【解決手段】防振免震装置10は、載置面22を有する載置台20と、載置台20を重力方向における下側から支持する少なくとも3個の支持機構100とを有し、少なくとも3個の支持機構100は、それぞれが、無端状の弾性部材110を有し、載置台20は、弾性部材110によって重力方向及び水平方向に移動可能に支持されている。
弾性を有し、前記弾性部材が所定以上に変形した場合に、前記載置台を重力方向における下側がら支持する補助部材をさらに有する請求項1乃至6いずれか記載の防振免震装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の防振免震装置においては、重力方向の振動及び震動と水平方向の振動及び震動との両方を抑制しようとすると、例えば重力方向の振動及び震動を抑制する機構と水平方向の振動及び震動を抑制する機構との双方が必要となる等の理由により、機構が複雑になる虞があった。
【0006】
本発明は、重力方向の振動及び震動と水平方向の振動及び震動との双方を簡単な機構で抑制することができる防振免震装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は、載置面を有する載置台と、前記載置台を重力方向における下側から支持する少なくとも3個の支持機構と、を有し、前記少なくとも3個の支持機構は、それぞれが無端状の弾性部材を有し、前記載置台は、前記弾性部材によって重力方向及び水平方向に移動可能に支持されている防振免震装置である。
【0008】
請求項2に係る本発明は、前記弾性部材は、前記載置面に対して回転可能に接している請求項1記載の防振免震装置である。
【0009】
請求項3に係る本発明は、前記弾性部材は、前記載置台に対して傾斜する方向にさらに移動可能に接している請求項1又は2記載の防振免震装置である。
【0010】
請求項4に係る本発明は、前記弾性部材は、前記載置台側の幅が設置面側の幅よりも広い請求項1乃至3いずれか記載の防振免震装置である。
【0011】
請求項5に係る本発明は、前記少なくとも3個の支持機構は、少なくとも1個が、粘弾性を有し、前記弾性部材を制振する制振部材をさらに有する請求項1乃至4いずれか記載の防振免震装置である。
【0012】
請求項6に係る本発明は、前記制振部材は、前記弾性部材の内周面における湾曲部に装着されている請求項5記載の防振免震装置である。
【0013】
請求項7に係る本発明は、前記制振部材は、一端部側及び他端部側が前記弾性部材の内周面に接触するように配置されている請求項5記載の防振免震装置である。
【0014】
請求項8に係る本発明は、弾性を有し、前記弾性部材が所定以上に変形した場合に、前記載置台を重力方向における下側がら支持する補助部材をさらに有する請求項1乃至6いずれか記載の防振免震装置である。
【0015】
請求項9に係る本発明は、前記弾性部材は、少なくとも二箇所が設置面に接触する形状を有する請求項1乃至8いずれか記載の防振免震装置である。
【0016】
請求項10に係る本発明は、前記少なくとも3個の支持機構は、少なくとも1個が前記弾性部材を少なくとも2個有し、少なくとも2個の前記弾性部材は、互いに交わる方向に配置されていて、共通する支持部により前記載置台に支持されている請求項1乃至9いずれか記載の防振免震装置である。
【0017】
請求項11に係る本発明は、前記少なくとも3個の支持機構は、前記載置台に対して加わる荷重が大きい位置近傍が密となるように配置されている請求区1乃至10いずれか記載の防振免震装置である。
【0018】
請求項12に係る本発明は、設置面に設置されていて、前記少なくとも3個の支持機構を重力方向における下側から支持する基台をさらに有し、前記基台は、表面における摩擦係数が設置面よりも小さい請求項1乃至11いずれか記載の防振免震装置である。
【0019】
請求項13に係る本発明は、重力方向において互いに異なる位置に配置された少なくとも2個の板状部材と、互いに隣り合う少なくとも2個の前記板状部材の間に、少なくとも3個がそれぞれに配置されていて、少なくとも2個の前記板状部材のうちの重力方向における上方に位置する前記板状部材を重力方向における下側から支持する第1の支持機構と、少なくとも2個の前記板状部材のなかの重力方向において最も下方に位置する前記板状部材を重力方向における下側から支持する少なくとも3個の第2の支持機構と、を有し、前記第1の支持機構と前記第2の支持機構とは、それぞれが、無端状の弾性部材を有し、前記板状部材は、前記弾性部材によって重力方向及び水平方向に移動可能に支持されている防振免震装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る本発明によれば、重力方向の振動及び震動と水平方向の振動及び震動との双方を簡単な機構で抑制することができる防振免震装置を提供することができる。
