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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-209018(P2017-209018A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】腕金用営巣防止具
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/32 20110101AFI20171102BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
   A01M29/32
   H02G7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-102094(P2016-102094)
(22)【出願日】2016年5月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宏成
【テーマコード(参考)】
2B121
5G367
【Fターム(参考)】
2B121AA07
2B121BB30
2B121BB32
2B121BB35
2B121EA21
2B121FA15
5G367AA02
5G367AD09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なる腕金の内径や内周面の突起物に合わせて設置できるとともに脱落のリスクを軽減できる腕金用営巣防止具を提供する。
【解決手段】腕金130の端部の開口131から前記腕金130の内周面132と対向するように挿入される胴体部20と、前記内周面132と対向する前記胴体部20の対向面21Aから前記内周面132に向かって突出するように設けられ、前記胴体部20が前記開口131から抜け出さないように前記内周面132に接触する突出部31、32と、前記胴体部20に設けられ、前記胴体部20が前記腕金130の内部に挿入された状態で前記開口131を塞ぐ蓋部40と、前記蓋部40から突出するように設けられ、間接活線工具で把持される把持部50と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕金の端部の開口から前記腕金の内周面と対向するように挿入される胴体部と、
前記内周面と対向する前記胴体部の対向面から前記内周面に向かって突出するように設けられ、前記胴体部が前記開口から抜け出さないように前記内周面に接触する突出部と、
前記胴体部に設けられ、前記胴体部が前記腕金の内部に挿入された状態で前記開口を塞ぐ蓋部と、
前記蓋部から突出するように設けられ、間接活線工具で把持される把持部と、
を備えることを特徴とする腕金用営巣防止具。
【請求項2】
前記突出部は、前記対向面の周方向に沿って連続して設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の腕金用営巣防止具。
【請求項3】
前記突出部は、弾性変形する材質で形成される第1突出部と、前記第1突出部よりも前記胴体部が前記腕金の内部に挿入される方向の側に設けられ、弾性変形する材質で形成される第2突出部と、で形成され、
前記第2突出部が前記内周面に接触する圧力が、前記第1突出部が前記内周面に接触する圧力よりも小さくなるように、前記第2突出部の突出する長さが前記第1突出部の突出する長さよりも短く形成される
ことを特徴とする請求項2に記載の腕金用営巣防止具。
【請求項4】
前記突出部は、前記胴体部が前記腕金の内部に挿入されるときに前記開口と対向する第1面と、前記第1面の前記開口とは反対側に設けられる第2面と、を有し、
前記第1面と前記第2面とが前記対向面から遠ざかるにつれて互いに接近するように形成され、
前記第1面と前記対向面とで挟まれた第1角と、前記第2面と前記対向面とで挟まれた第2角と、が対向するとともに、前記第1角の第1角度が前記第2角の第2角度よりも小さくなるように形成される
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の腕金用営巣防止具。
【請求項5】
前記突出部は、前記胴体部の対向面の周方向に沿って断続的に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の腕金用営巣防止具。
【請求項6】
前記突出部は、弾性変形する材質で形成される第3突出部と、前記第3突出部よりも前記胴体部が前記腕金の内部に挿入される方向の側に設けられ、弾性変形する材質で形成される第4突出部と、で形成され、
前記第4突出部が前記内周面に接触する圧力が、前記第3突出部が前記内周面に接触する圧力よりも小さくなるように、前記第4突出部の突出する長さが前記第3突出部の突出する長さよりも短く形成される
ことを特徴とする請求項5に記載の腕金用営巣防止具。
【請求項7】
