(54)【発明の名称】触覚効果を提供するためにメカニカルキー及び一体型スマート材料アクチュエーターを備える触覚的に強化されたユーザー入力エレメントを有する触覚周辺装置
【解決手段】触覚周辺装置はハウジングと触覚的に強化された入力素子を備える。入力素子はユーザーから入力を受信し、キーキャップを有するメカニカルキーを備え、該キーはユーザーと接触する接触面と、接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。スマート材料アクチュエーターは、プロセッサから制御信号を受信し、制御信号に応答して、キーキャップに対して接触面の一部を変形させ、それによってユーザーに触覚効果を提供する。触覚周辺装置はメカニカルキーを押し込まれた位置でホールドし、非アクティブステータスをユーザーに示す、メカニカルキーに結合されたブレーキアクチュエーターも備える。触覚周辺装置及び触覚的に強化された入力素子はモジュール式でも良い。
前記触覚的に強化された入力エレメントはモジュール式であり、前記ユーザーによって前記キーボードの前記複数のキーのうちの1つを選択的に置き換えるように構成される、請求項3に記載の触覚周辺装置。
前記触覚的に強化された入力エレメントは、前記ユーザーによって、ポスト上にクリップして前記キーボードに結合し、前記キーボードの前記複数のキーのうちの1つを置き換えるように構成される、請求項4に記載の触覚周辺装置。
前記触覚的に強化された入力エレメントは、前記ユーザーによって、前記キーボードに磁気的に結合し、前記キーボードの前記複数のキーのうちの1つを置き換えるように構成される、請求項4に記載の触覚周辺装置。
前記触覚周辺装置はゲーミングコントローラーであり、前記触覚的に強化された入力エレメントは、前記ゲーミングコントローラーのボタン又はトリガーである、請求項1に記載の触覚周辺装置。
前記メカニカルキーに結合されたブレーキアクチュエーターを更に備え、前記ブレーキアクチュエーターは、前記メカニカルキーを押下された位置でホールドして、非アクティブステータスをユーザーに示すように構成される、請求項1に記載の触覚周辺装置。
前記磁性ブレーキアクチュエーターは、ユーザーによって前記メカニカルキーが押し込まれている間、前記メカニカルキーの堅さを調整するようにも構成される、請求項11に記載の触覚周辺装置。
触覚周辺装置であって、ハウジングと、ユーザーから入力を受信する触覚的に強化された入力エレメントと、スマート材料アクチュエーターと、ブレーキアクチュエーターとを備え、
前記触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、前記ユーザーに接触するユーザー接触面を備えたキーキャップを有するメカニカルキーを備え、
前記スマート材料アクチュエーターは、前記メカニカルキーの前記ユーザー接触面上に一体化され、プロセッサから制御信号を受信し、前記制御信号に応答して、前記メカニカルキーの前記キーキャップに対して前記ユーザー接触面の少なくとも一部分を変形させ、それによって前記触覚周辺装置のユーザーに触覚効果を提供し、
前記ブレーキアクチュエーターは、前記メカニカルキーに結合され、前記メカニカルキーを押下された位置にホールドして、非アクティブステータスをユーザーに示す、触覚周辺装置。
前記触覚的に強化された入力エレメントはモジュール式であり、ユーザーによってキーボードの複数のキーのうちの1つを選択的に置き換えるように構成される、請求項13に記載の触覚周辺装置。
前記触覚周辺装置はゲーミングコントローラーであり、前記触覚的に強化された入力エレメントは、前記ゲーミングコントローラーのボタン又はトリガーである、請求項13に記載の触覚周辺装置。
前記ブレーキアクチュエーターは磁性であり、ユーザーによって前記メカニカルキーが押し込まれている間、前記メカニカルキーの堅さを調整するようにも構成される、請求項13に記載の触覚周辺装置。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による、触覚周辺装置を備えるシステムの概略図であり、システムは、ホストコンピューター及びディスプレイも備える。
【
図3】本発明の一実施形態による、触覚周辺装置のための触覚的に強化されたユーザー入力エレメントの概略斜視図であり、触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。
【
図4】スマート材料又は圧電アクチュエーターの展開斜視図である。
【
図4A】共に結合された
図4のコンポーネントの斜視図である。
【
図4B】電荷を生成し、それに応じて曲がった後の
図4Aの斜視図である。
【
図5A】本発明の別の実施形態による、触覚周辺装置のための触覚的に強化されたユーザー入力エレメントの概略側面図であり、触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。メカニカルキーは、静止状態又は非押下状態で示される。
【
図5B】
図5Aの触覚的に強化されたユーザー入力エレメントの概略側面図であり、メカニカルキーは、押し込まれた状態又は押下された状態で示される。
【
図6A】本発明の別の実施形態による、触覚周辺装置のための触覚的に強化されたユーザー入力エレメントの概略側面図であり、触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターと、ブレーキアクチュエーターを備える。メカニカルキーは、静止状態又は非押下状態で示される。
【
図6B】
図6Aの触覚的に強化されたユーザー入力エレメントの概略側面図であり、メカニカルキーは、ブレーキアクチュエーターを介して押し込まれた状態又は押下された状態で示される。
【
図6C】
図6A及び
図6Bにおいて用いるための例示的なブレーキアクチュエーターの概略側面図である。
【
図6D】
図6A及び
図6Bにおいて用いるための別の例示的なブレーキアクチュエーターの概略上面図である。
【
図7】複数のキーレセプタクルを有するモジュラーキーボードの斜視図である。
【
図7A】
図7のモジュラーキーボードの単一のキーレセプタクルの拡大斜視図である。
【
図8A】
図7のモジュラーキーボードのための触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントの斜視図であり、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターとを備える。また、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、クリップ又はポストを介して
図7Aのキーレセプタクルに結合されるように構成される。
【
図8B】
図8Aの触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントの別の斜視図である。
【
図9】本発明の別の実施形態によるキーレセプタクルと触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントとの間の接続の概略側面図である。
【
図10】複数のモジュラーキー又はユーザー入力エレメントを有するモジュラーキーボードの上面図であり、少なくとも1つのモジュラーキーは触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントである。
【
図11】
図10の単一の触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントの概略斜視図であり、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。また、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、磁石を介して
図10のモジュラーキーボードに結合されるように構成される。
【
図12】
図10の単一の触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントの概略斜視図であり、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。また、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、電磁石を介して
図10のモジュラーキーボードに結合されるように構成される。
【
図13】本発明の別の実施形態による触覚周辺装置の斜視図であり、触覚周辺装置は、ユーザーに触覚効果を提供するための触覚的に強化されたユーザー入力エレメントを備えるゲーミングコントローラーであり、触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。
【
図15】ホストコンピューターと併せた
図13の触覚周辺装置のブロック図である。
【
図16】本発明の別の実施形態による触覚周辺装置の斜視図であり、触覚周辺装置は、ユーザーに触覚効果を提供するための触覚的に強化されたユーザー入力エレメントを備えるゲーミングタブレットであり、触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示されるような本発明の実施形態の以下の説明から明らかであろう。本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は更に、本発明の原理を説明するとともに、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にする役割を果たす。図面は一定縮尺ではない。
【0013】
ここで本発明の特定の実施形態を、同様の参照符号が同一又は機能的に類似した要素を示す図面を参照して説明する。
【0014】
