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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-209774(P2017-209774A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】配線ボックスの配管穴用の墨出用具
(51)【国際特許分類】
   B25H 7/02 20060101AFI20171102BHJP
   H02G 3/12 20060101ALI20171102BHJP
   H02G 3/08 20060101ALI20171102BHJP
   H02B 3/00 20060101ALN20171102BHJP
【FI】
   B25H7/02 Z
   H02G3/12
   H02G3/08 030
   H02B3/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-106663(P2016-106663)
(22)【出願日】2016年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】515129319
【氏名又は名称】永全電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093816
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 邦雄
(72)【発明者】
【氏名】永田 正治
【テーマコード(参考)】
5G361
【Fターム(参考)】
5G361AA02
5G361AE02
(57)【要約】
【課題】配管穴を配線ボックスに穿設するのに先立ち、穿設される配管穴の位置を、正確かつ簡易に位置決めするための墨出用具を提供する。
【解決手段】配線ボックスの配管穴用の墨出用具であって、四角形のプレートの背面側から15mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第一長孔と、前記背面側から30mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第二長孔と、前記背面側から40mm位置に最初の穴の中心があって、正面側に向け、左右辺と平行で、径の異なる配管径の中心に対応する位置に複数の穴が穿設された第一穴列と、第一穴列の右位置から右側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第二穴列と、第一穴列の左位置から左側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第三穴列を備える墨出用具とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線ボックスに接続する配管の接続位置に穿設される配管穴を位置決めする四角形のプレートである、配線ボックスの配管穴用の墨出用具であって、
前記プレートの背面側から15mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第一長孔と、
前記プレートの背面側から30mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第二長孔と、
前記プレートの背面側から40mm位置に最初の穴の中心があって、さらに正面側に向け、左右辺と平行で、径の異なる配管径の中心に対応する位置に複数の穴が穿設された第一穴列と、
前記第一穴列の右位置から右側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第二穴列と、
前記第一穴列の左位置から左側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第三穴列と、
を備えたことを特徴とする墨出用具。
【請求項2】
前記プレートの背面側の端部上に、凸状の取っ手を備えたことを特徴とする請求項1に記載の墨出用具。
【請求項3】
前記取っ手に、前記プレートの正面及び背面方向に直交する方向でかつ平面及び背面と平行に、水平器が埋設されていることを特徴とする請求項2に記載の墨出用具。
【請求項4】
前記水平器は、前記取っ手に開口した平面窓、正面窓及び背面窓から視認できることを特徴とする請求項3に記載の墨出用具。
【請求項5】
前記取っ手の側面、底面及び背面に、それぞれ磁石が埋設されていることを特徴とする請求項3に記載の墨出用具。
