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特開2017-204778アンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-204778(P2017-204778A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】アンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/04 20060101AFI20171020BHJP
   H01Q 7/06 20060101ALI20171020BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
   H01Q7/04
   H01Q7/06
   H04M1/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-96311(P2016-96311)
(22)【出願日】2016年5月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】小町 俊文
(72)【発明者】
【氏名】友成 寿緒
(72)【発明者】
【氏名】麻生 裕文
【テーマコード(参考)】
5K023
【Fターム(参考)】
5K023AA07
5K023BB04
5K023BB06
5K023LL01
5K023LL05
5K023LL06
(57)【要約】
【課題】アンテナ装置の通信距離を拡大する。
【解決手段】第1の金属層102と、第1の金属層102とは異なる平面に設けられ、第1及び第2の領域141,142を有する第2の金属層104と、少なくとも一部が平面視で第1の金属層102と重なり、第1及び第2の端子13,14を有するコイルパターン10Aと、第1の領域141と第1の端子13との間に接続された第1の配線パターンP1と、第2の領域142と第2の端子14との間に接続された第2の配線パターンP2とを備える。第2の金属層104、配線パターンP1,P2によってループアンテナ10Lの少なくとも一部が形成される。本発明によれば、コイルパターンとループアンテナよってアンテナ装置が構成されることから、ループアンテナのみからなる場合と比べて通信距離を拡大することが可能となる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属層と、
前記第1の金属層とは異なる平面に設けられ、第1及び第2の領域を有する第2の金属層と、
少なくとも一部が平面視で前記第1の金属層と重なり、第1及び第2の端子を有するコイルパターンと、
前記第2の金属層の前記第1の領域と前記コイルパターンの前記第1の端子との間に接続された第1の配線パターンと、
前記第2の金属層の前記第2の領域と前記コイルパターンの前記第2の端子との間に接続された第2の配線パターンと、を備え、
前記第2の金属層、前記第1の配線パターン及び前記第2の配線パターンによってループアンテナの少なくとも一部が形成されることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
スリットを介して前記第1の金属層と対向し、前記第1の金属層と同一平面を構成する第3の金属層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記ループアンテナの内径部は、少なくとも一部が平面視で前記スリットと重なることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記第2の金属層が形成された回路基板をさらに備え、
前記第1の配線パターンは、前記回路基板に形成され、一端が前記第2の金属層の前記第1の領域に接続された第1の配線と、前記回路基板に対して垂直であり、前記第1の配線の他端と前記コイルパターンの前記第1の端子とを接続する第1の接続ピンとを含み、
前記第2の配線パターンは、前記回路基板に形成され、一端が前記第2の金属層の前記第2の領域に接続された第2の配線と、前記回路基板に対して垂直であり、前記第2の配線の他端と前記コイルパターンの前記第2の端子とを接続する第2の接続ピンとを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記第2の金属層の前記第1の領域と前記コイルパターンの前記第1の端子は、少なくとも前記第1の配線パターン及び第1の金属層を介して接続され、これにより、前記第1の金属層、前記第2の金属層、前記第1の配線パターン及び前記第2の配線パターンによって前記ループアンテナの少なくとも一部が形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記コイルパターンは、板状の磁性部材に導体を巻回してなるソレノイドコイルを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記コイルパターンは、ミアンダ状の導体を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記コイルパターンは波状の磁性部材をさらに含み、前記磁性部材と前記導体の上下位置は、隣接する導体間において交互に入れ替わることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアンテナ装置を備える携帯無線機器。
【請求項10】
