特開2017-204350(P2017-204350A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱自動車工業株式会社の特許一覧
特開2017-204350リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体
<>
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000003
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000004
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000005
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000006
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000007
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000008
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000009
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000010
  • 特開2017204350-リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-204350(P2017-204350A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】リチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体
(51)【国際特許分類】
   H01M 12/08 20060101AFI20171020BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
   H01M12/08 K
   H01M2/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-94384(P2016-94384)
(22)【出願日】2016年5月10日
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田丸 奏
【テーマコード(参考)】
5H011
5H032
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H032AA01
5H032AS02
5H032BB08
5H032CC01
5H032CC11
5H032CC17
5H032HH05
(57)【要約】
【課題】リチウム空気電池の充放電時に生成されるスラッジで負極が失活した場合、スラッジを除去し且つ負極が空気に触れずに復活させてリチウム空気電池の繰返し使用が可能なリチウム空気電池及びこの負極構造体を提供する。
【解決手段】リチウム空気電池は、負極と、負極に対して間隔を有して配置された正極と、負極及び正極間に配置された固体電解質と、固体電解質及び正極間に充填された第1電解質が電池ケース内に設けられる。負極は、負極集電体と、負極集電体に電気的に接続されたリチウム負極体とを有する。リチウム空気電池は、負極と、リチウム負極体に対して隙間を有して配置されてリチウム負極体及び第1電解質間でリチウムイオンの伝導が可能な固体電解質と、リチウム負極体及び固体電解質間でリチウムイオンの伝導が可能な第2電解質とを収容する負極部ケースを備える。負極部ケースは電池ケースに対して挿脱可能に構成される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極と、前記負極に対して間隔を有して配置された正極と、前記負極と前記正極との間に配置された固体電解質と、前記固体電解質と前記正極との間に充填された第1電解質とが電池ケース内に設けられたリチウム空気電池であって、
前記負極は、
電極となる負極集電体と、
前記負極集電体に電気的に接続されたリチウム負極体と、によって構成され、
前記負極と、前記リチウム負極体に対して隙間を有して配置されて前記リチウム負極体と前記第1電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な前記固体電解質と、前記リチウム負極体と前記固体電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な第2電解質とを収容する負極部ケースを備え、
前記負極部ケースは、前記電池ケースの上面に形成された挿脱孔部に対して挿脱可能に構成されている
ことを特徴とするリチウム空気電池。
【請求項2】
前記負極部ケースは、箱状に形成されて、前記負極部ケースの一方側の側面に第1開口部が設けられ、
前記第1開口部は、前記正極に対向配置され、
前記固体電解質は、前記第1開口部を覆って前記負極部ケースの内部に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム空気電池。
