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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-206348(P2017-206348A)
(43)【公開日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】搬送用走行体利用の搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/22 20060101AFI20171027BHJP
   B65G 35/06 20060101ALI20171027BHJP
   B65G 47/82 20060101ALI20171027BHJP
   B65G 25/10 20060101ALI20171027BHJP
【FI】
   B65G21/22 D
   B65G35/06 B
   B65G47/82 B
   B65G25/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-99459(P2016-99459)
(22)【出願日】2016年5月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(74)【代理人】
【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司
(72)【発明者】
【氏名】保田 貴文
【テーマコード(参考)】
3F017
3F025
3F036
【Fターム(参考)】
3F017AA03
3F017BA05
3F017BC01
3F025CA32
3F025CB09
3F036BA04
3F036DA01
3F036DD07
(57)【要約】
【課題】車体に取り付けられる前のドアを、垂直に立てた状態で且つ当該ドアが走行方向に沿う向きで搬送するような、左右横方向に転倒し易い状態の搬送用走行体を、転倒の恐れを無くして、安全に走行させることが出来る搬送設備を提供する。
【解決手段】搬送用走行体5の走行方向と平行な左右両側部と、この搬送用走行体5の走行経路1Aの左右両側部の何れか一方には、搬送用走行体5の走行方向と平行で垂直な帯状のガイド面26と、このガイド面26よりも外側へ水平に突出する突出片15a,15bが設けられ、他方には、搬送用走行体5の走行方向と平行な突条20が上下複数段に設けられ、この上下複数段の突条20の内、少なくとも1つの突条の先端が前記ガイド面26に隣接すると共に、搬送用走行体5の左右両側部の浮き上がりが、前記突条20の内の1つと前記突出片15a,15bとの上下方向の当接により阻止される構成。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送用走行体の走行方向と平行な左右両側部と、この搬送用走行体の左右両側部に隣り合う走行経路の左右両側部の何れか一方には、搬送用走行体の走行方向と平行で垂直な帯状のガイド面と、このガイド面よりも外側へ水平に突出する突出片が設けられ、他方には、搬送用走行体の走行方向と平行な突条が上下複数段に設けられ、この上下複数段の突条の内、少なくとも1つの突条の先端が前記ガイド面に隣接すると共に、この上下複数段の突条の内、少なくとも1つの突条の先端が前記ガイド面に隣接すると共に、搬送用走行体の左右両側部の浮き上がりが、前記突条の内の1つと前記突出片との上下方向の当接により阻止されるように構成された、搬送用走行体利用の搬送装置。
【請求項2】
前記ガイド面と突出片が搬送用走行体の左右両側部に配設され、前記上下複数段の突条が走行経路の左右両側部に配設されている、請求項1に記載の搬送用走行体利用の搬送装置。
【請求項3】
搬送用走行体の走行経路には、搬送用走行体の底部を走行方向に滑動自在に支持する左右一対の支持手段と、搬送用走行体を走行方向に推進する駆動手段が設けられ、搬送用走行体には、前記左右一対の支持手段で支持されるように、走行方向と平行な左右一対の水平帯状板が底部に付設され、前記突出片は、左右一対の前記水平帯状板の、搬送用走行体の左右両側部より突出している外側辺で構成されている、請求項2に記載の搬送用走行体利用の搬送装置。
