【解決手段】表示装置は、弾球遊技機又は回胴式遊技機より遊技情報を取得する取得部と、取得した遊技情報に基づき画像を生成する生成部と、前記弾球遊技機又は回胴式遊技機で遊技する遊技者を覆う形状をなす筐体と、該筐体内部に表示面を有し、生成した画像を表示する表示部とを備える。
【発明を実施するための形態】
【0010】
  以下、実施の形態を、図面を参照しつつ、説明する。なお、以下、遊技機として、パチンコ機(弾球遊技機)の場合を説明するが、パチスロ機(回胴式遊技機)の場合も、同様である。
 
【0011】
(実施の形態1)
  
図1は表示システムの構成を示す説明図である。
図1Aは表示システムを正面から見た場合を示している。
図1Bは表示システムを上方から見た場合を示している。表示システムは、表示装置1、スピーカ3、パチンコ機4、操作装置(操作部)5を含む。表示装置1は画像出力ユニット(取得部、生成部)10、ディスプレイ(表示部)20を含む。画像出力ユニット10はディスプレイ20に画像を出力する。また、画像出力ユニット10はスピーカ3に音声を出力する。パチンコ機4は画像出力ユニット10へ遊技情報を送信する。操作装置5は例えば、ジョイスティック、トラックボールである。画像出力ユニット10は、遊技情報を受信する。画像出力ユニット10は受信した遊技情報に基づいて、画像を生成する。生成した画像はディスプレイ20に表示される。なお、
図1Bにおいては、説明の都合上、天面部27、操作装置5等を省略している。
 
【0012】
  ディスプレイ20は正面部21、左側部22、右側部23、天面部27、筐体29を含む。正面部21は、例えば矩形状の表示面を有する。正面部21は、例えば液晶表示パネル、透過型の有機EL(Electro  Luminescence)表示パネル、透過型液晶表示パネルを用いて構成する。正面部21はパチンコ機4の盤面を覆うように配置されている。正面部21の下側はパチンコ機4の一部が露出している。遊技者はハンドル部41を操作することにより、遊技を行う。左側部22、右側部23、天面部27は曲面状の表示面を有する。左側部22、右側部23、天面部27は、例えば自発光式のフレキシブルディスプレイを用いて構成する。筐体29は、正面部21、左側部22、右側部23、天面部27を固定している。正面部21、左側部22、右側部23は、それぞれの表示面が連続するように設置されている。左側部22は遊技者の正面左寄りから遊技者の左側を覆う形状としてある。同様に、右側部23は遊技者の正面右寄りから遊技者の右側を覆う形状としてある。天面部27は遊技者の上側を覆う形状としてある。ディスプレイ20は、画像出力ユニット10から出力された画像を正面部21、左側部22、右側部23、天面部27全体で1つの画像として表示する。なお、正面部21は、透過型有機EL表示パネル又は透過型液晶表示パネルを用いることが望ましい。透過型の表示パネルは背後にあるものが視認可能である。それにより、遊技者がパチンコ機4の盤上の状態や盤上の遊技球の位置を確認可能となる。また、正面部21の縦横寸法はパチンコ機4の枠の縦横寸法と同じ寸法とする。枠の寸法は共通化されているため、様々なパチンコ機4に対して、ディスプレイ20が適用可能となるからである。さらにまた、表示領域を床面に設けても良い。一方、本実施の形態のように、表示面から光を発するディスプレイ20(自発光型表示部)を有する表示装置1を自発光型表示装置という。
 
【0013】
  図2は画像出力ユニット10のハードウェア構成を示すブロック図である。画像出力ユニット10は、汎用コンピュータ、ワークステーション、デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)、ノートブック型PC、タブレットコンピュータ等で構成可能である。画像出力ユニット10は、CPU(Central  Processing  Unit)11、ROM(Read  Only  Memory)12、RAM(Random  Access  Memory)13、通信部14、大容量記憶装置15、画像メモリ16、画像出力部17、音声出力部18、操作インタフェース19を含む。各構成はバスBで接続されている。
 
