【解決手段】複数の座席が配置された施設の各座席に設けられた端末装置の識別情報および利用者の識別情報を含む利用確認要求を受け付けると、当該利用確認要求に含まれる利用者の識別情報によって特定される利用者が指定可能な座席数が、該当する利用者が指定中の座席数よりも少ない場合、利用確認要求の送信元の端末装置に対して、当該座席のLEDを発光させる発光制御信号を出力する座席管理装置を構成した。
利用者の識別情報と、当該利用者の識別情報によって特定される利用者が指定中の座席数とを関連付けて記憶するデータベースを参照して、前記指定可能数算出手段によって算出された前記指定可能な座席数よりも多くの座席数を指定中の利用者が存在する場合、指定中の座席数を前記指定可能な座席数以下とすることを促す案内をおこなう案内手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の座席管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる座席管理装置、座席管理方法および座席管理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
<実施の形態1>
(施設の概要)
まず、この発明にかかる実施の形態1の座席管理装置を備えた座席管理システムが適用される施設の概要について説明する。
図1Aおよび
図1Bは、座席管理システムが適用される施設の概要を示す説明図である。
【0021】
この発明にかかる実施の形態1の座席管理装置を備えた座席管理システムは、
図1Aに示すように、スタジアム、アリーナなどと称される、あらかじめ定められた日におこなわれるイベントを観覧する複数の座席101が配置された施設100に適用することができる。座席管理システムは、特に、施設100における複数の座席101のそれぞれが、特定の個人に定められた座席101ではない、いわゆる自由席である施設100あるいは自由席が確保された施設100に適用することができる。
【0022】
施設100における各座席101には、たとえば、
図1Bに示すように、それぞれの座席101を識別する識別番号が割り当てられている。
図1Bにおいては、一例として、
図1Aに示すM〜Oブロックの詳細な座席101の配置を示している。各座席101には、たとえば、利用者のクレジットカードなどのように、通信機能を備えた媒体との間で通信をおこなう端末装置が設けられている(
図2、
図3Bを参照)。
【0023】
また、施設100には、施設100における各座席101の指定状況を確認するためのディスプレイ(図示を省略する)が配置されていてもよい。ディスプレイは、たとえば、具体的には、たとえば、液晶パネルによって実現することができる。液晶パネルは、透明電極が組み込まれた一対のガラス基板によって液晶材料(液晶分子)を挟み、このガラス基板に偏光フィルタを設けることによって構成されている。液晶パネルは、電極に電圧を加えて液晶分子の向きを変化させることによって、ガラス基板を透過する光の状態を制御する。また、液晶パネルは、光源として、バックライトを備えている。これにより自らは発光しない液晶分子が表示する画像を照明することができる。
【0024】
(座席管理システムのシステム構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の座席管理システムのシステム構成について説明する。
図2は、この発明にかかる実施の形態1の座席管理システムのシステム構成を示す説明図である。
図2において、この発明にかかる実施の形態1の座席管理システム200は、座席管理装置210と、端末装置220と、を備えている。座席管理装置210と各端末装置220とは、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)などの近距離無線通信規格を利用して相互に通信可能とされている。
【0025】
座席管理装置210と各端末装置220とは、直接通信するものに限らない。たとえば、座席管理装置210と各端末装置220との間に、所定数の中継機(図示を省略する)を設け、座席管理装置210と中継機、中継機と各端末装置220との間で通信をおこなってもよい。また、必要に応じて、中継機どうしの間で通信をおこなってもよい。
【0026】
座席管理装置210は、さらに、インターネットなどのネットワークに接続されている。これにより、座席管理装置210は、インターネットなどのネットワークを介して、たとえば、カード会社などが管理するカード会社サーバ(図示を省略する)との間で通信することができる。また、これにより、座席管理装置210は、インターネットなどのネットワークを介して、たとえば、利用者のスマートフォンなどの通信端末装置220(図示を省略する)との間で通信をおこなうことができる。
【0027】
カード会社サーバは、カードの利用者(カード会員)の識別情報ごとに、カードの有効期限、カード会員の氏名、住所、電話番号、性別、利用限度額、当月の利用金額などを特定可能な情報を関連付けて記憶するデータベース(図示を省略する)を備えている。また、カード会社サーバは、データベースにおいて、利用者の識別情報ごとに、当該利用者がカード決済によって購入したチケットに関する情報を関連付けて記憶している。
【0028】
カード会社サーバは、データベースにおいて、たとえば、チケット番号、イベントの識別情報(イベントの開催日時や開催施設の識別情報など)、チケットの種類(指定席か自由席かなど)を、チケットに関する情報として記憶している。チケットが指定席のチケットである場合、カード会社サーバは、データベースにおいて、さらに、当該指定席の座席101番号を記憶していてもよい。
【0029】
座席管理装置210は、たとえば、サーバコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる(
図3Aを参照)。座席管理装置210は、たとえば、座席管理システム200の運用者あるいは施設100の運用者などによって管理される。座席管理装置210は、座席管理データベース、グループ管理データベース、入場者数管理データベースなどの各種のデータベースを備えている。座席管理データベース、グループ管理データベース、入場者数管理データベースについては説明を後述する(
図4A、
図4B、
図4Cを参照)。
【0030】
端末装置220は、各座席101に設けられている。すなわち、1つの座席101に1つの端末装置220がそれぞれ設けられている。端末装置220は、上記のように、ICチップとコイル型アンテナとを備えたカード状の媒体との間で通信をおこなう通信機能と、座席管理装置210との間で通信をおこなう通信機能と、を備えている(
図2を参照)。カード状の媒体は、クレジットカードに代えて、あるいは、クレジットカードに加えて、銀行などの金融機関が発行するデビットカード(debit card)によって実現されるものであってもよい。端末装置220は、カード状の媒体に代えて、あるいは、カード状の媒体に加えて、たとえば、利用者のスマートフォンなどの通信端末装置との間で通信をおこなう通信機能を備えていてもよい。
【0031】
各端末装置220には、それぞれ固有の識別情報(端末装置220の識別情報)が割り当てられている。端末装置220の識別情報は、たとえば、座席に割り当てられている識別番号によって実現することができる。あるいは、端末装置220の識別情報は、たとえば、施設の識別情報と、座席に割り当てられている識別番号と、を組み合わせることによって実現することができる。
【0032】
端末装置220の識別情報は、たとえば、座席管理システム200の運用者などが任意に設定することができる。端末装置220は、座席管理装置210との間で通信をおこなう際には、自装置に割り当てられた識別情報を含む情報を送信する。これにより、座席管理装置210は、いずれの端末装置220から送信された情報であるかを判別することができる。
【0033】
(座席管理装置210のハードウエア構成の一例)
つぎに、座席管理装置210のハードウエア構成の一例について説明する。
図3Aは、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0034】
図3Aにおいて、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置は、CPU(Central Processing Unit)311と、メモリ312と、ネットワークI/F(Interface)313と、を備えている。コンピュータ装置が備える各部311〜313は、バス310によってそれぞれ接続されている。CPU311は、コンピュータ装置の全体の制御をつかさどる。
【0035】
メモリ312は、ブートプログラムなどのプログラムや各種のデータベースを構成するデータなどを記憶している。また、メモリ312は、この発明にかかる実施の形態1の情報処理プログラム(業務管理プログラム)を記憶している。メモリ312は、たとえば、業務内容データベースや遺言書データベースを構成するデータなどを記憶している。また、メモリ312は、CPU311のワークエリアとして使用される。メモリ312は、たとえば、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)およびHD(Hard Disc)などによって実現することができる。
【0036】
ネットワークI/F313は、ネットワークに接続され、コンピュータ装置の内部と外部装置とのインターフェイスをつかさどり、コンピュータ装置の内部と、端末装置220などの外部装置と、の間におけるデータの入出力を制御する。
【0037】
(端末装置220のハードウエア構成の一例)
つぎに、端末装置220のハードウエア構成の一例について説明する。
図3Bは、この発明にかかる実施の形態1の端末装置220を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図3Bにおいて、端末装置220は、CPU321と、メモリ322と、ネットワークI/F323と、カードリーダ324と、LED325と、を備えている。CPU321は、端末装置220の全体の制御をつかさどる。CPU321は、メモリ322が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、端末装置220の全体の制御をつかさどる。メモリ322は、フラッシュメモリなどによって実現することができる。ネットワークI/F323は、端末装置220の内部と、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置とのインターフェイスをつかさどる。
