特開2017-203958(P2017-203958A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-203958(P2017-203958A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】レンズ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20060101AFI20171020BHJP
【FI】
   G02B7/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-97217(P2016-97217)
(22)【出願日】2016年5月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】一橋 秀輔
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044BD13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】落下衝撃時などにフレームの破断およびレンズホルダの歪みを防止することができ、ゴミの発生を抑制することができるレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも1つのレンズを保持可能なレンズホルダ40と、レンズホルダ40の周囲に配置され、レンズホルダ40を、レンズの光軸に沿って、相対移動自在に保持するフレーム60と、を有するレンズ駆動装置である。レンズホルダ40の外周には、フレーム60に向けて突出する少なくとも3つのストッパ用凸部47aが形成してあり、フレーム60には、それぞれのストッパ用凸部47aが収容されるストッパ用凹部66aが、ストッパ用凸部47aに対応して形成してある。ストッパ用凸部47aの第1凸部端面47a1と凸部側面47a3との凸部交差角部47a4には、面取り部またはR曲面部が成形してある。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのレンズを保持可能なレンズホルダと、
前記レンズホルダの周囲に配置され、前記レンズホルダを、前記レンズの光軸に沿って、相対移動自在に保持するフレームと、
前記レンズホルダを、前記光軸に沿って、前記フレームに対して相対移動させる光軸方向駆動部と、を有するレンズ駆動装置であって、
前記レンズホルダの外周には、前記フレームに向けて突出する少なくとも3つのストッパ用凸部が形成してあり、
前記フレームには、それぞれの前記ストッパ用凸部が収容されるストッパ用凹部が、前記ストッパ用凸部に対応して形成してあり、
前記ストッパ用凹部には、前記ストッパ用凸部の前記光軸の方向の第1凸部端面が面接触可能な凹部底面と、前記ストッパ用凸部の第1凸部端面に交差する凸部側面が面接触可能な凹部側面とが形成してあり、
前記第1凸部端面と前記凸部側面との凸部交差角部には、面取り部またはR曲面部が成形してあり、前記凹部底面と前記凹部側面との凹部交差角部には、前記凸部交差角部が接触しないように構成してあるレンズ駆動装置。
【請求項2】
前記フレームには、前記光軸方向駆動部の一部を構成する磁石部品が配置してあり、
前記第1凸部端面と前記光軸の方向の反対側に位置する前記ストッパ用凸部の第2凸部端面が、前記磁石部品の前記光軸の方向の端面に、面接触可能となるように、前記磁石部品が前記フレームに取り付けられ、
前記ストッパ用凸部は、前記凹部底面と前記磁石部品との間で前記光軸の方向に移動可能に、前記ストッパ用凹部の中に挿入してある請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項3】
前記フレームは、多角形リング形状を有し、前記ストッパ用凹部は、前記多角形リング形状の辺の位置に形成してある請求項2に記載のレンズ駆動装置。
【請求項4】
前記フレームは、ケースにより覆われており、
前記第1凸部端面と前記光軸の方向の反対側に位置する前記ストッパ用凸部の第2凸部端面が、前記ケースの前記光軸の方向の内面に、面接触可能となるように、前記ストッパ用凹部が前記光軸の方向に開口してあり、
前記ストッパ用凸部は、前記凹部底面と前記ケースの内面との間で前記光軸の方向に移動可能に、前記ストッパ用凹部の中に挿入してある請求項1に記載のレンズ駆動装置。
【請求項5】
前記フレームは、多角形リング形状を有し、前記ストッパ用凹部は、前記多角形リング形状の角の位置に形成してある請求項4に記載のレンズ駆動装置。
【請求項6】
前記ストッパ用凸部には、肉厚部が形成してある請求項1〜5のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
【請求項7】
前記肉厚部は、前記フレームと接触しない位置で、前記第1凸部端面と同じ側に形成してある請求項6に記載のレンズ駆動装置。
【請求項8】
前記肉厚部は、前記光軸の中心に向けて前記光軸の方向の厚みが徐々に厚くなっている請求項6または7に記載のレンズ駆動装置。
【請求項9】
少なくとも1つのレンズを保持可能なレンズホルダと、
前記レンズホルダの周囲に配置され、前記レンズホルダを、前記レンズの光軸に沿って、相対移動自在に保持するフレームと、
前記レンズホルダを、前記光軸に沿って、前記フレームに対して相対移動させる光軸方向駆動部と、を有するレンズ駆動装置であって、
前記レンズホルダの外周には、前記フレームに向けて突出する少なくとも3つのストッパ用凸部が形成してあり、
前記フレームには、それぞれの前記ストッパ用凸部が収容されるストッパ用凹部が、前記ストッパ用凸部に対応して形成してあり、
前記ストッパ用凹部には、前記ストッパ用凸部の前記光軸の方向の第1凸部端面が面接触可能な凹部底面と、前記ストッパ用凸部の第1凸部端面に交差する凸部側面が面接触可能な凹部側面とが形成してあり、
前記凹部底面と前記凹部側面との凹部交差角部には、前記第1凸部端面と前記凸部側面との凸部交差角部が接触しないように、逃げ部が形成してあるレンズ駆動装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば携帯電話のカメラモジュールなどに好適に用いられるレンズ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話のカメラモジュール等に好適に用いられるレンズ駆動装置では、レンズを保持するレンズホルダを、フレームに対して光軸方向に移動させてオートフォーカス動作を行う装置が開発されている。
【0003】
従来の装置では、フレームに対するレンズホルダの軸方向移動を制限するために、レンズホルダの外周部にストッパ用凸部を設けることが提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、従来の装置では、上方向移動制限用と下方向移動制限用との二種類のストッパ用凸部が設けられており、円周方向に、合計で8個の凸部が設けられ、小型化が困難であるという課題を有する。さらに、レンズ駆動装置を含む装置を落下してしまった場合などに、ストッパ用凸部の角部がフレームの凹部に衝突し、角部が欠けやすく、ゴミなどが生じやすいという課題もある。さらに、従来の装置では、落下衝撃などによるフレームの破断およびレンズホルダの歪みが発生しやすいという課題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−232682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、落下衝撃などによるフレームの破断およびレンズホルダの歪みを防止することができ、ゴミの発生を抑制することができるレンズ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るレンズ駆動装置は、
少なくとも1つのレンズを保持可能なレンズホルダと、
前記レンズホルダの周囲に配置され、前記レンズホルダを、前記レンズの光軸に沿って、相対移動自在に保持するフレームと、
前記レンズホルダを、前記光軸に沿って、前記フレームに対して相対移動させる光軸方向駆動部と、を有するレンズ駆動装置であって、
前記レンズホルダの外周には、前記フレームに向けて突出する少なくとも3つのストッパ用凸部が形成してあり、
前記フレームには、それぞれの前記ストッパ用凸部が収容されるストッパ用凹部が、前記ストッパ用凸部に対応して形成してあり、
前記ストッパ用凹部には、前記ストッパ用凸部の前記光軸の方向の第1凸部端面が面接触可能な凹部底面と、前記ストッパ用凸部の第1凸部端面に交差する凸部側面が面接触可能な凹部側面とが形成してあり、
前記第1凸部端面と前記凸部側面との凸部交差角部には、面取り部またはR曲面部が成形してあり、前記凹部底面と前記凹部側面との凹部交差角部には、前記凸部交差角部が接触しないように構成してある。
【0008】
本発明の第1の観点に係るレンズ駆動装置では、ストッパ用凸部の凸部交差角部には、面取り部またはR曲面部が成形してある。そのため、凹部底面と凹部側面との凹部交差角部には、凸部交差角部が接触しない。したがって、仮にレンズ駆動装置を含む装置を落下してしまった場合などでも、ストッパ用凸部の角部がフレームの凹部に衝突せず、角部が欠け難く、ゴミなどが生じ難い。また、本発明の第1の観点に係るレンズ駆動装置では、落下時などでは、ストッパ用凸部の面とストッパ用凹部の面との面同士が衝突するのみであり、落下衝撃などによるフレームの破断およびレンズホルダの歪みが発生し難い。
【0009】
前記フレームには、前記光軸方向駆動部の一部を構成する磁石部品が配置してあってもよく、
前記第1凸部端面と前記光軸の方向の反対側に位置する前記ストッパ用凸部の第2凸部端面が、前記磁石部品の前記光軸の方向の端面に、面接触可能となるように、前記磁石部品が前記フレームに取り付けられてもよく、
前記ストッパ用凸部は、前記凹部底面と前記磁石部品との間で前記光軸の方向に移動可能に、前記ストッパ用凹部の中に挿入してあってもよい。
【0010】
このような構成にすることで、部品点数を増大させることなく、フレームに対するレンズホルダの光軸方向の移動範囲を有効に制限することができ、装置の小型化にも寄与する。
【0011】
前記フレームは、多角形リング形状を有し、前記ストッパ用凹部は、前記多角形リング形状(たとえば四角形リング形状)の辺の位置に形成してあってもよい。この場合には、多角形リング形状(たとえば四角形)の角の位置に、ICチップなどを配置することが可能になる。
【0012】
前記フレームは、ケースにより覆われていることが好ましく、
前記第1凸部端面と前記光軸の方向の反対側に位置する前記ストッパ用凸部の第2凸部端面が、前記ケースの前記光軸の方向の内面に、面接触可能となるように、前記ストッパ用凹部が前記光軸の方向に開口してあってもよく、
