特開2017-209852(P2017-209852A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 理想科学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2017209852-印刷装置 図000003
  • 特開2017209852-印刷装置 図000004
  • 特開2017209852-印刷装置 図000005
  • 特開2017209852-印刷装置 図000006
  • 特開2017209852-印刷装置 図000007
  • 特開2017209852-印刷装置 図000008
  • 特開2017209852-印刷装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-209852(P2017-209852A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20171102BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20171102BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20171102BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G03G21/00 386
   G03G21/00 512
   G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-103982(P2016-103982)
(22)【出願日】2016年5月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】植木 俊幸
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HK23
2C061HN15
2C061HQ20
2C061HV14
2C061HV32
2C061HV47
2H270KA58
2H270KA59
2H270NB06
2H270NC07
2H270NC12
2H270NC22
2H270NC26
2H270ND01
2H270ND36
2H270QA13
2H270QA35
2H270QB03
2H270QB26
2H270RA03
2H270RA10
2H270RC05
2H270RC16
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】複数の印刷装置がネットワークに接続されていない場合であっても、複数の印刷装置の消耗品の在庫数を管理して、消耗品の在庫に補充が必要である場合に報知することが可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】
消耗品を消費して印刷する印刷装置101であって、印刷により消費される前記消耗品の在庫数を記憶する在庫記憶部143と、印刷装置101に接続されている着脱可能な可搬型記憶装置200が過去に接続した他の印刷装置102により記憶された他の印刷装置102の消耗品の在庫数と、在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する在庫算出部144と、在庫合計値が消耗品を補充すべき所定合計値以下である場合、ユーザに報知する報知部146と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品を消費して印刷する印刷装置であって、
印刷により消費される前記消耗品の在庫数を記憶する在庫記憶部と、
前記印刷装置に接続されている着脱可能な可搬型記憶装置が過去に接続した他の印刷装置により記憶された前記他の印刷装置の消耗品の在庫数と、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する在庫算出部と、
前記在庫合計値が前記消耗品を補充すべき所定合計値以下である場合、ユーザに報知する報知部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記在庫算出部は、前記印刷装置の機種と前記他の印刷装置の機種とが同一である場合、又は、前記印刷装置に消費される前記消耗品の種類と前記他の印刷装置に消費される前記消耗品の種類とが同一である場合に、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数と、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数とを合計した前記在庫合計値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数が前記所定在庫数よりも大きい場合、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数が前記所定在庫数よりも大きいことをユーザに報知する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記在庫記憶部には、前記印刷装置の位置情報が記憶されており、
前記可搬型記憶装置には、前記他の印刷装置の位置情報が記憶されており、
前記報知部は、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数が前記所定在庫数よりも大きい場合、当該他の印刷装置のうち、前記印刷装置との距離が相対的に近い前記他の印刷装置を優先的にユーザに報知する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗品を消費して印刷する印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷により消費される消耗品の在庫数(ストック数)を記憶させておき、消耗品が交換される度に消耗品の在庫数を減算し、消耗品の在庫数が所定在庫数以下になった場合に、消耗品の補充を通知する印刷システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような印刷システムを利用すれば、LAN等のネットワークを介して、複数の印刷装置のそれぞれで消費される消耗品の数量に基づいて、複数の印刷装置の属するグループ単位で消耗品の在庫に補充が必要か否かを判定し、消耗品の在庫に補充が必要な場合には、ユーザに報知することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−152824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、印刷装置は、必ずしもネットワークに接続して利用されるとは限らず、印刷装置をネットワークに接続せずに利用する形態もある。
【0006】
従来技術では、複数の印刷装置をネットワークに接続せずに利用する場合、個別に存在する印刷装置から消耗品の在庫数を取得できないため、消耗品の在庫数を管理できない。このため、消耗品の在庫に補充が必要であることをユーザに報知することもできないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたもので、複数の印刷装置がネットワークに接続されていない場合であっても、複数の印刷装置の消耗品の在庫数を管理して、消耗品の在庫に補充が必要である場合に報知することが可能な印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷装置の第1の特徴は、消耗品を消費して印刷する印刷装置であって、印刷により消費される前記消耗品の在庫数を記憶する在庫記憶部と、前記印刷装置に接続されている着脱可能な可搬型記憶装置が過去に接続した他の印刷装置により記憶された前記他の印刷装置の消耗品の在庫数と、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する在庫算出部と、前記在庫合計値が前記消耗品を補充すべき所定合計値以下である場合、ユーザに報知する報知部と、を備えることにある。
【0009】
本発明に係る印刷装置の第2の特徴は、上記特徴に係り、前記在庫算出部は、前記印刷装置の機種と前記他の印刷装置の機種とが同一である場合、又は、前記印刷装置に消費される前記消耗品の種類と前記他の印刷装置に消費される前記消耗品の種類とが同一である場合に、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数と、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数とを合計した前記在庫合計値を算出することにある。
【0010】
