【実施例1】
【0018】
本発明である墨出用具1は、
図1−7の写真、
図8−10の図に示すように、プレート2と、取っ手3と、水平器4と、磁石5〜5eとからなる。なお、取っ手3、水平器4、磁石5〜5eは、必須でなく、必要に応じて備えればよい。
【0019】
プレート2は、
図1−7の写真の他、
図8−9にも示すように、配線ボックスに接続する配管の接続位置に穿設される配管穴を位置決めする四角形のプレートである、配線ボックスの配管穴用の墨出用具であって、
左右側面側に左右メモリ2a、2bと、
背面側から15mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第一長孔2cと、
背面側から30mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第二長孔2dと、
背面側から40mm位置に最初の穴の中心があって、さらに正面側に向け、左右辺と平行で、径の異なる配管径の中心に対応する位置に複数の穴が穿設された第一穴列2eと、
第一穴列2eの右位置から右側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第二穴列2fと、
第一穴列2eの左位置から左側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第三穴列2gと、
背面側の端部上に設けた凸状の取っ手3を備える。
【0020】
複数の左メモリ2a、複数の右メモリ2bは、第一辺2hから所定の距離、ここでは、例えば、多用される配管径、配線ボックス6の端からよく測定される距離である、15mm、30mm、45mmの位置に切り込みとして設けてある。もちろん、一般的なメジャーとしても使用できる。
【0021】
第一長孔2cは、後述のように、配管と配管の距離を一定間隔に配置するためのマークに用いられる。 第二長孔2dは、後述のように、穿設される円の輪郭である穿設円の一方向の位置マークに用いられる。
【0022】
第一穴列2eは、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の中心位置のマークに用いられる複数の穴群である。第二長孔2dからの半径距離に相当する位置のそれぞれの第一穴2e‘が、穿設円の中心となる。なお、プレート2に厚みがあると、筆記具(鉛筆)が作業面まで到達しないことがあるため、そのときは、くぼみ2k内に第一穴列2eを配置する。
【0023】
第二穴列2fは、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の輪郭の一方向のマークに用いる複数の穴群である。第三穴列2gは、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の輪郭の第二穴列2fの向かい側の輪郭のマークに用いる複数の穴群である。
【0024】
図8に、配管外径に対応する位置を一点鎖線で示した。一点鎖線上の第一穴列2eの穴が穿設円の中心で、第二、第三穴列2f、2gの穴がそれぞれ、中心を挟み、対向する位置なる穿設円の輪郭の接戦位置である。第一穴列2eの穴と、第二長孔2dとは、常に、対応する配管外径のもう第三の方向の輪郭の接戦位置である。
【0025】
図9に示すように、選択された第一穴2e‘の横の位置の第二穴2f’、第三穴2g‘、さらに第二長孔2dが、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の輪郭位置のマークに用いられ、それらによって、穿設円の中心、三方向の輪郭位置が特定される。穿設には、各種、ドリル、油圧式パンチャなどを使用する。
【0026】
取っ手3は、持ち位置であり、凸状形状を生かして、辺等に係止することができる。また、取っ手3に当該プレートの正面及び背面方向に直交する方向でかつ当該プレートの平面及び背面と平行で設置された水平器4を内蔵することで、墨出用具1を水平器としても利用できる。取っ手3に水平器4を内蔵する場合には、水平器を視認できるよう、取っ手3の平面に平面窓3a、正面に正面窓3b及び背面に背面窓3cを設けるとよい。
【0027】
水平器4は、配管穴の穿設円の中心の位置決めのためには用いることはないが、各種部品(配線ボックスの向き、配管)の水平を垂直位置の位置決めに利用される。ここでは、一例として、液体と空気4bにより、目印4aで水平を確認できる水平器4を採用した。
【0028】
磁石は、プレート2を、配線ボックス、配管等に固定する機能を有する。ここでは、取っ手3の側面、底面及び背面に、それぞれ磁石5〜5eを埋設した。
【0029】
このようにしてなる墨出用具1のプレート2、又は、プレート2及び取っ手3は、透明にすることで、作業面が確認でき作業性が良くなる。また、プレート2の正面及び背面側の幅(奥行き)が、配線ボックスの幅の1/2とするとよい。配線ボックスの作業面の中心位置を容易に特定し、マークすることができる。
【0030】
次に、
図11−15を参照して、配線ボックス6の作業面6bに、墨出用具1を用いて、
図17に示すような、径が異なる配管9用の2つの配管穴6c(直径約19mm)、配管穴6d(直径約25mm)の輪郭である
図15(B)に示す、穿設円10f‘、10fの一部を墨出しする方法について説明する。
【0031】
まず、
