当該能動管2503がそれ自体の形状を変更できるように構造化される。一実施例において、
図193−1に示すように、能動管2503は、管2503−2の長さを調節する一連の能動要素2503−1を含み得る。示されるように、各能動要素2503−1は、管の長さを調節するために、選択的に収縮および/または延伸させることが可能な少なくとも1つの側面を含む。たとえば、
図193−1および
図193−2に示すように、選択された能動要素2503−1の一方または両方の側面は、管を曲げ、したがって管の長さを短縮するために、収縮させることができる。代替的に、選択された能動要素2503−1の一方または両方の側面は、
図193−3に示すように、管を真っ直ぐにし、したがって管の長さを延伸させるために、延伸させることができる。管をこのように曲げること/真っ直ぐにすることにより、管の横方向のうねり、したがって管の長さを調節し、このことにより、管の端に設けられた患者インターフェイスによって患者の顔面にもたらされる力が調節される。たとえば、選択的能動要素は、管の横方向の到達範囲を短縮するように、したがって患者の顔面にもたらされる力を低減または緩和するように収縮させることができ、同様に、選択的能動要素は、管の横方向の到達範囲を延伸させるように、したがって患者の顔面にもたらされる力を増加または増強させるように、延伸させることができる。能動要素の全体にわたる差異的な収縮または延伸は、たとえばピエゾアクチュエータによって、または他の好適な手段によって、得ることができる。或る構成体において、患者の顔面にもたらされる力は、患者インターフェイスからの漏れの検出されたレベルに基づき、自動的に調節され得る。
【0101】
しかしながら、管の長さまたは形状は、他の好適な態様で変更させることができる。たとえば、管の長さは、上で説明したように、S状の形の特異的な曲げよりもむしろ、線形運動によって変動させることができる。
図199は、基部ユニット2701と、患者インターフェイス2702と、それらの接合部において旋回軸2703−2を有する、直線状の、または湾曲した要素2703−1の組み合わせを有する能動管2703とを含むシステム2700の実施例を示す。
図200は、基部ユニット2801と、患者インターフェイス2802と、大きな剛性の要素2803−1、および、上で説明した能動管2503に類似した、より短く、選択的に調節可能な要素2803−2の組み合わせを有する能動管2803とを含むシステム2800の実施例を示す。この構成体において、要素2803−1は、より大きな調節をもたらし、その一方で、要素2803−2は、微調整の、より小さな調節をもたらす。
【0102】
基部ユニット2501は、そこから能動管の一方端が、患者インターフェイスを介して患者に力を印加するために据え付けられる固定点または基部を提供する。基部ユニットは、質量と、摩擦と、患者または患者の体に比べて比較的安定した物体への付設とを介して、たとえば、自重、ベッドの頭板へのクリップ留めなどを介して、不動であり得る。一実施例において、基部ユニットは、患者の体に付設され得る。
【0103】
患者インターフェイス2502にインターフェイスコントローラ2504が設けられ、
図194に示す、安定性を有する基部として能動管2503を使用することにより、着用者に対する患者インターフェイスの角度を調節する。患者インターフェイスに隣接して力センサ2505が設けられ、患者インターフェイスと患者の顔面との間の力およびトルクを測定する。
【0104】
基部ユニットにコントローラまたは制御モジュール2506が設けられ、システムの調節を監視および制御し、それによって患者インターフェイスは、治療法に関して患者にとって最適の態様で位置付けられる。制御モジュールは、入力信号を受信して処理し、データを分析し、能動管およびインターフェイスコントローラにコマンドを送信する。一実施例において、信号通信2508は、能動管または無線素子に一体化されたワイヤによってもたらされ得、たとえば、力センサから制御モジュールに入力信号を送信して、制御モジュールから能動管およびインターフェイスコントローラにコマンドを送信するように構成され得る。
【0105】
制御モジュールは、患者の活動および位置付けを分析し、患者インターフェイスを調節して最適な治療を得るために、力センサからのデータ、管の位置付けに関するデータ、患者の就寝体位に関するデータ、および/または、患者の呼吸パターンに関するデータを受信する。任意の所与の時間に、制御モジュールが知ることになるのは、基部ユニットに対する能動管の位置および能動管の構造形状(たとえば、任意の所与の時間において当該管内における能動要素の各々の位置状態(すなわち、収縮されているか、もしくは延伸されているか)を査定することによる)、管の端における患者と患者インターフェイスとの間の力およびトルク(たとえば、力センサ2505によって測定されたもの)、患者の就寝体位(たとえば、管の形状および管に対する患者インターフェイスの角度から解釈されるもの、ビデオもしくは赤外線検知による視覚的データから解釈されるもの)、ならびに/または、患者の呼吸パターンである。
【0106】
一実施例において、システムは、たとえば、患者および一般集団の睡眠運動の履歴データ分析に基づき、どのような患者の動きが次に来る可能性が高いかを予測するように構成され得る。たとえば、制御ユニットは、患者の動きを記録し、このデータを格納し、したがって、利用期間にわたる、患者の典型的な睡眠運動の「プロファイル」を築くことができる。経時的に、このデータは、フィードバック、たとえば、就寝している任意の選択された期間が典型的なものであるか、または異常なものであるか、不穏であるか、または平穏であるかについての情報を、患者に提供するために使用され得る。このプロファイルデータは、患者によって入力される主観的データに関連付けられ得る。
【0107】
制御モジュールは、印加されるクッションの封止力の大きさと、漏れが生じているか否かとを検知することによって、患者の必要性を認識し、システムの性能を改善するように構成される。制御モジュールは、この情報を使用して、たとえば、患者インターフェイスによって患者の顔面にもたらされる力が必要以上に高い場合には、当該力を低減すること、または、漏れが存在する場合には、患者インターフェイスによって患者の顔面にもたらされる力を増大させることが可能である。さらに、患者インターフェイスによってもたらされる角度または力のベクトルは、漏れの箇所に応答することにより、最適な封止/快適性のレベルをもたらすように調節され得る。一実施例において、漏れ箇所のデータは、患者インターフェイス、および/または、音声ベースの漏れ検知データによって提供され得る。また、患者は、当該患者の顔面の特定の領域内に、より多くの力またはより少ない力などの所望の効果を得るために、インターフェイスの角度および力を意図的に設定することができる。
【0108】
先行する上記の段落で論じられた実施例の技法は、少なくとも1つのプロセッサまたはコントローラおよびメモリを含めた処理リソースを含むPAP装置または他のコンピュータ装置上で実施されるか、またはPAP装置または他のコンピュータ装置を介して実施され得る。これらの実施例の技法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはその他のものの任意の好適な組み合わせで実装されることも考えられる。たとえば、ソフトウェアベースの実装、またはソフトウェアを含んだ実装において、プログラムまたは命令のセットは、PAP装置または他のコンピュータ装置の処理リソースを用いて実行されると、これらのおよび/または他のステップを実施するように構成され得る。
【0109】
図195−1〜
図195−4は、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスが患者の顔面に印加する力の総計を調節するシステムの実施例を示す。たとえば、
図195−1は、患者インターフェイスと患者の顔面との間の漏れを示し、
図195−2は、患者の顔面に印加される力を(たとえば、能動管を変更することによって)増大させて、漏れを止めるシステムを示す。同様に、
図195−3は、患者インターフェイスと患者の顔面との間の不快感を示し、
図195−4は、患者の顔面に印加される力を(たとえば、能動管を変更することによって)減少させて、不快感を和らげるシステムを示す。
【0110】
図196−1〜
図196−4は、漏れまたは患者の不快感に応答して、患者インターフェイスが患者の顔面に印加する力の角度を調節するシステムの実施例を示す。たとえば、
図196−1は、患者インターフェイスと患者の顔面との間の漏れを示し、
図196−2は、患者の顔面に対する患者インターフェイスの角度を(たとえば、インターフェイスコントローラ2504を介して)調節して、漏れを止めるシステムを示す。同様に、
図196−3は、患者インターフェイスと患者の顔面との間の不快感を示し、
図196−4は、患者の顔面に対する患者インターフェイスの角度を(たとえば、インターフェイスコントローラ2504を介して)調節して、不快感を和らげるシステムを示す。
【0111】
図195−1〜
図196−4において、システムは、ユーザの動きと、漏れおよび快適性の変化とに基づき、リアルタイムの変化を生じることにより、患者インターフェイスが、当該患者インターフェイスと患者との間の最適な、ぴったりとした適合を(力および/またはトルクを調節することによって)得ることを可能にする適応システムを提供する。このような構成体は、時間内のいかなる時点においても必要最低限(たとえば、満足のできる封止および快適性)までマスクの力を低減させることにより、ならびに、漏れ事象に自動的に応答することにより、患者にとっての快適性を改善する。
【0112】
一実施例において、システムは、患者の睡眠運動に応答して、または、患者の睡眠運動を予測して、患者インターフェイスが動くことを可能にし、それにより、患者を「追従する」ことによる管の引きずりを用いないことが考えられる。たとえば、システムは、患者インターフェイスによって患者にもたらされた力および/またはトルクを(たとえば、能動管および/またはインターフェイスコントローラを変更することによって)調節して、最適な、ぴったりとした適合および快適性を求めて患者の動きを追従することにより、患者の動きに適合または応答する。このような構成体は、管の引きずりが減少することにより、患者インターフェイスの安定性を改善し、安定性が乏しいことによって通常は故障する、より目立ちにくい患者インターフェイスを使用可能にする。
【0113】
図197−1〜
図197−3は一実施例を示し、この実施例では、システムが、患者インターフェイスをぴったり適合させる必要なく患者が入眠することを可能にし、患者インターフェイスは、患者の顔面を自動的に突き止めて、時間遅延の後に当該患者インターフェイス自体をぴったり適合させ、すなわち、システムは、患者が気付いていない間か、または就寝している間に、患者にそれ自体をぴったり適合させるように適合される。たとえば、