前記第1の金属層が筐体の一部を構成することを特徴とする請求項9に記載の携帯無線機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器に関し、特に、近距離無線通信(Near Field Communication)用として好適なアンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯無線機器にはRFID(Radio Frequency Identification:電波による個体識別)システムが搭載されており、そのための通信手段としてリーダ・ライタ等と近距離無線通信を行うためのアンテナ装置が搭載されている。この種のアンテナ装置としては、例えば特許文献1に記載されたアンテナ装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたアンテナ装置は、放射導体の両端をグランドパターンに接続することによってループアンテナを構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5708897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたアンテナ装置は、放射導体とグランドパターンによって1個のループアンテナを構成しているだけであるため、通信距離が不足するという問題があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、通信距離がより拡大されたアンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるアンテナ装置は、第1の金属層と、前記第1の金属層とは異なる平面に設けられ、第1及び第2の領域を有する第2の金属層と、少なくとも一部が平面視で前記第1の金属層と重なり、第1及び第2の端子を有するコイルパターンと、前記第2の金属層の前記第1の領域と前記コイルパターンの前記第1の端子との間に接続された第1の配線パターンと、前記第2の金属層の前記第2の領域と前記コイルパターンの前記第2の端子との間に接続された第2の配線パターンと、を備え、前記第2の金属層、前記第1の配線パターン及び前記第2の配線パターンによってループアンテナの少なくとも一部が形成されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明による携帯無線機器は、上記のアンテナ装置を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、コイルパターンとループアンテナが直列に接続されることから、ループアンテナのみからなる場合と比べて通信距離を拡大することが可能となる。前記コイルパターンは、板状の磁性部材に導体を巻回してなるソレノイドコイルを含んでいても構わないし、ミアンダ状の導体を含んでいても構わない。ミアンダ状の導体を用いる場合、コイルパターンは波状の磁性部材をさらに含み、前記磁性部材と前記導体の上下位置は、隣接する導体間において交互に入れ替わることが好ましい。
【0010】
本発明によるアンテナ装置は、スリットを介して前記第1の金属層と対向し、前記第1の金属層と同一平面を構成する第3の金属層をさらに備えることが好ましい。この場合、前記ループアンテナの内径部は、少なくとも一部が平面視で前記スリットと重なることが好ましい。このような構成においては、第1及び第3の金属層が電磁気シールドとなりアンテナ特性が低下するが、本発明においては、このような構成であっても正しく通信することが可能となる。
【0011】
本発明によるアンテナ装置は、前記第2の金属層が形成された回路基板をさらに備え、前記第1の配線パターンは、前記回路基板に形成され、一端が前記第2の金属層の前記第1の領域に接続された第1の配線と、前記回路基板に対して垂直であり、前記第1の配線の他端と前記コイルパターンの前記第1の端子とを接続する第1の接続ピンとを含み、前記第2の配線パターンは、前記回路基板に形成され、一端が前記第2の金属層の前記第2の領域に接続された第2の配線と、前記回路基板に対して垂直であり、前記第2の配線の他端と前記コイルパターンの前記第2の端子とを接続する第2の接続ピンとを含むことが好ましい。これによれば、接続ピンによって垂直方向における接続を確立することが可能となる。
【0012】
本発明において、前記第2の金属層の前記第1の領域と前記コイルパターンの前記第1の端子は、少なくとも前記第1の配線パターン及び第1の金属層を介して接続され、これにより、前記第1の金属層、前記第2の金属層、前記第1の配線パターン及び前記第2の配線パターンによって前記ループアンテナの少なくとも一部が形成されていても構わない。これによれば、よりループアンテナの内径部のサイズをより拡大することができるとともに、設計自由度が増大する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、通信距離がより拡大されたアンテナ装置及びこれを備える携帯無線機器を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置を備える携帯無線機器100の外観を示す略斜視図である。
図2図2は、携帯無線機器100の背面を内部側から見た平面図である。
図3図3は、ソレノイドコイル10Aの外観を示す斜視図である。
図4図4は、ミアンダコイル10Bの外観を示す平面図である。
図5図5は、ミアンダコイル10Bから磁性部材11を省略した図である。
図6図6は、ソレノイドコイル10Aによって生じる磁束の向きを説明するための模式図である。
図7図7は、ミアンダコイル10Bによって生じる磁束の向きを説明するための模式図である。
図8図8は、携帯無線機器100の部分断面図である。