前記ストッパ用凸部は、前記凹部底面と前記ケースの内面との間で前記光軸の方向に移動可能に、前記ストッパ用凹部の中に挿入してあってもよい。
【0013】
このように構成することでも、部品点数を増大させることなく、フレームに対するレンズホルダの光軸方向の移動範囲を有効に制限することができ、装置の小型化にも寄与する。
【0014】
前記フレームは、多角形リング形状を有し、前記ストッパ用凹部は、前記多角形リング形状(たとえば四角形リング形状)の角の位置に形成してあってもよい。このように構成することで、角の位置を有効に利用することができ、装置の小型化に寄与する。
【0015】
前記ストッパ用凸部には、肉厚部が形成してあってもよい。肉厚部を形成することで、ストッパ用凸部の強度が補強される。
【0016】
前記肉厚部は、前記フレームと接触しない位置で、前記第1凸部端面と同じ側に形成してあってもよい。また、前記肉厚部は、前記光軸の中心に向けて前記光軸の方向の厚みが徐々に厚くなっていてもよい。このように構成することで、補強機能が向上する。
【0017】
本発明の第2の観点に係るレンズ駆動装置は、
少なくとも1つのレンズを保持可能なレンズホルダと、
前記レンズホルダの周囲に配置され、前記レンズホルダを、前記レンズの光軸に沿って、相対移動自在に保持するフレームと、
前記レンズホルダを、前記光軸に沿って、前記フレームに対して相対移動させる光軸方向駆動部と、を有するレンズ駆動装置であって、
前記レンズホルダの外周には、前記フレームに向けて突出する少なくとも3つのストッパ用凸部が形成してあり、
前記フレームには、それぞれの前記ストッパ用凸部が収容されるストッパ用凹部が、前記ストッパ用凸部に対応して形成してあり、
前記ストッパ用凹部には、前記ストッパ用凸部の前記光軸の方向の第1凸部端面が面接触可能な凹部底面と、前記ストッパ用凸部の第1凸部端面に交差する凸部側面が面接触可能な凹部側面とが形成してあり、
前記凹部底面と前記凹部側面との凹部交差角部には、前記第1凸部端面と前記凸部側面との凸部交差角部が接触しないように、逃げ部が形成してある。
【0018】
本発明の第2の観点に係るレンズ駆動装置では、ストッパ用凹部の凹部交差角部には、凸部交差角部が衝突しないように、逃げ部が形成してある。そのため、凹部交差角部には、凸部交差角部が接触しない。したがって、仮にレンズ駆動装置を含む装置を落下してしまった場合などでも、ストッパ用凸部の角部がフレームの凹部に衝突せず、角部が欠け難く、ゴミなどが生じ難い。また、本発明の第2の観点に係るレンズ駆動装置では、落下時などでは、ストッパ用凸部の面とストッパ用凹部の面との面同士が衝突するのみであり、落下衝撃などによるフレームの破断およびレンズホルダの歪みが発生し難い。
【0019】
本発明のレンズ駆動装置は、
前記レンズホルダを、前記レンズの光軸に沿って、フレームに対して相対移動可能に保持する弾性部材と、
前記光軸に交差する方向に沿って、前記フレームを、固定部に対して移動可能に支持するように、前記弾性部材と前記固定部とを連結している支持部と、
前記光軸に交差する方向に沿って、前記フレームを、前記固定部に対して移動させる交差方向駆動部と、をさらに有してもよい。
【0020】
前記弾性部材は、
前記レンズホルダに取り付けられるホルダ取付部と、
前記フレームに取り付けられるフレーム取付部と、
前記支持部に取り付けられる支持取付部と、を有し、
前記フレーム取付部と前記支持取付部との間に位置する前記弾性部材の一部と、前記フレームとの間に、隙間が形成してあり、
前記隙間に振動吸収部材が配置してあってもよい。
【0021】
このように構成してあるレンズ駆動装置では、弾性部材と振動吸収部材が協同作用して、可動部であるフレームが光軸方向に振動することを有効に防止することができる。その結果、AF駆動の周波数特性で共振点(たとえば300Hz付近)が発生するおそれを未然に防止することができる。そのため、特に動画撮影時に、撮影者が動いたりしても、フォーカスのズレなどを有効に防止することができる。しかも、共振抑制効果により、ブレ補正方向の共振抑制効果が向上する。加えて、振動吸収部材が配置してある位置で、弾性部材の一部とフレームとの間の隙間が、振動吸収部材のための溜まり部となり、振動吸収部材が隙間から脱落することがない。
【0022】
振動吸収部材は、支持取付部から離れて、フレームの外形形状に沿って配置してあってもよい。このように構成することで、可動部が光軸方向に振動することをさらに有効に防止することができる。
【0023】
たとえばフレームは略四角リング形状であり、
振動吸収部材は、それぞれフレームの4つの角部近くで、支持取付部から離れて、フレームの外形形状に沿って、それぞれ2箇所以上に配置してあってもよい。このように構成することで、可動部であるフレームが光軸方向に振動することをさらに有効に防止することができる。
【0024】
たとえば弾性部材は、フレームの4つの角部に、それぞれ分離絶縁されて配置してあってもよい。そのように構成することで、たとえば導電性部材からなる4つの支持部と、導電性部材からなる4つの弾性部材とを用いて、固定部からレンズホルダに向かう4つの導電経路を形成することができる。
【0025】
たとえば弾性部材の支持取付部は、フレームの外側に配置されるように、フレームには、切欠き部が形成してあってもよい。このように構成することで、フレームのサイズを小型に保ったまま、たとえばサスペンションワイヤで構成された支持部の先端と弾性部材との接続が容易になる。また、フレームの光軸と交差する方向の動きを、よりスムーズにすることができる。
【0026】
たとえばフレームには、隙間を形成するために光軸方向に凹んでいる第1段差面が形成してあり、第1段差面と弾性部材との間の隙間に、振動吸収部材が配置してある。このように構成することで、振動吸収部材の充填が容易になり、いったん充填された振動吸収部材は、そこからは容易には外れなくなる。
【0027】
たとえばフレームの外側には、固定部に固定されるケースが配置してあり、
フレームの相対移動によりフレームがケースの内面と接触する可能性があるフレームの外面から、光軸と略垂直方向に凹んだ第2段差面がフレームに形成してあり、
振動吸収部材が接触するフレームの接触表面が、第2段差面よりも内側に配置してある。
【0028】
このように構成することで、振動吸収部材が接触するフレームの接触表面が、第2段差面よりも内側に配置してあることから、フレームが光軸と交差する方向にケースの内部で移動してケースの内周面に接触しても、振動吸収部材がケースの内周面に接触するおそれがなく、振動吸収部材が所定位置からケース内周面に垂れたり剥がれ落ちたりするおそれが少ない。
【0029】
たとえば隙間に配置される振動吸収部材が接触する弾性部材の第1面と反対側に位置する弾性部材の第2面にも、振動吸収部材が接触していてもよい。このように構成することで、弾性部材は、第1面と第2面の両面から振動吸収部材に接触するため、振動抑制効果がさらに高められる。
【0030】
たとえば振動吸収部材が第1面と第2面との両方で接触する弾性部材の一部には、これらの第1面と第2面とを貫通する貫通孔が形成してあることが好ましい。このように構成することで、貫通孔を通しての振動吸収部材の充填が容易になり、しかも、弾性部材の両面に振動吸収部材を配置することが容易になる。
【0031】
たとえば弾性部材に形成してある支持取付部は、内側にU字形状に凹んだ形状を有していてもよい。そのように構成することで、たとえばサスペンションワイヤなどで構成される支持部の先端を、U字形の凹みを通して容易に弾性部材の支持取付部に取り付けることが可能になる。
【0032】
たとえば支持取付部は、フレーム取付部から連続する一対のアーム部の交差部に形成してあり、
アーム部は、それぞれ振動吸収部材に接触しない部分を有し、
これらのアーム部の交差部とは別に、これらのアーム部をブリッジするブリッジ部が弾性部材に形成してあってもよい。
【0033】
このように構成することで、アーム部に集中しようとする応力を、ブリッジ部に分散することができ、支持取付部の強度を向上させることができ、サスペンションワイヤなどで構成される支持部の先端が、弾性部材の支持取付部から外れることを有効に防止することができる。
【0034】
たとえばフレーム取付部から支持取付部に向かう弾性部材の途中位置において、弾性部材の幅が小さくなる部分を有してもよい。このように構成することで、弾性力が向上し、サスペンションワイヤなどで構成される支持部の座屈を有効に防止することができる。
【0035】
たとえば支持取付部には舌部が形成してあり、前記舌部の少なくとも一部と前記フレームとの間に、前記振動吸収部材が配置してあってもよい。このように構成することで共振抑制効果が向上し、特にブレ補正方向の共振抑制効果が向上する。また、前記舌部は、前記支持取付部から前記光軸に向けて突出するように構成してあってもよい。このように構成することで、弾性部材の一部に干渉することなく、舌部の一部が振動吸収部材を介してフレームに接触することになり、共振抑制効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A図1Aは本発明の一実施形態に係るレンズ駆動装置の全体斜視図である。
図1B図1B図1Aに示すケースを除いたレンズ駆動装置の内部を示す全体斜視図である。
図1C図1C図1Bに示すケースを除いたレンズ駆動装置の異なる角度から見た全体斜視図である。
図1D図1D図1Cに示すフレームの後面と台座との間に充填されるダンパー材の詳細を示す部分拡大概略図である。
図1E図1E(A)〜図1E(C)は第1ダンパー材の変形例を示す部分拡大概略図である。
図1F図1F図1Bに示す前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分斜視図である。
図1G図1G図1Fに示す前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続 部の詳細を示す部分平面図である。
図1H図1H図1Fに示す前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分側面図である。
図1I図1Iは本発明の他の実施形態に係るレンズ駆動装置に用いられる前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分斜視図である。
図1J図1J図1Iに示す前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分平面図である。
図1K図1Kは本発明のさらに他の実施形態に係るレンズ駆動装置に用いられる前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分斜視図である。