【請求項4】
前記支持手段は、搬送用走行体の走行方向に直列状に配設された多数の支持用パネルから構成され、各支持用パネルは、搬送用走行体の走行方向と平行な複数本の突条を取付け用基板上に、搬送用走行体の走行方向に対して直交する左右方向に並列する状態に突設して構成され、前記走行経路の左右両側には、搬送用走行体の走行方向と平行で垂直な取付け板が配設され、この取付け板の内側に、前記支持手段に使用されている支持用パネルと同一のパネルが、搬送用走行体の走行方向に直列状に付設され、この走行経路の左右両側の支持用パネルの突条が、搬送用走行体の走行経路の左右両側部に設けられる前記突条となっている、請求項2又は3に記載の搬送用走行体利用の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車組立て工場内での車体組付け前のドアの搬送に利用可能な搬送用走行体利用の搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車組立て工場内で、車体に取り付けられる前のドアを搬送する場合、搬送用走行体上に、搬送方向と平行な向きで垂直に立て掛けた状態のドアを、当該搬送用走行体が備えるドア固定用治具で固定して搬送することが行われている。この場合、1つのドアを1つの搬送用走行体で搬送しようとすると、平面視において、垂直に立て掛けた状態のドアが丁度収まる程度の必要最小限の平面積の、長さに比べて巾が非常の狭い細長い搬送用走行体を使用するのが、床面の利用効率を高める点で望ましいことであるが、細長い搬送用走行体の形状と重心が高くなることによって、左右横方向に転倒し易い、不安定な搬送状態になってしまう。ここで搬送用走行体として、左右一対の溝形ガイドレール内に嵌合する左右一対の車輪を備えた、一般的な台車構造の搬送用走行体を使用すれば、左右横方向の転倒の恐れは解消するが、搬送用走行体の重量アップと大幅なコストアップは免れない。ここで、搬送用走行体の重量軽減とコストダウンを考えるならば、例えば特許文献1に記載されるようなブロックチエーンユニットで、細長い平板状の搬送用走行体を支持して走行させることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−260649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるようなブロックチエーンユニットで、細長い平板状の搬送用走行体を支持して走行させる構成では、左右横方向の転倒防止の解消にならない。勿論、このような問題点を解消する手段として、搬送用走行体の左右両側辺に隣接する蛇行防止用の横外側ローラー列と、搬送用走行体の左右横巾を少し広くして、この搬送用走行体の左右両側辺の浮き上がりを防止する上側ローラー列を、走行経路の左右両側部に配設することも考えられるが、このような解決手段では、本来の搬送用走行体の重量軽減とコストダウンを達成出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消することのできる搬送用走行体利用の搬送装置を提案するものであって、本発明に係る搬送用走行体利用の搬送装置は、後述する実施例との関係を理解し易くするために、当該実施例の説明において使用した参照符号を括弧付きで付して示すと、搬送用走行体(5)の走行方向と平行な左右両側部と、この搬送用走行体(5)の走行経路(1A)の左右両側部の何れか一方には、搬送用走行体(5)の走行方向と平行で垂直な帯状のガイド面(26)と、このガイド面(26)よりも外側へ水平に突出する突出片(15a,15b)が設けられ、他方には、搬送用走行体(5)の走行方向と平行な突条(20)が上下複数段に設けられ、この上下複数段の突条(20)の内、少なくとも1つの突条の先端が前記ガイド面(26)に隣接すると共に、搬送用走行体(5)の左右両側部の浮き上がりが、前記突条(20)の内の1つと前記突出片(15a,15b)との上下方向の当接により阻止される構成になっている。
【発明の効果】
【0006】
