【解決手段】レーザ加工機(1A)は、レーザ光(LB)を照射するレーザヘッド(2)と、レーザヘッドとアシストガス(AG)の供給装置(5)とに接続され、レーザヘッドへ供給されるアシストガスが流れる供給路(6)と、供給路(6)の内側を監視可能な窓(32、33)と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るレーザ加工機(レーザ加工システム)を示す図である。このレーザ加工機1Aは、レーザヘッド2、レーザ発振器3、ヘッド駆動部4、アシストガスの供給装置5、アシストガスの供給路6、ガス監視部7A、制御部8、及び表示部9を備える。レーザ加工機1Aは、レーザヘッド2からアシストガスAG(加工ガス)を噴き出しながら、レーザヘッド2からレーザ光LBを板状のワークWに照射し、ワークWに対して切断加工を施すことができる。
【0013】
レーザ発振器3は、例えばファイバレーザなどであり、レーザ光を発生する。レーザ発振器3からのレーザ光LBは、光ファイバ11を介してレーザヘッド2に導入される。ワークWは加工パレット(図示せず)などに支持されており、レーザヘッド2は、ワークWの上方(Z方向)に配置可能である。レーザヘッド2は、光学系12およびノズル13を備える。光学系12は、レーザ発振器3からのレーザ光LBをワークW上に集光する。ノズル13は、レーザヘッド2の下端部に設けられた筒状の部材であり、光学系12を通ったレーザ光LBは、ノズル13の開口からワークWに向けて照射される。ヘッド駆動部4は、アクチュエータを含み、水平方向および鉛直方向のそれぞれにおいてレーザヘッド2をワークWに対して移動させる。
【0014】
アシストガスAGは、ワークWを切断するレーザ加工において、ノズル13から切断溝(カーフ)に向けて噴射される。アシストガスAGは、例えば、レーザ照射による溶融物を切断溝から下方へ溶融物を押し出すことに利用される。また、アシストガスAGは、切断溝の酸化を抑制することに利用される場合があり、この場合、アシストガスAGとして窒素ガスなどの不活性ガスが選択される。また、ワークWの酸化により発生する熱をワークWの溶融に利用する場合もあり、この場合、アシストガスAGとして酸素ガスあるいは清浄空気などが選択される。また、レーザ照射によりワークWの一部が気化する場合、この気化ガスがレーザ光LBを吸収することを避けるために、アシストガスAGによって気化ガスをレーザ光LBの光路から除去することに利用される。
【0015】
アシストガスの供給装置5(送出装置)は、ガス源21からのアシストガスAGを供給路6に送出する。ガス源21は、例えば、ガスタンクあるいはガスボンベなどであり、アシストガスAGを液化した液体を貯蔵する。ガス源21は、レーザ加工機1Aが設置される工場などの設備でもよいし、供給装置5が備えてもよい。
【0016】
供給装置5は、コンプレッサ22およびフィルタ23を備える。コンプレッサ22は、ガス源21からのアシストガスAGを、加圧してフィルタ23に送出する。一般的に、アシストガスAGがコンプレッサ22を通る際に、一般的に、アシストガスAGに不純物が混入する。不純物は、例えば、水分、潤滑油などの油分、コンプレッサ22の機械部品の接触などで発生するゴミ(パーティクル)などである。
【0017】
フィルタ23は、コンプレッサ22から送出されたアシストガスAGに含まれる不純物の少なくとも一部を除去する。フィルタ23は、コンプレッサ22においてアシストガスAGが排出される排気口に設けられてもよいし、コンプレッサ22の排気口に接続される配管に設けられてもよい。フィルタ23には寿命があり、使用年数、使用頻度、フィルタ23を通ったアシストガスの積算流量などに応じて、交換される。
【0018】
アシストガスの供給路6は、レーザヘッド2とアシストガスの供給装置5とに接続される。供給路6(供給管)は、配管25、ガス監視部7A(
図1の拡大図を参照)、及び配管26を備える。供給路6は、その上流側の配管25が供給装置5に接続され、その下流側の配管26がレーザヘッド2に接続される。ガス監視部7Aは、配管25と配管26とを接続する。レーザヘッド2へ供給されるアシストガスAGは、供給路6の内部を流れる。すなわち、アシストガスAGは、供給装置5から配管25の内部を通ってガス監視部7Aの内部へ流れ、ガス監視部7Aの内部から配管26の内部を通ってレーザヘッド2へ流れる。なお、
図1における配管系は一例であり、レーザヘッド2とアシストガスの供給装置5との間の配管系は任意に設定される。
【0019】