【0021】
請求項2に係る本発明によれば、弾性部材が載置台に対して回転することができない技術と比較して、載置台の水平方向における振動及び震動を抑制することができる。
【0022】
請求項3に係る本発明によれば、弾性部材が載置台に対して傾斜することができない技術と比較して、載置台の振動及び震動を抑制することができる。
【0023】
請求項4に係る本発明によれば、弾性部材の一部に応力が集中し、弾性部材に塑性変形が生じるとの弊害を生じにくくすることができる。
【0024】
請求項5に係る本発明によれば、弾性部材の振動を制限することができる。
【0025】
請求項6に係る本発明によれば、制振部材を容易に取り付けることができる。
【0026】
請求項7に係る本発明によれば、制振部材を容易に取り付けることができる。
【0027】
請求項8に係る本発明によれば、補助部材を有しない技術と比較して、弾性部材の一部に応力が集中し、弾性部材に塑性変形が生じるとの弊害を生じにくくすることができる。
【0028】
請求項9に係る本発明によれば、弾性部材の一箇所が設置面に接する技術と比較して、載置台を安定した状態で支持することができる。
【0029】
請求項10に係る本発明によれば、全ての弾性部材が同じ方向に配置されている技術と比較して、載置台の水平方向における振動及び震動を抑制することができる。
【0030】
請求項11に係る本発明によれば、荷重が集中する位置近傍に配置された支持機構が有する弾性部材の塑性変形を生じにくくすることができる。
【0031】
請求項12に係る本発明によれば、弾性体を基台に対して摺動しやすくすることができ、基台を有しない技術と比較して、載置台の水平方向における振動及び震動を抑制することができる。
【0032】
請求項13に係る本発明によれば、重力方向の振動及び震動と水平方向の振動及び震動との双方を簡単な機構で抑制することができる防振免震装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び
図2には、本発明の第1の実施形態に係る防振免震装置10が示されている。
図1及び
図2に示すように、防振免震装置10は、載置台20と、例えば4個の支持機構100とを有する。
【0035】
載置台20は、板状であって、載置対象物900が載置される面であって、重力方向において上向きの面である載置面22が例えば正方形である。
【0036】
載置対象物900としては、例えばコンピュータや通信機器に用いられる電子デバイスの回路パターンを形成する露光機、青色レーザを用いた光学測定に使われる光学素子の高精度な形状を読み取る三次元形状測定装置、遺伝子解析などに用いられる電子顕微鏡のように精度が問題となる機器や、土器や仏像等の文化財等を挙げることができる。
【0037】
載置台20は、後述する弾性部材110によって重力方向及び水平方向に移動可能に支持されている。
【0038】
支持機構100は、載置台20の底面24に装着されていて、載置台20を重力方向における下側から支持している。4個の支持機構100は、前側に配置されている2個(
図2における上側の2個)と、後側に配置されている2個(
図2における下側の2個)との向きが異なり、前側の2個と後側の2個とが互いに交わる向きとなるように配置されている。この実施形態においては、4個の支持機構100が設けられているものの、支持機構100は少なくとも3個以上であればよい。
【0039】
図3には、支持機構100が示されている。
図3に示す支持機構100は、正面左側に位置する(
図1における左側の)支持機構100である。この実施形態においては、4個の支持機構100の構成は同一であるものの、4個の支持機構の構成はそれぞれに異なるものであってもよい。例えば、4個の支持機構100のうちの少なくとも一つを後述する各種変形例に置き換えてもよい。
【0040】
図3に示すように、支持機構100は、無端状であって、弾性を有する弾性部材110を有する。弾性部材110の材質としては、例えば鋼等の金属等を用いることができる。弾性部材110は、下側が設置面920に接触し、上側が底面24に接触するようにして載置台20を支持している。
【0041】