前記突出部は、前記胴体部が前記腕金の内部に挿入されるときに前記開口と対向する第3面と、前記第3面の前記開口とは反対側に設けられる第4面と、を有し、
前記第3面と前記第4面とが前記対向面から遠ざかるにつれて互いに接近するように形成され、
前記第3面と前記対向面とで挟まれた第3角と、前記第4面と前記対向面とで挟まれた第4角と、が対向するとともに、前記第3角の第3角度が前記第4角の第4角度よりも小さくなるように形成される
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の腕金用営巣防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腕金用営巣防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕金の端部の開口に取り付ける折り畳み式の閉塞具が知られている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−282438号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、電柱には、電線などを支持する腕金が添架されている。腕金は、金属材料で形成され、例えば中空の四角柱形状を呈する。腕金の端部の開口には、従来から営巣防止のために、発砲スチロールなどを埋め込んで開口を閉塞することで営巣を防止していた。しかし、発砲スチロールでは、その材質の脆さに起因して鳥類による営巣を防止できなかった。さらに、劣化した発砲スチロールを取り換えるには停電を要するという問題があった。
【0005】
そこで、特許文献1では、発砲スチロールに代えて、腕金の端部の開口を閉塞する閉塞具が開示されている。当該閉塞具は、開口に取り付けた状態において、腕金の内周面に向かって弾性付勢する折り畳み構造を有する。そして、作業員は、間接活線工具を用いて、当該閉塞具を腕金の端部の開口に取り付けることができる。当該閉塞具は、腕金の端部の閉塞状態を維持するために、その両端部に設けられている滑り止めを腕金の内周面に向かって弾性付勢する構造を有する部材である。
【0006】
しかし、当該閉塞具では、間接活線作業はできるものの、両端部に設けられている滑り止めのみで腕金の端部の開口に固定しているため、振動や暴風などにより脱落する虞があった。また、脱落には至らないものの、振動や暴風に起因して、当該閉塞具が端部の開口に向かって移動するような状況が生じるときには、端部の開口に隙間ができることから、腕金の内部に鳥などが侵入して営巣される虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決する主たる本発明は、腕金の端部の開口から前記腕金の内周面と対向するように挿入される胴体部と、前記内周面と対向する前記胴体部の対向面から前記内周面に向かって突出するように設けられ、前記胴体部が前記開口から抜け出さないように前記内周面に接触する突出部と、前記胴体部に設けられ、前記胴体部が前記腕金の内部に挿入された状態で前記開口を塞ぐ蓋部と、前記蓋部から突出するように設けられ、間接活線工具で把持される把持部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、間接活線工具を用いて無停電で取り付け作業が可能となり、腕金の開口を閉塞する構造のものとして、腕金の内周面に合致するように突出部が設けられていることから、異なる腕金の内径や内周面の突起物に合わせて設置できるとともに脱落のリスクを軽減できるため、作業効率の向上と安全性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る電柱に設置されている腕金の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係る腕金用営巣防止具の一例を示す斜視図である。
図3A】本実施形態に係る腕金用営巣防止具を−Z方向から見た一例を示す平面図である。
図3B】本実施形態に係る腕金用営巣防止具を−X方向から見た一例を示す平面図である。
図3C】本実施形態に係る腕金用営巣防止具を−Y方向から見た一例を示す平面図である。
図4】本実施形態に係る腕金用営巣防止具を腕金に設置した状態を+Y方向から見た一例を示す断面図である。
図5】本実施形態に係る腕金用営巣防止具を腕金に設置するときの作業状況を−X方向から見た一例を示す平面図である。
図6】本実施形態に係る腕金用営巣防止具を腕金に設置したときの設置状況を−X方向から見た一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
===腕金用営巣防止具10===
