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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-202831(P2017-202831A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】キャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/44 20060101AFI20171020BHJP
   B65D 35/12 20060101ALI20171020BHJP
   B65D 85/72 20060101ALN20171020BHJP
【FI】
   B65D35/44 K
   B65D35/44 J
   B65D35/12
   B65D85/72 D
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-93777(P2016-93777)
(22)【出願日】2016年5月9日
(71)【出願人】
【識別番号】507147998
【氏名又は名称】小菅 義則
(71)【出願人】
【識別番号】516135508
【氏名又は名称】小菅 瑞穂
(74)【代理人】
【識別番号】100110434
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 勝
(72)【発明者】
【氏名】小菅 義則
(72)【発明者】
【氏名】小菅 瑞穂
【テーマコード(参考)】
3E035
3E065
3E084
【Fターム(参考)】
3E035AA19
3E035BA07
3E035BB05
3E035BB10
3E035BD02
3E035CA02
3E065AA02
3E065BA14
3E065BA16
3E065BB03
3E065CA09
3E065DA05
3E065DB07
3E065DD01
3E065DD05
3E065DE04
3E065FA11
3E065GA01
3E065GA02
3E065GA10
3E065JA11
3E084AA03
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA37
3E084AB06
3E084AB09
3E084BA03
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB13
3E084FA02
3E084FC04
3E084GA06
3E084GA08
3E084GB06
3E084JA14
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】 比較的に粘性の高い流動物を内容物としながら容器中身のほぼ全量を使い切ることが可能なキャップ付き容器の提供を目的とする。
【解決手段】 本発明のキャップ付き容器は、一部に形成した口部を介して内容物を外に出すことができる可とう性収納部と、前記可とう性収納部の前記口部の周辺から該口部の中心より外側に延長される鍔部と、前記鍔部に配設され、前記可とう性収納部の前記口部を開閉するキャップ部とを有し、前記可とう性収納部の口部は容器の内側から外側に向かって先細り形状を有する。キャップ部が鍔部に支持されるため、内容物を残さずに外に出すことができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部に形成した口部を介して内容物を外に出すことができる可とう性収納部と、
前記可とう性収納部の前記口部の周辺から該口部の中心より外側に延長される鍔部と、
前記鍔部に配設され、前記可とう性収納部の前記口部を開閉するキャップ部とを有し、
前記可とう性収納部の口部は容器の内側から外側に向かって先細り形状を有することを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項2】
請求項1記載のキャップ付き容器であって、前記内容物は粘性流動体であることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項3】
請求項1記載のキャップ付き容器であって、前記キャップ部には前記鍔部と当接する領域にキャップ側係合部が設けられ、前記鍔部の少なくとも上面若しくは下面のいずれかには前記キャップ側係合部と係合するための鍔側係合部が設けられ、これらキャップ側係合部と鍔側係合部が係合することで、前記キャップ部が前記鍔部に固定されることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項4】