ところで、供給装置5のフィルタ23がその耐久性(寿命)あるいは除去性能を超えて使用された場合、あるいはコンプレッサ22の不具合等によって不純物の量が増加した場合、アシストガスAGは、フィルタ23で不純物が十分に除去されずに供給路6に流入する。すると、レーザヘッド2に流入する不純物が増加し、レーザヘッド2の内部に不純物が付着することでレーザヘッド2の汚れ、ワークWに対する加工不良などが発生する。実施形態に係るレーザ加工機1Aは、供給路6においてアシストガスAGに含まれる不純物を、ガス監視部7Aを用いて監視可能である。そのため、ユーザは、不純物の量に応じてメンテナンス等を行うことができ、レーザ加工機1Aの稼働をそのまま継続した場合のレーザヘッド2の汚れ、加工不良などの発生を抑制することができる。
【0020】
ガス監視部7Aは、供給路6においてアシストガスAGに含まれる不純物の監視に用いられる。ガス監視部7A(
図1の拡大図を参照)は、屈曲部31と、窓32と、窓33と、カメラ34(検出部)と、を備える。屈曲部31は、監視用のマニホールドなどである。屈曲部31は、その上流側(配管25側)からその下流側(配管26側)へ向かうアシストガスAGが曲がって流れるように、流路を形成する流路形成部材である。
【0021】
屈曲部31は、側壁35a〜側壁35dを有する。側壁35aには流入口36が設けられている。流入口36は、継手37によって配管25と接続され、配管25の内部と連通する。側壁35bは、側壁35aと非平行(例、ほぼ垂直)である。側壁35bには流出口38が設けらている。流出口38は、継手39によって配管26と接続され、配管26の内部と連通する。側壁35cは、側壁35aに対して傾いており、側壁35cには窓32が設けられている。側壁35dは、側壁35cと対向しており、側壁35cとほぼ平行である。側壁35dには窓33が設けられている。配管25から流入口36へ流入したアシストガスAGは、側壁35cの窓32にぶつかることで屈曲して流れ、流出口38から配管26へ流出する。
【0022】
窓32および窓33は、それぞれ、ガラス板あるいはアクリル板等の透光性を有する部材である。窓32および窓33は、それぞれ、供給路6(屈曲部31)の内側を監視可能である。アシストガスAGに不純物が含まれる場合、この不純物は、窓32、窓33のうち供給路6の内側の面(内面32a、内面33a)に付着し、窓32、窓33の汚れ、くもり等として観察される。窓32は、上流側の配管25の軸方向に対して、アシストガスAGの流れを遮るように傾いており、アシストガスAGが窓32にぶつかるように流れることで、不純物が窓32に付着しやすい。窓32および窓33の少なくとも一方は、アシストガスAGが流れている際の供給路6(屈曲部31)の内圧に耐えるように、例えば耐圧ガラス等が用いられる。
【0023】
カメラ34は、窓32、窓33の内側の付着物を光学的に検出する検出部である。カメラ34は、窓32の内面32aと窓33の内面33aとの一方または双方を撮影可能な位置に設けられる。カメラ34は、窓32の法線方向に配置され、窓32および窓33を介して、屈曲部31に関してカメラ34と反対側を見通すことができる。すなわち、カメラ34は、窓32の内面32aおよび窓33の内面33aを同時に撮影することができる。窓32の内面32aに付着した不純物と、窓33の内面33aに付着した不純物とが重なって撮影されるので不純物が顕在化し、不純物を検出しやすくなる。なお、窓33は、カメラ34によって供給路6の内側を撮影する際の採光窓としても利用される。
【0024】
カメラ34は、制御部8と通信可能に接続されており、撮影された画像のデータを制御部8に送信する。カメラ34は、オペレータがレリーズボタンを操作することで撮影を実行するものでもよいし、制御部8から指令を受けて撮影を実行するものでもよい。
【0025】
制御部8は、外部から供給される加工データに基づいて、レーザ加工機1Aの各部を包括的に制御する。加工データは、例えば、加工条件を定めたNCデータであり、制御部8は、NCデータに基づいて数値制御を行う。制御部8は、加工データに基づいて、レーザ発振器3およびヘッド駆動部4のそれぞれに指令を供給する。レーザ発振器3は、制御部8からの指令に定められた強度のレーザ光LBを発生する。ヘッド駆動部4は、制御部8からの指令に定められた位置にレーザヘッド2を移動させる。
【0026】