図1は、本実施形態に係る電柱100に設置されている腕金130の一例を示す図である。図2は、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10の一例を示す斜視図である。図3Aは、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10を−Z方向から見た一例を示す平面図である。図3Bは、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10を−X方向から見た一例を示す平面図である。図3Cは、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10を−Y方向から見た一例を示す平面図である。図4は、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10を腕金130に設置した状態を+Y方向から見た一例を示す断面図である。図5は、本実施形態に係る腕金用営巣防止具を腕金に設置するときの作業状況を−X方向から見た一例を示す平面図である。図6は、本実施形態に係る腕金用営巣防止具を腕金に設置したときの設置状況を−X方向から見た一例を示す平面図である。尚、以下説明において、X軸はY軸とZ軸に直交する軸であり、Y軸は把持部50が垂れ下がる方向に沿う軸であり、Z軸は腕金130の長手方向に沿う軸である。また、図1図6において、同一の部材については同一の数字を付して説明する。
【0013】
以下、図1図4を参照しつつ、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10について説明する。
【0014】
図1に示されるように、電柱100には、例えば、電線110と、電線110を絶縁支持する碍子120と、碍子120を電柱100に支持する腕金130が添架されている。腕金130は、金属材料で形成され、例えば中空の四角柱形状を呈する。腕金用営巣防止具10は、腕金130の端部の開口131から鳥類が侵入することによる内部での営巣を防止するために、開口131を閉塞するための道具である。腕金用営巣防止具10は、間接活線工具140を用いて開口131に装着できる構造を有する。これにより、腕金用営巣防止具10を装着または脱着させるときに、停電を要せず作業が可能になるため作業効率の向上が図れる。また、腕金用営巣防止具10は、開口131から挿入された状態において、腕金130の内周面132に向かって突出部30が圧接するように設けられているため、挿入された状態を強固に維持できる。
【0015】
上述した腕金用営巣防止具10は、例えば、胴体部20と、突出部30と、蓋部40と、把持部50と、を含んで構成されている。
【0016】
==腕金用営巣防止具10の構成==
<<胴体部20>>
図2図4を参照しつつ、本実施形態に係る胴体部20について以下のとおり説明する。
【0017】
胴体部20は、腕金130の内部に挿入されることで腕金130の内部の所定の領域を占領する部材である。図2に示されるように、胴体部20は、例えば、本体部21と、切込部22と、を含んで構成されている。なお、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、本体部21における内周面132と対向する面を対向面21Aとして、以下説明することとする。
【0018】
本体部21は、例えば熱可塑性の汎用の樹脂で形成され、例えばZ軸に沿う方向を長手方向とする中空の略四角柱形状を呈する。熱可塑性の汎用樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂などがある。本体部21は、例えば、後述する突出部30を内周面132に接触させるために、腕金130のX軸およびY軸に沿う断面の断面積と、本体部21のX軸およびY軸に沿う断面(XY断面)の外周縁を含んで形成される面の面積と、が略等しくなるように形成されている。そして、本体部21は、本体部21を開口131からスムーズに挿入できるように、後述する第2突起部の+Z側において+Z方向に向かうに従って断面積が小さくなるように形成されていることが好ましい。
【0019】
切込部22は、図4に示されるように、例えば、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、腕金130の碍子ボルト孔133から挿入される碍子ボルト121と係合するように形成されている。より具体的には、切込部22は、例えば本体部21の+Z方向の端部中央に設けられ、碍子ボルト孔133の径に略等しい径で形成される半円形状を呈する。
【0020】
<<突出部30>>
図2図3B図3C図4を参照しつつ、本実施形態に係る突出部30について以下のとおり説明する。
【0021】
突出部30は、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、胴体部20が開口131から容易に抜け出ないように、内周面132に対して圧接するように設けられる部材である。図2に示されるように、突出部30は、例えば、第1突出部31と、第2突出部32と、を含んで構成されている。