図197−1は、患者インターフェイスが患者から係合解除された状態における、目覚めている患者を示し、
図197−2は、患者インターフェイスが患者から依然として係合解除された状態での、就寝している患者を示し、
図197−3は、時間遅延の後に、たとえば、患者が就寝していることが認められてから所定の時間期間の後に、自動的に位置決めされて、患者に係合された患者インターフェイスを示す。このような構成体は、患者がより自然に入眠することを可能にし、それにより、患者および当該患者の同床者にとって治療法を本質的に不可視の状態にする。また、このような構成体は、患者および同床者にとってのシステムの魅力および就寝時の体験が改善されることにより、より高い規定遵守を可能にし、たとえば、患者が本を読みながら入眠することを可能にする。一実施例において、患者は、自動化された、ぴったり適合するシステムを無効にすることが可能である。
【0114】
一実施例において、患者は、使用時に患者インターフェイスが患者の顔面を自動的に突き止めることを可能にするために、顔面上の指定された箇所に、ステッカーまたはマーカーを付けることが可能である。このマーカーは、代替的に、患者によって着用される簡単なストラップ、バンド、またはヘッドギア内に位置決めされ得る。ステッカーまたはマーカーは、信号を発するように、磁界を発するように、および/または、患者インターフェイス上の対応する受信機によって識別され得る区別可能な形状を表示するように構成された小さな装置を含み得る。この情報を管の形状と組み合わせて、制御モジュールが患者の所在を特定することを可能にし得る。
【0115】
代替的に、患者は、顔面上の適正な位置にインターフェイスを位置付け、基部ユニット上の押ボタンまたは類似の方法によってこの位置を記録することができる。基部ユニットは、赤外線または類似の位置検知方法を介して、患者の顔面の所在の、その後の変化を監視することができる。インターフェイスが顔面に向けて動かされる準備が一旦整うと、システムは、記録された最初の所在と、それに加え、検出されたその後のあらゆる動きとの組み合わせに基づき、どこにマスクを位置決めすべきかを計算する。
【0116】
代替的実施例において、基部ユニットは、陽圧で空気を生成するためのブロワを含まないことが考えられる。たとえば、
図198に示すように、システム2600は、安定した基部ユニット2601と、患者インターフェイス2602と、当該患者インターフェイスに設けられたブロワ2610と、患者インターフェイス/ブロワを動かして、当該患者インターフェイス/ブロワの力、角度、および/または位置付けを調節する能動管2603とを含む。この実施例において、能動管は、加圧空気の輸送装置ではなく、むしろ、患者インターフェイス/ブロワ用の位置付け機構である。上で説明したインターフェイスコントローラ2604および力センサ2605を患者インターフェイス/ブロワに設けて、角度を調節し、力/トルクを測定することができる。
【0117】
7.5 頚部装具
一実施例では、患者の頚部の周囲にぴったり適合させ、かつ、患者の顎を支持するように頚部装具を設け、それによって患者の顎と胸部との間の距離を増大させて維持することができる。この構成体は、患者の気道のサイズを増大させる。頚部装具は、顎の骨性部分に、または、顎の下の、頚部により近い、より柔軟な皮膚に、力を印加することができる(たとえば、このことは、口の前方により近づけて舌を押圧することも考えられる)。
【0118】
7.6 ベッドクロス
一実施例において、患者のベッドクロスの1つまたは複数の部分は、可膨張性の貯気袋で構築され得、それにより、気道閉塞が検出された場合に、ベッドクロスの1つまたは複数の貯気袋が膨張し、それによって患者に自身の側面または前面を下にして転がらせて、患者の気道開放の支援が可能になるようにする。
【0119】
7.7 PAPシステムのための電力
一実施例において、PAPシステム用の電力は、就寝中の患者の動きからの運動エネルギーによって生成され得る。代替的に、PAPシステムは、患者からの熱または他の化学反応によって電力供給され得る。
【0120】
7.8 磁石
一実施例では、患者インターフェイスまたはマスクのフレーム内に、磁石によって駆動されるインペラが支持され得る。このマスクフレームは、インペラのケージの周囲に磁石を有し得、インペラは、そのインペラの羽根のうちの1つまたは複数の羽根の上に、対向する磁石を有し得る。フレームとインペラとの間の対向する磁力は、インペラを駆動し得る。
【0121】
7.9 小型ブロワ
一実施例において、一連の比較的小さなブロワは、共に接続されて、呼吸可能な加圧気体の供給を生成し得る。
【0122】
7.10 圧縮空気
一実施例において、圧縮空気の冷却された缶は、患者に充分な加圧空気を、たとえば、一晩にわたって送達することができる。この缶は、治療法送達のための患者インターフェイスまたはマスクに接続され得る。
【0123】
7.11 耳栓
一実施例において、耳栓は、患者の外耳道内に圧力差を生じるように構成され得る。耳栓は、気道閉塞が検出された場合に、圧力差を引き起こすことができる。このことは、それによって患者が自分の耳の「空気抜き(pop)」を行いたいという感覚を生じる。このことは、圧力を均一化するために、患者による嚥下を引き起こすことが考えられ、それにより、気道を開く。
【0124】
7.12 PAP装置のための遠位入口
一実施例において、体の上に着用される(たとえば、患者の胸部の周囲に巻かれる)ウェアラブルなPAPシステムは、使用時において、毛布および/または他のベッドクロスによって被覆され得る。したがって、PAP装置は、当該PAP装置から遠位または遠隔である入口を含んで、使用時に、毛布/ベッドクロスによってこのような入口が閉塞または妨害されないよう確保すべきである。
【0125】
たとえば、
図45に示すように、PAP装置は、PAP装置520の入口に付設された第1端525(1)と、毛布/ベッドクロスの外側(たとえば、ベッドの外側または頭板の真上)に位置付けられて、空気を受けるように適合された第2端525(2)とを有する細長い入口管525を含み得る。示されるように、入口管の第2端は、微粒子を除去する入口フィルタ527(たとえば、ケージ状の構成体内に複数個の比較的小さなフィルタを含む、トウモロコシの穂軸状のフィルタであって、部分的に封鎖された場合にも適当な流れをもたらす)を有し得る。
【0126】
示された実施例において、PAP装置および入口管は、被覆または外被550、たとえば柔軟な織物によって取り巻かれ得る。被覆の少なくとも一部分、たとえば、入口管の第2端525(2)および入口フィルタ527を取り囲む部分は、広がっていることが考えられる。
【0127】
示された実施例において、PAP装置520は、LCD表示装置560と、1つまたは複数の制御ボタン561、たとえば電力ボタンとを含み得る。
【0128】
代替的実施例において、PAP装置は、患者のベッドクロスに設けられたポケット内において支持され得る。たとえば、患者のベッドクロスの肩部の一方または両方は、ポケットを含み得る。
【0129】
一実施例において、PAP装置(たとえば入口管)と患者の頭部との間の最小距離は、典型的なネックレスの長さほど長くはない。
【0130】
7.13 ピローの後ろのブロワ
一実施例において、
図46、
図47、および
図48に示すように、(被覆部650(1)によって取り巻かれた)ブロワは、患者のピローの上方および/または後ろに、たとえば、患者のピローの中央部の後ろの、少なくとも部分的に下方に位置付けられる。ブロワのこのような位置は、自然な睡眠の邪魔をすることが最も少ないことが考えられる。たとえば、ブロワのこの位置付けまたは配向は、(被覆部650(2)によって取り巻かれた)空気送達管類を患者の頚部から遠ざけ、側面から側面への容易な寝返りを可能にし、腹部を下にした就寝者および背中を下にした就寝者にとって最良に作用する。ピローの後ろにおける配向は、装置を隠匿することに対しても最良に作用し、たとえば、患者は、使用時でないときに、ブロワをピローの下または後ろに置いておくか、または隠匿することを好み得る。
【0131】
一実施例において、ブロワおよび/または当該ブロワを取り巻く被覆部は、患者のピローを基準にしてブロワを定位置に維持する保持構造(たとえばクリップ構造)を含み得る。たとえば、
図49−1〜
図49−6は、保持構造のための代替的実施例を示す。
図49−1において、ブロワ620は、ピローの縁端を把持してブロワを定位置に維持するように構造化された、弾力性を有するクリップ構造690(1)を含む。
図49−2において、ブロワ620は、ピローの縁端を把持するように構造化された、弾力性を有して旋回するクリップ構造690(2)を含む。
図49−3において、ブロワ620は、ピローの縁端に設けられた磁石を介してピローを磁気的に保持するように構造化された磁石部を有するクリップ構造690(3)を含む。
図49−4において、ブロワ620は、ピローの縁端を把持するように構造化された、弾力性を有してアーチ形状のクリップ構造690(4)を含む。
図49−5において、ブロワ620は、ピローの縁端を把持するオーバーセンタークリップ構造690(5)を含む。
図49−6において、ブロワ620は、協働してピローの縁端を把持するか、またはピローの縁端に噛み合う上部ローラーおよび下部ローラーを含むローラー構成体690(6)を含む。
【0132】
一実施例において、ブロワまたはPAP装置の外側ケーシングの厚さは、当該ブロワが使用時にピローの下に位置付けられたときの快適性を高めるために、比較的薄いとよい。また、一実施例において、ブロワまたはPAP装置の外側ケーシングの高さは、使用時にブロワが頭板に接して位置付けられたときに、表示装置およびオン/オフボタンに容易に接触可能となるように、選択され得る。
図156〜
図158は、本技術の代替的実施例によるPAP装置のための外側ケーシング5029、5129、5229を示す。
図156は、湾曲した表面と丸められた縁端とを有するほぼ矩形形状の外側ケーシング5029を有するPAP装置を示す。
図157は、湾曲した表面と丸められた縁端とを有するほぼ正方形の外側ケーシング5129を有するPAP装置を示す。
図158は、第1端が、空気送達管類への接続部を含む、対向する第2端よりも幅広であるように全体としてテーパされた外側ケーシングを有するPAP装置を示す。このような、テーパされた外側ケーシングは、被覆内にPAP装置を挿入することを補助し得る。
【0133】
7.14 空気送達管類の長さおよび直径
一実施例において、
図50〜
図53に示すように、患者インターフェイス630とPAP装置620(PAP装置、および、
図50〜
