【解決手段】 金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片が第1の方向および前記第1方向と直行する第2方向に配列され、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、隣り合う個片の側面同士を接続する複数の突出片とから成る金属コア基板と、前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有する大判のプリント配線板に於いて、前記突出片の側辺に沿う長さの合計は、前記側辺の長さの50%以上を占める事を特徴とする。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片が第1の方向および前記第1方向と直行する第2方向に配列され、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、隣り合う個片の側面同士を接続する複数の突出片とから成る金属コア基板と、
前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有する大判のプリント配線板に於いて、
前記突出片の側辺に沿う長さの合計は、前記側辺の長さの50%以上を占める事を特徴とした大判のプリント配線板。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片が第1の方向および前記第1方向と直行する第2方向に配列され、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、隣り合う個片の側面同士を接続する複数の突出片とから成る金属コア基板と、
前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有する大判のプリント配線板に於いて、
前記矩形の角部から第1番目の前記突出片と前記角部とのオフセットは、前記突出片の厚み以上である事を特徴とした大判のプリント配線板。
前記突出片は、前記個片の厚みよりも薄く形成され、一の前記突出片は、前記個片の表面側(または裏面側)から突出し、前記一の突出片と隣り合う突出片は、前記個片の裏面側(または表面側)から突出する請求項1または請求項2に記載の大判のプリント配線板。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる個片と、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、個片の前記側面から突出した複数の突出片とから成る金属コア基板と、
前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有するプリント配線板に於いて、
前記矩形の角部から第1番目の前記突出片と前記角部とのオフセットは、少なくとも前記突出片の厚みの長さである事を特徴としたプリント配線板。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる個片と、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、個片の前記側面から突出した複数の突出片とから成る金属コア基板と、
前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有するプリント配線板に於いて、
前記側面に設けられた複数の突出片の間隔は、前記突出片の厚みの長さである事を特徴としたプリント配線板。
前記金属コア基板の厚みが60〜120μmの範囲で、弾性率が10GPa〜23GPaである請求項7、請求項8、請求項9または請求項10に記載のプリント配線板。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片が第1の方向および前記第1方向と直行する第2方向に配列され、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、隣り合う個片の側面同士を接続する複数の突出片とから成る金属コア基板と、前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有する大判のプリント配線板を用意し、
前記隣り合う個片と個片の間の前記複数の突出片を切断してプリント基板とするプリント基板の製造方法であり、
前記個片の側辺に設けられた前記突出片長さの合計は、前記側辺の長さの50%以上を占める事を特徴としたプリント配線板の製造方法。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片が第1の方向および前記第1方向と直行する第2方向に配列され、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、隣り合う個片の側面同士を接続する複数の突出片とから成る金属コア基板と、前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有する大判のプリント配線板を用意し、
前記隣り合う個片と個片の間の前記複数の突出片を切断してプリント基板とするプリント基板の製造方法であり、
前記矩形の角部から第1番目の前記突出片と前記角部とのオフセットは、少なくとも前記突出片の厚みの長さである事を特徴としたプリント配線板の製造方法。
前記側面に於いて、隣り合う突出片同士は、前記金属コア基板の厚み方向に於いて異なる位置に設けられる請求項14乃至請求項16のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
前記補強フィラーは、前記金属コア基板の表面または裏面に設けられた前記メッキ層の実質全域に、シート状に織り込まれた補強繊維であり、前記絶縁層は、絶縁樹脂からなり、前記絶縁樹脂が前記粗面に密着して成る請求項19に記載のプリント配線板。
前記金属コア基板は、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、前記個片の側面から突出する複数の突出片とを有し、前記金属コア基板の表面および裏面に対応する突出片にも前記補強繊維が設けられる請求項20に記載のプリント配線板。
前記絶縁層には、前記金属コア基板の前記圧延Cu層が底面に露出した開口部が設けられ、前記配線パターンは、前記底面で、前記圧延Cu層と電気的に接続されている請求項18に記載のプリント配線板。
前記絶縁層には、前記金属コア基板の前記メッキ層が底面に露出した開口部が設けられ、前記配線パターンは、前記底面で、前記メッキ層と電気的に接続されている請求項23に記載のプリント配線板。
前記突出片と前記隣り合う突出片との間に設けられた前記絶縁層には、前記絶縁層に設けられた粒状または破砕状のフィラーが混入されている請求項21に記載のプリント配線板。
前記金属コア基板の表面は、矩形から成り、前記矩形の角部から第1番目の前記突出片と前記角部とのオフセットは、前記突出片の厚みの長さである請求項21に記載のプリント配線板。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片が第1の方向および前記第1方向と直行する第2方向に配列され、前記個片と同一材料で一体に設けられ、前記矩形の角部から回避され、隣り合う個片の側面同士を接続する複数の突出片とから成る金属コア基板を有する大判のプリント配線板であり、
前記矩形の角部から第1番目の前記突出片は、前記角部と逆の方向に凹んでいる事を特徴とした大判のプリント基板。
前記個片は、マトリックス状に配置され、4つの前記角部により構成される十字スリットの部分に於いて、4本のスリットに形成された突出片は、仮想円、仮想楕円または仮想ひし形の上に、実質的に位置する請求項28に記載の大判基板のプリント基板。
金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および前記表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片が第1の方向および前記第1方向と直行する第2方向に配列され、前記個片と同一材料で一体に設けられ、隣り合う個片の側面同士を接し、前記矩形の角部から第1番目の前記突出片は、前記角部と逆の方向に凹んでいる突出片を有する金属コア基板と、
前記金属コア基板の表面と裏面に設けられる絶縁層と、前記絶縁層の表面に設けられた配線パターンとを有する大判のプリント配線板を用意し、