【0022】
第1突出部31は、例えば弾性変形する熱可逆性の汎用の樹脂で形成され、例えば本体部21の対向面21Aから突出するように設けられている。弾性変形する熱可塑性の汎用の樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂などがある。第1突出部31は、例えば、胴体部20が腕金130の内部に挿入されるときに、腕金130の開口131と対向する第1A面31Aと、第1A面31Aの腕金130の開口131とは反対側に設けられる第1B面31Bと、で形成されている。より具体的には、例えば、第1B面31Bが本体部21の対向面21Aから垂直(第2角)に延出するように設けられるとともに、第1A面31Aが対向面21Aに対して鋭角(第1角)を成して対向面21Aから離れるに従って第1B面31Bに接近するように設けられている。つまり、例えば、図3B図3Cに示されるように、第1A面31Aおよび第1B面31Bと対向面21Aとで形成されるY軸およびZ軸に沿う面で区切られる断面が直角三角形状を呈する。また、第1突出部31は、本体部21の周方向に沿って連続的に設けられている。したがって、第1突起部31は、第1A面31Aと第1B面31Bとが本体部21の周方向に連続的に形成されることにより、略つば形状を呈するように形成されている。また、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、第1突起部31が内周面132に圧接できるように、第1突出部31においては、第1A面31Aと第1B面31Bとが交差する一方の端辺と、一方の端辺と本体部21を介して反対側の他方の端辺と、の距離を示す第1突起幅(図3Cを参照)が、腕金130の一方の端辺と、腕金130の一方の端辺と対向する他方の端辺と、の距離を示す腕金内径(図4を参照)よりも大きくなるように形成されている。これにより、図4に示されるように、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、第1突起部31が内周面132に圧接するため、胴体部20が腕金130の内部から容易に抜けなくなる。
【0023】
第2突出部32は、例えば弾性変形する熱可逆性の汎用の樹脂で形成され、例えば本体部21から突出するように設けられている。弾性変形する熱可塑性の汎用の樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂などがある。第2突出部32は、例えば、胴体部20が腕金130の内部に挿入されるときに、腕金130の開口131と対向する第2A面32Aと、第2A面32Aの腕金130の開口131とは反対側に設けられる第2B面32Bと、で形成されている。また、第2突出部32は、本体部21の周方向に沿って連続的に設けられている。なお、第2突出部32は、第1突出部31と同様に略つば形状を呈するように形成されているため、その説明を省略する。図2に示されるように、第2突起部32は、例えば、第1突起部よりも+Z側に設けられる。また、第2突起部32は、第1突起部31と一定の距離を隔てて設けられることが好ましい。そして、開口131から腕金130の内部に向かって胴体部20を段階的に挿入するために、第2突出部32においては、第2A面32Aと第2B面32Bとが交差する一方の端辺と、一方の端辺と本体部21を介して反対側の他方の端辺と、の距離を示す第2突起幅(図3Cを参照)が、腕金130の一方の端辺と、腕金130の一方の端辺と対向する他方の端辺と、の距離を示す腕金内径(図4を参照)と略等しく形成されていることが好ましい。これにより、胴体部20を開口131から挿入するときに、腕金130の内部に第2突起部32を引掛けるようにして仮配置しつつ、第1突起部31を押し込むように胴体部20を挿入することができる。つまり、第2突出部32は、開口131の近辺に引掛けられることで胴体部20が腕金130の内部から容易に抜け出さないように仮固定しつつ、胴体部20を段階的に挿入させるための部材である。
【0024】
<<蓋部40>>
図2図3A図3B図3C図4を参照しつつ、本実施形態に係る蓋部40について以下のとおり説明する。
【0025】
蓋部40は、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、開口131を閉塞する部材である。蓋部40は、例えば熱可逆性の汎用の樹脂で形成され、略直方体形状を呈する。熱可塑性の汎用の樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂などがある。図2図3A〜3Cに示されるように、蓋部40の+Z側の面には、胴体部20が延出するように設けられている。なお、蓋部40と胴体部20とは、分離できないように一体的に形成されているか、分離できるように胴体部20が蓋部40にねじ込まれて接合されているか、はどちらでもよく、容易に外れないように互いが結合していればよい。図4に示されるように、蓋部40の少なくとも+Z側の面は、開口131よりも大きい面積を有する。そして、蓋部40は、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、XY平面に沿う蓋部40における開口131に近い側の一面(+Z側の面)と、開口131と、が面一になるように形成されている。これにより、蓋部40は開口131を隙間なく閉塞できる。