上記本発明の構成によれば、走行経路に対して搬送用走行体が左右水平方向に横動すること、即ち、蛇行することは、前記突条の先端と前記ガイド面との当接により阻止され、搬送用走行体の左右両側部が走行経路から浮き上がることは、この搬送用走行体側に設けられている前記突出片又は前記突条の1つと、走行経路側に設けられている前記突条の1つ又は前記突出片とが、上下方向に当接することにより阻止される。従って、搬送用走行体は、走行経路上を直線状に走行することが出来ると共に、仮に被搬送物を含む搬送用走行体全体の重心位置が高くて、しかも左右横巾の狭い細長い搬送用走行体であったとしても、この被搬送物を支持している搬送用走行体が左右横方向に転倒するような事態は確実に防止して、安全に被搬送物を搬送することが出来る。そして、搬送用走行体の走行経路を規制するための車輪やガイドレールが不要であることは勿論のこと、搬送用走行体の転倒防止のためのローラー列なども不要であり、搬送用走行体自体をシンプルで軽量な台枠構造に構成出来ると共に、走行経路側の構成も非常にシンプルとなり、設備全体を非常に安価に実施することが出来る。
【0007】
上記本発明を実施する場合、前記ガイド面(26)と突出片(15a,15b)を走行経路(1A)の左右両側部に配設し、前記上下複数段の突条(20)を搬送用走行体(5)の左右両側部に配設することが可能であるが、この逆に、前記ガイド面(26)と突出片(15a,15b)を搬送用走行体(5)の左右両側部に配設し、前記上下複数段の突条(20)を走行経路(1A)の左右両側部に配設するのが望ましい。即ち、この構成によれば、搬送用走行体の左右両側部に、通常は合成樹脂製となる上下複数段の突条が存在する場合と比較して、この搬送用走行体を走行経路上から外して取り扱う場合に、強度的に弱い前記突条を損傷させる恐れが無くなる。
【0008】
又、搬送用走行体(5)の走行経路(1A)には、搬送用走行体(5)の底部を走行方向に滑動自在に支持する左右一対の支持手段(6A,6B)と、搬送用走行体(5)を走行方向に推進する駆動手段(7A,8A,9A)を設け、搬送用走行体(5)には、前記左右一対の支持手段(6A,6B)で支持されるように、走行方向と平行な左右一対の水平帯状板(14a,14b)を底部に付設することが出来るが、この左右一対の水平帯状板(14a,14b)の側辺を、搬送用走行体(5)の左右両側部より突出させ、この左右一対の水平帯状板(14a,14b)の突出外側辺で、搬送用走行体(5)側に必要な前記突出片(15a,15b)を構成することが出来る。
【0009】
前記支持手段は、搬送用走行体を走行方向に滑動自在に支持出来るローラー列で構成し、或いは、前記駆動手段を兼用出来るように、当該ローラー列を備えたコンベヤチエンによって構成することが出来るが、別に駆動手段を使用するのであれば、前記支持手段(6A,6B)を、搬送用走行体(5)の走行方向に直列状に配設された多数の支持用パネル(19)から構成し、各支持用パネル(19)は、搬送用走行体(5)の走行方向と平行な複数本の突条(20)を取付け用基板(21)上に、搬送用走行体の走行方向に対して直交する左右方向に並列する状態に突設して構成し、前記走行経路(1A)の左右両側には、搬送用走行体(5)の走行方向と平行で垂直な取付け板(25)を配設し、この取付け板(25)の内側に、前記支持手段(6A,6B)に使用されている支持用パネル(19)と同一の支持用パネル(19)を、その突条(20)が搬送用走行体(5)の走行方向と平行になるように付設し、この走行経路(1A)の左右両側の支持用パネル(19)の突条(20)を、搬送用走行体(5)の走行経路(1A)の左右両側部に設けられる前記突条(20)とすることが出来る。この構成によれば、支持手段を構成する支持用パネルをそのまま活用して本発明を実施することが出来るので、設備全体の大幅なコストダウンを図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、搬送設備全体の構成を説明する概略平面図である。
図2図2は、図1の搬送用走行体進入側の領域の拡大平面図である。
図3図3は、図1の搬送用走行体退出側の領域の拡大平面図である。
図4図4は、図2の側面図である。
図5図5は、図3の側面図である。