図52における、被覆部650(1)、650(2)によって取り巻かれた管類)とを相互接続する空気送達管類640は、約30〜80cm、たとえば70cmの長さを含む。一実施例において、70cmの長さが好ましい可能性があるが、その理由は、この長さにより、ベッドサイドに座って、任意の体位で横たわる間に、自由な動きが可能になるからである。70cmよりも長い長さは、絡まる機会を増大させ得、扱いにくいことが考えられるが、その一方で、60cmよりも短い長さは、PAPシステムを着用した状態でベッドサイドに座っている間に、制限が多いことが考えられる。また、60cmよりも短い長さは、上体を起こしたときに、束縛されているように感じるおそれがある。したがって、PAPシステムは、「足枷(ball and chain)」効果を回避するように構造化される。
【0134】
一実施例において、空気送達管は、各々が異なる直径を有する2つの部分を含み得る。たとえば、患者の顔面付近にある管の部分は、約12mmの外径を有し得、患者の顔面から離れた管の部分は、たとえば、約19mmまたは22mmの外径を有し得る。
【0135】
図164において模式的に示すように、管結合器1945は、2つの管部間に設けられて、大きい方の直径の管部1942(たとえば19mm管)を小さい方の直径の管部1944(たとえば12mm管)に移行させ得る。たとえば、
図165〜
図170に示すように、管結合器1945は、大きい方の直径の管部1942に係合するように適合された端部1945(1)と、小さい方の直径の管部1944に係合するように適合された端部1945(2)とを含む。示されるように、端部1945(1)は、大きい方の直径の管部1942の滑らかな内部表面に係合するように適合された滑らかな外部表面1946−1と、大きい方の直径の管部1942から小さい方の直径の管部1944に気流を移行させるように適合された、滑らかでテーパされた内部表面1946−2とを含む。端部1945(2)は、小さい方の直径の管部1944のリブ付きの外部表面に係合するように適合された溝付きの内部表面1947を含む。一実施例では、
図169に示すように、移行角度αは、約10〜30°、たとえば15°であり得る。
図171は、大きい方の直径の管部1942がPAP装置1920に付設された状態での、管結合器1945および管部1942、1944を示す。
【0136】
代替的実施例において、空気送達管は、その長さに沿ってテーパするか、または、一体化しておりテーパされた区画を含む、一部品式構造の形を、すなわち、管類を移行させる別個の管結合器を有さない1つの管の形をとり得る。
【0137】
7.15 鼻インターフェイスおよび旋回点
巻き付きタイプのPAPシステム(たとえば
図13〜
図18を参照されたい)は、巻き付きタイプの患者インターフェイス(たとえば、鼻インターフェイスまたはノズル/鼻プロング構成体)を含み得、当該患者インターフェイスは、患者の口を露出させ、背中、側面、腹部を下にした就寝者にとって良好に作用し得る。また、巻き付きタイプのPAPシステムは、患者の前額部上のブロワを敬遠する。巻き付きタイプのPAPシステムは、目立たない構成体、たとえば、スカーフのような、人体に適応する構成体を提供する。
【0138】
図58および
図59に示すように、ノズル/鼻プロング構成体730は、鼻呼吸の空洞を規定する基部部分735と、当該基部部分に設けられた1対のノズル731とを含む一部品式構造を含む。基部部分の側面に延伸コネクタ737(たとえば、ヘッドギアコネクタ)が設けられる。基部部分に、好ましくは基部部分の中心に、通気孔732が設けられ、すなわち、中心が好ましい理由は、側面における通気が、或る就寝体位において制限され得るためである。代替的構成体において、ノズルは、基部部分とは別個に形成されて、基部部分に付設され得、たとえば、
図60は、延伸コネクタ837を有する例示的な基部部分835を示す。
【0139】
基部部分の横方向の各側面は、たとえば、
図54〜
図57において最も良く示される、角度付きエルボ継手745を介して、空気送達管類740と連通するように構造化された入口または入口開口部732を含む。
図54および
図55に示されるように、エルボ継手745は、基部部分のいずれかの側面に結合され得、当該エルボ継手745は、たとえば就寝体位に依存して、空気送達管類740の選択的位置付けを可能にする。エルボ継手745は、スイベルリングによって基部部分に結合されて、
図56に示すように、基部部分を基準にしたエルボ継手の回転または旋回回転を可能にし得る。また、
図57に示すように、エルボ継手745の対向端に回り継手746が設けられて、空気送達管類740に接続されるように適合され得る。
【0140】
一実施例では、空気送達管類を上向きに(すなわち、ピローの上部に向けて)付勢して、様々な就寝体位における、より良好な管の管理を可能にするように、構造が設けられ得る。
【0141】
一実施例では、患者インターフェイスを提示する角度が調節され得るように、たとえば、患者インターフェイスの旋回をもたらすか、または、回転を可能にするように、構造が設けられ得る。
【0142】
7.16 反転可能性
上で注記したように、PAPシステムは、反転可能であり得、すなわち、空気送達管類は、患者インターフェイスのいずれの側からも延伸し得る。反転可能性は、横たわる前にベッドに座る、有用性の問題に対処する。患者が就寝するために調節を行うときに、同一側の配向は管を正しい位置に保つ。システムが反転可能ではない場合、当該システムは、より一層束縛されるか、または制約を受けるように感じられるおそれがある。
【0143】
反転可能性は、同床者からシステムを分離させることも可能にする。当該システムが個人的な装置であるため、空気送達管類は、顔面の、同床者とは対向する側に位置付けられるべきである。
【0144】
図61、
図62、および
図63は、例示的な反転可能なPAPシステムを示す。この実施例において、PAPシステムは、患者の頭部上に当該システムを支持する側面ストラップ部951を含む被覆950(1)内に支持される患者インターフェイス930(たとえば、ノズル/鼻プロング構成体)を含む。患者インターフェイス930は、被覆950(1)内に設けられたそれぞれの開口部とアライメントする1対の入口開口部932を含む。空気送達管940は、被覆950(2)内において支持され、患者インターフェイスと流れ生成器とを相互接続するように構造化される。空気送達管940は、たとえば、患者インターフェイスに設けられたスリーブを介した可撓性接続、スナップ留め接続など、入口開口部932の一方に係合するように適合された端部940(1)を含む。栓またはボタン947は、入口開口部の他方に係合する。加えて、栓またはボタンは、被覆950(2)内の開口部を経由して延伸し、当該被覆の端を定位置に取り付ける。
図62および
図63は、空気送達管類の主たる位置と、空気送達管類の反転された位置とを示す。
【0145】
図64〜
図71は、本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す。この実施例において、PAPシステムは、PAP装置1020と、空気送達管1040と、患者インターフェイス1030(たとえば、ノズル/鼻プロング構成体)と、患者の顔面上の所望の位置に患者インターフェイスを支持するヘッドギア1070とを含む。
【0146】
患者インターフェイスは、1対の入口開口部1032を含み、それらのうちの一方は、空気送達管1040に(たとえば、当該入口開口部と当該空気送達管との間の封止リングを介して)係合し、それらのうちの他方は、栓1047に係合する。ヘッドギア1070は、患者の後頭部に係合するか、または当該後頭部をカップ状に受けるように適合されたほぼ円形の後部ストラップ1071と、当該後部ストラップから延伸して患者インターフェイスを支持する前部ストラップ1072とを含む。前部ストラップの側面ストラップ部1072(1)は、たとえばフックおよびループ係止構成体を介して、後部ストラップ1071のそれぞれの側面に、調節可能および解除可能な態様で係合し得る。しかしながら、前部ストラップおよび後部ストラップは、一部品式構造として一体的に形成され得る。
【0147】
前部ストラップ1072は、それを経由して患者インターフェイス1030のそれぞれのノズル1031を受ける開口部1073(1)と、患者インターフェイスの延伸コネクタ1037に設けられたそれぞれの開口部と連結する接続タブ1075とを含む。各側面ストラップ部1072(1)は、患者インターフェイスを安定した態様で定位置に支持するために、当該側面ストラップ部に剛性を加えるリジダイザまたは補剛要素1076を含み得る。
【0148】
被覆1050は、PAP装置1020および空気送達管類1040の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻く。一実施例において、PAP装置1020用の電源コード1029(たとえば
図67を参照されたい)は、たとえば典型的な丸いコードと比べ、ほぼ平坦なストラップの形をとり得る。
【0149】
一実施例において、加湿をもたらすために、システム内に加湿器が組み込まれ得る。
【0150】
一実施例において、リジダイザまたは補剛要素は、或る平面においては剛性をもたらしつつも、また或る平面においては可撓性を実現するか、または調節を可能にするように構造化され得る。たとえば、リジダイザは、脆弱線、蝶番、スコーリング、および/または、継手(たとえば、熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomer)(TPE)の継手)を含んで、可撓性を実現するか、または調節を可能にすることが考えられる。
【0151】
7.17 接続およびアライメント
一実施例において、患者インターフェイスを支持するヘッドギアは、当該患者インターフェイスを接続して適切にアライメントする接続タブおよびアライメントタブを含み得る。
【0152】
たとえば、
図72に示すように、ヘッドギアの側面ストラップ部1072(1)に設けられた各リジダイザ1076は、接続タブまたは要素1075を含み得る。接続タブは、リジダイザ内に一体成形され得、たとえば、熱スエージによって形成され得る。使用時において、
図73に示すように、接続タブは、(たとえば、鼻クッションまたは鼻インターフェイスを含む)患者インターフェイス1030の延伸コネクタ1037に設けられたそれぞれの開口部1037(1)内に連結する。一実施例において、患者インターフェイスは、本明細書においてその全体が参照によって組み込まれている、2010年6月2日に出願された特許文献8に記載されるマスクと共通の特性を有し得る。代替的に、
図73に示すように、タブ1075は、側面ストラップ部1072(1)を経由して延伸するように、または、側面ストラップ部1072(1)にリベット留めされるように構造化されたリベットの形をとり得る。一実施例において、各タブは、布地ストラップ部の一方の側面からリベット留めされ得、布地ストラップ部の他方の側面は、当該リベットを隠し得る。
【0153】
一実施例において、ヘッドギアのストラップは、可能な熱可塑性ポリウレタン(TPU)接着を用いた発泡体/布地積層体を含む。ストラップの縁端は、清浄性を得るために、音波接着され(sono−bonded)得る。たとえば、材料が複雑な接続部を生じるところに、縫製を用いることができる。
