特開2017-206275(P2017-206275A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大森機械工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000003
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000004
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000005
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000006
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000007
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000008
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000009
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000010
  • 特開2017206275-シール装置及び包装装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-206275(P2017-206275A)
(43)【公開日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】シール装置及び包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20171027BHJP
   B65B 9/067 20120101ALI20171027BHJP
   B65B 9/073 20120101ALI20171027BHJP
【FI】
   B65B51/10 A
   B65B9/067
   B65B9/073
   B65B51/10 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-98837(P2016-98837)
(22)【出願日】2016年5月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】牧野 友明
【テーマコード(参考)】
3E050
3E094
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA08
3E050CA02
3E050CB01
3E050CB03
3E050DC02
3E050DD04
3E050DF01
3E050DF02
3E050DF03
3E050FA02
3E050FB02
3E050FB07
3E050GA01
3E050GA02
3E050GB06
3E050GC07
3E094AA13
3E094BA01
3E094CA02
3E094DA08
3E094EA04
3E094FA14
3E094FA25
3E094HA20
(57)【要約】
【課題】折り畳まれたシール部による包装体の倒れを防止する。
【解決手段】エンドシール装置70は、フィルム4を挟み込む第一圧接部71及び第二圧接部72と、第一圧接部71に設けられた切断刃74と、を備える。第一圧接部71の下面が、フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第一圧接面71aと、第一圧接面71aに対して傾斜した第一傾斜圧接面71bと、を有し、第二圧接部72の上面が、第一圧接面71aに対向する第二圧接面と、第一傾斜圧接面71bに対向する第二傾斜圧接面72bと、を有する。切断刃74が第一圧接面71aと第一傾斜圧接面71bとの境界に沿って設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に搬送される筒状のフィルムをシールするシール装置において、
前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第一圧接部及び第二圧接部と、
前記第一圧接部若しくは前記第二圧接部又はこれらの両方に設けられた切断刃と、を備え、
前記第一圧接部の前記第二圧接部に突き合う面が、
前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第一圧接面と、
前記第一圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第一圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第二圧接部側又はその反対側へ傾斜した第一傾斜圧接面と、を有し、
前記第二圧接部の前記第一圧接部に突き合う面が、
前記第一圧接面に対向し、前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第二圧接面と、
前記第一傾斜圧接面に対向し、前記第二圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第二圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第一圧接部側又はその反対側へ傾斜した第二傾斜圧接面と、を有し、
前記切断刃が前記第一圧接面と前記第一傾斜圧接面との境界若しくは前記第二圧接面と前記第二傾斜圧接面との境界又はこれらの両方の境界に沿って設けられているシール装置。
【請求項2】
長手方向に搬送される帯状のフィルムの両側部を曲げることによって前記フィルムを連続的に筒状に丸める製袋器と、
前記製袋器の上流側に配置され、前記製袋器によって丸められる前記フィルムの内側に複数の被包装物を一定間隔置きに供給する被包装物供給機と、
前記製袋器によって曲げられた前記フィルムの両側部を連続的にシールするセンターシール装置と、
前記フィルムのうち前記被包装物の間の部位をシールするエンドシール装置と、を備える包装装置において、
前記エンドシール装置が、
