(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-202777(P2017-202777A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】固定具
(51)【国際特許分類】
B60S 1/34 20060101AFI20171020BHJP
F16B 37/14 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
B60S1/34 B
F16B37/14 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-96295(P2016-96295)
(22)【出願日】2016年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】516141118
【氏名又は名称】有限会社ニーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新見 誠
【テーマコード(参考)】
3D025
【Fターム(参考)】
3D025AA01
3D025AC01
3D025AD01
3D025AE21
(57)【要約】
【課題】ナット及びナットが螺合するネジ部における腐食の発生を防ぐことができ、しかも、ナットキャップの取付・取外作業を繰り返し行ってもコストが嵩まないようにできる固定具を提供する。
【解決手段】ワイパー2に形成された取付孔3cにピボット軸9のネジ部9aを挿通させた状態でナット4をネジ部9aに螺合して取付孔3cの周縁部分をナット4とピボット軸9のネジ部9aを除く部分とで挟み込む。ナットキャップ5は、ネジ部9aに螺合した状態のナット4を覆うように収容する収容凹部5cを有す。ナット4の外周面には、ゴム材からなるリング状の第1シール部材6が嵌合する第1環状凹条溝4aが形成される。第1シール部材6の外周縁部は、ナット4を収容した状態の収容凹部5cの内周面に全周に亘って圧接する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付体に取付体を固定する固定具であって、
上記取付体に形成された取付孔に上記被取付体に設けられたネジ部を挿通させた状態で当該ネジ部に螺合して上記取付孔の周縁部分を上記被取付体の上記ネジ部を除く部分との間に挟み込むナットと、
上記ネジ部に螺合した状態の上記ナットを覆うように収容する収容凹部を有するナットキャップとを備え、
上記ナットの外周面には、当該ナットの中心軸周りに延びる第1環状凹条溝が形成され、
該第1環状凹条溝には、ゴム材からなるリング状の第1シール部材が上記ナットの外周面から飛び出すように嵌合しており、
上記第1シール部材の外周縁部は、上記ナットを収容した状態の上記収容凹部の内周面に全周に亘って圧接していることを特徴とする固定具。
【請求項2】
請求項1に記載の固定具において、
上記収容凹部の内周面には、上記ナットキャップの中心軸周りに延びる第2環状凹条溝が形成され、該第2環状凹条溝は、上記収容凹部に上記ナットを収容した際、上記第1環状凹条溝に嵌合した状態の上記第1シール部材の外周縁部が嵌合するよう構成されていることを特徴とする固定具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固定具において、
上記取付体には、上記取付孔を中心に段差状に窪むとともに上記ナットキャップの収容凹部開口側を収容可能な段差凹部が形成され、
上記ナットキャップの外周面における収容凹部開口側には、上記ナットキャップの中心軸周りに延びる第3環状凹条溝が形成され、
該第3環状凹条溝には、ゴム材からなるリング状の第2シール部材が上記ナットキャップの外周面から飛び出すように嵌合しており、
上記第2シール部材の外周縁部は、上記ナットキャップの収容凹部開口側を収容した状態の上記段差凹部の内周面に全周に亘って圧接していることを特徴とする固定具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の固定具において、
上記取付体は、車両用のワイパーであり、
上記被取付体は、上記ワイパーを回動させるピボット軸であることを特徴とする固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両用ワイパーを車両に固定する固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1には、車両用ワイパーを回動させるピボット軸に上記ワイパーを固定する固定具が開示されている。該固定具は、座金付きナット及び該ナットを覆うように収容する収容凹部を有するナットキャップからなり、ワイパーの基端側に形成された取付孔に上記ピボット軸の先端側に設けられたネジ部を挿通させ、且つ、上記ナットを上記ネジ部に螺合させて上記取付孔の周縁部分を上記ナットと上記ピボット軸の上記ネジ部を除く部分とで挟み込んで当該ピボット軸に上記ワイパーを固定するようになっている。そして、上記ナットキャップにおける収容凹部の開口周縁には、複数の係合爪が一体に形成され、上記ネジ部に螺合した状態のナットを上記収容凹部に収容するとともに上記各係合爪を上記ナットの座金部分に係合させることにより、上記ナットキャップが上記ナットに取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−370624号公報(段落0033〜0038欄、