【0039】
カードリーダ324は、カードのICチップに送信する送信信号を復調する復調器、当該復調器が復調した送信信号の電波(電磁波、交流磁界)を発するアンテナ、当該アンテナを介してICチップから受信した信号を変調する変調器、などによって構成することができる。カードリーダ324は、復調する送信信号をCPU321から受信し、アンテナを介して外部に出力する。また、カードリーダ324は、アンテナを介して受信し、変調器によって変調された信号をCPU321に出力する。
【0040】
カードは、たとえば、非接触型のICチップを備えたクレジットカードによって実現することができる。このようなカードは、ICチップとともにカード内に埋め込まれたアンテナによって、カードリーダ324から送信される電波を受信し、受信した電波をエネルギーに変換して電源とし、当該電源を用いてカードリーダ324との間で無線でデータのやりとりをおこなう。カードが備えるICチップには、利用者の識別情報を含むカード情報が記憶されている。たとえば、カードリーダ324が読み取り対象とするカードを、クレジットカードによって実現する場合、利用者の識別情報は、クレジットカード番号によって実現することができる。
【0041】
カードリーダ324は、カードのICチップとの間で、上記のような非接触方式により通信をおこなうものに限らない。カードリーダ324は、たとえば、磁気ヘッドを備え、磁気ストライプを備えた磁気カードとの間で通信をおこなうものであってもよい。
【0042】
LED325は、CPU321によって制御されて、発光したり、消灯したりする。CPU321は、座席管理装置210から送信される発光制御信号に基づいて、LED325を各種の発光パターンで発光させる。具体的に、CPU321は、座席管理装置210から送信される発光制御信号に基づいて、LED325を、継続して発光させたり、発光と消灯とを等間隔で繰り返す点滅パターンで発光させたり、発光の時間が消灯の時間よりも長い点滅パターンで発光させたり、発光の時間が消灯の時間よりも短い点滅パターンで発光させたりする。
【0043】
LED325は、一色で発光するものに限らず、複数色を切り替えて発光するものであってもよい。この場合、CPU321は、座席管理装置210から送信される発光制御信号に基づいて、LED325の発光パターンに加えて、LED325の発光色を制御する。
【0044】
(座席管理データベースの一例)
つぎに、座席管理データベースの一例について説明する。
図4Aは、座席管理データベースの一例を示す説明図である。
図4Aにおいて、座席管理データベース410は、座席101の識別情報ごとに、当該座席101の指定状態、指定日時に関する情報を関連付けて記憶している。座席101の指定状態は、当該座席101が座席管理システム200の利用によって指定されている状態であるか否かを示す。
【0045】
このため、施設100における実際の着席状況として、座席管理システム200を利用していない他者が座席101に着席している状況もある。指定日時は、たとえば、座席101に設けられた端末装置220が読み取ったカードの情報に基づく指定確認要求を受信した座席管理装置210が、指定を許可する判断をおこなった日時とすることができる。
【0046】
また、座席管理データベース410は、座席101の識別情報ごとに、当該座席101を指定した利用者の識別情報を関連付けて記憶する。利用者の識別情報は、たとえば、クレジットカードに割り当てられたカード番号によって実現することができる。さらに、座席管理データベース410は、利用者の識別情報とともに、当該利用者の識別情報によって特定される利用者が購入したチケット番号など、当該チケットを特定可能な情報を関連付けて記憶していてもよい。チケット番号などのチケットを特定可能な情報は、利用者の識別情報に基づいて、カード会社サーバから取得することができる。
【0047】
座席管理データベース410において、指定状態、指定日時、利用者の識別情報、チケット番号などの座席101の識別情報に関連付けられる各情報は、利用者によって座席101の指定がおこなわれるごとに更新される。また、座席管理データベース410において、指定状態、指定日時、利用者の識別情報、チケット番号などの座席101の識別情報に関連付けられる各情報は、利用者によって座席101の指定を解除する操作がおこなわれるごとに更新され、座席101の指定が解除された場合は削除される。
【0048】
また、座席管理データベース410において、指定状態、指定日時、利用者の識別情報、チケット番号などの座席101の識別情報に関連付けられる各情報は、施設100への入場者数、より詳細には自由席のチケットによる施設100への入場者数に応じて、適宜更新される。更新の方法については説明を後述する。
【0049】
座席管理データベース410において、座席101の識別情報ごとに指定状態を関連付けて記憶することにより、施設100における自由席が、座席管理システム200の利用によってどの程度指定されているかを把握することができる。また、座席管理データベース410において、座席101の識別情報ごとに利用者の識別情報を関連付けて記憶することにより、当該利用者の識別情報によって特定される各利用者が指定している座席数を把握することができる。
【0050】
座席管理データベース410は、施設100におけるイベントごとに設けられている。あるいは、座席管理データベース410においては、座席101の識別情報あるいは利用者の識別情報ごとに、当該利用者の識別情報によって特定される利用者が購入したチケットによって特定されるイベントの識別情報を関連付けて記憶していてもよい。これにより、同一の施設100において、日にちや時刻を異ならせておこなわれる複数のイベントのそれぞれに関して、座席101の指定を受け付けることができる。
【0051】
(グループ管理データベースの一例)
つぎに、グループ管理データベースの一例について説明する。
図4Bおよび
図4Cは、いずれも、この発明の実施の形態にかかるグループ管理データベースの一例を示す説明図である。
【0052】
図4Bにおいて、グループ管理データベース420は、利用者の識別情報ごとに、当該利用者の識別情報によって特定される利用者と同一のグループに属する利用者の識別情報を関連付けて記憶する。たとえば、3人のグループである場合、1人の利用者の識別情報には、2人の利用者の識別情報が関連付けて記憶される。
【0053】
座席管理システム200の運用上、座席管理システム200により提供されるサービスの利用者は、たとえば、施設100へ入場する前に、自身を特定する利用者の識別情報と、自身と同じグループを構成する利用者の識別情報と、を入力しておく。利用者の識別情報の入力は、たとえば、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの利用者の端末装置220を用いて座席管理装置210あるいは所定のサーバにアクセスし、端末装置220にあらかじめインストールされたウェブブラウザに所定の入力画面を表示させ、当該入力画面の内容にしたがって入力操作をおこなうことによって実現することができる。
【0054】
座席管理装置210は、利用者によって所定の入力操作がおこなわれるごとに、グループを構成する利用者の識別情報を該当する利用者の識別情報に関連付けてグループ管理データベース420に記憶する。パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの利用者の端末装置220を用いたグループの設定を可能とすることにより、利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0055】
グループ管理データベース420は、施設100におけるイベントごとに設けられている。あるいは、グループ管理データベース420においては、利用者の識別情報ごとに、当該利用者の識別情報によって特定される利用者が購入したチケットによって特定されるイベントの識別情報を関連付けて記憶していてもよい。これにより、同一の施設100において、日にちや時刻を異ならせておこなわれる複数のイベントのそれぞれに関して、グループを設定することができる。
【0056】
グループ管理データベース420は、グループを構成する各利用者について、当該利用者がグループを構成する利用者であるか否か、どの利用者と同一のグループを構成するのか、を特定できるものであればよい。
図4Bにおいては、上記のように、この概念を具現化した一例として、グループを構成する利用者ごとに、当該利用者の識別情報によって特定される利用者と同一のグループに属する利用者の識別情報を関連付けたグループ管理データベース420を例示している。
【0057】
すなわち、
図4Bに示すグループ管理データベース420においては、左側の「利用者の識別情報」の欄に該当する利用者の識別情報によって特定される利用者が、当該グループの代表であることを示すものではなく、グループを構成するすべての利用者について、各利用者の識別情報ごとに、当該利用者の識別情報によって特定される利用者と同一のグループに属する利用者の識別情報が関連付けて記憶されている。
【0058】
座席管理システム200においては、グループを構成する各利用者について、当該利用者がグループを構成する利用者であるか否か、どの利用者と同一のグループを構成するのか、を特定可能であればよい。したがって、
図4Bに示すグループ管理データベース420に代えて、
図4Cに示す態様であってもよい。
【0059】
図4Cに示すグループ管理データベース430は、
図4Bにおける左側の「利用者の識別情報」の欄をなくしている。また、
図4Cに示すグループ管理データベース430は、同一のグループに属する利用者の識別情報を相互に関連付けて記憶することによって構成されている。
【0060】
(入場者数管理データベースの一例)