前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第一圧接部及び第二圧接部と、
前記第一圧接部若しくは前記第二圧接部又はこれらの両方に設けられた切断刃と、を備え、
前記第一圧接部の前記第二圧接部に突き合う面が、
前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第一圧接面と、
前記第一圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第一圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第二圧接部側又はその反対側へ傾斜した第一傾斜圧接面と、を有し、
前記第二圧接部の前記第一圧接部に突き合う面が、
前記第一圧接面に対向し、前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第二圧接面と、
前記第一傾斜圧接面に対向し、前記第二圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第二圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第一圧接部側又はその反対側へ傾斜した第二傾斜圧接面と、を有し、
前記切断刃が前記第一圧接面と前記第一傾斜圧接面との境界若しくは前記第二圧接面と前記第二傾斜圧接面との境界又はこれらの両方の境界に沿って設けられている包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される筒状のフィルムをシールするシール装置及びそのシール装置を備える包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で用いられた符号を括弧書きで表記し、特許文献1に記載の包装装置について説明する。特許文献1に記載の技術では、原反ロール(12)に巻回された帯状のフィルム(11)が連続的に繰り出され、そのフィルム(11)の搬送経路の中途部に設けられた製袋器(14)によってそのフィルム(11)が筒状に丸められる。製袋器(14)には複数の被包装物(20)が搬送コンベア(16)によって順次供給されて、筒状フィルム(11)に包み込まれる。そして、フィルム(11)とともに被包装物(20)が下流へ搬送され、縦方向のセンターシール部(25e)がセンターシール装置(21)によって連続的にシールされ、センターシール装置よりも下流側において横方向のエンドシール部(25a)がエンドシール装置(24)によって周期的にシールされるとともに、切断される。これにより、ピロー状の包装物が順次作製される。エンドシール装置(24)の上下のエンドシーラー(24a,24b)の上流側の面には、爪(36,37)がそれぞれ設けられており、上流側の包装体(25)のエンドシール部(25a)の根元部分がこれら爪(36,37)の間に挟み込まれることによって、そのエンドシール部(25a)の根元部分に折り癖(39)が形成される。このような折り癖(39)が形成されているので、包装体(25)を立てた状態で載置しても、エンドシール部(25a)が折り畳まれて、包装体(25)が倒れにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4405647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の記載の技術では、エンドシール部(25a)は根元部分を除く大部分が被包装物(20)の搬送方向及び幅方向に対して平行な状態である。そのため、エンドシール部(25a)を折り畳んでも、エンドシール部(25a)がその弾性力によって元の状態に復元して、包装体(25)が倒れてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。本発明が解決しようとする課題は、折り畳まれたエンドシール部(25a)による包装体(25)の倒れを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための本発明は、長手方向に搬送される筒状のフィルムを挟み込んでシールするシール装置において、前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第一圧接部及び第二圧接部と、前記第一圧接部若しくは前記第二圧接部又はこれらの両方に設けられた切断刃と、を備え、前記第一圧接部の前記第二圧接部に突き合う面が、前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第一圧接面と、前記第一圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第一圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第二圧接部側又はその反対側へ傾斜した第一傾斜圧接面と、を有し、前記第二圧接部の前記第一圧接部に突き合う面が、前記第一圧接面に対向し、前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第二圧接面と、前記第一傾斜圧接面に対向し、前記第二圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第二圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第一圧接部側又はその反対側へ傾斜した第二傾斜圧接面と、を有し、前記切断刃が前記第一圧接面と前記第一傾斜圧接面との境界若しくは前記第二圧接面と前記第二傾斜圧接面との境界又はこれらの両方の境界に沿って設けられているシール装置である。
【0007】