請求項3記載のキャップ付き容器であって、前記キャップ部は、前記鍔部に取り付けられる本体部と、その本体部に対してヒンジ部を介して開閉する蓋部とからなり、前記キャップ側係合部は前記本体部の上面若しくは下面に配設され、前記キャップ側係合部に前記鍔側係合部が係合することを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項5】
請求項3記載のキャップ付き容器であって、前記キャップ側係合部は前記鍔部を挟み該鍔部に対して固定されることを特徴とするキャップ付き容器。
【請求項6】
請求項3記載のキャップ付き容器であって、前記鍔部は可とう性樹脂材からなり、前記キャップ部と係合される前に変形されて当該キャップ部に設けられた孔若しくは切欠き部を通過することを特徴とするキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的に粘性の高い流動物を収容するキャップ付き容器であり、特に容器内に残存してしまう内容物の量を低減させるキャップ付き容器である。
【背景技術】
【0002】
比較的に粘性の高い流動物、例えば、マヨネーズ、トマトケチャップ、練り歯磨き粉、化粧品などの流動物は、概ね可とう性の収納部などに収容され、使用時にはその収容部を指などで押すことで中身の流動物を出すことができる。可とう性の収納部は、ガスバリヤ性などの観点から、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂とポリエチレン等のポリオレフィン樹脂などとの多層構造とされることが多い。
【0003】
しかし、これらの容器を使用して中身の粘性に高い流動物を出していき、残りが少なくなってきたときには、流動物を容器の外部に容易には出せなくなる。これは可とう性を有する容器を採用した場合でも、口部の近傍では該口部の或る程度の強度を保つ目的で、口部周辺では固い樹脂のキャップ等が取り付けられていたり、口部近辺の樹脂の厚みを収納部よりは厚くするような設計とされており、樹脂の強度が高い口部近辺では、押し出されずに粘性の高い流動物が残ってしまう。このような問題に対処する容器の構造として、底付きの小さい容器を取り付ける構造も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−53264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、容器中身の全量を使い切る構造として、底付きの小さい容器を用いる構造では、構造が複雑化してしまい、また、残量を気にする以前の段階では、小さい容器の比較的に小さな出口を使って流動物が出されるために、多量に出そうとした場合には時間がかかるという問題も生じる。さらには、粘性の高い流動物がその小さい容器の内側に残留するようなこともあり、容器中身の全量を使い切ることは容易ではなかった。
【0006】
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、比較的に粘性の高い流動物を内容物としながら容器中身のほぼ全量を使い切ることが可能なキャップ付き容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の技術的な課題に鑑み、キャップ付き容器は、一部に形成した口部を介して内容物を外に出すことができる可とう性収納部と、前記可とう性収納部の前記口部の周辺から該口部の中心より外側に延長される鍔部と、前記鍔部に配設され、前記可とう性収納部の前記口部を開閉するキャップ部とを有し、前記可とう性収納部の口部は容器の内側から外側に向かって先細り形状を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のキャップ付き容器によれば、前記口部の周辺から該口部の中心より外側に延長される鍔部に前記口部を開閉するキャップ部が配設され、口部は容器の内側から外側に向かって先細り形状を有することから、鍔部の内側では前記可とう性収納部は比較的に大きな径を有することとなり、前記可とう性収納部を押圧することで、その口部近辺では粘性の高い流動物が残存することなく、ほぼ全量容器の外側に出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態のキャップ付き容器の構造を示す概略斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態のキャップ付き容器を一部破断した分解斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態のキャップ付き容器の縦断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態のキャップ付き容器の構造を示す概略斜視図である。
