特開2017-207152(P2017-207152A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-207152(P2017-207152A)
(43)【公開日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】ハブユニット
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/78 20060101AFI20171027BHJP
   F16C 19/18 20060101ALI20171027BHJP
   F16J 15/3232 20160101ALI20171027BHJP
   F16J 15/3236 20160101ALI20171027BHJP
   F16J 15/326 20160101ALI20171027BHJP
   F16C 41/00 20060101ALI20171027BHJP
【FI】
   F16C33/78 Z
   F16C19/18
   F16J15/3232 201
   F16J15/3236
   F16J15/326
   F16C41/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-100558(P2016-100558)
(22)【出願日】2016年5月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100171767
【弁理士】
【氏名又は名称】吉永 元貴
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(72)【発明者】
【氏名】三坂 晴之
【テーマコード(参考)】
3J006
3J016
3J043
3J217
3J701
【Fターム(参考)】
3J006AE23
3J006AE34
3J006CA01
3J016AA02
3J016AA03
3J016BB03
3J016BB17
3J016CA02
3J043CA02
3J043CB13
3J043DA06
3J217JA02
3J217JA13
3J217JA34
3J217JA49
3J217JB37
3J217JB55
3J217JB64
3J701AA03
3J701AA32
3J701AA43
3J701AA54
3J701AA62
3J701BA73
3J701FA60
3J701GA03
(57)【要約】
【課題】ハブユニットの内輪と外輪との間に配置される密封装置のスリンガが、内軸の軸方向端部の塑性変形に伴う内輪の塑性変形に起因して変形するのを抑制する。
【解決手段】密封装置は、内輪に固定されるスリンガを含む。スリンガは、第1筒部と、第2筒部と、第1環状板部と、第2環状板部とを含む。第1筒部は、内輪の外周面に接触する。第2筒部は、第1筒部の軸方向での他端に接続され、第1筒部よりも径方向で外側に位置する。第1環状板部は、第1筒部の軸方向での一端に接続され、径方向で内側に広がり、且つ、環状端面に接触する。第2環状板部は、第2筒部の軸方向での一端に接続され、径方向で外側に広がる。第2環状板部は、軸方向で環状端面よりも軌道面の近くに位置する。内軸は、かしめ部を含む。かしめ部は、内軸の軸方向での一端部に形成され、径方向で外側に塑性変形されている。第1環状板部は、軸方向で、内輪とかしめ部に挟まれている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外輪と、
前記外輪に対して回転可能に配置された内軸と、
前記内軸が挿入され、前記内軸と一体的に回転する内輪と、
前記内輪と前記外輪との間に配置された複数の転動体と、
前記内輪と前記外輪との間に配置された密封装置とを備え、
前記内輪は、
前記複数の転動体が接する軌道面と、
前記軌道面に接続され、前記内輪の軸方向に延びる外周面と、
前記外周面に接続され、前記軸方向に垂直な径方向で内側に広がる環状端面とを含み、
前記密封装置は、
前記内輪に固定されるスリンガを含み、
前記スリンガは、
前記外周面に接触し、前記軸方向に延びる筒部を含み、
前記筒部は、
前記外周面に接触する第1筒部と、
前記第1筒部の前記軸方向での他端に接続され、前記第1筒部よりも前記径方向で外側に位置し、前記軸方向での長さが前記第1筒部よりも短い第2筒部とを含み、
前記スリンガは、さらに、
前記第1筒部の前記軸方向での一端に接続され、前記径方向で内側に広がり、且つ、前記環状端面に接触する第1環状板部と、