【0014】
  CPU11はROM12に記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)10Pに従いハードウェア各部を制御する。RAM13は例えばSRAM(Static  RAM)、DRAM(Dynamic  RAM)、フラッシュメモリである。RAM13は
CPU11による制御プログラム10Pの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。通信部14は、パチンコ機4から遊技情報を受信する。遊技情報は、例えば抽選結果(当たり、外れ)、遊技状態(通常、確変、時短)、演出モードなどである。大容量記憶装置15は、例えばハードディスク、SSD(Solid  State  Drive)などである。大容量記憶装置15は、画像DB(Data  Base)151、演出シナリオDB152を記憶する。大容量記憶装置15は、RAM13と同様に、制御プログラム10Pの実行時に発生するデータなどを一時的に記憶する。また、制御プログラム10Pを大容量記憶装置15に記憶しても良い。画像メモリ16はDRAM、フラッシュメモリなどであり、出力する画像を一時的に記憶する。画像出力部17は、生成した画像をディスプレイ20に出力する。音声出力部18はスピーカ3に音声を出力する。操作インタフェース19は例えば、USB(Universal  Serial  Bus)ポートである。操作インタフェース19は、遊技者が操作可能な操作装置(操作部)5からの操作信号を受け取る。操作装置5は例えば、ジョイスティック、トラックボールである。画像出力ユニット10は制御プログラム10Pに従い動作することで、取得部、生成部、画像制御部などの機能部を実現する。
 
【0015】
  次に、画像出力ユニット10が用いるデータベースについて説明する。表1は画像DB151のレコードレイアウトを示す説明図である。
 
【0017】
  画像DB151は、ID列、オブジェクト名列、名称列を含む。ID列は、画像を一意に特定する値を記憶する。オブジェクト名列は、画像データの実態であるファイルのファイル名を記憶する。オブジェクト名列に記憶された画像ファイルは、例えば、大容量記憶装置15に記憶する。名称列は、画像の名称を記憶する。表1に示す例では、画像DB15に記憶されている画像は全て動画像であるが、静止画像を記憶してもよい。なお、バイナリデータを記憶可能なデータベースマネジメントシステムを採用した場合は、画像データの実態を画像DB151に記憶してもよい。
 
【0018】
  表2は演出シナリオDB152のレコードレイアウトを示す説明図である。
 
【0020】
  演出シナリオDB152は、ID列、遊技状態列、画像ID列を含む。ID列は、シナリオを一意に特定するIDを記憶する。遊技状態列は、パチンコ機4が取り得る遊技状態を記憶する。画像ID列はシナリオに対応する画像のIDを記憶する。すなわち、画像ID列は、画像DB151のID列のいずれかの値を記憶する。演出シナリオDB152に記憶されている各IDが1つの演出シナリオを示している。表2に示す例では、パチンコ機4の遊技状態が通常状態の場合には、ID=1の演出シナリオが実行される。これは、画像ID列に記憶された画像ID=1の画像をディスプレイ20に表示させる。表1を参照すると、画像ID=1の画像は、ファイル名movie1.mp4の動画である。したがって、画像出力ユットは、movie1.mp4を再生し、出力画像をディスプレイ20に表示する。なお、シナリオに対応する画像は、一つに限らず複数としてもよい。
 
【0021】
  次に、画像出力ユニット10が行う処理について説明する。
図3は画像出力処理の手順を示すフローチャートである。画像出力ユニット10のCPU11は、パチンコ機4から遊技情報を取得する(ステップS1)。CPU11はシナリオを変更するか否かを判定する(ステップS2)。例えば、前回、パチンコ機4から取得した遊技情報として、通常状態であったとする。今回、パチンコ機4から取得した遊技情報が確変状態であったとする。この場合、状態が変化しているから、CPU11はシナリオを変更すると判定する。CPU11はシナリオを変更すると判定した場合(ステップS2でYES)、演出シナリオDB152から取得した遊技情報に則したシナリオを取得する(ステップS3)。例えば表2に示す例では、確変状態に対応したシナリオは、ID=2のシナリオである。CPU11は取得したシナリオに従い、画像DB151から画像を取得する(ステップS4)。ここでは、画像ID=2の画像、すなわち、movies2.mp4をCPU11は取得する。CPU11は取得した画像より出力画像を生成する(ステップS5)。CPU11は、例えば、画像DB151から取得した画像を三分割して、ディスプレイ20の正面部21、左側部22、右側部23それぞれ表示させる画像を生成する。CPU11は生成した画像をディスプレイ20に出力する(ステップS6)。CPU11は処理を終了する。CPU11はシナリオを変更しないと判定した場合(ステップS2でNO)、処理を終了する。
 
【0022】
  さらに、本実施の形態では、遊技者は操作装置5を操作することにより、スクリーン部26に表示させる演出画像をインタラクティブに変化させることが可能である。
 