図5】本発明の第2の実施形態のキャップ付き容器を一部破断した分解斜視図である。。
図6】本発明の第2の実施形態のキャップ付き容器の縦断面と水平断面を並べた図である。
図7】本発明の第3の実施形態のキャップ付き容器の概略斜視図である。
図8】本発明の第3の実施形態のキャップ付き容器の要部断面図である。
図9】本発明の第4の実施形態のキャップ付き容器の要部分解斜視図である。
図10】本発明の第4の実施形態のキャップ付き容器の要部概略斜視図である。
図11】本発明の第5の実施形態のキャップ付き容器の要部分解斜視図である。
図12】本発明の第5の実施形態のキャップ付き容器の要部概略斜視図である。
図13】本発明の第6の実施形態のキャップ付き容器の要部分解斜視図である。
図14】本発明の第6の実施形態のキャップ付き容器の要部概略斜視図である。
図15】本発明の第7の実施形態のキャップ付き容器の要部分解斜視図である。
図16】本発明の第7の実施形態のキャップ付き容器の要部概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の実施形態
本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図3は、本発明の第1の実施形態のキャップ付き容器10を示す図である。第1の実施形態のキャップ付き容器10は、樹脂材料などの可とう性材料により形成された容器本体11と、その容器本体11の口部14の近傍に形成された鍔部16と、その鍔部16に取り付けられたキャップ部18とを有している。
【0011】
容器本体11は、底面部で直線状に融着されその底面から略円筒形状に立ち上がりながら膨らむ形状の胴部15を有し、その胴部15から先端側には、概ね三角形のファセットの如き複数の面を表面とし口部14に向けて先細り形状とされた肩部12が連続する。この容器本体11の肩部12では、その水平断面が略八角形とされるが、その角は丸く形成されていても良く、全体として円形に近い略八角形状であっても良い。その肩部12の先端側には、当該容器本体11が収納する内容物を外に出すことができる、容器内外を貫通する円形状の口部14が形成されている。容器本体11は、例えば、溶融成形が可能でガスバリア性に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)層と、オレフィン系樹脂等を主成分とする熱可塑性樹脂層とを積層させたフィルムやシートを加工して形成され、使用者が手に持って胴部15を加圧することで、比較的に粘性の高い流動物、例えば、マヨネーズ、トマトケチャップ、歯磨き粉、クリームその他の化粧品などの流動物を口部14から押し出すことができる。
【0012】
容器本体11の肩部12は、胴部15側で略円筒形状に拡がってその胴部15と連続し、口部14側では細くされ、容器の内側から外側に向かって先細り形状とされる。胴部15が口部14と比べてその径が大きいため、使用者が容器本体11に押圧を加えたときには、胴部15が変形して肩部12内に存在する内容物にも確実にその圧力が加わり、内容物を容易に口部14から外に出すことができる。この肩部12の先細りとされた口部14に近い位置の外側には、図2に示すように、容器本体11の長手方向を軸方向とした場合に径方向である水平面に延長される平板円環状の鍔部16が一体に設けられている。この鍔部16は、口部14より少し胴部15側の位置から径方向外側に延在されており、この鍔部16には当該容器本体11の口部14を開閉するキャップ部18を取り付けることができる。鍔部16には、所定の間隔を以て周囲に並ぶように鍔側係合部としての複数の貫通孔17が当該鍔部16の厚みを貫通した概ね十字の切欠きにより形成されている。鍔部16は、容器本体11の肩部12の一部を延長させることで形成することができ、肩部12を変形させて構成することもでき、一旦別部材で形成した鍔部16を肩部12と接する部分で熔着することもできる。鍔部16の構成材料は、容器本体11と同様に可とう性の材料を選択することができるが、キャップ部18を支持できる材料であれば、容器本体11の構成材料よりもやや固い樹脂材を選択することも可能である。なお、鍔部16は、キャップ部18を取り付ける際には、肩部12に沿って曲げられてキャップ部18の中央口19を介してキャップ部18の本体部20の上面まで引き出される。