また、座席管理装置210は、座席管理システム200により指定可能な座席101(自由席)の総数と、自由席のチケットによる施設100への入場者数と、を関連付けて記憶する入場者数管理データベース(図示を省略する)を備えている。入場者数管理データベースを用いることにより、座席管理システム200により提供されるサービスを利用しない入場者が座席101を確保できなくなることを防止できる。
【0061】
(座席管理装置210の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の座席管理装置210の機能的構成について説明する。
図5は、この発明にかかる実施の形態1の座席管理装置210の機能的構成を示すブロック図である。
図5において、座席管理装置210の各機能は、記憶部501と、利用確認要求取得部502と、指定可能数算出部503と、報知信号出力部504と、案内部505と、によって実現することができる。
【0062】
記憶部501は、座席管理データベース410、グループ管理データベース420、入場者数管理データベースなどの各種データベースを備えている。記憶部501は、たとえば、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ312に設けられている。記憶部501の機能は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるCPU311やメモリ312などによって実現することができる。
【0063】
座席管理データベース410、グループ管理データベース420、入場者数管理データベースは、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が一体的に備えるメモリ312に記憶されているものに限らず、座席管理装置210とは別体で設けられた記憶装置に記憶されていてもよい。また、座席管理データベース410、グループ管理データベース420、入場者数管理データベースは、単一の記憶装置に設けられるものに限らず、たとえば、それぞれが別の記憶装置に設けられていてもよい。
【0064】
利用確認要求取得部502は、利用確認要求を取得する。利用確認要求取得部502は、たとえば、端末装置220から送信される、利用確認要求を受信することによって当該利用確認要求を受け付ける。利用確認要求は、施設100の各座席101に設けられた端末装置220の識別情報および利用者の識別情報を含む。端末装置220の識別情報は、上記のように、端末装置220ごとに固有の情報によって実現される。
【0065】
端末装置220は、たとえば、利用者が、当該利用者のカードを端末装置220にかざすなどして、カードリーダ324による電波の出力範囲内にカードが近づけられた場合に、当該カードのICチップから、当該ICチップに記憶されたカード情報を読み取り、読み取ったカード情報に基づいて利用確認要求を生成して、座席管理装置210に送信する。利用確認要求取得部502の機能は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるCPU311、メモリ312、ネットワークI/F313などによって実現することができる。
【0066】
指定可能数算出部503は、利用確認要求取得部502によって取得された利用確認要求に基づいて、当該利用確認要求に含まれる利用者の識別情報によって特定される利用者が指定可能な座席数を算出する。指定可能数算出部503は、たとえば、施設100において利用可能な座席数と当該施設100への入場者数とに基づいて、利用者が指定可能な座席数を算出する。
【0067】
この場合、具体的に、指定可能数算出部503は、たとえば、施設100への入場者数(自由席のチケットで入場した入場者数)が少ないときは利用者1人あたりの座席数が多くなり、施設100への入場者数(自由席のチケットで入場した入場者数)が多いときは利用者1人あたりの座席数が少なくなる、あるいは、利用者1人に対して1席となるように、利用者が指定可能な座席数を算出する。
【0068】
また、指定可能数算出部503は、グループ管理データベース420を参照して、同一のグループに属する利用者の人数以上の座席数を指定可能な座席数として算出してもよい。この場合も、指定可能数算出部503は、施設100において利用可能な座席数と当該施設100への入場者数とに基づいて、同一のグループに属する利用者が指定可能な座席数を算出してもよい。指定可能数算出部503の機能は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるCPU311やメモリ312などによって実現することができる。
【0069】
なお、座席管理システム200により提供されるサービスを利用して自由席のチケットで入場した利用者のうち、自由席のチケットでの入場者(当該サービスを利用しないで入場した利用者も含む全体の入場者)の数が、自由席の座席101の数を超える前に入場した利用者については、利用者1人に対して1席は確保されるように、各利用者が指定可能な座席数を算出してもよい。これにより、自由席のチケットでの入場者の数が自由席の座席数よりも多くなる(立ち見が発生する)状況であっても、座席管理システム200により提供されるサービスを利用して自由席のチケットで入場した利用者については、荷物などを置いて取り置かなくてもよい座席101を1席は確保することができる。
【0070】
報知信号出力部504は、指定可能数算出部503によって算出された座席数が、利用確認要求取得部502によって取得された利用確認要求に基づいて特定される利用者が指定中の座席数よりも少ない場合、利用確認要求に含まれる端末装置220の識別情報によって識別される端末装置220に対して、当該座席101が利用中の座席101であることを報知させる報知信号を出力する。利用確認要求取得部502によって取得された利用確認要求に基づいて特定される利用者が指定中の座席数は、座席管理データベース410を参照することにより特定することができる。
【0071】
報知信号は、たとえば、各座席101に設けられたLED325の発光パターンや発光色を制御する発光制御信号によって実現することができる。発光制御信号を受信した端末装置220は、受信した発光制御信号に基づいて、自装置が備えるLED325を指定された発光パターンや発光色で発光させる。具体的に、端末装置220は、受信した発光制御信号に基づいて、LED325を継続して発光(点灯)させることにより、利用中の座席101であることを報知する。この実施の形態1においては、端末装置220が備えるCPU321や当該CPU321によって制御されるLED325によって、この発明にかかる報知部を実現することができる。
【0072】
また、報知信号出力部504は、指定可能数算出部503によって算出された座席数が、指定中の座席数と一致する場合、当該指定中の座席101のうち、もっとも早く指定された座席101に設けられた報知部に対して当該座席101が利用可能な座席101であることを報知させる報知信号を出力するとともに、識別される座席101に設けられた報知部に対して当該座席101が利用中の座席101であることを報知させる報知信号を出力する。指定中の座席101のうち、もっとも早く指定された座席101であるか否かは、座席管理データベース410を参照することにより特定することができる。利用可能な座席101であることを報知させる報知信号は、具体的には、たとえば、端末装置220において、LED325を消灯させる発光制御信号によって実現することができる。
【0073】
あるいは、報知信号出力部504は、指定可能数算出部503によって算出された座席数が、指定中の座席数と一致する場合、識別される座席101に設けられた報知部に対して当該座席101の指定ができないことを報知させる報知信号を出力してもよい。座席101の指定ができないことを報知させる報知信号は、具体的には、たとえば、端末装置220において、LED325を一定時間点滅させた後、消灯させる発光制御信号によって実現することができる。
【0074】
また、報知信号出力部504は、指定中の座席101のうちのいずれかの座席101に設けられた端末装置220の識別情報および利用者の識別情報を含む利用確認要求を受け付けた場合、当該いずれかの座席101に設けられた報知部に対して当該座席101が利用可能な座席101であることを報知させる報知信号を出力する。利用可能な座席101であることを報知させる報知信号は、具体的には、たとえば、上記と同様に、端末装置220において、LED325を消灯させる発光制御信号によって実現することができる。
【0075】
また、報知信号出力部504は、指定可能数算出部503によって算出された指定可能な座席数よりも多くの座席数を指定中の利用者が存在する場合、該当する利用者が指定中の座席101のうち、もっとも早く指定された座席101に設けられた報知部に対して当該座席101が利用可能な座席101であることを報知させる報知信号を出力してもよい。あるいは、報知信号出力部504は、指定可能数算出部503によって算出された指定可能な座席数よりも多くの座席数を指定中の利用者が存在する場合、該当する利用者が指定中の座席101のうち、直近に指定された座席101に設けられた報知部に対して当該座席101が利用可能な座席101であることを報知させる報知信号を出力してもよい。
【0076】
利用可能な座席101であることを報知させる報知信号は、具体的には、たとえば、上記と同様に、端末装置220において、LED325を消灯させる発光制御信号によって実現することができる。もっとも早く指定された座席101のLED325を消灯させるか、直近に指定された座席101のLED325を消灯させるかは、たとえば、座席管理システム200の運用者などが任意に設定することができる。報知信号出力部504の機能は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるCPU311、メモリ312、ネットワークI/F313などによって実現することができる。
【0077】
案内部505は、利用者の識別情報と、座席管理データベース410を参照して、指定可能数算出部503によって算出された指定可能な座席数よりも多くの座席数を指定中の利用者が存在する場合、指定中の座席数を指定可能な座席数以下とすることを促す案内をおこなう。具体的に、案内部505は、たとえば、施設100に設けられた大型スクリーンに、「場内が混雑して参りました。お席を余分に確保されているお客様は、お譲りくださいますようお願いいたします。」などのメッセージを表示させることによって案内をおこなうことができる。