【0023】
  図4は、インタラクティブ処理の手順を示すフローチャートである。インタラクティブ処理は、操作インタフェース19からの割り込みにより起動される。遊技者が操作入力を行うと、操作装置5はコマンドを出力する。操作インタフェース19は、操作装置5からコマンドを受け取ったら、割り込み信号を発生させる。CPU11は操作インタフェース19を介してコマンドを取得する(ステップS11)。CPU11はコマンドが開始コマンドであるか否か判定する(ステップS12)。CPU11はコマンドが開始コマンドで
あると判定した場合(ステップS12でYES)、コマンドに応じて、画像の生成条件を変更する(ステップS13)。CPU11はコマンドが開始コマンドでないと判定した場合(ステップS12でNO)、終了コマンドか否かを判定する(ステップS14)。CPU11は、終了コマンドであると判定した場合(ステップS14でYES)、画像の生成条件をコマンドが入力されていない条件に復帰する(ステップS15)。CPU11は、終了コマンドでないと判定した場合(ステップS14でNO)、コマンドに応じたイベントを起動する(ステップS16)。CPU11はインタラクティブ処理を終了する。
 
【0024】
  コマンドについて補足する。例えば、遊技者が移動体に乗っているという演出を行うとする。遊技者は操作装置5により移動体の移動する速度、方向を入力する。この場合、入力されたコマンドは開始コマンドである。遊技者が乗っている移動体は移動をしているから、それに応じて、ディスプレイ20に表示させる画像生成する際、移動していることを前提で画像を生成するようにする。これが、画像の生成条件の変更ということである。また、移動する速度、方向の入力がなくなり、移動体が止まった状態になった場合は、終了コマンドであるから、画像の生成条件を移動体が停止している場合の条件に復帰させる。開始コマンド、終了コマンド以外はイベントコマンドとする。例えば、ミサイルを発射するコマンドである。この場合は、コマンドが入力される毎に、ミサイルが発射された場合の画像生成イベントを起動すれば良い。
 
【0025】
  本実施の形態の表示システムは、次の効果を奏する。ディスプレイ20は遊技者の正面から側面及び正面から天面を覆うように表示部を有する。それにより、遊技者に、ディスプレイ20に表示される演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。また、本実施の形態では、遊技者が操作装置5によりコマンド入力した場合、それに応じて、演出画像をインタラクティブ変更するから、遊技者は演出画像の世界へ関与しているように感じる。それより、遊技者に、演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。
 
【0026】
  以上のように、ディスプレイ20は遊技者を覆う形状をなしている。遊技者を覆うとは、パチンコ機4の前に設置された椅子に遊技者が着座し、正面にあるパチンコ機4の盤面を見た場合において、遊技者の視野範囲に、ディスプレイ20の表示面が存在するような状態を言う。ただし、表示部が設置できないパチンコ機4の露出部分や、遊技者自身の身体などで視線が遮られる範囲については、表示面がなくても良い。人の視野は、片目では鼻側及び上側で約60度、下側に約70度、耳側に約90から100度と言われている。これに即して言えば、左側部22、右側部23それぞれは、正面を0度した場合に、角度0から100度の範囲で表示面が存在することが望ましい。
図1Bに示したθ1、θ2の値が、90から100度である。
図1BのPは遊技者の頭を示している。
 
【0027】
(変形例1)
  実施の形態1において、正面部21、左側部22、右側部23、天面部27の全部又は一部を裸眼立体ディスプレイで構成してもよい。裸眼立体ディスプレイとは、立体視するために液晶シャッターメガネなどの専用の器具を必要としないで、立体視が可能なディスプレイである。すなわち、遊技者に専用の器具無しで3次元画像の提示が可能である。
 
【0028】
  変形例1においては、裸眼立体ディスプレイを採用することにより、演出画像の現実感を増すことができる。それにより、遊技者に、演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。
 