【請求項3】
前記第1開口部には、前記第1開口部を複数の開口部分に仕切るための複数の仕切部材が互いに交差する方向に延設されている
ことを特徴とする請求項2に記載のリチウム空気電池。
【請求項4】
前記負極集電体は、板状の前記リチウム負極体に重なって接触した状態で固定される集電体本体部と、前記集電体本体部の外周部の少なくとも2か所の異なる位置から突出して前記負極部ケースの内面に接続される複数の接続部と、を含み、
前記リチウム負極体は、前記負極集電体を介して前記負極部ケースに固定される
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のリチウム空気電池。
【請求項5】
前記複数の接続部のうちの一つは、前記集電体本体部の上部に上方へ向かって突設され、前記負極部ケースの上面に形成された挿通孔部に挿通されて前記負極部ケースに固定され、
前記複数の接続部のうちの他の一つは、前記集電体本体部の下部に下方へ向かって突設され、前記負極部ケースの底部に接続されて前記負極部ケースに固定される
ことを特徴とする請求項4に記載のリチウム空気電池。
【請求項6】
前記電池ケースの上面に形成された前記挿脱孔部よりも下方の前記電池ケース内には、前記挿脱孔部を介して前記負極部ケースを前記電池ケースに対して挿脱する際の前記負極部ケースの移動を案内する案内ガイドが設けられている
ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載のリチウム空気電池。
【請求項7】
前記負極部ケースが前記電池ケース内に挿入された状態で、前記正極と対向する側と反対側の前記負極部ケースの反対側面と前記電池ケースの内面との間に、前記第1電解質が存在し、
前記負極部ケースの前記反対側面には、第2開口部が形成され、
前記第2開口部を覆って固体電解質が前記負極部ケースの内部に固定されるとともに、前記固体電解質と前記リチウム負極体との間に前記第2電解質が充填されている
ことを特徴とする請求項2に記載のリチウム空気電池。
【請求項8】
負極と、前記負極に対して間隔を有して配置された正極と、前記負極と前記正極との間に配置された固体電解質と、前記固体電解質と前記正極との間に充填された第1電解質とが電池ケース内に設けられたリチウム空気電池に対して挿脱可能な負極構造体であって、
前記負極は、
電極となる負極集電体と、
前記負極集電体に電気的に接続されたリチウム負極体と、によって構成され、
前記負極と、前記リチウム負極体に対して隙間を有して配置されて前記リチウム負極体と前記第1電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な固体電解質と、前記リチウム負極体と前記固体電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な第2電解質とを収容する負極部ケースを備え、
前記負極部ケースは、前記リチウム空気電池の前記電池ケースに対して挿脱可能である
ことを特徴とするリチウム空気電池の負極構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、正極と、負極と、水系の電解質とを含むリチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力貯蔵用途や電動車両用途など多岐にわたって、リチウムイオン電池よりもはるかに大きいエネルギー密度を有する空気電池に期待が寄せられている。空気電池は、空気中の酸素を正極活物質に使用する。このような空気電池として、負極活物質に金属リチウム、リチウムを主成分とする合金、又はリチウムを主成分とする化合物を使用するリチウム空気電池が知られている。このようなリチウム空気電池は、負極、電解質及び正極(空気極)から構成されてなり、電解質としては、水系電解質又は非水系電解質が用いられている。
【0003】
これらのうち、水系電解質のリチウム空気電池は、一般的には、負極と正極との間に固体電解質が配置され、固体電解質と正極との間に第1電解質(水系電解質)が充填され、負極と固体電解質との間に第2電解質(緩衝層)が配置されて構成されている(特許文献1参照)。このような水系電解質のリチウム空気電池は、非水系電解質のリチウム空気電池に比べて、空気中の水分の影響を受けず、電解質が安価であり、不燃性である等の長所がある。
【0004】
このリチウム空気電池は、正極でリチウムイオンと酸素が反応し、LiOHを生成する(放電)ことで電気を得るメカニズムである。また、生成したLiOHをLiと酸素に分解する(充電)ことで再放電が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−106486号公報
【特許文献2】特開2016−9533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この特許文献1に記載の水系電解質のリチウム空気電池は、充電時に負極表面や第2電解質中の少なくともいずれかにリチウムデントライト(スラッジ)が生成される場合がある。このスラッジが生成されると、充電時に負極で再生される金属リチウムの量が減少して、電池容量が低下する虞が生じる。