【0078】
あるいは、案内部505は、たとえば、施設100に設けられたスピーカーから、上記のメッセージを音声によって出力することによって案内をおこなってもよい。案内部505の機能は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるCPU311、メモリ312、ネットワークI/F313などによって実現することができる。
【0079】
(端末装置220の処理手順の一例)
つぎに、端末装置220の処理手順の一例について説明する。
図6は、この発明にかかる実施の形態1の端末装置220の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6のフローチャートにおいて、まず、カード情報を読み取るまで待機する(ステップS601:No)。ステップS601においては、利用者が、当該利用者のカードを端末装置220にかざすなどして、カードリーダ324による電波の出力範囲内に近づけられたカードのICチップから、当該ICチップに記憶されたカード情報を読み取るまで待機する。
【0080】
ステップS601において、カード情報を読み取った場合(ステップS601:Yes)、当該カード情報を読み取った端末装置220が設けられた座席101が、利用可能な座席101であるか否かを判断する(ステップS602)。ステップS602においては、たとえば、該当する座席101に設けられた端末装置220のLED325が消灯している状態であるか否かを判断することによって、当該座席101が利用可能な座席101であるか否かを判断することができる。
【0081】
あるいは、ステップS602においては、たとえば、座席管理装置210との間で通信をおこない、座席管理装置210において座席管理データベース410を参照することにより該当する座席101が利用可能な座席101であるか否かを判断し、当該判断結果を受信することによって利用可能な座席101であるか否かを判断するようにしてもよい。なお、座席管理システム200を利用することなく、着席や荷物を置くことによって確保されている座席101については、常識的に利用者がカードの読み取りをおこなわせないと考えられる。このため、着席や荷物を置くことによって確保されている座席101の利用をめぐって当事者間にトラブルは生じない。
【0082】
ステップS602において、利用可能な座席101であると判断した場合(ステップS602:Yes)、ステップS601:Yesにおいて読み取ったカード情報に基づいて、利用確認要求を生成し(ステップS603)、座席管理装置210に対して、ステップS603において生成された利用確認要求を送信する(ステップS604)。ステップS603においては、ステップS601:Yesにおいて読み取ったカード情報から、利用者の識別情報を抽出し、抽出した識別情報と自装置の識別情報(端末装置220の識別情報)とを含む利用確認要求を生成する。
【0083】
つぎに、ステップS604において送信した利用確認要求に応じて、座席管理装置210から送信される発光制御信号を受信するまで待機する(ステップS605:No)。ステップS605においては、ステップS604において利用確認要求を送信してから所定時間内に発光制御信号を受信しなかった場合、通信エラーが発生したものと判断し、再度のカード情報の読み取りを受け付けてもよい。あるいは、ステップS604において利用確認要求を送信してから所定時間内に発光制御信号を受信しなかった場合、ステップS604に移行して、利用確認要求を再送信してもよい。
【0084】
ステップS605において、発光制御信号を受信した場合(ステップS605:Yes)、受信した発光制御信号に基づいてLED325を発光制御して(ステップS606)、一連の処理を終了する。一方、ステップS602において、利用可能な座席101ではないと判断した場合(ステップS602:No)、LED325を発光制御することによって当該LED325を点滅させ(ステップS607)、座席101の指定ができないことを報知した後に一連の処理を終了する。
【0085】
(座席管理装置210の処理手順の一例)
つぎに、座席管理装置210の処理手順の一例について説明する。
図7Aおよび
図7Bは、この発明にかかる実施の形態1の座席管理装置210の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7Aのフローチャートにおいて、まず、上述した
図6のステップS604の処理によって端末装置220から送信された利用確認要求を受信するまで待機する(ステップS701:No)。
【0086】
ステップS711において、利用確認要求を受信した場合(ステップS701:Yes)、受信された利用確認要求から、利用者の識別情報を抽出する(ステップS702)。そして、抽出された利用者の識別情報に基づいて、入場者数管理データベースを参照して、当該利用者が指定可能な座席数を特定する(ステップS703)。また、抽出された利用者の識別情報に基づいて、座席管理データベース410を参照して、当該利用者が指定中の座席数を特定する(ステップS704)。
【0087】
そして、ステップS703において特定された利用者が指定可能な座席数と、ステップS704において特定された利用者が指定中の座席数と、に基づいて、利用者が指定中の座席数が、利用者が指定可能な座席数よりも少ないか否かを判断する(ステップS705)。ステップS705において、利用者が指定中の座席数が、利用者が指定可能な座席数よりも少ない場合(ステップS705:Yes)、ステップS701:Yesにおいて受信された利用確認要求に基づいて特定される座席101の指定が可能であると判断して、座席管理データベース410を更新する(ステップS706)。そして、ステップS701:Yesにおいて受信された利用確認要求の送信元の端末装置220に対して、当該座席101が利用可能な座席101であることを報知させる発光制御信号を送信して(ステップS707)、一連の処理を終了する。
【0088】
一方、ステップS705において、利用者が指定中の座席数が、利用者が指定可能な座席数以上である場合(ステップS705:No)、指定する座席101を特定する(ステップS708)。ステップS708においては、たとえば、もっとも早く指定された座席101の指定を解除して、直近に指定された座席101を指定するように、指定する座席101を特定する。
【0089】
そして、ステップS708において特定された座席101に基づいて、座席管理データベース410を更新する(ステップS709)。その後、更新された座席管理データベース410を参照して、該当する座席101の端末装置220に対して発光制御信号を送信して(ステップS710)、一連の処理を終了する。ステップS710においては、たとえば、指定が解除された座席101のLED325を消灯させ、直近に指定された座席101のLED325を点灯させるように、該当する各座席101の端末装置220に対して発光制御信号を送信する。
【0090】
図7Bのフローチャートにおいては、施設100への入場者数、より詳細には自由席のチケットによる施設100への入場者数に応じて更新される、座席101の指定状態の更新にかかる処理を示している。
図7Bのフローチャートにおいて、まず、施設100への入場者数が更新されるまで待機する(ステップS711:No)。ステップS711において、施設100への入場者数が更新された場合(ステップS711:Yes)、座席管理データベース410を参照して、取り置かれている席数(取り置き席数)が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS712)。
【0091】
所定の閾値は、施設100への入場者数(自由席のチケットによる施設100への入場者数)と当該施設100における座席数(自由席数)とに基づいて算出され、本来の空き席数を示す。本来の空き席数は、施設100における座席数(自由席数)から施設100への入場者数(自由席のチケットによる施設100への入場者数)を減算することによって求められる。これにより、ステップS712においては、取り置き席数が本来の空き席数よりも多くなったか否かが判断される。ステップS712において、取り置き席数が所定の閾値以上ではない場合(ステップS712:No)、一連の処理を終了する。
【0092】
あるいは、所定の閾値は、本来の空き席数に、所定の割合を乗じた値であってもよい。所定の割合は、たとえば、「0.9」や「0.8」などのように1よりも小さく、これにより、所定の閾値は本来の空き席数よりも少ない値に設定される。このように所定の閾値を、本来の空き席数よりも小さな値とすることにより、所定の閾値を本来の空き席数とする場合よりも、より余裕を持った状態で以下の処理をおこなうことができる。
【0093】
ステップS712において、取り置き席数が所定の閾値以上であると判断した場合(ステップS712:Yes)、取り置き席削減の案内をおこなう(ステップS713)。ステップS713においては、たとえば、上記のように、施設100に設けられた大型スクリーンに所定のメッセージを表示させたり、施設100に設けられたスピーカーから所定のメッセージを音声によって出力したりすることによっておこなうことができる。
【0094】
つぎに、取り置きを取り消す座席101を特定する(ステップS714)。ステップS714においては、たとえば、座席管理データベース410を参照して、ステップS712:Yesにおいて取り置き席数が所定の閾値以上であると判断された時点における、利用者1人あたりが指定可能な座席数よりも多くの座席101を指定している利用者が指定中の座席101のうち、直近に指定された座席101を、取り置きを取り消す座席101に特定する。
【0095】
その後、ステップS714において特定された座席101の取り置きを取消して(ステップS715)、一連の処理を終了する。ステップS715においては、たとえば、ステップS714において特定された座席101の指定を解除するように座席管理データベース410を更新するとともに、該当する座席101の端末装置220に対して、当該座席101のLED325を消灯させる発光制御信号を出力する。
【0096】