【0029】
(変形例2)
  実施の形態1において、正面部21、左側部22、右側部23、天面部27の一部をプロジェクタとスクリーンとを組み合わせた投影式の表示部としてもよい。例えば、天面部27を投影式とする。それにより、画像出力ユニット10からの配線の手間が軽減される。スクリーンは、例えば、透明な板状部材に光学フィルムを貼ったものである。板状部材はガラス、アクリル樹脂、ペット樹脂などで形成する。スクリーンへの投影は、前面(画像の表示面)から行っても良いし、裏面(画像の表示面とは反対の面)から、行っても良い。前面から投影する場合は、板状部材に拡散フィルムを貼り付ける。拡散フィルムは、微細な凹凸を有する透明フィルムである。拡散フィルムは、微細な凹凸により、入射した光を拡散反射する。後面から投影する場合は、板状部材に透明特殊シートを貼り付ける。透明特殊シートの一例は、リアプロジェクションフィルムである。リアプロジェクションフィルムを貼り付けたスクリーンは、遊技者から見て近い面から入射した光は反射するが、他面から入射した光は透過する性質を持っている。それにより、裏側から投影した画像を、遊技者は表面から視認することが可能となる。このように、光を透過可能な透明部材によりスクリーンを構成することにより、外部(遊技機の周囲)からの視認性も確保できるので、不正行為の抑制が可能となる。
 
【0030】
(実施の形態2)
  本実施の形態は、遊技者の背後にも表示面を設ける構成に関する。
図5はディスプレイ20の構成を示す説明図である。
図5Aはディスプレイ20の外観斜視図である。
図5Bはディスプレイ20を側面から見た場合の透視図である。本実施の形態ではディスプレイ20は投影式である。ディスプレイ20は、画像を出力するプロジェクタ部(投影部)25と、画像が投影されるスクリーン部(表示面)26を含む。プロジェクタ部25は第1プロジェクタ251と第2プロジェクタ252とを含む。スクリーン部26は第1スクリーン部26aと第2スクリーン部26bとを含む。第1スクリーン部26aと第2スクリーン部26bとは、前後方向に所定の間隔を隔てている。第1スクリーン部26aと第2スクリーン部26bとの間には、扉261が設けられている。遊技者は扉261を開けて、ディスプレイ20の内部に入り、遊技を楽しむことができる。扉261付近には状況表示部262が設けてある。状況表示部262は、パチンコ機4の利用状況を表示する。状況表示部262を必要とするのは、扉261が閉められた状態では、パチンコ機4の利用状況が判断できないからである。利用状況とは、例えば、「空き」、「遊技中」、「休憩中」などである。ディスプレイ20の上方には、呼び出しランプ263が設けてある。呼び出しランプ263はパチンコホールの店員を呼び出すためのランプである。呼び出しランプ263は、点灯の仕方又は発光色が数種類用意されている。それにより、呼び出し理由に応じた表示が可能である。呼び出し理由とは、トラブル対応、球箱の補充、喫茶の注文などである。第1スクリーン部26a、第2スクリーン部26bはそれぞれ半球状をなしている。ディスプレイ20の高さは、2m程度である。第1スクリーン部26aには開口部264が設けられている。開口部264の後方には、パチンコ機4が設置されている。遊技者は開口部264により、パチンコ機4の盤面が見えるようになっている。また、本実施の形態では、パチンコ機4のハンドル部41は別体となっている。
 
【0031】
  第1プロジェクタ251、第2プロジェクタ252はディスプレイ20の天井に配置されている。第1プロジェクタ251、第2プロジェクタ252はそれぞれ、超広角レンズを有している。第1プロジェクタ251、第2プロジェクタ252はそれぞれ、映像を広角に投影可能である。第1プロジェクタ251は第1スクリーン部26aに映像を投影する。第2プロジェクタ252は第2スクリーン部26bに映像を投影する。
 
【0032】
  本実施の形態は、遊技者の背後にもスクリーン(第2スクリーン部26b)が設けられている。それにより、遊技者に、スクリーン部26に表示される演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。
 
【0033】
  なお、第1スクリーン部26aと第2スクリーン部26bとは、前後方向に所定の間隔を隔てているとしたが、間隔を設けなくてもよい。その場合は、第1スクリーン部26a又は第2スクリーン部26bに扉261を設ける。また、開口部264の縦横寸法はパチンコ機4の枠の縦横寸法と同じ寸法とする。枠の寸法は共通化されているため、様々なパチンコ機4に対して、ディスプレイ20が適用可能となるからである。
 
【0034】
(実施の形態3)
  本実施の形態は、プロジェクションマッピングを利用する形態に関する。
図6はディスプレイ20の構成を示す説明図である。
図6はディスプレイ20を構成する第1スクリーン部26aを示している。本実施の形態のディスプレイ20の構成は、第1スクリーン部26a以外は、実施の形態2と同様である。
 
【0035】
  本実施の形態では、第1スクリーン部26aの一部には、3次元造形物265、266が設けられている。例えば、3次元造形物265は人型機動兵器である。例えば、3次元造形物266は宇宙船である。これらの立体物には、第1プロジェクタ251から出力された画像が投影される。
 