図9図9は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の構成を説明するための略斜視図である。
図10図10は、外部のリーダ・ライタから発せられる磁束を示す模式図である。
図11図11は、本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置の構成を説明するための略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置を備える携帯無線機器100の外観を示す略斜視図である。
【0017】
図1に示す携帯無線機器100は例えばスマートフォンであり、薄型の箱状筐体によって構成されている。図1は、携帯無線機器100を背面側から見た図であり、ディスプレイなどが設けられている前面は下方を向いている。携帯無線機器100の筐体は樹脂と金属との組み合わせからなり、背面の大部分を構成する中央部は金属層102によって構成されている。また、金属層102から見て長手方向(x方向)の両側には、金属層101,103が設けられている。
【0018】
金属層101〜103は互いに同一のxy平面を構成する。金属層101と金属層102はスリットSL1を介して対向し、金属層102と金属層103はスリットSL2を介して対向している。スリットSL1,SL2は、筐体の背面においてy方向に延在し、筐体の側面においてz方向に延在する。このように、筐体の背面の広い範囲が金属層101〜103によって構成されているのは、主に、筐体の機械的強度、電磁気シールド特性、デザイン性等の向上のためである。
【0019】
図2は、携帯無線機器100の背面を内部側から見た平面図である。
【0020】
図2に示すように、携帯無線機器100の内部においては、平面視で(z方向から見て)金属層102と重なるよう、ソレノイドコイル10Aが設けられている。ソレノイドコイル10Aと金属層101は重なりを有していない。ソレノイドコイル10Aは、斜視図である図3に示すように、板状の磁性部材11に導体12を複数ターン巻回してなる薄型のコイルパターンであり、そのコイル軸はx方向に向いている。磁性部材11はxy平面を有する板状体であり、y方向に延在する一辺がスリットSL1の近傍に位置するよう配置される。導体12の一端は第1の端子13を構成し、導体12の他端は第2の端子14を構成する。本実施形態においては、導体12と金属層102は絶縁されている。
【0021】
但し、本発明において使用するコイルパターンがソレノイドコイル10Aに限定されるものではなく、図4に示すミアンダコイル10Bを使用しても構わない。ミアンダコイル10Bは、磁性部材11を省略した図5に示すように、x方向に複数回折り返された平面的な導体12を備える。そして、導体12の第1の端子13を始点とし、第2の端子14を終点とした場合、xプラス方向に延在する部分が上、xマイナス方向に延在する部分が下となるよう磁性部材11をz方向に蛇行させながら装着すれば、図3に示したソレノイドコイル10Aと同様のコイル構成が得られる。この場合、磁性部材11としてはz方向に蛇行可能な可撓性の高いシートを用いることが好ましい。また、ミアンダコイル10Bから磁性部材11を省略し、ミアンダ状の導体12のみを用いても構わない。
【0022】
図6はソレノイドコイル10Aによって生じる磁束の向きを説明するための模式図であり、図7はミアンダコイル10Bによって生じる磁束の向きを説明するための模式図である。
【0023】
ソレノイドコイル10Aにおいては、磁性部材11の上側に位置する導体12aと下側に位置する導体12bに互いに逆方向の電流が流れる。このため、図6に示すように、導体12に電流を流した場合に各導体12の周囲に生じる磁束φ4は、磁性部材11の上側に位置する導体12aにおいて例えば右回り(時計回り)であれば、磁性部材11の下側に位置する導体12bにおいては左回り(反時計回り)となる。このため、磁性部材11の上側に位置する導体12aの全体の周囲にも例えば右回り(時計回り)の磁束φ5が生じ、磁性部材11の下側に位置する導体12bの全体の周囲にも左回り(反時計回り)の磁束φ5が生じる。そして、磁性部材11はこれら導体12a,12bに挟まれていることから、磁性部材11を経由する磁束φ5の方向が一致し、ソレノイドコイル10Aの全体として生じる磁束φ6の向きは一方向(図6に示す例ではxマイナス方向)となる。
【0024】
一方、図7に示すように、ミアンダコイル10Bにおいては、各導体12のz方向における位置に実質的な差はなく、x方向に隣接する導体12c、12d間に蛇行する波形の磁性部材11が介在することになる。具体的には、偶数番目の導体12cについては、x方向の両側並びにz方向の下側に磁性部材11が位置する一方、奇数番目の導体12dについては、x方向の両側並びにz方向の上側に磁性部材11が位置する。これにより、隣接する導体12c、12dの一方が磁性部材11の上側、他方が磁性部材11の下側となるよう、磁性部材11の上下位置が交互に入れ替わる。
【0025】
そして、x方向に隣接する導体12c、12dには、互いに逆方向の電流が流れるため、図7に示すように、導体12に電流を流した場合に各導体12の周囲に生じる磁束φ4は、偶数番目の導体12cにおいて例えば右回り(時計回り)であれば、奇数番目の導体12dにおいては左回り(反時計回り)となる。しかしながら、x方向に隣接する導体12c、12d間には、z方向に蛇行する磁性部材11が介在していることから、磁性部材11の上側に生じる磁束φ5と磁性部材11の下側に生じる磁束φ5は打ち消し合わず、磁性部材11の上側に位置する偶数番目の導体12cの全体の周囲にも例えば右回り(時計回り)の磁束φ5が生じ、磁性部材11の下側に位置する奇数番目の導体12dの全体の周囲にも左回り(反時計回り)の磁束φ5が生じる。そして、磁性部材11は、導体12c、12d間をz方向に蛇行するよう配置されていることから、磁性部材11を経由する磁束φ5の方向が一致し、ミアンダコイル10Bの全体として生じる磁束φ6の向きは一方向(図7に示す例ではxマイナス方向)となる。
