(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-209331(P2017-209331A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/537 20060101AFI20171102BHJP
【FI】
A61F13/537 310
A61F13/537 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-105038(P2016-105038)
(22)【出願日】2016年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100204755
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196645
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 陽子
(72)【発明者】
【氏名】安藤 拓郎
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA14
3B200BB04
3B200BB20
3B200DA14
(57)【要約】
【課題】セカンドシートを設けた吸収性物品において、吸収性物品の吸収性能を損なうことなく、吸収性物品の厚みを薄くして、装着感に優れる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品において、トップシートと、吸収体と、の間に、セカンドシートが配置されており、前記セカンドシートが、不織布シートに水溶性バインダーを含浸されたものであって、吸収性物品の厚み方向に圧縮乾燥されているものである、吸収性物品。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品において、
トップシートと、吸収体と、の間に、セカンドシートが配置されており、
前記セカンドシートが、不織布シートに水溶性バインダーが含浸されたものであって、吸収性物品の厚み方向に圧縮乾燥されているものである、吸収性物品。
【請求項2】
前記セカンドシートに用いられる不織布シートが、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる複合繊維から構成されるエアスルー不織布、又はポリエチレン及びポリエステルからなる複合繊維から構成されるエアスルー不織布である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記セカンドシートに用いられる不織布シートの坪量が、15g/m2以上50g/m2以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記セカンドシートは、その全面が厚み方向に圧縮されている、請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記セカンドシートは、一定のパターンに従って、厚み方向に圧縮乾燥されており、水溶性バインダーは、圧縮されたセカンドシートの部位のみに局在している、請求項1から3のいずれかに記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽失禁パッドや、ライナー等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、で構成されており、これにより、尿や血液等の体液は、トップシートを通って吸収体に吸収される。ここで、従来、吸収性物品においては、吸収性能を改善するため、吸収体近傍に、高吸収性ポリマーを担持させたSAPシートや、嵩高のセカンドシートが設けられている。このうち、セカンドシートを設けることにより、トップシート側から吸収体への体液の移行が促進されて、吸収性物品の吸収性能が向上するとともに、吸収した体液の逆戻りも効果的に防止され、トップシートを乾燥した状態に維持することができる。
【0003】
このようなセカンドシートを設けた吸収性物品としては、例えば、特許文献1に、トップシートと、バックシートと、吸収体とを有する吸収性物品において、トップシートと吸収体との間に配置するセカンドシートにおける、KES圧縮試験の圧縮特性における圧縮硬さのLCの値、及びセカンドシートの厚み等の特性を調整した吸収性物品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4164416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の吸収性物品を含め、セカンドシートを設けた吸収性物品では、セカンドシート自体の厚みから、吸収性物品全体が厚くなってしまうという問題がある。このような問題は、薄型化が求められる軽失禁パッドやライナー等においては、特に顕在化する可能性があるものであった。よって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、セカンドシートを設けた吸収性物品において、吸収性物品の吸収性能を損なうことなく、吸収性物品の厚みを薄くして、装着感に優れる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、トップシートと、吸収体との間に、セカンドシートを配置した吸収性物品において、セカンドシートを、水溶性バインダーを含浸させた不織布シートとして、これを吸収性物品の厚み方向に圧縮乾燥処理を施すことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0007】
(1)本発明の第1の態様は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品において、トップシートと、吸収体と、の間に、セカンドシートが配置されており、前記セカンドシートが、不織布シートに水溶性バインダーが含浸されたものであって、吸収性物品の厚み方向に圧縮乾燥されているものである、吸収性物品である。
【0008】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の吸収性物品であって、前記セカンドシートに用いられる不織布シートが、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる複合繊維から構成されるエアスルー不織布、又はポリエチレン及びポリエステルからなる複合繊維から構成されるエアスルー不織布であることを特徴とするものである。
【0009】
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、前記セカンドシートに用いられる不織布シートの坪量が、15g/m
2以上50g/m
2以下であることを特徴とするものである。
【0010】
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記セカンドシートは、その全面が厚み方向に圧縮されていることを特徴とするものである。
【0011】