前記突出片の中央部分を研磨・研削して通過しながら個片化する事を特徴としたプリント配線板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照し、本発明の実施形態に係るプリント配線板を説明する。ここでは、プリント配線板がカメラモジュール用のプリント配線板として好適に使用されるものとして説明される。ただし、本発明のプリント配線板はカメラモジュール用以外にも適用可能である。なお、図面において共通の又は類似する構成要素には同一又は類似の参照符号が付されている。
【0013】
[第1実施形態]
図1A、
図1B、及び
図2を参照して、第1実施形態におけるプリント配線板10を説明する。
図1Aは、プリント配線板10を構成する金属コア基板11を概略的に示す平面図である。
図1Bは、
図1AのB−B’範囲におけるA−A’線断面図である。ただし、個片110の断面構造を理解しやすくするために、他の個片に属する突出片及び孔部は省略されている。また、
図2は、
図1Bに相当するプリント配線板10の箇所を概略的に示す断面図である。
【0014】
ここで、
図1A、
図1B、及び
図2では、プリント配線板10の厚み方向がZ軸方向に定められる。また、プリント配線板10は、金属コア基板11の上面11a及び下面11bがZ軸に直交するXY平面に平行になるように配置されるものとする。また、プリント配線板10に含まれる複数の個片110〜113は、切断予定線CL11〜CL13に平行なX軸と、切断予定線CL11〜CL13に直交する切断予定線CL14〜CL16に平行なY軸に沿って配置されているものとする。
【0015】
<プリント配線板の構成>
プリント配線板10は、カメラモジュール用のプリント配線板として好適に使用され、
図2に示されるように、金属コア基板11と、絶縁層12と、ソルダーレジスト層13,14と、を備える。なお、プリント配線板10は、図示しない信号配線及び導体ビアを含んでいる。また、絶縁層12と前記信号配線を含む導体パターンが、基板の表裏に、絶縁層12を介して絶縁処理されて、それぞれ繰り返し積層され、いわゆる複数層のプリント配線板であっても良い。
【0016】
(金属コア基板)
金属コア基板11は、例えば銅部材からなる板状の部材であって、プリント配線板10に剛性を付与している。本実施形態において、金属コア基板11の厚みは、250μm以下、例えば210μm,160μm,120μmである。なお、金属コア基板11は接地配線を兼用している。
【0017】
金属コア基板11は、複数の個片を有する。一枚の金属コア基板11は多数の個片を含んで構成されるが、ここでは便宜上、金属コア基板11が4つの個片110〜113を含むものとして説明する。複数の個片110〜113は、四角形状を呈し、X軸方向(第1の方向)及びY軸方向(第2の方向)に整列している。複数の個片110〜113は、X軸方向及びY軸方向に任意の個数だけ整列してもよい。複数の個片110〜113は同一の形状を呈している。
【0018】
また、金属コア基板11は、突出片を有する。突出片は、隣り合う個片同士を接続するための部材であって、個片と一体的に設けられる。上述のとおり複数の個片110〜113は同一の形状を呈しているので、個片110に関連する突出片121〜128,151〜156について述べると、突出片121〜128,151〜156は、個片110の辺から延在して、隣り合う個片(111,113など)の隣り合う辺同士を接続する。
【0019】
突出片121〜124は切断予定線CL11に沿って設けられ、突出片125〜128は切断予定線CL12に沿って設けられる。また、突出片151〜153は切断予定線CL15に沿って設けられ、突出片154〜156は切断予定線CL14に沿って設けられる。したがって、これら突出片121〜128,151〜156によって囲まれた個片110は、切断予定線CL11,CL12,CL14,CL15に沿った辺によって形成された略長方形状を呈することとなる。なお、切断予定線CL11〜CL16は仮想線であり、プリント配線板10は、かかる仮想線に沿って、例えばダイサーによって個片に切断される。ダイサーの歯には所定の幅があること、また、ダイサーがプリント配線板10を切断する位置が切断予定線CL11〜CL16からずれることを考慮し、切断予定線CL11〜CL16は一定の幅をもつように定められてよい。
【0020】
ここで、個片110において切断予定線CL11,CL12,CL14,CL15に沿った4つの辺は、上述した突出片121〜128,151〜156のほか、十字状孔部131〜134、及び孔部141〜146、161〜164から形成される。十字状孔部131〜134は、切断予定線CL11,CL12,CL14,CL15が交差する箇所に形成されている。そして、十字状孔部131〜134の間に、突出片121〜128,151〜156と、孔部141〜146、161〜164と、が交互に配置されている。例えば、個片110の切断予定線CL11に沿った辺では、十字状孔部131、突出片121、孔部141、突出片122、孔部142、突出片123、孔部143、突出片124、十字状孔部132がこの順に整列している。また、個片110の切断予定線CL15に沿った辺では、十字状孔部132、突出片151、孔部161、突出片152、孔部162、突出片153、十字状孔部132がこの順に整列している。これら辺に対向する辺についても同様に、十字状孔部131、133、134、突出片125〜128,154〜156、孔部144〜146、163〜164が配置されている。
【0021】
したがって、突出片121〜128,151〜156は、個片110に形成される4つの辺に対して、所定の間隔を介して複数設けられている。ここで、所定の間隔は、隣り合う突出片121〜128,151〜156同士の間の距離(例えば突出片121,122の間の距離)であって、孔部141〜143の切断予定線CL11に沿った長さに相当する。かかる所定の間隔は、例えば突出片121〜128,151〜156の厚みD11以上であることが好ましい。この所定の間隔は、突出片121〜128,151〜156が例えばダイサーによって切断されるときに発生するバリが突出片121〜128,151〜156に接触して短絡しないようにするために設けられる。
【0022】
そして、突出片121、124、125、128,151,153、154、156(つまり、各辺において個片110の角部110a〜110dに最も近い突出片)は、個片110の角部110a〜110dに対して突出片121〜128の厚みD11分オフセットした位置、つまり角部110a〜110dからD12〜D15だけ離れた位置に設けられる。例えば、オフセットD12〜D15は、210μmの厚みの金属コア基板11に対して105μm,160μmの厚みの金属コア基板11に対して80μm,120μmの厚みの金属コア基板11に対して60μm、設けることが好ましい。これにより、突出片121〜128,151〜156が例えばダイサーによって切断されるときに発生するバリが、個片110の外側まで延びて他の個片や製造装置を損傷したり、落下して製造工程を汚染したりすることを防止することが可能となる。ただし、オフセットD12〜D15が長くなると、角部110a〜110dが何かに引っ掛かりやすくなったり、個片110が捩じれたりすることから、オフセットD12〜D15はこのような事象が生じない程度の長さに留めることが望ましい。ダイシング装置(不図示)で切断される突出片121、124、125、128,151,153、154、156により生じるバリは、一般的に、突出片121、124、125、128,151,153、154、156の厚みD11程度の長さを有するか、少なくとも、突出片121、124、125、128,151,153、154、156の長さの半分程度(L11/2)の長さを有する。そのため、オフセットD12〜D15は、突出片121、124、125、128,151,153、154、156の厚みD11のところまで角部に近づけて形成することができる。ただし、オフセットD12〜D15をD11よりも広げる場合、大判のプリント配線板にねじれを生じたり、他の物体に引っかかる状況が生じないように、オフセットD12〜D15の長さを設定することとする。例えば、以下の計算式で求められる値までは、広げられる。
オフセット=L(2N+1)+W
Lは個片の長さ、Nは突出片(ブリッジ)の本数、Wは、個片の側辺に沿ったブリッジの長さである。
【0023】