図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の如き固定具では、例えば、ワイパーの交換をする際、ナットキャップをナットから取り外したり、或いは、ナットに取り付けたりする作業が生じる。
【0005】
しかし、特許文献1のナットキャップは、当該ナットキャップに一体に形成された複数の係合爪でナットに取り付けられるようになっているので、ナットキャップの取付・取外作業を繰り返すと、ナットとの間で摺接動作を繰り返す各係合爪が変形したり、或いは、破損してしまい、ナットに対してナットキャップが取り付けられなくなるおそれがある。そうすると、ナットキャップ自体を新しいものに交換しなければならず、コストが嵩むことになってしまう。
【0006】
また、特許文献1では、ナットキャップの各係合爪が収容凹部の開口周縁に沿って所定の間隔をあけて形成されているので、ナットキャップがナットに取り付けられている状態において各係合爪の間からナットの外周面と収容凹部の内周面との間に水が浸入し易く、例えば、長期間屋外で使用すると、ナット及びネジ部に腐食を発生させてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ナット及びナットが螺合するネジ部における腐食の発生を防ぐことができ、しかも、ナットキャップの取付・取外作業を繰り返し行ってもコストが嵩まないようにできる固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、シール部材を利用してナットにナットキャップを取り付けるよう工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、被取付体に取付体を固定する固定具を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明では、上記取付体に形成された取付孔に上記被取付体に設けられたネジ部を挿通させた状態で当該ネジ部に螺合して上記取付孔の周縁部分を上記被取付体の上記ネジ部を除く部分との間に挟み込むナットと、上記ネジ部に螺合した状態の上記ナットを覆うように収容する収容凹部を有するナットキャップとを備え、上記ナットの外周面には、当該ナットの中心軸周りに延びる第1環状凹条溝が形成され、該第1環状凹条溝には、ゴム材からなるリング状の第1シール部材が上記ナットの外周面から飛び出すように嵌合しており、上記第1シール部材の外周縁部は、上記ナットを収容した状態の上記収容凹部の内周面に全周に亘って圧接していることを特徴とする。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、上記収容凹部の内周面には、上記ナットキャップの中心軸周りに延びる第2環状凹条溝が形成され、該第2環状凹条溝は、上記収容凹部に上記ナットを収容した際、上記第1環状凹条溝に嵌合した状態の上記第1シール部材の外周縁部が嵌合するよう構成されていることを特徴とする。
【0012】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記取付体には、上記取付孔を中心に段差状に窪むとともに上記ナットキャップの収容凹部開口側を収容可能な段差凹部が形成され、上記ナットキャップの外周面における収容凹部開口側には、上記ナットキャップの中心軸周りに延びる第3環状凹条溝が形成され、該第3環状凹条溝には、ゴム材からなるリング状の第2シール部材が上記ナットキャップの外周面から飛び出すように嵌合しており、上記第2シール部材の外周縁部は、上記ナットキャップの収容凹部開口側を収容した状態の上記段差凹部の内周面に全周に亘って圧接していることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つの発明において、上記取付体は、車両用のワイパーであり、上記被取付体は、上記ワイパーを回動させるピボット軸であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明では、ナットキャップの収容凹部にナットを収容すると、第1シール部材の外周縁部が収容凹部の内周面に全周に亘って圧接するので、ナットキャップをナットに強固に固定することができる。また、ナットに対するナットキャップの取付・取外作業を繰り返し行うと、ナットキャップと摺接動作を繰り返す第1シール部材が変形したり、或いは、破断するようになるので、もし仮に、メンテナンス等で部品を交換する場合であっても特許文献1の如きナットキャップ自体を新しいものに交換するといったことが無くなり、第1シール部材だけを新しいものに交換するだけで性能を維持できるのでコストが嵩まない。さらに、第1シール部材は、収容凹部にナットを収容した状態において、ナットの中心軸周りの全周に亘ってナットの外周面と収容凹部の内周面との間の隙間を無くすので、ナットの外周面と収容凹部の内周面との間に水が浸入するのを防いでナット及びネジ部における腐食の発生を防ぐことができる。
【0015】