【0154】
別の実施例では、
図74および
図75に示すように、側面ストラップ部1072(1)のリジダイザ1076にスナップ留め支柱1175を設けることができ、当該支柱に係合するために、患者インターフェイスのそれぞれの延伸コネクタ1037にリング1137(1)を設けることができる。患者インターフェイスは、2つ割り型を介して形成することができ、当該リングは、患者インターフェイスのそれ以外の部分とは異なるデュロメータのシリコーンである。
【0155】
前部ストラップは、1つまたは複数のアライメント隆起または突起も含み、患者インターフェイスをアライメントして、その位置を維持し得る。たとえば、
図76は、前部ストラップ1072に設けられて、(たとえば鼻クッションまたは鼻インターフェイスを含む)患者インターフェイス1030をアライメントするように適合された1個の中央アライメント隆起1077を示す。
図77において、前部ストラップは、患者インターフェイス1030に設けられたそれぞれの窪み1039に係合するように適合された1対のアライメント隆起1077を含む。
図78において、アライメント隆起は、患者インターフェイスに設けられた(たとえば共成形された)金属インサート1139と磁気的に相互作用するように構造化された磁石1177(たとえば、布地ストラップに付着させたネオジウム磁石)の形をとり得る。
【0156】
別の実施例において、
図79、
図80、および
図81に示すように、患者インターフェイス1030の延伸コネクタまたは翼状部1037は、ヘッドギアの側面ストラップ部1072(1)内に挟み込まれ得る。示されるように、延伸コネクタ1037は、布地の下に挟み込まれ、コネクタ1037の少なくとも一部分は、側面ストラップ部内に設けられたリジダイザ1076の傍らを延伸する。この構成体は、患者インターフェイスとヘッドギアとの間の接続部の総体的なインパクトと外観とを最小化する。
【0157】
図172は、患者インターフェイスの前方を、耳から耳に横切って延伸して、クッションまたはノズル構成体に対して充分な封止力をもたらすように構造化されたリジダイザ2276の別の例を示す。一実施例において、リジダイザは、使用時に、当該リジダイザが横方向には可撓性であるが、垂直方向には硬い状態であるように構造化され得る。
【0158】
代替的実施例において、
図173および
図174に示すように、リジダイザは、互いに連結するように構造化された2つの部品で提供され得、すなわち、第1のリジダイザ部2276−1は、第2のリジダイザ部2276−2に付設可能である。示された実施例において、第1および第2のリジダイザ部2276−1、2276−2は、フックおよびスナップ構成体によって付設され、たとえば、第1のリジダイザ部2276−1は、第2のリジダイザ部2276−2に設けられた開口部2275内に係合するように適合されたフック2273を含み、第2のリジダイザ部2276−2は、第1のリジダイザ部2276−1に設けられた開口部2279内に、たとえばスナップ嵌合によって係合するように適合された突起2277を含む。しかしながら、第1および第2のリジダイザ部2276−1、2276−2が、他の好適な態様で互いに付設され得ることが認識されるべきである。
【0159】
クッション2235は、開口部2275内に係合するように適合された(たとえば、1つまたは複数の通気孔を含む)突起2236と、第2のリジダイザ部2276−2内の開口部2278を経由して延伸するように適合された入口管2237とを含む。このような構成体は、リジダイザに対してクッションを位置決めして保持する。
【0160】
図175〜
図179は、患者インターフェイスのフレームまたはリジダイザにクッションを付設するための代替的実施例を示す。たとえば、
図175は、クッションを位置決めして保持するように適合された、かぎ付きまたはフック状の保持部材2376−1を含むリジダイザ2376を示す。また、リジダイザ2376は、クッションの入口を位置決めし、当該入口に係合するように適合された管部2376−2を含む。
図176において、リジダイザ2476は、クッション2435に設けられた開口部2436内に係合するように適合された突起2476−1と、クッションの入口2437に係合するように適合された管部2476−2とを含む。この実施例において、リジダイザは、通気孔を設けており、リジダイザ上においてクッションが封止を行うことを可能にするように構成および配設される。
図177および
図178において、リジダイザ2576は、クッション2535に設けられた管2535−1および対向する開口部2535−2を位置決めし、かつ、これらとアライメントするように適合された管部2576−1および対向する開口部(見えず)を設ける。この実施例において、入口管2540は、管部2576−1に設けられ、栓タイプの通気孔2545は、対向する開口部に設けられ、このことは、リジダイザにクッションを位置決めして保持することを助ける。
図179において、リジダイザ2676は、クッション2635に設けられた管部2636を位置決めして保持するように適合された管部2676−1を設ける。この実施例において、通気孔は、管2640および/または管部2676−1と一体化され得る。
【0161】
別の実施例において、クッションは、ヘッドギアの側面ストラップ部に設けられたリジダイザに対して回転させることのできる受け台によって支持され得る。この構成体は、受け台が、したがってクッションが回転されることを可能にし、広範囲にわたる患者に対し、鼻唇角に沿った調節を可能にする。受け台とリジダイザとの間に割出しおよび/または摩擦継手(indexing and/or friction joint)を設けて、充分な回転トルクを提供し、たとえば、触知できる/可聴のフィードバックを提供して、管の引きずりを減らすことができる。
【0162】
別の実施例において、クッションを支持する受け台は、リジダイザを基準にして固定され得、クッションは、受け台に対して回転可能となって、調節を可能にすることができる。
【0163】
7.18 回転する剛性エルボ
一実施例では、
図82〜
図84に示すように、(たとえば鼻クッションまたは鼻インターフェイスを含む)患者インターフェイス1230と空気送達管1240との間に、回転する剛性エルボ1245が設けられ得る。示されるように、患者インターフェイスの各入口開口部1232は、たとえば45°において円形の切れ目を含み、楕円を生じる。一実施例において、エルボは、エラストマーのまたは可撓性の構成材で作成されて、空気送達管が、患者インターフェイスに接続されながらも回転することを可能にし得る。このような構成体は、接続を容易にし、動きに対する融通性を実現し、および/または、エルボと空気送達管との間の封止の改善をもたらし得る。また、このような構成体は、何らかの管の引きずりによって、患者の顔面から患者インターフェイスが係合解除されることを防止する。エルボ1245は、入口開口部に係合するように適合された角度付きコネクタ1245(1)を有する第1端と、空気送達管に係合するように適合された第2端1245(2)とを含む。エルボは、患者インターフェイスを基準にした或る角度で接続し、回転する。一実施例では、
図85に示すように、たとえば歪み緩和のために、エルボにガセット、蛇腹、または可撓性部1246を設けることができる。
【0164】
このような構成体の利点には、屈曲半径の最小化、就寝中における融通のきく配向により、邪魔にならないところに空気送達管を移動させ得ること、複雑な形状および移行が可能になること、鼻の区間において審美性を最適化すること、ならびに/または、潰れないこと、が含まれる。
【0165】
7.19 オールインワンの患者インターフェイスおよび空気送達管
一実施例では、
図86および
図87に示すように、空気送達管1340は、(たとえば鼻クッションまたは鼻インターフェイスを含む)患者インターフェイス1330と一部品式に一体成形されて(たとえばシリコーンで成形されて)、一部品式構造をもたらし得る。
【0166】
このような構成体の利点には、部品が1個であること、複雑な幾何学的形状が可能であること、異なる密度に対して複数個のデュロメータの使用が可能であること、ガセット補強/歪み緩和を含み得ること、および/または、空気送達管の断面を変え得ること、が含まれる。
【0167】
示されるように、患者インターフェイスは、本明細書においてその全体が参照によって組み込まれている、2011年11月22日に出願された特許文献9に記載された鼻受け台構成体を含み得る。
【0168】
7.20 可撓性管との直接接続部
一実施例において、
図88および
図89に示すように、(たとえば鼻クッションまたは鼻インターフェイスを含む)患者インターフェイス1430は、可撓性空気送達管1440との直接接続部を有し得る。患者インターフェイス内の入口開口部1432の半径は、管のサイズ、および/または、管に設けられたリブ付けのサイズによって決められ得る。
【0169】
このような構成体の利点には、複雑な複合管類が使用できること、極めて可撓性の高い管が得られること、管類にかかるコストが最小になること、ならびに/または、管の正しい構築および半径により、高屈曲半径(tight bend radii)を得られ得ること、が含まれる。
【0170】
代替的実施例において、患者インターフェイスは、空気送達管と、ボールおよびソケットタイプの接続部を有し得、たとえば、空気送達管の端は、当該管を患者インターフェイスに保持するために、患者インターフェイスの入口開口部に設けられたソケット内にスナップ嵌合するように適合されたボールを含む。このようなボールおよびソケットタイプの接続部は、専用接続部として機能することが考えられ、そのため、以下に説明するように、従来のCPAP装置からのコンポーネントと共に、当該インターフェイスを使用することができない。
【0171】
7.21 専用接続
一実施例において、PAPシステムは、当該PAPシステムが、他のマスク、ブロワ、および/または管類、たとえば、CPAPマスク、CPAPブロワ、CPAP管類の使用を許さないように構造化され得る。したがって、患者は、たとえば、患者インターフェイスをCPAPマスクと交換することができず、および/または、ブロワをCPAPブロワと交換することができない。その反対に、本主題のPAPシステムは、当該PAPシステムのコンポーネント、たとえば患者インターフェイスが、従来のCPAP装置内で使用され得ないように構造化され得る。たとえば、本主題の患者インターフェイスは、従来のCPAP空気送達管への接続を防止する構造を含み得る。
【0172】
本主題のPAPシステムは、異なる用途(たとえば、いびき検出、診断法)、異なる圧力(たとえば0〜8cmH
2O、たとえば2〜6cmH
2O)、および/または、従来のCPAP装置とは異なる封止要件(たとえば4〜30cmH
2O、たとえば10〜12cmH
2Oの範囲の圧力)のために構造化されており、したがって、このようなシステムが、従来のCPAP装置からの任意のコンポーネントと共に使用され得ることが、望ましくないことが考えられる。