【0013】
キャップ部18は、鍔部16に取り付けられる円盤状の本体部20と、その本体部20に対してヒンジ部29を介して開閉する円盤状の蓋部22と、円盤状の鍔部16を挟み込むための円盤状の挟持部21とからなる。挟持部21も本体部20に対して図示しないヒンジ部を介して開閉する。円盤状の本体部20と円盤状の挟持部21には、それぞれ略八角形の中央口19、23が形成され、これら中央口19、23は容器本体11の口部14を挿通させる。キャップ部18の本体部20の上面で複数の前記貫通孔17に対応する位置には、キャップ側係合部の一例である複数の突起部28が形成されており、挟持部21を閉じた際には、挟持部21裏面の対応する位置に形成された図示しない嵌合孔にそれぞれ突起部28が嵌合し、鍔部16を本体部20と挟持部22で挟み込んで保持することができる。
【0014】
なお、このような鍔部16とキャップ部18の間の固定構造は、一例であり、逆にキャップ部18の挟持部21側に突起を形成し、鍔部16側に対応する貫通孔を形成し、キャップ部18の本体部20に嵌合部を形成して、鍔部16をキャップ部18の挟持部21と本体部20の間に挟み込むこともできる。また、キャップ部18の固定方法としては、鍔部16にホットメルト系の接着剤を用いる方法や超音波融着などの方法を用いることも可能である。また、鍔部16と肩部12の接続部分に切り取り線を予め形成しておき、キャップ部18を分別する際には、強い力で切り取り線に沿って破断するようにしても良い。さらに挟持部21はキャップ部18の本体部20に対してヒンジ部を形成して開閉する機構としているが、挟持部21を別部品として組み込むことも可能である。
【0015】
ヒンジ部29を介して開閉する機構の蓋部22は、一例として図1乃至図3に示すように、キャップ部18の本体部20と同じ程度のサイズの円盤状部材からなる。蓋部22と本体部20は射出成形などにより、同時に形成しても良いが、別々に形成して組わせることも可能である。蓋部22は、必ずしも本体部20と同様なサイズではなく、容器本体11の口部14を開閉できる構造であれば、その大きさを問わない。蓋部22の裏側の本体部20に対面する側には、口部14に密着して当接する当接部24hが形成され、キャップ部18を閉じている状態では、口部14から外部に内容物が漏れないようにしている。
【0016】
なお、本発明の包装容器技術において、広く知られているように、キャップ部18の蓋部22のヒンジ部29の反対側には、図示しない係合片などを設けて蓋部22を閉じたときに周縁部に係合して蓋部22を保持することもでき、ヒンジ部29も蓋部22を開いた時と閉じた時にそれぞれその位置が安定するような構造とすることも可能である。また、鍔部16の形状については、本実施形態では、円盤状としているが、三角、四角や六角、八角などの多角形や、楕円形などの形状であっても良く、鍔部の一部や周縁部に切欠きや孔などを有していても良く、端部と先端部で厚みが変わるような形状でも良く、さらに二重構造の鍔部を有していても良い。
【0017】
本実施形態のキャップ付き容器10は、容器本体11の先細り形状とされる肩部12の外側に鍔部16が外側に延長されて形成され、その鍔部16にキャップ部18が取り付けられる。従って、容器本体11の内容物を最後まで使い切ろうとした場合には、使用者が指などで胴部15や肩部12自体を十分に押すことができ、口部14付近に内容物が量多く滞留することもないので、無駄なく内容物を絞り出すことができる。本実施形態のキャップ付き容器10は、特に、比較的に粘性の高い流動物を内容物とする場合に有効である。詳しくは、内容物の残りが少なくなってきた場合には、最後の僅かな絞り作業を鍔部16のすぐ裏側の部分の肩部12を押圧するように行うことができる。この部分は出口である口部14に近いため、最終的にキャップ付き容器10内に残存する内容物の量を極めて少ないものにできる。
【0018】
