特開2017-207259(P2017-207259A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017207259-給湯装置 図000003
  • 特開2017207259-給湯装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-207259(P2017-207259A)
(43)【公開日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20060101AFI20171027BHJP
【FI】
   F24H9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2016-101390(P2016-101390)
(22)【出願日】2016年5月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】村山 成樹
(72)【発明者】
【氏名】内山 高志
(72)【発明者】
【氏名】田村 竹年
【テーマコード(参考)】
3L036
【Fターム(参考)】
3L036AA06
(57)【要約】
【課題】ドラムの過熱を防止すると共に、熱交換効率の向上を図った給湯装置を提供する。
【解決手段】板材を折り曲げて角筒状のドラム1を形成し、該ドラム1上部内方には外周に複数枚のフィン5を固着したフィンパイプ4を貫通設置すると共に、ドラム1下部には前記フィンバイブ4に連通する周パイプ6を巻回しろう付け固着したもので、前記フィンバイブ4下部とドラム1内壁との間には断熱材7を設け、更にこの断熱材7下端のドラム1内壁には、該ドラム1内壁に沿って上昇する下方の燃焼バーナ2からの熱気をドラム1中央に案内する案内手段8を備えたものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材を折り曲げて角筒状のドラムを形成し、該ドラム上部内方には外周に複数枚のフィンを固着したフィンパイプを貫通設置すると共に、ドラム下部には前記フィンバイブに連通する周パイプを巻回しろう付け固着したものに於いて、前記フィンバイブ下部とドラム内壁との間には断熱材を設け、更にこの断熱材下端のドラム内壁には、該ドラム内壁に沿って上昇する下方の燃焼バーナからの熱気をドラム中央に案内する案内手段を備えた事を特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記案内手段は、ドラム前後壁の内壁に形成された2つの案内突起から構成される事を特徴とする請求項1記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はドラムの耐熱性向上と熱効率の向上の両方を達成した給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、角筒状のドラムの上部内方にはフィンパイプを貫通設置すると共に、ドラム下部には前記フィンパイプに連通する周パイプを巻回しろう付け固着して、ドラムの下方には燃焼バーナを備え、この燃焼バーナの燃焼による熱気で、パイプ内を流通する給水を加熱して、適宜給湯として供給するものであった。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−292161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、ドラム内の下方に位置する燃焼バーナの燃焼が、どうしても外側に広がろうとする火炎となるため、熱気はドラム内壁に沿って上昇するので、ドラムが加熱されて温度が上昇するが、ドラム下部は元々周パイプが巻回されて冷却されており問題はないが、ドラム上部のフィンパイプ部分の下端に熱気が集中し、特に熱気が集中する下部のフィンからの熱伝導でドラムが加熱されて焼損すると言う耐熱性の問題があり、又熱気がドラム内壁に沿って上昇する関係から、フィンパイプ部分でも熱気は中央部に寄らず熱交換効率が悪いと言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を、板材を折り曲げて角筒状のドラムを形成し、該ドラム上部内方には外周に複数枚のフィンを固着したフィンパイプを貫通設置すると共に、ドラム下部には前記フィンバイブに連通する周パイプを巻回しろう付け固着したものに於いて、前記フィンバイブ下部とドラム内壁との間には断熱材を設け、更にこの断熱材下端のドラム内壁には、該ドラム内壁に沿って上昇する下方の燃焼バーナからの熱気をドラム中央に案内する案内手段を備えたものである。
【0006】