また、以上の課題を解決するための本発明は、長手方向に搬送される帯状のフィルムの両側部を曲げることによって前記フィルムを連続的に筒状に丸める製袋器と、前記製袋器の上流側に配置され、前記製袋器によって丸められる前記フィルムの内側に複数の被包装物を一定間隔置きに供給する被包装物供給機と、前記製袋器によって曲げられた前記フィルムの両側部を連続的にシールするセンターシール装置と、前記フィルムのうち前記被包装物の間の部位をシールするエンドシール装置と、を備える包装装置において、前記エンドシール装置が、前記フィルムを間に置いて互いに接離し、互いに近接した場合に前記フィルムを挟み込んでシールする第一圧接部及び第二圧接部と、前記第一圧接部若しくは前記第二圧接部又はこれらの両方に設けられた切断刃と、を備え、前記第一圧接部の前記第二圧接部に突き合う面が、前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第一圧接面と、前記第一圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第一圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第二圧接部側又はその反対側へ傾斜した第一傾斜圧接面と、を有し、前記第二圧接部の前記第一圧接部に突き合う面が、前記第一圧接面に対向し、前記フィルムの搬送方向及び幅方向に平行な第二圧接面と、前記第一傾斜圧接面に対向し、前記第二圧接面の搬送方向上流側又は搬送方向下流側に形成され、前記第二圧接面から搬送方向上流側又は搬送方向下流側に向かって前記第一圧接部側又はその反対側へ傾斜した第二傾斜圧接面と、を有し、前記切断刃が前記第一圧接面と前記第一傾斜圧接面との境界若しくは前記第二圧接面と前記第二傾斜圧接面との境界又はこれらの両方の境界に沿って設けられている包装装置である。
【0008】
以上の発明によれば、第一傾斜圧接面及び第二傾斜圧接面が第一圧接面及び第二圧接面に対して傾斜しているので、フィルムのうち第一傾斜圧接面と第二傾斜圧接面との間に挟まれた部分と第一圧接面と第二圧接面との間に挟まれた部分との境界に折り目が形成される。また、切断刃が第一圧接面と第一傾斜圧接面との境界若しくは第二圧接面と第二傾斜圧接面との境界又はこれらの両方の境界に沿って設けられているので、シール装置によってシールされた部位は折り目に沿って切断される。従って、第一傾斜圧接面と第二傾斜圧接面との間に挟まれたシール部分のほぼ全体が被包装物の搬送方向に対して傾斜した状態になる。よって、そのようなシール部分を折り畳んでも、シール部分が元に復元しづらく、包装物を立てた状態に載置しても、包装物が倒れにくい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第一傾斜圧接面及び第二傾斜圧接面によってシールされた部分を折り畳んでも、その部分が元に戻りにくい。よって、そのシールされた部分を下に向けて包装物を立てても、包装物が倒れにくい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ピロー包装装置の概略側面図である。
図2図2は、被包装物の斜視図である。
図3図3は、包装物の斜視図である。
図4図4は、エンドシール装置の一対の圧接部、ガゼット形成機の二組の折り込み片、押さえ機の押さえ板及び折り機の折り板を示した斜視図である。
図5図5は、ボックスモーション駆動方式のエンドシール装置の上側圧接部及び下側圧接部の概略側面図である。
図6図6は、回転駆動方式のエンドシール装置の上側圧接部及び下側圧接部の概略側面図である。
図7図7は、変形例に係るエンドシール装置の上側圧接部及び下側圧接部の概略側面図である。
図8図8は、別の変形例に係るエンドシール装置の上側圧接部及び下側圧接部の概略側面図である。
図9図9は、別の変形例に係るエンドシール装置の上側圧接部及び下側圧接部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
1. ピロー包装装置及び包装物の概要
図1は、ピロー包装装置1の概略側面図である。図2は、ピロー包装装置1によって包装される被包装物3の斜視図である。図3は、ピロー包装装置1によって作製される包装物2の斜視図である。
【0013】
図1に示すこのピロー包装装置1は、被包装物3をフィルム4により順次包装することによって、包装物2を順次作製する装置である。図2に示すように、被包装物3は液体等の内容物が充填された柱状容器であり、より具体的には円柱状容器又は四角柱状容器である。図3に示すように、完成した状態の包装物2の包装フィルム4は被包装物3を包み込むように筒状に丸められた状態にあり、更に被包装物3の外周側において包装フィルム4が部分的にシールされることによって折り畳まれたフィン状の縦綴じ目(センターシール部)5が形成された状態にある。また、被包装物3の両端面側において包装フィルム4の端部がシールされることによって横綴じ目(エンドシール部)6a,6bが形成された状態にあり、包装フィルム4の側面のうち横綴じ目6a,6bの近傍部位が内方に折り込まれることによってガゼット(まち)7a,7bが形成された状態にある。
【0014】
被包装物3の一端面(底面)3a側の横綴じ目6aは被包装物3の一端面3aに沿って折り畳まれた状態にあり、被包装物3の他端面(頭頂面)3b側の横綴じ目6bは折り畳まれることなく被包装物3の長手方向及び幅方向に沿って設けられた状態にある。横綴じ目6aが折り畳まれているので、被包装物3の一端面を下に向けて包装物2を立てた状態で商品棚に陳列することができる。横綴じ目6bが折り畳まれていないので、包装物2を立てた状態に商品棚に陳列すると、横綴じ目6bや包装フィルム4の上部を購買者に向けて、横綴じ目6bや包装フィルム4の上部の印刷内容を購買者に提示することができる。
【0015】
また、横綴じ目6bにはパンチ穴8が形成されており、パンチ穴8にフックを通して包装物2を陳列することができる。横綴じ目6aが折り畳まれているので、包装物2をフックに掛けても、横綴じ目6aが下の商品の邪魔にならない。
【0016】
図1に示すように、ピロー包装装置1は、搬送台28、受け板(上板)68、フィルム供給機10、製袋器18、被包装物供給機20、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、センターシール装置60、エンドシール装置70、押さえ機90、折り機95等を備える。
【0017】