また、本実施形態のキャップ付き容器10は、鍔部16と肩部12の間に断続的な切り込みからなる切り取り線を予め設けておき、最終的な絞り作業する際や、容器全体を廃棄する場合にキャップ部18を分離するために、鍔部16と肩部12の間を切り取り線に沿って分断することもでき、キャップ部18とり除いた後では、最終的な絞り作業を更に容易に進めることができる。
【0019】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。図4乃至図6は第2の実施形態のキャップ付き容器30を示す図である。第1の実施形態のキャップ付き容器30は、樹脂材料などの可とう性材料により形成された容器本体31と、その容器本体31の口部34の近傍に形成された鍔部36と、その鍔部36に取り付けられたキャップ部18とを有している。キャップ部18は、先に説明した第1の実施形態におけるキャップ部18と実質的に同じ構造を有し、簡単のため、重複する説明は省略する。
【0020】
図4図5に示すように、容器本体31は、一般的なマヨネーズの容器に近い形状を有しており、略楕円形状の底面部から次第に厚みを増加させながら上に向かって水平断面略楕円形状から水平断面角丸の三角形状に形を変える胴部35を有し、その胴部35から先端側には、該胴部側で水平断面が角丸の三角形状とされ六角錐形状の先細り形状部33を有する肩部32が形成されている。その肩部32の先端側には、当該容器本体31が収納する内容物を外に出すことができる、容器内外を貫通する円形状の口部34が形成される。容器本体31は、例えば、溶融成形が可能でガスバリア性に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)層と、オレフィン系樹脂等を主成分とする熱可塑性樹脂層とを積層させたフィルムやシートを加工して形成され、使用者が手に持って胴部35を加圧することで、比較的に粘性の高い流動物、例えば、マヨネーズ、トマトケチャップ、歯磨き粉、クリームその他の化粧品などの流動物を口部34から押し出すことができる。
【0021】
胴部35が口部34と比べてその径が大きいため、使用者が容器本体31に押圧を加えたときには、胴部35が変形して肩部32内に存在する内容物にもその圧力が加わり、内容物を容易に口部34から外に出すことができる。この肩部32の先細りとされた先細り形状部33の口部34に近い位置の外側には、図5に示すように、容器本体31の長手方向を軸方向とした場合に径方向である水平面に延長される平板円環状の鍔部36が一体に設けられている。この鍔部36は、先の実施形態における鍔部16と同様の部材であり、当該鍔部36に対して口部34を開閉するキャップ部18を支持させることができる。鍔部36には、所定の間隔を以て周囲に並ぶように鍔側係合部としての複数の貫通孔37が当該鍔部36の厚みを貫通した概ね十字の切欠きにより形成されている。
【0022】
鍔部36は、容器本体31の先細り形状部33の一部を延長させることで形成することができ、先細り形状部33や肩部32を変形させて構成することもでき、一旦別部材で形成した鍔部36を肩部32と接する部分で熔着することもできる。鍔部36の構成材料は、容器本体31と同様に可とう性の材料を選択することができるが、キャップ部18を支持できる材料であれば、容器本体31の構成材料よりもやや固い樹脂材を選択することも可能である。なお、鍔部36は、キャップ部18を取り付ける際には、肩部32に沿って曲げられてキャップ部18の中央口19を介してキャップ部18の本体部20の上面まで引き出される。
【0023】
キャップ部18は、鍔部16に取り付けられる円盤状の本体部20と、その本体部20に対してヒンジ部29を介して開閉する円盤状の蓋部22と、円盤状の鍔部36を挟み込むための円盤状の挟持部21とからなる。このキャップ部18は、口部34に密着して口部34を塞ぐ蓋部22の当接部24mの形状を除いて、ほぼ同様の構成を有しており、鍔部36を本体部20と挟持部21で挟み込んで保持することができる。
【0024】
本実施形態のキャップ付き容器30は、第1の実施形態の容器10と同様に、容器本体31の先細り形状部33の外側に鍔部36が外側に延長されて形成され、その鍔部36にキャップ部18が取り付けられる。従って、容器本体31の内容物を最後まで使い切ろうとした場合には、使用者が指などで胴部35や肩部32自体を十分に押すことができ、口部34付近に内容物が量多く滞留することもないので、無駄なく内容物を絞り出すことができる。特に、内容物の残りが少なくなってきた場合には、最後の僅かな絞り作業を鍔部36のすぐ裏側の部分の先細り形状部32を押圧するように行うことができるため、最終的にキャップ付き容器30内に残存する内容物の量を極めて少ないものにできる。