以下の詳細な説明は本来例示的なものでしかなく、本発明又は本発明の用途及び使用を限定するように意図されていない。さらに、前述の技術分野、背景技術、発明の概要又は以下の詳細な説明に提示されている、明示又は暗示されるいかなる理論にも制限されることは意図されていない。さらに、以下の説明は、ゲーミング機器、及びゲーミング機器のためのコントローラーを対象としているが、当業者であれば、この説明が、他の触覚フィードバック装置にも等しく適用されることを認識するであろう。
【0015】
本発明の実施形態は、触覚フィードバックシステムの触覚周辺装置に関し、触覚周辺装置は、ハウジングと、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント又はキーを備える。触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、ユーザーから入力を受信するように構成され、メカニカルキー又はばねベースのキーを備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面と、ユーザー接触面上に一体化されたスマート材料アクチュエーターを備える。スマート材料アクチュエーターは、プロセッサから制御信号を受信するように構成され、プロセッサからの制御信号に応答して、メカニカルキーのキーキャップに対し、ユーザー接触面の少なくとも一部分を変形し、それによって触覚周辺装置のユーザーに触覚効果を提供するように構成される。
【0016】
より詳細には、図面を参照すると、
図1は、触覚周辺装置102と、ホストコンピューター104と、ディスプレイ106とを備える触覚フィードバックシステム100の概略図である。
図2は、
図1のシステムのブロック図である。触覚周辺装置102は、ビデオ又は視覚ディスプレイ106上でユーザーに対しバーチャル環境を生成するように構成されたホストコンピューター又はコンピューターシステム104と通信する。ホストコンピューター104は、ビデオゲームコンソール、モバイル機器、又はディスプレイ上でユーザーにバーチャル環境を生成するように構成されたプロセッサを含む任意の他のタイプのコンピューターシステムを含むことができる。
図2のブロック図に示すように、ホストコンピューター104は、ホストプロセッサ108、メモリ110、及び視覚ディスプレイ106を含む。ホストコンピューター104は、メモリ110に記憶され、ホストプロセッサ108によって実行されるソフトウェアアプリケーションを実行する。ホストプロセッサ108は、任意のタイプの汎用プロセッサとすることができるか、又は触覚効果信号を提供するように特に設計されたプロセッサとすることができる。ホストプロセッサ108は、ホストコンピューター104全体を動作させる同じプロセッサとすることができるか、又は、別個のプロセッサとすることができる。ホストプロセッサ108は、どのような触覚効果を触覚周辺装置102に送出するか、また、どのような順序で触覚効果を送出するかを決定することができる。メモリ110は、任意のタイプの記憶装置、又は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)若しくは読出し専用メモリ(ROM)等のコンピューター可読媒体とすることができる。メモリ110は、同様に、ホストプロセッサの内部に位置するか、又は、内部メモリと外部メモリとの任意の組合せとすることができる。
【0017】
ホストコンピューター104は、有線手段又は無線手段によって視覚ディスプレイ106に結合される。視覚ディスプレイ106は、グラフィカル情報をユーザーに提供する任意のタイプの媒体とすることができる。これは、限定ではないが、モニター、テレビスクリーン、プラズマ、LCD、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、バーチャルリアリティーディスプレイ又は任意の他の表示機器を含む。一実施形態では、当技術分野において既知であるように、ホストコンピューター104はゲーミング機器コンソールであり、視覚ディスプレイ106は、ゲーミング機器コンソールに結合されたモニターである。別の実施形態では、当業者に既知であるように、ホストコンピューター104及び視覚ディスプレイ106は、単一機器になるよう組み合わせることができる。
【0018】
図1及び
図2に示す実施形態では、ホストコンピューター104は、有線接続又はUSB接続103を通して触覚周辺装置102と通信状態にある。一実施形態では、有線接続又はUSB接続103は、触覚周辺装置102とホストコンピューター104との間で信号を通信し、触覚周辺装置102に電力も提供する。スマート材料アクチュエーター(以下で説明される)等の本発明のコンポーネントは電力を必要とし、電力は、いくつかの実施形態では、有線接続又はUSB接続103を通じて供給することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエーターのための電力は、キャパシタ又は1つ若しくは複数の電池等の、触覚周辺装置102上に設けられる蓄電装置によって補うか又は単独で供給することができる。しかし、他の実施形態では、触覚周辺装置102は、当業者に既知の他の有線通信手段又は無線通信手段を使用して、ホストコンピューター104と通信することができる。これは、限定ではないが、シリアル接続又はBluetooth(登録商標)接続を含むことができる。さらに、ホストコンピューター104は、クラウド内に存在することができ、このため、ローカル形式で有線接続されることも無線接続されることも必要とされない。
【0019】
図2のブロック図に示すように、触覚周辺装置102は、接続103を介してホストコンピューター104と通信するローカルプロセッサ112と、ローカルメモリ114と、スマート材料アクチュエーター120と、全体触覚出力装置130とを備えるが、本明細書においてより詳細に説明されるように、全体触覚出力装置は全ての実施形態において必要とされるわけではない。動作時に、ローカルプロセッサ112はスマート材料アクチュエーター120及び全体触覚出力装置130に結合されて、ホストコンピューター104からの高レベルの監視コマンド又はストリーミングコマンドに基づいてスマート材料アクチュエーター120及び全体触覚出力装置130に制御信号を提供する。例えば、動作時に、電圧の大きさ及び持続時間がホストコンピューター104から触覚周辺装置102にストリーミングされる。ここで、情報はローカルプロセッサ112を介してスマート材料アクチュエーター120及び全体触覚出力装置130に提供される。ホストコンピューター104は、スマート材料アクチュエーター120及び/又は全体触覚出力装置130によって出力される触覚効果のタイプ(例えば、振動、ジョルト、デテント、ポップ等)等の高レベルコマンドをローカルプロセッサ112に提供することができ、それにより、ローカルプロセッサ112は、出力される触覚効果の特定の特性(例えば、大きさ、周波数、持続時間等)に関してスマート材料アクチュエーター120及び/又は全体触覚出力装置130に命令する。ローカルプロセッサ112は、ローカルプロセッサ112に結合されたローカルメモリ114から、触覚効果のタイプ、大きさ、周波数、持続時間、又は他の特性を索出することができる(
図2のブロック図に示される)。さらに、ホストコンピューター104のメモリ110と同様に、ローカルメモリ114は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読出し専用メモリ(ROM)等の任意のタイプの記憶装置又はコンピューター可読媒体とすることができる。ローカルメモリ114は、同様に、ローカルプロセッサの内部に位置するか、又は、内部メモリと外部メモリとの任意の組合せとすることができる。ホストプロセッサ108と同様に、ローカルプロセッサ112も、どのような触覚効果を送出するか、及びどのような順序で触覚効果を送出するかを決定することができる。さらに、ローカルプロセッサ112は、いずれの触覚出力装置(すなわち、スマート材料アクチュエーター120又は全体触覚出力装置130)が制御信号を受信するかを決定することができる。本発明の別の実施形態では、触覚周辺装置102は、ローカルプロセッサ112を備えないように構成され、それにより、触覚周辺装置102からの全ての入力/出力信号は、ホストコンピューター104によって直接扱われ処理される。
【0020】
図1及び