図6図6は、走行経路中の搬送用走行体の駆動状態を示す一部切欠き側面図である。
図7図7は、走行経路中の搬送用走行体の駆動状態を示す平面図である。
図8図8は、走行経路中の搬送用走行体の支持状態と駆動状態を示す縦断正面図である。
図9図9Aは、搬送用走行体引込み用駆動手段の平面図、図9Bは同側面図、図9Cは、搬送用走行体送出し用駆動手段の平面図、図9Dは同側面図である。
図10図10A及び図10Bは、それぞれ本発明の別実施例を説明する要部の縦断正面図である。
図11図11Aは、本発明実施例において使用される支持用パネルとその連結構造を示す平面図、図11Bは、同縦断側面図、図11Cは、同横断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1において、1A,1Bは、主走行経路であって、その上手側端部には、互いに並列する送込み用走行経路2A,2Bが、主走行経路1A,1Bに対して直角横向きに配設され、この送込み用走行経路2A,2Bと主走行経路1A,1Bとの間にターンテーブル3が配設され、主走行経路1A,1Bの下手側端部には、主走行経路1A,1Bから送り出される2台の搬送用走行体を、主走行経路1A,1Bに対して直角横向きに送り出すための送出し用搬送台車4の走行経路5が配設されている。図2に示すように、ターンテーブル3には、90度範囲の正逆回転により、主走行経路1A,1Bと送込み用走行経路2A,2Bに対して択一的に接続される2列のターンテーブル上走行経路3A,3Bが設けられ、送出し用搬送台車4には、主走行経路1A,1Bに接続される2列の台車上走行経路4A,4Bが設けられている。
【0012】
全ての走行経路1A〜4Bは、同一構造のものであって、平面視が走行方向に細長い長方形の搬送用走行体5の左右両側部を滑動自在に支持する、走行方向と平行な2列の支持手段6A,6Bを備えている。この主走行経路1A,1Bの2列の支持手段6A,6Bの中間位置には、ターンテーブル上走行経路3A,3Bの位置P1にある搬送用走行体5を、当該位置P1から引き込んで、主走行経路1A,1B上の位置P2まで送るための引込み用駆動手段7A,7B、主走行経路1A,1B上の位置P2にある搬送用走行体5を、当該主走行経路1A,1B上の位置P3まで送るための送込み用駆動手段8A,8B、及び主走行経路1A,1B上の位置P3にある搬送用走行体5を、主走行経路1A,1Bに接続状態で待機する送出し用搬送台車4の台車上走行経路4A,4Bの位置P4まで送り出すための送出し用駆動手段9A,9Bが配設されている。
【0013】
図2及び図4に示すように、ターンテーブル3は、2列のターンテーブル上走行経路3A,3Bの長さ方向の中央部を支持する支持部材3aが垂直向きの回転軸3bによって回転自在に支持され、この回転軸3bを介して2列のターンテーブル上走行経路3A,3Bを90度の範囲で正逆回転駆動する回転駆動手段3cが併設されている。又、送出し用搬送台車4は、図3及び図5に示すように、2列の台車上走行経路4A,4Bを支持する支持部材4aがトロリーコンベヤ形式の走行体4bによって支持されたもので、その走行体4bは、例えば摩擦駆動輪4cによって推進される、従来周知のものである。尚、送込み用走行経路2A,2Bからターンテーブル3のターンテーブル上走行経路3A,3Bへ搬送用走行体5を送り込む手段については、特に図示していないが、手作業で送り込んでも良いし、主走行経路1A,1Bに設けられた送出し用駆動手段9A,9Bと同様の送出し用駆動手段を使用することも出来る。
【0014】
又、図2図5に示すように、全ての走行経路1A〜4B(但し、送込み用走行経路2A,2Bについては図示省略している)には、その左右両側部、具体的には左右一対の支持手段6A,6Bそれぞれの外側に、搬送用走行体5の走行方向一定間隔おきに、同一構造のガイド手段10が配設されている。搬送用走行体5は、図6図8Bに示すように、支持手段6A,6Bの左右両側横巾とほぼ同一巾の扁平な角鋼管から成る左右一対の側枠材11a,11bを前後2本の左右横向きの連結部材12a,12bによって連結一体化した台枠構造のものであって、その上側の被搬送物支持空間13内に収まるように、例えば自動車のドアWを支持固定する、従来周知の支持用治具(図示省略)が設けられている。そして左右一対の側枠材11a,11bの底部には、走行方向と平行な水平帯状板14a,14bが付設されている。この左右一対の水平帯状板14a,14bは、左右一対の支持手段6A,6Bの上に滑動自在に支持されるもので、搬送用走行体5の左右両側(各側枠材11a,11bの外側)に、搬送用走行体5の全長にわたって連続して帯板状に張り出す左右横巾を有し、この側枠材11a,11bから張り出す水平帯状板14a,14bの部分が突出片15a,15bを構成している。