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、前記セカンドシートは、一定のパターンに従って、厚み方向に圧縮乾燥されており、水溶性バインダーは、圧縮されたセカンドシートの部位のみに局在していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の吸収性物品においては、トップシートと、吸収体との間にセカンドシートを配置し、このセカンドシートを、水溶性バインダーを含浸させた不織布シートから構成して、吸収性物品の厚み方向に圧縮乾燥したので、セカンドシートの厚みを薄くし、結果として、吸収性物品の厚みも薄くしつつも、セカンドシートが本来有する、吸収性能改善の効果を十分に発揮させることができ、吸収性能に優れ、厚みの薄い吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の吸収性物品の平面図及び断面図を示す図面である。
【
図2】セカンドシートが圧縮される態様を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る吸収性物品1について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明においては、全体を通して同じ要素には同じ符号を付している。本明細書における以下の説明において、体液とは、尿、血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出される液体をいう。さらに、吸収性物品1の着用時とは、吸収性物品1の装着時及び装着後の少なくとも一方を示す。なお、本明細書の説明において、吸収性物品1の長手方向とは、吸収性物品1が着用されたときに着用者の前後に亘る方向であり、図中、符号Yで示す方向である。また、吸収性物品1の幅方向とは、長手方向に対して横又は直交する方向であり、図中、符号Xで示す方向である。さらに、本明細書において、吸収性物品1の身体接触側表面とは、吸収性物品1の着用時に着用者の肌に当接する表面を指し、衣類接触側表面とは、吸収性物品1の着用時に着用者の衣類に当接する表面を指す。本明細書においては、吸収性物品1の身体接触側表面側を上側と称し、衣類接触側表面側を下側と称することがある。
【0015】
<吸収性物品>
図1は本発明の吸収性物品1の平面図及び断面図を示す図面であり、
図2はセカンドシート15が圧縮される態様を示す図面である。本発明の吸収性物品1は、液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート30と、トップシート10及びバックシート30の間に配置された吸収体20と、を有し、トップシート10及び吸収体20の間には、セカンドシート15が配置されたものである。
【0016】
[トップシート]
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体20を挟んで、バックシート30と対向して配置されている。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような基材、例えば、エアスルー不織布を代表とするサーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、又はこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。トップシート10は、単層であっても、複数層積層されていてもよく、ドライタッチ性を付与するために多数の透孔が形成されていてもよい。
【0017】
不織布としては、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成繊維やレーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いて、サーマルボンド法のほか、スパンレース法やスパンボンド法等の公知の加工法によって得られたものも用いることができる。加工性及び強度の点から、トップシート10の坪量は、18g/m
2以上40g/m
2以下であることが好ましい。トップシート10には、肌への刺激を低減させるために、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を適用してもよい。トップシート10は、着用者の股部が位置づけられる長手方向中央に括れ部を有する砂時計形状、略矩形状等の形状を有していてもよく、吸収体20の側縁よりも若干外方に延在して設けられていてもよい。
【0018】
[バックシート]
バックシート30は、吸収性物品1の外部に体液が漏れないよう、液不透過性を有し、遮水性を有するシート材が用いられるが、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。このような特性を有するバックシート30の材料としては、例えば、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを挙げることができる。バックシート30は、着用者の股部が位置づけられる長手方向中央に括れ部を有する砂時計形状、略矩形状等の形状を有していてもよく、吸収体20の側縁より若干外方に延在して設けられていてもよい。バックシート30の衣類接触側表面には、着用時に下着等に吸収性物品1を固着するための粘着剤層が設けられていてもよい。吸収性物品1が粘着剤層を有する場合、粘着剤層を保護するための剥離シートを有していてもよく、この剥離シートは、吸収性物品1の包装シートと一体となっていてもよい。トップシート10及びバックシート30は、長手方向端部等、端部の少なくとも一部において、吸収体20を挟まずに、ホットメルト接着剤やヒートシール等により固着されるフラップを形成していてもよい。
【0019】
[吸収体]
吸収体20は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(以下、SAPとも称する)と、を含有する。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。斯かるフラッフパルプとしては、木材パルプ、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。
【0020】
吸収体20の高吸水性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸ナトリウム系、ポリアスパラギン酸塩系、(デンプン−アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等の材料から形成されたものを使用することができる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸ナトリウム系が好ましい。
【0021】
吸収体20において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成した積層マットの形態であることが好ましい。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体20の形状の安定化の目的から、吸収体20をキャリアシートに包むことが好ましい。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュ、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、キャリアシートの基材は同一のものであっても異なるものであってもよい。