【0026】
このように、ミアンダコイル10Bは、各導体12のz方向における位置がほぼ一定であることから、ソレノイドコイル10Aよりもさらに薄型化することが可能となる。しかも、磁性部材11がz方向に蛇行していることから、図7に示すように、磁性部材11の上側に生じる磁束φ12と磁性部材11の下側に生じる磁束φ12のz方向における広がりがソレノイドコイル10Aよりも大きく、これにより良好なアンテナ特性を得ることも可能となる。
【0027】
図8は、携帯無線機器100の部分断面図である。
【0028】
図8に示すように、ソレノイドコイル10Aは、接着剤15によって金属層102の裏面に接着されている。また、金属層101,102の上方には、金属層101,102と平行な回路基板20が設けられている。回路基板20には多数の電子部品が実装されているが、図8には2個の電子部品21のみが図示されている。回路基板20は、平面視で金属層101,102の両方を覆っている。さらに、回路基板20の裏面には金属層104が形成されている。特に限定されるものではないが、本実施形態においては、金属層104が平面視でスリットSL1、金属層101,102及びソレノイドコイル10Aと重なっている。
【0029】
図9は、本実施形態によるアンテナ装置の構成を説明するための略斜視図である。
【0030】
図9に示すように、回路基板20の主面上には、図8に示した電子部品21の他、インピーダンス整合回路22、RFID用の送受信回路23、高周波通信用の送受信回路24などが搭載されている。
【0031】
インピーダンス整合回路22は配線26に挿入されており、RFID用のアンテナ装置のインピーダンスマッチングに用いられる。インピーダンス整合回路22と送受信回路23は配線27によって接続されている。RFID用のアンテナ装置には、例えば13.56MHzの周波数が用いられる。高周波通信用の送受信回路24は、RFID用のアンテナ装置とは使用する周波数帯域の異なる別のアンテナ装置用の送受信回路であり、その周波数帯域は例えば数百MHz〜数GHzである。送受信回路24は、配線28に接続されている。
【0032】
図9に示すように、回路基板20の裏面に設けられた配線25の一端は、金属層104の第1の領域141に接続されている。また、配線25の他端は、接続ピン31を介してソレノイドコイル10Aの端子13に接続されている。一方、回路基板20の上面に設けられた配線26の一端は、金属層104の第2の領域142に接続されている。また、配線26の他端は、接続ピン32を介してソレノイドコイル10Aの端子14に接続されている。さらに、配線28の一端は、接続ピン33を介して金属層101に接続されている。
【0033】
接続ピン31〜33は、回路基板20に固定されたz方向に延在するピン状の導体であり、z方向にバネ性を有している。これにより、z方向に所定の間隔を持って回路基板20と金属層101,102を重ねると、接続ピン31〜33の先端は、金属層101,102上のそれぞれ対応する領域に当接することになり、これによってz方向における接続が確立される。
【0034】
このような構成により、ソレノイドコイル10Aの端子13と金属層104の領域141は、接続ピン31及び配線25からなる配線パターンP1によって相互に接続される。同様に、ソレノイドコイル10Aの端子14と金属層104の領域142は、接続ピン32及び配線26からなる配線パターンP2によって相互に接続される。そして、金属層104の領域141と領域142は互いに異なる平面に位置していることから、配線パターンP1、金属層104及び配線パターンP2によってループアンテナ10Lが構成され、その両端がソレノイドコイル10Aの端子13,14にそれぞれ接続されることになる。
【0035】
このような構成を有するループアンテナ10Lは、ソレノイドコイル10Aに対して直列に接続されるため、RFID用のアンテナ装置の一部として機能する。そして、本実施形態においては、ループアンテナ10Lを構成する配線パターンP1,P2が平面視でスリットSL1を横切っていることから、ループアンテナ10Lの大部分が金属層101,102で覆われているにもかかわらず、狭いスリットSL1を通過した磁束をループアンテナ10Lによって捉えることができる。さらに、スリットSL1を通過した磁束の一部は、ソレノイドコイル10Aを構成する磁性部材11にも吸い込まれる。
【0036】
図10は、外部のリーダ・ライタから発せられる磁束を示す模式図である。
【0037】
図10には、リーダ・ライタから発せられる磁束φ1,φ2が示されており、このうち、磁束φ1はスリットSL1を通過する磁束であり、磁束φ2は金属層101,102にぶつかる磁束である。スリットSL1を通過した磁束φ1は、図9に示したループアンテナ10Lの内径部を通過し、電流に変換される。これに対し、磁束φ2が金属層101,102にぶつかると、これを打ち消すよう、逆方向の磁束φ3が発生する。この磁束φ3は、スリットSL1を介して金属層101,102の表面(図10における下面)から裏面(図10における上面)に回り込むため、その一部が効率よくソレノイドコイル10Aに吸い込まれる。つまり、ソレノイドコイル10Aは、平面視で金属層102に完全に覆われているにもかかわらず、コイル軸であるx方向におけるスリットSL1との距離を狭くすることにより、多くの磁束を電流に変換することができる。