【0015】
主走行経路1A,1B上の各駆動手段7A〜9Bは、図8A図9A図9Dに示すように、ロッドレスシリンダーユニット16とアンチバックプッシャー17を備えている。アンチバックプッシャー17は、ロッドレスシリンダーユニット16の上側に支持された可動台18上に付設の軸受け部材18aの遊端部に、左右横向きの水平支軸17aによって起伏自在に支持されると共に、重錘部17bにより起立姿勢に付勢保持されている。前記可動台18は、ロッドレスシリンダーユニット16の稼働により、当該ロッドレスシリンダーユニット16の後端側の行程始端と、当該ロッドレスシリンダーユニット16の前端側の行程終端との間で往復移動せしめられるものである。尚、引込み用駆動手段7A,7Bでは、図9A及び図9Bに仮想線で示すように、可動台18が行程始端にあるとき、アンチバックプッシャー17がロッドレスシリンダーユニット16の後端部の真上付近に位置するように、軸受け部材18aの遊端部が可動台18に対して、当該可動台18の後進方向に延出し、送込み用駆動手段8A,8Bと送出し用駆動手段9A,9Bでは、図9C及び図9Dに仮想線で示すように、可動台18が行程終端にあるとき、アンチバックプッシャー17がロッドレスシリンダーユニット16の前端部の真上付近に位置するように、軸受け部材18aの遊端部が可動台18に対して、当該可動台18の前進方向に延出している。
【0016】
各走行経路1A〜4Bにおける左右一対の支持手段6A,6Bは、図11A図11Cに示すように、支持用パネル19を利用して構成している。この支持用パネル19は、搬送用走行体5の走行方向と平行な複数本の突条20を取付け用基板21上に、搬送用走行体5の走行方向に対して直交する左右方向に等間隔おきに並列する状態に突設したものであって、プラスチック材料により一体成形されたものである。各突条20は、その断面形状が、先端側ほど巾の狭くなったもので、その先端の断面形状は円弧状突曲面となっている。取付け用基板21には、各突条20間において、突条20の長さ方向等間隔おきに直列するように矩形状開口22が形成されている。この支持用パネル19は、ほぼ正方形に近い形状のものであって、4列の突条20を備えている。使用に際しては、各支持用パネル19を、突条20が各走行経路1A〜4Bにおける搬送用走行体5の走行方向に沿って連続するように、図8に示すように、各走行経路1A〜4Bに沿って水平に架設された左右一対の角鋼管利用の門形部分23a上に敷設される。
【0017】
各支持用パネル19を架台23a,23b上に敷設するに際して、図11A及び図11Bに示すように、隣接する2枚の支持用パネル19どうしを連結する連結金具24が利用される。この連結金具24は、2枚の支持用パネル19間の隣接側辺の両側に隣り合う2つの矩形状開口22間に跨って嵌合することにより、隣接する2枚の支持用パネル19が互いに離間するのを阻止する門形部分24aと、この門形部分24aの一端から連設されて、片側の支持用パネル19の矩形状開口22の底部に嵌合する取付け板部24bとを備えている。この連結金具24の門形部分24aと取付け板部24bは、その横巾が矩形状開口22に丁度嵌合出来る巾である。架台23a,23bに対しては、隣接する2枚の支持用パネル19どうしを、当該支持用パネル19の左右巾方向の両端2か所に配置した連結金具24によって連結すると共に、各連結金具24の取付け板部24bを固定用ネジ24cにより架台23a,23b上に固定する。尚、連結金具24の使用に際して、その前後の向きを考慮しなくて良いように、図11A及び図11Bにそれぞれ仮想線で示すように、取付け板部24bの両側に門形部分24aを対称形に連設することも出来る。