図1L図1L図1Kに示す前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分平面図である。
図1M図1Mは本発明のさらに他の実施形態に係るレンズ駆動装置に用いられる前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分斜視図である。
図1N図1N図1Mに示す前方スプリングのサスペンションワイヤとの接続部の詳細を示す部分平面図である。
図2図2図1Aに示すケースを除いたレンズ駆動装置の分解斜視図である。
図3A図3A図2に示すレンズホルダの斜視図である。
図3B図3B図3Aに示すレンズホルダの異なる角度からの斜視図である。
図4A図4A図2に示すフレームの斜視図である。
図4B図4B図4Aに示すフレームを異なる角度で見た斜視図である。
図4C図4C図2に示すフレームとレンズホルダとが組み合わされた斜視図である。
図4D図4D図4Cに示すフレームおよびレンズホルダの要部を部分的に拡大した図である。
図4E図4E図4Cに示すフレームのみの要部を部分的に拡大した図である。
図5図5(A)は図2に示すベース部の上に回路基板および駆動コイルを配置した平面図、図5(B)は図5(A)に示す第1駆動コイルの平面図、図5(C)は図5(A)に示す第2駆動コイルの平面図である。
図6A図6A図5(A)に示すベース部の上に回路基板および駆動コイルを配置した部分組み立て図の斜視図である。
図6B図6B図5(A)の拡大平面図であり、レンズと開口部との関係を示す。
図7図7図6Bに示すVII−VII線に沿う断面図であり、図6Bに示す部分組み立て図のZ軸方向の上部にフレームとレンズホルダも組み合わせてある断面図である。
図8図8図7のVIII−VIII線に沿う要部断面図である。
図9図9は本発明の他の実施形態に係るレンズ駆動装置におけるフレームとレンズホルダとを組み合わせた平面図である。
図10図10図9のX−X線に沿う要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0038】
第1実施形態
図1Aに示すように、本発明の一実施形態に係るレンズ駆動装置2は、固定部としてのベース部10とケース11とを有する。ベース部10とケース11とは、ケース11のZ軸方向の後部開放端において接合されている。ケース11の内部には、図1Bおよび図2に示すように、ベース部10のZ軸方向の前方に向けて、FPCなどで構成される回路基板20、レンズホルダ40およびフレーム60が配置してある。レンズホルダ40およびフレーム60は、固定部に対するブレ補正用可動部を構成する。
【0039】
回路基板20には、その中央部に、表裏面を貫通する基板開口部22が形成してある。基板開口部22には、ベース部10の中央部に形成してある筒状凸部14が挿入されるようになっている。筒状凸部14は、ベース開口部12の開口縁を構成している。回路基板20の表面(前面)には、ブレ補正用コイル30が基板開口部22の周囲に沿って装着される。なお、回路基板20は、ベース部10と一体化されて固定部の一部を構成する。
【0040】
ブレ補正用コイル30は、後述する第1駆動軸を構成する一対の第1駆動コイル30aと、第1駆動軸に略直角に交差する第2駆動軸を構成する一対の第2駆動コイル30bとを有する。これらの駆動コイル30a,30bは、回路基板20の表面に接着剤などで固定される。
【0041】
回路基板20は、全体としては矩形板形状であり、矩形の外形の一辺に、外部回路との接続を行うためのコネクタ部23が形成してある。なお、全ての図面において、レンズホルダ40の内周面48に保持可能なレンズ100(図7参照)の光軸に平行な方向をZ軸とし、光軸に垂直な方向(交差する方向の一例)をX軸方向およびY軸方向として説明を行う。
【0042】
なお、X軸、Y軸、Z軸は、相互に垂直になっている。本実施形態では、X軸が第1駆動軸と一致し、Y軸が第2駆動軸と一致する。また、Z軸に沿った前面または前方とは、図2および図7において、上方向を意味し、レンズに対して被写体側を意味する。また、Z軸に沿った後面または後方とは、図2および図7において、下方向を意味し、レンズに対して撮像素子側を意味する。
【0043】
図2に示すように、ベース部10は、ベース板本体10aと、そのベース板本体10aの四隅にそれぞれ取り付けられるワイヤ後端取付片10bとから成る。各ワイヤ後端取付片10bには、単一のサスペンションワイヤ16の後端が取り付けてある。支持部としてのサスペンションワイヤ16は、それぞれベース部10の四隅部分から、回路基板20の四隅部分を貫通してZ軸方向の前方(図2の上方)に向けて延びている。
【0044】
図2に示すレンズホルダ40の前面42には、前方スプリング90のホルダ取付部93a〜93dが取り付けられて固定される。レンズホルダ40の外周面47の周方向一部には、センサ部品41が取り付けられる。センサ部品41は、たとえばホール素子(ホール磁石)との相対移動を検出して、フレーム60に対するレンズホルダ40のZ軸方向の相対位置を検出するホールIC部品などで構成される。センサ部品41に対応するフレーム60の内面には、図示省略してあるホール磁石が装着してある。
【0045】
本実施形態では、センサ部品41がレンズホルダ40に装着してあるために、フレーム60に対するレンズホルダ40のZ軸方向位置を、リアルタイムで正確に検出することが可能になり、その検出結果に基づき、レンズホルダ40をZ軸方向に駆動するため、正確で素早いAF動作を実現することができる。なお、このような制御では、特にフレーム60がZ軸方向に共振してしまうと、センサ部品41での検出信号に基づき、レンズホルダ40が駆動されるため、振動が増大するおそれがある。本実施形態では、後述する振動吸収部材70c単独(または70bとの協同作用、あるいは70aとの協同作用)により、そのような事態を有効に防止することができる。
【0046】
弾性部材としての前方スプリング90は、図1Bおよび図2に示すように、相互に分離されて絶縁してある4つの板状の分割板バネ90a〜90dで構成してある。各分割板バネ90a〜90dは、サスペンションワイヤ16の前端が取り付けられるワイヤ取付部(支持取付部)92a〜92dを有する。サスペンションワイヤ16および分割板バネ90a〜90dは、それぞれ金属などの導電性材料で構成してあり、これらは、それぞれ電気的導通が可能になっている。
【0047】
サスペンションワイヤ16は、それぞれX軸およびY軸を含む駆動平面に沿って自由に撓み弾性変形可能になっている。なお、サスペンションワイヤ16は、過大な力が加わった場合には、Z軸方向にも弾性変形可能であるが、通常のレンズ駆動動作においては、サスペンションワイヤ16は、それぞれX軸およびY軸を含む駆動平面に沿って自由に撓み弾性変形する。サスペンションワイヤ16の前端が各分割板バネ90a〜90dの各ワイヤ取付部92a〜92dに接続しやすいように、図4Aにも示すように、フレーム60の4つの角部には、それぞれ切欠き部62が設けられている。
【0048】
各分割板バネ90a〜90dは、ワイヤ取付部92a〜92dに連続して、フレーム取付部94a〜94dを有する。各フレーム取付部94a〜94dは、たとえば図4Aに示す四角リング形状のフレーム60の前面64に位置する4つの角部に取り付けられて固定される。フレーム60自体は、プラスチックなどの絶縁材料で構成してある。
【0049】
図4Aに示すように、フレーム60の角部に位置する前面64には、取付用凸部65が好ましくは複数形成してある。各取付用凸部65は、図1Bおよび図2に示す分割板バネ90a〜90dのフレーム取付部94a〜94dに形成してある嵌合孔に嵌合して、分割板バネ90a〜90dをフレーム60に位置決めして固定する。各分割板バネ90a〜90dの背面は、フレーム60の角部に位置する前面64に密着して固定される。密着して固定する際に、接着剤を用いても良い。
【0050】
各分割板バネ90a〜90dのフレーム取付部94a〜94dには、蛇行部95a〜95dを介してホルダ取付部93a〜93dがそれぞれ形成してある。ホルダ取付部93a〜93dには、それぞれ嵌合孔が形成してあり、嵌合孔が、図3Aにも示すレンズホルダ40の前面42に周方向に沿って略均等に形成してある取付用凸部43a〜43dに嵌合する。
【0051】
すなわち、蛇行部95a〜95dが弾性変形することで、前方スプリング90は、その内周端に形成してあるホルダ取付部93a〜93dにより、レンズホルダ40を、フレーム60に対して、光軸方向であるZ軸方向に移動自在に保持している。
【0052】
また、前方スプリング90の各分割板バネ90a〜90dは、それぞれ別々のサスペンションワイヤ16に接続してあると共に、レンズホルダ40の前面に形成してある配線パターンに接続するようになっている。そのため、サスペンションワイヤ16および前方スプリング90を通して、レンズホルダ40に保持してあるフォーカス用コイル46に駆動電流を供給すると共に、センサ部品41で検出された検出信号を回路基板20に伝達可能になっている。各サスペンションワイヤ16は、回路基板20の配線パターンに電気的に接続可能になっている。すなわち、導電性部材からなる4つのサスペンションワイヤ16と、導電性部材からなる4つの分割板バネ90a〜90dとを用いて、固定部である回路基板20からレンズホルダ40に向かう4つの導電経路を形成することができる。
【0053】
図3Bに示すように、レンズホルダ40の後面45には、円弧状の板バネ取付部44a,44bが形成してある。また、レンズホルダ40の外周面47の後ろ側には、段差部49が形成してある。段差部49には、図2に示す四角リング形状のフォーカス用コイル46が固定される。
【0054】
図2に示すように、後方スプリング50は、一対の分割板バネ50a,50bで構成してある。各分割板バネ50a,50bには、それぞれの内周部に、円弧状のホルダ取付部54a,54bが形成してある。各ホルダ取付部54a,54bは、図3Bに示す板バネ取付部44a,44bに固定される。後方スプリング50を板バネ取付部44a,44bに固定するための手段としては、特に限定されず、嵌合による固定や接着剤などによる固定などが例示される。
【0055】
図2に示すように、後方スプリング50の各分割板バネ50a,50bには、ホルダ取付部54a,54bの両端部に連続して、蛇行部55a,55bが形成してあり、蛇行部55a,55bの外周側には、フレーム取付部52a,52bが連続して形成してある。各フレーム取付部52a,52bは、フレーム60の角部後面68に嵌合して固定される。
【0056】