【0025】
第3の実施形態
図7は第3の実施形態のキャップ付き容器の斜視図であり、図8は第3の実施形態のキャップ付き容器の要部断面図である。このキャップ付き容器40は、可とう性樹脂材により先細り形状に形成された容器本体の胴部41で内容物を収納できるように中空構造を有し、その水平断面はハート形状とされている。内容物の容器出口となる口部44も同様に形状がハート型とされ、鍔部46は胴部41をそのまま延長させた先細り形状部42の周囲に水平方向に延存される形で形成されている。同じくハート型とされた本体部50と蓋部52とこれらの間に設けられたヒンジ部49とからなるキャップ部48がその鍔部46に取り付けられる。詳しくは、容器本体の先細り形状部42から延在された鍔部46がキャップ部48の本体部50と挟持部51とによって挟まれて、キャップ部48は容器本体の口部44近辺に保持される。
【0026】
水平断面がハート形状の本実施形態のキャップ付き容器においても、上述の各実施形態と同様に、容器本体の内容物を最後まで使い切ろうとした場合には、使用者が指などで胴部41を十分に押すことができ、口部44付近に内容物が滞留することもないので、無駄なく内容物を絞り出すことができる。比較的に粘性の高い流動物を内容物とする場合に有効である。特に、胴部41自体も先細り形状であり、口部44近傍の先細り部42とは傾斜面が直線状であり、内容物の絞り出しには極めて有利である。
【0027】
第4の実施形態
図9図10は第4の実施形態のキャップ付き容器のそれぞれ要部斜視図である。本実施形態のキャップ付き容器60は、鍔部66の外周部67が上向きに折れる形状を有しており、キャップ部68の本体部70と挟持部71とによって挟まれる構造を有している。
【0028】
すなわち、本実施形態のキャップ付き容器60では、容器本体61の先細り形状部62の口部64に近い位置には、切欠きを有した概ね平板状の鍔部66が形成されている。鍔部66は、中心から八方向に放射状に延長された帯状部を有し、その帯状部の最も外周の外周部67が帯状部の水平面よりは上向きに折れる形状を有しており、第1の実施形態の如き貫通孔は形成されていない。鍔部66自体も容器本体と同様な可とう性樹脂材により形成される。
【0029】
キャップ部68は、円盤状の本体部70と、本体部70との間で鍔部66を挟むための挟持部71と、口部34を塞ぐ当接部74を有し当該容器の蓋として用いられる蓋部72を有する。本体部70と挟持部71にはそれぞれ中央口69、73が形成され、図10に示すように、これら中央口69、73に容器本体61の先細り形状部62の口部64と鍔部66が挿通される。
【0030】
キャップ部68を容器本体61に支持させるために、挿通させた鍔部66はキャップ部68の本体部70の上面と挟持部71の裏面で挟みこんで固定される。鍔部66の上向きに折れた外周部67が本体部70と挟持部71で挟み込んだ際の抜け止めの一部として機能し、鍔部66にキャップ部68が確実に保持されることになる。
【0031】
本実施形態のキャップ付き容器60は、容器本体61の先細り形状部62の外側に鍔部66が外側に延長されて形成され、その鍔部66にキャップ部68が取り付けられる。従って、容器本体61の内容物を最後まで使い切ろうとした場合には、使用者が指などで容器本体を十分に押すことができ、口部64付近に内容物が量多く滞留することもないので、無駄なく内容物を絞り出すことができる。また、鍔部66の上向きに折れた外周部67が本体部70と挟持部71で挟み込んだ際の抜け止めの一部として機能することから、鍔部66にキャップ部68が確実に保持される。
【0032】
第5の実施形態
図11図12は第5の実施形態のキャップ付き容器のそれぞれ要部斜視図である。本実施形態のキャップ付き容器80は、鍔部86の外周部87が下向きに折れる形状を有しており、キャップ部88の本体部90と挟持部91とによって挟まれる構造を有している。
【0033】
すなわち、本実施形態のキャップ付き容器80では、容器本体81の先細り形状部82の口部84に近い位置には、切欠きを有した概ね平板状の鍔部86が形成されている。鍔部86は、第4の実施形態と同様に、中心から八方向に放射状に延長された帯状部を有し、その帯状部の最も外周の外周部87が帯状部の水平面より下向きに折れる形状を有しており、第1の実施形態の如き貫通孔は形成されていない。鍔部86自体も容器本体と同様な可とう性樹脂材により形成される。この鍔部86の径は、第4の実施形態の鍔部66の径よりも小さく、より小さなキャップ部88を保持する設計とされる。