【0173】
7.22 感応(Induction)による電力供給の実施例
一実施例において、PAPシステムのブロワは、感応により電力供給され得る。たとえば、
図90〜
図92に示すように、帯電マット1590は、ベッドの上部端に隣接して、ベッドシーツ(たとえば、当該帯電マット1590を定位置に取り付ける、ぴったり適合させたシーツ)の下に配置され得る。帯電マット1590は、コンセントにプラグ接続され得る。
図91に示すように、帯電マット1590は、ベッドシーツを経由したユーザ入力およびフィードバックを示す、(たとえば、輝く光、または照明された表示装置を有する)ユーザインターフェイス1592を含む。帯電マット1590に対し、(たとえば、被覆1550内で取り巻かれた)ブロワを付設すること、または、その他の態様において結合すること、たとえば、磁気的に付設することができる。ブロワを作動させる電力は、次いで、帯電マットにより、シーツ/被覆を経由して当該ブロワに送達され得る。
【0174】
8. PAP装置および被覆の実施例
図93および
図94は、PAP装置1620を示し、
図95は、本技術の実施例による、被覆1650によって取り巻かれたこのようなPAP装置を示す。示されるように、PAP装置1620は、空気送達管1640と連通するように構造化された中央または対称性出口1621を含む。空気摂取口1623は、連続したパターンを含み、取り外し可能なフィルタを含み得る。PAP装置の上部に大きな押圧ボタン1660が設けられ、数値表示またはデジタル表示を下方に示す。このデジタル表示は、明瞭で理解可能なフィードバックを提供して、規定遵守を促進する。
図94において最も良く示されるように、PAP装置の(たとえばプラスチックで構築された)筐体は、滑らかで連続したテーパを有する外部表面を設ける。
【0175】
被覆1650(たとえば、布地材料または織物材料で構築されたもの)は、ボタン1660からの数値表示が当該ボタン1660を経由して輝くことを可能にし、たとえば
図95を参照されたい。被覆1650のフィルタタイプの布地部1650(1)は、空気摂取口を被覆し、たとえば、清浄な空気の感触を高める。ぴったり適合させた布地は、空気送達管の両方の側面上に接着され得る。一実施例において、布地被覆は、騒音を消すか、または抑制するように構造化され得る。また、被覆は、たとえば鋭利な縁端または粗面の縁端を避けるために、継ぎ目がないことも考えられる。
【0176】
図96、
図97、および
図98は、PAP装置1720を示し、
図99は、本技術の別の実施例による、被覆1750によって取り巻かれたこのようなPAP装置を示す。示されるように、PAP装置1720は、空気送達管1740と連通するように構造化された、オフセットまたは非対称性出口1721を含む。PAP装置の上部に、オーバーモールドされて比較的柔軟な、たとえば、押圧するのに柔軟な、インターフェイスボタン1760が設けられる。LED表示装置1761は、たとえば、光および/またはアイコンを使用して状態を示し、当該ボタンに隣接して設けられ得、たとえば
図97を参照されたい。代替的実施例では、
図126〜
図128に示すように、表示装置1761は、上で説明したような数値表示またはデジタル表示を含み得、使用時に被覆1750を経由して輝くように適合され得る。PAP装置の筐体は、オーバーモールドされた(たとえばプラスチックで構築された)上部筐体部品および底部筐体部品1727(1)、1727(2)と、当該筐体部品間における層状の中間部1727(3)とを含む。空気摂取口1723は、中間部の層内に折り畳まれているか、または、その他の態様で設けられており、全周の周囲において連続している。
【0177】
被覆1750(たとえば布地材料で構築されたもの)は、織物に縫い付けられた外部ボタン1751を含み、当該外部ボタン1751は、下方の柔軟なインターフェイスボタンと部分的に位置が合っている。ぴったり適合させた布地は、空気送達管の1つの側面上に接着され得る。被覆の一部分、たとえば端部1750(1)は、たとえばシリコーン材料を含んで、PAP装置がベッド内で動かないようにすることができる。
【0178】
図100は、PAP装置1820を示し、
図101および
図102は、本技術の別の実施例による、被覆部1850(1)および1850(2)によって取り巻かれたこのようなPAP装置を示す。示されるように、PAP装置1820は、空気送達管1840と連通するように構造化された中央または対称性出口1821を含む。PAP装置の上部に、高くされたインターフェイスボタン1860が設けられ、当該ボタンの下方に数値表示が提供され得る。PAP装置の筐体1827は、ブロワを被覆する連続した穴パターン、たとえば止まり穴のパターンを含む。空気摂取口1823は、出口1821の付近に露出される(すなわち、筐体の穴パターンの穴のうちのいくつかは開いており、その一方で、当該穴パターンの他の穴はすべて、行き止まりであるか、または閉じられている)。
【0179】
被覆部1850(1)は、PAP装置の下部部分の真上にぴったり適合する半透明のシリコーンスリーブの形をとる。このシリコーンスリーブは、掴みをもたらし、たとえば、PAP装置がベッド内で動かないようにし、また、筐体の穴パターンを示す。数値表示は、穴パターンおよびシリコーンスリーブを経由して輝き、たとえば
図102を参照されたい。被覆部1850(2)は、PAP装置の上部部分を被覆する布地被覆1850(2)−1と、ボタン1860および筐体の真上に伸張して当該被覆を定位置に取り付けるシリコーンバンド1850(2)−2とを含む。被覆部1850(2)の布地被覆は、空気送達管の両方の側面上に接着され得る。
【0180】
図106〜
図125は、本技術の別の実施例によるPAPシステムを示す。示されるように、PAPシステムは、PAP装置2120と、(たとえば鼻クッションまたは鼻インターフェイスを含む(
図117を参照されたい))患者インターフェイス2130と、当該患者インターフェイスおよび当該PAP装置を相互接続する空気送達管類とを含む。被覆2150は、PAP装置および空気送達管類を実質的に取り巻く。また、ヘッドギア2170は、患者インターフェイスを定位置に支持する。一実施例において、管類の外部表面の少なくとも一部分(および/またはポーチ部の内部)は、比較的滑りやすく(たとえば、より低摩擦の表面)、ポーチ部4350−1の開口部4351を経由した、および、被覆4350の管部4350−2内への、管類の組み付けを容易にすることが考えられる(たとえば
図148−1)。別の実施例では、被覆4450の長さに沿って(たとえば、被覆のポーチ部4450−1および管部4450−2の側面に沿って)、ジッパー4451または他の解除可能な付設機構が設けられて、接続部への容易な接触と、被覆内への管の組み付けとを可能にすることが考えられる(たとえば
図148−2)。別の実施例において、被覆4550は、その長さに沿って1つまたは複数の裂け目4551、たとえば、ポーチ部4550−1の端に沿った裂け目4551、および管部4550−2の端に沿った裂け目4551(たとえば
図148−3)を含んで、被覆内への管類の組み付けを容易にすることが考えられる。
【0181】
図108および
図112において最も良く示されるように、PAP装置を取り巻く被覆のポーチ部2150−1は、ジッパーまたは他の好適な閉鎖装置を含んで、PAP装置への容易な接触を可能にする。また、ポーチ部の少なくとも1つの側面は、滑り止めのパターン2151を含んで(たとえば
図108、
図111、
図112、
図124、
図125を参照されたい)、使用時に表面(たとえばベッドシーツ)上の定位置にポーチ部を維持することを助け得る。また、たとえばポーチ部に沿って弾性バンドまたはストリップ2152(たとえば、コバルトのナイロンライクラストリップ)が設けられて、ポーチ部内におけるPAP装置の位置決めおよび取り付けを助け得る(たとえば
図113、
図124、
図125を参照されたい)。ヘッドギア2170は、患者の頭部に係合するように、すなわち、使用時に患者の頭部の頭頂を捕捉するように適合された「光輪」タイプの構成体をもたらす、ほぼ円形の後部ストラップ2171を含む(たとえば
図115、
図116、
図121、および
図122を参照されたい)。前部ストラップ2175は、後部ストラップから延伸して、患者インターフェイスを支持する。後部ストラップは、その対向する側面上に、たとえばフックおよびループ係止構成体を介して、前部ストラップの側面ストラップ部または端に、調節可能および解除可能な態様で係合するように適合されたスロット2171−1を含む(たとえば
図116、
図118、
図119、および
図121を参照されたい)。スロット2171−1の(たとえば、「光輪」タイプまたはループタイプの構成体の側面に沿った、たとえば
図121を参照されたい)位置付けは、前部ストラップ2175を適切に配向して位置付けるように選択されて、封止作用に対して適正な機能ベクトルおよび張力ベクトルを保証する。前部ストラップの側面ストラップ部は、リジダイザまたは補剛要素を含んで、患者インターフェイスを定位置に安定した態様で支持するために、側面ストラップ部に剛性を加え、たとえば、
図66に示す円形の後部ストラップ1071および堅固にされた側面ストラップ部1072(1)に類似する。
【0182】
図117および
図120は、患者の顔面に係合するように適合されたPAPシステムの、患者に面する部分と外に面する部分とをそれぞれ示す。患者インターフェイス2130は、使用時に患者の顔面に接して封止する鼻クッションまたは鼻インターフェイスを含み得る。ヘッドギア2170は、患者インターフェイス2130の真上において外表面を横切って巻き付く。
【0183】
図180〜
図182は、上で説明したPAPシステムの被覆2150、ヘッドギア2170、および患者インターフェイス2130の代替例の図を示す。被覆2150は、システム全体を完全に取り巻いて、別個のコンポーネントではなく、むしろ、オールインワンの、または完全なシステムの印象をもたらす。被覆は、システムの医療用の見た目を低減し、かつ、患者インターフェイス、空気送達管類、およびPAP装置の接続点などの、システムの異なるコンポーネント間の接続点を、隠し、覆い隠し、または、隠蔽することもできる。示されるように、システムは、当該システムを配向することを補助し得る、当該システムの対向する側面上に、異なる織物、たとえば織物T1および織物T2を有し得る。織物のタイプは、患者によって選択可能であり得る。
【0184】
図183〜
図189もまた、上で説明したPAPシステムの被覆2150、ヘッドギア2170、および患者インターフェイス2130の代替例の図を示し、患者インターフェイスおよび空気送達管類の一部分が患者の頭部上に存在し、かつ、スカーフ状の被覆内のPAP装置部が、患者が直立した体位にあるときには、患者の肩の真上に位置決めされ(
図183〜
図184)、患者が仰臥した体位にあるときには、患者の傍らに位置決めされる(
