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特開2017-207931信号処理回路、マイクロコントローラ、ホスト、デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-207931(P2017-207931A)
(43)【公開日】2017年11月24日
(54)【発明の名称】信号処理回路、マイクロコントローラ、ホスト、デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/22 20060101AFI20171027BHJP
   G06F 12/06 20060101ALI20171027BHJP
   G06F 11/07 20060101ALI20171027BHJP
【FI】
   G06F11/22 606Z
   G06F12/06 520F
   G06F11/07 140N
   G06F11/07 163
   G06F11/22 605M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-99933(P2016-99933)
(22)【出願日】2016年5月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】宮田 学
(72)【発明者】
【氏名】小沢 一将
【テーマコード(参考)】
5B042
5B048
5B060
【Fターム(参考)】
5B042GA33
5B042JJ29
5B042JJ36
5B042KK02
5B042LA21
5B048AA04
5B048AA11
5B048CC13
5B060MM02
(57)【要約】
【課題】誤動作を抑制する。
【解決手段】信号処理回路100は、マイクロコントローラ200と不揮発性メモリ102を備える。不揮発性メモリ102は、マイクロコントローラ200のプロセッサ202が実行するプログラムを格納する。ローダ206は、不揮発性メモリ102からプログラムを読み出し、揮発性メモリ204に書き込む。ローダ206は、揮発性メモリ204に書き込まれたプログラムを不揮発性メモリ102に格納されるプログラムと比較し、異常を検出する比較器220を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
揮発性メモリと、
前記プロセッサが実行するプログラムを格納する不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリから前記プログラムを読み出し、前記揮発性メモリに書き込むローダと、
を備え、
前記ローダは、前記揮発性メモリに書き込まれた前記プログラムを前記不揮発性メモリに格納される前記プログラムと比較し、異常を検出する比較器を含むことを特徴とする信号処理回路。
【請求項2】
前記比較器は、異常を検出すると前記プロセッサをリセットすることを特徴とする請求項1に記載の信号処理回路。
【請求項3】
前記不揮発性メモリに格納されるプログラムは、エラー検出コードを含んでおり、
前記ローダは、前記不揮発性メモリから読み出した前記プログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出するエラー検出器をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の信号処理回路。
【請求項4】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると、前記ローダに前記プログラムの再ロードを促すことを特徴とする請求項3に記載の信号処理回路。
【請求項5】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると前記プロセッサをリセットすることを特徴とする請求項3または4に記載の信号処理回路。
【請求項6】
プロセッサと、
揮発性メモリと、
前記プロセッサが実行するプログラムを格納する不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリから前記プログラムを読み出し、前記揮発性メモリに書き込むローダと、
を備え、
前記不揮発性メモリに格納されるプログラムは、エラー検出コードを含んでおり、
前記ローダは、前記不揮発性メモリから読み出した前記プログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出するエラー検出器を含むことを特徴とする信号処理回路。
【請求項7】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると、前記ローダに前記プログラムの再ロードを促すことを特徴とする請求項6に記載の信号処理回路。
【請求項8】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると、前記プロセッサをリセットすることを特徴とする請求項6または7に記載の信号処理回路。
【請求項9】
前記プロセッサ、前記揮発性メモリおよび前記ローダは、第1半導体チップに集積化され、