図2の実施形態では、触覚周辺装置102は、ハウジング116及び複数のキーを備えるキーボード装置であり、それらのうちの少なくとも1つが、本明細書においてより詳細に説明されるように、メカニカルキー122、及びメカニカルキーに一体化されるか又は埋め込まれたスマート材料アクチュエーター120を備える触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101である。ユーザーは、既知であるように、キーボードのキーを押下することによって、ホストコンピューター104への入力を提供する。換言すれば、キーボード装置のキーは、キーボード装置のキーのうちの任意のものの押下を検知し、キー押下を示す信号をローカルプロセッサ112及び/又はホストプロセッサ108に提供するように構成された対応するセンサーを備える。キー押下を検出するのに適したセンサーは当業者によく知られている。触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101を備える触覚周辺装置102のキーはそれぞれ、アクションを入力するか又は他の形でビデオゲームとインタラクトし、当該技術分野において既知のバーチャル環境を更新するように構成される。ユーザー入力エレメントの動き、すなわち、触覚周辺装置102のキー押下は、ユーザーがホストコンピューター104上で実行されているソフトウェアアプリケーションとインタラクトすることを可能にするユーザーからの入力を表す。これらのソフトウェアアプリケーションは、限定ではないが、ファーストパーソンシューターに関連するビデオゲーム、サードパーソンキャラクターインタラクション、車両関連ゲーム又はコンピューターシミュレーションを含む。例えば、触覚周辺装置102のキーの押下により、カーソル若しくは他の画像等のコンピューターにより生成されたグラフィックオブジェクト、若しくは視覚ディスプレイ106を介してホストコンピューター104によって表示された何らかの他のグラフィックオブジェクトの動きに対応する入力がホストコンピューター104に提供されるか、又は人物、車両、若しくはゲーム若しくはコンピューターシミュレーションにおいて見られ得る何らかの他のエンティティ等のバーチャルキャラクター若しくはゲーミングアバターが制御される。本明細書において、キーを「押下する」ことは、所定のキー又はエリアに物理的に接触して、ホストコンピューター又は他のコントローラーに入力信号を提供することを含む任意のアクションを意味することができ、キーを静止状態又は静止位置から押し込まれた状態又は押し込まれた位置に物理的に動かすこと、ユーザー接触を検知する所定のエリアに接触すること等を含むことができる。キー又はボタンを「押下する」の代替の用語は、押す、押し込む、つぶす、叩く、及びパンチする、を含む。キーボードは、フルサイズのキーボードとすることもできるし、数字キーパッド、ポータブルキーボード等の小型バージョンとすることもできる。
【0021】
上述したように、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、広範にわたる触覚フィードバック又は触覚効果を生成するために、メカニカルキー122と、メカニカルキー上に一体化されるか又は埋め込まれたスマート材料アクチュエーター120とを備える。換言すれば、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、メカニカルキーによる第1のタイプの触知性フィードバック又は触覚フィードバック(すなわち、メカニカルキー又はボタンの押下を確認するための触知性フィードバック又は触覚フィードバック)及びスマート材料又は圧電アクチュエーターによる第2のタイプの触覚フィードバック(すなわち、ゲーム状態情報に関するプログラム可能な触覚フィードバック)を提供することによってユーザーの触覚体験を改善するために、メカニカルキーを、プログラム可能な圧電キーと組み合わせる。触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、メカニカルキー又はボタンを有する任意の触覚周辺装置上に実装することができる。例えば、本明細書において説明される触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、キーボードの1つ又は複数のキー、ゲーミングコントローラーのボタン若しくはトリガー、及び/又はコンピューターマウスのボタンとして実装することができる。より詳細には、キーボードとして示されているが、当業者であれば、触覚周辺装置102が触覚周辺装置の例示的な実施形態にすぎず、他の構成、形状及びサイズを有する触覚周辺装置が用いられてもよいことを認識するであろう。例えば、本明細書においてより詳細に説明されるように、触覚周辺装置は、
図13〜
図15に示すような、ビデオゲームコンソールシステム用に現在入手可能な多くの「ゲームパッド」と同様の形状及びサイズのゲーミングシステム用手持ち式ゲーミングコントローラー1302、
図16及び
図17に示すような、タブレットコンピューター1604と共に用いることができる触覚周辺装置1602、又は限定ではないが、モバイルフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレット、コンピューター、ゲーミング周辺装置、コンピューターマウス、及び当業者に既知のバーチャルリアリティシステムのための他のコントローラー等の、他のコントローラーであってもよい。
【0022】
触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101について、
図3を参照してより詳細に説明する。
図3は、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101の概略斜視図であり、該エレメントはキーキャップ123を有するメカニカルキー又はばねベースのキー122を含む。キーキャップ123はユーザーと接触するユーザー接触面126と、ユーザー接触面126上に一体化されたスマート材料又は圧電アクチュエーター120を備える。スマート材料アクチュエーター120は、メカニカルキー122のユーザー接触面126内又はユーザー接触面126上に直接一体化されるか又は埋め込まれる。メカニカルキー122のユーザー接触面126は通常、平坦であるか、又は容易に押下されるように、人間の指又は手に合った形状にされる。当該技術分野において既知であるように、メカニカルキーは通常、プラスチック又は金属等の硬質材料から形成され、ユーザー又はスマート材料アクチュエーター120によって力が加えられていないときに、キー又はボタンを静止位置又は非押下位置に戻すためのばねエレメントを備える。この実施形態において、メカニカルキー122のばねエレメントは、キー又はボタンを静止状態又は非押下状態に弾性的に戻すためのスナップドーム124を備える。このため、キー又はボタンは、力が加えられていないとき、静止状態又は非押下状態にあり、静止状態又は非押下状態にバイアスをかけられているとみなすことができる。スナップドーム124は、圧縮されると、ユーザーに、歯切れのよい明確な触知性フィードバックを与える成形されたステンレス鋼とすることもできるし、又は代替的に、ゴム又はポリウレタン材料から形成することもできる。一方、メカニカルキー122は、キー又はボタンを静止状態又は非押下状態に戻すための異なるばねエレメントを備えてもよい。例えば、
図5A及び
図5Bの実施形態に示すように、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101のメカニカルキーは、基部、ばね及びステムで構成されるスイッチを備えるメカニカルスイッチキーとすることができる。ステムの形状に依拠して、メカニカルスイッチキーは、種々の作動及び進行距離を有し、ばねの耐久性に依拠して、メカニカルスイッチキーは、作動させるために様々な圧力量を必要とする。メカニカルキーボードは、キーキャップの除去及び交換を可能にする。
【0023】
ここで、
図4、
図4A及び
図4Bに関して、スマート材料又は圧電アクチュエーター120を更に詳細に説明する。
図4は、変形基板118及びスマート材料アクチュエーター120の一部の展開斜視図である。
図4Aは、共に結合された
図4のコンポーネントの斜視図であり、
図4Bは、印加された電荷又は電界に応じて曲がった後の
図4Aの斜視図である。本明細書において用いられるとき、「スマート材料」とは、電界又は電流が印加されると動く材料である。スマート材料アクチュエーターは、電荷を受けるとサイズ又は形状の変化を呈する特性を有する。換言すれば、スマート材料アクチュエーターは、電荷をかけられると機械的変形を呈する。本明細書において用いることができるスマート材料は、圧電材料、マクロファイバーコンポジット(MFC)材料、電気活性ポリマー(EAP)、ゲル、形状記憶合金、電界又は電流が印加されると動くFlexinol又は別のタイプの材料を含む。スマート材料アクチュエーター120は、変形基板118の少なくとも1つの表面に接着剤により接合されるか、又は他の形で結合される。変形基板118は、スマート材料アクチュエーター120と併せて屈曲するか又は曲がり、その運動及び接触力をユーザーに提供することができる、ゴム又はポリマー等の可撓性材料で製造される。スマート材料アクチュエーター120に電荷が印加されると、スマート材料アクチュエーター120は
図4Bに示すように変形し、曲がり、それによって、変形基板118の一部も曲がる。入力電気信号に基づいて力及び変形を出力するためのスマート材料又は圧電アクチュエーターの動作は、当業者によく知られている。圧電材料は、非常に薄く小型にすることができ、それによって、ポータブル電子装置にとって一般的なコンパクトなハウジングにおける使用が可能になる。
【0024】
スマート材料アクチュエーター120をメカニカルキー122のユーザー接触面126内に又はユーザー接触面126上に一体化するか又は埋め込むために、メカニカルキー122は、ユーザー接触面126の一部に沿って一体形成された変形基板118を用いて形成することができ、スマート材料アクチュエーター120は、その後、変形基板に接合することができる。換言すれば、メカニカルキー122の少なくとも上面(すなわち、ユーザー接触面126)は、触覚効果を生成し、変形基板118として動作するのに十分変形可能である。スマート材料アクチュエーター120は、メカニカルキーのキーキャップが変形基板118を提供するように、ユーザー接触面126内に直接埋め込まれる。代替的に、スマート材料アクチュエーターを、メカニカルキー122のユーザー接触面126上に堆積し、ユーザーとスマート材料アクチュエーター120との間に少なくとも絶縁体が存在するように絶縁体層で覆うことができる。絶縁体層は、プラスチック又はポリマー材料を含む任意のタイプの電気絶縁体材料から形成することができる。
【0025】
