【実施例】
【0013】
図1〜
図4に、実施例と変形例との、サイドアーム式移載装置を示す。
図1において、2はスタッカークレーンで、走行レール4上を走行し、マスト5に沿って昇降台6をロープ7等により昇降させる。8はガイドローラで、設けなくても良い。
【0014】
昇降台6上に、実施例のサイドアーム式移載装置10が一対配置され、11はベースアームで、昇降台6に固定され、ミドルアーム12はベースアーム11に沿ってスライドし、トップアーム13はミドルアーム12に沿ってスライドする。なおミドルアーム12とトップアーム13との間にさらにアームを追加し、4段以上のアームとしても良い。
【0015】
トップアーム13の長手方向両端部に、フック14,14と、投光素子15,15あるいは受光素子16,16を設け、モータ17によりフック14を水平軸回りに回転させ、投光素子15と受光素子16とにより荷物Wの有無を検出する。実施例では、トップアーム13は
図1の左右双方の棚24,24内へ進出自在であるが、左右一方のみに進出するようにしても良い。また投光素子15と受光素子16とから成る光電センサの代わりに、反射型の光電センサを用いても良く、さらに光電センサの代わりに超音波センサにより荷物Wを検出しても良い。荷物の有無を検出するセンサに加えて、フック14,14の開閉を検出するセンサを設けても良い。
【0016】
ベースアーム11にはモータ20が設けられ、図示しないピニオンをラック21と噛み合わせて駆動し、ミドルアーム12を
図1の左右にスライドさせる。トップアーム13をミドルアーム12と連動させるため、
図3に示すようにタイミングベルトを用い、後で説明する。
【0017】
図2は変形例のサイドアーム式移載装置26を示し、
図1と同じ符号は同じものを表す。変形例では、トップアーム13にはフック14とモータ17とが無いが、投光素子15と受光素子16とがある。そしてシフター27により、例えば一方のサイドアーム式移載装置26を、
図2の白抜き矢印に沿ってスライドさせることにより、荷物を保持し、あるいは解放する。
【0018】
図3に、
図1のサイドアーム式移載装置10での、タイミングベルト30,31の配置を示し、
図2のサイドアーム式移載装置26でも同様である。タイミングベルト30,31は、トップアーム13内に一方の端部35が固定され、ベースアーム11内に他方の端部36が固定され、中間でミドルアーム12内の従動プーリ33に掛け渡されている。トップアーム13内の端部35で、タイミングベルト30、31から金属の芯線が露出して、第1のコネクタ46に接続されている。ベースアーム11内の端部36で、タイミングベルト30、31から金属の芯線が露出し、第2のコネクタ47に接続されている。18はコネクタ47と接続する他のコネクタで、サイドアーム式移載装置10の制御盤等へ接続されている。
【0019】
図4に、タイミングベルト30,31から露出する金属の芯線40,41を示す。タイミングベルト30,31には、長手方向と直角な方向に沿って金属の芯線40,41,具体的にはスチール線が、複数本が1平面内に所定のピッチで配列されている。芯線40,41はタイミングベルト30,31の強度を増すためのものである。芯線の内で、タイミングベルト30,31の端部で切断するものを芯線41と呼び、切断せずに絶縁チューブ42を被せるものを芯線40と呼ぶ。絶縁チューブ42により、芯線40を周囲から絶縁すると共に、芯線40の屈曲を制限し、折れ難くする。
【0020】
図4の上下に配列した芯線の内で、最初の芯線と最後の芯線を切断し、芯線41とする。また芯線40は2本ずつ捻って一体にし扱いやすくすると共に、互いに電気的に接続し、絶縁チューブ42を被せる。
図4では1ターン分捻っているように示すが、実際はコネクタ46の付近まで捻って、絶縁チューブ42に力が加わっても、芯線40が変形して切れないようにすることが好ましい。芯線の数が多い場合、3本以上を一体に捻って同じ絶縁チューブ42を被せても良い。そして絶縁チューブ42,42間の間では、タイミングベルト30,31の端部から出て来た直後の位置で芯線41を切断する。このため、絶縁チューブ42同士の間隔を大きくでき、2本の芯線40を捻って絶縁チューブを被せる作業性が向上する。また芯線41は切断されているので、短絡を引き起こすことがない。
【0021】
44は第2の絶縁チューブで、タイミングベルト30,31の端部とその直後の位置を覆い、芯線40が、タイミングベルト30,31から出て来た直後の位置で、折り曲げられて切断することを防止する。絶縁チューブ42、44は例えば共に熱収縮チューブとし、絶縁チューブ42は芯線40を固定することにより折れにくくし、絶縁チューブ44は絶縁チューブ42とその内部の芯線40とを拘束し、タイミングベルト30,31の端部で折れ曲がって芯線40が折れることを防止する。なお絶縁チューブ44の代わりに、ホットメルト樹脂等で絶縁チューブ42を固定しても良く、絶縁チューブ42,44は熱収縮しない単なる絶縁チューブでも良い。
【0022】
コネクタ46、47と絶縁チューブ44との間で、チューブ45により絶縁チューブ42を束ねる。なおチューブ45は設けなくても良い。そして絶縁チューブ42の、タイミングベルト30,31とは反対側の端部で、芯線40を第1のコネクタ46に圧着等により固定する。
図4の反対側の端部でも、芯線40を図示しない第2のコネクタ47に圧着等により固定する。なお第1のコネクタ46は、モータ、受光素子、発光素子等の電源線と信号線とに接続した図示しないコネクタに接続する。アース電流は、例えばアーム11,12,13を流すようにする。また第2のコネクタ47は、サイドアーム式移載装置10,26の制御盤、電源部、スイッチ等に接続する。
【0023】
実施例の作用効果を示す。
・ 芯線40を用いて、トップアーム13の電気機器をベースアーム側へ接続し、ケーブルを不要にする。
・ 芯線40は絶縁チューブ42で保護されて、折れにくくされかつ短絡が防止されている。
・ 複数本の芯線40を捻って絶縁チューブ42に収容するので、スチールの芯線でも抵抗値を小さくでき、かつ複数本の芯線40が捻られ互いに接続され、また捻られることにより変形しやすくなっているので、1本の芯線の場合よりも、断線、接触不良等のおそれが少ない。
・ 不要な芯線41を切断することにより、短絡のおそれを無くし、また絶縁チューブ42同士の間隔を広くできる。
・ タイミングベルト30,31の長手方向に直角な方向に配列されている複数の芯線中の、配列方向に沿って最初の芯線と最後の芯線とを切断する。この位置の芯線は周囲と接触しやすいので、切断により周囲との接触のおそれを少なくできる。
・ 絶縁チューブ44によりタイミングベルト30,31の端部付近を覆い、絶縁チューブ42を拘束するので、端部付近で芯線40が屈曲して折れることがない。
【0024】
実施例では、スタッカークレーン2の昇降台6に、サイドアーム式の移載装置10、26を搭載した。しかしサイドアーム式の移載装置10、26を、無人搬送車、天井走行車等に搭載しても良く、あるいは固定の移載装置として使用しても良い。さらにコネクタ46,47の代わりに、圧着端子に芯線を圧着して固定し、圧着端子を電気機器、電源、コントローラ等に着脱自在に接続しても良い。