図186)状態で、定位置にあるPAPシステムを示す。後方ヘッドギアストラップは、
図185に見られるように、顔面上の被覆2150内における患者インターフェイス2130および空気送達管類の一部分を支持する。
図187は、被覆2150内におけるPAPシステムのPAP装置部を保留する患者を示す。外被状またはスカーフ状の構成体の利点は、システムがよりポータブルであって、小さく、より軽量であって、患者がシステムに接続されているときでさえも、自由に動き回ることを可能にするということである。
図188および
図189は、患者インターフェイス構成体と、被覆2150への接続部とを示す。
【0185】
図190および
図191は、本技術の実施例による、ヘッドギア用の前部ストラップの例を示す。示されるように、前部ストラップ2275は、たとえば、フックおよびループ係止構成体を介して、上で説明した「光輪」タイプの後部ストラップの対向する側面上のそれぞれのスロットに係合するように適合された側面ストラップ部2275−1を含む。側面ストラップ部は、当該スロットを経由した挿入を容易にするために、圧縮され得る(たとえば2mmの厚さ)。前部ストラップの中央部2275−2は、患者インターフェイス(たとえば、ノズル構成体、鼻クッション)を支持するように構造化され、空気送達管類が患者インターフェイスと連通することを可能にする開口部2276を含む。中央部の側面は、たとえば、使用時に被覆の部分を保持するために、および/または、情報を識別するために、ストラップの周囲に巻き付かせた(たとえば、コバルトのナイロンライクラで構築され、超音波溶接で付設された)タグ2277−1および/または管部材2277−2を含み得る。
【0186】
代替的実施例において、被覆は、PAP装置の一部分のみが被覆され、その一方で、当該PAP装置のそれ以外の部分が露出されたままであるように構造化され得る。たとえば、
図159〜
図162は、PAP装置5320の周囲に巻き付くように適合されたストラップ部5355を含む被覆5350の例を示し、
図163は、PAP装置5420の側面を受けて取り巻くように適合されたポーチ5455を含む被覆5450の例を示す。
【0187】
8.1 遮閉の防止
図96、
図98、
図100、および
図101に示すように、PAP装置への空気摂取口の少なくとも一部分は、出口または出口管に隣接して設けられる。PAP装置が被覆なしで使用される場合、出口管は、空気摂取口を充分に越えて突出して、ベッドシーツまたは他の閉塞物と係合し、当該空気摂取口を取り囲む1つまたは複数の小さな隙間、たとえば、
図96および
図100に示される1つまたは複数の隙間Gを生じる。このような隙間は、たとえば、PAP装置がベッドシーツによって被覆されている場合、使用時に空気摂取口が遮閉されることを防止する。
【0188】
たとえば、
図99および
図102に示されるように、PAP装置が被覆と共に使用される場合、当該被覆は、空気摂取口に隣接して被覆内に1つまたは複数の隙間、たとえば、
図99および
図102に示される被覆内に1つまたは複数の隙間Gを生じるように、空気送達管に接着されるか、または、その他の態様で形成されて、遮閉を防止する。これらの隙間は、騒音を消すか、または抑制することも助け得る。加えて、被覆の布地材料は、騒音を消すか、または抑制することを助け得る。被覆が、当該被覆を経由して空気が空気摂取口に至ることを可能にする、布地または他の好適な材料(たとえば、織地、層など)で構築されることが認識されるべきである。
【0189】
9. 例示的なPAP装置
一実施例において、PAP装置は、加圧空気の供給を生成するためのブロワと、他の内蔵されたコンポーネントとを取り巻く筐体を含む。たとえば、筐体は、ブロワと共に、懸架装置、ドライバ回路、ユーザインターフェイス、電源(たとえば、バッテリもしくは直流電源)、フィルタ、ダンパ(dampening)装置(たとえば発泡体)、および/または、貯気袋を取り巻くか、または、その他の態様において支持する。
【0190】
図103に模式的に示されるように、筐体2065内のブロワ2025は、患者の呼息および吸息に応答して拡張および収縮するように構造化された貯気袋2080と連通するようにされ得る。たとえば、貯気袋2080は、患者の呼息中において(たとえば逆流により)拡張し(たとえば点線で図示)、その後、患者の吸息中において収縮すること(たとえば、貯気袋の収縮は、患者に対する空気のボーラス投与をもたらし得る)が考えられる。
【0191】
このような貯気袋構成体は、定速ブロワの使用を可能にすることが考えられるが、その理由は、貯気袋が、呼気気道陽圧(EPAP)、吸気気道陽圧(IPAP)、圧力スイングなどを扱うことを助けるためである。
【0192】
図104に模式的に示されるように、ブロワ2025は、たとえばシリコーンで構築された懸架装置2082によって筐体2065内に支持されて、当該ブロワが当該筐体と接触しないように保ち得、当該ブロワが使用時に筐体を基準にして動くことを可能にし得る。一実施例において、懸架装置2082は、貯気袋2080に一体化され得る。示されるように、懸架装置2082は、筐体の側面に加え、筐体の上部壁および底部壁に印加される衝撃を吸収するように、たとえば、軸方向および半径方向の両方に印加される衝撃を吸収するように構造化された、ほぼS形状の支持部材2082(1)を含む。
【0193】
一実施例において、懸架装置は、筐体内部の形状に実質的に合致する総体的な外部形状を含む。しかしながら、懸架装置は、筐体の形状に対応しないことが考えられる他の好適な形状を含み得、たとえば、懸架装置は、ほぼ円筒形の形状を含み、その一方で、筐体は、ほぼ矩形の形状を含む。また、懸架装置は、材料を削減し、共振周波数およびそれに関連する振動を回避することを助けるために、窓または開口部を有する1つまたは複数の側壁も含み得る。
【0194】
図105は、ブロワと、ユーザインターフェイス、たとえば表示装置2094、ユーザ入力などとを制御するためのドライバ回路2092を含むプリント回路基板(PCB)2090を模式的に示す。一実施例において、PCBは、1つまたは複数のモニタ、たとえば、温度センサ2094(1)、マイクロフォン2094(2)などを含んで、患者を監視し得る。マイクロフォンは、気流経路内に設けられることが好ましいが、必ずしも気流経路内に設けられる必要はない。
【0195】
10. 評価結果
一実施例において、マイクロフォンは、患者の就寝中における患者の呼吸と、伝えられる騒音、たとえばいびきとを監視して、このような情報を、当該このような情報に基づいて結果または評価(たとえば、いびきの評価結果、静かな状態の評価結果、いびき指数、AHIなど)、すなわち問題の診断を決定するコントローラに提供することができる。たとえば、コントローラは、患者のいびきの振幅および期間を分析し(たとえば、0〜250Hzの間、たとえば、30〜150Hzまたは50〜150Hzの間の周波数帯域内のいびきを検出し)、このような分析に基づいて結果を生成することが考えられ、このような結果は、患者に提供され、それによって患者は、現在のPAPシステムが当該患者にとって妥当であるか否か、あるいは、治療を調節すべきか否か、たとえば、圧力を上げるべきか、もしくは下げるべきか、および/または、異なる治療、たとえば、異なるPAPシステム、より多くの圧力をもたらすCPAPシステム、下顎前方固定装置などについて医師もしくは歯科医師に相談すべきか否か、を判断することができる。
【0196】
一実施例において、結果は、使用の期間にわたる、騒音のない期間の割合に等しい、静かな状態の評価結果であり得る。すなわち、静かな状態の評価結果は、ユーザが静かであった夜間の百分率、すなわち、いびきをかかなかった百分率を提示する。
図201に示されるように、使用の期間は、システムの利用時間の総計であり、システムが電源オンにされた時間から、システムが電源オフにされたときまでが測定され得る。利用時間のうちの、先頭および末尾の数分間(たとえば、最初の5分間と最後の5分間)は、いびきではないことが考えられる音声を除去するために廃棄され得る。
図202に示すように、騒音のない期間または静かな状態の時間の総計は、音声レベルが使用の期間内において或る所定の音声閾値を下回った時間の総計である。継続的ないびき間の休止は、「静かな状態の時間」としてカウントされるべきではない。
【0197】
一実施例において、静かな状態の評価結果は、たとえば、時間/音声データの不足により不正確なおそれのある結果が示されることを回避するために、指定された利用期間(たとえば、1時間、2時間、またはそれよりも長い時間)を必要とすることが考えられる。また、一実施例において、静かな状態の評価結果は、指定された非使用期間の後にリセットする(たとえば、3時間、4時間、5時間、またはそれよりも長い時間の非使用の後にリセットする)ことが考えられる。たとえば、ユーザがシステムを3時間使用しない場合、システムが次回オンにされたときに、新規の静かな状態の評価結果が計算されて、ユーザに対し、毎回の仮眠/睡眠について新規の結果を提供することを確保する。ユーザがシステムをオフにし、次いで、3時間以内に再びオンにした場合、新規のセッションは、以前のセッションに集約され、ユーザが夜間に連続してシステムをオン/オフにするとき(たとえばトイレ休憩など)でさえも、夜間全体の利用が結果に反映されることを可能にする。
【0198】
この情報は、現在のPAPシステムが患者にとって妥当であるか否か、あるいは、治療を調節すべきか否か、たとえば、圧力を上げるべきか、もしくは下げるべきか、および/または、異なる治療、たとえば、異なるPAPシステム、より多くの圧力をもたらすCPAPシステム、下顎前方固定装置などについて医師もしくは歯科医師に相談すべきか否か、を判断するのに有用であり得る。
【0199】
PAPシステムの表示装置は、患者にフィードバックを提供して、ユーザの関与を促すことが考えられ、たとえば、結果または分析は、患者に対し、現在の治療が効果的であるという肯定的なフィードバックを提供することができ、表示装置は、治療の成功した夜間について単に確認し、表示装置は、部屋が静かであった時間の百分率(すなわち、いびきをかかなかった百分率)を確認するなどして、患者による装置の活用を奨励することを助け、より包括的な/より品質の高められた治療法が必要とされる場合に、患者がより一層順応するようにする。
【0200】
上記したように、筐体内において、PCBにマイクロフォンが設けられ得る。代替的に、マイクロフォンは、ブロワの別の部品上に、または、患者インターフェイス上に、たとえば空気経路内に、装着され得る。別の代替的実施例は、患者に隣接して位置付けられ得、および/または、ブロワ、患者インターフェイスと通信し得る、別個の独立した装置として、マイクロフォンを設けることである。
【0201】
11. 表示装置
一実施例において、PAPシステムの表示装置またはユーザインターフェイスは、比較的簡単なものであり得、たとえば、オン/オフボタン、一連の異なる色の光(たとえばLED)であり得る。たとえば、表示装置は、患者にフィードバックを提供する1つまたは複数の光を単に含み得る。たとえば、