本発明の別の実施形態において、メカニカルキー122のキーキャップの一部を、メカニカルキー122のユーザー接触面126における開口を形成するように除去することができ、スマート材料アクチュエーター120が結合された変形基板118がその開口内に位置決めされる。次に、スマート材料アクチュエーター120が接合された変形基板118は、メカニカルキー122に対して移動可能であるようにメカニカルキー122に結合され、それによって、変形基板118は、スマート材料アクチュエーター120と併せて屈曲するか又は曲がることができる。例えば、スマート材料アクチュエーター120が結合された変形基板118は、屈曲部又は可動結合部(図示せず)を介してメカニカルキー122に結合することができる。
【0026】
電荷をスマート材料アクチュエーター120に印加するために、触覚フィードバックシステム100は、スマート材料アクチュエーター120にユーザーに対する触覚フィードバック又は触覚効果を生成する変形基板の所望の運動を生じさせる電気信号をスマート材料アクチュエーター120に提供する制御ハードウェア及びソフトウェアを含む。より詳細には、触覚フィードバックシステム100は、スマート材料アクチュエーター120に電荷を供給するための電源を備え、触覚フィードバックシステム100は、電源を制御し、これにより印加される電荷の大きさ及び周波数を決定するホストプロセッサ104及び/又はローカルプロセッサ112も備える。したがって、電源は、ホストプロセッサ104及び/又はローカルプロセッサ112から制御信号を受信するように構成され、ホストプロセッサ104及び/又はローカルプロセッサ112から受信した制御信号に従ってスマート材料アクチュエーターに電荷を印加するように構成される。電源は、触覚周辺装置102又はホストコンピューター104内に位置することができる。スマート材料アクチュエーター120は、電源から印加された電荷に応答して変形するか又は曲がる。変形基板118がスマート材料アクチュエーター120に結合された状態で、スマート材料アクチュエーター120によって生成された任意の力及び/又は変形が変形基板118に直接加えられる。スマート材料アクチュエーター120に結合された変形基板118の部分も、スマート材料アクチュエーター120と併せて曲がるか又は変形される。このため、スマート材料アクチュエーター120は、ホストプロセッサ104及び/又はローカルプロセッサ112からの制御信号に応答して、ハウジング116に対し変形基板118を変形させ、それによって、触覚周辺装置102のユーザーに触覚効果を提供する。メカニカルキー122及びそのキーキャップ123は、ユーザーがホストコンピューター104への入力を提供するときにハウジング116に対して動く一方、スマート材料アクチュエーター120は、メカニカルキー122及びそのキーキャップ123に対して動くか又は変形し、ユーザーに局所的な触覚効果を提供する。
【0027】
触覚効果、すなわち、変形基板118の変形は、変形触覚効果とみなすことができる。本明細書において用いられるとき、「変形」触覚効果は、スマート材料アクチュエーターが、変形基板を曲げるか、変形させるか又は他の形で動かすために変形基板に力を直接加える効果を含み、それによって、結果として、ユーザーが体感する変形触覚効果が生じる。本発明の実施形態によって生成されるような変形触覚効果は、スマート材料アクチュエーターが、ユーザーと直接接触している変形基板を直接駆動するか、変形させるか又は他の形で動かすことに起因してユーザーによって体感される。変形触覚効果は、変形がミリメートル規模であるマクロ変形、又は変形がマイクロメートル規模であるマイクロ変形とすることができる。マクロ変形触覚効果の例は、バーチャルボタン又はトリガーの押下(すなわち、ユーザーによって銃弾が発射されたとき)、又はバーチャルエレメント間の衝突(すなわち、弾丸、壁、又は他のオブジェクトがユーザーのキャラクター又は車両に衝撃を与える)と連動した単一の比較的大きな変形によるジョルトを含む。別のゲームの例では、触覚効果は、スクリーンにわたるバーチャルエレメントの動き又は他のタイプのスクリーンの動きと連動した複数の比較的小さな変形又はマイクロ変形による振動を含む。変形触覚効果の更なる例は、スマート材料アクチュエーター120及び変形基板118の変形が、大きさ及び周波数の双方において心拍信号のパターンを辿る心拍触覚効果、及び/又はスマート材料アクチュエーター120及び変形基板118の変形が、バーチャルリアリティー環境においてユーザーの手の中で呼吸している、生きている小動物のパターンを辿る呼吸触覚効果を含む。そのような触覚フィードバック又は触覚効果は、触覚フィードバックシステム100のユーザーのためのより直感的で、魅力的で自然な体験を可能にし、このため、ユーザーと触覚フィードバックシステム100との間のインタラクションは、触覚効果によって提供される触知性フィードバックを通じて大幅に向上する。
【0028】
有利には、スマート材料アクチュエーター120によって出力される触覚効果は、一時的又は過渡的であり、メカニカルキー122が静止状態又は非押下状態にあるとき、メカニカルキー122が押下されているとき、及び/又はメカニカルキー122が押下された状態若しくは押し込まれた状態にあるときに出力することができる。
図5Aを参照すると、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、その静止状態又は非押下状態で示され、スマート材料アクチュエーター120は、触覚効果を提供するために曲がっているか又は変形している状態をファントムで示されている一方、
図5Bは、ユーザーにより加えられる下方の力128が加えられた後の、押下された状態又は押し込まれた状態にある触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101を示しており、ここで、スマート材料アクチュエーター120は、触覚効果を提供するために曲がっているか又は変形している状態をファントムで示されている。メカニカルキー122が外力を加えられていない状態で静止位置又は非押下位置にあるときに触覚効果を出力することによって、スマート材料アクチュエーター120は触覚効果を出力又は再生し、突然のイベント(すなわち、クラッシュ、衝突、又は他の予期しない接触)に関して、状態遷移又はアラート又はアラーム等のゲーム状態情報に関してユーザーにフィードバックを提供することができる。メカニカルキー122が押下されているときに触覚効果を出力することによって、スマート材料アクチュエーター120は、ボタン押下の感触又は堅さをプログラムで変更するように構成される。さらに、メカニカルキー122が押下された又は押し込まれた位置にあるときに触覚効果を出力することによって、プログラム可能な触覚効果がスマート材料アクチュエーター120により継続し、動きの速度又は状態遷移等のゲーム状態情報に関してユーザーにフィードバックを提供することができる。例えば、PCゲームの例では、「W」、「A」、「S」及び「D」のキーが、主に、様々なビデオゲームにおいて移動のために用いられ、このため、これらのキーは多くの場合に長時間にわたって押下したままホールドされる。メカニカルキー122が押下された又は押し下げられた位置でホールドされているときにスマート材料アクチュエーター120を介してプログラム可能な触覚効果を出力することは、動きの速さ、状態遷移、又はヘルスステータス、武器リチャージ率等の他のゲーム内情報を示すのに有用である。過渡的触覚効果は、異なる触覚波形とするか、又はボタン若しくはキーの操作おける異なるロケーションにおいて生じるようにタイミングを図ることができ、それによって、結果として多岐にわたるキー押下感覚をユーザーに伝達することができる。キーストロークは、ランニング、ウォーキング等の様々な機能を示す様々な力のプロファイルを有することができる。これらの力のプロファイルは、スマート材料アクチュエーター120により様々な過渡的触覚効果を再生することによって生成される。触覚的に強化されたユーザー入力エレメントの組み合わせが押下されるとき、異なる触覚効果を再生又は出力することができる。例えば、ユーザーが斜めに動き、したがって2つのキーを押下している場合に出力又は再生される触覚感覚又は効果と比較して、ユーザーが前方に動き、したがって単一のキーのみを押下している場合、異なる触覚感覚又は効果が出力又は再生される。一実施形態では、歩いている効果を出力又は再生することができ、ここでは、「W」キーが継続して押下されているとき、スマート材料アクチュエーター120及び変形基板118の変形が、歩く速度を示す。ユーザーは、「W」キーを押下したままホールドして前方に動き、ユーザーの動きの速さを示すために触覚効果の時系列が再生される。
【0029】
上述したように、触覚周辺装置102は、局所化された触覚効果を提供するスマート材料アクチュエーター120に加えて全体触覚出力装置130を備える。全体触覚効果は、ハウジング116に出力されるランブル触覚効果及び高精細の触覚効果を含む。このため、触覚周辺装置102は、装置又はハウジング全体に対し触覚効果を生成又は出力する全体触覚出力装置130を含むのに対し、スマート材料アクチュエーター120は、メカニカルキー122に局所化された触覚効果を生成又は出力する。より詳細には、