弾性部材110は、上述のように載置台20に接触していて、載置台20に対して移動をすることができるように、自在支持部120によって載置台20へと装着され、支持されている。自在支持部120は、弾性部材110を載置台20に対して装着する装着部として用いられている。また、自在支持部120は、中央部側において底面24との間に隙間122を形成するように、両端部側が底面24に対してそれぞれに固定されている。弾性部材110は、隙間122を貫通するようにして自在支持部120により支持されている。
【0042】
自在支持部120に支持されているため、弾性部材110は載置台20に対して左右方向(X軸方向、
図3(A)における矢印a方向)に移動することができる。また、弾性部材110は載置台20に対して前後方向(Z軸方向、
図3(B)における矢印b方向)に移動することができる。このように、弾性部材110は、載置面22に対して平行な2方向であって互いに交わる2方向に移動することができるように、載置台20に対して装着されている。
【0043】
図4には、弾性部材110の動作が説明されている。
図4(A)に矢印cで示すように、弾性部材110は、載置面22と垂直な軸26に対して回転することができるように、載置台20に支持されている。また、
図4(B)に矢印dで示すように、弾性部材110は載置台20の載置面22に対して傾斜する方向に移動可能に支持されている。
【0044】
支持機構100が以上のように構成されているため、防振免震装置10においては、弾性部材110が垂直方向に弾性変形することで載置台20の重力方向における振動及び震動を抑制することができる。また、載置台20が左右方向(X軸方向)に移動する際に、弾性部材110が載置台20に引きずられるように左右方向に移動する(
図3における矢印eを参照)。換言すると、弾性部材110は、設置面920に対して回転可能に接している。弾性部材110が載置台20に引きずられるように左右方向に移動する際に、弾性部材110が弾性変形するため、載置台20の左右方向の振動を抑制することができる。
【0045】
また、弾性部材110が載置台20に対して左右方向と前後方向とに移動することで、載置台20の水平方向の振動を抑制することができる。ここで、載置台20の水平方向の振動を抑制することができる理由は、載置台20の運動が、載置台20の底面24と弾性部材110との間の摩擦で吸収されるためである。
【0046】
図5には、第1の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第1の変形例が示されている。先述の支持機構100においては、弾性部材110は幅が一定であった。これに対して、この第1の変形例では、弾性部材110は、載置台20側の幅が設置面920側の幅よりも広くなるように、弾性部材110の幅が連続的に変化している。
【0047】
この第1の変形例によれば、載置台20が下側へと移動して弾性部材110が弾性変形した際等に、弾性部材110の一部に応力が集中することが抑制することができ、弾性部材110に塑性変形が生じるとの弊害を生じにくくすることができる。
【0048】
図6(A)には、第1の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第2の変形例が示されている。この第2の変形例では、支持機構100は、先述の支持機構100が有する構成に加えて、例えば2つのダンピングシート130を有する。ダンピングシート130は、弾性部材110の振動を制振する制振部材として用いられていて、粘弾性を有し、その材質としては、例えば、ゴム、ゲル、軟質ウレタン、ソルボゼイン(商品名)、ネオフェード(商品名)等を採用することができる。
【0049】
ダンピングシート130は、弾性部材110の内周面112における弾性部材110が湾曲した部分(湾曲部)に、例えば接着する等の方法で装着されている。
【0050】
図6(B)には、第1の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第3の変形例が示されている。この第3の変形例は、第2の変形例におけるダンピングシート130に替えて、例えば、2つのダンピング部材132を有する。ダンピング部材132は、弾性部材110の振動を制振する制振部材として用いられていて、ダンピングシート130と同様に粘弾性を有し、その材質としては、ダンピングシート130と同様に例えば、ゴム、ゲル、軟質ウレタン、ソルボゼイン(商品名)、ネオフェード(商品名)等を採用することができる。
【0051】