上述した実施の形態1においては、施設100における各座席101に、座席管理装置210と通信をおこなう端末装置220を設け、当該端末装置220においてカードと通信をおこなうことにより利用者の識別情報を取得して、端末装置220から座席管理装置210に対して利用確認要求を送信するようにしたが、これに限るものではない。たとえば、施設100における各座席101に設けられる端末装置220に代えて、施設100における座席101のブロックごと、あるいは、座席101の列ごとに、ディスプレイを備えた端末装置220を設けてもよい。この場合、ディスプレイを備えた端末装置220において、カードと通信をおこなうことにより利用者の識別情報を取得し、かつ、指定する座席101の識別情報(座席101番号など)の入力を受け付け、これらの情報に基づいて、座席管理装置210に対して利用確認要求を送信する。
【0097】
また、上述した実施の形態1においては、施設100ごとに座席管理装置210を設け、当該座席管理装置210と当該施設100に設けられた端末装置220との間、すなわち、施設100内においてのみ通信をおこなう座席管理システム200について説明したが、座席管理システム200の形態はこれに限るものではない。たとえば、座席管理装置210が、複数の施設100の端末装置220との間で通信をおこなう形態であってもよい。この場合、各施設100に、当該施設100の複数の端末装置220との間で通信をおこなうサーバを設け、当該サーバと座席管理装置210との間で、インターネットなどのネットワークを介して通信をおこなう。
【0098】
<実施の形態2>
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の座席管理装置を備えた座席管理システムについて説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。この発明にかかる実施の形態2の座席管理システムは、上述した実施の形態1の座席管理システムと同様の施設100に適用することができる。
【0099】
図8は、この発明にかかる実施の形態2の座席管理システムのシステム構成を示す説明図である。
図8において、この発明にかかる実施の形態2の座席管理システム800は、座席管理装置210と、利用者の端末装置810との間で通信可能な端末装置820(
図9Aを参照)と、を備えている。
【0100】
利用者の端末装置810は、良好な可搬性と通信機能とを備えており、具体的には、たとえば、スマートフォンによって実現することができる(
図9Bを参照)。端末装置820と利用者の端末装置810とは、ブルートゥースやNFC(Near Field Communications)などの近距離無線通信規格を利用して相互に通信可能とされている。
【0101】
(端末装置820のハードウエア構成の一例)
つぎに、端末装置820のハードウエア構成の一例について説明する。
図9Aは、この発明にかかる実施の形態2の端末装置820を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0102】
図9Aにおいて、端末装置820は、CPU321と、メモリ322と、ネットワークI/F323と、近距離無線通信I/F911と、LED325と、を備えている。CPU321は、端末装置820の全体の制御をつかさどる。メモリ322は、近距離無線通信I/F911による近距離無線通信に供されるアプリケーションプログラムやデータなどを記憶している。CPU321は、メモリ322が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、端末装置220の全体の制御をつかさどる。
【0103】
近距離無線通信I/F911は、端末装置820の内部と、利用者の端末装置810とのインターフェイスをつかさどる。近距離無線通信I/F911は、端末装置820の内部と、利用者の端末装置810間におけるデータの入出力を制御する。近距離無線通信I/F911は、具体的には、たとえば、ブルートゥースやNFCなどの規格にしたがった通信をおこなう。
【0104】
LED325は、上述した実施の形態1と同様に、CPU321によって制御されて、発光したり、消灯したりする。CPU321は、座席管理装置210から送信される発光制御信号に基づいて、LED325を各種の発光パターンで発光させる。具体的に、CPU321は、座席管理装置210から送信される発光制御信号に基づいて、上述した実施の形態1と同様に、各種のパターンでLED325を、継続して発光させたり、発光と消灯とを等間隔で繰り返す点滅パターンで発光したり、消灯したりする。
【0105】
(利用者の端末装置810のハードウエア構成の一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の利用者の端末装置810のハードウエア構成の一例について説明する。
図9Bは、利用者の端末装置810を実現するスマートフォンのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0106】
図9Bにおいて、利用者の端末装置(スマートフォン)810は、CPU921と、メモリ922と、ネットワークI/F923と、ディスプレイ924と、操作部925と、マイク926と、スピーカー927と、カメラ928と、近距離無線通信I/F929と、を備えている。スマートフォンが備える各構成部921〜929は、バス920によってそれぞれ接続されている。
【0107】
CPU921は、スマートフォンの全体の制御をつかさどる。CPU921は、メモリ922が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、スマートフォンの全体の制御をつかさどる。メモリ922は、ROM、RAMなどによって実現することができる。ネットワークI/F923は、ネットワーク101を介して、外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。また、ネットワークI/F923は、電話回線網に接続されており、別のスマートフォン(あるいは、携帯型電話機、PHS)などの通信端末装置や、固定型電話機との間における音声による通話を実現する。
【0108】
ディスプレイ924は、たとえば、スマートフォンにおいて設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示する。ディスプレイ924は、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
【0109】
操作部925は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。操作部925は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される操作部925は、当該操作部925に対する入力操作に応じた信号をCPU921に対して出力する。操作部925をタッチパネルによって実現する場合、当該タッチパネルは、ディスプレイ924の表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。
【0110】
マイク926は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカー927は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。カメラ928は、操作部925の操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、メモリ232などに記憶される。
【0111】
近距離無線通信I/F929は、スマートフォンの内部と、端末装置820とのインターフェイスをつかさどる。近距離無線通信I/F929は、スマートフォンの内部と、端末装置820間におけるデータの入出力を制御する。近距離無線通信I/F929は、端末装置820における近距離無線通信規格にしたがった通信をおこなう。具体的には、近距離無線通信I/F929は、たとえば、ブルートゥースやNFCなどの規格にしたがった通信をおこなう。
【0112】
実施の形態2の座席管理システム800においては、
図4Aに示す座席管理データベース410、
図4Bや
図4Cに示すグループ管理データベース420、430などの各種のデータベースにおける利用者の識別情報として、利用者の端末装置(スマートフォン)810の識別情報を記憶している。利用者の端末装置810の識別情報は、利用者の端末装置810に固有の情報であって、具体的には、たとえば、当該利用者の端末装置810に割り当てられた電子メールアドレスや製造番号などによって実現することができる。
【0113】
(座席管理装置210の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の座席管理装置210の機能的構成について説明する。この発明にかかる実施の形態2の座席管理装置210の各機能は、記憶部501と、利用確認要求取得部502と、指定可能数算出部503と、報知信号出力部504と、案内部505と、によって実現することができる。
【0114】
利用確認要求取得部502は、利用確認要求を取得する。利用確認要求取得部502は、たとえば、端末装置820から送信される、利用確認要求を受信することによって当該利用確認要求を受け付ける。実施の形態2の座席管理システム800においては、利用者が当該利用者の端末装置(スマートフォン)810を端末装置820にかざすなどして、利用者の端末装置810が端末装置820との通信可能な圏内に位置づけられた場合におこなわれる、端末装置820と利用者の端末装置810との通信によって、端末装置820が利用者の端末装置810から利用者の識別情報を取得する。
【0115】
クレジットカードなどのカード状の媒体に代えて、スマートフォンなどによって実現される利用者の端末装置810を用いる実施の形態2の座席管理システム800においては、利用者の識別情報に加えて、利用者の端末装置810が、チケット番号、イベントの識別情報(イベントの開催日時や開催施設の識別情報など)、チケットの種類(指定席か自由席かなど)などの、チケットに関する情報を記憶していてもよい。
【0116】
(端末装置820の処理手順の一例)