図3の断面図に示されるように、全体触覚出力装置130は、ハウジング116内に位置決めされ、スマート材料アクチュエーター120によって提供される変形触覚効果に加えて、振動触覚効果をユーザーに提供するように構成される。全体触覚出力装置130は、触覚周辺装置102のハウジング全体に、全体的な又はランブル触覚効果及び高精細の触覚効果を提供する役割を果たす。このため、全体触覚出力装置130は、ホストプロセッサ104及び/又はローカルプロセッサ112から第2の制御信号を受信し、第2の制御信号に応答してハウジング116に第2の触覚効果を出力するように構成されるランブルアクチュエーターとみなすことができる。全体触覚出力装置130は、ホストコンピューター104からの高レベルの監督コマンド又はストリーミングコマンドに基づいてホストプロセッサ104及び/又はローカルプロセッサ112から制御信号を受信する。例えば、動作時に、電圧の大きさ及び持続時間がホストコンピューター104から触覚周辺装置102にストリーミングされる。ここで、情報は、ローカルプロセッサ112を介して全体触覚出力装置130に提供される。ホストコンピューター104は、全体触覚出力装置130によって出力される触覚効果のタイプ(例えば、振動、ジョルト、デテント、ポップ等)等の高レベルのコマンドをローカルプロセッサ112に提供することができ、これによって、ローカルプロセッサ112は、出力される触覚効果の特定の特性(例えば、大きさ、周波数、持続時間等)に関して全体触覚出力装置130に命令する。全体触覚出力装置130は、電磁モーター、モーターによって偏心質量体が動かされる偏心回転質量(「ERM」)アクチュエーター、ばねに取り付けられた質量体が往復して駆動されるリニア共振アクチュエーター(「LRA」)、振動触覚アクチュエーター、他の適切なタイプの作動装置を含んでもよい。全体触覚出力装置130は、慣性アクチュエーターとして実施され、振動触覚フィードバックをユーザーに提供する。このため、スマート材料アクチュエーター120は、全体触覚出力装置130によって生成される全体的な又はランブル触覚フィードバックから独立し、これを補う、局所的な変形触覚効果又は感覚をユーザーに提供する。
【0030】
複数の触覚周辺装置が利用されているとき、空間化又は方向性触覚効果を出力又は再生することができる。例えば、ユーザーは、触覚キーボード及び触覚マウスの双方を用いてビデオゲームをプレイすることができる。触覚周辺装置ごとの触覚効果制御信号は、コンピューター制御されたキャラクター又はオブジェクトの左側及び右側に生じる方向性のイベント(すなわち、ビデオゲームにおいてキャラクターの左側に何かがぶつかるか又は当たる)に対応することができる。ビデオゲームにおいて、コンピューター制御されたキャラクター又はオブジェクトが右側からヒットされている場合、ユーザーが右手を置いている触覚キーボード上に触覚効果を再生することができる。ビデオゲームにおいて、コンピューター制御されたキャラクター又はオブジェクトが左側からヒットされている場合、ユーザーが左手を置いている触覚マウス上に触覚効果を再生することができる。
【0031】
図6A及び
図6Bに示す本発明の実施形態において、ユーザーに変形触覚効果を提供するためのスマート材料アクチュエーター120に加えて、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、メカニカルキー122に結合されたブレーキアクチュエーター129を更に備える。ブレーキアクチュエーター129は、メカニカルキー122を、押し込まれた状態又は押下された状態でホールドし、非アクティブステータスをユーザーに示すように構成される。換言すれば、ブレーキアクチュエーター129は、ユーザーの力を加えられることなく、メカニカルキー122を、押し込まれた状態又は押下された状態でホールドするように構成される。
図6Aを参照すると、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101が静止状態又は非押下状態で示されているのに対し、
図6Bは、ブレーキアクチュエーター129が下方の力128を加えて維持した後に、押下された状態又は押し込まれた状態にある触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101を示す。ブレーキアクチュエーター129は、特定の触覚的に強化されたユーザー入力エレメントに関連付けられた機能が利用可能でないときに、特定の触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101を停止させるか又は非アクティブにするのに有用である。より詳細には、ゲーミング触覚周辺装置におけるほとんどのボタン又はトリガーは、「クールダウン」期間又は「リチャージ」期間を含む特定の能力又は機能に関連付けられており、この期間中、能力を起動又は使用することはできない。クールダウン期間中、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、ブレーキアクチュエーター129により、押し込まれた状態にホールドされ、それによって、ユーザーはメカニカルキー122を更に下に動かすことができない。ブレーキアクチュエーター129により、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101が押し込まれた状態にホールドされているとき、ユーザーは、能力を使用することができないことを視覚的かつ触覚的に通知されている。能力が再び利用可能になると、ブレーキアクチュエーター129は、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101を、
図6Aの静止位置又は非押下位置に戻るように(これによって、メカニカルキー122がユーザーによって選択的に押し込まれることが可能になる)解放し、このため、能力が再び利用可能であることをユーザーに視覚的かつ触覚的に通知する。例えば、DOTA2又はLeague of Legends等のマルチプレーヤーオンラインバトルアリーナビデオゲームにおいて、プレーヤーは、特定のキーを、クールダウン期間又はリチャージ期間を利用する自身のキャラクターの特殊能力にマッピングすることができる。ブレーキアクチュエーター129を利用して、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101に関連付けられた機能又は能力のステータスを視覚的かつ触覚的に示す。
【0032】
本発明の一実施形態において、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101は、ブレーキアクチュエーター129により、部分的に押し込まれた状態でホールドすることができる。換言すれば、ブレーキアクチュエーター129は、限定ではないが、
図6Aの非押下位置と
図6Bの押下された位置又は押し込まれた位置との間の途中等の特定の位置に、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101をロックするように構成される。本発明の別の実施形態では、ブレーキアクチュエーター129は、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101に部分的にのみブレーキをかけ、ユーザー入力エレメントを押下することができるがその堅さが増すようにするように構成される。
【0033】
ブレーキアクチュエーター129は、ソレノイド、スマート材料カラースタイルブレーキ(collar style brake)、又は当該技術分野において既知の他のブレーキアクチュエーターとすることができる。本発明の実施形態において、ブレーキアクチュエーター129は磁性であり、ユーザーがメカニカルキー122を押し込む間にメカニカルキー122の堅さを調整するようにも構成される。例えば、
図6Cは、ブレーキアクチュエーターとしてソレノイド670Cを有する触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601Cの概略側面図である。触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601Cは、ユーザー接触面626Cを備えたキーキャップ623Cを有するメカニカルキー又はばねベースのキー622Cを備え、ユーザー接触面は、ユーザー、及びメカニカルキー622Cのユーザー接触面626C上に一体化されたスマート材料又は圧電アクチュエーター(
図6Cの側面図において可視でない)と接触するように構成される。メカニカルキー622Cは、第1の端部がキーキャップ623Cに取り付けられ、第2の端部がばね673Cに取り付けられたポスト又はステム671Cを備える。方向矢印628Cによって示されるようにメカニカルキー622Cが押下されるか又は押し込まれると、ばね673Cが圧縮し、ステム671Cがハウジングのレセプタクル672Cに対して動く。ソレノイド670Cは、レセプタクル672Cの外部に位置する。動作時に、ソレノイド670Cは、方向矢印678Cによって示されるような横方向の又は左右の方向において動き、ソレノイドのシャフト676Cは、レセプタクル672Cの側壁を通じて形成されるスロット又は開口674Cを通過する。ステム671Cの動きを完全に又は部分的に停止させるようにシャフト676Cがステム671Cに対して押し付けられる。より詳細には、ソレノイド670Cは、限定ではないが、
図6Aの非押下位置と、
図6Bの押下された又は押し込まれた位置との間の途中等の特定の位置に、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601Cをロックするように構成することができる。本発明の別の実施形態では、ソレノイド670Cは、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601Cに部分的にのみブレーキをかけ、ユーザー入力エレメントを押下することができるがその堅さが増すようにするように構成される。
【0034】
図6D及び