【0038】
このように、本実施形態においては、スリットSL1を通過した磁束がループアンテナ10L及びソレノイドコイル10Aによって捉えられ、電流に変換される。これにより、携帯無線機器100の背面の大部分が金属層101〜103で覆われているにもかかわらず、RFID用のアンテナ装置の通信距離を確保することが可能となる。尚、金属層101は、高周波通信用のアンテナ装置の放射導体として機能する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態においては、配線パターンP1,P2及び金属層104によってループアンテナ10Lを形成し、その内径部分がスリットSL1と重なっていることから、スリットSL1を通過する磁束を捉えることができる。しかも、ループアンテナ10Lにはソレノイドコイル10Aが直列に接続されていることから、ループアンテナ10Lのみからなる場合と比べて通信距離を拡大することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態においては、ループアンテナ10Lが筐体の一部である金属層101,102に接続されていないことから、金属層101,102に任意の電位又は信号を与えることが可能となる。例えば、本実施形態においては金属層101を高周波通信用のアンテナ装置の放射導体として利用することができる。
【0041】
<第2の実施形態>
図11は、本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置の構成を説明するための略斜視図である。
【0042】
図11に示すように、本実施形態によるアンテナ装置は、接続ピン31,32の先端がそれぞれソレノイドコイル10Aの端子13,14ではなく、金属層102の互いに異なる領域121,122に接している。一方、ソレノイドコイル10Aの端子13,14は、いずれも金属層102に電気的に接続されている。その他の構成は、上述した第1の実施形態と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0043】
本実施形態においては、接続ピン31,32がソレノイドコイル10Aの端子13,14と直接接続されるのではなく、金属層102を介して接続される。このような構成によっても第1の実施形態と同じ効果を得ることができるとともに、接続ピン31,32のレイアウト自由度を大幅に高めることが可能となる。また、ループアンテナ10Lの内径サイズを拡大することもできる。
【0044】
尚、本実施形態では、接続ピン31,32の両方を金属層102に接続しているが、接続ピン31,32の一方のみを金属層102に接続し、他方をソレノイドコイル10Aの端子13又は14に接続しても構わない。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0046】
例えば、上記第1及び第2の実施形態においては、回路基板20の上面に電子部品21〜24を形成し、回路基板20の裏面に金属層104を形成しているが、これら電子部品21〜24や金属層104をいずれの面に形成するかは任意である。
【0047】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、金属層104が平面視でスリットSL1、金属層101,102及びソレノイドコイル10Aと重なる位置に設けられているが、本発明においてこの点は必須でない。しかしながら、ループアンテナ10Lの内径部が平面視でスリットSL1と重なるよう、金属層104の位置を設計することにより、より多くの磁束をループアンテナ10Lによって捉えることが可能となる。
【0048】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、ソレノイドコイル10A(或いはミアンダコイル10B)が金属層102で完全に覆われているが、本発明においてこの点は必須ではなく、ソレノイドコイル10A(或いはミアンダコイル10B)の一部分だけが金属層102で覆われていても構わないし、金属層102で覆われていなくても構わない。しかしながら、大面積の金属層102が存在すると十分なアンテナ特性を得ることが困難となるため、本発明はこのような構成において特に有効である。むしろ、図10を用いて説明したように、ソレノイドコイル10A(或いはミアンダコイル10B)を金属層102によって完全に覆い、且つ、スリットSL1に近接して配置することによって、より多くの磁束を捉えることができる。
【0049】
さらに、上記第1及び第2の実施形態においては、金属層101,102が携帯無線機器100の筐体の一部を構成しているが、本発明においてこの点は必須でない。また、ソレノイドコイル10A(或いはミアンダコイル10B)を金属層102に貼り付けることも必須でなく、回路基板20上に搭載しても構わない。
【符号の説明】
【0050】
10A ソレノイドコイル
10B ミアンダコイル
10L ループアンテナ
11 磁性部材
12,12a〜12d 導体
13,14 端子
15 接着剤
20 回路基板
21 電子部品
22 インピーダンス整合回路
23,24 送受信回路
25〜28 配線
31〜33 接続ピン
100 携帯無線機器
101〜104 金属層
121,122,141,142 領域
P1,P2 配線パターン
SL1,SL2 スリット
φ1〜φ6 磁束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11