複数の被包装物3が、被包装物供給機20によって被包装物4の長手方向に搬送されて、製袋器18に順次供給される。また、帯状のフィルム4は、その幅方向(図1の紙面に垂直な方向)が略水平になるようにして、フィルム供給機10によって製袋器18に連続的に供給される。そのフィルム4が製袋器18により連続的に筒状に丸められることによって、被包装物3がフィルム4に包み込まれるとともに、フィルム4の両側部の縦綴じ目5が重なり合うとともに、被包装物4がフィルム4に包み込まれる。製袋器18よりも下流側では、フィルム5及びその内側の被包装物4が略水平方向下流側へ搬送され、重なり合った縦綴じ目5がセンターシール装置60により連続的にシールされて密閉される。その後、フィルム4及び被包装物3が搬送機30によってガゼット形成機40及びエンドシール装置70に搬送され、フィルム4のうち被包装物3の間の部位にガゼット7a,7bがガゼット形成機40によって形成された直後に、被包装物3の間の部位がエンドシール装置70によりシールされ、パンチされ更に切断される。これにより、被包装物3の間の部位に横綴じ目6a,6b及びパンチ穴8が形成される。こうして切り離された包装物2が搬出機35によって下流へ搬送されるが、その搬送の際に包装物2が押さえ機90によって上から押さえ付けられた状態で横綴じ目6aが折り機95によって上流側へ押されることによって、横綴じ目6a及びガゼット7aが被包装物3の一端面3aに沿って折り畳まれる。
以下、ピロー包装装置1の各構成要素について詳細に説明する。
【0018】
2. 搬送台及び受け板
搬送台28は水平な板状部材であり、被包装物4は倒伏して搬送台28上に載せられている。搬送台28の幅方向中央部には、搬送方向に沿った長溝が形成されており、被包装物3がその長溝を跨いでいる。搬送台28に載せられた被包装物3の向きについては、被包装物3の中心軸方向(長手方向)が搬送方向となり、被包装物3の底面3aが下流に向けられている。ここで、幅方向とは、被包装物3の搬送方向に対して直交する水平方向をいい、具体的には図1の紙面に垂直な方向をいう。被包装物3は搬送台28上で被包装物供給機20によって搬送される。
【0019】
また、搬送台28の下流側には、一対の水平な受け板68が搬送台28の上面に高さが揃うように設けられている。一対の受け板68は図1の紙面に垂直な方向(幅方向)に並べられており、これら受け板68の間にスリット(隙間)が形成されている。
【0020】
3. 被包装物供給機
被包装物供給機20は、製袋器18の上流側に設けられたフィンガーコンベアである。被包装物供給機20は、搬送台28及び製袋器18の下側に配置された第一スプロケット21と、第一スプロケット21よりも上流側且つ搬送台28の下側に配置された第二スプロケット(図示略)と、第一スプロケット21及び第二スプロケットに掛け渡された無端チェーン22と、無端チェーン22に所定間隔で取り付けられた複数の押送フィンガー23と、第一スプロケット21を回転駆動するモータと、を有する。モータによって無端チェーン22が周回されることによって、押送フィンガー23が搬送台28の長溝を通って搬送台28の上へ突出した状態で第二スプロケットから第一スプロケット21に向かって往路を移動する。これにより、被包装物3がその上流側から押送フィンガー23によって押されて送られるので、製袋器18には被包装物3が順次供給される。
【0021】
4. フィルム供給機
フィルム供給機10には、帯状フィルム4が巻回された原反ロール11がセッティングされている。原反ロール11から繰り出された帯状フィルム4がローラ12によって折り返されて、製袋器18に案内されている。このフィルム供給機10は、原反ロール11に接続された駆動モータ等を有しており、その駆動モータにより原反ロール11を回転させることによって原反ロール11から帯状フィルム4を一定速度で製袋器18に繰り出す。
【0022】
なお、駆動モータが原反ロール11に接続された構成に限らず、駆動モータが図示しないフィードローラに接続され、そのフィードローラが駆動モータによって駆動されることによって、帯状フィルム4が原反ロール11から引き出されるものとしてもよい。
【0023】
5. 製袋器
製袋器18は、搬送台28と受け板68との間に設けられている。また、製袋器18は原反ロール11よりも下側に配置されており、原反ロール11から繰り出された帯状フィルム4が製袋器18を下流側へ通過する際に、帯状フィルム4の両側部の縦綴じ目5が下方に曲げられるように、帯状フィルム4が製袋器18によって筒状に丸められる。更に、縦綴じ目5が製袋器18によって重ね合わされるように且つ垂下するようにフィン状に形成され、受け板68のスリットを通って受け板68の下へ突出する。
【0024】
製袋器18よりも下流側では、被包装物供給機20によって供給された複数の被包装物3が受け板68及び後述の搬送機30上で筒状フィルム4の長手方向(搬送方向)に所定間隔を置いて配列された状態でその筒状フィルム4に従動して下流側へ搬送される。
【0025】
6. センターシール装置
センターシール装置60は、製袋器18の下流側且つ受け板68の下側に設けられている。このセンターシール装置60は、受け板68のスリットから下に突き出た縦綴じ目5を両側から挟み込みながら加熱することでシールする。この図示例では、センターシール装置60は、受け板68の下側に設けられた左右一対の棒状ヒータ61と、棒状ヒータ61の下流側に設けられた一対のプレスローラ62と、を有する。一対の棒状ヒータ61の間の隙間を縦綴じ目5が通過することによって加熱される。加熱された縦綴じ目5がプレスローラ62によって所定の圧力で挟み込まれることによって、縦綴じ目5がシールされる。棒状ヒータ61の上流側と下流側には、縦綴じ目5を挟み込む幅方向に対のピンチローラ63が設けられ、プレスローラ62の下流側には、縦綴じ目5を挟み込む幅方向に対のピンチローラ64が設けられ、縦綴じ目5がピンチローラ63,64によって下流へ送られる。なお、一対の棒状ヒータ61の間隔は調整可能である。
【0026】
7. 搬送機及び搬出機