前記第2筒部の前記軸方向での一端に接続され、前記径方向で外側に広がり、且つ、前記軸方向で前記環状端面よりも前記軌道面の近くに位置している第2環状板部とを含み、
前記内軸は、
前記軸方向での一端部に形成され、前記径方向で外側に塑性変形されたかしめ部を含み、
前記第1環状板部は、前記軸方向で、前記内輪と前記かしめ部に挟まれている、ハブユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のハブユニットであって、さらに、
前記第2環状板部のうち、前記軸方向で前記環状端面側に位置する表面に取り付けられた着磁ゴムを備える、ハブユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のハブユニットであって、
前記着磁ゴムは、前記軸方向で、前記環状端面よりも前記軌道面の近くに位置している、ハブユニット。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載のハブユニットであって、
前記第1環状板部は、前記かしめ部により、前記内輪に押さえ付けられている、ハブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハブユニットに関し、詳しくは、内輪と外輪との間に配置される密封装置を備えるハブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転可能に取り付けるために、ハブユニットが用いられている。ハブユニットは、例えば、外輪と、内軸と、内輪と、複数の第1の転動体と、複数の第2の転動体とを含む。内軸は、外輪に対して回転可能に配置されている。内軸は、例えば、等速ジョイントに固定される。内軸は、内輪に圧入されている。内軸と外輪との間には、複数の第1の転動体が配置されている。内輪と外輪との間には、複数の第2の転動体が配置されている。
【0003】
ハブユニットは、密封装置をさらに備える。密封装置は、内輪と外輪との間からハブユニット内に水等が入るのを抑制する。密封装置は、芯金と、シールゴムと、スリンガとを含む。芯金は、外輪に圧入される。シールゴムは、芯金に接着される。スリンガは、内輪に圧入される。シールゴムは、複数のリップを有する。複数のリップの各々は、スリンガに接する。
【0004】
上記のように、スリンガは内輪に圧入される。そのため、スリンガと内輪との間から水等がハブユニット内に入るおそれがある。そこで、スリンガと内輪との間から水等が入るのを抑制するための構造が提案されている。
【0005】
例えば、特開2004−316790号公報では、スリンガとしてのシール板が、重合して形成された嵌合部と、嵌合部の端部から径方向外方に延びる立板部と、内輪の端面に当接する固定部とを含む。嵌合部は、内輪に圧入される。ハブ輪(内軸)の軸方向端部が径方向外方に塑性変形されることにより、かしめ部が形成される。かしめ部を内輪の端面に当接させることにより、かしめ部が内輪と一体的に固定される。かしめ部には、シール板の固定部を収容する凹所が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−316790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記公報では、シール板の固定部を収容する凹所がかしめ部に形成されている。そのため、ハブ輪の軸方向端部を塑性変形させてかしめ部を形成したときに、シール板の固定部がかしめ部で内輪に押さえ付けられることがない。その結果、ハブ輪の軸方向端部の塑性変形に伴うシール板の変形が抑制されている。しかしながら、かしめ部を形成するときのハブ輪の軸方向端部の塑性変形量を考慮して、凹所を予め形成するのは、難しい。加えて、ハブ輪の軸方向端部が塑性変形するときには、ハブ輪が圧入されている内輪も塑性変形する。かしめ部に凹所を形成するだけでは、内輪の塑性変形に起因するシール板の変形を抑制するのに十分でない。
【0008】