図1Bに示されるように、突出片121〜128,151〜156の厚みD11は、金属コア基板11の厚みD10より薄いことが好ましい。突出片121〜128,151〜156の厚みD11は、例えば210μmの厚みの金属コア基板11に対して105μm,160μmの厚みの金属コア基板11に対して80μm,120μmの厚みの金属コア基板11に対して60μmである。このような厚みを有する突出片121〜128,151〜156は、突出片121〜128であれば、金属コア基板11の下面11bに例えばハーフエッチングで窪みを形成することで、また突出片151〜156であれば、金属コア基板11の上面11aに例えばハーフエッチングで窪みを形成することで、それぞれ作成される。
【0024】
また、突出片121〜128,151〜156の、個片110の各辺に沿う長さの合計(L11+L12+L13+L14、L16+L17+L18)は、次の式1及び式2のとおり、各辺の長さL10,L15の50%以上であり、例えば400μm以上である。
L10 ≦ (L11 + L12 + L13 + L14) × 2 ・・・(式1)
L15 ≦ (L16 + L17 + L18) × 2 ・・・ (式2)
【0025】
また、個片110の各辺において隣り合う突出片121〜128,151〜156同士は、
図1Bに示されるように、金属コア基板11の厚み方向において異なる位置に設けられる。具体的には、突出片121,123,125,127,151,153,154,156は、金属コア基板11の上面11aと同一平面上に設けられ、突出片122,124,126,128,152,155は、金属コア基板11の下面11bと同一平面上に設けられる。
【0026】
なお、金属コア基板11には、図示しないスルーホール、及びダミーホールが設けられるが、キャビティは設けられない。抜き部分は、プレス抜きやドリル等の機械加工、エッチング等の化学処理で作成できる。
【0027】
(絶縁層)
絶縁層12は、金属コア基板11の表面に形成される。絶縁層12には、配線パターンが形成される。絶縁層12は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド、ビスマレイミドトリアジン樹脂、これら樹脂にガラス繊維などの補強フィラーを含有させたもの等の絶縁性の熱硬化性合成樹脂からなる。
【0028】
(ソルダーレジスト層)
ソルダーレジスト層13,14は、プリント配線板10に形成された回路パターンを保護する絶縁膜であり、絶縁層12の表面に形成される。ソルダーレジスト層13,14は、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂からなる。またプリント配線板10の表および裏に設けられた電極(不図示)は、ソルダーレジスト層13,14の開口部(不図示)より露出される。
【0029】
以上、説明した構成または後述する製造方法を実現すると、金属コア基板11の厚みが薄くなっても、大判のプリント配線板10のこしが強くなり、搬送性、作業性が向上する。しかも、分割されて個片に成ったプリント配線板としても、剛性、平坦性を実現できる。
具体的には、銅コア基板の厚み120μm、総厚274μm、ガラスクロスレス、フィラー入りの個片化したプリント配線板で測定した結果、弾性率は、およそ23GPaであった。測定装置として、動的粘弾性測定装置(TI インストルメント社 RSA3)を用い、個片を、ギャップ10mm、個片の配線板の中央で3点曲げで測定した。同様に、銅コア基板の厚み60μm、総厚210μm、ガラスクロスレス、フィラー入りのプリント配線板で策定した結果、弾性率は、およそ10GPaであった。
この数値の様に、この程度の弾性率が得られることで、剛性、平坦性が向上され、また大判の配線板では、こしの強さが向上されることが判る。尚、全実施例に於いて、大判の基板、大判の配線基板は、集合基板とも呼ばれる。)
【0030】
<プリント配線板の製造方法>
上述した構成を有するプリント配線板10を製造する方法を説明する。
【0031】
まず金属コア基板11を準備する。例えば金属コア基板11の上面11a及び下面11bに、互いに交差する切断予定線CL11〜CL16に沿って十字状孔部131〜134及び孔部141〜146、161〜164が形成され、その結果として突出片121〜128,151〜156が非連続的に形成される。十字状孔部131〜134、及び孔部141〜146、161〜164は、例えばウェットエッチング法によって金属コア基板11をエッチングすることにより形成される。また、突出片121〜128,151〜156は、例えばウェットエッチング法によって金属コア基板11をハーフエッチングすることにより形成される。併せて、図示しないスルーホール及びダミーホールがエッチングにより形成されてもよい。尚、
図9、
図11において、スルーホール及びダミーホールなどの説明をする。
【0032】
次いで、絶縁樹脂材料を金属コア基板11に積層し、絶縁層12を形成する。その際、十字状孔部131〜134、及び孔部141〜146、161〜164、並びに、突出片121〜128,151〜156を形成するためにハーフエッチングしてできた窪み、に絶縁材料が充填されることで孔埋めされる。なお、絶縁層12の形成の際、図示しない配線層が形成されてもよい。一般的には、絶縁層12の上には、導電パターンが形成される。二層のプリント基板であれば、表と裏に、一層ずつ、4層であれば、表と裏に二層ずつ、絶縁層で絶縁処理されて形成される。尚、総数は、任意である。また表側の導電パターンと裏側の導電パターンは、スルーホール、Via等を介して電気的に接続される。
【0033】
次いで、絶縁層12の表面にソルダーレジスト層13,14を形成する。そして、例えばダイサーによって金属コア基板11を切断予定線CL11〜CL16に沿って切断し、個片110〜113に分割する。その後さらに、個片110〜113に撮像素子などのカメラ部品が取り付けられる。そして、撮像素子が取り付けられる領域(以下、「素子配置領域」と称する。)とは異なる領域(以下、部品配置領域)と称する。)に、撮像素子とは異なる半導体素子または受動部品が取り付けられる。素子配置領域および部品配置領域については、詳細に後述する。
【0034】
このように、第1実施形態では、突出片121〜128,151〜156の切断によりバリが生じても、そのバリは他の突出片に届かないから、バリの脱落を抑えることが出来る。また、突出片121〜128,151〜156を極力、角部110a〜110dに近いところに設置できるため、工程流動中の捩れによる破損を防ぐことが出来る。更に、突出片121〜128,151〜156の幅を長く取ることが可能になるため、金属コア基板11が薄くなってもプリント配線板10の取扱いが容易である。また、薄い金属コア基板11を用いることが出来るため、剛性のある金属コア基板11を得ることが出来る。
【0035】
したがって、プリント配線板10が大判の時には、突出片121〜128,151〜156によって、プリント配線板10が何かに引っ掛かったり、捩れたりしないから、プリント配線板10の製造時における作業性が向上する。また、金属コア基板11が銅などの金属部材からなるため、例えばセラミックコアのように、スマートフォンなどの筐体に取り付けるときに割れることがない。さらに、ダイシング後のカメラモジュール用配線板としての剛性を確保することができる。
【0036】
[第2実施形態]
図3A、
図3B、及び
図4を参照して、第2実施形態におけるプリント配線板20を説明する。
図3Aは、プリント配線板20を構成する金属コア基板21を概略的に示す平面図である。
図3Bは、
図3AのD−D’範囲におけるC−C’線断面図である。ただし、個片210の断面構造を理解しやすくするために、他の個片に属する突出片及び孔部は省略されている。また、
図4は、
図3Bに相当するプリント配線板20の箇所を概略的に示す断面図である。なお、各図において、X軸、Y軸、及びZ軸は、第1実施形態と同様に設定されている。
【0037】
図4に示されるように、プリント配線板20は、第1実施形態におけるプリント配線板10と同様に、金属コア基板21と、絶縁層22と、ソルダーレジスト層23,24と、を備える。プリント配線板20が第1実施形態におけるプリント配線板10と異なるのは、主として金属コア基板21における突出片221〜226,251〜256、及び孔部242〜244、261〜264である。よって、以下、金属コア基板21を中心に説明する。
【0038】
金属コア基板21の個片210〜213は、第1実施形態と同様に、四角形状を呈し、X軸方向及びY軸方向に任意の個数だけ整列する。複数の個片210〜213は同一の形状を呈しているので、以下、個片210について説明する。
【0039】