すなわち、後方スプリング50は、前方スプリング90と同様に、蛇行部55a〜55dが弾性変形することで、内周端に形成してあるホルダ取付部54a〜54dにより、レンズホルダ40を、フレーム60に対して、光軸方向であるZ軸方向に移動自在に保持している。ただし、後方スプリング50は、前方スプリング90と異なり、電気的導通経路の機能を持たせる必要はない。
【0057】
図4Aおよび図4Bにも示すように、四角リング形状のフレーム60のZ軸方向の後ろ側には、磁石取付凹部66が、四角の4辺に沿って形成してある。磁石取付凹部66には、図2および図7に示すように、磁性体板61を介して兼用磁石80が固定してある。なお、磁性体板61は、磁石80を含む磁石部品の一部を構成するが、必ずしも装着しなくてもよく、磁石部品は、磁石80単独で構成されていてもよい。
【0058】
図7に示すように、兼用磁石80の後面とブレ補正用コイル30の前面との間には、隙間(駆動用隙間)が形成されるように、フレーム60は、サスペンションワイヤ16によりベース部10に保持してある。フレーム60は、ベース部10に対してX軸およびY軸を含む駆動平面に沿って移動自在に保持してある。
【0059】
フレーム60には、図2に示す前方スプリング90および後方スプリング50を介してレンズホルダ40がZ軸方向に移動自在に保持してあるため、フレーム60と共に、レンズホルダ40も、ベース部10に対してX軸およびY軸を含む駆動平面に沿って移動する。
【0060】
ブレ補正用コイル30に駆動電流を流すことで、コイル30と兼用磁石80との協同作用により、兼用磁石80には、光軸と垂直方向の力が作用する。そのため、ベース部10に対して、フレーム60をレンズホルダ40と共に、X軸およびY軸を含む駆動平面に沿って移動させることができる。レンズホルダ40と共にレンズ100を駆動平面に沿って移動させることで、ブレ補正動作を行うことができる。
【0061】
また、兼用磁石80の内周面とフォーカス用コイル46の外周面との間には、隙間が形成されるように、レンズホルダ40は、スプリング90および50(図2参照)を介してフレーム60に保持してある。フォーカス用コイル46に駆動電流を流すことで、コイル46と兼用磁石80との協同作用(VCM作用)により、コイル46には、光軸方向の力が作用する。そのため、フレーム60に対して、レンズホルダ40をレンズ100と共に、光軸方向の前後に移動させることができる。レンズ100をレンズホルダ40と共に、フレーム60に対して光軸方向に移動させることで、オートフォーカス(AF)動作を行うことができる。
【0062】
本実施形態では、兼用磁石80が、AF制御用マグネットとブレ補正制御用マグネットを兼ねることにより、部品点数を削減することができ、簡単な構成でAF制御とブレ補正制御を行うことが可能となる。しかも、レンズ駆動装置2の小型化にも貢献することができる。
【0063】
なお、レンズ100は、複数のレンズ群から構成されていてもよいが、本実施形態では、説明を簡単にするために、1個のレンズで構成されるものとして説明を行う。
【0064】
図6Aおよび図6Bに示すように、ブレ補正用コイル30は、X軸方向に沿って開口部12を挟んで向き合う一対の第1駆動コイル30a,30aと、Y軸方向に沿って開口部12を挟んで向き合う一対の第2駆動コイル30b,30bと、から成る。これらの駆動コイル30a,30bは、全体として四角板形状の回路基板20の前面に、筒状凸部14を囲むように、回路基板20の各辺に沿って平行に配置してある。
【0065】
X軸に沿って相互に向かい合っている第1駆動コイル30a,30aのY軸方向の配置位置は、多少位置ズレしており、Y軸に沿って相互に向かい合っている第2駆動コイル30b,30bのX軸方向の配置位置も、多少位置ズレしている。このように、駆動コイル30a,30bを、周方向に沿って同じ方向に位置ずれさせるのは、回路基板20の四隅部に、位置センサ18a,18bおよびダンパー台(台座)24などを装着し易くすると共に、サスペンションワイヤ16の貫通孔などを形成しやすくするためである。
【0066】
位置センサ18aは、たとえばホールセンサで構成され、一方の第1駆動コイル30aと共に、図2に示す兼用磁石80の一方の第1駆動磁石80aの後面に所定間隔で向き合い、第1駆動磁石80aのX軸方向の移動位置を検出可能になっている。また、位置センサ18bは、たとえばホールセンサで構成され、一方の第2駆動コイル30bと共に、図2に示す兼用磁石80の一方の第2駆動磁石80bの後面に所定間隔で向き合い、第2駆動磁石80bのY軸方向の移動位置を検出可能になっている。これらのセンサ18a,18bは、回路基板20の配線パターンに電気的に接続してある。
【0067】
本実施形態では、第1駆動コイル30aと第1駆動磁石80aとが、Z軸方向に沿って所定間隔(駆動用隙間)で向き合うように配置され、ブレ補正のための第1駆動部(第1VCM)を構成し、第2駆動コイル30bと第2駆動磁石80bとが、Z軸方向に沿って所定間隔(駆動用隙間)で向き合うように配置され、ブレ補正のための第2駆動部(第2VCM)を構成する。第1駆動部の第1駆動軸がX軸であり、第2駆動部の第2駆動軸がY軸である。第1駆動部と第2駆動部で交差方向駆動部を構成する。
【0068】
図6Aおよび図6Bに示すダンパー台(台座)24は、回路基板20の四隅部に各々接着剤あるいはロー付けなどの手段で固定してある。ダンパー台24は、たとえばセラミック電子部品などのチップ部品などで構成される。
【0069】
図1Cおよび図1Dに示すように、ダンパー台24の前面と、フレーム60の角部後面68または後面凸部69との間には、隙間幅W1の隙間(第1ダンパー用隙間)が形成してあり、その第1ダンパー用隙間に、ゲル状の第1ダンパー材(振動吸収部材)70aが両者に密着するように介在させてある。隙間幅W1は、兼用磁石80とブレ補正用コイル30との間の隙間(駆動用隙間)の幅W0よりも大きくしてあり、具体的には、0.1〜0.4mm程度が好ましい。
【0070】
第1ダンパー材70aは、たとえば軟質ゲル材や軟質接着剤などの振動吸収材料などで構成される。第1ダンパー材70aは、フレーム60が、ベース10および回路基板20に対して、X軸およびY軸を含む駆動平面に沿って移動する際のダンパーとして機能し、振動を抑制する効果が期待できる。第1ダンパー材70aを紫外線硬化樹脂などで構成する場合には、第1ダンパー材70aの粘性は、たとえば10〜100Pa・sであるが、特に限定されない。
【0071】
図1E(A)に示すように、本実施形態では、ダンパー台24の上面での第1ダンパー材70aの接触面積が、フレーム60の角部後面68または後面凸部69の下面での第1ダンパー材70aの接触面積よりも大きくなっていることが好ましい。または、図1E(C)に示すように、ダンパー台24の上面での第1ダンパー材70aの接触面積が、フレーム60の角部後面68または後面凸部69の下面での第1ダンパー材70aの接触面積と略等しくても良い。しかしながら、図1E(B)に示すように、ダンパー台24の上面での第1ダンパー材70aの接触面積が、フレーム60の角部後面68または後面凸部69の下面での第1ダンパー材70aの接触面積よりも小さくても良い。
【0072】
本実施形態では、第1ダンパー材70aを、磁石80とコイル30との間ではなく、ダンパー台24とフレーム60の角部後面68との間、またはダンパー台24とフレーム60の後面凸部69との間に介在させている。しかも、隙間幅W1がW0よりも大きい。このために、本実施形態では、レンズ駆動装置2を含む携帯機器などが落下するなどの衝撃が加わったとしても、磁石80とコイル30とが衝突することでストッパ作用が機能する。そのため、第1ダンパー材70aがダンパー台24とフレーム60の角部後面68との間、またはダンパー台24とフレーム60の後面凸部69との間に、第1ダンパー材70aが保持される状態を維持することができ、衝撃後にもダンパー特性を良好に維持することができる。
【0073】
また、本実施形態では、図4A図4Eに示すように、フレーム60の4つの角部のそれぞれの内側には、内側に突出する内方凸部72が形成してある。図4Dに示すように、内方凸部72とレンズホルダ40の外周面47との間の隙間の幅W2は、好ましくは0.1〜0.3mmである。この幅W2の隙間(第2ダンパー用隙間)には、第2ダンパー材70bが充填してあり、第2ダンパー材70bは、この隙間において、内方凸部72とレンズホルダ40の外周面47とに密着している。第2ダンパー材70bは、第1ダンパー材70aと同様な材質で構成してあるが、必ずしも全く同じである必要はない。
【0074】
図4Eに示すように、内方凸部72の前面73には、ダンパー用凹部74が形成してある。このダンパー用凹部74にも、第2ダンパー材70bが隙間と連続的に充填してある。ダンパー用凹部74にも、第2ダンパー材70bが隙間と連続的に充填してあることで、ダンパー用凹部74がゲル溜まりと成り、レンズ駆動装置2に衝撃が加わったとしても、第2ダンパー材70bが隙間から脱落するおそれが少ない。
【0075】
第2ダンパー材70bは、レンズホルダ40がフレーム60に対して、光軸方向(Z軸方向)にフォーカス駆動される際のダンパーとして機能し、振動を抑制する効果が期待できる。本実施形態では、第2ダンパー材70bを、四角状のフレーム60の4つの角部近くに設けることで、4箇所のダンパー材70bを、レンズの中心軸(光軸)から最も遠い位置に配置することが可能となり、ダンパーとしての機能を最大限に発揮させることができる。なお、図4Cに示すように、4箇所のダンパー材70bの内の一つは、レンズホルダ40の外周面の一部に取り付けられたセンサ部品41と、フレーム60の内周面との間の隙間に設けても良い。
【0076】
本実施形態では、図6Bに示すように、ベース部10には、レンズ100の一部が、第1駆動軸(X軸)および第2駆動軸(Y軸)を含む駆動平面に沿って移動可能に挿入される開口部12が形成してある。本実施形態では、第1駆動軸(X軸)および第2駆動軸(Y軸)の中間に位置する斜め方向の開口部12の斜め内径Dxy1およびDxy2が、開口部12のX軸方向の第1内径Dxより大きいと共に、開口部12のY軸方向の第2内径Dyより大きい。
【0077】
本実施形態では、第1内径Dxと第2内径Dyとは、略等しい。また、斜め内径Dxy1およびDxy2は、相互に略等しい。斜め内径Dxy1およびDxy2は、第1内径Dxに沿った直線と第2内径Dyに沿った直線との交差角の二等分線の近くで、最大の長さとなり、第1内径Dxまたは第2内径Dyに沿った直線に近づくにつれて第1内径Dxまたは第2内径Dyに近づく。
【0078】
本実施形態では、開口部12は、たとえばn角形の多角形状であり、斜め内径Dxy1およびDxy2の最大値は、X軸およびY軸に対して、45度(X軸とY軸の交差角の1/2)±(360/n)度の範囲内にある。なお、開口部12の内周面形状は、多角形に限定されず、曲面形状であっても良い。その場合には、斜め内径Dxy1およびDxy2の最大値は、X軸およびY軸に対して、45度(X軸とY軸の交差角の1/2)±15度の範囲内にある。