【0007】
一方、特許文献2には、電極の交換が可能な金属空気電池が開示されているが、リチウム空気電池の負極にスラッジが形成された場合に、特許文献2に記載にならって、負極を交換すればリチウム空気電池の再生が可能になると考えられる。しかしながら、リチウムは空気との反応性が高く、燃焼する場合もあり、リチウムを含む負極の交換は容易ではない。
【0008】
本発明の少なくとも一つの実施形態は、このような従来技術の状況の基になされた発明であって、その目的とするところは、リチウム空気電池の充放電時に生成されるスラッジによって負極が失活した場合、スラッジを除去するとともに、負極が空気に触れることなく負極を復活させてリチウム空気電池の繰り返し使用が可能になるリチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の少なくとも一つの実施形態にかかるリチウム空気電池は、負極と、前記負極に対して間隔を有して配置された正極と、前記負極と前記正極との間に配置された固体電解質と、前記固体電解質と前記正極との間に充填された第1電解質とが電池ケース内に設けられたリチウム空気電池であって、前記負極は、電極となる負極集電体と、前記負極集電体に電気的に接続されたリチウム負極体と、によって構成され、前記負極と、前記リチウム負極体に対して隙間を有して配置されて前記リチウム負極体と前記第1電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な前記固体電解質と、前記リチウム負極体と前記固体電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な第2電解質とを収容する負極部ケースを備え、前記負極部ケースは、前記電池ケースの上面に形成された挿脱孔部に対して挿脱可能に構成されている。
【0010】
上記(1)に記載のリチウム空気電池によれば、負極や第2電解質にスラッジが生成されて負極が失活した場合には、失活した負極を含む負極部ケースを電池ケースから取り外した後に、新しい負極部ケースを電池ケースに挿着する。ここで、負極部ケースは、負極、リチウム負極体、固体電解質、第2電解質を一体化して収容しているので、負極部ケースの挿脱時にリチウム負極体が空気に触れることはない。また負極が失活した場合に、新しい負極部ケースを電池ケースに挿着することで、リチウム空気電池において、負極にスラッジの付着が無く、且つ第2電解質内にスラッジが浮遊していない状態に復元することができる。よって、リチウム空気電池の充放電時に生成されるスラッジによって負極が失活した場合、スラッジを除去するとともに、負極が空気に触れることなく負極を復活させてリチウム空気電池の繰り返し使用が可能になるリチウム空気電池を実現できる。
【0011】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載のリチウム空気電池において、前記負極部ケースは、箱状に形成されて、前記負極部ケースの一方側の側面に第1開口部が設けられ、前記第1開口部は、前記正極に対向配置され、前記固体電解質は、前記第1開口部を覆って前記負極部ケースの内部に固定されている。
【0012】
上記(2)に記載の実施形態によれば、固体電解質は、第1開口部を覆って負極部ケースの内部に固定されているので、固体電解質が第1開口部の外側へ突出する虞が無い。このため、負極部ケースを電池ケースの上面に形成された挿脱孔部に対して挿脱する際に、固体電解質が挿脱孔部に接触して損傷する虞を防止することができる。
【0013】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載のリチウム空気電池において、前記第1開口部には、前記第1開口部を複数の開口部分に仕切るための複数の仕切部材が互いに交差する方向に延設されている。
【0014】
上記(3)に記載の実施形態によれば、第1開口部に複数の仕切部材が互いに交差する方向に延設されているので、複数の仕切部材によって第1開口部を複数の開口部分に仕切ることができる。このため、開口部分の面積が第1開口部の面積よりも小さくなり、負極部ケースの挿脱時に障害物が開口部分に接触したり、外力が開口部分に作用したりする虞を抑えることができ、固体電解質が損傷する虞をより防止することができる。
【0015】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載のリチウム空気電池において、前記負極集電体は、板状の前記リチウム負極体に重なって接触した状態で固定される集電体本体部と、前記集電体本体部の外周部の少なくとも2か所の異なる位置から突出して前記負極部ケースの内面に接続される複数の接続部と、を含み、前記リチウム負極体は、前記負極集電体を介して前記負極部ケースに固定されるように構成される。
【0016】