【請求項6】
前記プレートが、透明であることを特徴とする請求項1に記載の墨出用具。
【請求項7】
前記プレートの左右側面側に左右メモリを設けたことを特徴とする請求項1に記載の墨出用具。
【請求項8】
前記正面及び背面側の幅が、配線ボックスの幅の1/2であることを特徴とする請求項1に記載の墨出用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管に通された通電ケーブル、通信ケーブルなどの配線の接続部、分岐部を覆う、内部中空のケース、箱である配線ボックス(プルボックスなどともいう)に接続する配管の接続位置に穿設される配管用の穴(配管穴)を、穿設するのに先立ち、穿設される配管穴の(中心、輪郭)位置を、正確かつ簡易に、配線ボックスに位置決めするための、配線ボックスの配管穴用の墨出用具(以下、単に「墨出用具」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
配線ボックスの配管穴は、一側面に複数個穿設されることが多々ある。その場合の配管穴同士の間隔は、配管同士のネジ留めとの関係から、30又は35mmとされ、外観的なバランスから一側面の両端を均等にあけ、等間隔に穿設する。加えて、使用される配管径も異なることから、電気工事に際して、通常は、現場で配管本数、配管径、配線ボックスの大きさを考慮して、配管穴の中心を0.5mm単位で計算し、穴を穿設する。そして、図16に示すように、配線ボックス6は、支持材7によって、建物の外壁9aなどに係止、配設される。
【0003】
図17に示すように、内部空洞6aを備える配線ボックス6と配管9の接続は、配管穴6cを穿設した配線ボックス6に既存の接続部品を利用して接続する。利用される接続部品は、配管9と配線ボックス6を外壁9aなどに固定する支持材7、配管9と配線ボックス6を接続する連結部材8などである。
【0004】
支持材7は、コの字型の金属鋼で外壁9aなどに固定されるハンガー7aと、ハンガー7aの溝に係止されるとともに配管9に固定されるクランプ7bからなる。クランプ7bは、ハンガー7aの溝に係止される2枚の片サドル7cと、2枚の片サドルをボルト7dで固定してなる。
【0005】
使用した連結部材8は、既存、規格品で、配管9の末端に嵌められ、ネジ8cで配管9に固定され、他端にネジ部8bを備えるコネクタ8aと、配線ボックス6の配管穴6c、6dに嵌入させたネジ部8bに配線ボックス6の内側から螺合し、配管9の末端に固定されたコネクタ8aを配線ボックス6に固定する環状のロックナット8dと、コネクタ8aの末端に螺合し、覆い、絶縁する絶縁キャップ8eを必要に応じて設けてなる。それら各連結部材8は、次のwebサイトに詳しく説明されている。
http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/haikan/conduit/steel/screwless_conduit_e.html
【0006】
設置現場での配管穴の配置位置の計算は煩雑なうえ、時間も要する。配管穴の配置位置の計算を間違え配管穴を穿設してしまうと、代わりの配線ボックス費用を負担せざるを得ず、配線ボックスは決して安価でないためコスト高に繋がり、電気工事において、配管穴の配置位置の決定は極めて重大事項である。
【0007】
他方、穴を穿設した配線用ボックス、穴の穿設技術については、特許文献1,2に公開されている。
特許文献1の発明は、工事業者が常時携帯しているプラス又はマイナスのいずれのドライバーの使用も可能であって、閉塞部の連結強度が強くても確実にこじ開けることができ、しかも作業性の高いボックスの透孔閉塞構造であって、ボックスBの透孔形成予定部Pに閉塞部が除去可能に設けられ、閉塞部が除去されて配線・配管材を挿通又は接続させる透孔が形成されるボックスの透孔閉塞構造であって、透孔が形成される側壁部(透孔形成壁部)1と、破断可能な第1連結部を介して側壁部1と一体に形成される第1閉塞部11と、ボックス外方からドライバーを、その軸部まで挿通可能とする貫通孔を形成するための第2閉塞部12とを備え、第1閉塞部11は、貫通部に挿通したドライバーの軸部を、側壁部1により、第1連結部を破断して、透孔を開口させるべく除去される構成である。