前記第1半導体チップと前記不揮発性メモリが集積化される第2半導体チップは、ひとつのモジュールに内蔵されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の信号処理回路。
【請求項10】
デバイスにバス電圧を供給するホストであって、
ケーブルが着脱可能に接続されるレセプタクルと、
前記バス電圧を生成する電源回路と、
前記電源回路の出力と前記レセプタクルの間に設けられるスイッチと、
前記デバイスと通信し、前記バス電圧の電圧レベルをネゴシエートするとともに、前記スイッチを制御する請求項1から9のいずれかに記載の信号処理回路と、
を備えることを特徴とするホスト。
【請求項11】
ホストからバス電圧を受けるデバイスであって、
ケーブルが着脱可能に接続されるレセプタクルと、
前記バス電圧を受ける負荷回路と、
前記負荷回路の入力と前記レセプタクルの間に設けられるスイッチと、
前記ホストと通信し、前記バス電圧の電圧レベルをネゴシエートするとともに、前記スイッチを制御する請求項1から9のいずれかに記載の信号処理回路と、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項12】
不揮発性メモリと接続され、前記不揮発性メモリに格納されるプログラムを実行するマイクロコントローラであって、
プロセッサと、
揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリから前記プログラムを読み出し、前記揮発性メモリに書き込むローダと、
を備え、
前記ローダは、前記揮発性メモリに書き込まれた前記プログラムを前記不揮発性メモリに格納される前記プログラムと比較し、異常を検出する比較器を含むことを特徴とするマイクロコントローラ。
【請求項13】
前記比較器は、異常を検出すると前記プロセッサをリセットすることを特徴とする請求項12に記載のマイクロコントローラ。
【請求項14】
前記不揮発性メモリに格納される前記プログラムは、エラー検出コードを含んでおり、
前記ローダは、前記不揮発性メモリから読み出した前記プログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出するエラー検出器をさらに含むことを特徴とする請求項12または13に記載のマイクロコントローラ。
【請求項15】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると、前記ローダに前記プログラムの再ロードを促すことを特徴とする請求項14に記載のマイクロコントローラ。
【請求項16】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると前記プロセッサをリセットすることを特徴とする請求項14または15に記載のマイクロコントローラ。
【請求項17】
不揮発性メモリと接続され、前記不揮発性メモリに格納されるプログラムを実行するマイクロコントローラであって、
プロセッサと、
揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリから前記プログラムを読み出し、前記揮発性メモリに書き込むローダと、
を備え、
前記揮発性メモリに格納されるプログラムは、エラー検出コードを含んでおり、
前記ローダは、前記不揮発性メモリから読み出した前記プログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出するエラー検出器をさらに含むことを特徴とするマイクロコントローラ。
【請求項18】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると、前記ローダに前記プログラムの再ロードを促すことを特徴とする請求項17に記載のマイクロコントローラ。
【請求項19】
前記エラー検出器は、前記通信エラーを検出すると前記プロセッサをリセットすることを特徴とする請求項17または18に記載のマイクロコントローラ。
【請求項20】
ひとつの半導体チップに集積化されることを特徴とする請求項12から19のいずれかに記載のマイクロコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリおよびプロセッサを備えるマイクロコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな電子機器に、CPU(Central Processing Unit)2を備える演算処理システムが用いられる。CPU2が実行するプログラムおよび各種データは、ROM(Read Only Memory)4pに格納される。図1(a)、(b)は、本発明者が検討した演算処理システムのブロック図である。図1(a)の演算処理システム1rにおいて、ROM(Read Only Memory)4pは、プロセッサ2のCPUバス6に対応したパラレルインタフェースを備える。
【0003】