上記(4)に記載の実施形態によれば、集電体本体部は板状のリチウム負極体に重なって接触した状態で固定されるので、リチウム負極体に対する集電体本体部の電極効果を効果的に発揮させることができる。また、負極集電体の集電体本体部の外周部の少なくとも2か所の異なる位置から突出する複数の接続部が負極部ケースの内面に接続されているので、負極集電体を負極部ケースに対してより強固に固定することができる。このため、板状のリチウム負極体に重なって接触した状態で固定されている集電体本体部を介して、リチウム負極体を負極部ケースに対してより強固に固定することができる。
【0017】
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)に記載のリチウム空気電池において、前記複数の接続部のうちの一つは、前記集電体本体部の上部に上方へ向かって突設され、前記負極部ケースの上面に形成された挿通孔部に挿通されて前記負極部ケースに固定され、前記複数の接続部のうちの他の一つは、前記集電体本体部の下部に下方へ向かって突設され、前記負極部ケースの底部に接続されて前記負極部ケースに固定されるように構成される。
【0018】
上記(5)に記載の実施形態によれば、集電体本体部の上部に上方へ向かって突設された接続部を負極部ケースの上面に形成された挿通孔部に挿通することで、負極部ケースに対する集電体本体部の位置決めをすることができる。また、集電体本体部の下部に下方へ向かって突設された接続部を負極部ケースの底部に接続することで、負極部ケースに対して位置決めされた集電体本体部を負極部ケースに固定することができる。よって、集電体本体部を負極部ケース内において位置決めした状態で固定することができる。
【0019】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載のリチウム空気電池において、前記電池ケースの上面に形成された前記挿脱孔部よりも下方の前記電池ケース内には、前記挿脱孔部を介して前記負極部ケースを前記電池ケースに対して挿脱する際の前記負極部ケースの移動を案内する案内ガイドが設けられている。
【0020】
上記(6)に記載の実施形態によれば、挿脱孔部よりも下方の前記電池ケース内に負極部ケースの移動を案内する案内ガイドが設けられているので、挿脱孔部を介して負極部ケースを電池ケースに対して挿脱する際の負極部ケースの挿脱操作を容易にすることができる。
【0021】
(7)幾つかの実施形態では、上記(2)に記載のリチウム空気電池において、前記負極部ケースが前記電池ケース内に挿入された状態で、前記正極と対向する側と反対側の前記負極部ケースの反対側面と前記電池ケースの内面との間に、前記第1電解質が存在し、前記負極部ケースの前記反対側面には、第2開口部が形成され、前記第2開口部を覆って固体電解質が前記負極部ケースの内部に固定されるとともに、前記固体電解質と前記リチウム負極体との間に前記第2電解質が充填されているように構成される。
【0022】
上記(7)に記載の実施形態によれば、負極部ケースの反対側面と電池ケースの内面との間に、第1電解質が存在し、反対側面には第2開口部が形成され、負極部ケースの内部に第2開口部を覆った固体電解質が固定され、固体電解質とリチウム負極体との間に第2電解質が充填されている。このため、リチウム負極体は正極側に対向する面とこの面と反対側の面の両面において、リチウムイオンの移動が可能になる。よって、リチウム空気電池の充放電特性を向上することができる。
【0023】
(8)本発明の少なくとも一つの実施形態にかかるリチウム空気電池の負極構造体は、負極と、前記負極に対して間隔を有して配置された正極と、前記負極と前記正極との間に配置された固体電解質と、前記固体電解質と前記正極との間に充填された第1電解質とが電池ケース内に設けられたリチウム空気電池に対して挿脱可能な負極構造体であって、前記負極は、電極となる負極集電体と、前記負極集電体に電気的に接続されたリチウム負極体と、によって構成され、前記負極と、前記リチウム負極体に対して隙間を有して配置されて前記リチウム負極体と前記第1電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な固体電解質と、前記リチウム負極体と前記固体電解質との間でリチウムイオンの伝導が可能な第2電解質とを収容する負極部ケースを備え、前記負極部ケースは、前記リチウム空気電池の前記電池ケースに対して挿脱可能であるように構成されている。
【0024】
上記(8)に記載のリチウム空気電池の負極構造体によれば、リチウム空気電池の負極構造体は、負極、リチウム負極体、固体電解質、第2電解質が一体化されて収容された負極部ケースを備えて、負極部ケースは、リチウム空気電池の電池ケースに対して挿脱可能である。このため、電池ケースに対する負極部ケースの挿脱時にリチウム負極体が空気に触れることはない。また負極が失活した場合に、新しい負極部ケースを電池ケースに挿着することで、リチウム空気電池において、負極にスラッジの付着が無く、且つ第2電解質内にスラッジが浮遊していない状態に復元することができる。よって、リチウム空気電池の充放電時に生成されるスラッジによって負極が失活した場合、スラッジを除去するとともに、負極が空気に触れることなく負極を復活させてリチウム空気電池の繰り返し使用が可能になるリチウム空気電池の負極構造体を実現できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、リチウム空気電池の繰り返しの充放電によって、リチウムデントライトが形成されてリチウム金属負極が失活した場合、リチウム金属負極を復活させてリチウム空気電池の繰り返し使用を可能な状態にすることができるリチウム空気電池及びリチウム空気電池の負極構造体を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態にかかるリチウム空気電池の斜視図である。