ダンピング部材132は、一端部側が弾性部材110の内周面112における一部に接触し、他端部が弾性部材110の内周面112における他の一部に接触するように配置されている。より具体的には、ダンピング部材132は、上端部が内周面112の下向きの面に接触し、下端部が内周面112の上向きの面に接触するように配置されている。
【0052】
以上で説明をしたように、ダンピングシート130を加えたり、ダンピング部材132を加えたりすることで、弾性部材110の振動を抑制することができる。
【0053】
図7には、第1の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第4の変形例が示されている。この第4の変形例では、支持機構100は、先述の支持機構100が有する構成に加えて、補助弾性部材140を有する。補助弾性部材140は、補助部材として用いられていて、弾性を有し、無端状であって、弾性部材110の内周面112側に配置されている。補助弾性部材140の材質としては、弾性部材110と同様に例えば鋼等の金属等を用いることができる。補助弾性部材140は、自在支持部120によって載置台20に装着されている。すなわち、補助弾性部材140と弾性部材110とは一つの共通する部材で載置台20に対して装着されている。
【0054】
この第4の変形例において、載置台20に載置対象物900が載置されると、
図7(A)に示す状態から載置台20が下降し、弾性部材110が弾性的に変形して、
図7(B)に示すように、補助弾性部材140の下端部が弾性部材110の内周面112に接触し、補助弾性部材140が弾性変形する。すなわち、補助弾性部材140は、弾性部材110が弾性変形した際に載置台20を重力方向における下側から支持し、弾性部材110を補助している。
【0055】
以上で説明をしたように、補助弾性部材140を加えることで、弾性部材110を補助することができ、補強することができ、弾性部材110の一部に応力が集中することで弾性部材110に塑性変形が生じてしまうとの弊害を生じにくくすることができる。補助弾性部材140としては、以上で説明をした無端状であるものに換えて、例えばコイルスプリング(不図示)等を用いることができる。
【0056】
図8(A)乃至
図8(H)は、それぞれが防振免震装置10における支持機構100の配置の変形例を示す図である。
図8(A)、
図8(B)に示す変形例においては、第1の実施形態と同様に4個の支持機構100が設けられているのに対して、
図8(C)乃至
図8(G)に示す変形例においては8個の支持機構100が設けられていて、
図8(G)に示す変形例では5個の支持機構100が設けられている。
【0057】
また、
図8(A)乃至
図8(H)に示すいずれの変形例においても、複数の支持機構100は全てが同じ方向を向くように配置されているのではなく、違いに交差する二方向を向く支持機構100が少なくとも2つはあるように配置されている。
【0058】
また、
図8(H)に示す例においては、例えば載置対象物900が載置される位置等に対処して、載置台20に対して加わる荷重が大きい部分近傍が密となるように支持機構100が配置されている。より具体的には、
図8(A)に示す4個の支持機構100に加えて、加わる荷重が大きい箇所近傍に支持機構100Aが追加されている。
【0059】
図9には、本発明の第2の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100が示されている、この支持機構100は、第1の実施形態における支持機構100(
図3を参照)とは、弾性部材110の形状が異なる。すなわち、この実施形態における弾性部材110は、二箇所が設置面920に接する形状を有する。より具体的には、弾性部材110は、内周面112おける一部と、この一部に対向する内周面における他の一部が接触する形状をしている。弾性部材110は、内周面112おける一部と、この一部に対向する内周面における他の一部が接触する形状とすることに替えて、内周面112おける一部と、この一部に対向する内周面における他の一部が接近する形状としてもよい。
【0060】
また、この第2の実施例においては、自在支持部120の構成が、第1の実施形態とは異なる。この第2の実施形態においては、自在支持部120は、支持軸124と、抜止部126とを有し、弾性部材110に形成された貫通孔114に対して支持軸124を貫通させるようにして弾性部材110を支持している。抜止部126は、弾性部材110が支持軸124から下側に向けて抜けることを防止している。
【0061】