【0036】
  本実施の形態では、3次元造形物に画像を投影するというプロジェクションマッピングを採用するので、演出画像による表現がより多彩となる。それより、遊技者に、演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。
 
【0037】
(実施の形態4)
  
図7は、ディスプレイの構成を示す説明図である。本実施の形態において、ディスプレイ200は、半ドーム状をなしている。ディスプレイ200は、楕円体を2つ軸方向にそれぞれ切った、4分の1楕円体状でも良い。ディスプレイ200は、遊技する遊技者の前、上、右、左を覆うように、床に設置してある。遊技者が遊技機と向かい合った場合に、遊技者の後ろ側が、ディスプレイ200の開口部となるように、床に設置する。ディスプレイ200の内部には、遊技者が座る椅子6が設置してある。ディスプレイ200の内面が画像の表示面202である。ディスプレイ200において、遊技者の背面には開口となっている。この開口は、遊技者を筐体内部に案内する案内口205としての機能を果たす。
 
【0038】
  図8は、ディスプレイ200の構成を示す三面図である。
図8には参考のために椅子6も描画してある。ディスプレイ200の筐体は少なくとも二重構造としてある。ディスプレイ200の外筐体201は、2分割されている。外筐体201は本体部201aと装飾部201bとを含む。装飾部201bは、曲面状をなしている。装飾部201bは、ディスプレイ200の天面、側面、背面の一部の外面を構成する。装飾部201bは、本体部201aから取り外し可能としてある。装飾部201bは取り外し可能としているのは、装飾部201bを取り換え可能するためである。装飾部201bは、ディスプレイ200と対になる遊技機に合わせた装飾を施したものと交換可能である。装飾部201bは、例えば、次のような方法で本体部201aに取り付ける。装飾部201bの周縁に本体部201aに向けて突出した爪を設ける。本体部201aには爪に対応した孔を設ける。装飾部201bに設けた爪を本体部201aに設けた孔にはめ込むことで、装飾部201bは本体部201aに固定される。なお、装飾部201bを曲面ディスプレイとしてもよい。
 
【0039】
  ディスプレイ200の表示面202は、例えば、曲面状に形成した、液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイを行列状に配列することにより形成する。
 
【0040】
  図9は、ディスプレイ200に表示される画像の一例を示す説明図である。
図9において、遊技機4はパチンコ機である。本実施の形態では、遊技機4は、ディスプレイ200に埋め込まれている。または、遊技機4は、ディスプレイ200と遊技者との間に設置してある。遊技機4の背後にあるディスプレイ200の表示面202に表示される画像を、遊技者が視認可能となるように、遊技機4は透過性のある材料を用いて製作されている。遊技機4の筐体や盤面は、例えば透明アクリル樹脂で製作する。釘や入賞口などは透過性のある材料でなくても良い。遊技機4において演出画像を表示する表示パネル43は、透過型ディスプレイを用いる。透過型ディスプレイとは、ディスプレイ上に情報を表示しつつ、そのディスプレイの向こう側が透けて見える構造のディスプレイをいう。透過型ディスプレイの一例は、透過型有機ELディスプレイ、透過型無機ELディスプレイ、透過型液晶ディスプレイである。
 
【0041】
  遊技機4は、表示パネル43も含めて透過性を有するので、ディスプレイ200の表示面202に表示された画像を遊技者は視認することが可能である。
図9に示す例では、遊技機4の遊技状態が通常状態である。遊技者に表示パネル43には演出画面は表示されていない。表示パネル43は全面透過状態である。したがって、ディスプレイ200に表示された画像を遊技者は視認する。なお、
図9の示す例は一例である。通常の状態において、表示パネル43に演出画像を表示しても良い。ディスプレイ200に表示する演出画像は、上述の実施の形態と同様に、例えば、画像出力ユニット10が出力する。
 
【0042】
  図10は、ディスプレイ200に表示される画像の一例を示す説明図である。
図10に示す例では、遊技機4の遊技状態がリーチ状態である場合である。リーチ状態は、大当たり状態に遷移する可能性があることを遊技者に伝えるものである。したがって、遊技者の気分を高揚させるような演出画像を表示する。
図10に示す例では、遊技機4の表示パネル43には、演出に採用された物語に登場するキャラクタ431が表示されている。キャラクタ431の背景は、ディスプレイ200の表示面202に表示される画像を用いている。
図10の右上に示す表示面202の一部には、キャラクタ431と関連するキャラクタ2022が表示されている。また、
図10の左下に示す表示面202の一部には、抽選結果を示す回転表示器2021が表示されている。以上ような演出画像の表示制御は、
図3に示した画像出力処理と同様な処理により、実現される。
 