近年、省スペース化、少ピン化の要求から、パラレルインタフェースのROM4pからシリアルインタフェースのROM4sへの置き換えが進んでいる。CPU2はシリアルインタフェースのROM4sに直接アクセスすることはできない。そこで図1(b)の演算処理システム1sは、RAM(Random Access Memory)8をさらに備える。RAM8は、IC(Inter IC)インタフェースやSPI(Serial Peripheral Interface)などのシリアルインタフェースを備えており、ROM4sのデータは、一旦RAM8に読み出され、CPU2は、CPUバス6を介して、RAM8に格納されるデータにアクセスする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−129017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1(b)のアーキテクチャでは、ROM4sからRAM8にプログラムをロードする際に、何らかの通信エラーが生ずると、RAM8に正しいプログラムを読み出すことができず、誤ったプログラムをCPU2が実行すると、システムが異常動作するという問題がある。
【0006】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、誤動作を抑制可能なマイクロコントローラおよび信号処理回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様は、信号処理回路に関する。信号処理回路は、プロセッサと、揮発性メモリと、プロセッサが実行するプログラムを格納する不揮発性メモリと、不揮発性メモリからプログラムを読み出し、揮発性メモリに書き込むローダと、を備える。ローダは、揮発性メモリに書き込まれたプログラムを不揮発性メモリに格納されるプログラムと比較し、異常を検出する比較器を含む。
【0008】
この態様によると、揮発性メモリの故障および異常や、不揮発性メモリから揮発性メモリにプログラムをロードする際の通信エラー等に起因するプログラムの破壊を検出でき、誤動作を防止できる。
【0009】
比較器は、異常を検出するとプロセッサをリセットしてもよい。これにより、システムを再起動し、プロセッサが壊れたプログラムを実行し続けるのを防止できる。
【0010】
不揮発性メモリに格納されるプログラムは、エラー検出コードを含んでもよい。ローダは、不揮発性メモリから読み出したプログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出するエラー検出器をさらに含んでもよい。
これにより、不揮発性メモリから揮発性メモリにプログラムをロードする際の通信エラーを検出でき、信頼性を高めることができる。
【0011】
エラー検出器は、通信エラーを検出すると、ローダにプログラムの再ロードを促してもよい。エラー検出器は、通信エラーを検出するとプロセッサをリセットしてもよい。
【0012】
本発明の別の態様もまた、信号処理回路である。この信号処理回路は、プロセッサと、揮発性メモリと、プロセッサが実行するプログラムを格納する不揮発性メモリと、不揮発性メモリからプログラムを読み出し、揮発性メモリに書き込むローダと、を備える。不揮発性メモリに格納されるプログラムは、エラー検出コードを含んでおり、ローダは、不揮発性メモリから読み出したプログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出するエラー検出器を含む。
【0013】
この態様によると、不揮発性メモリから揮発性メモリにプログラムをロードする際の通信エラーを検出でき、信頼性を高めることができる。
【0014】
プロセッサ、揮発性メモリおよびローダは、第1半導体チップに集積化され、第1半導体チップと不揮発性メモリが集積化される第2半導体チップは、ひとつのモジュールに内蔵されてもよい。
「集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0015】
本発明の別の態様は、デバイスにバス電圧を供給するホストに関する。ホストは、ケーブルが着脱可能に接続されるレセプタクルと、バス電圧を生成する電源回路と、電源回路の出力とレセプタクルの間に設けられるスイッチと、デバイスと通信し、バス電圧の電圧レベルをネゴシエートするとともに、スイッチを制御する信号処理回路と、を備えてもよい。
【0016】
本発明の別の態様は、ホストからバス電圧を受けるデバイスに関する。デバイスは、ケーブルが着脱可能に接続されるレセプタクルと、バス電圧を受けて動作する負荷回路と、負荷回路の入力とレセプタクルの間に設けられるスイッチと、ホストと通信し、バス電圧の電圧レベルをネゴシエートするとともに、スイッチを制御する信号処理回路と、を備えてもよい。
【0017】
本発明のさらに別の態様は、不揮発性メモリと接続され、不揮発性メモリに格納されるプログラムを実行するマイクロコントローラに関する。このマイクロコントローラは、プロセッサと、揮発性メモリと、不揮発性メモリからプログラムを読み出し、揮発性メモリに書き込むローダと、を備える。ローダは、揮発性メモリに書き込まれたプログラムを不揮発性メモリに格納されるプログラムと比較し、異常を検出する比較器を含む。
【0018】