表示部9は、液晶ディスプレイ、タッチパネルなどであり、制御部8と接続される。表示部9は、例えばNC画面であり、加工の進行状態、加工の条件などの画像のデータを制御部8から受けて、この画像を表示する。また、制御部8は、カメラ34が撮影した画像(以下、撮影画像という)のデータを表示部9に供給し、表示部9は、この画像を表示する。オペレータは、例えば、撮影画像を表示部9上で見ることで、窓32、窓33における不純物の付着状態を監視することができる。オペレータは、例えば、撮影画像を用いて窓32、窓33における不純物の付着状態を知ることができ、フィルタ23の交換、あるいはコンプレッサの不具合の調査などのメンテナンスを行うか否かの判断を行うことができる。そのため、レーザ加工機1Aの稼働をそのまま継続した際の加工不良の発生あるいはレーザヘッド2の汚れなどの発生を抑制可能になる。
【0027】
なお、
図1に示したガス監視部7Aは一例であり、適宜変更可能である。以下、ガス監視部の変形例について説明する。
図2から
図4は、ガス監視部の変形例を示す図である。
図2(A)のガス監視部7Bにおいて、カメラ34は、
図1に示した表示部9とは別の表示部41と接続されている。表示部41は、例えば、液晶ディスプレイなどであり、オペレータがレーザ加工機1Aに指令を送る際に観察可能な位置に設置される。表示部41は、固定されたディスプレイでもよいし、スマートフォンなどの携帯可能な情報端末の表示部でもよい。このように、カメラ34の撮影画像を表示する表示部41は、制御部8が各種画像を表示させる表示部9(NC画面)と別に設けられてもよい。また、
図2(B)のガス監視部7Cにおいて、オペレータOPは、肉眼で窓32と窓33との一方または双方を観察することによって、不純物を監視することができる。このように、実施形態に係るガス監視部7Cは、
図1に示したカメラ34を備えなくてもよい。
【0028】
図3(A)のガス監視部7Dは、
図1に示した窓33を備えていない。カメラ34は、窓32の内面32aを撮影可能である。オペレータは、撮影画像を見ることで窓32における不純物の付着状態を知ることができ、アシストガスAGの不純物を監視することができる。また、
図3(B)のガス監視部7Eは、
図1に示した窓32を備えていない。カメラ34は、窓33を介して側壁35cを撮影可能である。オペレータは、撮影画像を見ることで側壁35cにおける不純物の付着状態を知ることができ、アシストガスAGの不純物を監視することができる。カメラ34は、窓33の内面33aを撮影するように設けられてもよく、オペレータは、撮影画像を見ることで窓33の内面33aにおける不純物の付着状態を知ることができ、アシストガスAGの不純物を監視することができる。
【0029】
このように、供給路6の内側を監視可能な窓の数は、
図3のように1つでもよいし、
図1のように2つでもよく、3以上でもよい。また、供給路6の内側を監視可能な窓は、
図3(A)の窓32のように窓32自体に付着した不純物を監視可能なものでもよいし、
図3(B)の窓33のように、供給路6において窓33とは別の面(例、側壁35c)に付着した不純物を監視可能なものでもよい。
【0030】
図1から
図3において、屈曲部31は、配管25あるいは配管26と別のユニットであり、供給路6の内側を監視可能な窓32、窓33が屈曲部31に設けられるので、窓32、窓33の配置自由度が高い。なお、供給路6の内側を監視可能な窓は、供給路6において屈曲部31以外の部分に設けられてもよい。
図4(A)のガス監視部7Fは、配管25に設けられる。ガス監視部7Fは、窓42、窓43、及び流線調整部材44を備える。ガス監視部7Fの上流側と下流側とで配管25は、直線的に延びている。窓42および窓43は、互いに対向して配置される。なお、ガス監視部7Fを供給路6のいずれの位置に設けるかは任意であり、例えば、ガス監視部7Fは、
図1に示した配管26に設けられてもよい。
【0031】
流線調整部材44は、ガス監視部7FにおけるアシストガスAGの流線(流れ方向)を調整する。流線調整部材44は、ガス監視部7Fの上流側におけるアシストガスAGの流線に対して傾いた面44aを有する。流線調整部材44は、面44aによってアシストガスAGの流れを遮るように配置され、アシストガスAGの不純物が面44aに付着することを促進する。流線調整部材44は、窓42と窓43との一方または双方を介して監視可能な位置に配置され、ここでは、窓42と窓43との間に配置される。流線調整部材44は、例えば、透光性を有する部材であり、カメラ34は、窓42、窓43、及び流線調整部材44の面44aを同時に撮影することができる。オペレータは、撮像画像を見ることで、窓42、窓43、及び流線調整部材44の面44aにおける不純物の付着状態を監視することができる。ガス監視部7Fは、