以上で説明では、弾性部材110が、二箇所が設置面920に接する形状を有する場合を例として示したものの、弾性部材110は少なくとも二箇所が設置面920に接する形状であればよく、例えば三箇所が設置面920に接する形状であってもよい。
【0062】
図10には、弾性部材110の動作が説明されている。
図10(A)に示すように、貫通孔114の幅及び長さは、支持軸124の外径よりも大きい。このため、弾性部材110は載置台20に対して左右方向(X軸方向、
図10(A)における矢印a方向)に移動することができ、載置台20に対して前後方向(Z軸方向、
図10(B)における矢印b方向)に移動することができる。このように、弾性部材110は、載置面22に対して平行な2方向であって互いに交わる2方向に対して移動することができるように、載置台20に対して装着されている。
【0063】
また、
図10(A)に矢印cで示すように、弾性部材110は、載置面22と垂直な軸26に対して回転することができるように、載置台20に対して装着されている。また、
図10(B)に矢印dで示すように、弾性部材110は載置台20の載置面22に対して傾斜する方向に移動することができるように支持されている。
【0064】
図11には、第2の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第1の変形例が示されている。先述の支持機構100においては、弾性部材110は幅が一定であった。これに対して、この第1の変形例では、弾性部材110は、載置台20側の幅が設置面920側の幅よりも広くなるように、弾性部材110の幅が連続的に変化している。
【0065】
図12(A)には、第2の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第2の変形例が示されている。この第2の変形例では、支持機構100は、先述の支持機構100が有する構成に加えて、例えば2つのダンピングシート130を有する。ダンピングシート130は、先述の第1の実施形態の第2の変形例(
図6(A)を参照)と同等であるため説明を省略する。
【0066】
図12(B)には、第2の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第3の変形例が示されている。この第3の変形例は、第2の変形例におけるダンピングシート130に替えて、例えば、2つのダンピング部材132を有する。ダンピング部材132は、先述の第1の実施形態の第3の変形例(
図6(B)を参照)と同等であるため説明を省略する。
【0067】
図13には、第2の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第4の変形例が示されている。この第4の変形例では、支持機構100は、先述の支持機構100が有する構成に加えて、補助弾性部材140を有する。補助弾性部材140は、補助部材として用いられていて、弾性を有し、無端状であって、弾性部材110の内周面112側に配置されている。
【0068】
また、補助弾性部材140の材質としては、弾性部材110と同様に例えば鋼等の金属等を用いることができる。また、補助弾性部材140は、内周面142おける一部と、この一部に対向する内周面142における他の一部が接触する形状をしている。補助弾性部材140は、内周面142おける一部と、この一部に対向する内周面142における他の一部が接触する形状とすることに替えて、内周面142おける一部と、この一部に対向する内周面142における他の一部が接近する形状としてもよい。
【0069】
補助弾性部材140は、自在支持部120によって載置台20に支持されている。すなわち、補助弾性部材140と弾性部材110とは一つの共通する部材で載置台20に対して支持されている。より具体的には、補助弾性部材140は、補助弾性部材140に形成された貫通孔に対して支持軸124を貫通させるようにして自在支持部120に支持されている。
【0070】
この第4の変形例において、載置台20に載置対象物900が載置されると、
図14(A)に示す状態から載置台20が下降し、弾性部材110が弾性的に変形して、
図14(B)に示すように、補助弾性部材140の下端部における二箇所が弾性部材110の内周面112に接触し、補助弾性部材140が弾性変形する。このように、補助弾性部材140は、弾性部材110が弾性変形した際に載置台20を重力方向における下側から支持し、弾性部材110を補助している。
【0071】
図14には、第2の実施形態に係る防振免震装置10が有する支持機構100の第5の変形例が示されている。先述の第2の実施形態における防振免震装置10(