ピンチローラ64の下流側には、ベルトコンベア型の搬送機30と搬出機35がこれらの順に上流側から下流側へ配列されるように設けられている。搬送機30の無端ベルトの上面は、受け板68の下流側端部から水平方向下流側へ延在している。搬出機35の無端ベルトの上面は、搬送機30の無端ベルトの上面の下流側端部から下流側へ離れているとともに、水平方向下流側へ延在している。
【0027】
筒状のフィルム4及びその内側の被包装物3が受け板68から搬送機30の無端ベルト上に送られる。また、シールされた縦綴じ目5は、ピンチローラ64から搬送機30の無端ベルト上に送られる際に筒状のフィルム4の下面に接するように折り畳まれる。
【0028】
搬送機30の無端ベルト上に載った筒状フィルム4及びその内側の被包装物3は搬送機30の無端ベルトによって下流側へ搬送される。搬送機30の下流側端部まで搬送されたフィルム4及び被包装物3は搬送機30の無端ベルトから搬出機35の無端ベルトに載せ替えられるが、その際に包装物2が完成して、その包装物2よりも上流側のフィルム4から切断される。
そして、搬出機35の無端ベルト上に載った包装物2は搬出機35の無端ベルトによって下流側へ搬送される。
なお、搬送機30が設けられず、ピンチローラ54のすぐ下流側に後述の横方向シール機60が設けられてもよい。
【0029】
8. ガゼット形成機
搬送機30と搬出機35との間の両側方には、ガゼット形成機40が設けられている。このガゼット形成機40は、周期的に筒状フィルム4の両側面を内側に折り込むことによって、筒状フィルム4の両側面にガゼット7a,7bを形成するものである。ガゼット形成機40が筒状フィルム4にガゼット7a,7bを形成するタイミングは、被包装物3がガゼット形成機40を通過してから次の被包装物3がガゼット形成機40を通過するまでの間である。つまり、フィルム4のうち隣り合う被包装物3の間の部位が搬送機30の無端ベルトから搬出機35の無端ベルトに載せ替えられる際に、ガゼット7a,7bがガゼット形成機40によって形成される。
【0030】
図4は、ガゼット形成機40、エンドシール装置70、押さえ機90及び折り機95の要部の斜視図である。図4に示すように、ガゼット形成機40は、搬送機30及び搬出機35の無端ベルトの上面よりも上側の位置において搬送機30及び搬出機35の幅方向両側に配置された折り込み片41,42を備える。折り込み片41,42は、先端が搬送機30,35の幅方向内側に指向した状態で、搬送機30,35の幅方向に延在する。折り込み片41は折り込み片42よりも上流側に配置されており、折り畳み片41と折り畳み片42の間隔は一定に保たれている。
【0031】
折り込み片41,42は、幅方向に往復移動可能に設けられているとともに、フィルム4の搬送方向に往復移動可能に設けられている。折り込み片41,42の幅方向の移動と搬送方向の移動の組み合わせによって折り込み片41,42が上から見て矩形状軌道49に沿って移動する。つまり、搬送機30の下流側端部の位置において折り込み片41,42が幅方向内方に移動することによって、折り込み片41の先端が搬送機30の無端ベルトの側方から搬送機30の無端ベルトの上側に突き出る(但し、折り込み片41の先端同士及び折り込み片42の先端同士は離間している)。これにより、筒状フィルム4の側面が内方に折り込まれ、折り込み片41によってガゼット7aが形成され、折り込み片42によってガゼット7bが形成される。その後、折り込み片41,42の先端同士の間隔が維持した状態で折り込み片41,42が上流側から下流側へフィルム4と同速度で移動する。その後、搬出機35の上流側端部の位置において折り込み片41,42が幅方向外方に移動して、折り込み片41,42の先端が搬出機35の無端ベルトの上側から搬出機35の無端ベルトの側方に引き込む。その後、折り込み片41の先端同士の間隔及び折り畳み片42の先端同士の間隔が維持された状態で折り込み片41,42が下流側から上流側へ移動する。ここで、後述のエンドシール装置70の圧着用駆動機構73の動力がカム機構等の伝動機構によって折り込み片41,42の幅方向の動力として折り込み片41,42に伝動することによって、折り込み片41,42が圧接部71,72の昇降動作に連動して幅方向に移動する。また、圧着用駆動機構73又は別のサーボモータの動力がカム機構等の伝動機構によって折り込み片41,42の搬送方向の動力として折り込み片41,42に伝動することによって、折り込み片41,42が圧接部71,72の昇降動作に連動して搬送方向に移動する。
【0032】
9. エンドシール装置
図1に示すように、搬送機30と搬出機35との間には、エンドシール装置70が設けられている。エンドシール装置70は、ガゼット形成機40によってガゼット7a,7bが形成された筒状フィルム4に対して周期的な熱圧着、パンチ及び切断を行う。エンドシール装置70が筒状フィルム4を熱圧着するタイミングは、被包装物3がエンドシール装置70を通過してから次の被包装物3がエンドシール装置70を通過するまでの間である。つまり、フィルム4のうち隣り合う被包装物3の間の部位が搬送機30の無端ベルトから搬出機35の無端ベルトに載せ替えられる際に、エンドシール装置70によって筒状フィルム4が熱圧着され、パンチされ更に切断される。
【0033】
エンドシール装置70は、昇降することによって互いに接離する上側圧接部(第一圧接部)71及び下側圧接部(第二圧接部)72と、上側圧接部71及び下側圧接部72を上下方向に接離させる圧着用駆動機構73と、上側圧接部71と下側圧接部72にそれぞれ内蔵されたヒータと、を備える。
【0034】
9−1. 圧着用駆動機構
圧着用駆動機構73は、モータ等の動力源及びカム機構等の伝動機構を有したボックスモーション式駆動機構(図5参照)又は回転式駆動機構(図6参照)である。