第2の発明では、ナットキャップが当該ナットキャップの中心軸に沿う方向に移動しようとすると、第2環状凹条溝に第1シール部材が引っ掛かるようになる。したがって、ナットキャップに対して当該ナットキャップの取外方向に不意に大きな力が加わったとしても、ナットキャップをナットに取り付けた状態で維持することができる。
【0016】
第3の発明では、ナットキャップの収容凹部にナットを収容した際、ナットキャップの収容凹部開口側が段差凹部に収容されるとともに、第2シール部材が段差凹部の内周面に全周に亘って圧接するので、ナットキャップをナットだけでなく取付体にも強固に固定することができる。また、第2シール部材は、段差凹部にナットキャップの収容凹部開口側を収容した状態において、ナットキャップの中心軸周りの全周に亘ってナットキャップの外周面と段差凹部の内周面との間の隙間を無くすので、ナットキャップの収容凹部に水が浸入するのを確実に防いでナット及びネジ部における腐食の発生を防止することができる。
【0017】
第4の発明では、ワイパーの車両への固定部分においてナットキャップが外れ難くなるので、ナットキャップが外れてナットが剥き出しになることによって車両の意匠性が低下してしまうといったことを防ぐことができる。また、ワイパーの車両への固定部分を介してワイパーの駆動部分に水が浸入してしまうのを確実に防ぐことができるので、ワイパーの駆動部分が腐食を起因として故障するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態1に係る固定具が用いられた車両の斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る
図3相当図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係る
図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る車両10を示す。該車両10におけるフロントガラス10aの前方には、当該フロントガラス10aを払拭する一対の車両用ワイパー2(取付体)が設けられている。
【0020】
該ワイパー2は、
図3に示すように、上記車両10に設けられたピボット軸9(被取付体)により回動可能となっていて、該ピボット軸9の先端部分には、細い棒状のネジ部9aが設けられている。
【0021】
上記ワイパー2は、
図2にも示すように、当該ワイパー2の骨格をなす金属製のワイパーアーム3を備え、該ワイパーアーム3の基端側には、厚みのある略円盤状の取付部3aが設けられている。
【0022】
該取付部3aの表面には、段差状に窪む平面視で円形状の段差凹部3bが形成され、該段差凹部3bの中心には、
図3及び
図4に示すように、取付孔3cが貫通形成されている。
【0023】
上記ワイパー2は、本発明の固定具1を用いて上記ピボット軸9に固定されている。
【0024】
上記固定具1は、各角部の面取り加工が施されたナット4と、該ナット4を保護する金属製のナットキャップ5とを備え、上記ナット4は、上記取付孔3cに上記ネジ部9aを挿通させた状態で当該ネジ部9aに螺合して上記取付孔3cの周縁部分を上記ピボット軸9の上記ネジ部9aを除く部分との間に挟み込むようになっている。
【0025】
上記ナット4の外周面には、当該ナット4の中心軸周りに延びる第1環状凹条溝4aが形成されている。
【0026】
該第1環状凹条溝4aには、ゴム材からなるリング状の第1シール部材6が上記ナット4の外周面から飛び出すように嵌合している。
【0027】
上記ナットキャップ5は、略円盤状をなすカバー部5aと、該カバー部5aの裏面側における外周縁部寄りの位置から突出する環状突条部5bとを備えている。
【0028】
上記カバー部5a表面の外周側には、緩やかに傾斜するテーパ面5fが形成され、上記カバー部5aの外周部分は、上記ワイパーアーム3における段差凹部3bの開口周縁部分に対応する形状となっている。
【0029】
上記環状突条部5bは、上記ワイパーアーム3の段差凹部3bに収容可能となっており、その内部には、上記ネジ部9aに螺合した状態の上記ナット4を覆うように収容する収容凹部5cが形成されている。
【0030】
すなわち、上記ナットキャップ5の収容凹部5c開口側は、上記ワイパーアーム3の段差凹部3bに収容可能になっている。
【0031】
上記収容凹部5cにおける内周面の中途部には、上記ナットキャップ5の中心軸周りに延びる第2環状凹条溝5dが形成されている。
【0032】
また、上記環状突条部5bの上記カバー部5aとの連続部分の外周面には、上記ナットキャップ5の中心軸周りに延びる第3環状凹条溝5eが形成され、該第3環状凹条溝5eには、ゴム材からなるリング状の第2シール部材7が上記環状突条部5bの外周面から飛び出すように嵌合している。
【0033】
そして、上記第2環状凹条溝5dは、上記ネジ部9aに螺合した状態のナット4を上記収容凹部5cに収容した際、上記第1環状凹条溝4aに嵌合した状態の上記第1シール部材6の外周縁部が嵌合するよう構成されている。
【0034】
すなわち、上記第1シール部材6の外周縁部は、上記第2環状凹条溝5dに嵌合した状態で当該第2環状凹条溝5dの内周面に全周に亘って圧接している。
【0035】
また、上記第2シール部材7は、上記環状突条部5bを収容した状態の上記段差凹部3bの内周面に全周に亘って圧接するようになっている。