【0018】
上記の支持手段6A,6Bに使用した支持用パネル19は、建屋内の床面など、平坦面上で物品を滑動自在に支持するために販売されている、例えば協和電機化学株式会社製のμ(ミユー)デッキパネルを利用することが出来る。
【0019】
上記支持手段6A,6Bの外側に配設された前記ガイド手段10は、1つの搬送用走行体5に対して常に左右両側に最低2つのガイド手段10が隣接することが出来る間隔で配設されている。このガイド手段10は、図8に示すように、各走行経路1A〜4Bの左右両側に垂直に立ち上がる、搬送用走行体5の走行方向と平行な取付け板25の内側面に、各突条20が搬送用走行体5の走行方向と平行になる向きに取り付けられた前記支持用パネル19によって、構成されている。前記取付け板25は、その下端から内向きに折曲連設された水平板部25aにおいて、左右一対の前記架台23a,23bの下側にボルト止めされる。各ガイド手段10を構成する前記支持用パネル19は、支持手段6A,6Bと同様に、図11A及び図11Bに示すように、複数枚が連結金具24によって接続された状態で、当該連結金具24により取付け板25に取り付けられて構成されるが、そのガイド手段10の位置は、図8に示すように、左右一対の支持手段6A,6B上に搬送用走行体5の左右一対の水平帯状板14a,14bが直進向きで支持される適正位置に搬送用走行体5が位置するとき、支持用パネル19の垂直上下方向に並列する4つの突条20の内、上側2つの突条20の先端が、搬送用走行体5の左右一対の側枠材11a,11bの垂直な外側面で形成されたガイド面26に隣接し、3つの突条間凹溝部の内、中央位置の突条間凹溝部27内に、搬送用走行体5の左右両側に突出する突出片15a,15b(水平帯状板14a,14bの外側辺)が遊嵌する位置となっている。
【0020】
以上のように構成された本発明の搬送用走行体利用の搬送設備の使用方法について説明すると、図2に示すように、ターンテーブル上走行経路3A,3Bが送込み用走行経路2A,2Bと接続する向きに、ターンテーブル3を回転駆動手段3cによって回転させた状態で、送込み用走行経路2A,2B上からターンテーブル上走行経路3A,3B上へ2台の搬送用走行体5を送り込む。次にターンテーブル3を、図1に示すように、ターンテーブル上走行経路3A,3Bが主走行経路1A,1Bに接続する向きに回転駆動手段3cにより回転させ、当該ターンテーブル上走行経路3A,3B上に支持されている2台の搬送用走行体5を、主走行経路1A,1Bへの引込み開始の位置P1に位置させる。このとき、主走行経路1A,1Bが備える引込み用駆動手段7A,7Bのロッドレスシリンダーユニット16の後端部は、図4に示すように、ターンテーブル上走行経路3A,3Bを構成する左右一対の支持手段6A,6Bより下側にあって、回転するターンテーブル3とは干渉しない。勿論、当該引込み用駆動手段7A,7Bのアンチバックプッシャー17は、回転するターンテーブル上走行経路3A,3Bとは干渉しない位置、例えば、図1に示す行程終端位置で待機させている。
【0021】
次に、主走行経路1A,1Bが備える引込み用駆動手段7A,7Bのロッドレスシリンダーユニット16を後進方向に稼働させ、アンチバックプッシャー17をターンテーブル3の下側の行程始端まで後退移動させる。この後退移動中にアンチバックプッシャー17は、行程始端に達する直前に、位置P1で待機している搬送用走行体5の前側の連結部材12aの下側を後方に通過するとき、重錘部17bの付勢力に抗して水平支軸17aの周りに倒伏揺動し、前側の連結部材12aの下側を通過後に元の起立姿勢に復帰した後に、行程始端に達して停止する。この結果、引込み用駆動手段7A,7Bのアンチバックプッシャー17は、ターンテーブル上走行経路3A,3B上で主走行経路1A,1Bへの引込み開始の位置P1で待機している搬送用走行体5の前側の連結部材12aの直後に位置することになる。係る状態で、引込み用駆動手段7A,7Bのロッドレスシリンダーユニット16を前進方向に稼働させ、アンチバックプッシャー17をターンテーブル3の下側の行程始端から行程終端まで前進移動させることにより、ターンテーブル上走行経路3A,3B上の並列する2台の搬送用走行体5が、搬送用走行体5の前側の連結部材12aを引っ掛けて前進移動するアンチバックプッシャー17により、主走行経路1A,1B上へ引き出されると共に、図1に示す主走行経路1A,1B上の位置P2まで前進移動することになる。