また、突出片221〜223は切断予定線CL21に沿って設けられ、突出片224〜226は切断予定線CL22に沿って設けられる。また、突出片251〜253は切断予定線CL25に沿って設けられ、突出片254〜256は切断予定線CL24に沿って設けられる。したがって、これら突出片221〜226,251〜256によって囲まれた個片110は、切断予定線CL21,CL22,CL24,CL25に沿った辺によって形成された略長方形状を呈することとなる。
【0040】
そして、突出片221〜226,251〜256は、個片210の4つの辺から延在して、個片210に隣り合う個片(211,213など)の隣り合う辺同士を接続する。突出片221〜226,251〜156は、個片210に形成される4つの辺に対して、所定の間隔を介して複数設けられてもよい。ここで、所定の間隔は、隣り合う突出片221〜226,251〜256同士の間の距離(例えば突出片221,222の間の距離)であって、孔部241,242の切断予定線CL21に沿った長さに相当する。かかる所定の間隔は、例えば突出片221〜226,251〜256の厚みD20以上であることが好ましい。なお、第2実施形態において、突出片221〜226,251〜256の厚みD20は、金属コア基板21の厚みに等しいが、金属コア基板21の厚みより薄くてもよい。
【0041】
そして、突出片221,223,224、226、251,253,254,256(つまり、各辺において個片210の角部210a〜210dに最も近い突出片)は、個片210の角部210a〜210dに対して突出片221〜226(金属コア基板21)の厚みD20分オフセットした位置、つまり角部210a〜210dからD21〜D24だけ離れた位置に設けられる。例えば、オフセットD21〜D24は、210μmの厚みの金属コア基板21に対して210μm,160μmの厚みの金属コア基板21に対して160μm,120μmの厚みの金属コア基板21に対して120μm、設けることが好ましい。
【0042】
また、突出片221〜226,251〜156の、個片210の各辺に沿う長さの合計(L21+L22+L23、L25+L26+L27)は、次の式3及び式4のとおり、各辺の長さL20,L24の50%以上である。
L20 ≦ (L21 + L22 + L23) × 2 ・・・(式3)
L24 ≦ (L25 + L26 + L27) × 2 ・・・(式4)
【0043】
このような構成を有するプリント配線板20は、第1実施形態に係るプリント配線板10と同様に製造される。ただし、突出片221〜226,251〜256を形成するためにハーフエッチング法を用いる必要はないため、製法が簡略化される。
【0044】
このように、第2実施形態においても、突出片221〜226,251〜256の切断によりバリが生じても、そのバリは他の突出片に届かないから、バリの脱落を抑えることが出来る。また、突出片221〜226,251〜156を極力、角部210a〜210dに近いところに設置できるため、工程流動中の捩れによる破損を防ぐことが出来る。更に、突出片221〜226,251〜156の幅を長く取ることが可能になるため、金属コア基板21が薄くなってもプリント配線板10の取扱いが容易である。また、薄い金属コア基板21を用いることが出来るため、剛性のある金属コア基板21を得ることが出来る。
【0045】
[第3実施形態]
図7、
図8、
図9(A)〜(C)を参照しつつ、第3実施形態におけるプリント配線板PCを説明する。
図7は、第3実施形態に係るプリント配線板PCの実装領域における一部の配線密度を概略的に示す平面図である。
図8は、第3変形例に係るプリント配線板PCを概略的に示す部分拡大側面図である。
図9は、配線密度に関する一例を説明する図である。なお、
図7、
図8、
図9(A)〜(C)において、X軸、Y軸、及びZ軸は、第1実施形態と同様に設定されている。また、プリント配線板PCは、
図2に示されるプリント配線板10と同様の構成を有するものである。例えば、
図7に示すプリント配線板PCは、金属コア基板を中心にして、表2層、裏2層の4層基板である。
図9(B)は、
図9(C)の金属コア基板51の上に設けられる1層目の導電パターンP1を示し、
図9(A)は、2層目の導電パターンP2を示している。金属コア基板51の下層の導電パターンは、図面では示していないが、同じ様に2層の導電パターンで形成されている。また表と裏の導電パターンは、スルーホールやviaを介して電気的に接続される。
【0046】
なお、以下において、
図2における金属コア基板11、絶縁層12、ソルダーレジスト層13,14を、
図7、
図8、
図9において、金属コア基板51、絶縁層52、ソルダーレジスト層53,54に適用して説明をする。また、導電パターンP1,P2は、配線、または配線と一体で成る電極などで形成される。よって内層の導電パターンP1は、上層の絶縁層で覆われ、最上層の導電パターンP2は、ソルダーレジストにより覆われている。そして、電極の一部は、ソルダーレジストの開口部から露出している。
図7に示すように、金属端子55は、プリント配線板PCの周囲に配置され、ソルダーレジスト53の開口部から露出している。なお、金属端子55には、ソルダーレジスト層53,54に覆われる配線(不図示)が設けられている。
図7〜
図9に示されるように、プリント配線板PCは、導電パターンP1,P2、導電パターンの一部である金属端子55、via、スルーホールなどを含んで構成され、プリント配線板PCの金属端子55や他の電極とコンタクトした部品が実装される事で所望の回路が実現される。
図7は、撮像素子が実装されたカメラモジュールを実現している。
【0047】
続いて、プリント配線板PCは、複数の実装領域に分けられている。左右に1点鎖線で示す矩形の部分は、素子配置領域56であり、この二つの素子配置領域の間には、部品配置領域57が設けられている。素子配置領域には、撮像素子(不図示)が上を向いて設けられ、撮像素子の裏面は、ソルダーレジスト層53、54の上に接着剤で固着されている。そして撮像素子の固着領域の周囲には、金属端子55が設けられ、撮像素子と金属端子55は、ボンデイングワイヤで接続される。部品配置領域57は、例えば撮像素子以外の半導体素子および受動部品等が取り付けられる領域である。例えば、チップ抵抗、チップコンデンサ、ICなどが半田を介して固着されている。
【0048】
続いて、プリント配線板PCの剛性について説明する。ここでは、導電パターン56A,57Aの工夫でその剛性を高めている点について触れる。二つの撮像素子である半導体チップは、裏面がプリント配線板PCに固着されている。よってSiチップの剛性もあり、この素子配置領域56の部分は、チップと一体のプリント配線板PCとして剛性が維持されている。すると、チップの間の部品配置領域57に何も工夫が施されないと、ここの部分が弱いために、ここを起点にしてプリント配線板PCが反ることになる。反りが発生すると、二つの撮像素子の調整が複雑になるため、ここの部品配置領域57も剛性を高める必要がある。本実施形態では、部品配置領域57と素子配置領域56の導電パターン56A,57Aの密度に関し考慮した。まず二つの撮像素子は、二つの画像データを合成して、高解像度としている。よって二つのICの間、つまり部品配置領域57に、この信号処理の為の導電パターン(配線や電極)を集中させている。また部品も集中させ、固着させている。一方、素子配置領域56は、チップ裏面が固着されて剛性が維持されるので、部品配置領域57よりも導電パターンの密度が粗である導電パターンを置く事が可能である。例えば、インピーダンスの調整で、導電パターンを取り除く必要があれば、その領域を素子配置領域56に設けると良い。
【0049】
つまり、導電パターン56A,57Aが、プリント配線板PCの内層に形成される場合、導電パターンは、あった方が剛性は維持できる。よって部品配置領域57側に、導電パターン57Aを集中させ、その密度を素子配置領域56よりも高め、更には、この導電パターン57Aと半田などを介して撮像素子以外の部品を固着する事から更に剛性を高める事が可能となる。また粗と成る導電パターン56Aは、チップ下に配置する事で、剛性の劣化につながる部分がチップ下となる。導電パターンが粗である部分は、素子配置領域56、つまりチップの下層に設けて、剛性が悪化するのを防ぎ、導電パターンが密である部分は、部品配置領域57に設けることで、この部分の合成を高めている。よって撮像素子、部品が搭載されたプリント配線板PCのモジュールは、全体的に剛性が高まる事になる。
【0050】
続いて、導電パターン56A,57Aの粗と密の説明を
図9を参照しながら説明する。
図9(C)が、プリント配線板PCの中心にある金属コア基板51で、