図3で説明したのと同様に、窓42または窓43の一方のみを備えるものでもよいし、窓42および窓43の他にも窓を備えるものでもよい。また、流線調整部材44は、不透明な部材でもよく、窓43を介して流線調整部材44の面44aを監視可能なものでもよい。
【0032】
図4(B)において、供給路6は、アシストガスAGの流速が相対的に小さくなる減速部45を備える。減速部45は、その上流側よりも流路面積が広くなっており、上流側よりもアシストガスAGの流速が小さくなる。ガス監視部7Gは、減速部45に設けられた窓46および窓47を備える。減速部45において、アシストガスAGの流速が相対的に小さくなるので、窓46および窓47への不純物の付着が促進され、また、付着した不純物が剥がれることが抑制されるので、窓46および窓47に不純物が蓄積されやすい。そのため、窓46あるいは窓47に付着した不純物を観察することが容易になり、アシストガスAGの不純物を容易かつ高精度に監視することができる。なお、ガス監視部7Gは、
図3で説明したのと同様に、窓46または窓47の一方のみを備えるものでもよい。
【0033】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図5は、第2実施形態に係るレーザ加工機を示す図である。このレーザ加工機1Bは、照射部51、センサ52、判定部53、及び記憶部54を備える。照射部51およびセンサ52は、ガス監視部55Aに設けられ、窓32および窓33を挟んで対向するように配置される。センサ52は、窓32、窓33の内側の付着物を光学的に検出する検出部である。照射部51は、光を照射し、センサ52は、窓32および窓33を透過した光の光量を検出する。窓32の内面32a、窓33の内面33aにアシストガスAGの不純物が付着している場合、窓32から窓33までの部分の透過率が低下し、センサ52によって検出される光の光量が低下する。センサ52は、制御部8と通信可能に接続され、検出結果を制御部8に送信する。センサ52は、オペレータの操作によって検出を実行するものでもよいし、制御部8から指令を受けて検出を実行するものでもよい。
【0034】
記憶部54および判定部53は、制御部8に設けられる。記憶部54は、センサ52の検出結果を記憶する。判定部53は、センサ52の検出結果に基づいて、アシストガスAGに不純物が含まれるか否かを判定する。判定部53は、記憶部54からセンサ52の検出結果を読み出し、判定処理を行う。例えば、オペレータは、基準状態においてセンサ52による検出を実行させ、記憶部54は、基準状態に対応するセンサ52の検出結果を記憶する。上記の基準状態は、アシストガスAGに含まれる不純物の量が許容範囲であることが既知の状態である。基準状態は、例えば、フィルタ23の交換後、コンプレッサ22に不具合がないことを確認後などであり、レーザ加工機1Bの設置後あるいはメンテナンス後の初期状態でもよい。
【0035】
センサ52は、基準状態からレーザ加工機1Bの稼働後の任意のタイミングで検出を実行する。判定部53は、基準状態に対応するセンサ52の検出結果と、現在の状態に対応するセンサ52の検出結果とを比較し、センサ52が検出した光量の減少分に基づいて、アシストガスAGに不純物が含まれるか否かを判定する。例えば、判定部53は、基準状態における光量に対する現在の状態の光量の比率を算出する。不純物の量が多い場合、現在の状態の光量が減少するので、上記の比率が減少する。判定部53は、算出した比率と閾値とを比較し、比率が閾値以下である場合にアシストガスAGに不純物が含まれると判定する。制御部8は、判定部53の判定結果を、表示部9に表示させることでオペレータに報知する。
【0036】
なお、判定部53は、基準状態における光量に対する現在の状態の光量の比率の代わりに、基準状態における光量と現在の状態の光量との差分を用いて、判定処理を行ってもよい。また、判定部53は、基準状態におけるセンサ52の検出結果を用いないで判定処理を行ってもよく、例えば、現在の状態の光量と閾値とを比較して、判定処理を行ってもよい。この場合、レーザ加工機1Bは、記憶部54を備えなくてもよい。
【0037】
なお、
図5に示したガス監視部55Aは一例であり、適宜変更可能である。以下、ガス監視部の変形例について説明する。
図6は、ガス監視部の変形例を示す図である。
図6(A)のガス監視部55Bは、