【0079】
開口部12の内径は、斜め内径Dxy1およびDxy2の最大値となる位置から第1内径Dxまたは第2内径Dyに向けて段階的または連続的に変化する。ただし、斜め内径Dxy1およびDxy2の最大値から、第1内径Dxまたは第2内径Dyに向けて単調に減少して変化しても良いし、増加と減少とを繰り返して第1内径Dxまたは第2内径Dyに近づくようにしても良い。斜め内径Dxy1およびDxy2の最大値は、第1内径Dxまたは第2内径Dyの1.02〜1.05倍であることが好ましい。
【0080】
本実施形態に係るレンズ駆動装置2では、図6Bに示すように、X軸およびY軸の中間に位置する斜め方向の開口部12の斜め内径Dxy1,Dxy2が、開口部12のX軸方向の第1内径Dxより大きいと共に、開口部12のY軸方向の第2内径Dyより大きい。このように構成することで、レンズ100がX軸方向またはY軸方向に移動する場合だけでなく、それらの中間の斜め方向に移動する場合にも、レンズ100が開口部12の開口縁を構成する筒状凸部14の内周面に衝突するおそれが無くなる。
【0081】
しかも、本実施形態に係るレンズ駆動装置2では、ベース部10に形成する開口部12が真円ではなくなり、X軸方向またはY軸方向よりもそれらの中間に位置する斜め方向の内径Dxy1,Dxy2が大きい異形形状をしている。そのため、斜め方向への最大移動量を考慮した真円の開口部に比較して、ベース部10の外形を小さくすることができ、装置の小型化に寄与する。特に、図6Bに示すように、X軸およびY軸に交差する斜め方向では、スペースに余裕があり、その方向に開口部12の内径を大きくしても、ベース部10および回路基板20の外形を大きくする必要がない。
【0082】
また、ベース部10および回路基板20の外形を同じと仮定した場合には、斜め方向への最大移動量を考慮した真円の開口部に比較して、本発明では、X軸およびY軸に沿った開口部12を除くベース部10の幅を大きくすることができる。そのため、第1駆動コイル30aおよび第2駆動コイル30bの巻き数を多くすることができ、駆動力が向上し、ブレ補正の精度が向上する。
【0083】
さらに本実施形態では、第1駆動部は、X軸方向に沿って開口部12を挟んで両側に位置する一対の第1駆動コイル30aを含み、一対の第1駆動コイル30aは、ベース部10の対向する2辺に沿って平行に配置してある。このように構成することで、X軸方向に沿っての駆動力が向上し、ブレ補正の精度が向上する。
【0084】
また、第2駆動部は、Y軸方向に沿って開口部12を挟んで両側に位置する一対の第2駆動コイル30bを含み、一対の第2駆動コイル30bは、ベース部10の対向する2辺に沿って平行に配置してある。このように構成することで、Y軸方向に沿っての駆動力が向上し、ブレ補正の精度が向上する。
【0085】
さらに、図4Aに示すように、フレーム60は、全体として四角リング形状を有し、図1に示すように、ベース10に固定される四角筒形状のケース11の内部に配置され、斜め方向が、四角リング形状の対角線方向に略一致する。このように構成することで、図6Bに示すように、開口部12を除くベース部10の上に、第1駆動コイル30aおよび第2駆動コイル30bを効率的に配置することが可能になり、ベース部10の外形を小さくすることが可能になり、装置2の小型化が容易になる。
【0086】
さらに本実施形態では、図6Bに示すように、開口部6の開口縁に沿って、ベース部10には、筒状凸部14が形成してあり、筒状凸部14の周囲に、第1駆動コイル30aおよび第2駆動コイル30bが配置してある。このように構成することで、筒状凸部14の周囲に配置される第1駆動コイル30aおよび第2駆動コイル30bにレンズ100が衝突することを有効に防止することができる。
【0087】
また、筒状凸部14があることで、開口部12の内部に、ベース部10および回路基板20の表面に存在するゴミなどが入りにくくなる。開口部12の内部には、レンズ100が通してあり、レンズ100の光軸方向の後方位置には、撮像素子などが配置される。撮像素子にゴミなどが付着すると、撮像すべき画像の品質が低下するおそれがあり、開口部12内部には、ゴミなどが入り込まないことが好ましい。
【0088】
さらに、図5(A)〜図5(C)に示すように、筒状凸部14があることで、一対の第1駆動コイル30aを連絡するワイヤ配線32aと、一対の第2駆動コイル30bとを連絡するワイヤ配線32bとを、筒状凸部14の外周面に沿って配置することが容易になる。また、筒状凸部14と各駆動コイル30a,30bとの間の角部スペースを有効に利用して、各駆動コイル30a,30bのリード配線34a,34bを回路基板20の回路パターンに接続することが容易である。
【0089】
特に本実施形態に係るレンズ駆動装置2では、コイル基板の内部にコイルを埋め込むのではなく、固定部としての回路基板20の前面に第1駆動コイル30aと第2駆動コイル30bとを固定してある。そのために、駆動コイル30a,30bの巻き数を増大させることが容易であり、駆動コイル30a,30bの駆動力を増大させることが可能である。
【0090】
しかも、本実施形態に係るレンズ駆動装置では、固定部としての回路基板20の前面に台座としてのダンパー台24が設けてあり、このダンパー台24とブレ補正用可動部としてのフレーム60の角部後面68との間の第1ダンパー用隙間に、振動吸収部材としての第1ダンパー材70aが充填してある。
【0091】
そのため、固定部としての回路基板20の前面に直接に第1ダンパー材70aを充填する場合に比較して、第1ダンパー材70aが脱落しにくくなる。その結果、ダンパー特性が向上し、共振などを有効に防止することができ、ブレ補正機能が向上する。すなわち、固定部である回路基板20およびベース部10に対して、ブレ補正用可動部であるフレーム60が光軸と垂直方向に共振することを抑制することができると共に、特に、光軸方向に共振することを有効に抑制することができる。
【0092】
また、固定部としての回路基板20の前面に台座としてのダンパー台24が設けてあることから、ダンパー台24の前面の面積を制御することで、第1ダンパー材70aとなるゲル状物質の塗布量の管理が容易であり、必要とする量の第1ダンパー材70aを容易に形成することができる。さらに、落下時の衝撃力などが作用した場合においては、駆動用隙間よりも第1ダンパー用隙間が大きいことから、駆動用コイル30a,30bと駆動用磁石80a,80bとが衝突することによりストッパ機能が作用し、第1ダンパー用隙間が無くなることはない。そのため、第1ダンパー材70aが第1ダンパー用隙間から完全にはみ出してしまうことがない。
【0093】
さらに、図1Dにも示すように、固定部としての回路基板20の前面からの第1駆動コイル30aおよび第2駆動コイル30bのZ軸方向高さが、ダンパー台24のZ軸方向高さよりも高い。ダンパー台24が駆動コイル30よりも低いことで、駆動用隙間よりも第1ダンパー用隙間を十分に大きくすることができる。
【0094】
また、フレーム60は、プラスチックなどで構成することが可能であり、第1ダンパー材70aとの接触面積を制御しやすく、第1ダンパー材70aの充填量を制御しやすい。
【0095】
さらに、ダンパー台24は、四角板形状の回路基板20の上面で4角位置にそれぞれ固定してある。このため、固定部回路部20の前面の空いている4つのスペースを有効に利用して、第1ダンパー材70aを配置することができる。また、第1ダンパー材70aが対角線上に配置されることから、第1ダンパー材70a相互間の距離を最大限に大きくすることができる。その結果、ブレ補正用可動部であるフレーム60が、固定部材である回路基板20およびベース部10に対してチルト移動する方向の共振を有効に防止することができる。
【0096】
ダンパー台24は、たとえばセラミック電子部品などのチップ部品で構成されることが可能である。チップ部品の場合には、端子(外部)電極が形成してあるため、回路基板などの固定部に対しての接続または接着が容易である。また、チップ部品の表面は、凹凸があり、振動吸収部材との接合力に優れ、台座からの振動吸収部材の脱落をさらに効果的に抑制することができる。なお、振動吸収部材は、台座の前面のみでなく、側面にも付着していても良い。
【0097】
特に本実施形態に係るレンズ駆動装置2では、レンズホルダ40の外周面とフレーム60の内周面との間の隙間には、周方向に沿って少なくとも一箇所で、第2ダンパー材70bが充填してある。このため、フレーム60に対するレンズホルダ40の共振を有効に抑制することが可能である。その結果、ブレ補正動作時やオートフォーカス動作時に、特にオートフォーカス動作時に、レンズホルダ40がフレーム60に対して共振するおそれがなくなり、それらの動作を良好に行うことができる。
【0098】
しかも、本実施形態に係るレンズ駆動装置2では、フレーム60の4つの角部近くで、レンズホルダ40の外周面とフレーム60の内周面との間の隙間に第2ダンパー材70bが充填してあり、それぞれの角部近くに、凹部74がそれぞれ形成してある。このように構成することで、フレーム60の内周面で空いているスペースを有効に利用して、第2ダンパー材70bを配置することができると共に、第2ダンパー材70bが対角線上に配置され、レンズホルダ40がフレーム60に対してチルト移動する方向の共振を、さらに有効に防止することができる。
【0099】
第2ダンパー材70bが充填してある位置で、フレーム60の内周面には、隙間に向けて開口してある凹部74が形成してある。そのため、凹部74が第2ダンパー材70bのための溜まり部となり、フレーム60に対してレンズホルダ40が光軸方向または光軸と垂直方向に大きく移動したとしても、第2ダンパー材70bが隙間から脱落することがない。特に、落下時の衝撃が加わり、フレーム60に対してレンズホルダ40が光軸方向または光軸と垂直方向に大きく移動したとしても、第2ダンパー材70bが隙間から脱落することがない。
【0100】
図4Dに示すように、フレーム60の角部の内周面は、スペース的に余裕があり、内方凸部72を設けて、内方凸部72の前面73に凹部74を形成することが容易である。この凹部74には、第2ダンパー材70bとなるゲル状物質を注入しやすく、作業性が向上する。なお、凹部74は、レンズホルダ40の外周面に形成しても良く、あるいは、フレーム60の内周面と、レンズホルダ40の外周面の双方に形成してもよい。
【0101】