特許文献2の発明は、埋設時あるいは壁面仕上げ時においてビス孔からボックス内へトロが侵入することなく、ボックスカバーを所定状態に位置決めしてボックスに取り付けることができるとともに、取り付けに際してはボックスの傾きに対して広い範囲で対応することができる配線・配管用のボックスカバーであって、このボックスカバー10は、全体が透明体により構成されており、ボックス20に設けられた取付孔21の位置が容易に確認でき、この取付孔21に対応するビス孔を板部12にドリルによって穿孔することによって、ボックス20に取り付けることができるような構成である。
【0008】
しかしながら、特許文献1,2では、既成品の穴の穿設に関する技術で、工事現場において、または既設置の配線ボックスに対して、配管穴の位置決めをすることはできない。
【0009】
他方、穴の位置決めのための墨出用具として、特許文献3などが公開されている。特許文献3は、トランシットを何度も移し替えて角度を測定する手間を省いて、杭位置の墨出し作業が簡便に能率良く且つ安価に行えることができる墨出し用定規であって、基準点位置を示す貫通孔11と、貫通孔11を通り且つ敷地に応じて予め方位が定められた杭方向指示線12と、その近傍に配設された磁石13と、磁北を示す磁北指示線14とを備えた杭位置墨出し用定規である。最初の基準点杭位置の設定時のみトランシットを用いれば、その後は定規の磁石13を磁北指示線14に一致させることで杭方向指示線12が実際の建物の通り芯の方位に合致し、わざわざトランシットで測定する必要はないというものである。
【0010】
しかしながら、特許文献3では、方位との関係で、穴の位置決めをするものであり、配管本数、配管径、配線ボックスの大きさを考慮して、配管穴を均等配置するためには適用できない。
【0011】
これまで、配管穴を配線ボックスに穿設するのに先立ち、穿設される配管穴の位置を、正確かつ簡易に、配線ボックスに、配管本数、配管径、配線ボックスの大きさを考慮して均等に位置決めするための、墨出用具は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2002−176720号公報
【特許文献2】特開平07−241019号公報
【特許文献3】特開平05−302801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、配管穴を配線ボックスに穿設するのに先立ち、穿設される配管穴の位置を、正確かつ簡易に、配線ボックスに、配管本数、配管径、配線ボックスの大きさを考慮して均等に位置決めするための、墨出用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を解決するため、
(1)
配線ボックスに接続する配管の接続位置に穿設される配管穴を位置決めする四角形のプレートである、配線ボックスの配管穴用の墨出用具であって、
前記プレートの背面側から15mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第一長孔と、
前記プレートの背面側から30mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第二長孔と、
前記プレートの背面側から40mm位置に最初の穴の中心があって、さらに正面側に向け、左右辺と平行で、径の異なる配管径の中心に対応する位置に複数の穴が穿設された第一穴列と、
前記第一穴列の右位置から右側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第二穴列と、
前記第一穴列の左位置から左側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第三穴列と、
を備えたことを特徴とする墨出用具。
(2)
前記プレートの背面側の端部上に、凸状の取っ手を備えたことを特徴とする(1)に記載の墨出用具。
(3)
前記取っ手に、前記プレートの正面及び背面方向に直交する方向でかつ平面及び背面と平行に、水平器が埋設されていることを特徴とする(2)に記載の墨出用具。
(4)
前記水平器は、前記取っ手に開口した平面窓、正面窓及び背面窓から視認できることを特徴とする(3)に記載の墨出用具。
(5)
前記取っ手の側面、底面及び背面に、それぞれ磁石が埋設されていることを特徴とする(3)に記載の墨出用具。
(6)
前記プレートが、透明であることを特徴とする(1)に記載の墨出用具。
(7)
前記プレートの左右側面側に左右メモリを設けたことを特徴とする(1)記載の墨出用具。
(8)
前記正面及び背面側の幅が、配線ボックスの幅の1/2であることを特徴とする(1)に記載の墨出用具。