図142−1および
図142−2は、結果を示す棒グラフを含む非数値表示3460を示す。
図143は、結果を示す部分円弧を有する円形チャートを含む非数値表示3560を示し、たとえば、より大きな割合またはより多くの数の部分は、ユーザが加圧空気の程度を調節すべきであることを示唆し得るか、または、医者に診察してもらうべきであることを単に示唆し得る。一実施例において、表示装置は、圧力、呼吸パターンなどに基づいて色/強度(たとえば、赤色、緑色、黄色)を変化させる1つの光を含み得る。たとえば、
図141−1〜
図141−3は、色/強度(たとえば、赤色、緑色、黄色)を変化させるように構成された非数値表示3360を示す。一実施例において、色/強度は、睡眠品質を示すために使用され得、たとえば、緑色(良好)、黄色(大丈夫だが、改善の余地あり)、赤色(良好ではない−医者の診察要)である。別の実施例において、表示装置は、電源がオンであるか、またはオフであるかに基づいて色を変化させる光を含み得る。別の実施例において、表示装置は、作動モードおよび/またはエラーを示す光を含み得る。当該ボタンまたは表示装置が、任意の好適な箇所に、たとえば、所望の審美性、電気コンポーネントなどに依存して、設けられ得ることが認識されるべきである。一実施例において、LED表示装置は、使用時に布地被覆を背景にして線を明解(crisp)に保つために、光のための経路を生じるインモールド加飾(IMD)筐体を含み得る。たとえば、
図144は、LED 3665がそれらを経由して光るための経路を設けるように構造化された、黒色樹脂層3660−1と、透き通った樹脂層3660−2と、IMD層3660−3とを含む表示装置3660を示す。一実施例では、表示装置にとって利用可能な空間を増加させるために、したがって、使用時における数値表示の数値の高さを増大させるために、ボタンのサイズを大きくすることができ、たとえば、表示装置の直径は、約20〜40mmの範囲にあり得(たとえば、
図139において表示装置の直径DD1は約27mm、
図140において表示装置の直径DD2は約37mm)、数値の高さは、約5〜15mmの範囲内にある(たとえば、
図139において数値の高さNH1は約7mmであり、
図140において数値の高さNH2は約14mmである)。
【0202】
一実施例において、表示装置またはユーザインターフェイスは、システムの適切な利用を保証する(たとえば、故障(たとえば、不適切な封止、気流の封鎖)が生じたときにユーザに警告する、システムが適正に使用されていないときにユーザに警告する)ように、信頼を高める(たとえば、接触可能および理解可能なユーザインターフェイスが、システムを使用する信任をユーザに与える)ように、ならびに/または、適切なフィードバックを提供するように(システムが援助していますというフィードバックをユーザに提供することは、継続した利用を確保する)、構造化される。
【0203】
ユーザインターフェイスは、システムの状態を示す代替的構成を含み得る。たとえば、
図129および
図130は、ユーザインターフェイス、すなわち、オン/オフボタンの例を示し、当該オン/オフボタンは、装置の状態を示す2色(たとえば、赤色、青色)のLED 3060を含む。PAP装置およびオン/オフボタンを取り巻くシステムの布地被覆または外被3050は、ボタンがどこに位置決めされているのかを示す縫い目3051を含む。被覆は、ボタンの位置を突き止めることを助けるために、ボタンとアライメントするように適合された窪み部も含み得る。ユーザは、使用時に窪み部を手探りすることにより、および/または、縫い目から窪み部を視覚的に突き止めることにより、ボタンを突き止めることができる。ボタンは、システムをオン/オフにするために、押し下げることができる。一実施例において、LED 3060の1つの色(たとえば、青色光)は、装置が適正に作用していることを示し得、LED 3060の別の色(たとえば、赤色光)は、装置に異常があるか、または、装置が適切に使用されていないという警告、たとえば、ブロワが過熱している(たとえば、気流の封鎖)か、または、(不適切な鼻の封止などの)他の何らかの理由により運転停止しなければならないという警告を提示し得る。
【0204】
別の実施例では、
図131〜
図134に示すように、ユーザインターフェイス、すなわちオン/オフボタンは、ユーザを案内して装置の状況を示す3色(たとえば、赤色、青色、および黄色)の光リング3160を含む。上記したように、布地被覆3150は、ボタンがどこに位置決めされているかを示すために、縫い目3151および/または窪み部を含み得る。
【0205】
使用時において、
図132に示すように、光リング3160は、装置がオンにされると全円で輝き、装置が始動していることを示す。ユーザが鼻ピースを経由して呼吸するのに伴い、光リングの輝度は変化し、たとえば、光リングは、パルス幅変調または類似のものを含んで、光強度を変動させる。たとえば、ユーザが呼息すると、リング3160は一層明るくなり(たとえば
図133を参照されたい)、ユーザが吸息すると、リング3160は薄暗くなる(たとえば
図134を参照されたい)。システムは、ユーザの呼吸と同じリズムで光リングを脈動させることによって、アウェアネスを示し、これにより、装置に対するユーザの信頼が増大する。
【0206】
例示的な初回の使用において、ユーザは、患者インターフェイスを着用して、何をすべきかについて迷いを感じることが考えられ、たとえば、ユーザは、患者インターフェイスを経由して空気が入来することを感じるものの、その感覚によって威圧される。システムは、気流が適切に送られていないこと、たとえば、ユーザが呼吸していないか、または、ノズル構成体がオフである/封鎖されていることを検出することができ、光リングは黄色になる。ユーザはこれを見て、自分が何か間違ったことをしていると知る。ユーザが呼吸を開始するのに伴い、光は青色になり、ユーザの呼吸と共に脈動し、ユーザに対し、当該ユーザが装置を適正に使用していることを示す。ユーザは、続いて就眠する。真夜中に、ピローがブロワを被覆し、このことが、ブロワによる空気の充分な吸い込みを阻む。光リングは赤色になり、気流が封鎖されたことを示す。ユーザは朝になって目覚め、システムがオフになっていることに気付く。ユーザは装置をチェックし、それによって気流が封鎖されたこと、ブロワが過熱したこと、または、システムが運転停止されたことを示す赤色光を見て、それにより、当該ユーザは、次の夜にその配置を調節することができる。このような光リング構成体は、光リングを用いて適正な利用およびエラーを示すことにより、ユーザを案内して、適切な利用を保証する。
【0207】
別の実施例では、
図135〜
図138に示すように、ユーザインターフェイス、すなわちオン/オフボタンは、静かであった夜間の百分率、すなわち、いびきをかかなかった百分率をユーザに教える結果を表示するように構成された数値表示装置3260を含む。上記したように、布地被覆3250は、縫い目3251および/または窪み部を含んで、ボタンがどこに位置決めされているかを示し得る。一実施例において、ユーザは、ボタンを押し下げて保留して、システムをオン/オフにすることができる。一実施例において、ユーザは、ボタンをダブルクリックして、システムがオン/オフになっているか否かに関係なく以前の結果を示すことが可能である。
【0208】
例示的な使用において、ユーザは、システムをオンにし、患者インターフェイスを着用し、続いて就眠する。
図136に示されるように、表示装置3260は、小さなアニメーション、たとえば、円を完成させるアニメーションを示し、装置が始動していることを示す。ユーザが目覚めると、当該ユーザは、自分がいびきをかいたのか否かと思う。ユーザは、騒音のない百分率、たとえば、
図135に示すように、夜間の85%において当該ユーザが静かであった(いびきがなかった)ことを当該ユーザに教える評価結果をチェックすることができる。別の使用法としては、一貫して低い結果を示し得、ユーザのパートナーが、いびきについて不満を表明していることが考えられる。このことは、ユーザに対し、当該ユーザが医療上の課題を有している可能性があり得ることを教え、このユーザは、医者に相談することを決意する。
図137に示すように、警告、たとえば、ファンをチェックせよという表示3260−1は、システムが適切に作動していないとき、たとえば、ブロワが空気を適切に吸い込むことができない(たとえば、摂取口が被覆されてブロワが過熱している)ときに表示され得る。
図138に示すように、別の警告、たとえば、封止を調節せよという表示3260−2は、ユーザが患者インターフェイス(たとえばノズル構成体)を調節する必要があるとき、たとえば、不適切な封止が検出されたときに表示され得る。
図137および
図138に示すように、当該表示は、警告用のバックライト付きアイコンを含み得る。システムは、騒音検出用のマイクロフォン、静かな状態の時間および利用量を得るためのタイマー、ブロワのRPMを測定して不規則な気流を検出するためのセンサを含み得る。
【0209】
12. 代替的入口/フィルタ構成体
PAP装置の摂取開口部または空気入口に沿った被覆の部分は、代替的構成体を含み得る。たとえば、
図145−1〜
図145−3は、PAP装置3720の少なくとも空気入口に沿って延伸するように配設された細長い布地フィルタ3755を含む被覆3750を示す。布地フィルタは、外部被覆の一部をもたらし、それにより、当該布地フィルタは、清掃/交換を決定するのに容易に接触可能であり、容易に見える状態となる。一実施例において、布地フィルタは、被覆のそれ以外の部分に、取り外し可能な態様で、たとえば、フックおよびループ構成体により、付設され得る。しかしながら、布地フィルタは、他の好適な態様で、たとえば接着剤で付設され得る。一実施例において、フィルタは、PAP装置上の定位置に、被覆のそれ以外の部分を維持するように配設され得、たとえば、フィルタは、被覆の開いた端に係合し、当該端を取り巻くように構造化される。
【0210】
図146−1〜
図146−2は、PAP装置3820の空気入口に隣接して貫通穴3855を含む被覆3850を示す。このような構成体は、空気入口を制限せず、空気経路の生体適合性に関するあらゆる問題の可能性を排除する。
【0211】
図147−1〜
図147−3は、PAP装置3920に設けられたフィルタ構成体3925を露出するように適合された、開いた底部3955を有する被覆3950を示す。示されるように、フィルタ構成体3925は、フィルタ3925−1と、当該フィルタをPAP装置に保持する扉構造3925−2とを含む。当該開いた底部に隣接した被覆の底部は、容易な接触および清掃/交換のために、被覆がフィルタ構成体から引き下げられることを可能にする弾性バンド3956を含む。開いた底部は、フィルタ構成体が、清掃/交換を決断するのに容易に接触可能および容易に見えることを可能にする。また、開いた底部は、制限されない空気経路をもたらし、それによって、生体適合性および制限された入口は、低リスクである。