本発明のさらに別の態様もまた、マイクロコントローラである。このマイクロコントローラは、プロセッサと、揮発性メモリと、不揮発性メモリからプログラムを読み出し、揮発性メモリに書き込むローダと、を備える。揮発性メモリに格納されるプログラムは、エラー検出コードを含んでおり、ローダは、不揮発性メモリから読み出したプログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出するエラー検出器をさらに含む。
【0019】
マイクロコントローラは、ひとつの半導体チップに集積化されてもよい。
【0020】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明のある態様によれば、誤動作を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1(a)、(b)は、本発明者が検討した演算処理システムのブロック図である。
図2】第1の実施の形態に係る信号処理回路のブロック図である。
図3】第2の実施の形態に係る信号処理回路のブロック図である。
図4】第3の実施の形態に係る信号処理回路のブロック図である。
図5】信号処理回路を備えるホストおよびデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0024】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。また、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0025】
(第1の実施の形態)
図2は、第1の実施の形態に係る信号処理回路100のブロック図である。信号処理回路100は、不揮発性メモリ102、プロセッサ202、揮発性メモリ204、ローダ206を備え、ひとつのパッケージ内に収容されている。たとえば不揮発性メモリ102は、ひとつの半導体チップに集積化され、プロセッサ202、揮発性メモリ204、ローダ206は、別の半導体チップに集積化される。プロセッサ202、揮発性メモリ204、ローダ206を含む回路ブロックを、マイクロコントローラ200と称する。
【0026】
プロセッサ202はCPU(Central Processing Unit)であり、プログラムを実行する。揮発性メモリ204は、RAM(Random Access Memory)であり、プログラムおよびデータを一時的に格納する。プロセッサ202と揮発性メモリ204は、CPUバス210を介して接続される。不揮発性メモリ102は、EEPROMやフラッシュメモリであり、CPU202が実行するプログラムを格納する。
【0027】
ローダ206は、不揮発性メモリ102からプログラムを読み出し、揮発性メモリ204に書き込む。不揮発性メモリ102はシリアルインタフェースを備えており、不揮発性メモリ102とローダ206は、シリアルバス208を介して接続される。ローダ206は、一旦揮発性メモリ204に書き込んだプログラムを、読み戻す機能を備える。
【0028】
ローダ206は、比較器220を含む。比較器220は、揮発性メモリ204に書き込まれたプログラムを読み戻し、不揮発性メモリ102に格納されるプログラムと比較し、異常を検出する。
【0029】
以上が信号処理回路100の構成である。続いてその動作を説明する。
【0030】
比較器220は、ローダ206によるプログラムのロード動作の直後に、アクティブとなる。比較器220は、アクティブとなると、1ワードあるいは1バイト単位で、揮発性メモリ204および不揮発性メモリ102それぞれからプログラムの対応する部分を読み出し、一致、不一致を判定する。そして不一致が検出されると、異常と判定する。比較器220は、異常を検出するとリセット信号RSTをアサート(たとえばハイレベル)し、プロセッサ202をリセットする。
【0031】
比較器220は、所定の周期ごとにアクティブとなってもよい。マイクロコントローラ200は、所定の周期を測定するためのタイマー回路を内蔵してもよい。
【0032】
以上が信号処理回路100の動作である。
この信号処理回路100によると、揮発性メモリ204の故障および異常や、プログラムをロードする際の通信エラー等に起因するプログラムの破壊を検出でき、誤動作を防止できる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る信号処理回路100aのブロック図である。信号処理回路100aは、図2の信号処理回路100と同様に、不揮発性メモリ102、プロセッサ202、揮発性メモリ204、ローダ206aを備え、ひとつのパッケージ内に収容されている。
【0034】
不揮発性メモリ102に格納されるプログラムは、CRC(Cyclic Redundancy Check)などのエラー検出コードを含んでいる。ローダ206aはエラー検出器222を含む。エラー検出器222は、不揮発性メモリ102から読み出したプログラムに含まれるエラー検出コードにもとづいて、通信エラーを検出する。
【0035】