ボックスモーション式駆動機構は、圧接部61,62の姿勢を維持した状態で圧接部61,62を駆動するものである。また、図5に示すように、ボックスモーション式駆動機構は、圧接部71,72を近接させた状態で上流側から下流側へ筒状フィルム4と同速度で移動させ、その後に圧接部71,72を上下に離間させた状態で下流側から上流側へ移動させるものである。例えば、ボックスモーション式駆動機構による上側圧接部71の運動の軌跡は、上側を円弧とし下側を水平な弦(直線)とした扇形状閉曲線であり、ボックスモーション式駆動機構による下側圧接部72の運動の軌跡は、下側を円弧とし上側を水平な弦(直線)とした扇形状閉曲線である。ボックスモーション式駆動機構の場合、圧接部71,72が互いに近づく際に搬送機30の下流側ローラ30aと搬出機35の上流側ローラ35aとの間の間隔が広がり、圧接部71,72が互いに離れる際に搬送機30の下流側ローラ30aと搬出機35の上流側ローラ35aとの間の間隔が狭まる。この場合、圧着用駆動機構73の動力が、カム機構等の伝動機構によって、搬送機30の下流側ローラ30aと搬出機35の上流側ローラ35aの接離動作の動力として、搬送機30の下流側ローラ30a及び搬出機35の上流側ローラ35aに伝動する。
【0035】
回転式駆動機構は、図6に示すように、幅方向に延在した回転軸73aを中心にして上側圧接部71を図1中及び図6中の反時計回りに旋回させるとともに、幅方向に延在した回転軸73bを中心にして下側圧接部72を図1中及び図6中の時計回りに旋回させることによって、これら圧接部71,72を昇降させるものである。
【0036】
9−2. 上側圧接部及び下側圧接部の対向面
図5及び図6に示すように、ボックスモーション式駆動機構と回転式駆動機構の何れの場合でも、上側圧接部71の下面(下側圧接部72に上面に突き合う面)には、上側圧接面(第一圧接面)71a及び上側傾斜圧接面(第一傾斜圧接面)71bが形成され、下側圧接部72の上面(上側圧接部71の下面に突き合う面)には、下側圧接面(第二圧接面)72a及び上側圧接面(第二傾斜圧接面)72bが形成されている。
【0037】
上側圧接部71の下面と下側圧接部72の上面とが突き合った状態では、圧接面71a,72aが搬送機30及び搬出機35の搬送方向及び幅方向に対して平行な平面であるか(図5に示すようなボックスモーション式駆動機構の場合)、その平面を基調として回転軸73a,73b側に僅かに湾曲している(図6に示すような回転式駆動機構の場合)。また、圧接面71a,72aは、幅方向の長さが搬送方向の長さよりも長い。
上側圧接部71の下面と下側圧接部72の上面とが突き合った状態では、傾斜圧接面71b,72bが圧接面71a,71aの上流側に配されている。また、傾斜圧接面71b,72bは、圧接面71a,72aに対して傾斜しており、より具体的には上流側に向けて上りに傾斜する。図5に示すようなボックスモーション式駆動機構の場合、傾斜圧接面71b,72bはほぼ平面状であり、図6に示すような回転式駆動機構の場合、傾斜圧接面71b,72bはその平面を基調として回転軸73a,73b側に僅かに湾曲している。また、傾斜圧接面71b,72bは、幅方向の長さが傾斜方向の長さよりも長い。
なお、上側圧接部71の下面と下側圧接部72の上面とが突き合った状態では、搬送機30の無端ベルトの上面と搬出機35の無端ベルトの上面の高さが揃っているか、又は、搬送機30の無端ベルトの上面が、圧接面71aから傾斜圧接面71bの上流側の縁までの高さ分だけ、搬出機35の無端ベルトの上面から上にずれている。
【0038】
9−3. 上側圧接部及び下側圧接部の接離動作タイミング
筒状フィルム4が上側圧接部71と下側圧接部72との間を下流側へ搬送される。圧接部71,72が互いに近接する前に、上述のように両側の折り込み片41,42が互いに近づけられて、筒状フィルム4の側面のうち隣り合う被包装物3の間の部位にガゼット7a,7bが形成される。その後すぐに、折り込み片41,42が幅方向側方に退避するとともに、圧着用駆動機構73によって圧接部71,72が互いに近接する。そうすると、圧接面71a,72aが互いに近接して対向するとともに、傾斜圧接面71b,72bが互いに近接して対向し、筒状フィルム4のうち隣り合う被包装物3の間の部位が上側の圧接面71a,71bと下側の圧接面72a,72bとの間に挟み込まれる。これにより、圧接部71,72を通過前の被包装物3と通過後の被包装物3との間の部分の筒状フィルム4が押し潰されて、圧接面71a、72aと傾斜圧接面71b,72bによって加圧・加熱され、横綴じ目6a,6bが形成される。ここで、筒状フィルム4のうち上側の圧接面71a,71bと下側の圧接面72a,72bとの間に挟み込まれる部位は、先に折り込み片41,42の先端が接触した部分の間である。
【0039】
傾斜圧接面71b,72bが圧接面71a,72aに対して傾斜しているので、圧接部71,72の下流側の包装物2に形成された横綴じ目6bが搬送方向及び幅方向に対して略平行に形成され、上流側の包装物2に形成された横綴じ目6aが下流側に向けて下りに傾斜するように形成される。また、横綴じ目6aと横綴じ目6bとの境界に沿って折り目6c(図4参照)が形成される。
【0040】
横綴じ目6a,6bが形成された後、上側圧接部71と下側圧接部72が互いに離間する。そして、次の被包装物3が上側圧接部71と下側圧接部72との間を下流側に通過するまで、上側圧接部71と下側圧接部72が離間している。
【0041】
9−4. カッター及びパンチング(ボックスモーション駆動機構の場合)
ボックスモーション式駆動機構の場合、図5に示すように、エンドシール装置70が切断刃74、パンチ刃75及びそれらの駆動機構76を有する。上側圧接部71の下面には、スリットが上側圧接面71aと上側傾斜圧接面71bの境界に沿って形成されており、切断刃74がそのスリットに収容されている。上側圧接部71の下面のうち上側圧接面71aには、穴が形成されており、パンチ刃75が穴に収容されている。一方、下側圧接部72の上面には、受入スリットが下側圧接面72aと下側傾斜圧接面72bの境界に沿って形成されている。また、下側圧接部72の上面のうち下側圧接面72aには、受入穴が形成されている。
【0042】
切断刃74及びパンチ刃75は昇降可能に設けられ、上側圧接部71に内蔵された駆動機構76が切断刃74及びパンチ刃75を昇降駆動する。具体的には、フィルム4が圧接部71,72の間に挟まれている時に、切断刃74及びパンチ刃75が駆動機構76により上側圧接部71のスリットや穴から下方に突き出されて、下側圧接部72の受入スリット又は受入穴に進入する。そうすると、下流側の包装物2の横綴じ目6bが切断刃74によって上流側の包装物2の横綴じ目6aから切り離されるとともに、下流側の包装物2の横綴じ目6bにパンチ穴8がパンチ刃75によって形成される。切断刃74及びパンチ刃75の下降後、切断刃74及びパンチ刃75が駆動機構76により上昇されて上側圧接部71のスリットや穴に引き込む。駆動機構76は直動型駆動機構であり、より具体的にはエアシリンダ又は電磁ソレノイドである。この駆動機構76は切断刃74及びパンチ刃75を昇降駆動する。