図6Eに示す本発明の別の実施形態では、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601CDは、ブレーキアクチュエーターとしてスマート材料カラースタイルブレーキ680を有する。触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601Dは、ユーザー接触面626Dを備えたキーキャップ623Dを有するメカニカルキー又はばねベースのキー622Dを備え、ユーザー接触面は、ユーザー、及びメカニカルキー622Dのユーザー接触面626D上に一体化されたスマート材料又は圧電アクチュエーター(明確にするために図示せず)と接触するように構成される。メカニカルキー622Dは、ポスト又はステム671Dを備え、スマート材料カラースタイルブレーキ680は、ステム671Dの周りに円周方向に配設される。動作時に、スマート材料カラースタイルブレーキ680は、ステム671Dの周りで圧縮し、方向矢印678Dによって示されるように、スマート材料カラースタイルブレーキ680の端部が共に近づくか又は更に離れるようにする。スマート材料カラースタイルブレーキ680は、ステム671Dの周りで圧力をかけるか又は圧縮して、ステムの動きを完全に又は部分的に止める。より詳細には、スマート材料カラースタイルブレーキ680は、限定ではないが、
図6Aの非押下位置と、
図6Bの押下された又は押し込まれた位置との間の途中等の特定の位置に、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601Dをロックするように構成することができる。本発明の別の実施形態では、スマート材料カラースタイルブレーキ680は、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント601Dに部分的にのみブレーキをかけ、ユーザー入力エレメントを押下することができるがその堅さが増すようにするように構成される。
【0035】
スマート材料アクチュエーター120は、ブレーキアクチュエーター129がメカニカルキー122を押し込まれた又は押下された位置にホールドしている間、変形触覚効果を依然として出力又は再生することができることに留意されたい。このため、本発明の一実施形態において、いくつかの隣接した触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101を、スクローリング入力又はコマンドのための連続入力面を形成するように、それぞれのブレーキアクチュエーターを介して押し込まれた位置に同時に下げられた状態でホールドすることができ、それらのそれぞれのスマート材料アクチュエーター120は、スクローリング入力又はコマンドを触覚的に確認するための触覚効果を出力又は再生することができる。
【0036】
メカニカルキーを押し込まれた状態又は押下された状態でホールドして、非アクティブステータスをユーザーに示すように構成されたブレーキアクチュエーターを備える本発明の実施形態において、メカニカルキーは、最初に、ユーザーにより押し込まれた状態又は押下された状態に入れることができる。このため、ユーザーがメカニカルキーを押下すると、次に、ブレーキアクチュエーターは、メカニカルキーを押し込まれた又は押下された位置にホールドし、ユーザーに非アクティブステータスを示す。本発明の別の実施形態では、メカニカルキーは、最初に、追加のアクチュエーターにより押し込まれた状態又は押下された状態に入れることができ、これにより、メカニカルキーはプログラムにより押し込まれた状態又は押下された状態に移る。そのような実施形態では、ユーザーは最初にメカニカルキーを押下する必要はなく、追加のアクチュエーターがメカニカルキーを押し込まれた状態又は押下された状態に強制的に入れ、次に、ブレーキアクチュエーターは、メカニカルキーを、押し込まれた又は押下された位置にホールドし、ユーザーに非アクティブステータスを示す。
【0037】
一実施形態では、触覚的に強化されたユーザー入力エレメントはモジュール式であり、ユーザーによって触覚周辺装置の標準的なメカニカルキー又はボタンを選択的に置き換えるように構成される。触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、触覚的に有効にされた「特殊」キー又は「ホット」キーであり、触覚的に有効にされたキーの特定のロケーションがユーザーによって決定又は選択されるようにキーボード上の特定のロケーションに選択的に動かすことができる。例えば、PCゲームの例では、「W」、「A」、「S」及び「D」のキーが、様々なビデオゲームにおいて移動のために主に用いられ、このため、これらのキーは多くの場合に長時間にわたって押下したままホールドされる。ユーザーにとって、標準的な「W」、「A」、「S」及び「D」のキーを、本明細書に記載されるような一体型スマート材料アクチュエーターを有する1つ又は複数の触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントと置き換えることが望ましい場合がある。コスト及び/又は電力要件を節減するために、全てのメカニカルキー又はボタンを一体型スマート材料アクチュエーターで形成するのではなく、単一のキーボードが1つ又は複数の触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントを特徴として有することができる。より詳細には、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101のモジュラー特性が、
図7〜
図9Bに関して以下でより詳細に記載される。
図7は、複数のキーベース731を有するモジュラーキーボード702の斜視図であり、
図7Aは、モジュラーキーボード702の単一のキーベース731の拡大斜視図である。
図8A及び
図8Bは、モジュラーキーボード702のための触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント701の斜視図である。触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101と同様に、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント701は、ユーザー接触面726を備えたキーキャップ723を有するメカニカルキー又はばねベースのキー722を備え、ユーザー接触面は、ユーザー、及びメカニカルキー722のユーザー接触面726上に一体化されたスマート材料アクチュエーター720と接触するように構成される。「W」、「A」、「S」及び「D」のキーの組み合わせに関して上記で説明したが、当業者には、キーの任意の特定の組み合わせをマッピングすることができることが明らかであろう。例えば、他のビデオゲームでは、キー「Q」、「W」、「E」及び「R」の組み合わせをマッピングすることが望ましい。
【0038】
この実施形態において、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント701は、クリップ又はポスト732を介してキーベース731に選択的に結合されるように構成される。より詳細には、
図7A、
図8A及び
図8Bに最も良好に示されるように、キーベース731はクリップ又はポスト732を含み、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント701は、マッチ又は嵌合するキーレセプタクル734を有する。キーレセプタクル734は、メカニカルキー722及びキーベース731を共に結合するためにクリップ又はポスト732を受けるように構成される。代替的に、別の実施形態では、メカニカルキーはクリップ又はポストを含むことができるのに対し、キーベースは、マッチ又は嵌合するキーレセプタクルを含む。例えば、キーレセプタクル又はベース931と触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント901との間の接続の概略側面図である
図9に示すように、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント901は、ポスト又はステム971を有するメカニカルキー922を含み、キーベース931はマッチ又は嵌合するキーレセプタクル972を含む。共に結合されると、メカニカルキー922及びキーベース931は、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント901のスマート材料アクチュエーター920を駆動するように最小で2つの接続部を有する。ポスト又はステム971は、第1の端部がメカニカルキー922のキーキャップ923に取り付けられ、第2の端部がばね973に取り付けられる。メカニカルキー922が、方向矢印928によって示すように、押下されるか又は押し込まれているとき、ばね973が圧縮し、ステム971がキーベース931のレセプタクル972に対して動く。第1の配線984は、ステム971を通って、スマート材料アクチュエーター920をステム971に結合された第1の電極980に電気的に接続するように延在し、第2の配線986は、ステム971を通って、スマート材料アクチュエーター920をステム971に結合された第2の電極981に電気的に接続するように延在する。ステム971がキーベース931のレセプタクル972内に挿入されるとき、ステム971に取り付けられた第1の電極980及び第2の電極981は、キーベース931のレセプタクル972の内面に結合された第1の電極982及び第2の電極983に接触し、これらに電気的に接続するように構成される。メカニカルキー972の第1の電極980及び第2の電極981は、キーベース931の第1の電極982及び第2の電極983とインターフェースし、これらに物理的にタッチ又は接触して、必要な電力及びプロセッサコマンドを触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント901のスマート材料アクチュエーター920に供給する。配線984、986に加えて、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント901は、ライト、識別等のためにメカニカルキー922とキーベース931との間に通信を提供するための追加のデータ線又は配線(図示せず)を含むことができる。