の構成とした。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上記構成であるので、配管穴を配線ボックスに穿設するのに先立ち、穿設される配管穴の位置を、正確かつ簡易に、配線ボックスに、配管本数、配管径、配線ボックスの大きさを考慮して均等に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一例である墨出用具の正面写真である。
図2】本発明の一例である墨出用具の左側面写真である。
図3】本発明の一例である墨出用具の右側面写真である。
図4】本発明の一例である墨出用具の背面写真である。
図5】本発明の一例である墨出用具の平面写真である。
図6】本発明の一例である墨出用具の底面写真である。
図7】本発明の一例である墨出用具の正面斜視写真である。
図8】本発明の一例である墨出用具を構成するプレートの平面図である。
図9】本発明の一例である墨出用具を構成するプレートの側面斜視図である。
図10】本発明の一例である墨出用具を構成するプレートの底面斜視図である。
図11】本発明の一例である墨出用具を用いた、配管穴の墨出手順(A)(B)写真である。
図12】本発明の一例である墨出用具を用いた、配管穴の墨出手順(C)(D)写真である。
図13】本発明の一例である墨出用具を用いた、配管穴の墨出手順(E)(F)写真である。
図14】本発明の一例である墨出用具を用いた、配管穴の墨出手順(G)(H)写真である。
図15】本発明の一例である墨出用具を用いた、配管穴の墨出手順(I)(J)写真である。
図16】配管穴を穿設した配線ボックスと、配線を通し配線ボックスに接続した配管を、壁に、支持材及びクランプで固定したときの写真である。
図17】配管穴を穿設した配線ボックスと、配管、及び配管と配線ボックスの接続部品の説明図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はそれら実施形態に限定されるものではない。
【実施例1】
【0018】
本発明である墨出用具1は、図1−7の写真、図8−10の図に示すように、プレート2と、取っ手3と、水平器4と、磁石5〜5eとからなる。なお、取っ手3、水平器4、磁石5〜5eは、必須でなく、必要に応じて備えればよい。
【0019】
プレート2は、図1−7の写真の他、図8−9にも示すように、配線ボックスに接続する配管の接続位置に穿設される配管穴を位置決めする四角形のプレートである、配線ボックスの配管穴用の墨出用具であって、
左右側面側に左右メモリ2a、2bと、
背面側から15mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第一長孔2cと、
背面側から30mm位置に平面から底面へ貫通するとともに背面と平行な第二長孔2dと、
背面側から40mm位置に最初の穴の中心があって、さらに正面側に向け、左右辺と平行で、径の異なる配管径の中心に対応する位置に複数の穴が穿設された第一穴列2eと、
第一穴列2eの右位置から右側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第二穴列2fと、
第一穴列2eの左位置から左側面の正面側に向け、径の異なる配管径の輪郭に対応する位置に斜め方向に複数の穴が穿設された第三穴列2gと、
背面側の端部上に設けた凸状の取っ手3を備える。
【0020】
複数の左メモリ2a、複数の右メモリ2bは、第一辺2hから所定の距離、ここでは、例えば、多用される配管径、配線ボックス6の端からよく測定される距離である、15mm、30mm、45mmの位置に切り込みとして設けてある。もちろん、一般的なメジャーとしても使用できる。
【0021】
第一長孔2cは、後述のように、配管と配管の距離を一定間隔に配置するためのマークに用いられる。 第二長孔2dは、後述のように、穿設される円の輪郭である穿設円の一方向の位置マークに用いられる。
【0022】
第一穴列2eは、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の中心位置のマークに用いられる複数の穴群である。第二長孔2dからの半径距離に相当する位置のそれぞれの第一穴2e‘が、穿設円の中心となる。なお、プレート2に厚みがあると、筆記具(鉛筆)が作業面まで到達しないことがあるため、そのときは、くぼみ2k内に第一穴列2eを配置する。
【0023】
第二穴列2fは、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の輪郭の一方向のマークに用いる複数の穴群である。第三穴列2gは、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の輪郭の第二穴列2fの向かい側の輪郭のマークに用いる複数の穴群である。