【0022】
搬送用走行体5が主走行経路1A,1B上の位置P2まで引き込まれたならば、引込み用駆動手段7A,7Bのロッドレスシリンダーユニット16を後進方向に稼働させて、行程終端にあったアンチバックプッシャー17を、位置P2まで引き込まれて停止している搬送用走行体5の後ろ側の連結部材12bより若干後方位置まで後退移動させる。このあと、再び引込み用駆動手段7A,7Bのロッドレスシリンダーユニット16を前進方向に稼働させて、アンチバックプッシャー17により、位置P2で停止している搬送用走行体5の後ろ側の連結部材12bを引っ掛けて、当該搬送用走行体5を前進移動させる。この結果、引込み用駆動手段7A,7Bのアンチバックプッシャー17が行程終端に達したとき、搬送用走行体5は、位置P2から位置P3まで前進移動して停止する。
【0023】
一方、送込み用駆動手段8A,8Bのアンチバックプッシャー17の行程始端は、引込み用駆動手段7A,7Bのアンチバックプッシャー17の行程終端よりも若干後方に設定されている。従って、送込み用駆動手段8A,8Bのアンチバックプッシャー17を行程始端で待機させている状態であっても、引込み用駆動手段7A,7Bによって位置P3まで送り込まれる搬送用走行体5の前後の連結部材12a,12bが、送込み用駆動手段8A,8Bのアンチバックプッシャー17を倒伏させて前進方向に通過するだけであって、何ら支障はないが、場合によっては、搬送用走行体5が位置P3に到達して停止した後に、送込み用駆動手段8A,8Bのアンチバックプッシャー17を、その行程終端から行程始端まで、ロッドレスシリンダーユニット16によって後進移動させても良い。
【0024】
何れにしても、搬送用走行体5が主走行経路1A,1B上の位置P3まで引き込まれたならば、送込み用駆動手段8A,8Bのアンチバックプッシャー17が行程始端に位置する状態で、当該送込み用駆動手段8A,8Bのロッドレスシリンダーユニット16を前進方向に稼働させて、そのアンチバックプッシャー17を行程始端から行程終端まで前進移動させる。この結果、送込み用駆動手段8A,8Bのアンチバックプッシャー17が、位置P3で停止していた搬送用走行体5を、その後ろ側の連結部材12bを介して前進移動させ、当該搬送用走行体5を位置P3から位置P4まで送り込むことになる。尚、次の送出し用駆動手段9A,9Bのアンチバックプッシャー17の行程始端も、この位置P4で停止した搬送用走行体5の後ろ側の連結部材12bより若干後方、即ち、送込み用駆動手段8A,8Bのアンチバックプッシャー17の行程終端より若干後方、に設定されている。
【0025】
従って、送出し用搬送台車4が、その上の台車上走行経路4A,4Bが主走行経路1A,1Bに接続する定位置で停止している状態で且つ、送出し用駆動手段9A,9Bのアンチバックプッシャー17が行程始端に位置する状態で、当該送出し用駆動手段9A,9Bのロッドレスシリンダーユニット16を前進方向に稼働させて、そのアンチバックプッシャー17を行程始端から行程終端まで前進移動させる。この結果、送出し用駆動手段9A,9Bのアンチバックプッシャー17が、位置P4で停止していた搬送用走行体5を、その後ろ側の連結部材12bを介して前進移動させ、当該搬送用走行体5を主走行経路1A,1B上の位置P4から、送出し用搬送台車4上(台車上走行経路4A,4B上)の位置P5まで送り込むことになるので、この後、送出し用搬送台車4を摩擦駆動輪4cによって駆動し、台車上走行経路4A,4B上で支持している搬送用走行体5を目的場所まで送出し用搬送台車4により搬送することが出来る。
【0026】