図9を参照)は、1個の弾性部材110を有していた。これに対して、この第5の変形例では、防振免震装置10は2つの弾性部材110を有している。また、2つの弾性部材110は、互いに交わる方向に配置されている。また、2個の弾性部材110は、両方が1個の自在支持部120に支持されている。
【0072】
以上で説明をした第5の変形例のように支持機構100が2個の弾性部材110を有するように支持機構100を変形することに替えて、3個以上の弾性部材110を支持機構100が有するように支持機構100変形してもよい。
【0073】
図15には、本発明の第3の実施形態に係る防振免震装置10が示されている。この第3の実施形態においては、防振免震装置10は、先述の第1の実施形態に係る防振免震装置10(
図1を参照)が有する構成に加えて、基台210を有している。基台210は設置面920に設置され、支持機構100を重力方向における下側から支持している。
【0074】
基台210は、上側の表面222における摩擦係数が設置面920よりも小さい。このため、基台210を設けることで、載置台20と載置台20に装着された支持機構100とを水平方向の移動しやすくすることができ、防振免震装置10の水平方向における振動を抑制しやすくすることができ、防振免震装置10の水平方向における免震特性を向上させることができる。
【0075】
図16には、本発明の第4の実施形態に係る防振免震装置10が示されている。この第5の実施形態においては、防振免震装置10は、先述の第2の実施形態に係る防振免震装置10(
図9を参照)が有する構成に加えて、基台210を有している。基台210は、先述の第3の実施形態(
図15を参照)と同等であるため説明を省略する。
【0076】
図17には、本発明の第5の実施形態に係る防振免震装置10が示されている。この防振免震装置10は、重力方向において互いに異なる位置に配置された2個の板状部材300、板状部材302を有する。また、防振免震装置10は、互いに隣り合っている板状部材300、板状部材302の間に例えば4個が配置されていて、板状部材300、板状部材302のうちの重力方向における上方に位置する板状部材である板状部材300を重力方向における下側から支持する第1の支持機構320を有する。また、防振免震装置10は、板状部材300、板状部材302のなかの重力方向において最も下方に位置する板状部材である板状部材302を重力方向における下側から支持する例えば4個の第2の支持機構330を有する。
【0077】
第1の支持機構320、第2の支持機構330は、先述の支持機構100と同等の構成であり、第1の実施形態に係る支持機構100や、第2の支持機構に係る支持機構100や、これらの変形例を用いることができ、この実施形態においては、第1の支持機構320、第2の支持機構330として、第2の実施形態に係る支持機構100(
図9を参照)と同等の支持装置を用いている。
【0078】
以上で説明をした例においては、4個の第1の支持機構320を備えているものの、第1の支持機構320は、3個以上であればよい。また、以上で説明をした例においては、4個の第2の支持機構320を備えているものの、第2の支持機構320は、3個以上であればよい。
【0079】
以上で説明をした例においては、防振免震装置10は、重力方向において互いに異なる位置に配置された2個の板状部材300、302を有するものの、板状部材300は少なくとも2個あればよく、重力方向において互いに異なる位置に配置された3個以上の板状部材を有するようにしてもよい。この場合、互いに隣り合う2つの板状部材の間に少なくとも3個の第1の支持機構が設けられる。
【0080】
図18には、本発明の第6に実施形態に係る防振免震装置10が示されている。先述の第5に実施形態においては、第1の支持機構320、第2の支持機構330の双方が、先述の第2の実施形態に係る支持機構100(
図9を参照)と同等の構成であった。これに対して、この第6の実施形態においては、第1の支持機構320が先述の第2の実施形態に係る支持機構100と同等の構成であり、第2の支持機構330が先述の第1の実施形態に係る支持機構100(
図3を参照)と同等の構成である。
【0081】
以上で説明をした第5の実施形態及び第6の実施形態においては、第1の支持機構320、第2の支持機構330がそれぞれに有する弾性体のばね定数が、重力方向における下側に配置された弾性体ほど変形しにくく、重力方向における上側に配置された弾性体ほど変形しやすくなるように定められている。