【0034】
キャップ部88は、円環状の本体部90と、本体部90との間で鍔部86を挟むための挟持部91と、口部84を塞ぐ当接部94を有し当該容器の蓋として用いられる蓋部92を有する。本体部90と挟持部91にはそれぞれ中央口89、93が形成され、図12に示すように、これら中央口89、93に容器本体81の先細り形状部82の口部84と鍔部86が挿通される。円環状の本体部90には、鍔部86の外周部87に対応する位置に図示しない溝部が形成され、鍔部86を支持する際には、図示しない溝部に鍔部86の外周部87が嵌合する。
【0035】
キャップ部88を容器本体81に支持させるために、挿通させた鍔部86はキャップ部88の本体部90の上面と挟持部91の裏面で挟みこんで固定される。鍔部86の下向きに折れた外周部87が、本体部70と挟持部71で挟み込んだ際に、本体部90に形成された図示しない溝に押し込まれ、鍔部86にキャップ部88が確実に保持されることになる。
【0036】
本実施形態のキャップ付き容器80は、容器本体81の先細り形状部82の外側に鍔部86が外側に延長されて形成され、その鍔部86にキャップ部88が取り付けられる。従って、容器本体81の内容物を最後まで使い切ろうとした場合には、使用者が指などで容器本体を十分に押すことができ、口部84付近に内容物が量多く滞留することもないので、無駄なく内容物を絞り出すことができる。また、鍔部86の下向きに折れた外周部87が本体部90と挟持部91で挟み込んだ際に図示しない溝部に嵌合されることから、鍔部86にキャップ部88が確実に保持される。
【0037】
第6の実施形態
図13図14は第6の実施形態のキャップ付き容器のそれぞれ要部斜視図である。本実施形態のキャップ付き容器100は、貫通孔107を有する鍔部106が容器本体101の先細り形状部102の口部104の近い側に設けられている例であり、特に第1の実施形態と異なっている点は、鍔部106には切断線108が形成されており、キャップ部20の中央口19、23に鍔部106を通過させる際には、切断線108の左右の鍔部106の片を重なるように曲げて、さらに容易にキャップ部20の中央口19、23に鍔部106を通過させる構造を有する。なお、キャップ部18は、第1の実施形態と、口部104に密着して口部104を塞ぐ蓋部22の当接部24aの形状を除いて、ほぼ同様の構成を有しており、鍔部106を本体部20と挟持部21で挟み込んで保持することができる。
【0038】
第6の実施形態では、第1の実施形態のキャップ付き容器と同様に、キャップ部18の本体部20の上面で複数の前記貫通孔107に対応する位置には、キャップ側係合部の一例である複数の突起部28が形成されており、挟持部21を閉じた際には、挟持部21裏面の対応する位置に形成された図示しない嵌合孔にそれぞれ突起部28が嵌合し、鍔部106を本体部20と挟持部22で挟み込んで保持することができる。
【0039】
本実施形態のキャップ付き容器100は、容器本体101の先細り形状部102の外側に切断線108を有する鍔部106が外側に延長されて形成され、中央口19、23に鍔部106を通過させる際には、切断線108の左右の鍔部106の片を重なるように曲げて、鍔部106を容易に通過させることができる。また、第1の実施形態のキャップ付き容器と同様に、容器本体101の内容物を最後まで使い切ろうとした場合には、使用者が指などで容器本体を十分に押すことができ、口部104付近に内容物が量多く滞留することもないので、無駄なく内容物を絞り出すことができる。
【0040】
第7の実施形態
図15図16は第7の実施形態のキャップ付き容器のそれぞれ要部斜視図である。本実施形態のキャップ付き容器110は、所定の位置に形成された貫通孔117を有する鍔部116が容器本体111の先細り形状部112の口部114の近い側に設けられている。一方、キャップ部118は、鍔部116に取り付けられる円盤状の本体部120と、口部114に当接する当接部124を有し本体部120に対してヒンジ部を介して開閉する円盤状の蓋部122と、円盤状の鍔部116を挟み込むための一対の挟持部121r、121lとからなる。一対の挟持部121r、121lも本体部120に対して図示しないヒンジ部を介して開閉する。