また本実施形態では、図1F図1Hに示すように、フレーム取付部94aとワイヤ取付部92aとの間に位置する平板状の分割板バネ90aの一部と、フレーム60との間に、隙間63が形成されるように、フレーム60の前面64には、光軸(Z軸)方向に凹んでいる第1段差面64aが形成してある。第1段差面64aは、フレーム60の各角部に、それぞれ一対で形成してある段差状凸部62aの前面に形成され、ワイヤ取付部92aの両側に位置するようになっている。段差状凸部62aは、切欠き部62のZ軸方向の前方(上方)でX−Y軸方向に突出して形成してあり、各段差状凸部62aには、切欠き部62よりは小さな切欠き部62bが形成してある。切欠き部62bに、ワイヤ取付部94aが位置している。
【0102】
なお、図1F図1Hでは、一例として1つの分割板バネ90aを図示してあるが、図2に示す他の分割板バネ90b〜90dも、同様な構成を有しているため、その図示と説明は省略する。また、第1段差面64aは、図4Aにも示されている。
【0103】
図1Aに示すように、フレーム60の外側には、ケース11が配置してある。図1F図1Hに示すフレーム60の外周面67は、フレーム60のX−Y軸方向の相対移動により図1Aに示すケース11の内面と接触する可能性がある。本実施形態では、フレーム60の各角部において、それぞれの第1段差面64aに隣接して、フレーム60の外周面67から、X軸およびY軸方向に凹んだ第2段差面67aがフレーム60の各角部に1対ずつ形成してある。第1段差面64aは、第2段差面67aよりも内側に配置してある。第1段差面64aは、段差状凸部62aのZ軸方向の前面に形成してあり、第2段差面67aは、段差状凸部62aのY軸方向またはX軸方向の側面に形成してある。
【0104】
本実施形態では、第1段差面64aと分割板バネ90aの背面との間の隙間63に、第3ダンパー材70cが充填して配置してある。この隙間63の幅は、図1Dに示す幅W1または図4Cに示す幅W2と同程度であることが好ましい。本実施形態では、それぞれの第1段差面64aが第3ダンパー材70cとの接触面になる。第3ダンパー材70cは、第1ダンパー材70aまたは第2ダンパー材70bと同様な材料で構成してあることが好ましいが、必ずしも同一の材料で構成される必要はない。
【0105】
第3ダンパー材70cが第1段差面64aの上面に配置される位置で、分割板バネ90aには、第1段差面64aよりも小さいサイズで貫通孔98が1つ以上形成してある。貫通孔98が形成してあることで、隙間63への第3ダンパー材70cの充填が容易であると共に、分割板バネ90の上面(Z軸方向前面)に配置してある第3ダンパー材70cとの連続性が保たれ、振動吸収特性が向上する。
【0106】
分割板バネ90の上面(Z軸方向前面)に配置してある第3ダンパー材70cの形成パターンは、隙間63に充填してある第3ダンパー材70cの形成パターンと同様なパターンであることが好ましいが、必ずしも同一パターンである必要はない。分割板バネ90の上面(Z軸方向前面)に配置してある第3ダンパー材70cのZ軸方向の厚みは、隙間63に充填してある第3ダンパー材70cの厚みと同程度であることが好ましいが、必ずしも同一厚みである必要はない。
【0107】
それぞれの第1段差面64aの面積は、特に限定されず、たとえば第1ダンパー材70aが設置されるダンパー台24の上面の面積と略同程度であることが好ましい。本実施形態では、第3ダンパー材70cは、ワイヤ取付部92aとフレーム取付部94aとの間の位置で、分割板バネ90aの一部をZ軸方向の上下から挟み込むことになる。
【0108】
第1段差面64aは、フレーム60の4つの角部近くで、ワイヤ取付部92aから離れて、フレーム60の外形形状に沿って、それぞれ2箇所に配置してあり、第1段差面64aの形状に合わせて、第3ダンパー材70cは、ワイヤ取付部92aおよびサスペンションワイヤ16とは接触せずに、フレーム60の外形形状に沿って、それぞれ2箇所に配置される。
【0109】
本実施形態では、フレーム取付部94a〜94dとワイヤ取付部92a〜92dとの間に位置する分割板バネ90a〜90dの一部と、フレーム60との間に、隙間63が形成してあり、その隙間63に振動吸収部材としての第3ダンパー部材70cが配置してある。このため、可動部であるフレーム60が、AF動作と関連する周波数帯域で光軸方向に振動することを有効に防止することができる。フレーム60が光軸方向に振動する態様としては、フレーム60の4つの角部が均等にZ軸方向に振動する態様と、不均一にZ軸方向に振動する態様がある。本実施形態では、4つの角部にそれぞれ第3ダンパー材70cが配置してあることから、いずれの態様の振動でも、有効に防止することができる。
【0110】
また、本実施形態では、第3ダンパー材70cが配置してあるために、第1ダンパー材70aの充填量を少なくすることもできると共に、第1ダンパー材70aの充填量を正確に制御する必要もなくなる。さらに、X−Y軸方向のフレームの振動抑制を、第1ダンパー材70a以外の手段で行う場合、あるいはその振動抑制が必要では無い場合などには、第1ダンパー材70aを用いなくても良い。また、第2ダンパー材70bに関しても、レンズホルダ40とフレーム60とのZ軸方向の振動抑制を他の手段で行う場合や、その振動抑制が必要で無い場合には、第2ダンパー材70bを用いなくても良い。
【0111】
その結果、たとえば第3ダンパー材70cを有さない場合に発生しやすい共振点(特にAF動作に関連する300Hz付近)が発生するおそれを未然に防止することができる。そのため、特に動画撮影時に、撮影者が動いたりしても、フォーカスのズレなどを有効に防止することができる。しかも、第3ダンパー材70cが配置してある位置で、分割板バネ90a〜90dの一部とフレーム60の第1段差面64aとの間の隙間63が、第3ダンパー材70cのための溜まり部となり、第3ダンパー材70cが隙間63から脱落することがない。
【0112】
しかも、第3ダンパー材70cは、サスペンションワイヤ16およびワイヤ取付部92a〜92dから離れて、フレーム60の外周面67の形状に沿って配置してある。このように構成することで、可動部であるフレーム60がZ軸方向に振動することをさらに有効に防止することができる。
【0113】
また、ワイヤ取付部92a〜92dは、フレーム60の角部において切欠き部62の外側に配置されるため、フレーム60のサイズを小型に保ったまま、たとえばサスペンションワイヤ16の先端と分割板バネ90a〜90dのワイヤ取付部92a〜92dとの接続が容易になる。また、フレーム60のZ軸と交差するX−Y軸方向の動きを、よりスムーズにすることができる。なお、サスペンションワイヤ16の先端と分割板バネ90a〜90dのワイヤ取付部92a〜92dとの接続は、たとえばハンダ付けやレーザ溶接などにより行われ、接続部16a(図1F図1H参照)が形成される。
【0114】
さらに、第3ダンパー材70cが接触するフレーム60の接触表面である第1段差面64aが、第2段差面67aよりも内側に配置してあることから、フレーム60の外周面67が図1Aに示すケース11の内部で移動してケース11の内周面に接触しても、第3ダンパー材70cがケース11の内周面に接触するおそれがない。そのため、第3ダンパー材70cが所定位置からケース11の内周面に垂れたり剥がれ落ちたりするおそれが少ない。
【0115】
さらに本実施形態では、第3ダンパー材70cは、分割板バネ90a〜90dのZ軸方向の両面に接触するため、振動抑制効果がさらに高められる。しかも、第3ダンパー材70cが配置される位置で、分割板バネ90a〜90dには、貫通孔98が形成してあることから、貫通孔98を通しての第3ダンパー材70cの充填が容易になり、しかも、分割板バネ90a〜90dの両面に第3ダンパー材70cを配置することが容易になる。
【0116】
さらに、図1Gにも示すように、ワイヤ取付部92a〜92dは、内側にU字形状に凹んだ形状の凹部99を有しているため、サスペンションワイヤ16先端を、U字形の凹部99を通して容易にワイヤ取付部92aに取り付けてレーザ溶接あるいはハンダ付けすることが可能になる。
【0117】
また、図1Fおよび図1Gに示すように、フレーム60の角部近くに位置する一対の第1段差部64aの間に位置する分割板バネ90a〜90dには、開口部91が形成してあり、ワイヤ取付部92aは、フレーム取付部90a〜90dから連続する一対のアーム部96の交差部に形成してある。また、アーム部96は、それぞれ第3ダンパー材70cに接触しない部分を有する。しかも、これらのアーム部96の交差部とは別に、これらのアーム部96をブリッジするブリッジ部97が形成してある。
【0118】
このように構成することで、アーム部96に集中しようとする応力を、ブリッジ部97に分散することができ、ワイヤ取付部92a〜92dの強度を向上させることができ、サスペンションワイヤ16の先端が、ワイヤ取付部92a〜92dから外れることを有効に防止することができる。
【0119】
また、フレーム取付部94aからワイヤ取付部92a〜92dに向かうアーム部96の途中位置において、分割板バネ90a〜90dの幅が小さくなる部分を有しているため、ワイヤ取付部92a〜92dの弾性力が向上し、サスペンションワイヤ16の座屈を有効に防止することができる。
【0120】
特に本実施形態では、図3Aおよび図3Bに示すように、レンズホルダ40の外周には、図4Aに示すフレーム60に向けて径方向の外側に突出する少なくとも3つ、好ましくは4〜8、図示する例では4つのストッパ用凸部47aが形成してある。図4Aに示すように、四角リング形状のフレーム60の各辺には、図3Aに示すそれぞれのストッパ用凸部47aが収容されるストッパ用凹部66aが、ストッパ用凸部47aに対応して形成してある。
【0121】
図7および図8に示すように、各ストッパ用凹部66aには、各ストッパ用凸部47aのZ軸方向の第1凸部端面47a1が面接触可能な凹部底面66a1と、ストッパ用凸部47aの第1凸部端面47a1に略直角に交差する凸部側面47a3が面接触可能な凹部側面66a3とが形成してある。第1凸部端面47a1は凹部底面66a1に対して所定の隙間で向き合っており、凸部側面47a3は凹部側面66a3に対して所定の隙間で向き合っている。
【0122】
第1凸部端面47a1と凸部側面47a3との凸部交差角部47a4および/または47a5には、面取り部またはR曲面部が成形してある。そのため、凹部底面66a1と凹部側面66a3との凹部交差角部66a4および/または66a5には、凸部交差角部47a4および/または47a5が接触しないように構成してある。なお、凹部交差角部66a4と凸部交差角部47a4とは、図8に示すように、Y−Z軸の断面で見た場合の角部であり、凹部交差角部66a5と凸部交差角部47a5とは、図7に示すように、X−Z軸の断面で見た場合の角部である。
【0123】