【0043】
なお、切断刃74及びパンチ刃75が上側圧接部71の下面から下方に突き出た状態で固定されていてもよい。この場合、上側圧接部71の下面と下側圧接部72の上面が互いに近づいて突き合わせられる動作に伴い、下流側の包装物2の横綴じ目6bが切断刃74によって上流側の包装物2の横綴じ目6aから切り離されるとともに、下流側の包装物2の横綴じ目6bにパンチ穴8がパンチ刃75によって形成される。
また、切断刃74及びパンチ刃75がそれぞれ下側圧接部72のスリット(スリットは下側圧接面72aと下側傾斜圧接面72bとの境界に沿って形成されている)及び穴(穴は下側圧接面72aに形成されている)内に昇降可能に設けられ、下側圧接部72に内蔵された駆動機構76が切断刃74及びパンチ刃75を昇降するものとしてもよい。また、切断刃74及びパンチ刃75が下側圧接部72の上面から上方に突き出た状態で固定されていてもよい。
【0044】
9−4. カッター及びパンチング(回転駆動機構の場合)
回転駆動機構の場合、図6に示すように、エンドシール装置70が切断刃76a,76b及びパンチ刃77a,77bを有する。切断刃76aは上側圧接面71aと上側傾斜圧接面71bの境界に沿って上側圧接部71の下面に設けられ、パンチ刃77aは上側圧接面71aに設けられている。切断刃76bは下側圧接面72aと下側傾斜圧接面72bの境界に沿って下側圧接部72の上面に設けられ、パンチ刃77bは下側圧接面72aに設けられている。
【0045】
上述のように圧接部71,72が互いに近づいてフィルム4が圧接部71,72の間に挟まれる時に、フィルム4が切断刃76a,76b及びパンチ刃77a,77bによって押し切られる。そうすると、下流側の包装物2の横綴じ目6bが切断刃76a,76bによって上流側の包装物2の横綴じ目6aから切り離されるとともに、パンチ穴8がパンチ刃77a,77bによって下流側の包装物2の横綴じ目6bに形成される。
【0046】
10. 押さえ機及び折り機
押さえ機90がエンドシール装置70の下流側に設けられ、折り機95が押さえ機90の下流側に設けられている。押さえ機90は、搬出機35の無端ベルト上面に対向するとともに上下動可能に設けられた押さえ板91と、押さえ板91を昇降させる昇降アクチュエータ(例えば、エアシリンダ、ソレノイド等)92とを有する。折り機95は、搬出機35の無端ベルトの上方において搬送方向上流側へ向けられているとともに上下動可能に設けられた折り板96と、折り板96を昇降させる昇降アクチュエータ(例えばエアシリンダ、ソレノイド等)97とを有する。
【0047】
被包装物3が押さえ板91の下方を下流側へ通過する時に、押さえ板91が昇降アクチュエータ92によって下降されるとともに、折り板96が昇降アクチュエータ97によって上流側斜め下へ下降される。そうすると、エンドシール装置70によって切り離された包装物2が上から押さえ板91によって押さえられるとともに、包装物2の横綴じ目6aが被包装物3の一端面3aに向けて折り畳まれる。エンドシール装置70によって加熱された直後に横綴じ目6aが折り畳まれるので、横綴じ目6aが元に広がるようなことを抑えられる。
その後、押さえ板91が昇降アクチュエータ92によって上昇されるとともに、折り板96が昇降アクチュエータ93によって下流側斜め上へ上昇される。横綴じ目6aが折り畳まれた包装物2が下流へ搬送される。
【0048】
11. 効果
(1) 圧接部71,72の互いに突き合う面が、搬送方向及び幅方向に対して平行な圧接面71a,72aと、それに対して傾斜した傾斜圧接面71b,72bと、を有する。そのため、エンドシール装置70によってフィルム4がシールされる際に、上流側の包装物2の横綴じ目6aと下流側の包装物2の横綴じ目6bとの境界に沿って折り目6c(図4参照)が形成される。つまり、上流側の包装物2の横綴じ目6aは被包装物3の一端面(底面)3a側に折れたような折り畳み癖を有するようになるが、下流側の包装物2の横綴じ目6bはそのような折り畳み癖を有さず、被包装物3の中心軸方向及び幅方向に対してほぼ平行な状態の癖を有するようになる。特に、横綴じ目6aは傾斜圧接面71b,72bによって加熱されたものであるから、横綴じ目6aのほぼ全体の折り畳み癖が強い。
【0049】
(2) 切断刃74,76a,76bが圧接面71a,72aと傾斜圧接面71b、72bとの境界に沿って設けられているので、エンドシール装置70によってフィルム4がシールされる際に、そのフィルム4が上流側の包装物2の横綴じ目6aと下流側の包装物2の横綴じ目6bとの境界(折り目6c)に沿って切断される。
【0050】
(3) 横綴じ目6aが折り畳み癖を有するので、折り機95による横綴じ目6aの折り畳みが容易に行われる上、横綴じ目6aの折り畳みミスも発生しにくい。よって、包装物2の作製に関する歩留まりが向上する。また、横綴じ目6aのほぼ全体の折り畳み癖が強いので、折り機95によって折り畳まれた横綴じ目6aが広がることを防止できる。
【0051】
(4) 横綴じ目6aが折り畳まれているので、包装物2を立てた状態で陳列することができるとともに、包装物2が倒れにくい。包装物2を立てた状態で陳列した場合、横綴じ目6b及び包装フィルム4の上部を購買者に向けて、横綴じ目6b及び包装フィルム4の上部の印刷内容を購買者の目に触れやすい状態にすることもできる。
【0052】
(5) パンチ刃75が上側圧接面71a又は下側圧接面72aに形成されているので、横綴じ目6bにパンチ穴8が形成される。よって、包装物2をフックに掛けて陳列することもできる。
【0053】
12. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明の実施形態は本発明の趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