本発明の目的は、ハブユニットの内輪と外輪との間に配置される密封装置のスリンガが、内軸の軸方向端部の塑性変形に伴う内輪の塑性変形に起因して変形するのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施の形態によるハブユニットは、外輪と、内軸と、内輪と、複数の転動体と、密封装置とを備える。内軸は、外輪に対して回転可能に配置されている。内輪は、内軸が挿入され、内軸と一体的に回転する。複数の転動体は、外輪と内輪との間に配置されている。密封装置は、内輪と外輪との間に配置されている。内輪は、軌道面と、外周面と、環状端面とを含む。軌道面には、複数の転動体が接する。外周面は、軌道面に接続され、内輪の軸方向に延びている。つまり、外周面は、軌道面から内輪の軸方向に延びている。環状端面は、外周面に接続され、上記軸方向に垂直な径方向に広がっている。つまり、環状端面は、外周面から上記径方向で内側に広がっている。密封装置は、内輪に固定されるスリンガを含む。スリンガは、筒部を含む。筒部は、外周面に接触し、上記軸方向に延びている。筒部は、第1筒部と、第2筒部とを含む。第1筒部は、外周面に接触している。第2筒部は、第1筒部の上記軸方向での他端に接続され、第1筒部よりも上記径方向で外側に位置し、上記軸方向での長さが第1筒部よりも短い。スリンガは、第1環状板部と、第2環状板部とを、さらに含む。第1環状板部は、第1筒部の上記軸方向での一端に接続され、上記径方向で内側に広がり、且つ、環状端面に接触している。第2環状板部は、第2筒部の上記軸方向での一端に接続され、上記径方向で外側に広がっている。第2環状板部は、上記軸方向で環状端面よりも軌道面の近くに位置している。内軸は、かしめ部を含む。かしめ部は、内軸の上記軸方向での一端部に形成され、上記径方向で外側に塑性変形されている。第1環状板部は、上記軸方向で、内輪とかしめ部に挟まれている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施の形態によるハブユニットにおいては、かしめ部を形成するときの内輪の塑性変形に起因するスリンガの変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態によるハブユニットの断面図である。
図2図1の一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態によるハブユニットは、外輪と、内軸と、内輪と、複数の転動体と、密封装置とを備える。内軸は、外輪に対して回転可能に配置されている。内輪は、内軸が挿入され、内軸と一体的に回転する。複数の転動体は、外輪と内輪との間に配置されている。密封装置は、内輪と外輪との間に配置されている。内輪は、軌道面と、外周面と、環状端面とを含む。軌道面には、複数の転動体が接する。外周面は、軌道面に接続され、内輪の軸方向に延びている。つまり、外周面は、軌道面から内輪の軸方向に延びている。環状端面は、外周面に接続され、上記軸方向に垂直な径方向に広がっている。つまり、環状端面は、外周面から上記径方向で内側に広がっている。密封装置は、内輪に固定されるスリンガを含む。スリンガは、筒部を含む。筒部は、外周面に接触し、上記軸方向に延びている。筒部は、第1筒部と、第2筒部とを含む。第1筒部は、外周面に接触している。第2筒部は、第1筒部の上記軸方向での他端に接続され、第1筒部よりも上記径方向で外側に位置し、上記軸方向での長さが第1筒部よりも短い。スリンガは、第1環状板部と、第2環状板部とを、さらに含む。第1環状板部は、第1筒部の上記軸方向での一端に接続され、上記径方向で内側に広がり、且つ、環状端面に接触している。第2環状板部は、第2筒部の上記軸方向での一端に接続され、上記径方向で外側に広がっている。第2環状板部は、上記軸方向で環状端面よりも軌道面の近くに位置している。内軸は、かしめ部を含む。かしめ部は、内軸の上記軸方向での一端部に形成され、上記径方向で外側に塑性変形されている。第1環状板部は、上記軸方向で、内輪とかしめ部に挟まれている。
【0013】
上記ハブユニットにおいては、内軸に形成されたかしめ部により、内輪が内軸に固定されている。かしめ部は、内軸の軸方向一端部を径方向外方に塑性変形させることで形成されている。内軸の軸方向一端部を径方向外方に塑性変形させることにより、内軸に挿入された内輪も塑性変形する。具体的には、内輪は、かしめ部により、径方向で外側に押し広げられるように変形する。
【0014】
上記ハブユニットでは、第1環状板部が軸方向で内輪とかしめ部に挟まれている。第1環状板部は、内輪の環状端面に接している。内輪の径方向外方への塑性変形量は、環状端面が形成された位置で最も大きくなる。
【0015】
上記ハブユニットでは、第2環状板部が軸方向で内輪の環状端面よりも軌道面の近くに位置している。そのため、第2環状板部は、内輪の径方向外方への塑性変形の影響を受け難くなる。その結果、内輪の塑性変形に起因して、第2環状板部が軸方向で内側に倒れるように変形するのを抑制することができる。
【0016】