本実施形態に係るレンズ駆動装置2では、図8に示すように、ストッパ用凸部47aの凸部交差角部47a4には、面取り部またはR曲面部が成形してある。図8に示す例では、凸部交差角部47a4には、面取り部が形成してあり、面取り部のZ軸方向の長さZ1は、凸部47aのZ軸方向の厚みZ0の30〜60%程度である。また、面取り部のY軸方向の長さY1は、面取り部のZ軸方向の長さZ1と同程度の長さであるが、必ずしも同一である必要はない。これらの面取り部の長さY1およびZ1は、凹状交差角部66a4の面取り部またはR曲面部の寸法よりも大きく構成してあり、凹部交差角部66a4には、凸部交差角部47a4が接触しない。
【0124】
なお、本実施形態では、図8に示すように、凸部交差角部47a3を面取り部として加工してあり、凹部交差角部66a4をR曲面部として加工してあるが、凸部交差角部47a3をR曲面部として加工してもよい。また、凹部交差角部66a4を面取り部として加工した場合には、凸部交差角部47a3も面取り部として加工してあることが好ましい。なお、凸部交差角部47a3が凹部交差角部66a4に衝突しないサイズで構成してあれば、凸部交差角部47a3をR曲面角部として加工し、凹部交差角部66a4をR曲面角部または面取り部として加工してもよい。本実施形態では、図7に示す凹部交差角部66a5と凸部交差角部47a5との関係も、図8に示す凹部交差角部66a4と凸部交差角部47a4との関係と同様である。
【0125】
本実施形態では、仮にレンズ駆動装置2を含む装置を落下してしまった場合などでも、ストッパ用凸部47aの角部47a4(47a5も同様)がフレーム60の凹部66aの角部66a4(66a5)に衝突しない。そのため、角部47a4(47a5も同様)および66a4(66a5も同様)が欠け難く、ゴミなどが生じ難い。また、このレンズ駆動装置2では、落下時などでは、ストッパ用凸部47aの面47a1(47a3も同様)とストッパ用凹部66aの面66a1(66a3も同様)との面同士が衝突するのみであり、落下衝撃などによるフレーム60の破断およびレンズホルダ40の歪みが発生し難い。
【0126】
本実施形態では、フレーム60には、光軸方向駆動部の一部を構成する磁石部品としての磁性体板61および磁石80が、ストッパ用凹部66aのZ軸方向の開口部66a2を塞ぐように固定してある。その結果、第1凸部端面47a1とZ軸方向の反対側に位置するストッパ用凸部47aの第2凸部端面47a2が、磁石80および磁性体板61から成る磁石部品のZ軸方向の端面に面接触可能となっている。
【0127】
すなわち、ストッパ用凸部47aは、凹部底面66a1と磁性体板61との間の距離でZ軸方向に移動可能に、ストッパ用凹部66aの中に挿入してある。凹部底面66a1と磁性体板61との間のZ軸方向移動可能距離は、特に限定されないが、凸部47aのZ軸方向の厚みZ0(図8参照)に対して、30〜60%程度に大きいことが好ましい。このZ軸方向移動可能距離は、凸部47aが凹部66aの内で、Y軸方向に移動可能な距離よりも大きいと共に、X軸方向に移動可能な距離よりも大きい。
【0128】
フレーム60に対するレンズホルダ40のZ軸方向の移動は、フレーム60の凹部66aの底面66a1と、磁性体板61との間の距離の範囲内に制限されている。このような構成にすることで、部品点数を増大させることなく、フレーム60に対するレンズホルダ40の光軸方向(Z軸方向)の移動範囲を有効に制限することができ、装置2の小型化にも寄与する。なお、凸部47aの側面47a3と凹部66aの側面66a3との間の隙間は、レンズホルダ40のZ軸方向移動を制限しない範囲で小さいことが好ましく、側面47a3が側面66a3に接触することで、レンズホルダ40がフレーム60に対して光軸回りに回転することを防止することができる。
【0129】
また本実施形態では、フレーム60は、四角形リング形状を有し、ストッパ用凹部66aは、四角形リング形状の各辺の位置に形成してあるので、四角形のフレーム60角の位置で、レンズホルダ40の角部に、ICチップなどを含むセンサ部品41(図4B参照)を配置することが可能になる。
【0130】
なお、本実施形態では、ストッパ用凸部47aには、図7に示すように、肉厚部47a6または47a7が形成してあってもよい。肉厚部47a6または47a7を形成することで、ストッパ用凸部47aの強度が補強される。肉厚部47a6は、フレーム60と接触しない位置で、第1凸部端面47a1と同じ側に形成してあり、肉厚部47a7は、フレーム60と接触しない位置で、第2凸部端面47a2と同じ側に形成してある。これらの肉厚部47a6,47a7は、光軸の中心に向けてZ方向厚みが徐々に厚くなっていてもよい。このように構成することで、補強機能が向上する。
【0131】
第2実施形態
図1Iおよび図1Jに示すように、本発明の他の実施形態に係るレンズ駆動装置では、弾性部材としての前方スプリングを構成する4つの分割板バネ190の構成が相違するのみであり、その他の部分の構成および作用効果は、第1実施形態と同様であり、共通する部分の説明は一部省略する。以下、第1実施形態と相違する部分について主として説明する。
【0132】
本実施形態の分割板バネ190では、図1Fおよび図1Gに示す貫通孔98が形成されていないと共に、ブリッジ部97も形成されていない。また、開口部191の形状が、開口部91の形状とは異なっている。また、アーム部196の形状も、アーム部96の形状とは異なっている。ワイヤ取付部192において、U字形状の凹部199が形成されている点では、第1実施形態の凹部99と同様である。フレーム取付部194の形状は、貫通孔98が形成されていない以外は、第1実施形態のフレーム取付部94a〜94dと略同一である。本実施形態のその他の構造および作用効果は、第1実施形態と同様である。
【0133】
第3実施形態
図1Kおよび図1Lに示すように、本発明の他の実施形態に係るレンズ駆動装置では、弾性部材としての前方スプリングを構成する4つの分割板バネ290およびフレーム60の段差状凸部262a(段差状凸部62aに対応する)の構成が相違するのみであり、その他の部分の構成および作用効果は、第1実施形態または第2実施形態と同様であり、共通する部分の説明は一部省略する。以下、上述した実施形態と相違する部分について主として説明する。
【0134】
本実施形態の分割板バネ290では、図1F図1Hに示す貫通孔98に対応する貫通孔298の数と配置が異なると共に、ワイヤ取付部292の形状が相違する。ワイヤ取付部292において、U字形状の凹部299が形成されている点では、第1実施形態の凹部99と同様であるが、凹部299の内側(レンズの光軸側)に、略円形の舌部292αが板バネ290と一体に形成してある。舌部292αの少なくとも一部(図示では大部分)は、第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部262aの第1段差面264aに接触している。
【0135】
段差状凸部262aの第2段差面267aは、上述した実施形態の第2段差面67aと同様であるが、段差状凸部262aの切欠き部262bは、上述した実施形態の切欠き部62bよりも狭くなっている。切欠き部262bの上には、舌部292αを除くワイヤ取付部292が位置するようになっている。切欠き部262bは、サスペンションワイヤ16を通し、舌部292αが第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部262aの第1段差面264aに接触し得る程度の大きさである。ワイヤ16の接続部16aには第3ダンパー材70cは接触しない。
【0136】
本実施形態では、開口部291の形状が、上述した実施形態の開口部91の形状とは異なっており、ブリッジ部97も形成されていない。開口部291には、フレーム60の前面64に形成してある取付用凸部265が入り込み、分割板バネ290とフレーム60とを位置決めするようになっている。また、アーム部296の形状も、前述した実施形態のアーム部96の形状とは異なっている。さらに、フレーム取付部294の形状は、貫通孔298の形状や数と開口部291の形状などが異なる以外は、基本的には、第1実施形態のフレーム取付部94a〜94dと略同一である。
【0137】
本実施形態では、ワイヤ取付部292の凹部299の内側(レンズの光軸側)に、略円形の舌部292αが板バネ290と一体に形成してある。舌部292αの少なくとも一部(図示では大部分)は、第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部262aの第1段差面264aに接触している。すなわち、本実施形態では、第3ダンパー材70cに接触しない接続部16aの近くで、ワイヤ取付部292の一部は、第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部262aの第1段差面264aに接触している。このことから、共振抑制効果が向上し、特にブレ補正方向(X軸およびY軸方向)の共振抑制効果が向上する。本実施形態のその他の構造および作用効果は、第1実施形態および第2実施形態と同様である。
【0138】
第4実施形態
図1Mおよび図1Nに示すように、本発明の他の実施形態に係るレンズ駆動装置では、弾性部材としての前方スプリングを構成する4つの分割板バネ390およびフレーム60の段差状凸部362a(段差状凸部62aに対応する)の構成が相違するのみであり、その他の部分の構成および作用効果は、第1〜第3実施形態と同様であり、共通する部分の説明は一部省略する。以下、上述した実施形態と相違する部分について主として説明する。
【0139】
本実施形態の分割板バネ390では、図1Fおよび図1Gに示す貫通孔98に対応する貫通孔398が開口部391に連通してあり、フレーム取付部394の形状が異なると共に、ワイヤ取付部392の形状が相違する。ワイヤ取付部392において、U字形状の凹部399が形成されている点では、第2実施形態の凹部199と同様であるが、凹部399の内側(レンズの光軸側)に、略半円形の舌部392αが板バネ390と一体に形成してある。舌部392αの少なくとも一部(図示では大部分)は、第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部362aの第1段差面364aに接触している。
【0140】
本実施形態では、段差状凸部362aには、前述した実施形態の第2段差面67aおよび267aに対応する段差面は形成されていない。また、段差状凸部362aの切欠き部362bは、上述した実施形態の切欠き部62bよりも狭くなっているが、切欠き部262bよりも広くしてある。切欠き部362bの上には、舌部392αを除くワイヤ取付部392が位置するようになっている。
【0141】