【0026】
<<把持部50>>
図3A図3B図3Cを参照しつつ、本実施形態に係る把持部50について以下のとおり説明する。
【0027】
把持部50は、間接活線工具140を用いて作業が行えるように設けられる部材である。把持部50は、例えば熱可逆性の汎用の樹脂で形成され、扁平形状を呈する。熱可塑性の汎用の樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂などがある。図3A〜3Cに示されるように、把持部50は、蓋部40に+Y側の一端が接合されている。そして、把持部50は、蓋部40のX軸およびZ軸に沿う面(−Y側)から垂れ下がるように設けられている。把持部50は、例えば、凹凸部51と、切取部52と、を含んで構成されている。
【0028】
凹凸部51は、扁平形状の平面に設けられる凹凸形状を呈する部分である。凹凸部51は、間接活線工具140(例えば、絶縁ヤットコ141)で把持部50を挟持したときに、間接活線工具140から滑らないように設けられる部分である。凹凸部51は、凹と、凸と、が交互に連続的に設けられている。なお、凹凸部51は、扁平形状の+Z側の平面あるいは−Z側の平面のいずれか一方または両方に設けられている。
【0029】
切取部52は、蓋部40から把持部50を切り取れるように設けられる部分である。切取部52は、図3A図3Bに示されるように、把持部50の+Y端部にX軸に沿って−X端から+X端にかけて設けられている。切取部52は、例えば、間接活線工具140を用いて引きちぎりやすいように、切取部52以外の把持部50における他の部分と比較して薄く形成されている。切取部52を設けることにより、把持部50が何かに引っ掛かるような外的作用に起因して、腕金用営巣防止具10が端部から抜け出すリスクを軽減できる。
【0030】
==使用手順==
以下、図1図5図6を参照しつつ、腕金用営巣防止具10の使用手順について以下のとおり説明する。
【0031】
図1に示されるように、作業員は、腕金用営巣防止具10を設置する対象の腕金130を確認する。作業員は、間接活線工具140(例えば、絶縁ヤットコ141、タイスティックハンマー142)を準備する。作業員は、高所作業車などを用いて、腕金130の端部に腕金用営巣防止具10を設置できる高さまで移動する。
【0032】
図5に示されるように、作業員は、例えば絶縁ヤットコ141で腕金用営巣防止具10の把持部50を挟持して、胴体部20を開口131に挿入するように、腕金用営巣防止具10を持ち上げる。先ず、作業員は、胴体部20を開口131に挿入させるとともに、第2突起部32までを開口131に挿入させる。これにより、第2突起部32が内周面132に接触するため、胴体部20が腕金130の開口131から抜け出しにくい状態となる。
【0033】
次に、作業員は、絶縁ヤットコ141で把持部50を挟持しつつ、タイスティックハンマー142で蓋部40を+Z方向に向かって打ち込む。図6に示されるように、作業員は、第1突起部31が腕金130の内部に入り込み、かつ蓋部40の+Z側の面と開口131とが面一になることを確認する。これにより、第1突起部31が内周面132に圧接するため、腕金用営巣防止具10が腕金130の端部から外れないように固定される。
【0034】
次に、作業員は、図6に示されるように、例えば絶縁ヤットコ141で把持部50を挟持しつつ、把持部50を蓋部40から切り取るために、切取部52に曲げの応力を連続的に加える。作業員は、切取部52の抵抗力が小さくなってきたところで把持部50を蓋部40から切り離す。これにより、腕金用営巣防止具10が設置された状態において把持部50に外力がかかって腕金用営巣防止具10が腕金130の端部から外れることを防止できる。
【0035】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のようなものも含まれることとする。
【0036】
===その他の実施形態===
<<胴体部20>>
上記において、本体部21は、中空の四角柱形状を呈するとして説明したが、中空でなくてもよく、本体部21の側面が内周面132に対向する形状のものであればよい。
【0037】
また、上記において、胴体部20は、切込部22を含んで構成されているとして説明したが、切込部22を含んで構成されている必要はない。この場合、本体部21の腕金130の長手方向(Z方向)の長さが碍子ボルト孔133に届かないような延長のものであればよい。