【0041】
本実施形態では、鍔部116にキャップ部118を取り付ける際には、本体部120の底面側で、一対の挟持部121r、121lが開いて、露見した本体部120の底面に容器本体110の鍔部116を合わせ込む。この際、本体部120の底面から突出する突起部128が鍔部116に形成された貫通孔117を貫通して位置決めがなされると共に、一対の挟持部121r、121lを閉じた際には、一対の挟持部121r、121lに形成された嵌合部129に突起部128が嵌合して、鍔部116にキャップ部118を確実に支持させることができる。
【0042】
このよう構成のキャップ付き容器によっても、使用者が鍔部116の近くの先細り形状部112を押すことで、内容物を無駄なく絞り出すことができる。また、さらに最後の残りの内容物を絞り出す場合には、一対の挟持部121r、121lを開くことで、キャップ部118と容器本体110の係合を外して、残りの内容物を無駄なく絞り出すようにすることができ、比較的に粘性の高い流動物を内容物とする場合に特に有効である。
【0043】
上述の実施形態においては、容器本体を可とう性のある樹脂材料により形成するとして説明したが、最後の内容物を出すために可とう性が必要なのは鍔部周辺の材料が手で押し圧を加えられる構成であるので、必ずしも容器本体の全てが可とう性のある樹脂材料である必要はない。また、キャップ部の構造についても本体部にヒンジ部を介して蓋部が設けられる構成について説明したが、例えば、本体部の周囲に螺子溝を切り、そこに螺合するようなキャップ構造でも良い。口部にはプルタブなどを設けることも可能であり、シール部材や中栓などを有する構造であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
10 キャップ付き容器
11 容器本体
12 肩部
14 口部
15 胴部
16 鍔部
17 貫通孔
18 キャップ部
19 中央口
20 本体部
21 挟持部
22 蓋部
23 中央口
24h、24m、24a 当接部
28 突起部
29 ヒンジ部
30 キャップ付き容器
31 容器本体
32 先細り形状部
33 角錐部
34 口部
35 胴部
36 鍔部
37 貫通孔
40 キャップ付き容器
41 胴部
42 先細り形状部
44 口部
46 鍔部
48 蓋部
49 ヒンジ部
50 本体部
51 挟持部
52 当接部
60 キャップ付き容器
61 容器本体
62 先細り形状部
64 口部
66 鍔部
67 周辺部
68 キャップ部
69 中央口
70 本体部
71 挟持部
72 蓋部
73 中央口
74 当接部
75 ヒンジ部
80 キャップ付き容器
81 容器本体
82 先細り形状部
84 口部
86 鍔部
87 周辺部
88 キャップ部
89 中央口
90 本体部
91 挟持部
92 蓋部
93 中央口
94 当接部
100 キャップ付き容器
101 容器本体
102 先細り形状部
104 口部
106 鍔部
107 貫通孔
108 切断線
110 容器本体
111 胴部
112 先細り形状部
114 口部
116 鍔部
117 貫通孔
118 キャップ部
120 本体部
121r、121l 挟持部
122 蓋部
124 当接部
128 突起部
129 嵌合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2017年6月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
一部に形成した口部を介して内容物を外に出すことができる可とう性収納部と、
前記可とう性収納部の前記口部の周辺から該口部の中心より外側に延長される鍔部と、
前記鍔部に配設され、前記可とう性収納部の前記口部を開閉するキャップ部とを有し、
前記可とう性収納部の口部は容器の内側から外側に向って、複数の面を表面とする先細り形状を有することを特徴とするキャップ付き容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上述の技術的な課題に鑑み、キャップ付き容器は、一部に形成した口部を介して内容物を外に出すことができる可とう性収納部と、前記可とう性収納部の前記口部の周辺から該口部の中心より外側に延長される鍔部と、前記鍔部に配設され、前記可とう性収納部の前記口部を開閉するキャップ部とを有し、前記可とう性収納部の口部は容器の内側から外側に向って、複数の面を表面とする先細り形状を有することを特徴とする。