【0024】
図8に、配管外径に対応する位置を一点鎖線で示した。一点鎖線上の第一穴列2eの穴が穿設円の中心で、第二、第三穴列2f、2gの穴がそれぞれ、中心を挟み、対向する位置なる穿設円の輪郭の接戦位置である。第一穴列2eの穴と、第二長孔2dとは、常に、対応する配管外径のもう第三の方向の輪郭の接戦位置である。
【0025】
図9に示すように、選択された第一穴2e‘の横の位置の第二穴2f’、第三穴2g‘、さらに第二長孔2dが、配線ボックス6への接続に用いられる配管の径の輪郭位置のマークに用いられ、それらによって、穿設円の中心、三方向の輪郭位置が特定される。穿設には、各種、ドリル、油圧式パンチャなどを使用する。
【0026】
取っ手3は、持ち位置であり、凸状形状を生かして、辺等に係止することができる。また、取っ手3に当該プレートの正面及び背面方向に直交する方向でかつ当該プレートの平面及び背面と平行で設置された水平器4を内蔵することで、墨出用具1を水平器としても利用できる。取っ手3に水平器4を内蔵する場合には、水平器を視認できるよう、取っ手3の平面に平面窓3a、正面に正面窓3b及び背面に背面窓3cを設けるとよい。
【0027】
水平器4は、配管穴の穿設円の中心の位置決めのためには用いることはないが、各種部品(配線ボックスの向き、配管)の水平を垂直位置の位置決めに利用される。ここでは、一例として、液体と空気4bにより、目印4aで水平を確認できる水平器4を採用した。
【0028】
磁石は、プレート2を、配線ボックス、配管等に固定する機能を有する。ここでは、取っ手3の側面、底面及び背面に、それぞれ磁石5〜5eを埋設した。
【0029】
このようにしてなる墨出用具1のプレート2、又は、プレート2及び取っ手3は、透明にすることで、作業面が確認でき作業性が良くなる。また、プレート2の正面及び背面側の幅(奥行き)が、配線ボックスの幅の1/2とするとよい。配線ボックスの作業面の中心位置を容易に特定し、マークすることができる。
【0030】
次に、図11−15を参照して、配線ボックス6の作業面6bに、墨出用具1を用いて、図17に示すような、径が異なる配管9用の2つの配管穴6c(直径約19mm)、配管穴6d(直径約25mm)の輪郭である図15(B)に示す、穿設円10f‘、10fの一部を墨出しする方法について説明する。
【0031】
まず、図11(A)に示すように、配線ボックス6の作業面6bに、墨出用具1の背面の第一辺2hを配線ボックス6の端に合わせる。墨出用具1の正面(第二辺2i)と背面(第一辺2h)との距離(奥行き)は、配線ボックス6の1/2である。従って、図11(A)に示す配置に、墨出用具1を配置して、筆記具10でラインを引けば、配線ボックス6の作業面6bの長手方向の中心位置を示す、中心線10aとなる。中心線10aは、確認できるように、ここでは、デジタル的にラインを追記した。
【0032】
続いて、図11(B)に示すように、第一辺2hを中心線10aに合わせたうえで、第一長孔2c内に筆記具10でラインを引く、そのラインが穿設円10fの一方の接戦となる、第一輪郭位置線10bである。ここでは、取っ手3の幅分である15mm15mm、中心線10aから図右側に移動した位置に引かれる。
【0033】
続いて、図12(A)に示すように、第一輪郭位置線10bを、対応する配管の径の第三穴列2gの穴位置に合わせるとともに、墨出用具の第一辺2hを配線ボックス6の図中の上辺に一致させる。ここでは、配管径約25mmの第三穴2g‘を選択する。
配管径としては、例えば、約19mm、25mm、31mm、39mm、51mm、63mm、75mmの径がある
(http://www2.panasonic.biz/es/densetsu/haikan/conduit/steel/screwless_conduit_e.html)。
【0034】
続いて、図12(A)に示すように、第二長孔2dに筆記具10を挿入して、作業面6bにラインを引く、穿設円10fの接線である第二輪郭位置線10cとなる。続いて、図12(B)に示すように、第一穴列2eの25mmの配管に対応する第一穴2e‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10fの中心10eとなる。
【0035】