図1Bで説明されている。続いてその上層には、少なくとも絶縁層52が覆われて、1層目の導電パターンP1が設けられている。更に絶縁層52を介して2層目の導電パターンP2が設けられている。尚。金属コア基板51の下層も、同様に2層の導電パターンが形成されているがここでは省略した。まず、金属コア基板51は、
図11で詳しく述べるが、スルーホール、ダミースルーホールがある程度均等に設けられている。スルーホールやダミースルーホールの孔は、絶縁層の樹脂や他の絶縁樹脂材料で埋められているため、均等に配置する事で、金属コア基板51の全体としバランスを均等にして余計な応力発生を抑制している。
【0051】
続いて、
図9(A)には、2層目の導電パターンP2の内、配線P2aが図示されている。この配線P2aは、例えば差動回路のラインで、この差動ラインP2aと一層目の導電パターンP1との間で容量結合などのインピーダンス変動が発生する場合がある。特にGNDと示した一層目の導電パターンが広い面積で塗られていると、差動ラインP2aと重なり、容量が結合される為、切除領域Cを設ける事がある。本発明は、切除領域Cを、素子配置領域56、特に固着したチップの下層に設ける事で、切除により発生する剛性の劣化を防止している。更には、前述した様に、部品配置領域57は、導電パターンである配線や電極を集中させて、素子配置領域56よりも導電パターンの配置密度を高くしている。別の表現であれば、各層でCuパターンの設けられた比率である残Cu率は、部品配置領域57の方が素子配置領域56よりも高く設定されている。尚、各層の少なくとも一層が、この残Cu率の通りになっていればよい。
【0052】
一方、金属コア基板51の下層から裏面に配置された導電パターンも同様である。後述するが、圧延Cu層をメインとした金属コア基板51の剛性、銅メッキ膜層とガラス繊維シートの固着、導電パターンの残Cu率の工夫により、プリント配線板PCの剛性は高められ、薄く、放熱性に優れ、しかも衝撃に対して割れないプリント配線板PCが提供できる。
【0053】
[第1変形例]
図5を参照して、第1変形例におけるプリント配線板30を説明する。
図5は、プリント配線板30を概略的に示す部分拡大断面図である。プリント配線板30は、第2実施形態に係るプリント配線板20と同様に、金属コア基板31と、絶縁層(図面では省略した)と、ソルダーレジスト層33,34と、導電パターン35と、を備える。尚、ソルダーレジスト層33,34から露出した電極、ここでは導電パターン35を金属端子35として模式的に示した。
【0054】
金属端子35は、ソルダーレジスト層33の開口部から露出するとともに、金属コア基板31の突出片321から距離D31だけ離れた位置に設けられる。ここで、距離D31は、突出片321の厚みD30以上である。これにより、ソルダーレジスト層33の表面に露出する金属端子35と、金属コア基板31から発生したバリが接触してショートすることを防ぐことができる。
【0055】
[第2変形例]
図6を参照して、第2変形例におけるプリント配線板40を説明する。
図6は、プリント配線板40を概略的に示す部分拡大断面図である。プリント配線板40は、第1実施形態に係るプリント配線板10と同様に、金属コア基板41と、絶縁層42と、ソルダーレジスト層43,44と、導電パターン45(金属端子45)と、を備える。尚、金属端子45は、ソルダーレジスト層43,44の開口部から露出されている。
【0056】
金属端子45は、ソルダーレジスト層43の開口部から露出するとともに、金属コア基板41の突出片421,422からそれぞれ距離D41,D42だけ離れた位置に設けられる。ここで、距離D41,D42は、突出片421,422の厚みD40以上である。これにより、ソルダーレジスト層44の表面に露出する金属端子46と、金属コア基板41から発生したバリが接触してショートすることを防ぐことができる。
【0057】
[第3変形例]
図8(A)を参照して、突出片(ブリッジ)BG1〜BG4と導電パターンPとの半田ショート回避について説明する。
図8は、プリント配線板PCの部分図である。金属コア基板MCの両面には、絶縁層INが設けられ、それぞれ導電パターンが設けられている。表面は、
図7や
図9で説明した様に、撮像素子、その他部品を電気的に接続する為の導電パターン(電極P11や配線P12)が設けられ、裏面(不図示)は、例えば、半田ボール用の電極、この電極の再配線などが設けられている。尚、ここでは、二層プリント配線板PCで説明しているが、二層以上で良い。また側面には、
図1Aのダイシングラインで切り出した突出片(ブリッジ)BG1〜BG4の切断面が露出している。この突出片BG1〜BG4は、金属コア基板MCと同一材料であることから、ここはCuである。また突出片BG1〜BG4は、
図1Bに示す様に、表面と裏面側に交互に設けられている、これを示したのが突出片BG1〜BG4である。本来、半田ショートの問題が無ければ、BG1、BG2、点線のBG3、BG4となる。
【0058】
図8(A)では、プリント配線板PCの表面に示した導電パターン、ここではGND以外の導電パターンとして左側は電極P11、右側は配線P12を図示した。この導電パターンは、プリント配線板PCの周辺に近接して配置される事がある。特に、電極P11に近接した側面F1には、電極のX座標に対応する部分に、突出片BG3が設けられている場合、電極P11に盛られた半田が電極P11からあふれて突出片BG3へ流れ出てショートの可能性がある。特に金属コア基板MCは、GND接地されているため、例えばGND以外の信号が印加された電極や配線がショートとなり、故障の原因となる。そのため、本実施例では、矢印の様に、設計段階で、BG3からBG3aに回避(または移動)させる事により、半田ショートを防止している。
【0059】
一方、配線P12も同様の回避を施した方がいい場合がある。つまり、部品実装の際に、半田が誤って配線P12に載り、その半田が側面F2まで流れる場合がある。よって側面F2に於いて、配線P1のY座標に対応する部分に突出片BG3が位置した場合、予め設計段階で、BG3からBG3aに位置を変更すれば、配線P1からの距離が長くなるため、半田ショートの防止が可能である。また突出片BG3は、BGa3に回避せず、無くしてもよい。この場合、表面側に位置するBG1からBG4の間は、突出片が設けられず絶縁層が露出することになる。また長い配線やサイズの大きい電極などがある場合、BG1とBG4の間には、突出片BG2,BG3のうちの少なくとも一つ以上に渡り省略されてもよい。
【0060】
図8(B)には、プリント配線板60の側面に露出する突出片621〜623の端面が示され、その突出片の座標の近くに配置される金属端子65が示されている。突出片621〜623は、例えば、プリント配線板60の厚み方向において金属端子65と重ならないように配置される。これにより、プリント配線板60の側面に半田がはみ出したとしても、突出片621〜623には接触しない。また、プリント配線板60の厚み方向において、金属端子65と突出片621〜623が設計誤差程度に一部重なるように配置されていてもよい。つまり、突出片621〜623は、金属端子65に対してX方向に回避する方向に形成されていればよい。尚、突出片621〜623の回避距離は、突出片621〜623の厚み以上離れる様に設定される。
【0061】
[第4実施形態]
以下にプリント基板の剛性UPに関し説明する。ここで剛性の意味を調べてみると、「物体に力を加えて変形しようとする際、変形に抵抗する性質をいう。」と説明されている。また、別の表現として、曲げやねじりの力に対する、寸法変化(変形)のしづらさの度合いのことを言い、この点から、剛性が高いとは、平坦な基板を平坦のまま維持する能力に優れる事を言う。
【0062】
本実施例では、剛性は、金属コア基板MC、または金属コア基板MCを有するプリント配線板PCが、平坦性を維持する能力を言う。つまり外力、応力、熱など色々な力に対して、ある程度の硬さを有すると同時に、平坦性を維持する能力を言う。例えば、2眼カメラ用のモジュールなどでは、この平坦性がある基板を採用すると、両方の撮像素子の光学的調整か簡単に済むメリットがある。そのため、軽薄短小の流れにより、薄型で剛性があり、破壊に対して強いプリント配線板となる。
【0063】
続いて、プリント配線板の材料から考察してみると、樹脂製基板、ガラスやアルミナなどの無機系セラミック基板、そして銅やアルミからなる金属基板の3種類が主な材料である。しかし樹脂製は、機械的に弱く、更には温度に弱く変形しやすい性質がある。またセラミック基板は、平坦性や硬さを有しているが、薄くなると、その脆さは増加し、衝撃が加わると直ぐに破壊に到る。また金属は、熱膨張が大きく、反りが発生してしまう課題がある。そのため、これらの欠点を克服し、剛性を維持できるプリント配線板が求められている。またこれらの構造を採用した大判のプリント配線板(集合基板とも言う)も、反りの抑制に効果があるため、製造時の作業性に効果が発生する。本発明は、弾性率の高い圧延銅からなるメイン基板の両側に銅メッキを施して成る金属コア基板を採用して、その剛性が得られたので、以下に説明して行く。