図5に示した窓33を備えていない。照射部51およびセンサ52は、窓32に対して同じ側に配置されている。照射部51から照射された光は、窓32を透過して側壁35dに入射する。側壁35dは鏡面に加工されており、照射部51からの光は、側壁35dで反射した後、窓32を透過してセンサ52に入射する。この場合、照射部51からの光が窓32を2回通るので、窓32の汚れ、くもりによる透過率の低下が増幅されて検出される。また、側壁35dに不純物が付着している場合、側壁35dでの反射率が低下することによっても、センサ52で検出される光量が低下する。したがって、窓32に付着した不純物の量が微小であっても、不純物の量を検出することができる。
【0038】
図6(B)において、判定部53は、
図5に示した制御部8以外の部分に設けられる。センサ52は、判定部53と通信可能に接続され、検出結果を判定部53に送信する。判定部53は報知部56と接続され、報知部56は、判定部53の判定結果を報知する。報知部56は、判定部53の判定結果を、
図5の表示部9と同様に画像でオペレータに報知するものでもよいし、音あるいはランプの点灯、点滅などによってオペレータに報知するものでもよい。
【0039】
なお、本実施形態において、レーザ加工機1Bは、判定部53を備えなくてもよい。例えば、制御部8は、センサ52の検出結果を示す画像を表示部9(
図5参照)に表示させ、オペレータは、センサ52の検出結果を見て、アシストガスAGの不純物を監視してもよい。また、第1実施形態において、レーザ加工機1Aは、判定部53を備え、判定部53は、カメラ34の撮影画像を用いて判定処理を行ってもよい。
【0040】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図7は、第3実施形態に係るレーザ加工機を示す図である。このレーザ加工機1Cは、供給路6を流れるアシストガスAGに含まれる不純物を検出する検出部61を備える。検出部61は、検出対象の物質(不純物の種類)に応じたセンサが用いられ、例えば、検出対象が水分の場合に湿度センサなどである。検出部61は、供給路6内の一部の空間(以下、測定空間という)に対して静電容量あるいは電気抵抗などの電気特性値を測定するものでもよい。この場合、上記の測定空間においてアシストガスAGに含まれる不純物の濃度が増加すると、アシストガスAGの電気特性値に対して検出部61による測定値がずれることになり、不純物を検出することができる。
【0041】
検出部61は、配管26の内部の流路に設けられる。検出部61は、制御部8と通信可能に接続され、検出結果を制御部8に送信する。制御部8には判定部53が設けられ、判定部53は、検出部61の検出結果に基づいて、アシストガスAGに不純物が含まれるか否かを判定する。制御部8は、判定部53の判定結果を示す画像のでデータを表示部9に供給し、表示部9は、この画像を表示する。
【0042】
なお、検出部61を供給路6のいずれの位置に設けるかは任意であり、配管25に設けられてもよいし、第1実施形態で説明した屈曲部31に設けられてもよい。また、実施形態に係るレーザ加工機1Cは、第1実施形態などで説明した窓(例、窓32、窓33)と、検出部61とを併用するものでもよい。また、レーザ加工機1Cは、判定部53を備えなくてもよく、例えば、オペレータは、検出部61の検出結果を用いて、アシストガスAGの不純物を監視してもよい。
【0043】
図8は、変形例を示す図である。
図8(A)において、供給路6は、アシストガスAGの流速が相対的に小さくなる減速部62を備える。減速部62において、供給路6の流路断面はステップ的に変化しており、アシストガスAGの流れに淀み63が発生し、その流速が低下する。検出部61は、減速部62に設けられる。また、
図8(B)において、供給路6には流線調整部材64が設けられる。流線調整部材64は、角を有する部材であり、この角にアシストガスAGの流れが追従できずに剥離することで淀み63が発生する。検出部61は、淀み63によって流速が低下する部分に配置される。
図8において、検出部61は、アシストガスAGの流速が低下しているので、その成分(不純物)を高精度に検出することができる。
【0044】
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0045】
なお、上述の実施形態においては、レーザ加工によってワークを切断するレーザ加工機について説明したが、実施形態に係るレーザ加工機は、アシストガスを用いるものであればよく、例えば溶接あるいはマーキング加工を行うものでもよい。