又請求項2では、案内手段を、ドラム前後壁の内壁に形成された2つの案内突起から構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、断熱材によってフィンパイプ下部のフィンからの熱伝導でドラムが加熱されるのを阻止するので、ドラムが加熱されて焼損する心配がなく、耐熱性も向上し安心して使用出来るものであり、更に断熱材下端につながるドラム内壁には、該ドラム内壁に沿って上昇する下方の燃焼バーナからの熱気をドラム中央に案内する案内手段を備えたことで、断熱材に直接熱気が当たることによる焼損を防止すると共に、熱気がファンパイプ全体に広がり効率の良い熱交換が行われるものである。
【0008】
又請求項2のように、案内手段をドラム前後壁の内壁に形成された2つの案内突起から構成したことで、案内突起はドラムと一体成形されているので、安価で済むと共に強固であり、長期に渡って良好な作用を維持出来ると言う効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の一実施形態を付した給湯装置の熱交換器の正面図。
図2図1のA−A線概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次にこの発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は板金材を折り曲げて角筒状に形成したドラムで、給湯装置の熱交換器を構成するものであり、内部下方には燃焼バーナ2が上向きに備えられ、内方は下方から上方に熱気が通過する燃焼室3を形成するものである。
【0011】
4は絞り加工によって細くされたドラム1上部内方に備えられたフィンパイプで、外周には複数枚のフィン5が固着されドラム1を貫通して設置され、燃焼バーナ2の燃焼で発生する熱気との熱交換を積極的に行うものである。
【0012】
6はドラム1下部外周に巻回された周パイプで、上端を前記フィンパイプ4と連通すると共に下端を市水に連通して、内方に給水を流通させてドラム1外周を冷却しながら加熱されるもので、冷却効果を高めるためにドラム1とはろう付けで固着されている。
【0013】
7は前記フィンパイプ4下部のフィン5とドラム1の前後壁との間に設けられた帯状の断熱材で、熱気が集中するフィン5下部からの熱伝導で、ドラム1の前後壁上部の加熱による焼損を防止するものである。
【0014】
8は前記断熱材7下端のドラム1前後壁に備えられた案内手段で、ドラム1前後壁に内方に突出するように一体成形で成形された2つの案内突起9から構成され、該ドラム1内壁に沿って上昇する下方の燃焼バーナ2からの熱気をドラム1中央に案内すると共に、断熱材7下端が直接熱気にさらされることによる焼損も防止するものであり、断熱材7と案内手段8との相乗効果によりドラム1の過熱防止と熱交換器効率の向上を図ることが出来るものである。
【0015】
10はドラム1上端の上フランジ、11はドラム1下端の下フランジである。
【0016】
次にこの一実施形態の作用について説明すれば、今給湯栓(図示せず)を開栓してフィンパイプ4及び周パイプ6内に給水の流れが発生することで、燃焼バーナ2が燃焼を開始するものである。
【0017】
そしてこの燃焼バーナ2の燃焼で発生した熱気は、ドラム1内壁に沿って上昇してドラム1下部を加熱するが、このドラム1下部には周パイプ6が巻回されているので、該周パイプ6内を流れる給水により冷却されると共に、給水は加熱されて温水となってフィンパイプ4内に流入する。
【0018】
次にドラム1下部からの熱気は、ドラム1上部のフィンパイプ4部分に流れ込むが、特に熱気が最初に流れ込み集中するフィンパイプ4下部のフィン5とドラム1内壁との間には、断熱材7が備えられて熱伝導が遮断されることで、ドラム1内壁が過熱されて焼損する心配がなく、逆にこの遮断された熱はフィンパイプ4内を流通する温水に付加されることとなり、熱交換効率も向上するものであ。
【0019】
更にドラム1下部の内壁に沿って上昇して来る熱気は、断熱材7下端の案内手段8によってドラム1中央に案内されると共に、断熱材7下端が直接熱気にさらされることによる焼損も防止するものであり、断熱材7と案内手段8との相乗効果によりドラム1の過熱防止と、熱気が中央に拡散されることにより熱交換器効率の向上を図ることが出来るものである。
【0020】
又前記案内手段8をドラム1前後壁の内壁に形成された2つの案内突起9から構成したことで、案内突起9はドラム1と一体成形されているので、安価で済むと共に強固であり、長期に渡って良好な作用を維持出来るものである。
【符号の説明】
【0021】
1 ドラム
4 フィンパイプ
5 フィン
6 周パイプ
7 断熱材
8 案内手段
図1
図2