図152−1〜
図152−3は、フィルタ構成体4025への接触を容易にする開いた底部に隣接して、弾性バンド4056を有する別の例示的な被覆4050を示す。この例において、フィルタ構成体4025は、取り外しを容易にするプルタブ4025−1を有する、一部品式の取り外し可能なフィルタを含む。
【0212】
図153−1〜
図153−3は、PAP装置4120に設けられたフィルタ構成体4125を露出するように適合された取り外し可能なピロースリップ4155を有する被覆4150を示す。示されるように、フィルタ構成体は、取り外しを容易にするプルタブ4125−1を有する、一部品式の取り外し可能なフィルタを含む。
【0213】
図155−1〜
図155−3は、PAP装置4220およびそのフィルタ構成体4225に接触するために、そのポーチ部に沿って1個のジッパー4255を有する被覆4250を示す。示されるように、フィルタ構成体4225は、取り外しを容易にするプルタブ4225−1を有する、一部品式の取り外し可能なフィルタを含む。
【0214】
13. 例示的な被覆製造技法
一実施例において、
図149に示すように、被覆4650は、折り重ねられて、1つの継ぎ目によってその長さに沿って留め付けられて、当該被覆のポーチ部4650−1および管部4650−2を形成する、1片の織物材料を含み得る。一実施例において、ポーチ部および管部は、互いに留め付けられた、たとえば、部分的に重複させて、継ぎ目テープによって留め付けられたか、または、縫い目によって留め付けられた、別個の片の織物材料として設けられ得る。
【0215】
ポーチ部(たとえば、熱溶融TPUフィルムで縁取りされたもの)の端に沿って、当該端を解除可能に閉じるジッパー4651(たとえば一方向ジッパー)が設けられる。しかしながら、ポーチ部の端は、他の好適な態様で、たとえば、弾性バンド3956(たとえば
図147−1〜
図147−3)、当該被覆の端に設けられたピロースリップ4751(たとえば
図150)、または当該被覆の端に設けられた引き紐4851(たとえば
図151)によって、開かれ/閉じられ得る。
【0216】
他の実施例において、被覆は、折り重ねられて、その長さに沿って、たとえば、継ぎ目テープ(たとえば、質感付与部、パイピングの細部などを含み得る)、超音波ローラー(たとえば嵩を減少させるために継ぎ目のない縁端をもたらす)、または丸編みによって留め付けられる1片の織物材料を用いて製造され得る。
【0217】
一実施例において、被覆は、使い捨てであって、皮膚および気道に対して生体適合性であって、経時的に(たとえば、1〜3箇月を通じて)色を変化させ、空気暴露に基づいて色を変化させ、ならびに/または、UVによって活性化されない、織物材料で構築され得る。
図154−1〜
図154−3は、PAP装置4920に設けられたフィルタ構成体4925を露出するように適合された取り外し可能なピロースリップ4951を有する被覆4950の別の例を示す。
【0218】
いくつかの実施例に関連してこの技術が説明されてきたが、この技術が、開示された実施例に限定されるべきではなく、それとは対照的に、この技術の精神および範囲内に含まれる様々な変更態様および等価な構成体を包含することが意図される旨が理解されるべきである。また、上で説明した様々な実施例は、他の実施例と併せて実装することができ、たとえば、1つの実施例の1つまたは複数の態様を、別の実施例の態様と組み合わせて、さらに他の実施例を実現することができる。さらに、任意の所与のアセンブリの独立した特徴またはコンポーネントの各々は、付加的な実施例を構成し得る。加えて、この技術はOSAに苦しむ患者に対する特定用途を有するが、他の疾病(たとえば、うっ血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満学的外科手術など)に苦しむ患者が、上記の教示から利益を得ることができる旨が認識されるべきである。さらに、上記の教示は、患者、および、非医療性用途における非患者にも同じく、適用可能性を有する。
【0219】
さらに、本開示による主題の例示的で包括的ではない例示が、以下の付記項1〜25において提供される。
[付記項1]
PAPシステムであって、
加圧空気の供給を生成するPAP装置と、
患者の顔面との封止を形成するように適合された患者インターフェイスと、
前記患者インターフェイスと前記PAP装置を相互接続する空気送達管類と、
前記PAP装置の少なくとも一部分および前記空気送達管類の一部分を実質的に取り巻く被覆と、
を備え、
前記被覆が、前記患者の頭部によって前記PAP装置が担持されること、および/または、前記患者の頭部上に前記PAP装置が支持されることを可能にする、PAPシステム。
[付記項2]
前記被覆が、前記患者インターフェイスの1つまたは複数の部分を実質的に取り巻く、付記項1に記載のPAPシステム。
[付記項3]
前記PAP装置が、約2〜30cmH
2Oの範囲の加圧空気の供給を生成する、付記項1又は2に記載のPAPシステム。
[付記項4]
前記患者インターフェイスが、ノズル、鼻プロング、ピロー、受け台、またはクッションの構成体を含む、付記項1から3のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項5]
前記空気送達管類は、前記患者の頬の領域に沿って、耳の上方または下方を、および、前記患者の頭部の頭頂の真上を走るように各々が適合された2つの入口管を含む、付記項1から4のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項6]
各管が、前記各管が第1の開いた段階と第2の少なくとも部分的に潰された段階との間を移行し得るように構造化された非円筒形の断面形状を含む、付記項5に記載のPAPシステム。
[付記項7]
前記被覆が織物材料で構築される、付記項1から6のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項8]
前記患者の頭部上に少なくとも前記患者インターフェイスおよび空気送達管類を支持するヘッドギアをさらに備える、付記項1から7のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項9]
前記患者インターフェイス、空気送達管類、被覆、および/または、ヘッドギアが、前記患者の皮膚および/または頭髪と調和するために、異なる色、パターン、および/または、表面質感を含む材料で構築される、付記項1から8のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項10]
前記被覆の少なくとも一部分が、前記患者の頭部の周囲に巻き付くように適合される、付記項1から9のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項11]
前記被覆が、外被状またはスカーフ状の構成体を含む、付記項1から10のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項12]
前記被覆が、前記PAP装置の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻くポーチ部と、前記空気送達管の1つまたは複数の部分を実質的に取り巻く管部とを含む、付記項1から10のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項13]
前記被覆が、別のヘッドギアストラップと協働して前記患者の頭部の周囲に巻き付いて、前記患者の頭部上に前記システムを安定化させて支持するヘッドギアストラップ部をさらに含む、付記項12に記載のPAPシステム。
[付記項14]
前記被覆が、前記PAP装置、患者インターフェイス、および空気送達管類の間の1つまたは複数の接続点を隠匿するか、覆い隠すか、または隠蔽するように構造化される、付記項1から13のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項15]
前記PAP装置が、前記患者が直立した体位にあるときには、前記患者の肩の真上に位置決めされるように適合され、および/または、前記患者が仰臥した体位にあるときには、前記患者の傍らに、付近に、もしくは隣接して位置決めされるように適合される、付記項1から14のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項16]
前記PAP装置が、前記患者が前記仰臥した体位にあるときに、前記患者の胸部付近に位置決めされるように適合される、付記項15に記載のPAPシステム。
[付記項17]
前記システムが、ポータブルで軽量であり、前記患者が前記システムを着用している間に自由に動き回ることを可能にする、付記項1から16のいずれか一項に記載のPAPシステム。
[付記項18]
患者に加圧空気を送達するためのシステムであって、
陽圧で空気の供給を生成するブロワを含む基部ユニットと、
患者の顔面に設けられるように適合された患者インターフェイスと、
前記患者インターフェイスに加圧空気の前記供給を送達する管であって、前記患者インターフェイスを動かすために、および/または、前記患者インターフェイスと前記患者との間に及ぼされる力の量を変更するために、その形状を選択的に変更するように構造化された管とを備える、システム。
[付記項19]
前記患者の顔面に対する前記患者インターフェイスの角度を調節するインターフェイスコントローラをさらに備える、付記項18に記載のシステム。
[付記項20]
前記患者インターフェイスが、前記患者の顔面に係合するように適合される、付記項18又は19に記載のシステム。
[付記項21]
前記患者インターフェイスが、前記患者の顔面に隣接して位置付けられるように適合される、付記項18又は19に記載のシステム。
[付記項22]
前記システムが、前記患者が気付いていない間か、または就寝している間に、前記患者にそれ自体をぴったり適合させるように適合される、付記項18から21のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項23]
前記システムが、前記患者インターフェイスによってもたらされる力および力の角度をリアルタイムで適合させることによって、満足のできる封止および快適性を得るのに必要最低限の力をもたらすように適合される、付記項18から22のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項24]
前記管が、その長さに沿って一連の能動要素を含み、前記能動要素の各々が、選択的に収縮および/または延伸して前記管の長さを調節するように構造化される、付記項18から23のいずれか一項に記載のシステム。
[付記項25]
前記患者インターフェイスと前記患者の顔面との間の力およびトルクを測定する力センサをさらに備える、付記項18から24のいずれか一項に記載のシステム。