つぎに、端末装置820の処理手順の一例について説明する。
図10は、この発明にかかる実施の形態2の端末装置820の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置(スマートフォン)810から端末装置820に送信される、デバイス検索要求を受信するまで待機する(ステップS1001:No)。デバイス検索要求は、たとえば、利用者の端末装置810に関し、デバイス検索要求を送信する所定の操作がおこなわれた場合に、当該利用者の端末装置810において生成され、当該利用者の端末装置810から送信される。
【0117】
具体的に、座席管理システム800を用いて提供されるサービスの利用者は、当該サービスの提供者などから提供される所定のアプリケーションを、当該サービスの利用に先立って、利用者の端末装置810にあらかじめインストールしておく。そして、サービスの利用に際して、利用者は、所定のアプリケーションを起動した状態の利用者の端末装置810を、当該利用者が指定したい座席に設けられた端末装置820に近づける。このような、所定のアプリケーションを起動し、所定の端末装置820に近づけるという所定の操作により、利用者の端末装置810による電波の出力範囲内に近づけられた利用者の端末装置810からデバイス検索要求を受信することができる。
【0118】
ステップS1001において、デバイス検索要求を受信した場合(ステップS1001:Yes)、当該デバイス検索要求の送信元の利用者の端末装置810とのペアリングを実行する(ステップS1002)。ステップS1002においては、たとえば、デバイス検索要求の送信元の利用者の端末装置810と端末装置820との間において、互いを認証する処理をおこなうことによってペアリングを実現することができる。
【0119】
ペアリングをおこなうことにより、端末装置820が無関係の機器と通信をすることを防止してセキュリティ性を維持することができる。ステップS1002においては、利用者の端末装置810と端末装置820との間でブルートゥースを用いた通信に際して必須となるペアリングをおこなうようにしたが、通信規格によってはペアリングの処理をおこなわなくてもよい。
【0120】
つぎに、ステップS1001:Yesにおいてデバイス検索要求を受信した端末装置820が設けられた座席101が、利用可能な座席101であるか否かを判断する(ステップS1003)。ステップS1003においては、たとえば、該当する座席101に設けられた端末装置820のLED325の点灯状態(消灯している状態か)を判断したり、座席管理データベース410を参照したりすることにより、当該座席101が利用可能な座席101であるか否かを判断することができる。
【0121】
ステップS1003において、利用可能な座席101であると判断した場合(ステップS1003:Yes)、ステップS1002においてペアリングをおこなった利用者の端末装置810と通信をおこない、当該利用者の端末装置810から利用者の識別情報を取得する(ステップS1004)。そして、ステップS1004において取得した利用者の識別情報に基づいて、利用確認要求を生成し(ステップS1005)、座席管理装置210に対して、ステップS1005において生成された利用確認要求を送信する(ステップS1006)。
【0122】
つぎに、ステップS1006において送信した利用確認要求に応じて、座席管理装置210から送信される発光制御信号を受信するまで待機する(ステップS1007:No)。ステップS1007においては、ステップS1006において利用確認要求を送信してから所定時間内に発光制御信号を受信しなかった場合、通信エラーが発生したものと判断し、ステップS1006に移行して、利用確認要求を再送信してもよい。
【0123】
ステップS1007において、発光制御信号を受信した場合(ステップS1007:Yes)、受信した発光制御信号に基づいてLED325を発光制御して(ステップS1008)、一連の処理を終了する。一方、ステップS1003において、利用可能な座席101ではないと判断した場合(ステップS1003:No)、LED325を発光制御することによって当該LED325を点滅させ(ステップS1009)、座席101の指定ができないことを報知した後に一連の処理を終了する。
【0124】
この発明にかかる実施の形態2の座席管理装置210は、
図6のステップS1006において送信された利用確認要求を受信した場合に、上述した
図7Aに示した処理と同様の処理をおこなって、該当する端末装置820に対して発光制御信号を送信する。また、この発明にかかる実施の形態2の座席管理装置210は、施設100への入場者数が更新されるごとに、上述した
図7Bに示した処理と同様の処理をおこない、施設100の混雑状況に応じて、利用者が指定(利用ないし仮確保)できる座席数を調整する。
【0125】
<実施の形態3>
つぎに、この発明にかかる実施の形態3の座席管理装置を備えた座席管理システムについて説明する。実施の形態3においては、上述した実施の形態1または実施の形態2と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。この発明にかかる実施の形態3の座席管理システムは、上述した実施の形態1または実施の形態2の座席管理システムと同様の施設100に適用することができる。
【0126】
図11は、この発明にかかる実施の形態3の座席管理システムのシステム構成を示す説明図である。
図11において、この発明にかかる実施の形態3の座席管理システム1100は、座席管理装置210と、利用者の端末装置1110と、を備えている。座席管理装置210と利用者の端末装置1110とは、インターネットなどのネットワーク1101を介して、相互に通信可能とされている。利用者の端末装置1110は、上述した実施の形態2における
図9Bに示した利用者の端末装置(スマートフォン)810と同様の端末装置(スマートフォン)によって実現することができる。
【0127】
また、座席管理システム1100が適用される施設100における各座席101には、上述したLED325と、当該LED325の発光や消灯を制御するCPU321と、CPU321による座席管理装置210との通信をつかさどるネットワークI/F323と、が設けられている。
【0128】
(座席管理データベースの一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態3の座席管理データベースの一例について説明する。
図12は、座席管理データベースの一例を示す説明図である。
図12において、座席管理データベース1200は、自由席に該当する座席101の識別情報ごとに、当該座席101の指定状態、指定日時に関する情報を関連付けて記憶している。座席管理データベース1200は、施設100における自由席に該当する座席101のすべてについて、座席101の指定状態を記憶している。座席101の指定状態は、座席101が座席管理システム1100の利用によって指定されている状態であるか否かを示す。
【0129】
利用者の端末装置1110には、当該サービスの利用に先立って、座席管理システム1100を用いて提供されるサービスの利用者などの操作によって、当該サービスの提供者などから提供される所定のアプリケーションがあらかじめダインストールされている。これにより、利用者の端末装置1110を実現するスマートフォンが備えるディスプレイ924には、あらかじめインストールされたウェブブラウザの機能により、座席管理データベース1200が記憶する各座席101の指定状態を示す表あるいは図面を表示させることができる。このとき、利用者の識別情報あるいはチケット番号の入力をともなわせることにより、施設100の混雑状況に応じて、指定可能な座席数をあわせてディスプレイ924に表示させるようにしてもよい。
【0130】
このような構成において、利用者は、利用者の端末装置1110を用いてディスプレイ924に表示させた情報(座席管理データベース1200が記憶する各座席101の指定状態)に基づいて、自由席に該当する座席101の中から、指定状態としたい座席101を選択する。利用者の端末装置1110は、指定状態としたい座席101の選択を受け付けると、選択内容を示す情報を、座席管理装置210に送信する。
【0131】
座席管理装置210は、利用者の端末装置1110から受信した情報(指定状態としたい座席101を示す情報)に基づいて、座席管理データベース1200を更新する。これにより、スマートフォンなどの、利用者の端末装置1110を用いて、自由席を指定状態とする操作をおこなうことができる。
【0132】
なお、座席管理データベース1200は、座席101の指定状態は、座席101が座席管理システム1100の利用によって指定されている状態であるか否かを示すものであって、座席管理データベース1200においては「指定状態ではない」状態として管理されている座席101が実際に空席であることを保証するものではない。すなわち、座席管理システム1100が指定の対象とする座席102は自由席であり、座席管理システム1100は、施設100の混雑状況に応じて、現在利用されていない自由席の中から、先に施設100に来場した利用者が指定(利用ないし仮確保)できる座席数を調整することによる施設100の有効利用の促進を図ることを目的としている。そして、座席管理システム1100は、施設100内が混雑してきた場合には当該混雑状況に応じて、「チケット1枚につき自身が着席している自由席1席」という本来の状態に近づけるように、利用者が指定(利用ないし仮確保)できる座席数を調整する。
【0133】
このため、上述した実施の形態3の座席管理システム1100を用いる場合、施設100の外(場外)において利用者の端末装置(スマートフォン)1110を操作することにより、座席管理データベース1200の内容に基づいて自由席を指定する操作をおこなった場合にも、実際に施設100に来場した際には、当該利用者よりも先に来場した別の利用者が既に着席していることが想定される。このような状況が生じることを回避するため、座席管理システム1100においては、たとえば、各座席101に、座席101ごとの着席の有無に応じて出力が変化するセンサを設けてもよい。
【0134】