【0064】
まず、金属コア基板として採用される銅の構成に関し説明する。Cu箔は、主に二つのタイプに分けられ、 一つは圧延銅箔であり、二つ目は、メッキによるCu箔(以下銅メッキ膜と呼ぶ)である。前者の圧延銅箔は、圧延工程により次第に薄く伸ばされ、 最後に所定の厚みに仕上げるもので、結晶が銅メッキ膜とは異なり、面方向に大きく引き伸ばされているものである。その結果、圧延銅箔の主な特徴は、屈曲性の良さと表面粗さが小さいことである。また大きな圧力で圧縮が加わるため、その剛性・硬さは、銅メッキ膜よりも優れている。後者の銅メッキ膜は、プリント基板などの導電パターン形成の際に使用されるCuメッキと、ドラムで巻き取った電解銅箔がある。この電解銅箔は円筒状の金属ドラムカソードを使用し、回転させながら目標とする厚みまで電気めっきを施し、 それを連続的に巻き取ったものである。またプリント基板に採用されるCuメッキは、メッキ液に浸漬し、無電解または電界によりプリント基板状に形成されるものである。どちらにしても、圧延銅箔から比べて結晶構造が小さく、多結晶構造であり、厚み方向に成長する為、柱状組織を呈していることから、配線板の屈曲時に柱状の結晶組織の粒界に沿ってクラックが発生しやすく比較的早期に破断する傾向にある。
【0065】
また樹脂の密着性を考慮すると、前述した様に、圧延銅箔は、表面粗さが小さいことから、銅メッキ膜から比べて、その密着性は小さい。逆に、銅メッキ膜は、厚み方向に成長した多結晶構造である事から、表面は細かな粗面を有し、圧延銅から比べて密着性は高い。
図10(B)は、これらの特徴を模式的に表している。圧延Cu層の符号をRC(Rolled Copper))とし、銅のメッキ層をCP(Copper Plating)とした。更に、この銅のメッキ層CPは、多結晶構造である事から、エッチングにより更にその粗度を際立たせる事が可能である。一般に、グレインとグレインバンダリーのエッチングレートを考慮すると、クレインバンダリーの方がエッチングレートが高い為である。
【0066】
本実施形態は、この両者の良い点を採用すべく、以下の構成に着目した。つまり、メインの金属コア基板MCとして、圧延Cu層RCを採用し、この圧延Cu層MCの両側にメッキ層CPを形成した。この構造のメリットを以下に述べる。尚、メッキ層CPは、銅、銀、白金、金、NiまたCr等が考えられるが、ここでは、銅を採用した。
【0067】
第一に、大判の金属コア基板MCまたは大判のプリント基板PCの剛性UP、そして個片の金属コア基板または個片のプリント基板PCの剛性UPについて、以下のとおり説明する。メッキ層CPの厚みAは、約10μmとし、圧延Cu層RCの厚みBは、50μm〜320μmを採用した。この様に、圧延Cu層RC自体を厚くする事で、硬さや剛性が確保できる。例えば、2A:B≒(1:16)〜(2:5)であって、2A<<Bの範囲となる。尚、メッキ層CPの膜厚を10μmとしたが、具体的には、およそ6μm〜10μmである。絶縁層INの密着のための、メッキ層CPの粗面加工、絶縁層INの形成後のコンタクト穴(via)加工では、デスミア処理やライトエッチング等など、メッキ層CPがエッチングされる工程があり、メッキ層CPがこの範囲にないと、コンタクト穴に電極を形成する際に、メッキ層CPが無くなってしまう事を見出している。
図10のコンタクトC2〜C4以外の絶縁層INで覆われている部分は、粗面化処理だけなので、およそ6μm前後〜10μm前後の範囲に入る。
【0068】
第二に、銅のメッキ層CPと圧延Cu層RCの密着性、銅のメッキ層CPと絶縁層IN1の密着性UPについて、以下のとおり説明する。銅のメッキ層CPは、圧延Cu層RCと同じ材料の銅であり、両者の密着は優れる。また、銅のメッキ層CP自体が多結晶である事から、その表面は、細かな凹凸がある。また更にエッチングを施すと、グレインの周囲のバンダリーが取り除かれ、更にその凹凸が際立つ。つまり粗面と成る。この凹凸がアンカー効果を引き出し、絶縁層IN1の樹脂との密着性が優れる事となる。
図10(B)は、その特徴を模式的に示している。三角で示す部分が多結晶のメッキ層である。前述した様にこの多結晶層が何層も積層され、表面の多結晶層がエッチングされて凹凸が現れる事になる。尚、粗度は、コンタクト以外の絶縁層と密着している部分が高く、コンタクトC3、C4は、低くなだらかである。
【0069】
第三に、フィラーの併用で更に剛性がUPすることについて、以下のとおり説明する。フィラーは、粒状形状、破砕形状、短繊維形状(針状)または織り込まれた繊維シート形状などと色々とある。どちらにしても樹脂から比べて、大きく硬さがあるため、樹脂の中に混ぜるとその剛性はアップする。粒状形状、破砕形状、短繊維形状としては、シリコン酸化膜、酸化アルミニウム、針状のガラス繊維、針状のカーボンやグラファイト繊維がある。これらは、シートの繊維から比べて、夫々が短い長さや小さな粒であり、夫々が独立して動く為、たとえ樹脂で固めたとは言え、平面的強度や平坦度は、以下に述べる繊維シートから比べて落ちる。一方、シートSHは、カーボン繊維またはガラス繊維などの強化繊維で織られた補強用のシートである。ここでは。ガラスクロスを採用している。これを模式的に示すのが
図11である。この特徴は、2次元的(面状)に、つまり布の様に薄く織り込まれたものである。シートSHは、一例として、横の糸SH1と縦の糸SH2が多数並び、針で糸を縫う様に織り込まれている。例えば、ハンカチで考えてみる。このハンカチ1枚それ自身では、柔らかく反り、上下左右の変形が可能なものであるが、織り込まれて一体となっており、このハンカチに接着剤などを薄く塗って固めると、このハンカチーフの剛性は高まるし、バラバラに成りにくい。更に、布の様に繊維が織り込まれているため、反り、上下左右の変形も防止できている。これは、材料がガラスやカーボンであれば更に向上する。
【0070】
しかも、
図11(B)に示す様に、金属コア基板MCの両面に、シート状の絶縁層IN1が貼り合わされる。絶縁層IN1の樹脂は、銅のメッキ層CPの凹凸に密着し、更には、金属コア基板MCの全面にシート状の補強繊維(補強フィラー)が貼られて一体化されている。つまり補強シートSHが挿入され、樹脂で固められた絶縁層INは、平面形状を保持しつつ、銅のメッキ層CPとアンカー効果で密着されているため、プリント配線板PCとしての剛性・平坦性は、更にUPする事となる。尚、
図1Aや
図3Aで説明すると、シートSHが設けられた絶縁層INは、外側のダイシングラインCL11、CL13、CL14、CL16で囲まれた領域の外側まで設けられる為、個片化した後で、突出片の上にも設けられる事になる。尚、表裏とも複数層の多層配線基板において、積層される全ての絶縁層にこの補強用フィラーが用いられてもよい。例えば、ガラスクロスと粒状フィラーが補強用として用いられる。また両面基板であることから、表・裏には少なくとも一層の絶縁層を設け、補強フィラーで金属コア基板をサンドウィッチすることが必要である。またクロスであるため、突出片と突出片の間には、クロス状の補強部材 は、入らない。そのため、一つのプリント配線基板としてみた場合、個片から突出片先端に渡る所の、対向する突出片の側面の間は、樹脂だけとなる。この部分と突出片では、樹脂と金属であるため、熱膨張係数の違いから、ミスマッチが発生する。本実施形態では、絶縁層IN1の樹脂は、補強材として、 粒状形状、破砕形状、短繊維形状のフィラーが、クロスと一緒に設けられている。そのため、このミスマッチは、大きく減少させることが可能である。尚、クロスと粒状形状、破砕形状、短繊維形状は、同一材料が好ましい。
【0071】
第四に、金属コア基板MCについて、以下のとおり説明する。