図2】リチウム空気電池の概略内部構造図である。
図3図1のI−I矢視に相当する部分のリチウム空気電池の断面図である。
図4】負極部ケースの正面側斜視図である。
図5】負極部ケースの概略内部構造図である。
図6図4のVI−VI矢視に相当する部分の負極部ケースの断面図である。
図7図3のIII−III矢視に相当する負極部ケースの断面図である。
図8】他の実施形態に係る負極部ケースの背面側斜視図である。
図9】他の実施形態に係る負極部ケースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、剤質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。また、以下の説明において、同じ構成には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する場合がある。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態にかかるリチウム空気電池の斜視図である。図2は、リチウム空気電池の概略内部構造図である。図3は、図1のI−I矢視に相当する部分のリチウム空気電池の断面図である。図4は、負極部ケースの正面側斜視図である。図5は、負極部ケースの概略内部構造図である。図6は、図4のVI−VI矢視に相当する部分の負極部ケースの断面図である。なお、本実施形態のリチウム空気電池は、一対の正極と負極を備えるリチウム空気電池を例として説明する。
【0029】
本発明の一実施形態に係るリチウム空気電池1は、図1及び図3に示すように、負極11を含んだ負極部ケース10と、正極40と、負極11と正極40との間に配置された固体電解質50(図6参照)と、固体電解質50と正極40との間に充填された第1電解質53とが電池ケース60内に設けられて構成されている。
【0030】
図示した実施形態では、電池ケース60は、内部が中空な箱状(直方体状)に形成され、電池ケース60の一方側の側面61には空気の流通が可能な複数の孔部61aが設けられている。また電池ケース60の上面62の一方側の中央部には、正極40の上端部が突出するための正極孔部62aが設けられている。また、電池ケース60の上面62の他方側には、負極11を含んだ負極部ケース10の上端部が突出するための負極孔部62bが設けられている。正極孔部62aは平面視において円形状に形成され、負極孔部62bは平面視において長方形状に形成されて電池ケース60の上面62の他方側端に沿って延在している。
【0031】
正極40は、図2及び図3に示すように、正極集電体41と、正極端子42と、撥水層43と、触媒44とを有して構成されている。図示した実施形態では、正極集電体41は、例えば、多孔質炭素によって板状に形成されて、負極部ケース10側に対向配置されている。正極集電体41には、触媒44が付着している。触媒44は、リチウム空気電池1の放電時に酸素還元反応、充電時に酸素酸化反応を促進させる機能を有している。正極端子42は、導電性材料で形成されて、正極集電体41に接続されている。正極端子42は正極孔部62aに挿通されて電池ケース60の上面62から上方へ突出している。電池ケース60が金属製の場合には、負極11と正極40が電池ケース60を介して短絡(ショート)してしまう可能性がある。そこで正極40と電池ケース60の間に絶縁部材72を配して短絡を予防する。絶縁部材72としてはブチルゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
【0032】
撥水層43は、第1電解質53の水分が電池ケース60の孔部61aから外部に漏洩するのを防止するためのものである。撥水層43は、板状に形成されて複数の孔部61aに対向して電池ケース60の内側から複数の孔部61aを覆うようにして電池ケース60内部に固定されている。
【0033】
第1電解質53は、電池ケース60内に充填され、少なくとも固体電解質50(図6参照)及び正極40に接し、正極40と固体電解質50との間でリチウムイオンの伝導を担う。図示した実施形態では、第1電解質53は、図3に示すように、正極40と負極部ケース10との間及び負極部ケース10の裏側と電池ケース60の内面との間に存在する。
【0034】
第1電解質53は、水にリチウム塩を溶解させた水系電解質である。第1電解質53は、例えば、水に溶解させるリチウム塩として、LiCl(塩化リチウム)、LiOH(水酸化リチウム)、LiNO(硝酸リチウム)、CHCOLi等が挙げられる。
【0035】
幾つかの実施形態では、図5及び図6に示すように、負極11は、負極集電体12と、負極集電体12に電気的に接続されたリチウム負極体15と、によって構成されている。リチウム負極体15は、負極集電体12の一部と電気的に接続される。図示した実施形態では、リチウム負極体15は、板状に形成されている。