エラー検出器222は、ローダ206aがプログラムをロードするときにアクティブとなる。エラー検出器222は、通信エラーを検出すると、ローダ206aにプログラムの再ロードを促す。再ロードの際には、より確実にプログラムをロードできるように、クロック周波数を低下させてもよい。所定回数、ロードに失敗すると、リセット信号RSTをアサートし、プロセッサ202をリセットしてもよい。
【0036】
ローダ206aは、プログラムからエラー検出コードを除去して、揮発性メモリ204に書き込むことが望ましい。これにより揮発性メモリ204の容量を節約できる。
【0037】
以上が信号処理回路100aの構成である。続いてその動作を説明する。信号処理回路100aが起動すると、ローダ206aが不揮発性メモリ102にアクセスし、プログラムを不揮発性メモリ102から読み出す。そしてエラー検出器222がアクティブとなり、ローダ206がプログラムを揮発性メモリ204に書き込む前に、通信エラーの有無が判定される。そして通信エラーが発生していない場合に、ローダ206aは、プログラムを揮発性メモリ204に書き込む。
【0038】
以上が信号処理回路100aの動作である。この信号処理回路100aによれば、揮発性メモリ204に対して、正しいプログラムを書き込むことができるため、信頼性を高めることができる。
【0039】
(第3の実施の形態)
図4は、第3の実施の形態に係る信号処理回路100bのブロック図である。信号処理回路100bは、図2の信号処理回路100と同様に、不揮発性メモリ102、プロセッサ202、揮発性メモリ204、ローダ206bを備え、ひとつのパッケージ内に収容されている。ローダ206bは、比較器220およびエラー検出器222を備える。
【0040】
この信号処理回路100bによれば、第1および第2の実施の形態の信号処理回路100、信号処理回路100aの効果を得ることができ、信頼性をさらに高めることができる。
【0041】
(用途)
図5は、信号処理回路100(a,b)を備えるホスト300およびデバイス400のブロック図である。デバイス400は、スマートホン、タブレット端末、デジカメ、ポータブルオーディオプレイヤ、ラップトップコンピュータなどの電子機器である。ホスト300は、ラップトップコンピュータやデスクトップコンピュータ、テレビなどの電子機器、あるいは充電アダプタである。ホスト300とデバイス400は、ケーブル500を介して接続される。たとえばホスト300およびデバイス400は、USB(Universal Serial Bus)−PD(Power Delivery)規格に対応しており、USB TypeCに対応してもよい。
【0042】
電子機器300は、ケーブル500を介して、デバイス400にバス電圧VBUSを供給する。ホスト300は、レセプタクル302、電源回路304、スイッチ306、信号処理回路308を備える。レセプタクル302には、ケーブル500が着脱可能に接続される。電源回路304は、デバイス400に供給すべきバス電圧VBUSを生成する。スイッチ306は、電源回路304の出力とレセプタクル302のVBUSピンの間に設けられる。信号処理回路308は、スイッチ306のオン、オフを制御する。
【0043】
デバイス400は、レセプタクル402、スイッチ404、負荷回路406、信号処理回路408を備える。レセプタクル402には、ケーブル500が着脱可能に接続される。負荷回路406は、DC/DCコンバータやバッテリの充電回路などを含み、ホスト300からのバス電圧VBUSを受ける。スイッチ404は、レセプタクル402と負荷回路406の入力端子の間に設けられる。信号処理回路408は、スイッチ404のオン、オフを制御する。
【0044】
信号処理回路308と信号処理回路408は、CCピンを介して接続されており、通信可能となっている。USB−PD規格では、ホスト300とデバイス400が通信可能を行い、バス電圧VBUSの電圧レベルをネゴシエートする。具体的には、信号処理回路308は、ホスト300がサポートするバス電圧のリストを保持している。ホスト300とデバイス400が接続されると、信号処理回路308は信号処理回路408に、リストを送信する。信号処理回路408は、リストの中から、負荷回路406に最適な電圧レベルを選択し、信号処理回路308に通知する。信号処理回路308は、信号処理回路408が選択したバス電圧VBUSを生成するように、電源回路304に指示する。
【0045】
信号処理回路308および信号処理回路408は、上述の信号処理回路100(a,b)で構成することができる。信号処理回路100の用途は、ホスト300やデバイス400に限定されず、汎用的な用途で利用可能である。
【0046】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0047】
100…信号処理回路、102…不揮発性メモリ、200…マイクロコントローラ、202…プロセッサ、204…揮発性メモリ、206…ローダ、208…シリアルバス、210…CPUバス、220…比較器、222…エラー検出器、300…ホスト、302…レセプタクル、304…電源回路、306…スイッチ、308…信号処理回路、400…デバイス、402…レセプタクル、404…スイッチ、406…負荷回路、408…信号処理回路、500…ケーブル。
図1
図2
図3
図4
図5