【0043】
  図9、
図10に示した画像は、ディスプレイ200の表示面202の一部分に表示される画像の例である。図示しない表示面202の他の部分にも画像は表示される。また、
図10に示す表示画像の配置は一例である。
図10と異なる配置でも良い。キャラクタ431は表示パネル43ではなく、表示面202のいずれかの場所に表示してもよい。キャラクタ2022、回転表示器2021を表示面202ではなく、表示パネル43に表示しても良い。
 
【0044】
  一方、上述の説明においては、演出画像についてのみ述べたが、演出画像とともにBGMや効果音などの音声を出力してもよい。ディスプレイ200の内部に、図示しないスピーカを設置してある。スピーカから音声を出力する。または、ヘッドホン、イヤホンなどにより、遊技者に音声を聴かせるようにしても良い。
 
【0045】
  本実施の形態は、次のような効果を奏する。ディスプレイ200は遊技者の正面から側面、正面から天面を覆うように表示面202を有する。それにより、遊技者に、表示面202に表示される演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。また、遊技機4の筐体や盤面などを透過性の材料で形成し、表示パネル43を透過型ディスプレイとした。それにより、ディスプレイ200の表示面202に表示する演出画像と、表示パネル43に表示する演出画像との視覚的な一体感が増し、遊技者に演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。さらにまた、ディスプレイ200の外筐体201の一部である装飾部201bを取り換え可能としている。それにより、ディスプレイ200と組み合わせる遊技機4に合わせた装飾を施すことが可能となる。例えば、遊技機4の演出に登場するメインキャラクタを装飾部201bに描く。その結果、遊技者はディスプレイ200を見るだけで、対応する遊技機4の機種を把握可能となる。遊技者は、機種を確認するのに、ディスプレイ200の内部に入る手間が省ける。
 
【0046】
  なお、本実施の形態においては、遊技機4の盤面と表示パネル43を遊技者に視認可能とすれば良く、遊技機4の筐体の実物は視認できなくても良い。この場合、遊技機の筐体画像を表示面202に表示しても良い。
 
【0047】
(変形例3)
  実施の形態4では、遊技者は遊技機4の実物の盤面を視認可能とした。本変形例では、遊技機4の盤面をカメラ等で撮像し、演出画像と合成する。ディスプレイ200の筐体は少なくとも二重構造としてあるから、外筐体201と内筐体(図示しない)との間に遊技機4を設置する。ハンドル部41は、ディスプレイ200の内部に露出させる。遊技機4の盤面は、カメラ等の撮像装置(図示しない)により、撮像する。撮像して得た画像を演出画像と合成し、表示面202に表示する。変形例においては、遊技機4は表示パネル43を備えなくても良い。
 
【0048】
  本変形例では、遊技機4の盤面が視認できるように、遊技機4をディスプレイ200に埋め込む必要が無い。そのため、表示面202は遊技者の正面も含めて連続面となる。それによって、遊技者が視認する画像も視覚的な連続性が確保される。その結果、遊技者に演出画像の世界への没入感をより一層与えることが可能となる。
 
【0049】
  なお、本変形例においては、画像認識により、遊技球、いわゆるパチンコ玉の盤面での位置を認識するようにしても良い。そして、演出画像に撮像した盤面の画像を合成するのではなく、認識したパチンコ玉の位置を用いて、盤面画像を生成しても良い。それを演出画像と共にディスプレイ200に表示させても良い。そのようにすれば、盤面画像と演出画像とのつなぎ目などの違和感を排除することが可能となる。
 
【0050】
(実施の形態5)
  実施の形態4、変形例3では、遊技機4はパチンコ機とした。本実施の形態では、遊技機4はパチスロ機とする。本実施の形態では、擬似リールを採用する。擬似リールは、抽選に関係しないが、抽選に関わるメインリールと連動して動作するリールである。擬似リールは機械的なリールではなく、画像として表示する。そのため、遊技機4の一部を表示面202の一部に埋め込むことは不要である。
 