【0038】
また、上記において、切込部22は、本体部21の+Z方向の端部に半円状を呈して設けられているとして説明したが、半円状を呈していなくてもよく、例えば胴体部20の+Z側の端部をY軸に沿って円状に貫通して設けられていてもよい。この場合、本体部21の腕金130の長手方向(Z方向)の長さが、本体部21が挿入された状態において碍子ボルト孔133を塞ぐような延長のものであればよい。
【0039】
<<突出部30>>
上記において、突出部30(第1突出部31,第2突出部32)は、本体部21の周方向に沿って連続的に設けられているとして説明したが、これに限定されない。例えば、本体部21の周方向に沿って突起部30(第3突起部,第4突起部)が断続的に設けられていてもよい。この場合、突出部30(第3突起部,第4突起部)は、本体部21の周方向に沿って等間隔で設けられ、三つ以上で構成されていることが好ましい。突出部30(第3突起部,第4突起部)による内周面132への圧接をバランスよく均等に行うためである。なお、断続的に設けられる突出部30(第3突起部,第4突起部)は、胴体部20が腕金130の内部に挿入されるときに、腕金130の開口131と対向する第32面(不図示)と、第32面(不図示)の腕金130の開口131とは反対側に設けられる第31面(不図示)と、で形成されていることとする。
【0040】
また、上記において、突出部30(第1突出部31,第2突出部32)は、Y軸およびZ軸に沿う面で区切られる断面が直角三角形形状を呈しているとして説明したが、これに限定されない。例えば、第1A面31Aと対向面21Aとで挟まれた第1角と、第1角と対向する第1B面31Bと対向面21Aとで挟まれた第2角と、第1角および第2角とは異なる内角と、のそれぞれが鋭角からなる三角形形状でもよい。なお、胴体部20が腕金130の内部に挿入しやすく、かつ抜けにくくするために、第1角の第1角度が第2角の第2角度よりも小さくなるように形成されることとする。
【0041】
また、上記において、突出部30は、第1突出部31と、第2突出部32と、を含んで構成されているとして説明したが、これに限定されない。例えば、突出部30は、第1突出部31のみで構成されていてもよい。第1突出部31は、胴体部20が腕金130の内部に挿入されたときに、内周面132と圧接するため、胴体部20が開口131から容易に抜け出さないという効果を発揮できるためである。
【0042】
また、上記において、突起部は、第1突出部31と、第2突出部32と、を含んで構成されているとして説明したが、これに限定されない。突起部30は、例えば、第2突起部32よりも+Z側にさらに突起部を含んで構成されていてもよい。この場合、当該突起部は、第2突起部32の第2突起幅と等しい突起幅で形成されていることが好ましい。さらに、当該突起部よりも+Z側にさらに突起部が設けられていてもよく、その個数が限定されるものではない。
【0043】
<<蓋部40>>
上記において蓋部40は、略直方体形状を呈するとして説明したが、これに限定されない。例えば、円柱形状でもよく、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態において、開口131を閉塞するXY平面に沿う蓋部40の一面と、開口131と、が面一になるように形成されていればよい。
【0044】
<<把持部50>>
上記において、把持部50は、蓋部40のX軸およびZ軸に沿う面(−Y側)から垂れ下がるように設けられているとして説明したが、これに限定されない。例えば、胴体部20における第1突出部31と第2突出部32との間に設けられていてもよい。
【0045】
また、上記において、把持部50は、凹凸部51を含んで構成されているとして説明したが、凹凸部51を設けなくてもよい。
【0046】
また、上記において、切取部52は、切取部52以外の把持部50における他の部分と比較して薄く形成されているとして説明したが、これに限定されない。例えば、薄くする代わりにミシン目を設けることで把持部50を切り離せるように構成してもよい。
【0047】
また、上記において、把持部50は、切取部52を含んで構成されているとして説明したが、切取部52を設けなくてもよい。つまり、腕金用営巣防止具10が腕金130の端部に設置された状態において把持部50が設けられたままでも、胴体部20が開口131から容易に抜け出さないという効果を発揮できるためである。
【0048】
===まとめ===
以上説明したように、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10は、腕金130の端部の開口131から内周面132と対向するように挿入される胴体部20と、内周面132と対向する胴体部20の対向面21Aから内周面132に向かって突出するように設けられ、胴体部20が開口131から抜け出さないように内周面132に接触する突出部30と、胴体部20に設けられ、胴体部20が腕金130の内部に挿入された状態で開口131を塞ぐ蓋部40と、蓋部40から突出するように設けられ、間接活線工具140で把持される把持部50と、を備えることを特徴とする。本実施形態によれば、開口131を隙間なく閉塞できるとともに、腕金用営巣防止具10が容易に開口131から抜け出さない構造を有するため、確実に営巣を防止できる。