【0054】
(1) 上記実施形態では、ピロー包装装置1が正ピロー包装装置であったが、逆ピロー包装装置であってもよい。ピロー包装装置1が逆ピロー包装装置である場合、原反ロール11及びフィードローラ12が製袋器18の下側に配置され、製袋器18に送られた帯状のフィルム4の両側部(縦綴じ目)5が製袋器18によって上に折られるように、そのフィルム4が筒状に丸められる。センターシール装置60は搬送される筒状フィルム4の上側に配置されており、筒状フィルム4の上面において起立した側部(縦綴じ目)5がセンターシール装置60によって熱圧着される。なお、上記実施形態のような正ピロー包装装置の場合、図2に示すように横綴じ目6aが縦綴じ目5側へ折り畳まれるのに対し、逆ピロー包装装置の場合、横綴じ目6aが縦綴じ目5の反対側へ折り畳まれる。
【0055】
(2) 上記実施形態では、傾斜圧接面71b,72bが上流側に向かって上りに傾斜していた(図5図6参照)。それに対して、図7に示すように、傾斜圧接面71b,72bが下流側に向かって上りに傾斜してもよい。この場合、ピロー包装装置1が逆ピロー包装装置であるときは、横綴じ目6aが縦綴じ目5側へ折り畳まれ、ピロー包装装置1が正ピロー包装装置であるときは、横綴じ目6aが縦綴じ目5の反対側へ折り畳まれる。また、この場合、搬送機30の無端ベルトの上面と搬出機35の無端ベルトの上面の高さが揃っているか、又は、搬出機35の無端ベルトの上面が、傾斜圧接面71bの上流側の縁から圧接面71aまでの高さ分だけ、搬送機30の無端ベルトの上面から上にずれている。
【0056】
(3) 上記実施形態では、傾斜圧接面71b,72bが圧接面71a,72aの上流側に配され、傾斜圧接面71b,72bが上流側に向かって上りに傾斜していた(図5図6参照)。それに対して、図8に示すように、傾斜圧接面71b,72bが圧接面71a,72aの下流側に配され、傾斜圧接面71b,72bが上流側に向かって上りに傾斜してもよい。この場合、被包装物3は一端面(底面)3aを上流側に向けて、他端面(頭頂面)3bを下流側に向けて供給されて搬送される。また、この場合、ピロー包装装置1が逆ピロー包装装置であるときは、横綴じ目6aが縦綴じ目5側へ折り畳まれ、ピロー包装装置1が正ピロー包装装置であるときは、横綴じ目6aが縦綴じ目5の反対側へ折り畳まれる。また、この場合、搬送機30の無端ベルトの上面と搬出機35の無端ベルトの上面の高さが揃っているか、又は、搬出機30の無端ベルトの上面が、傾斜圧接面71bの下流側の縁から圧接面71aまでの高さ分だけ、搬送機35の無端ベルトの上面から上にずれている。
【0057】
(4) 上記実施形態では、傾斜圧接面71b,72bが圧接面71a,72aの上流側に配され、傾斜圧接面71b,72bが上流側に向かって上りに傾斜していた(図5図6参照)。それに対して、図9に示すように、傾斜圧接面71b,72bが圧接面71a,72aの下流側に配され、傾斜圧接面71b,72bが下流側に向かって上りに傾斜してもよい。この場合、被包装物3は一端面(底面)3aを上流側に向けて、他端面(頭頂面)3bを下流側に向けて供給されて搬送される。また、この場合、ピロー包装装置1が正ピロー包装装置であるときは、横綴じ目6aが縦綴じ目5側へ折り畳まれ、ピロー包装装置1が逆ピロー包装装置であるときは、横綴じ目6aが縦綴じ目5の反対側へ折り畳まれる。また、この場合、搬送機30の無端ベルトの上面と搬出機35の無端ベルトの上面の高さが揃っているか、又は、搬出機35の無端ベルトの上面が、圧接面71aから傾斜圧接面71bの下流側の縁までの高さ分だけ、搬送機30の無端ベルトの上面から上にずれている。
【0058】
(5) 上記(2)〜(4)の図7図9の図示例はボックスモーション式駆動機構の場合の例であるが、回転式駆動機構の場合でも、上記(2)〜(4)の変更点を適用してもよい。
【0059】
(6) 上記実施形態では、折り板96が搬出機35の無端ベルトの上方から上流側斜め下に移動することによって、折り板96が横綴じ目6aが折り板96によって折り畳まれていた。それに対して、折り板96が搬出機35の無端ベルトの下方から上流側斜め上に移動することによって、横綴じ目6aが折り板96によって折り畳まれてもよい。
【0060】
(7) 上記実施形態では、圧接部71,72がボックスモーション式又は回転式の駆動機構73によって移動したが、圧接部71,72が直動型駆動機構によって直線的に上下方向に駆動されてもよい。この場合、被包装物3及びフィルム4が間欠的に搬送される。つまり、被包装物3及びフィルム4の停止時に圧接部71,72が互いに近づいて、フィルム4が圧接部71,72の間に挟持され、圧接部71,72が互いに離間すると、被包装物3及びフィルム4が被包装物3の間隔に等しい距離だけ搬送される。また、この場合、圧接部71,72に設けられる切断刃及びパンチ刃は図5に示すような切断刃74及びパンチ刃75のように昇降するように設けられてもよいし、図6に示すような切断刃76a,76b及びパンチ刃77a,77bのように圧接部71,72に固定されていてもよい。
【0061】
(8) 押さえ機90及び折り機95を省略してもよい。この場合、横綴じ目6aは被包装物3の一端面(底面)3a側に折れたような折り畳み癖を有し、横綴じ目6aの全体が被包装物3の中心軸方向に対して傾斜する。
【0062】
(9) パンチ刃75,77a,77bを省略してもよい。この場合、圧接面71a,72aはパンチ刃75,77a,77b用の穴が形成されていない。
【符号の説明】
【0063】
1…ピロー包装装置(包装装置), 10…被包装物供給装置 18…製袋器, 60…センターシール装置, 70…エンドシール装置(シール装置), 71…上側圧接部(第一圧接部), 71a…上側圧接面(第一圧接面), 71b…上側傾斜圧接面(第一傾斜圧接面), 72…下側圧接部(第二圧接部), 72a…下側圧接面(第二圧接面), 72b…下側傾斜圧接面(第二傾斜圧接面), 74…切断刃, 76a…切断刃, 76b…切断刃
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9