さらに、続いて、図13(A)に示すように、第二穴列2fの25mmの配管に対応する第二穴2f‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10fの三箇所目の接線である第三輪郭位置線10dとなる。これで、直径約25mmの配管の穿設円10fの中心10eと、三方の輪郭位置である、第一輪郭位置線10b、第二輪郭位置線10c及び第三輪郭位置線10dが特定できた(図15(B))。
【0036】
次に、配管径19mmに対応した穿設円10f‘を、墨出用具1を用いて、穿設円10fと配線ボックス6の端との距離と同じ距離で、作業面6bの墨出しする。図13(B)に示す。
【0037】
まず、図13(B)に示すように、中心線10aに墨出用具1の第一辺2hを合わせる。第一長孔2c内に筆記具10でラインを引く、そのラインが穿設円10f‘の一方の接戦となる、第一輪郭位置線10b’である。ここでは、取っ手3の幅分である15mm、中心線10aから図左側に移動した位置に引かれる。
【0038】
続いて、図14(A)に示すように、第一輪郭位置線10b‘を、対応する配管の径の第二穴列2fの穴位置に合わせるとともに、墨出用具の第一辺2hを配線ボックス6の図中の上辺に一致させる。ここでは、配管径約19mmの第二穴2f‘を選択する。
【0039】
続いて、図14(A)に示すように、第二長孔2dに筆記具10を挿入して、作業面6bにラインを引く、穿設円10f‘の接線である第二輪郭位置線10c’となる。続いて、図14(B)に示すように、第一穴列2eの19mmの配管に対応する第一穴2e‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10f’の中心10e‘となる。
【0040】
さらに、続いて、図15(A)に示すように、第三穴列2gの19mmの配管に対応する第三穴2g‘を選択して、筆記具10で印を付ける、穿設円10f’の三箇所目の接線である第三輪郭位置線10d‘となる。これで、直径約19mmの配管の穿設円10f’の中心10e‘と、三方の輪郭位置である、第一輪郭位置線10b’、第二輪郭位置線10c‘及び第三輪郭位置線10d’が特定できた(図15(B))。
【0041】
図15(B)に示すように、本発明の墨出用具1を用いることで、配管穴を配線ボックスに穿設するのに先立ち、穿設される配管穴の位置を、正確かつ簡易に、配線ボックスに、配管本数、配管径、配線ボックスの大きさを考慮して均等に位置決めすることができる。
【0042】
ここでは、配線ボックス6の図上の左右両側から2つの穿設円10f、10f‘の近い方の輪郭位置は同じ距離(両矢印L1=L2)となっている。また、中心線10a側は、中心線10aから取っ手3の幅分(15mm)、それぞれの穿設円10f、10f’はずれているので、2つの中心線10a側の距離(L3)は30mmとなる。
【0043】
2つより多くの穿設円を墨出しするには、中心線10aに相当する、配管と配管との距離の中心さえ特定すれば、本発明の墨出用具1で、等間隔で、穿設円の位置を特定することができる。この後は、既知の穿設手段で配管穴を穿設し、図17に示すように、配管9と配線ボックス6を接続し、図16に示すように、支持材7で配管9を外壁9aに係止する。
【符号の説明】
【0044】
1 墨出用具
2 プレート
2a 左メモリ
2b 右メモリ
2c 第一長孔
2d 第二長孔
2e 第一穴列
2e‘ 第一穴
2f 第二穴列
2f‘ 第二穴
2g 第三穴列
2g‘ 第三穴
2h 第一辺
2i 第二辺
2k くぼみ
3 取っ手
3a 平面窓
3b 正面窓
3c 背面窓
4 水平器
4a 目印
4b 空気
5 磁石
5a 磁石
5b 磁石
5c 磁石
5d 磁石
5e 磁石
6 配線ボックス
6a 内部空洞
6b 作業面
6c 配管穴
6d 配管穴
7 支持材
7a ハンガー
7b クランプ
7c 片サドル
7d ボルト
8 連結部材
8a コネクタ
8b ネジ部
8c ネジ
8d ロックナット
8e 絶縁キャップ
9 配管
9a 外壁
10 筆記具
10a 中心線
10b 第一輪郭位置線
10b‘ 第一輪郭位置線
10c 第二輪郭位置線
10c‘ 第二輪郭位置線
10d 第三輪郭位置線
10e 中心
10e‘ 中止
10f 穿設円
10f‘ 穿設円
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2016年5月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正の内容】
図10
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正の内容】
図15