上記ハブユニットでは、第1環状板部が軸方向で内輪とかしめ部に挟まれている。第1環状板部は、内輪の外周面に接する第1筒部の軸方向一端から径方向で内側に広がっている。そのため、内輪と第1筒部との間から水等がハブユニット内に入るのを抑制することができる。
【0017】
上記ハブユニットは、好ましくは、着磁ゴムをさらに備える。着磁ゴムは、第2環状板部のうち、軸方向で環状端面側に位置する表面に取り付けられている。この場合、磁界の変化を電気信号に変換するデバイス(例えば、ホール素子)を用いることにより、内輪(つまり、内軸)の回転を検出することができる。
【0018】
上記態様において、好ましくは、着磁ゴムは、軸方向で、内輪の環状端面よりも軌道面の近くに位置している。この場合、上記デバイスの配置スペースを確保し易くなる。
【0019】
上記ハブユニットにおいて、第1環状板部は、好ましくは、かしめ部により、内輪に押え付けられる。第1環状板部を収容するための凹所をかしめ部に予め加工して形成しなくてもよいので、ハブユニットの製造が容易になる。
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図中同一又は相当部分には、同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態によるハブユニット10を示す。なお、以下の説明において、軸方向は、ハブユニット10の中心軸線CLが延びる方向である。径方向は、中心軸線CLに垂直な方向、つまり、軸方向に垂直な方向である。周方向は、中心軸線CL周りの方向である。ハブユニット10が車両に配置された状態では、ハブユニット10の軸方向一端側(図1中の右端側)が車両の内側に相当し、ハブユニット10の軸方向他端側(図1中の左端側)が車両の外側に相当する。
【0022】
図1を参照して、ハブユニット10は、外輪12と、内軸14と、内輪16と、複数の転動体18と、複数の転動体20と、保持器22と、保持器24と、密封装置26と、密封装置28とを含む。以下、これらについて説明する。
【0023】
外輪12は、筒形状を有する。外輪12の内周面には、2つの軌道面121、122が形成されている。これらの軌道面121、122は、それぞれ、中心軸線CLを中心軸として、環状に形成されている。外輪12は、例えば、懸架装置に固定される。
【0024】
内軸14は、外輪12の内側に配置され、外輪12と同軸上に位置している。内軸14は、外輪12に対して周方向に回転可能に配置されている。
【0025】
内軸14は、軌道面141を有する。軌道面141は、内軸14の外周面に形成されている。軌道面141は、中心軸線CLを中心軸として、環状に形成されている。
【0026】
内軸14は、さらに、フランジ142を有する。フランジ142は、周方向に連続して形成されている。
【0027】
フランジ142は、複数の孔14Aを含む。複数の孔14Aは、例えば、周方向に等間隔に形成されている。複数の孔14Aの各々に挿入されるボルト30により、内軸14に車輪(具体的には、ホイール)やブレーキディスク等が取り付けられる。
【0028】
内輪16は、内軸14に固定される。具体的には、内軸14が内輪16に圧入された状態で、内軸14の軸方向一端部が径方向外方に塑性変形される。内軸14の軸方向一端部を塑性変形することにより、かしめ部143が形成される。かしめ部143により、内輪16が内軸14に固定されている。
【0029】
内輪16は、軌道面161を含む。軌道面161は、内輪16の外周面に形成されている。軌道面161は、中心軸線CLを中心軸として、環状に形成されている。
【0030】
内輪16は、外周面162を含む。外周面162は、軌道面161よりも軸方向の一端側に形成されている。外周面162は、略一定の直径で軸方向にストレートに延びている。外周面162は、中心軸線CLを中心軸として、筒状に形成されている。外周面162は、軌道面161に接続されている。つまり、外周面162は、軌道面161から軸方向の一端側に向かって延びている。
【0031】
内輪16は、端面163を含む。端面163は、内輪16の軸方向の一端に形成されている。端面163は、中心軸線CLを中心軸とする円環形状を有する。端面163の外周縁は、外周面162の軸方向一端に接続されている。つまり、端面163は、外周面162の軸方向の一端から径方向で内側に広がっている。
【0032】
複数の転動体18は、外輪12と内軸14との間に配置されている。複数の転動体18は、保持器22により、周方向に等間隔に配置される。複数の転動体18の各々は、軌道面121と軌道面141とに接触する。