この場合、各センサの出力は、座席管理装置210に送信する。各センサの出力は、各センサから座席管理装置210に直接送信するものに限らない。たとえば、座席管理装置210と各センサとの間に、所定数の中継機(図示を省略する)を設け、各センサからの出力を、中継機を介して座席管理装置210に送信するようにしてもよい。また、この場合、各センサは、座席101の識別情報など、いずれの座席に101に設けられたセンサからの出力であるかを示す情報を含む信号を座席管理装置210に送信する。
【0135】
このように各座席にセンサを設けた座席管理システム1100において、座席管理装置210は、各センサの出力と座席管理データベース1200の内容とに基づいて、各座席101の指定状態を管理することができる。具体的に、座席管理装置210は、たとえば、座席管理データベース1200において「指定状態ではない」状態として管理されている座席101に対応するセンサから、着席を示す信号を受信した場合、当該座席101の指定状態が「指定状態」ではなくても、当該座席101が利用可能な座席101ではないことを報知させる発光制御信号を送信する。
【0136】
これにより、実際に来場して着席している利用者と、座席管理データベース1200の内容に基づいて利用者の端末装置1110を用いて座席101を「指定状態」とした利用者とのトラブルなどを回避することができる。
【0137】
また、具体的に、座席管理装置210は、たとえば、座席管理データベース1200において「指定状態ではない」状態として管理されている座席101に対応するセンサから、着席を示す信号を受信した場合、座席管理データベース1200における該当する座席101が使用中である旨を記憶する。この場合、座席管理データベース1200の内容に基づいて利用者の端末装置1110を用いて座席101を「指定状態」としたい利用者が、既に着席している座席101を指定状態としてしまうことを回避できる。そして、これにより、実際に来場して着席している利用者と、座席管理データベース1200の内容に基づいて利用者の端末装置1110を用いて座席101を「指定状態」とした利用者とのトラブルなどを回避することができる。
【0138】
なお、上述した実施の形態3においては、利用者の端末装置(スマートフォン)1110を利用者が操作することによって、自由席に該当する座席101の中から指定状態としたい座席101を選択させるようにしたが、当該座席101の選択方法はこれに限るものではない。たとえば、あらかじめ所定のアプリケーションがインストールされたスマートフォンを用いて座席の識別情報を読み取り、読み取った座席の識別情報に基づいて利用確認要求を生成し、当該利用確認要求を座席管理装置210に対して送信するようにしてもよい。これにより、クレジットカードの非保有者が現金で自由席を購入した場合にも、座席管理システム800を用いて提供されるサービスを享受することができる。
【0139】
<実施の形態4>
つぎに、この発明にかかる実施の形態4の座席管理装置を備えた座席管理システムについて説明する。実施の形態4においては、上述した実施の形態1〜3と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。この発明にかかる実施の形態4の座席管理システムは、上述した実施の形態1〜3の座席管理システムと同様の施設100に適用することができる。
【0140】
図13は、この発明にかかる実施の形態4の座席管理システムのシステム構成を示す説明図である。
図13において、この発明にかかる実施の形態4の座席管理システム1300は、座席管理装置210と、端末装置220と、を備えている。座席管理装置210および端末装置220は、それぞれインターネットなどのネットワーク1101に接続されている。ネットワーク1101には、カード会社などが管理するカード会社サーバ1310が接続されている。座席管理装置210は、ネットワーク1101を介して、利用者の端末装置1110およびカード会社サーバ1310と通信可能とされている。
【0141】
カード会社サーバ1310は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置と同様のコンピュータ装置によって実現することができる。カード会社サーバ1310は、クレジットカードのカード番号と、当該クレジットカードの利用者に関する情報と、当該クレジットカードの利用履歴に関する情報と、を関連付けて記憶するデータベース(図示を省略する)を備えている。
【0142】
利用者に関する情報は、利用者および当該利用者のクレジットカードに関する各種の情報であって、たとえば、利用者の氏名、住所・連絡先(請求書の送付先)、クレジットカードの有効期限、電話番号、性別、利用限度額などの利用者の支払い能力に関する情報、などによって実現することができる。利用履歴に関する情報は、クレジットカードを利用しておこなった決済の金額や日時、決済の場所などに関する情報によって実現することができる。
【0143】
(利用履歴データベースの一例)
図14は、利用履歴データベースの一例を示す説明図である。
図14において、利用履歴データベース1400は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるメモリ312に設けられている。
【0144】
利用履歴データベース1400は、クレジットカードなどのカード番号によって実現される利用者の識別情報と、当該利用者の識別情報によって識別される利用者のクレジットカードの利用履歴情報と、を関連付けて記憶している。クレジットカードの利用履歴情報は、当該クレジットカードを利用しておこなった決済の金額(利用金額)、当該決済をおこなった日時(利用日時)、当該決済がおこなわれた施設(利用施設)などに関する情報を含んでいる。
【0145】
座席管理装置210は、カード会社サーバ1310と通信をおこない、カード会社サーバ1310のデータベースに記憶されている情報から利用履歴データベース1400の構築にかかる情報を取得する。座席管理装置210とカード会社サーバ1310との通信は、10分ごと、20分ごとなどの所定時間ごとにおこなってもよく、カード会社サーバ1310のデータベースが更新されるごとにおこなってもよい。
【0146】
(座席管理装置210の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態4の座席管理装置210の機能的構成について説明する。
図15は、この発明にかかる実施の形態4の座席管理装置210の機能的構成を示すブロック図である。
図15において、座席管理装置210の各機能は、記憶部(クレジットカード利用履歴情報記憶手段)501と、利用確認要求取得部502と、指定可能数算出部503と、報知信号出力部504と、案内部505と、利用履歴取得部1501と、によって実現することができる。
【0147】
記憶部501は、上述した実施の形態1〜3における各種データベースに加えて、利用履歴データベース1400を備えている。利用履歴取得部1501は、カード会社サーバ1310と通信をおこなうことによって、カード会社サーバ1310から、利用履歴データベース1400の構築にかかる情報を取得する。利用履歴取得部1501の機能は、座席管理装置210を実現するコンピュータ装置が備えるCPU311、メモリ312、ネットワークI/F313などによって実現することができる。
【0148】
指定可能数算出部503は、記憶部501において記憶されているクレジットカードの利用履歴情報を参照して、利用確認要求取得部502によって取得された利用確認要求に含まれる利用者の識別情報に関連付けられたクレジットカードの利用履歴情報に基づいて、利用者が指定可能な座席数を算出する。
【0149】
この場合、具体的に、指定可能数算出部503は、たとえば、利用者が来場中の施設100でのクレジットカードの利用金額が多いほど、利用金額が少ない利用者よりも利用者が指定可能な座席数が多くなるように当該座席数を算出する。さらに、指定可能数算出部503は、たとえば、利用者が来場中の施設100での、当日におけるクレジットカードの利用金額が多いほど、利用金額が少ない利用者よりも利用者が指定可能な座席数が多くなるように当該座席数を算出してもよい。
【0150】
また、指定可能数算出部503は、たとえば、クレジットカードの利用履歴情報に基づく利用金額と施設100の混雑状況とに応じて、利用者が指定可能な座席数を算出してもよい。具体的に、たとえば、施設100への入場者数(自由席のチケットで入場した入場者数)が少ないために利用者1人あたりの座席数を多く算出する場合に、利用金額が多い利用者ほど、利用金額が少ない利用者よりも多くの座席数を指定できるように座席数を算出する。
【0151】
また、具体的に、たとえば、施設100への入場者数(自由席のチケットで入場した入場者数)が多いために利用者1人あたりの座席数を少なく算出する場合に、利用金額が少ない利用者が指定可能な座席数の減算を、利用金額が多い利用者が指定可能な座席数の減算よりも早いタイミングでおこなうように、座席数の算出をおこなってもよい。これにより、施設が混雑し始めたために占有している座席を解放していくことになったときに、クレジットカードの利用金額が少ない利用者は早々に、利用金額が多い利用者は遅れて、占有している座席を解放する(解放させる)ように案内することができる。
【0152】
なお、上述した実施の形態4の座席管理システム1300によるサービスの提供においては、あらかじめ、カードが備えるICチップに、利用者の識別情報に加えてチケット番号を記憶させておいてもよい。チケット番号は、たとえば、汎用的なカードリーダライタを用いて、利用者自身が書き込むようにしてもよい。これにより、カード会社サーバとの間で通信をおこなうことなく、利用者の識別情報を取得する際に、あわせてチケット番号を取得することができる。
【0153】
そして、これにより、クレジットカードの保有者であって現金で自由席のチケットを購入した利用者に対しても、座席管理システム1300によるサービスを提供することができる。すなわち、カード会社サーバ1301のデータベースにチケット番号の記録がなくても、座席管理システム1300によるサービスを利用可能なクレジットカードを保有している利用者に対しては、当該サービスを提供することができる。また、施設100における利用金額に応じて指定可能な座席数が多く算出されるので、クレジットカードの利用促進を図ることができる。
【0154】