【0039】
別の実施形態では、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメントは、磁気接続を介してモジュラーキーボードに結合することができる。
図10は、1つ又は複数の触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント1001及びハウジング1016を有するモジュラーキーボード1002の上面図であり、
図11は、単一の触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント1001の概略斜視図である。触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101と同様に、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント1001は、メカニカルキー又はばねベースのキー1022を備え、該キーはユーザーと接触するユーザー接触面1026と、メカニカルキー1022のユーザー接触面1026の上に一体化されたスマート材料アクチュエーター1020を備える。この実施形態では、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント1001は、それぞれメカニカルキー1022及びモジュラーキーボード1002内に配設された磁石1036、1038を介してモジュラーキーボード1002に選択的に結合されるように構成される。より詳細には、モジュラーキーボード1002のハウジング1016は磁石1038を備え、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント1001は磁石1036を有する。磁石1036、1038は共に磁気的に結合して、メカニカルキー1022及びモジュラーキーボード1002を共に結合する。共に結合されると、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント1001及びモジュラーキーボード1002は、触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント1001のスマート材料アクチュエーター1020を駆動するように最小で2つの接続部を有する。触覚モジュラーキーは、ライト、識別等のために触覚的に強化されたモジュラーユーザー入力エレメント1001とモジュラーキーボード1002との間に通信を提供するための何らかのデータ線を必要とする追加のインテリジェンスを有することができる。
図12に示すまた別の実施形態では、電磁石1239が、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント1001の磁石1036に磁気的に結合するためにモジュラーキーボード1002内に配設される。電磁石1239の磁界は選択的にオン及びオフにすることができるため、電磁石1239を利用して、ユーザーが体感する触覚効果を生成することもできる。
【0040】
上述したように、触覚周辺装置102は、触覚周辺装置の単なる例示的な実施形態であり、他の構成、形状及びサイズを有するその触覚周辺装置が用いられてもよい。例えば、
図13〜
図15は、本発明の実施形態において利用することができる触覚周辺装置1302の別の実施形態を示す。
図13及び
図14は、触覚周辺装置1302の異なる斜視図であり、触覚周辺装置はハンドヘルドゲーミングコントローラーであるのに対し、
図15は、ホストコンピューター104を更に含むゲームシステム1300において用いられる触覚周辺装置1302のブロック図を示す。触覚周辺装置1302のハウジング1316は、左利きのユーザーであっても、右利きのユーザーであっても、装置を把持する2つの手に容易に合うような形状にされ、全体触覚出力装置1330は、ユーザーに全体的な又はランブル触覚効果を提供するために、ユーザーの手又は手のひらが概ね位置するロケーションにおいてハウジング1316内に組み込まれる。当業者であれば、触覚周辺装置1302が、ビデオゲームコンソールシステムに現在利用可能な多くの「ゲームパッド」に類似の形状及びサイズのコントローラーの例示的な実施形態にすぎず、ユーザー入力エレメントの他の構成、形状、及びサイズを有するそのコントローラーが用いられてもよいことを認識するであろう。そのコントローラーは、限定ではないが、Wii(商標)リモート又はWii(商標)Uコントローラー、Sony(登録商標)SixAxis(商標)コントローラー又はSony(登録商標)Wandコントローラー、Xbox(商標)コントローラー又は同様のコントローラー、Oculus Touch(商標)又はVive HTC(商標)コントローラー、並びに実生活のオブジェクト(テニスラケット、ゴルフクラブ、ベースボールバット等)の形状及び他の形状のコントローラー等のコントローラーを含む。
【0041】
触覚周辺装置1302は、ジョイスティック1340、ボタン1342及びトリガー1346を含むいくつかのユーザー入力エレメント又はマニピュランダムを含む。
図13〜
図15に見て取ることができ、当該技術分野において既知であるように、各ユーザー入力エレメント及び追加のユーザー入力エレメントのうちの2つ以上を触覚周辺装置1302に含めることができる。したがって、例えば、トリガー1346の本説明は、触覚周辺装置1302を単一のトリガーに限定するものではない。さらに、
図15のブロック図は、ジョイスティック1340、ボタン1342及びトリガー1346の各々のうちの1つのみを示す。しかし、当業者であれば、上記で説明したように、複数のジョイスティック、ボタン及びトリガー、並びに他のユーザー入力エレメントが用いられてもよいことを理解するであろう。
【0042】
図15のブロック図に見て取ることができるように、触覚周辺装置1302は、そのユーザー入力エレメントの各々を直接駆動するためのターゲットアクチュエーター又はモーターと、ハウジング1316に結合された1つ又は複数の全体的な又はランブル触覚出力装置1330とを備える。より詳細には、ジョイスティック1340は、ジョイスティック1340に結合されたターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1350を備え、ボタン1342は、ボタン1342に結合されたターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1352を備え、トリガー1346は、トリガー1346に結合されたターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1356を備える。ターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1352及び/又は1356のうちの1つ又は複数は、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101に関して上記で説明したようなボタン又はトリガー上に一体化されたスマート材料アクチュエーター1320とすることができる。換言すれば、ボタン1342及び/又はトリガー1346の各々は、ユーザーに変形触覚効果を提供するために上記で説明したようにスマート材料アクチュエーターと組み合わされたメカニカルキーを有する触覚的に強化されたユーザー入力エレメント1320とすることができる。複数のターゲットアクチュエーターに加えて、触覚周辺装置1302は、そのユーザー入力エレメントの各々に結合された位置センサーを備える。より詳細には、ジョイスティック1340は、ジョイスティック1340に結合された位置センサー1341を備え、ボタン1342は、ボタン1342に結合された位置センサー1343を備え、トリガー1346は、トリガー1346に結合された位置センサー1347を備える。ローカルプロセッサ1312は、それぞれジョイスティック1340、ボタン1342及びトリガー1346のターゲット触覚出力装置1350、1352、1356及び位置センサー1341、1343、1347に結合される。当業者であれば理解するように、位置センサー1341、1343、1347から受信した信号に応答して、ローカルプロセッサ1312は、ターゲット触覚出力装置1350、1352、1356(それらの各々は、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント1320とすることができる)に、指示された効果又はターゲット効果をそれぞれジョイスティック1340、ボタン1342及びトリガー1346に直接提供するように命令する。そのようなターゲット効果は、触覚周辺装置1302の全体に沿って全体触覚出力装置1330によって生成された全体的な又はランブル触覚効果から区別可能又は識別可能である。ローカルプロセッサ1312は、ローカルプロセッサ1312に結合されたメモリ1314から、触覚効果のタイプ、大きさ、周波数、持続時間又は他の特性を索出することができる。複数の形式、例えば、ビデオ、オーディオ及び触覚が同時に関与しているため、集合的な触覚効果は、ゲームへの更なる没入感をユーザーに提供する。
【0043】
図16及び