【0049】
また、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10において、突出部30は、対向面21Aの周方向に沿って連続して設けられることを特徴とする。本実施形態によれば、対向面21Aの周方向に連続的に設けられているため内周面132との接触面積が大きくなるため、開口131から容易に抜け出さず確実に設置できる。
【0050】
また、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10において、突出部30は、弾性変形する材質で形成される第1突出部31と、第1突出部31よりも胴体部20が腕金130の内部に挿入される方向の側に設けられ、弾性変形する材質で形成される第2突出部32と、で形成され、第2突出部32が内周面132に接触する圧力が、第1突出部31が内周面132に接触する圧力よりも小さくなるように、第2突出部32の突出する長さが第1突出部31の突出する長さよりも短く形成されることを特徴とする。本実施形態によれば、開口131に挿入する方向に突出する長さが短い突出部30が設けられるため、胴体部20を開口131に挿入しやすく構成されることから作業効率の向上が図れる。
【0051】
また、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10において、突出部30は、胴体部20が腕金130の内部に挿入されるときに開口131と対向する第1A面31Aと、第1A面31Aの開口131とは反対側に設けられる第1B面31Bと、を有し、第1A面31Aと第1B面31Bとが対向面21Aから遠ざかるにつれて互いに接近するように形成され、第1A面31Aと対向面21Aとで挟まれた第1角と、第1B面31Bと対向面21Aとで挟まれた第2角と、が対向するとともに、第1角の第1角度が第2角の第2角度よりも小さくなるように形成されることを特徴とする。本実施形態によれば、本体部21が開口131から抜け出にくくなるような突出部30の形状を備えるため、腕金用営巣防止具10を確実に配置できる。
【0052】
また、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10において、突出部30は、胴体部20の対向面21Aの周方向に沿って断続的に設けられることを特徴とする。本実施形態によれば、内周面132の構造に合わせて挿入しやすくなるため、作業効率の向上が図れる。
【0053】
また、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10において、断続的に設けられる突出部30は、弾性変形する材質で形成される第3突出部(不図示)と、第3突出部よりも胴体部20が腕金130の内部に挿入される方向の側に設けられ、弾性変形する材質で形成される第4突出部(不図示)と、で形成され、第4突出部が内周面132に接触する圧力が、第3突出部が内周面132に接触する圧力よりも小さくなるように、第4突出部の突出する長さが第3突出部の突出する長さよりも短く形成されることを特徴とする。本実施形態によれば、開口131に挿入する方向に突出する長さが短い突出部30(第4突出部)を設けることによって、胴体部20を腕金130の内部に挿入しやすくなるため、作業効率の向上が図れる。
【0054】
また、本実施形態に係る腕金用営巣防止具10において、断続的に設けられる突出部30は、胴体部20が腕金130の内部に挿入されるときに開口131と対向する第31面(不図示)と、第31面の開口131とは反対側に設けられる第32面(不図示)と、を有し、第31面と第32面とが対向面21Aから遠ざかるにつれて互いに接近するように形成され、第31面と対向面21Aとで挟まれた第3角(不図示)と、第32面と対向面21Aとで挟まれた第4角(不図示)と、が対向するとともに、第3角の第3角度が第4角の第4角度よりも小さくなるように形成されることを特徴とする。本実施形態によれば、本体部21が開口131から抜け出にくくなるような突出部30の形状を備えるため、腕金用営巣防止具10を確実に配置できる。
【符号の説明】
【0055】
10 腕金用営巣防止具
20 胴体部
21A 対向面
30 突出部
31 第1突出部
31A 第1A面
31B 第1B面
32 第2突出部
40 蓋部
50 把持部
130 腕金
131 開口
132 内周面
140 間接活線工具
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6