【0036】
以上より、本発明の実施形態1によると、ナットキャップ5の収容凹部5cにナット4を収容すると、第1シール部材6の外周縁部が収容凹部5cの内周面に全周に亘って圧接するので、ナットキャップ5をナット4に強固に固定することができる。また、ナット4に対するナットキャップ5の取付・取外作業を繰り返し行うと、ナットキャップ5と摺接動作を繰り返す第1シール部材6が変形したり、或いは、破断するようになるので、もし仮に、メンテナンス等で部品を交換する場合であっても特許文献1の如きナットキャップ5自体を新しいものに交換するといったことが無くなり、第1シール部材6だけを新しいものに交換するだけで性能を維持できるのでコストが嵩まない。さらに、第1シール部材6は、収容凹部5cにナット4を収容した状態において、ナット4の中心軸周りの全周に亘ってナット4の外周面と収容凹部5cの内周面との間の隙間を無くすので、ナット4の外周面と収容凹部5cの内周面との間に水が浸入するのを防いでナット4及びネジ部9aにおける腐食の発生を防ぐことができる。
【0037】
また、第2環状凹条溝5dに第1シール部材6の外周部分が嵌合しているので、ナットキャップ5が当該ナットキャップ5の中心軸に沿う方向に移動しようとすると、第2環状凹条溝5dに第1シール部材6が引っ掛かるようになる。したがって、ナットキャップ5に対して当該ナットキャップ5の取外方向に不意に大きな力が加わったとしても、ナットキャップ5をナット4に固定した状態で維持することができる。
【0038】
さらに、ナットキャップ5の収容凹部5cにナット4を収容した際、ナットキャップ5の環状突条部5bが段差凹部3bに収容されるとともに、第2シール部材7が段差凹部3bの内周面に全周に亘って圧接するので、ナットキャップ5をナット4だけでなくワイパーアーム3にも強固に固定することができる。また、第2シール部材7は、段差凹部3bにナットキャップ5の環状突条部5bを収容した状態において、ナットキャップ5の中心軸周りの全周に亘ってナットキャップ5の外周面と段差凹部3bの内周面との間の隙間を無くすので、ナットキャップ5の収容凹部5cに水が浸入するのを確実に防いでナット4及びネジ部9aにおける腐食の発生を防止することができる。
【0039】
それに加えて、ワイパー2の車両への固定部分においてナットキャップ5が外れ難くなるので、ナットキャップ5が外れてナット4が剥き出しになることによって車両10の意匠性が低下してしまうといったことを防ぐことができる。また、ワイパー2の車両への固定部分を介してワイパー2の駆動部分に水が浸入してしまうのを確実に防ぐことができるので、ワイパー2の駆動部分が腐食を起因として故障するのを防ぐことができる。
《発明の実施形態2》
図5及び
図6は、本発明の実施形態2に係る固定具1を示す。この実施形態2では、ワイパーアーム3、ナット4及びナットキャップ5の一部構造と、第2シール部材7を使用しない点と、ワッシャー8を使用する点とが実施形態1と異なっているだけで、その他は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と異なる部分のみを詳細に説明する。
【0040】
実施形態2のワイパーアーム3における取付部3aの表面には、実施形態1の如き段差凹部3bが形成されておらず、上記取付部3aの表面は平坦な形状をなしている。
【0041】
実施形態2のナット4におけるワイパー2側の開口周縁には、当該ワイパー2側に段差状に張り出す環状張出部4bが形成され、該環状張出部4bには、上記ワッシャー8が外嵌合するようになっている。
【0042】
実施形態2のナットキャップ5は、側面視で略ハット形状をなし、上記ナットキャップ5における収容凹部5cの開口側外周面には、外側方に突出するフランジ部5gが設けられている。
【0043】
該フランジ部5gのワイパー2側には、上記収容凹部5cに上記ナット4を収容する際、上記ワッシャー8に外嵌合する嵌合凹部5hが形成されている。
【0044】
尚、本発明の実施形態2に係るナットキャップ5には、実施形態1の如き第3環状凹条溝5eが形成されていない。
【0045】
以上より、本発明の実施形態2によると、ナットキャップ5の外観形状を実施形態1と異なる外観形状にしても、実施形態1と同様に、ナット4及びネジ部9aにおける腐食の発生を防ぐとともに、ナットキャップ5の取付・取外作業を繰り返し行ってもコストが嵩まない固定具1にできる。
【0046】
尚、本発明の実施形態1,2では、ナットキャップ5を金属材で形成しているが、他の材質で形成してもよく、例えば、樹脂材で形成してもよい。
【0047】
また、本発明の実施形態1,2に係る固定具1は、ワイパー2をピボット軸9に固定する際に使用しているが、その他の固定構造にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、例えば、車両用ワイパーを車両に固定する固定具に適している。
【符号の説明】
【0049】
1 固定具
2 ワイパー(取付体)
3b 段差凹部
3c 取付孔
4 ナット
4a 第1環状凹条溝
5 ナットキャップ
5c 収容凹部
5d 第2環状凹条溝
5e 第3環状凹条溝
6 第1シール部材
7 第2シール部材
9 ピボット軸(被取付体)
9a ネジ部
10 車両