図11(A)に示すように、配線ボックス6の作業面6bに、墨出用具1の背面の第一辺2hを配線ボックス6の端に合わせる。墨出用具1の正面(第二辺2i)と背面(第一辺2h)との距離(奥行き)は、配線ボックス6の1/2である。従って、
図11(A)に示す配置に、墨出用具1を配置して、筆記具10でラインを引けば、配線ボックス6の作業面6bの長手方向の中心位置を示す、中心線10aとなる。中心線10aは、確認できるように、ここでは、デジタル的にラインを追記した。
【0032】
続いて、
図11(B)に示すように、第一辺2hを中心線10aに合わせたうえで、第一長孔2c内に筆記具10でラインを引く、そのラインが穿設円10fの一方の接戦となる、第一輪郭位置線10bである。ここでは、取っ手3の幅分である15mm15mm、中心線10aから図右側に移動した位置に引かれる。
【0033】
続いて、
図12(A)に示すように、第一輪郭位置線10bを、対応する配管の径の第三穴列2gの穴位置に合わせるとともに、墨出用具の第一辺2hを配線ボックス6の図中の上辺に一致させる。ここでは、配管径約25mmの第三穴2g‘を選択する。
配管径としては、例えば、約19mm、25mm、31mm、39mm、51mm、63mm、75mmの径がある
(http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/haikan/conduit/steel/screwless_conduit_e.html)。
【0034】
続いて、
図12(A)に示すように、第二長孔2dに筆記具10を挿入して、作業面6bにラインを引く、穿設円10fの接線である第二輪郭位置線10cとなる。続いて、
図12(B)に示すように、第一穴列2eの25mmの配管に対応する第一穴2e‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10fの中心10eとなる。
【0035】
さらに、続いて、
図13(A)に示すように、第二穴列2fの25mmの配管に対応する第二穴2f‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10fの三箇所目の接線である第三輪郭位置線10dとなる。これで、直径約25mmの配管の穿設円10fの中心10eと、三方の輪郭位置である、第一輪郭位置線10b、第二輪郭位置線10c及び第三輪郭位置線10dが特定できた(
図15(B))。
【0036】
次に、配管径19mmに対応した穿設円10f‘を、墨出用具1を用いて、穿設円10fと配線ボックス6の端との距離と同じ距離で、作業面6bの墨出しする。
図13(B)に示す。
【0037】
まず、
図13(B)に示すように、中心線10aに墨出用具1の第一辺2hを合わせる。第一長孔2c内に筆記具10でラインを引く、そのラインが穿設円10f‘の一方の接戦となる、第一輪郭位置線10b’である。ここでは、取っ手3の幅分である15mm、中心線10aから図左側に移動した位置に引かれる。
【0038】
続いて、
図14(A)に示すように、第一輪郭位置線10b‘を、対応する配管の径の第二穴列2fの穴位置に合わせるとともに、墨出用具の第一辺2hを配線ボックス6の図中の上辺に一致させる。ここでは、配管径約19mmの第二穴2f‘を選択する。
【0039】
続いて、
図14(A)に示すように、第二長孔2dに筆記具10を挿入して、作業面6bにラインを引く、穿設円10f‘の接線である第二輪郭位置線10c’となる。続いて、
図14(B)に示すように、第一穴列2eの19mmの配管に対応する第一穴2e‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10f’の中心10e‘となる。
【0040】
さらに、続いて、
図15(A)に示すように、第三穴列2gの19mmの配管に対応する第三穴2g‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10f’の三箇所目の接線である第三輪郭位置線10d‘となる。これで、直径約19mmの配管の穿設円10f’の中心10e‘と、三方の輪郭位置である、第一輪郭位置線10b’、第二輪郭位置線10c‘及び第三輪郭位置線10d’が特定できた(
図15(B))。
【0041】
図15(B)に示すように、本発明の墨出用具1を用いることで、配管穴を配線ボックスに穿設するのに先立ち、穿設される配管穴の位置を、正確かつ簡易に、配線ボックスに、配管本数、配管径、配線ボックスの大きさを考慮して均等に位置決めすることができる。
【0042】
ここでは、配線ボックス6の図上の左右両側から2つの穿設円10f、10f‘の近い方の輪郭位置は同じ距離(両矢印L1=L2)となっている。また、中心線10a側は、中心線10aから取っ手3の幅分(15mm)、それぞれの穿設円10f、10f’はずれているので、2つの中心線10a側の距離(L3)は30mmとなる。
【0043】
2つより多くの穿設円を墨出しするには、中心線10aに相当する、配管と配管との距離の中心さえ特定すれば、本発明の墨出用具1で、等間隔で、穿設円の位置を特定することができる。この後は、既知の穿設手段で配管穴を穿設し、
図17に示すように、配管9と配線ボックス6を接続し、
図16に示すように、支持材7で配管9を外壁9aに係止する。