【0051】
  図11はディスプレイ200に表示される画像の一例を示す説明図である。
図11は
図9と同様に、通常状態の例である。
図11に示すように、ディスプレイ200の表示面202の一部に、擬似リール202Aを表示する。擬似リール202Aは、例えば、遊技者の正面に表示する。遊技者が遊技の際に操作するBETボタン、スタートレバー又はスタートボタン、ストップボタンは、表示面202の下側であって、遊技者の正面の操作領域203に配置する。
 
【0052】
  本実施の形態は、次のような効果を奏する。ディスプレイ200は遊技者の正面から側面、正面から天面を覆うように表示面202を有する。それにより、遊技者に、表示面202に表示される演出画像の世界への没入感を与えることが可能となる。また、擬似リール202Aを採用するため、遊技機4の一部を表示面202の一部に埋め込むことは不要である。それにより、表示面202に全面にわたり物理的、視覚的な連続性を確保できる。その結果、遊技者に演出画像の世界への没入感をより一層与えることが可能となる。
 
【0053】
  実施の形態4、変形例3、実施の形態5では、ディスプレイ200の表示面202は、有機ELディスプレイ等の自発光式の表示パネルにより構成するとしたが、それに限らない。表示面202をスクリーンとし、プロジェクタなどの投影装置により、表示面202に画像を投影してもよい。
 
【0054】
(実施の形態6)
  本実施の形態は、上述の実施の形態4、変形例3、実施の形態5のディスプレイ200の更に構成を加えた形態である。
図12は、ディスプレイ200の一例を示す部分破断図である。ディスプレイ200は、発光部204a、204bを備える。
図12に示すように、発光部204aは、装飾部201bの外周部に沿う本体部201aの周縁部201cに設けてある。発光部204bは装飾部201bと、装飾部201bに覆われる本体部201aの一部分に設けてある。発光部204a、204bはそれぞれ複数の発光素子2041を含む。発光素子2041は例えば、LED(Light  Emitting  Diode、発光ダイオード)である。発光素子2041は、サブ基板(発光制御部)44により、点灯、消灯が制御される。発光素子2041は、発光色の異なる単色発光のLEDを複数組み合わせたり、多色発光のLEDを複数種類組み合わせたりするなどをして、全体として、多様な色表現ができることが望ましい。発光部204aには照明用の光ファイバを用いても良い。この場合、側面がシールドされてなく線状に光を発する光ファイバを用いる。光ファイバは、本体部201aの周縁部201cに沿うようにして設ける。光ファイバの光源は、LED、レーザダイオードなどを用いる。光ファイバは一本でも良いし、複数本を組み合わせても良い。
 
【0055】
  発光部204a、204bは、遊技機4の遊技状態に対応して、サブ基板44により点灯、消灯や、発光色の切り替えなどを行う。例えば、遊技されていない状態では発光部204a、204bは消灯とする。通常状態では発光部204a、204bは弱い点灯状態とする。リーチ状態では、発光部204a、204bを激しく点滅させる。大当たり状態では、発光部204a、204bをゆったり点滅させる。サブ基板44は遊技機4の制御部、いわゆるメイン基板から遊技状態を取得する。
 
【0056】
  本実施の形態は、以下の効果を奏する。外部から遊技機4の遊技状態が把握できる。それによって、ホールの店員は、適切なタイミングで玉箱を届けることが可能となる。また、他の遊技者に遊技状態が伝わるので、大当たりをした遊技者の気分の高揚を高めることが可能となる。また、ディスプレイ200の内部を覗かなくても、遊技者が居るかいないかを判別できるので、遊技者は空き台を容易に探しだすことが可能となる。
 
【0057】
(実施の形態7)
  本実施の形態は、実施の形態4におけるディスプレイ200の形状を直方体状にした構成に関する。
図13は、ディスプレイ200の構成を示す説明図である。ディスプレイ200は遊技者の前面、右側面、左側面、天面それぞれを覆う形状である。各面は例えば、矩形状の透過型液晶表示パネルで構成する。その他の構成は、実施の形態4と同様である。実施の形態4と同様に発光部、発光制御部を設けても良い。
 
【0058】
本実施の形態では、実施の形態4と同様な効果に加えて、以下の効果を奏する。表示面202は平面となる。そのため、汎用的な透過型ディスプレイを用いて、表示面202を構成することが可能となる。
 
【0059】
(実施の形態8)
  本実施の形態は、遊技者の前面、右側面、左側面を覆う平面視U字状のディスプレイ200に関する。
図14はディスプレイ200の構成を示す説明図である。本実施の形態におけるディスプレイ200は、オフィス机に付随するパーティションのように、平面視U字状をなしている。表示面202は、右表示面202R、前表示面202F、左表示面202Lを含む。各表示面は、例えば、透過型液晶表示パネルで構成する。実施の形態4と同様に発光部、発光制御部を設けても良い。
 