【0036】
リチウム負極体15は、例えば、金属リチウム製である。なお、リチウム負極体は金属リチウム製に限るものではなく、金属リチウムに代えて、リチウムを主成分とする合金又はリチウムを主成分とする化合物でも良い。リチウムを主成分とする合金としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銀、金、亜鉛等が挙げられる。また、リチウムを主成分とする化合物としては、例えば、コバルト、銅、ニッケル等が挙げられる。なお、リチウム負極体は、電池容量に応じてその厚さ及び面積が変更される。
【0037】
負極集電体12は、板状のリチウム負極体15に重なって接触した状態で固着される集電体本体部12aと、集電体本体部12aの外周部の少なくとも2か所の異なる位置から突出して負極部ケース10の内面に接続される複数の接続部12bと、を含むように構成される。図示した実施形態では、集電体本体部12aは、リチウム空気電池1の動作範囲で安定して存在し、リチウムと合金化せず、且つ、所望とする導電性を有していれば良く、例えば、銅、ニッケル等を素材とする板状又は箔状の導電体からなる。集電体本体部12aの一面にリチウム負極体15が接触した状態で固着されている。
【0038】
接続部12bは、集電体本体部12aの上部から上方へ突出する第1接続部12b1と、集電体本体部12aの下部から下方へ突出する第2接続部12b2とを含む。接続部12bは、導電性を有して集電体本体部12aに一体的に接続されている。図示した実施形態では、第1接続部12b1は側面視において正方形状に形成された集電体本体部12aの上部中央に接続されて上方へ延びる。第1接続部12b1の上端には、電極となる負極端子13が接続されている。この負極端子13は負極部ケース10の上面10aから上方へ突出する。第2接続部12b2は側面視において正方形状に形成された集電体本体部12aの下部中央に接続されて下方へ延びる。
【0039】
このように構成された負極11(負極集電体12及びリチウム負極体15)は、負極部ケース10内に収容されている。負極部ケース10は、図4及び図5に示すように、箱状に形成されて、負極部ケース10の一方側の側面10bに第1開口部17が設けられ、負極部ケース10の内部には負極11を収容可能な空間部19が形成されている。
【0040】
図示した実施形態では、第1開口部17は、側面視において正方形状に開口している。この第1開口部17には、第1開口部17を複数の開口部分17aに仕切るための複数の仕切部材21が互いに交差する方向を向いて延設されている。図示した実施形態では、複数の仕切部材21は、鉛直方向及び水平方向のいずれかの方向を向いて側面視において正方形状の開口部分17aを形成するように延設されている。
【0041】
負極部ケース10の上面10aには、第1接続部12b1及び負極端子13が挿通される挿入孔部22が設けられている。図示した実施形態では、挿入孔部22は、円形状に開口し、負極部ケース10の第1開口部17に対向する方向から負極部ケース10を見たときに、負極部ケース10の上面10aの幅方向中央部に設けられている。この挿入孔部22に第1接続部12b1及び負極端子13が挿入されて集電体本体部12aの上部が負極部ケース10に固定されている。集電体本体部12aの下部から突出する第2接続部12b2の下端部は、負極部ケース10の底面に接続されて集電体本体部12aの下部が負極部ケース10に固定される。なお、第1接続部12b1は、挿入孔部22に挿通されて挿入孔部22から延出するように長尺状に形成されて、第1接続部12b1の上端側が負極端子13となるように構成されてもよい。
【0042】
このように、集電体本体部12aの上部に突設された第1接続部12b1を負極部ケース10の上面10aに形成された挿入孔部22に挿通することで、負極部ケース10に対する集電体本体部12aの位置決めをすることができる。また、集電体本体部12aの下部に突設された第2接続部12b2を負極部ケース10の底部に接続することで、負極部ケース10に対して位置決めされた集電体本体部12aを負極部ケース10に固定することができる。よって、集電体本体部12aを負極部ケース10内において位置決めした状態で固定することができる。
【0043】
固体電解質50は、図6に示すように、リチウム負極体15に対して隙間25を有して配置されてリチウム負極体15と第1電解質53(図3参照)との間でリチウムイオンの伝導が可能である。図示した実施形態では、固体電解質50は、第1開口部17に対向して第1開口部17を覆って負極部ケース10の内部に固定されている。このため、固体電解質50は、第1開口部17よりも負極部ケース10の内側に配設されている。
【0044】
固体電解質50は、リチウムイオン伝導性を有して水透過性の無い材料からなり、板状又は膜状に形成されている。固体電解質50は、負極11のリチウム負極体15に対して隙間25を有して対向配置され、第1電解質53の水分からリチウム負極体15を保護するとともに、リチウムイオン(Li)のみを通過可能に構成されている。固体電解質50は、耐水性及びリチウムイオン伝導性を有するガラスセラミックスを用いることができる。固体電解質50は、例えば、NASICON(Na Superionic Conductor:ナトリウム超イオン導電体)型のリチウムイオン伝導体とすることができる。