以上のような流れで、送込み用走行経路2A,2B上の搬送用走行体5を、ターンテーブル3のターンテーブル上走行経路3A,3B、主走行経路1A,1B、及び台車上走行経路4A,4Bを経由させて、搬送用走行体5上に送り込むことが出来るのであるが、各走行経路1A〜4B上を走行する搬送用走行体5は、各走行経路1A〜4Bが備える左右一対の支持手段における支持用パネル19の水平に並列する複数の突条20の上を、搬送用走行体5の底部の左右一対の水平帯状板14a,14bが滑動する状態で走行する。そしてこの走行時の搬送用走行体5は、その左右両側の垂直なガイド面26に、各走行経路1A〜4Bの左右両側に配設されているガイド手段10における支持用パネル19の垂直上下方向に並列する複数の突条20の先端が隣接しているので、左右横方向に蛇行することはなく、円滑に直進走行することになる。更に、搬送用走行体5が左右横方向に揺れ動く状況になったとき、この搬送用走行体5の左右両側部の何れか一方が、支持手段6A/6Bから浮き上がろうとするが、この浮き上がろうとする側の水平帯状板14a/14bの外側辺である突出片15a/15bが、当該突出片15a/15bが遊嵌している、ガイド手段10における支持用パネル19の突条間凹溝部27の上側の突条20に当接して、その浮き上がりを抑制される。即ち、搬送用走行体5が左右横方向に転倒し易い、重心位置が高くて走行方向に細長いものであっても、そのような転倒の恐れを無くして、安定良く安全に走行させることが出来る。
【0027】
尚、本発明を実施する場合、図10Aに示すように、搬送用走行体5の左右両側の側枠材11a,11bの垂直な外側面に支持用パネル19を、その突条20が外向きで走行方向に沿う向きに取り付け、各走行経路1A〜4Bの左右両側に配設されている取付け板25の内側面を、支持用パネル19の突条20の先端が隣接するガイド面26とし、更に、支持用パネル19の突条間凹溝部27に遊嵌する、走行方向と平行な帯板状の突出片15a,15bを、前記取付け板25の内側面と突設することも可能である。この場合、図では、搬送用走行体5の左右両側の側枠材11a,11bの高さに合わせて、支持用パネル19の巾を狭く裁断して、上下2つの突条20を有する構造とし、突出片15a,15bが遊嵌する突条間凹溝部27を形成する上下2つの突条20の先端がガイド面26に隣接するように構成したが、支持手段6A,6Bに使用した支持用パネル19をそのまま使用出来るように、搬送用走行体5の左右両側の側枠材11a,11bの高さを高くするか又は、当該側枠材11a,11bの外側面に、支持用パネル19を取り付けるための別の取付け板を付設しても良い。
【0028】
又、支持手段6A,6Bの方も、この支持手段6A,6Bを取り付けるための左右一対の架台23a,23bの上面又はこの架台23a,23b上に敷設した帯状板28の上に突条20の先端が当接するように、搬送用走行体5の左右一対の側枠材11a,11bの下側に取り付けられた前記水平帯状板14a,14bの下側に、支持用パネル19を敷設することも出来る。この場合も、支持用パネル19を側枠材11a,11bの下側面に直接取り付け、突出片15a,15bを構成する別部材を側枠材11a,11bの外側に取り付けるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の搬送用走行体利用の搬送設備は、自動車組立て工場において、車体に取り付けられる前のドアを、垂直に立てた状態で且つ当該ドアが走行方向に沿う向きで、搬送する搬送設備として活用出来る。
【符号の説明】
【0030】
1A,1B 主走行経路
2A,2B 送込み用走行経路
3 ターンテーブル
3A,3B ターンテーブル上走行経路
4 送出し用搬送台車
4A,4B 台車上走行経路
5 搬送用走行体
6A,6B 支持手段
7A,7B 引込み用駆動手段
8A,8B 送込み用駆動手段
9A,9B 送出し用駆動手段
10 ガイド手段
11a,11b 搬送用走行体の側枠材
12a,12b 搬送用走行体の連結部材
13 被搬送物支持空間
14a,14b 水平帯状板
15a,15b 突出片
16 ロッドレスシリンダーユニット
17 アンチバックプッシャー
18 可動台
19 支持用パネル
20 支持用パネルの突条
21 支持用パネルの取付け用基板
22 支持用パネルの矩形状開口
23a,23b 架台
24 支持用パネルの連結金具
25 取付け板
26 ガイド面
27 支持用パネルの突条間凹溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11