この発明にかかる座席管理装置は、上述した実施の形態4において説明したシステム構成の座席管理システム1300に限るものではない。座席管理システム1300に代えて、カード会社サーバ1310の機能を備えたコンピュータ装置によって座席管理装置を実現してもよい。
【0155】
以上説明したように、この実施の形態の座席管理装置210は、複数の座席101が配置された施設100の各座席101に設けられた端末装置220の識別情報および利用者の識別情報を含む利用確認要求を受け付けると、当該利用確認要求に含まれる利用者の識別情報によって特定される利用者が指定可能な座席数が、該当する利用者が指定中の座席数よりも少ない場合、利用確認要求の送信元の端末装置220に対して、当該座席101のLED325を発光させる発光制御信号を出力するようにしたことを特徴としている。
【0156】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、利用可能な座席101を指定した利用者が既に指定中の座席数が、指定可能な座席数として算出された座席数よりも少ない場合は、指定中の座席101に加えて、当該利用者によってあらたに指定された座席101が、当該利用者による利用中の座席101であることが報知される。これにより、利用者は、席取りのために着席し続けたり荷物を置いたりすることなく、指定可能な座席数の範囲内で複数の座席数を取り置くことができる。
【0157】
このように、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、席取りのために着席し続けるために一時の離席もできないことによる利用者の不自由や、席取りのために座席101に置いた荷物の盗難の心配をなくし、施設100の利用者の自由度の向上を図ることができる。
【0158】
施設100の利用者の自由度の向上を図ることにより、利用者の利便性の向上を図ることができる。具体的には、たとえば、席取りのために座席101に置いた荷物の盗難の心配をなくすことにより、施設内での買い物を促進することができる。また、利便性の向上を図ることにより、施設100の利用者数の増加を図り、施設100および当該施設100を利用しておこなうイベントの収益性の向上を図ることができる。
【0159】
このように、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、席取りのために座席101に置いた荷物の盗難の心配をなくし、単独(1人)でスタジアム、アリーナなどにおけるスポーツ観戦をしている利用者の行動を制限することを抑えることができる。これにより、特に、単独(1人)で来場している利用者の利便性を大きく向上させることができる。
【0160】
また、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210は、利用可能な座席数が指定中の座席数と一致する場合、当該指定中の座席101のうち、もっとも早く指定された座席101の端末装置220に対して、当該座席101のLED325を発光させる発光制御信号を出力するとともに、利用確認要求の送信元の端末装置220に対して、当該座席101のLED325を発光させる発光制御信号を出力するようにしたことを特徴としている。
【0161】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、利用可能な座席101を指定した利用者が既に指定中の座席数が、当該利用者が指定可能な座席数として算出された座席数と一致する場合は、もっとも早く指定された座席101(最先の座席101)の指定が解除されて、あらたに指定された座席101(最新の座席101)が、当該利用者による利用中の座席101であることが報知される。これにより、利用者は、先におこなった座席101の指定をキャンセルする格別な操作や手続きをおこなうことなく、最新の座席101を取り置くことができる。また、利用者は、指定中の座席数や指定可能な座席数を管理することなく、指定可能な範囲内で最多の座席数を取り置くことができる。
【0162】
また、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210は、利用可能な座席数が指定中の座席数と一致する場合、利用確認要求の送信元の端末装置220に対して、当該座席101のLED325を消灯させる発光制御信号を出力するようにしたことを特徴としている。
【0163】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、利用可能な座席101を指定した利用者が既に指定中の座席数が、当該利用者が指定可能な座席数として算出された座席数と一致する場合は、あらたに指定された座席101(最新の座席101)の指定ができないことが報知される。これにより、先に施設100に入場した利用者が、無制限に座席101を取り置くことを防止できる。
【0164】
そして、これにより、限られた利用者が過剰な座席101を取り置くことによって他者の座席101の選択範囲が狭くなることを回避し、施設100の入場者の多くに施設100を有効に利用させることができる。これによって、施設100全体で利用者の利便性の向上を図り、施設100および当該施設100を利用しておこなうイベントの収益性の向上を図ることができる。
【0165】
また、この実施の形態の座席管理装置210は、指定中の座席101のうちのいずれかの座席101に設けられた端末装置220の識別情報および利用者の識別情報を含む利用確認要求を受け付けた場合、当該利用確認要求の送信元の端末装置220に対して、当該座席101のLED325を消灯させる発光制御信号を出力するようにしたことを特徴としている。
【0166】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、既に指定された座席101に設けられた端末装置220の識別情報を含む利用確認要求を受け付けた場合は、指定可能な範囲内で最多の座席数が指定されていない状況であっても、当該座席101の指定をキャンセルすることができる。これにより、利用者自身が、施設100内の混雑状況などに応じて座席101の指定をキャンセルすることができ、施設100の円滑な利用を促進することができる。
【0167】
また、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210は、グループ管理データベース420を参照して、同一のグループに属する利用者の人数以上の座席数を指定可能な座席数として算出するようにしたことを特徴としている。
【0168】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、複数の利用者からなるグループ単位で座席101を指定することができる。これにより、利用者は、同じグループの利用者の座席101をまとめて指定することができるので、利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0169】
また、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210は、施設100において利用可能な座席数と当該施設100への入場者数とに基づいて、指定可能な座席数を算出するようにしたことを特徴としている。
【0170】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、施設100の混雑状況に応じて、利用者が指定可能な座席数を調整することができる。これにより、利用者は、施設100への入場者数が少ないときは多くの座席101を取り置いてゆとりのある状態で施設100を利用できる。このように、施設100の混雑状況に応じて、利用者が指定できる座席数を調整することにより、状況に応じて能う限り利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0171】
また、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210は、座席管理データベース410を参照して、指定可能な座席数よりも多くの座席数を指定中の利用者が存在する場合、指定中の座席数を指定可能な座席数以下とすることを促す案内をおこなうようにしたことを特徴としている。
【0172】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、施設100の混雑状況に応じて、利用者が指定可能な座席数を調整するとともに、指定可能な座席数よりも多くの座席数を取り置いている利用者に対して、指定可能な座席数以下とすることを促すことができる。これにより、他者の座席101の選択範囲が狭くなったり、他者が座席101を利用できなくなることを回避し、施設100の入場者の多くに施設100を有効に利用させることができる。これによって、施設100全体で利用者の利便性の向上を図り、施設100および当該施設100を利用しておこなうイベントの収益性の向上を図ることができる。
【0173】
また、この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210は、指定可能な座席数よりも多くの座席数を指定中の利用者が存在する場合、該当する利用者が指定中の座席101のうち、もっとも早く指定された座席101または直近に指定された座席101の端末装置220に対して、当該座席101のLED325を消灯させる発光制御信号を出力するようにしたことを特徴としている。
【0174】
この発明にかかる実施の形態の座席管理装置210によれば、施設100の混雑状況に応じて、指定可能な座席数よりも多く取り置かれている座席101の指定を解除することができる。これにより、他者の座席101の選択範囲が狭くなったり、他者が座席101を利用できなくなることを確実に回避し、施設100の入場者の多くに施設100を有効に利用させることができる。これによって、施設100全体で利用者の利便性の向上を図り、施設100および当該施設100を利用しておこなうイベントの収益性の向上を図ることができる。
【0175】
なお、この実施の形態で説明した座席管理方法は、あらかじめ用意されたプログラム(座席管理プログラム)をパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。