【0045】
リチウム負極体15と固体電解質50との間の負極部ケース10内には、リチウムイオンの伝導が可能な第2電解質29が収容されている。第2電解質29は、例えば、リチウム塩を溶解したエチレンカーボネイトなどの有機電解液である。なお、第2電解質29は、リチウム塩をポリマーに分散させた固体電解質であってもよいし、リチウム塩を溶解した有機電解液をポリマーに膨潤させたゲル電解質であってもよい。
【0046】
このように形成された負極部ケース10は、図3に示すように、電池ケース60の上面62に設けられた負極孔部62bを介して電池ケース60に対して挿脱可能である。図示した実施形態では、負極孔部62bは、平面視において、負極部ケース10の外形形状よりもわずかに大きな相似形状を有している。このため、負極孔部62bを介して負極部ケース10を電池ケース60に対して挿脱可能である。
【0047】
このように構成されたリチウム空気電池1は、放電時において、負極11ではLi→Li+eとなり、正極40では、O+2HO+4e→4OH、OH+Li→LiOHの2段階の反応で水酸化リチウムが生成される。水酸化リチウムは水溶性なので、正極40の正極集電体41の微細孔を目詰まりさせることはない。
【0048】
一方、充電時においては、負極11ではLi+e→Liとなり、正極40では、4OH→O+2HO+4eの反応が生じて酸素が発生する。ここで、充電時において、負極11のリチウム負極体15の表面や第2電解質29中の少なくともいずれかにリチウムデントライト(スラッジ)が生成される場合がある。このスラッジが生成されると、充電時にリチウム負極体15で再生される金属リチウムの量が減少して、電池容量が低下する虞が生じる。この場合、スラッジを除去しようとすると、リチウムが空気に触れて燃焼する虞があり、スラッジの除去は難しい。
【0049】
そこで、本願のリチウム空気電池1は、スラッジが発生した場合には、スラッジが発生した負極部ケース10を電池ケース60から脱着し、スラッジが発生していない新しい負極部ケース10を電池ケース60に挿着する。このような負極部ケース10の交換時期の判断は、充放電特性の変化(例えば、電池容量の減少、電池抵抗の上昇等)によって判断される。
【0050】
このように、上述したように、負極部ケース10は、負極11、リチウム負極体15、固体電解質50、第2電解質29が一体化して収容されているので、負極部ケース10の挿脱時にリチウム負極体15が空気に触れることはない。また負極11が失活した場合に、新しい負極部ケース10を電池ケース60に挿着することで、リチウム空気電池1において、負極11にスラッジの付着が無く、且つ第2電解質29内にスラッジが浮遊していない状態に復元することができる。よって、リチウム空気電池1の充放電時に生成されるスラッジによって負極が失活した場合、スラッジを除去するとともに、負極11が空気に触れることなく負極11を復活させてリチウム空気電池1の繰り返し使用が可能になるリチウム空気電池1を実現できる。
【0051】
また、上述したように、固体電解質50は、図6に示すように、板状に形成されて、第1開口部17を覆って負極部ケース10の内部に固定されているので、固体電解質50が第1開口部17の外側へ突出する虞が無い。このため、図3に示すように、負極部ケース10を電池ケース60の上面62に形成された負極孔部62bに対して挿脱する際に、固体電解質50が負極孔部62bに接触して損傷する虞を防止することができる。
【0052】
また、上述したように、第1開口部17には、図4に示すように、複数の仕切部材21が互いに交差する方向に延設されているので、複数の仕切部材21によって第1開口部17を複数の開口部分17aに仕切ることができる。このため、開口部分17aの面積が第1開口部17の面積よりも小さくなり、負極部ケース10の挿脱時に障害物が開口部分17aに接触したり、外力が開口部分17aに作用したりする虞を抑えることができ、固体電解質50が損傷する虞をより防止することができる。
【0053】
さらに、上述したように、集電体本体部12aは、図6に示すように、板状のリチウム負極体15に重なって接触した状態で固定されるので、リチウム負極体15に対する集電体本体部12aの電極効果を効果的に発揮させることができる。また、負極集電体12の集電体本体部12aの外周部の少なくとも2か所の異なる位置から突出する複数の接続部12bが負極部ケース10の内面に接続されているので、負極集電体12を負極部ケース10に対してより強固に固定することができる。このため、板状のリチウム負極体15は、集電体本体部12aを介して負極部ケース10に強固に固定することができる。従って、リチウム負極体15が固体電解質50に接触して、固体電解質50が腐食する等の不都合の発生を防止することができる。
【0054】
図7は、図3のIII−III矢視に相当する負極部ケース10の断面図である。
【0055】