【0033】
複数の転動体20は、外輪12と内輪16との間に配置されている。複数の転動体20は、保持器24により、周方向に等間隔に配置される。複数の転動体20の各々は、軌道面122と軌道面161とに接触する。
【0034】
密封装置26は、内軸14と外輪12との間に配置されている。これにより、内軸14と外輪12との間から水等がハブユニット10内に入るのを抑制している。
【0035】
密封装置28は、内輪16と外輪12との間に配置されている。これにより、内輪16と外輪12との間から水等がハブユニット10内に入るのを抑制している。
【0036】
図2を参照しながら、密封装置28の詳細について説明する。密封装置28は、芯金28Aと、スリンガ28Bと、シールゴム28Cとを含む。
【0037】
芯金28Aは、中心軸線CLを中心軸として、周方向に連続して延びる環状の部材である。芯金28Aは、筒部28A1と、環状板部28A2とを含む。筒部28A1は、中心軸線CLを中心軸として、軸方向に延びる円筒形状を有する。筒部28A1の外周面は、外輪12の内周面に接している。環状板部28A2は、径方向に広がる。環状板部28A2は、周方向で全周に亘って略同じ幅で形成されている。つまり、環状板部28A2は、軸方向から見て、中心軸線CLを中心軸とする円環形状を有する。環状板部28A2は、筒部28A1における軸方向の端に接続されている。環状板部28A2は、筒部28A1における軸方向の端から径方向で内側に延びている。
【0038】
芯金28A(具体的には、筒部28A1)は、外輪12に圧入されている。これにより、芯金28Aが外輪12に固定されている。
【0039】
シールゴム28Cは、周方向の全周に亘って形成されている。シールゴム28Cは、筒部28A1の外周面を除いて、芯金28Aの表面の略全体を覆う。シールゴム28Cは、芯金28Aに加硫接着されている。つまり、シールゴム28Cは、芯金28Aと一体的に形成されている。
【0040】
シールゴム28Cは、複数のリップ28C1、28C2、28C3を含む。複数のリップ28C1、28C2、28C3の各々は、周方向で全周に亘って形成されている。複数のリップ28C1、28C2、28C3のうち、リップ28C1が径方向で筒部28A1の最も近くに位置する。リップ28C2は、リップ28C3よりも、軸方向の一端側に位置している。
【0041】
スリンガ28Bは、中心軸線CLを中心軸として、周方向に連続して延びる環状の部材である。スリンガ28Bは、筒部28B1と、環状板部28B2と、環状板部28B3とを含む。
【0042】
筒部28B1は、軸方向に延びる。筒部28B1は、径方向で、芯金28Aよりも内側に位置している。筒部28B1は、全体として、二重の筒形状を有する。筒部28B1は、筒部28B4と、筒部28B5とを含む。
【0043】
筒部28B4は、中心軸線CLを中心軸とする円筒形状を有する。つまり、筒部28B4は、略一定の直径で軸方向にストレートに延びている。筒部28B4は、内輪16の外周面162に接している。
【0044】
筒部28B5は、中心軸線CLを中心軸とする円筒形状を有する。つまり、筒部28B5は、略一定の直径で軸方向にストレートに延びている。筒部28B5は、筒部28B4の外周面に接している。つまり、筒部28B5は、筒部28B4よりも径方向で外側に位置している。
【0045】
筒部28B5の軸方向の一端は、軸方向で、筒部28B4の軸方向の一端よりも、内輪16の軌道面161の近くに位置している。つまり、筒部28B5の軸方向の一端は、軸方向で、筒部28B4の軸方向の一端よりも、内輪16の端面163から離れている。筒部28B5の軸方向の他端は、筒部28B4の軸方向の他端と接続されている。つまり、筒部28B5の軸方向での長さは、筒部28B4の軸方向での長さよりも短い。
【0046】
筒部28B5の外周面には、リップ28C2と、リップ28C3とが接している。リップ28C2及びリップ28C3の各々は、弾性変形した状態で、筒部28B5の外周面に接している。これにより、リップ28C2及びリップ28C3の各々が筒部28B5の外周面に接している状態が安定する。
【0047】
スリンガ28Bの筒部28B1(具体的には、筒部28B4)には、内輪16が圧入されている。これにより、スリンガ28Bが内輪16に固定されている。
【0048】
環状板部28B2は、径方向に広がっている。環状板部28B2は、周方向で全周に亘って略同じ幅で形成されている。つまり、環状板部28B2は、軸方向から見て、中心軸線CLを中心軸とする円環形状を有する。環状板部28B2は、筒部28B4の軸方向の一端に接続されている。環状板部28B2は、筒部28B4の軸方向の一端から径方向で内側に延びている。