図11(C)は、金属コア基板MCのパターンである。剛性を高めるためには、金属コア基板MCに大きな孔は、強度の意味で問題があるため、避けた方が好ましい。例えば、ICやチップコンデンサを内蔵するキャビティは、形成されない方が良い。特にICチップはそのサイズから、キャビティの形成は避けた方が良い。しかしプリント配線板PCは、表の導電パターンと裏側の導電パターンの接続の為、多数のスルーホールTH1が形成される。このスルーホールTH1が偏って形成されたりすると、バランスが崩れ、反りの発生と成る。そのため、スルーホールTHを、個片の全域に実質均一に分散させて、バランスをとるため、ダミーのスルーホールTH2が設けられる。図では、その概略が示されている。当然必要とするスルーホールの位置が決定されたら、そのあとにバランスを考慮してダミースルーホールが配置される。尚、このスルーホールTHの直径は、およそ300〜500μmである。この様に、敢えて部品内蔵用のキャビティを無くし、スルーホールTH1を形成する際にダミースルーホールTH2を形成して全体としてスルーホールが分散させるようにすれば、金属コア基板またはプリント基板としてのアンバランスが無くせ、反りなどの変形も抑制できる。尚、スルーホールTHには、絶縁層INの樹脂が充填され、このスルーホールに対応する金属コア基板MCの両側の樹脂層と一体となり、絶縁層の剥離を防止する事ができる。
【0072】
一方、前記ダミースルーホールを無くした事で更に剛性がアップする事が判った。これは、剛性繊維、例えばガラス繊維で編んだシートが、絶縁層の中にあり、この絶縁層がメッキ層にアンカー効果で密着されているためである。この構造により、ダミースルーホールも含め、均等に入れなくてもよい事が判った。具体的には、スルーホールの合計面積を、個片の面積に対して30〜5%にした。
スルーホール以外の面積が、約70〜95%と、個片の半分以上が穴なし金属となるため、大幅に剛性がアップした。
【0073】
第五に、Viaを介した金属コア基板とのコンタクト性について、以下のとおり説明する。
図10(A)は、プリント配線板PCの構造を図示し、丸で示すC1の部分の構造について、
図10(B)で、3タイプを模式的に説明したものである。銅メッキ膜CPは、多結晶構造で、厚み方向に柱状構造を有し、この構造を、
図10(B)では、模式的に三角形で示した。尚、実際は、色々なサイズの微細結晶がランダムに縦横に並んで積層されており、あたかも複数の層が積層された構造の様に見える。この微結晶の銅メッキ膜CPは、以下に述べるプロセスにより、粗面化され、更にその表面は、酸化膜が形成されてしまう。この製造方法を少しリビューする。先ず金属コア基板MCは、まずは圧延Cu(RC)で用意され、その後でメッキ処理され、両面に銅メッキ膜CPが形成される。またこの銅メッキ膜CPは、絶縁層IN1との密着のため、CZ処理やエッチング処理により、粗面化処理が施される。そして、スルーホールTH1やダミーホールTH2がエッチングで形成される。尚スルーホールを形成した後、孔も含めて銅メッキ膜CPを形成しても良い。続いて、金属コア基板MCの表裏に、絶縁層INで絶縁処理された導電パターンPが少なくとも一層ずつ形成される。例えば、第1絶縁層IN1には、コンタクト孔(Via)Vが開口され、底部には、銅メッキ膜RCが露出している。この孔に、メッキで電極P1が形成される。この様なプロセスに於いて、絶縁層IN1の硬化処理、孔形成の為、エッチングやレーザによる孔加工が施され、孔はエッチング液に浸される。この様な工程を経るとどうしても銅メッキ膜CPは、酸化膜が生成されたり、グレインバンダリーには、イオンや水等がトラップされる。そのため、そのまま電極P1のメッキ処理を施すと、抵抗値の増大、イオンマイグレーションなどで、抵抗値が変動したり、特性に影響を与える。
【0074】
ここでは、この課題を解決すべく、
図10(B)には、その解決策が示されている。コンタクトC2は、この課題がある構造であり、コンタクト孔の処理が全くしていない状態を示す。コンタクトC3は、一つ目の解決策であり、コンタクト孔V2を介して、銅メッキ膜CPを取り除いて、圧延Cu層を露出させている。するとコンタクト孔の底部は、酸化膜も無く平坦で面方向に広がった大きな結晶構造が露出する為、イオンや水がトラップされにくく、良好なコンタクト性を売る事ができる。尚、オーバーエッチングして、完全に圧延Cu層を露出させる事が重要である。コンタクトC4は、コンタクト孔V3を介して、銅メッキ膜CPの表層を取り除いて、平坦化した銅メッキ膜を露出させている。するとコンタクト孔の底部は、酸化膜は取り除かれ、しかも粗面からある程度平坦になったメッキ層が露出する為、イオンや水がトラップされにくく、良好なコンタクト性を売る事ができる。
【0075】
続いて
図10(C)について、説明する。仮に金属コア基板を全てメッキで作り、この金属コア基板をエッチングしてみるとエッチングの深さにバラツキが発生する。この事は、銅メッキ膜CPにも言え、エッチング深さ、サイズにバラツキが発生する。よってコアとなる部分は圧延Cu層とし、その表面にごく薄い銅メッキ膜を形成すれば、銅メッキ膜部分のエッチングばらつきも小さく、しかもイオンやガス等は、圧延Cu層で阻止されるため、信頼性の高いプリント配線板が実現できる。
【0076】
第六に、突出片の形状について、以下のとおり説明する。
図1Aに於いて、個片110、111、112、113をつなぐものが、いわゆる突出片121〜124(以下、「ブリッジ121〜124」と称する。)である。このブリッジ121〜124の中央がダイシングラインとなり、個片化されると、個片の周囲に突出片として形成される。例えば、ブリッジ121、122、123、124に着目して説明すると、ダイシングラインCL11に沿って、ダイシングブレードが走る。すると銅の粘性により、MAXでおよそブリッジ121〜124の膜厚の長さの髭が発生する傾向がある。よって、髭の先端が何かに当たると、バリとして落下する事になるため、可能な限り、ブリッジ121〜124の厚みよりも広い間隔でブリッジを配置する事が好ましい。またブリッジ121で発生するバリは、個片の角部で当たる可能性がある。これもバリが発生する事から、個片の角部から、ブリッジ121の厚み分だけ、内側に配置する事が好ましい。
【0077】
図12(A)〜(D)が
図1Aの中央の十字スリットを示すものである。個片110、111、112、113の中央の部分で、
図12では、ブリッジBG1〜BG4として配置されている。細い破線はバリとして仮想して描いた。
図12(A)は、ブリッジBG1のラインL1、L2がストレートの実施例である。
図1Aで説明した様に、ブリッジBG1は、角部C1、C2からブリッジの厚み分D15だけオフセットさせている。
図12(B)〜(D)は、更に、このバリが角部に当たらない様にするため、側辺L2が、角部C1、C2と反対の方向に凹んだブリッジが示されている。例えば、
図12(B)では、個片110と111の間には、角部から1番目のブリッジBG1が、その間に設けられている。そして側辺L2は、角部と反対の方向に、凹部となる、放物線を描いている。また個片111と112では、縦方向にブリッジBG2が設けられ、コーナーC3とは反対の方向に、前記放物線を描いている。よって4つのブリッジBG1〜BG4を見ると、まるで円形を描く様に見える。エッチングの為、コーナーも丸みを有し、あたかも十字スリットが円形の如く見える。尚、ラインL1側も、コーナーC1に向かって凹んでいる。尚、
図12(C)は、ラインL1は、ストレートである。
【0078】
続いて、
図12(D)は、図(B)、(C)の変形例で、少なくともラインL2は、放物線では無く、直線が中央で角度をもって折れ曲がった形状である。よってブリッジBG1〜BG4で見ると、あたかもひし形を描く様な構成となっている。どちらにしてもダイシングラインCL15は、ブリッジBG1の一番凹んだ所であるため、ここからバリは発生する傾向があるため、バリの先端は、前記オフセットD15よりも更に、奥になる。よって更にバリの落下が抑制できる。またこの時、個片の角部を丸めれば、作業工程に於いて、引っかかる事も抑制され、その衝撃による落下を防止する事ができる。
【0079】
[まとめ]
以上説明したように、プリント配線板10(20)は、金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片110〜113(120〜213)が第1の方向および第1方向と直行する第2方向に配列され、個片110〜113(120〜213)と同一材料で一体に設けられ、矩形の角部から回避され、隣合う個片の側面同士を接続する複数の突出片121〜128,151〜156(221〜226、251〜256)とから成る金属コア基板11(21)と、金属コア基板11(21)の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層12(22)と、絶縁層12(22)の表面に設けられた導電パターンとを有する大判のプリント配線板10(20)に於いて、突出片121〜128,151〜156(221〜226、251〜256)の側辺に沿う長さの合計は、側辺の長さの50%以上を占める事を特徴とする。本実施形態によれば、突出片121〜128,151〜156(221〜226、251〜256)が切断により伸びても、突出片121〜128,151〜156(221〜226、251〜256)同士が接触しないから、バリの脱落を抑えることが出来る。また、突出片121〜128,151〜156(221〜226、251〜256)の幅を長く取ることが可能になるため、金属コア基板11(21)が薄くなってもハンドリングが可能になる。したがって、大判の時には、突出片121〜128,151〜156(221〜226、251〜256)によって、プリント配線板10が何かに引っ掛かったり、捩れたりしないから、プリント配線板10の製造時における作業性が向上する。また、コアが金属部材からなるため、例えばセラミックコアのように筐体に取り付けるときに割れることがない。