切欠き部362bは、サスペンションワイヤ16を通し、舌部392αが第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部362aの第1段差面364aに接触し得る程度の大きさである。ワイヤ16の接続部16aには第3ダンパー材70cが接触しない。切欠き部362bでは、ワイヤ取付部392のZ軸方向の下方位置に、ワイヤ取付部392および接続部16aには、接触しないように、第3ダンパー材70cが埋め込まれていても良い。切欠き部362bに埋め込まれた第3ダンパー材70cは、サスペンションワイヤ16と切欠き部362Bの内面にのみ接触している。
【0142】
本実施形態では、開口部391の形状が、上述した実施形態の開口部91の形状とは異なっており、ブリッジ部97も形成されていない。また、アーム部396の形状も、前述した実施形態のアーム部96の形状とは異なっている。さらに、フレーム取付部394の形状は、貫通孔398の形状や数と開口部391の形状などが異なる以外は、基本的には、第1実施形態のフレーム取付部94a〜94dと略同一である。
【0143】
本実施形態では、ワイヤ取付部392の凹部399の内側(レンズの光軸側)に、略円形の舌部392αが板バネ390と一体に形成してある。舌部392αの少なくとも一部(図示では大部分)は、第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部362aの第1段差面364aに接触している。すなわち、本実施形態では、第3ダンパー材70cに接触しない接続部16aの近くで、ワイヤ取付部392の一部は、第3ダンパー材70cを介して、段差状凸部362aの第1段差面364aに接触している。このことから、共振抑制効果が向上し、特にブレ補正方向(X軸およびY軸方向)の共振抑制効果が向上する。本実施形態のその他の構造および作用効果は、第1〜第3実施形態と同様である。
【0144】
第5実施形態
図9および図10に示すように、本発明の他の実施形態に係るレンズ駆動装置2Aでは、フレーム160とレンズホルダ140の形状が相違するのみであり、その他の部分の構成および作用効果は、第1〜第4実施形態と同様であり、共通する部分の説明は一部省略する。以下、上述した実施形態と相違する部分について主として説明する。本実施形態のフレーム160が、前述した実施形態のフレーム60に対応し、レンズホルダ140が、前述した実施形態のレンズホルダ40に対応するが、共通する部分の説明は一部省略する。
【0145】
図9に示すように、本実施形態のフレーム160は、四角リング形状を有し、ストッパ用凹部166aは、四角形リング形状の4つの角の位置に形成してある。それらの位置に対応して、レンズホルダ140には、4つのストッパ用凸部147aが形成してある。本実施形態では、図10に示すように、ストッパ用凹部6aは、Z軸方向の凹部底面166a1と、Z軸方向に開口する開口部166a2と、底面166a1に略直角に交差する凹部側面166a3とを有する。本実施形態では、ストッパ用凸部147aのZ軸方向の下面が第1凸部端面147a1となり、凹部底面166a1に向き合い、面接触可能になっている。ストッパ用凸部147aの第1凸部端面147a1に略直角に交差する凸部側面147a3は、凹部側面166a3に所定の隙間で向き合っている。
【0146】
本実施形態では、凸部147aの第1凸部端面147a1と光軸の方向の反対側に位置する第2凸部端面147a2が、図1Aに示すケース11(図10に二点鎖線で図示)の光軸方向の内面に、向き合っており、面接触可能となるようになっている。その結果、ストッパ用凸部147aは、凹部底面166a1とケース11の内面との間でZ軸方向に移動可能に、ストッパ用凹部166aの中に挿入してある。
【0147】
図10に示すように、ストッパ用凸部147aの凸部交差角部147a4には、面取り部またはR曲面部が成形してある。図10に示す例では、凸部交差角部147a4には、面取り部が形成してあり、凹部交差角部166a4には、凸部交差角部147a4が接触しない。
【0148】
このように構成することでも、部品点数を増大させることなく、フレーム160に対するレンズホルダ140の光軸方向の移動範囲を有効に制限することができ、装置の小型化にも寄与する。また、本実施形態では、フレーム160の角の位置に凸部147aを配置するため、角部を有効に利用することができ、装置の小型化に寄与する。
【0149】
第6実施形態
図8の二点鎖線で示すように、本発明の他の実施形態に係るレンズ駆動装置では、凹部交差角部66a4に、逃げ部66a6が形成してあることが相違するのみであり、その他の部分の構成および作用効果は、第1〜第5実施形態と同様であり、共通する部分の説明は一部省略する。以下、上述した実施形態と相違する部分について主として説明する。
【0150】
本実施形態では、凸部交差角部47a4が接触しないように、逃げ部66a6が形成してあることから、凸部交差角部47a4には、面取り部またはR曲面部を形成しなくてもよい。逃げ部66a6があることで、凸部交差角部47a4は、凹部交差角部66a4に接触することはない。
【0151】
本実施形態においても、仮にレンズ駆動装置を含む装置を落下してしまった場合などでも、ストッパ用凸部47aの角部47a4がフレーム60の凹部66aに衝突せず、角部47a4が欠け難く、ゴミなどが生じ難い。また、レンズ駆動装置の落下時などでは、ストッパ用凸部47aの面47a1,47a3とストッパ用凹部66aの面66a1,66a3との面同士が衝突するのみであり、落下衝撃などによるフレーム60の破断およびレンズホルダ40の歪みが発生し難い。
【0152】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々に改変することができる。たとえば台座としてのダンパー台24は、回路基板20の表面にリフローなどで固定してあるが、回路基板と一体に形成しても良い。
【0153】
また、上述した実施形態では、ブレ補正用可動部であるフレーム60の角部後面68には、ダンパー台24に向けて突出する後面凸部69が形成してあるが、後面凸部69は、必ずしも必要というわけではない。後面凸部69を設けることで、Z軸方向に沿っての第1ダンパー用隙間の隙間幅の調節がより容易になるが、ダンパー台24のZ軸方向の高さなどによっては、後面凸部69は無い方が良い場合がある。
【0154】
また、上述した実施形態では、第1駆動軸および第2駆動軸を、四角板形状のベース部10および回路基板20の各辺に平行に配置してあるが、それに限定されない。たとえば、第1駆動軸および第2駆動軸が、四角板形状のベース部10および回路基板20の対角線上に位置するように、第1駆動用コイル30aおよび第2駆動用コイル30bを配置しても良い。
【0155】
さらに、上述した実施形態では、単一の兼用磁石80に、ブレ補正用マグネットと、オートフォーカス用マグネットとの二つの機能を持たせたが、別々の磁石を準備して取り付けるようにしても良い。
【0156】
また、上述した実施形態では、第1駆動軸と第2駆動軸との交差角度が、90度であったが、本発明では、これらの交差角度は、90度以外であっても良い。
【0157】
上述した実施形態では、ブレ補正用可動部としてのフレーム60を駆動平面(X軸およびY軸含む)に沿って、固定部としてのベース部10に対して移動自在に保持する手段として、4本のサスペンションワイヤ16を用いているが、サスペンションワイヤの本数は、4本に限定されず、複数本あればよい。
【0158】
また、弾性部材としての前方スプリング90,190は、4つに分割した平板形状の板バネに限定されず、2分割タイプ、あるいは4分割以上に分割したもの、あるいは単一のスプリングであっても良い。
【0159】
さらに、支持部としては、サスペンションワイヤ16に限定されず、たとえば板バネ、ボールベアリングなど、その他の支持部であっても良い。また、上述した第3実施形態または第4実施形態における舌部292αまたは392αの具体的な形状は、略円形および略半円形に限らず、略楕円形、略半楕円形、台形、その他の多角形なども好ましい。また、舌部292αおよび392αの具体的な形状は、ワイヤ取付部292または392から突出方向に幅が広くなるような形状であることも好ましい。このような形状とすることで、アーム部296または396に干渉することなく、第3ダンパー材70cとの接触面積を大きくすることが可能になり、共振抑制効果が向上する。
【符号の説明】
【0160】
2… レンズ駆動装置
10… ベース部
11… ケース
12… ベース開口部
14… 筒状凸部
16… サスペンションワイヤ
16a… 接続部
18a,18b… 位置センサ
20… 回路基板
22… 基板開口部
23… コネクタ部
24… ダンパー台
30… ブレ補正用コイル
30a… 第1駆動用コイル
30b… 第2駆動用コイル
40,140… レンズホルダ
41… センサ部品
42… 前面
43a〜43d… 取付用凸部
44a,44b… 板バネ取付部
45… 後面
46… フォーカス用コイル
47… 外周面
47a,147a… ストッパ用凸部
47a1,147a1… 第1凸部端面
47a2,147a2… 第2凸部端面
47a3、147a3… 凸部側面
47a4,47a5,147a4… 凸部交差角部
47a6,47a7… 肉厚部
48… 内周面
49… 段差部
50… 後方スプリング
50a,50b… 分割板バネ
52a,52b… フレーム取付部
54a,54b… ホルダ取付部
55a〜55d… 蛇行部
60,160… フレーム
61… 磁性体板
62… 切欠き部
62a,262a,362a… 段差状凸部
62b,262b,362b… 切欠き部
63… 隙間
64… 前面
64a,264a,364a… 第1段差面
65,265… 取付用凸部
66… 磁石取付凹部
66a,166a… ストッパ用凹部
66a1,166a1… 凹部底面
66a2,166a2… 開口部
66a3,166a3… 凹部側面
66a4,66a5,166a4… 凹部交差角部
66a6… 逃げ部
67… 外周面
67a,267a… 第2段差面
68… 角部後面
69… 後面凸部
70a… 第1ダンパー材
70b… 第2ダンパー材
70c… 第3ダンパー材
72… 内方凸部
73… 前面
74… ダンパー用凹部
80… 兼用磁石
80a… 第1駆動用磁石
80b… 第2駆動用磁石
90… 前方スプリング
90a〜90d,190,290,390… 分割板バネ
91,191,291,391… 開口部
92a〜92d,192,292,392… ワイヤ取付部(支持取付部)
292α,392α… 舌部
93a〜93d… ホルダ取付部
94a〜94d,194,294,394… フレーム取付部
95a〜95d… 蛇行部
96,196,296,396… アーム部
97… ブリッジ部
98,298,398… 貫通孔
99,199… 凹部
100… レンズ
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10