【0049】
環状板部28B2は、内輪16の端面163に接している。環状板部28B2の内周縁部には、かしめ部143が押し当てられている。環状板部28B2の内周縁部は、かしめ部143により、内輪16の端面163に押さえ付けられている。
【0050】
かしめ部143には、環状板部28B2を収容するための凹所が、予め加工することで形成されていない。そのため、環状板部28B2の内周縁部には、かしめ部143からの力が直接作用する。ここで、環状板部28B2は、端面163に接している。そのため、かしめ部143からの力が環状板部28B2に作用することにより、環状板部28B2が端面163に押え付けられる。
【0051】
環状板部28B3は、径方向に広がっている。環状板部28B3は、周方向で全周に亘って略同じ幅で形成されている。つまり、環状板部28B3は、軸方向から見て、中心軸線CLを中心軸とする円環形状を有する。環状板部28B3は、筒部28B5の軸方向の一端に接続されている。環状板部28B3は、筒部28B5の軸方向の一端から径方向で外側に延びている。
【0052】
環状板部28B3は、軸方向で、内輪16の端面163よりも軌道面161の近くに位置している。つまり、環状板部28B3は、軸方向で内輪16の端面163から離れている。要するに、環状板部28B3は、環状板部28B2よりも軸方向で他端側に位置している。
【0053】
環状板部28B3は、芯金28Aの筒部28A1よりも径方向で内側に位置している。環状板部28B3は、芯金28Aの環状板部28A2よりも軸方向で一端側に位置している。
【0054】
環状板部28B3の軸方向一端側の表面(つまり、軸方向で端面163に近いほうの表面)には、着磁ゴム32が取り付けられている。着磁ゴム32には、N極とS極とが周方向で交互に着磁されている。着磁ゴム32は、内輪16の端面163よりも軸方向で他端側に位置している。つまり、着磁ゴム32は、環状板部28B2よりも軸方向で他端側に位置している。
【0055】
環状板部28B3の軸方向他端側の表面(つまり、軸方向で端面163から離れているほうの表面)には、リップ28C1が接している。リップ28C1は、弾性変形した状態で、環状板部28B3に接している。これにより、リップ28C1の環状板部28B3への接触状態が安定する。
【0056】
ハブユニット10においては、かしめ部143により、内輪16が内軸14に固定されている。かしめ部143は、内軸14の軸方向での一端部を径方向で外側に塑性変形することによって形成される。かしめ部143を形成するとき、内輪16の軸方向の一端部がかしめ部143の基部によって径方向で外側に押し広げられる。つまり、内輪16のうち、かしめ部143と接している部分が、径方向で外側に広がる。このときの変形量は、内輪16の軸方向の一端が最も大きくなる。
【0057】
ハブユニット10では、環状板部28B3が内輪16の端面163よりも軸方向で他端側に位置している。つまり、環状板部28B3が内輪16の軸方向一端から離れた位置にある。要するに、環状板部28B3は、内輪16の変形量が最大となる位置から離れている。そのため、内輪16の軸方向一端部が径方向で外側に変形することに起因して、環状板部28B3が軸方向他端側へ倒れ難くなる。
【0058】
ハブユニット10においては、環状板部28B2が軸方向で内輪16とかしめ部143に挟まれている。環状板部28B2は、内輪16の外周面162に接する筒部28B4の軸方向の一端から径方向で外側に延びている。内輪16と筒部28B4との間から水等がハブユニット10内に入るのを抑制できる。
【0059】
ハブユニット10においては、かしめ部143に対して、環状板部28B2を収容するための凹所が、予め加工することで形成されていない。そのため、ハブユニット10の製造が容易になる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の実施の形態によって、何等、限定されない。
【符号の説明】
【0061】
10 ハブユニット
12 外輪
14 内軸
143 かしめ部
16 内輪
161 軌道面
162 外周面
163 端面(環状端面)
20 転動体
28 密封装置
28B スリンガ
28B1 筒部
28B4 筒部(第1筒部)
28B5 筒部(第2筒部)
28B2 環状板部(第1環状板部)
28B3 環状板部(第2環状板部)
32 着磁ゴム
図1
図2