【0080】
また、プリント配線板30(40)は、金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片310〜313(410〜413)が第1の方向および第1方向と直行する第2方向に配列され、個片310〜313(410〜413)と同一材料で一体に設けられ、矩形の角部から回避され、隣り合う個片の側面同士を接続する複数の突出片とから成る金属コア基板31(41)と、金属コア基板31(41)の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層32(42)と、絶縁層32(42)の表面に設けられた導電パターンとを有する大判のプリント配線板30(40)に於いて、矩形の角部から第1番目の突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)と角部とのオフセットは、突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)の厚み以上である事を特徴とする。本実施形態によれば、突出片31(41)の切断によって生じたバリが金属端子35(45)に接触して短絡することを防止することができる。
【0081】
また、プリント配線板30(40)は、金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる個片310〜313(410〜413)と、個片310〜313(410〜413)と同一材料で一体に設けられ、矩形の角部から回避され、個片310〜313(410〜413)の側面から突出した複数の突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)とから成る金属コア基板31(41)と、金属コア基板31(41)の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層32(42)と、絶縁層32(42)の表面に設けられた導電パターンとを有するプリント配線板30(40)に於いて、矩形の角部から第1番目の突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)と角部とのオフセットは、突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)の厚みの長さである事を特徴とする。本実施形態によれば、突出片31(41)の切断によって生じたバリが金属端子35(45)に接触して短絡することを防止することができる。
【0082】
また、プリント配線板30(40)は、金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる個片310〜313(410〜413)と、個片310〜313(410〜413)と同一材料で一体に設けられ、矩形の角部から回避され、個片310〜313(410〜413)の側面から突出した複数の突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)とから成る金属コア基板31(41)と、金属コア基板31(41)の表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層32(42)と、絶縁層32(42)の表面に設けられた導電パターンとを有するプリント配線板30(40)に於いて、側面に設けられた複数の突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)の間隔は、突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)の厚みの長さである事を特徴とする。本実施形態によれば、突出片31(41)の切断によって生じたバリが金属端子35(45)に接触して短絡することを防止することができる。
【0083】
また、プリント配線板PCは、金属から成り、表面、表面と対向する裏面および表面および裏面の周囲をつなぐ側面からなる個片BG1〜BG4から成る金属コア基板MCと、金属コア基板MCの表面と裏面に設けられる補強フィラーを含有する絶縁層INと、絶縁層INの表面に設けられた導電パターンとを有するプリント配線板PCに於いて、金属コア基板MCは、ベースとなる圧延Cu層RCと、圧延Cu層RCの両面に設けられたメッキ層CPから成り、メッキ層CPの表面は、粗面を有する事を特徴とする。本実施形態によれば、プリント配線板PCの固さを確保しつつ、金属コア基板MCの表面に対する絶縁層INの密着性を向上できる。
【0084】
また、プリント配線板30(40)は、金属から成り、矩形の表面、矩形の裏面および表面および裏面の周囲をつなぐ4つの側面からなる複数の個片310〜313(410〜413)が第1の方向および第1方向と直行する第2方向に配列され、個片310〜313(410〜413)と同一材料で一体に設けられ、矩形の角部から回避され、隣り合う個片310〜313(410〜413)の側面同士を接続する複数の突出片321〜328,351〜356(421〜428,451〜456)とから成る金属コア基板31(41)を有する大判のプリント配線板30(40)であり、矩形の角部から第1番目の突出片321,324,325,328,351,353,354,356(421,424,425,428,451,453,454,456)は、角部と逆の方向に凹んでいる事を特徴とする。本実施形態によれば、突出片321,324,325,328,351,353,354,356(421,424,425,428,451,453,454,456)によって、プリント配線板30(40)が何かに引っ掛かったり、捩れたりしないから、プリント配線板30,40の製造時における作業性が向上する。
【0085】
また、プリント配線板60は、表面、裏面および4側面から成る個片610〜613と、個片610〜613の側面から突出する複数の突出片621〜628,651〜656とを有する金属コア基板61と、突出片621〜628,651〜656も含めた金属コア基板61の表面および裏面に設けられた絶縁層62と、絶縁層62に設けられた導電パターンとを有するプリント配線板60に於いて、プリント配線板60の表側または裏側のうち少なくとも一方の周囲には、金属コア基板61の電位と異なる金属端子65が設けられ、複数の突出片621〜628,651〜656のうち金属端子65に近い突出片621〜628,651〜656は、金属端子65から回避する方向に形成されることを特徴とする。本実施形態によれば、金属端子65から半田がはみ出る状況において、半田を介して金属端子65と突出片621〜628,651〜656との短絡を防止できる。
【0086】
また、プリント配線板PCは、矩形の表面、矩形の裏面、および表面と裏面をつなぐ4つの側面から成る個片BGと、個片BGの側面から一体で外側に突出する複数の突出片BG1〜BG4とから成る金属コア基板MCと、金属コア基板MCの表面および裏面に設けられた絶縁層INと、絶縁層INに設けられた導電パターンとを少なくとも有するプリント配線板PCであり、プリント配線板PCには、第1撮像素子が設けられる素子配置領域56と、第2撮像素子が設けられる素子配置領域56と、一方の素子配置領域56と他方の素子配置領域56の間に設けられる部品配置領域57が設けられ、部品配置領域57に対応する内層の導電パターンの配置密度は、素子配置領域56に対応する内層の導電パターンの配置密度よりも高いことを特徴とする。本実施形態によれば、プリント配線板PCの剛性を高めることができる。
【0087】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した各部材の素材、形状、及び配置は、本発明を実施するための実施形態に過ぎず、発明の趣旨を逸脱しない限り、様々な変更を行うことができる。