図17は、触覚周辺装置が、タブレットコンピューター1604と共に用いることができるゲーミングタブレットコントローラー1602である本発明の別の実施形態を示す。タブレットコンピューター1604は、Razer Inc.から入手可能であるもの等の、ゲームアクティビティのために特に設計されてもよく、又は、Apple(登録商標)Ipad(登録商標)、Kindle(登録商標)Fire(登録商標)及びSamsung(登録商標)Galaxy Tab(登録商標)等の既知の市販のタブレットコンピューターであってもよい。ゲーミングタブレットコントローラー1602は、タブレットコンピューター1604及びハンドル1662、1664を受けるように構成されたドッキング部1660を備え、ユーザーがタブレットコンピューター1604上でゲームを制御するためのユーザー入力エレメントがその上に配設されている。ドッキング部1660は、ゲーミングタブレットコントローラー1602をタブレットコンピューター1604に接続し、ボタンを押下する、ジョイスティックを動かす、トリガーを押下する等のユーザーによるハンドル1662、1664に対するアクションの結果として、タブレットコンピューター1604上でゲーム上のアクションが再生されるようにする。触覚周辺装置1602のハンドル1662、1664は、左利きのユーザーであっても、右利きのユーザーであっても、装置を把持する2つの手に容易に合うような形状にされ、ユーザーに全体的な又はランブル触覚効果を提供するために、全体触覚出力装置1630が、ユーザーの手又は手のひらが概ね位置するロケーションにおいてハウジング1662、1664上に組み込まれる。
【0044】
ハンドル1662、1664は、コントローラーにおいて見られる通常のユーザー入力エレメントを備える。ユーザー入力エレメントはハンドル1664に関して説明される。一方、当業者であれば、同じ又は同様のユーザー入力エレメントをハンドル1662上で用いることができることを認識するであろう。特に、ハンドル1664は、ジョイスティック1640と、ボタン1642と、トリガー1646とを備える。
図16に見て取ることができ、当業者に既知であるように、これらのユーザー入力エレメントの各々のうちの2つ以上を各ハンドル1662、1664に含めることができる。さらに、ハンドル1664は、全体的な又はランブル触覚出力装置1630に関して上記で説明したように、ゲーミングタブレットコントローラー1602に全体的な又はランブル触覚効果を提供するためにハンドル1664に取り付けられた全体的な又はランブル触覚出力装置1630を備える。
【0045】
図17は、一実施形態による
図16のゲーミングタブレットコントローラーのブロック図を示す。
図17に示すように、ゲーミングタブレットコントローラー1602は、ドッキング部1660を介してタブレットコンピューター1604と通信するローカルプロセッサ1612を備える。有線接続又は無線接続等の他の接続を、ドッキング部1660の代わりに用いることができる。この実施形態におけるタブレットコンピューター1604は、表示スクリーンを備える。ゲーミングタブレットコントローラー1602は、代替的に、ローカルプロセッサ1612を含まないように構成することができ、それによって、ゲーミングタブレットコントローラー1602からの全ての入力/出力信号がタブレットコンピューター1604によって直接ハンドリング及び処理される。
【0046】
ローカルプロセッサ1612は、ジョイスティック1640、ボタン1642及びトリガー1646に結合され、また、それぞれジョイスティック1640、ボタン1642及びトリガー1646に結合することができる位置センサー1641、1643及び1647に結合される。
図17のブロック図は、ジョイスティック1640、ボタン1642及びトリガー1646の各々のうちの1つのみを示す。しかし、当業者であれば、上記で説明したように、複数のジョイスティック、ボタン及びトリガーのみでなく、他のユーザー入力エレメントを用いることができることを理解するであろう。ターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1650、1652、1656は、それぞれ、ジョイスティック1640、ボタン1642及びトリガー1646に結合される。ターゲットアクチュエーター又は触覚出力装置1652及び/又は1656のうちの1つ又は複数は、触覚的に強化されたユーザー入力エレメント101に関して上記で説明したようなボタン又はトリガー上に一体化されたスマート材料アクチュエーター1620とすることができる。換言すれば、ボタン1642及び/又はトリガー1646の各々は、ユーザーに変形触覚効果を提供するために上記で説明したようにスマート材料アクチュエーターと組み合わされたメカニカルキーを有する触覚的に強化されたユーザー入力エレメント1620とすることができる。ターゲット触覚出力装置1650、1652、1656及び全体触覚出力装置1630もローカルプロセッサ1612に結合され、ローカルプロセッサ1612は、タブレットコンピューター1604からの高レベルの監督コマンド又はストリーミングコマンドに基づいて触覚出力装置1650、1652、1656、1630に制御信号を提供する。ストリーミングの実施形態において、電圧の大きさ及び持続時間がゲーミングタブレットコントローラー1602にストリーミングされ、ゲーミングタブレットコントローラー1602において、タブレットコンピューター1604によってアクチュエーターに情報が提供される。動作時に、タブレットコンピューター1604は、1つ又は複数の選択されたアクチュエーターによって出力される触覚効果のタイプ(例えば、振動、ジョルト、デテント、ポップ等)等の高レベルのコマンドをローカルプロセッサ1612に提供することができ、それによって、ローカルプロセッサ1612は、出力されることになる触覚効果の特定の特性(例えば、大きさ、周波数、持続時間等)に関してアクチュエーターに命令する。ローカルプロセッサ1612は、ローカルプロセッサ1612に結合されたメモリ1614から触覚効果のタイプ、大きさ、周波数、持続時間又は他の特性を索出することができる。複数の形式、例えば、ビデオ、オーディオ及び触覚が同時に関与しているため、触覚効果は、ゲームへの更なる没入感をユーザーに提供する。
【0047】
本発明の一実施形態において、本明細書において説明される任意の触覚的に強化されたユーザー入力エレメントは、圧力検知式キーとすることができる。より詳細には、本明細書において説明される任意の触覚的に強化されたユーザー入力エレメントによって出力される変形触覚効果は、個々のユーザー入力エレメントに結合された、上記で説明された位置センサー1341、1343、1347、1641、1643、1647等のセンサーからの入力に従って変えるか又は変更することができる。一実施形態において、センサーは、ユーザーが個々のユーザー入力エレメントをどの程度強く押下しているかを測定し、それに応じて触覚効果を生成することができる歪みゲージ又は他の位置センサーである。変形触覚効果は、個々のユーザー入力エレメントに結合されたセンサーからの入力に従って変えるか又は変更することができ、入力は、ユーザー入力エレメントに加えられた圧力を示している。位置センサー又は圧力センサーは、ユーザー入力エレメント上に加えられる入力された力又は圧力を測定するように構成することができ、ローカルプロセッサ及び/又はホストプロセッサは、センサー入力に従って変形触覚効果を変えることができる。例えば、センサー入力が、ユーザーがユーザー入力エレメントをより強く押していることを示すか又は検出する場合、変形触覚効果は、より強くするか、又は相対的に増大させることができる。別の例では、ユーザーは、ユーザー入力エレメントに力又は圧力を加え、力又は圧力が様々な閾値を超えると、変形触覚効果を受けることができる。
【0048】
上述したように、スマート材料アクチュエーター120によって出力される触覚効果は、一時的であるか又は過渡的であり、メカニカルキー122が静止状態又は非押下状態にあるとき、メカニカルキー122が押下されているとき、及び/又はメカニカルキー122が押下された状態又は押し込まれた状態にあるときに出力することができる。より詳細には、メカニカルキー122が押下されているときに触覚効果を出力するために、上記で説明した位置センサー1341、1343、1347、1641、1643、1647を用いてそれぞれのユーザー入力エレメントの相対的位置を測定し、それによって、ユーザー入力エレメントが押し込まれているか又は押下されている間、触覚効果を再生することができる。変形触覚効果は、個々のユーザー入力エレメントに結合されたセンサーからの入力に従って変えるか又は変更することができ、入力は、ユーザー入力エレメントの相対位置を示している。位置センサーは、ユーザー入力エレメントが押下されているときのユーザー入力エレメントの相対位置又は変位量を測定するように構成することができ、ローカルプロセッサ及び/又はホストプロセッサは、センサー入力に従って変形触覚効果を変えることができる。例えば、変形触覚効果を用いて、ユーザー入力エレメントに、ユーザー入力エレメントが押下されている間、スマート材料触覚効果と、キー変位の様々な点における機械スナップドーム効果とを組み合わせた異なる力プロファイルを提供することができる。
【0049】
本発明による種々の実施形態を上述してきたが、これらの実施形態は、限定としてではなく単なる説明及び例として提示されていることを理解すべきである。形式及び細部における種々の変更は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明内で行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲(breadth and scope)は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。本明細書において論考された各実施形態、及び本明細書において引用された各引用文献の各特徴は、他の任意の実施形態の特徴と組み合わせて用いることができることも理解されるであろう。本明細書において論考された全ての特許及び刊行物はその全体が、引用することにより本明細書の一部をなす。