また、幾つかの実施形態によれば、図3及び図7に示すように、電池ケース60の上面10aに形成された負極孔部62bよりも下方の電池ケース10内には、負極孔部62bを介して負極部ケース10を電池ケース60に対して挿脱する際の負極部ケース10の移動を案内する案内ガイド65が設けられている。
【0056】
図示した実施形態では、案内ガイド65は、平面視において、電池ケース60に挿入された負極部ケース10の四隅の夫々の外側に配設されたガイド部材66を備える。ガイド部材66は、L字状に屈曲形成されて上下方向に棒状に延びる。ガイド部材66は電池ケース60内の空間部60aの上端から下端に亘って延在している。
【0057】
このように、負極孔部62bよりも下方の電池ケース60内に負極部ケース10の移動を案内する案内ガイド65が設けられているので、負極孔部62bを介して負極部ケース10を電池ケース60に対して挿脱する際の負極部ケース10の挿脱操作を容易にすることができる。
【0058】
図8は、他の実施形態に係る負極部ケース10Aの背面側斜視図である。図9は、他の実施形態に係る負極部ケース10Aの断面図である。
【0059】
他の実施形態に係る負極部ケース10Aは、図8及び図9に示すように、負極部ケース10Aが電池ケース60内に挿入された状態で、正極40と対向する側と反対側の負極部ケース10Aの反対側面と電池ケース60の内面との間に、第1電解質53が存在し(図3参照)、負極部ケース10Aの反対側面には、第2開口部70を覆って負極部ケース10Aの内部に固体電解質50Aが固定されるとともに、固体電解質50Aとリチウム負極体15Aとの間に第2電解質29Aが充填されている。なお、他の実施形態に係る負極部ケース10Aは、前述した負極部ケース10との相違点のみを説明し、前述した負極部ケース10と同一態様部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
図示した実施形態では、図9に示すように、負極集電体12Aは、その一面と他面の両面にリチウム負極体15、15Aが接触した状態で固着されている。負極集電体12Aの他面に固着されたリチウム負極体15Aは、第2開口部70を覆うようにして配設された固体電解質50Aに対して隙間71を有して対向配置されている。また、負極集電体12Aの外周と負極部ケース10Aの内面との間には隙間が形成され、この隙間を介して、負極集電体12Aの一面側に充填された第2電解質29と負極集電体12Aの他面側に充填された第2電解質29Aとが流通可能である。
【0061】
このように他の実施形態に係る負極部ケース10Aは、負極部ケース10Aの反対側面と電池ケース60の内面との間に、第1電解質53が存在し、反対側面には第2開口部70が形成され、第2開口部70を覆って負極部ケース10Aの内部に固体電解質50Aが固定され、固体電解質50Aとリチウム負極体15Aとの間に第2電解質29Aが充填されている。このため、リチウム負極体15、15Aの正極40側に対向する面とこの面と反対側の面の両面において、リチウムイオンの移動が可能になる。よって、リチウム空気電池1の充放電特性を向上することができる。
【0062】
また、上述したように、負極部ケース10は、図6に示すように、負極11、リチウム負極体15、固体電解質50、第2電解質29が一体化されて収容され、またリチウム空気電池1の電池ケース60に対して挿脱可能であるように構成されている。このため、電池ケース60に対する負極部ケース10の挿脱時にリチウム負極体15が空気に触れることはない。また負極11が失活した場合に、新しい負極部ケース10を電池ケース60に挿着することで、リチウム空気電池1において、負極11にスラッジの付着が無く、且つ第2電解質29内にスラッジが浮遊していない状態に復元することができる。よって、リチウム空気電池1の充放電時に生成されるスラッジによって負極が失活した場合、スラッジを除去するとともに、負極11が空気に触れることなく負極11を復活させてリチウム空気電池1の繰り返し使用が可能になるリチウム空気電池1の負極構造体を実現できる。
【0063】
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。例えば、電池ケース内に正極よび負極部ケースからなる一対の電極群を、電池ケース内に複数備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 リチウム空気電池
10、10A 負極部ケース
10a、62 上面
10b 側面
11 負極
12、12A 負極集電体
12a 集電体本体部
12b 接続部
12b1 第1接続部
12b2 第2接続部
13 負極端子
15 リチウム負極体
17 第1開口部
17a 開口部分
19、60a 空間部
21 仕切部材
22 挿入孔部
25、71 隙間
29 第2電解質
40 正極
41 正極集電体
42 正極端子
43 撥水層
44 触媒
50、50A 固体電解質
53 第1電解質
60 電池ケース
61 側面
61a 孔部
62a 正極孔部
62b 負極孔部
65 案内ガイド
66 ガイド部材
70 第2開口部
72 絶縁部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9