【0022】
吸収体20は、上層吸収体と下層吸収体とを積層してなるものであってもよい。この場合、上層吸収体と下層吸収体の長手方向及び幅方向の寸法は、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法より大きくてもよく、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法と同じであってもよく、上層吸収体の寸法が下層吸収体の寸法より小さくてもよい。
【0023】
[セカンドシート]
本発明の吸収性物品1においては、トップシート10と吸収体20との間に、セカンドシート15が配置されている。トップシート10と吸収体20との間に、セカンドシート15が配置されていることにより、トップシート10側から吸収体20への体液の移行が促進されて、吸収性物品1の吸収性能が向上するとともに、吸収した体液の逆戻りも効果的に防止され、トップシート10を乾燥した状態に維持することができる。セカンドシート15は、繊維材料から構成されており、エアスルー不織布のサーマルボンド不織布により構成することが好ましい。また、セカンドシート15を構成する繊維材料については、親水化処理がなされていることが好ましい。このような親水化処理により、体液を吸収体20に移行させる機能が最大化される。
【0024】
セカンドシート15である不織布シートを構成する繊維材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、若しくはポリエステル;ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の2種類以上の素材からなる複合繊維、又は;セルロース繊維等の天然繊維やその混合物でもよく、低融点ポリエステルとポリエステル、ポリエステルとポリエチレン、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維であることが、強度や嵩高さの面からも好ましい。本発明においては、これらの中でも、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる複合繊維、又はポリエチレン及びポリエステルからなる複合繊維を使用することが好ましい。ここで、複合繊維とは、少なくとも2成分の繊維材料から1本の繊維を構成した多成分系の繊維を指し、各繊維材料の配置から、鞘−芯型、並列型、海島型、分割型等に分類される。本発明においては、これらの中でも、特に、鞘−芯型の複合繊維を用いることが好ましく、このような複合繊維から不織布を構成した後に熱風を当てることにより、嵩高な不織布を得ることができる。なお、繊維及び複合繊維の親水性処理方法としては、繊維及び複合繊維に親水化剤を塗布したり、製造したセカンドシート15にスプレー塗布、含浸したりすることによって処理する方法が挙げられる。
【0025】
セカンドシート15を構成する不織布の坪量は、15g/m
2以上50g/m
2以下であることが好ましく、20g/m
2以上45g/m
2以下であることがより好ましい。セカンドシート15の坪量を上記の範囲内のものとすることにより、体液に接触する前の圧縮された状態では、セカンドシート15の厚みを薄くしつつも、体液に接触した後には、十分な嵩高さを有するものに構成することができる。
【0026】
本発明の吸収性物品1で使用されるセカンドシート15は、不織布シートに水溶性バインダーが含浸されており、吸収性物品1の厚み方向に圧縮乾燥されていて、体液に接触する前の状態では、セカンドシート15の厚みが薄く維持されており、体液と接触することにより、水溶性バインダーが体液中の水分に溶解することにより、不織布の拘束が解除されて、セカンドシート15の嵩高さが発揮されるようになっている。これにより、吸収性物品1の着用時には、吸収性物品1の厚みが薄く維持されるものの、トップシート10側から吸収体20への体液の移行を促進し、吸収した体液の逆戻りを防止するセカンドシート15の機能も十分に維持される。
【0027】
(水溶性バインダー)
水溶性バインダーとしては、水に溶解又は分散することができる高分子化合物を使用することができる。水溶性バインダーとしては、具体的には、デンプン又はその誘導体、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、エチレン酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース及びその誘導体等を挙げることができる。これらの中でも、アルファー化デンプンが好ましい。
【0028】
水溶性バインダーの使用量は、乾燥重量で1g/m
2以上1000g/m
2以下であることが好ましく、10g/m
2以上500g/m
2以下であることがより好ましい。水溶性バインダーの使用量を上記の範囲内のものとすることにより、セカンドシート15が体液と接触する前に、セカンドシート15の厚みを薄くする効果と、セカンドシート15が吸収性物品の吸収性能を改善する効果を、程よく両立させることができる。
【0029】
(セカンドシートの圧縮パターン)
図2に示すように、セカンドシート15は、その全面が厚み方向に圧縮乾燥されていてもよく、ストライプ状や、市松模様状等、一定のパターンに従って、厚み方向に圧縮乾燥されていてもよい。セカンドシート15を一定のパターンに従って、厚み方向に圧縮乾燥する場合には、上述の水溶性バインダーは、圧縮されたセカンドシート15の部位のみに局在していることが好ましい。
【0030】
[立体ギャザー]
吸収性物品1の身体接触側表面には、立体ギャザーが設けられていてもよい。この立体ギャザーは、トップシート10とともに体液の閉じ込め空間を形成し、体液の横漏れを防止できるようになっている。立体ギャザーは、立体ギャザーシートと、立体ギャザーシートの自由端部に沿って配された伸縮性弾性部材と、を備えていることが好ましい。伸縮性弾性部材としては、天然ゴム、合成ゴム、及びポリウレタン等からなる、糸状、紐状、平型形状のものを適宜使用することができる。
【0031】
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品1の製造方法としては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、必要に応じて、液拡散性シート及び立体ギャザーをあらかじめトップシート10上に配置し、このトップシート10とバックシート30との間にセカンドシート15や吸収体20を挟持する。そして、トップシート10とバックシート30とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定することで製造することができる。最後に、これを包装体に個別包装した後、長手方向に3つ折り等にして折り畳めばよい。
【0032】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0033】
1 吸収性物品
10 トップシート
15 セカンドシート
20 吸収体
30 バックシート