 
【0060】
  前表示面202Fには開口部が設けられ、遊技機4の盤面42が埋め込まれている。または、盤面42は前02Fと遊技者の間に設けてある。各表示面の高さは同じである。高さをh、前表示面202Fの幅をW、右表示面202R及び左表示面202Lの奥行きをdとする。例えば、hは1m以上、Wは70cm以上、dは50cm以上とする。
 
【0061】
  本実施の形態は、実施の形態7と同様な効果に加えて、以下の効果を奏する。天面に表示面202を設けないので、コストの削減を図れる。
 
【0062】
(実施の形態9)
  本実施の形態は、複数のディスプレイ200の発光部204a、204bが連携動作する形態である。
図15は遊技システムの構成を示すブロック図である。遊技システムは、複数のディスプレイ200とサーバ7とを含む。
図15では、各ディスプレイ200に対応する遊技機4は省略している。本実施の形態では、パチンコホール(単に「ホール」とも言う。)に設置されている遊技機4はグループ分けがされている。例えば、ホール内の縦横に走る通路によりできる区画を単位として、1つの区画内に含まれる遊技機4を1グループとする。このグループは、いわゆる島という概念と類似のものである。
 
【0063】
  図16は複数のディスプレイ200の配置例を示す説明図である。
図16では、手前から奥に設けられたホール通路の両側にディスプレイ200が配列されている様子を示している。ディスプレイ200は、通路が設けられている方向に対して、案内口205が角度θで傾斜するように配置されている。例えば、上述のグループの例として、通路の右側が1つのグループとなり、左側が他の1つのグループとなる。
 
【0064】
  サーバ7は、汎用コンピュータ、ワークステーション、デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)、ノートブック型PC、タブレットコンピュータ等で構成可能である。サーバ7は、グループごと設けてある。それに限らず、ホールにつきサーバ7を一台としても良い。
 
【0065】
  図17はサーバ7が行う情報処理の手順を示すフローチャートである。サーバ7は各遊技機4の状態を収集する(ステップS21)。状態は、客待ち、通常、大当たりなどである。サーバ7は客待ち状態の遊技機4の数を集計する(ステップS22)。サーバ7は集計した数が2台以上であるか判定する(ステップS23)。すなわち、客待ち状態の遊技台が2台以上であるか否かを判定する。サーバ7は2台未満と判定した場合(ステップS23でNO)、処理を終了する。サーバ7は2台以上と判定した場合(ステップS23でYES)、客待ち状態の遊技機4に対応するディスプレイ200に連携指示を行う(ステップS24)。連携指示を受けたディスプレイ200は、他のディスプレイ200と連携動作する。例えば、発光部204a、204bを同時に点灯、消灯させる。また、発光部204a、204bを規則にしたがって、順に点灯、消灯させる。
 
【0066】
  本実施の形態では、客待ち状態の遊技機4、いわゆる空き台に対応したディスプレイ200が連携動作することにより、空き台を探している遊技前の遊技者の気分を高揚させることが可能となる。また、ディスプレイ200を通路に対して、傾斜するように配置しているため、ディスプレイ200内に遊技者が居るか否かを、通路から確認することができる。空き台を探している遊技者は、容易に空き台を見つけることが可能となる。さらにまた、ホールの店員は、遊技者がいわゆるゴト行為などの不正行為を行っていないかを、通路から監視することが可能となる。
 
【0067】
  本実施の形態において、グループ毎に発光部204a、204bが連携動作するとしたが、複数のグループで連携動作させても良い。また、発光部204a、204bだけでなく、表示面202に表示する演出画像をグループ毎に連携動作させても良い。それにより、他の遊技者がリーチ状態や大当たり状態となっていることを、直接的又は間接的に知らせることが可能となる。それによって、遊技者の遊技への意欲を促進することが可能とな。
 
【0068】
  上述の各実施の形態においては、表示機構として自発光式の表示パネルのみを使う場合、又はプロジェクタとスクリーンとを組み合わせた表示機構のみを使う場合を示したが、両方式を併用してもよい。例えば、遊技者の側面から前面は自発光式の表示パネルを用い、遊技者の側面から後面は、プロジェクタとスクリーンとを組み合わせた表示機構としてもよい。
 
【0069】
  各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
  今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。