本発明に係る印刷装置の第3の特徴は、上記特徴に係り、前記報知部は、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数が前記所定在庫数よりも大きい場合、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数が前記所定在庫数よりも大きいことをユーザに報知することにある。
【0011】
本発明に係る印刷装置の第4の特徴は、上記特徴に係り、前記在庫記憶部には、前記印刷装置の位置情報が記憶されており、前記可搬型記憶装置には、前記他の印刷装置の位置情報が記憶されており、前記報知部は、前記在庫記憶部に記憶される前記消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、前記他の印刷装置の消耗品の在庫数が前記所定在庫数よりも大きい場合、当該他の印刷装置のうち、前記印刷装置との距離が相対的に近い前記他の印刷装置を優先的にユーザに報知することにある。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る印刷装置の第1の特徴によれば、在庫算出部は、印刷装置に接続されている着脱可能な可搬型記憶装置が過去に接続した他の印刷装置により記憶された他の印刷装置の消耗品の在庫数と、在庫記憶部に記憶される消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する。また、報知部は、在庫合計値が消耗品を補充すべき所定合計値以下である場合にユーザに報知する。
【0013】
これにより、可搬型記憶装置を他の印刷装置と印刷装置とに順番に接続すれば、印刷装置は、他の印刷装置の消耗品の在庫数と、自装置の消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出し、算出した在庫合計値が所定合計値以下である場合にユーザに報知できる。よって、複数の印刷装置がネットワークに接続されていない場合であっても、複数の印刷装置の消耗品の在庫数を管理して、消耗品の在庫に補充が必要である場合にはユーザに報知することができる。
【0014】
本発明に係る印刷装置の第2の特徴によれば、在庫算出部は、印刷装置の機種と他の印刷装置の機種とが同一である場合、又は、前記印刷装置に消費される前記消耗品の種類と前記他の印刷装置に消費される前記消耗品の種類とが同一である場合に、在庫合計値を算出する。これにより、それぞれの印刷装置と他の印刷装置との間で互換性のある消耗品の在庫数を合計した在庫合計値を算出できる。
【0015】
本発明に係る印刷装置の第3の特徴によれば、報知部は、消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、他の印刷装置の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きい場合、他の印刷装置の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きいことをユーザに報知する。これにより、消耗品を供給可能な他の印刷装置をユーザに報知できるため、消耗品を補充する上での利便性を向上できる。
【0016】
本発明に係る印刷装置の第4の特徴によれば、消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、他の印刷装置の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きい場合、他の印刷装置の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きいとき、他の印刷装置のうち、印刷装置と近い他の印刷装置を優先してユーザに案内できる。これにより、ユーザは、近い他の印刷装置から消耗品を補充できるため、簡単に消耗品を補充することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係る印刷システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施例1に係る印刷システムの機能を示すブロック図である。
図3】本発明の実施例1に係る印刷装置に記憶されるテーブルの一例を示す図である。
図4】本発明の実施例1に係る可搬型記憶装置に記憶されるテーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の実施例1に係る印刷装置の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の変形例1に係る印刷装置に記憶されるテーブルの一例を示す図である。
図7】本発明の変形例1に係る可搬型記憶装置に記憶されるテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例に係る印刷装置を備えた印刷システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。また、以下に示す実施例は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0019】
[実施例1]
<印刷システムの構成>
図1は、本発明の実施例1に係る印刷装置を備えた印刷システム1の概略構成図である。図1に示すように、印刷システム1は、印刷装置100と、可搬型記憶装置200とを備える。
【0020】
印刷装置100は、消耗品を消費して印刷する。印刷装置100は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークに接続されていない。このため、印刷装置100は、他の外部機器との間で通信を行うことなく、単独で印刷するように構成されている。
【0021】
ここで、印刷装置100に消費される消耗品としては、例えば、インク、印刷用紙、ステープル針などが挙げられる。また、印刷装置100が、孔版印刷装置である場合には、消耗品は、孔版(マスタ)であってもよい。
【0022】
なお、実施例では、説明を簡略化するため、消耗品がインクである場合を例に挙げて説明する。また、インクにも、黒色インク、赤色インク、青色インク、緑色インクなど様々な色のインクがあるが、ここでは、特定色のインク(例えば、黒色インク)に着目して説明する。
【0023】
印刷装置100は、可搬型記憶装置200が接続されている印刷装置101と、可搬型記憶装置200が過去に接続した他の印刷装置102とを含む。なお、図1の例では、他の印刷装置102が一台である場合を例に挙げて示しているが、複数台あってもよい。
【0024】
また、説明のため、以下において、印刷装置101と他の印刷装置102とを、単に印刷装置100として適宜説明する。
【0025】
可搬型記憶装置200は、印刷装置100に着脱可能に構成される。可搬型記憶装置200は、印刷装置100に装着された後、印刷装置100との間で各種情報を通信する。また、可搬型記憶装置200は、印刷装置100から送信された各種情報を記憶する。
【0026】
なお、可搬型記憶装置200と印刷装置100との間の通信方式は、例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)に準拠した有線方式であってもよい。
【0027】
次に、印刷システム1の機能について具体的に説明する。図2は、印刷システム1の機能を示すブロック図である。なお、印刷装置101と他の印刷装置102との構成は、同様であるが、ここでは、可搬型記憶装置200に接続されている印刷装置101の構成に着目して説明する。
【0028】
図2に示すように、印刷装置101は、通信部110と、印刷部120と、操作パネル部130と、制御部140とを備える。
【0029】
通信部110は、可搬型記憶装置200と接続するインターフェースとして機能する。通信部110は、可搬型記憶装置200と制御部140の間において、各種情報を送受信する。
【0030】
印刷部120は、印刷用紙に所定画像を形成する。印刷部120による印刷方式は、特に限定されない。例えば、印刷部120は、インクジェット方式により、所定画像を形成する。
【0031】
この場合、印刷部120は、インクを吐出するヘッド部、印刷用紙を搬送するための搬送部、所定画像が形成された印刷済の印刷用紙を排紙する排紙部などを備えている(いずれも不図示)。なお、印刷部120による印刷方式は、例えば、電子写真方式であってもよいし、孔版印刷方式であってもよい。
【0032】
操作パネル部130は、印刷装置101の上部に設けられ、表示/入力パネルと、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも不図示)等の各種操作キーとを備える。操作パネル部130は、表示/入力パネル又は操作キーを用いてユーザにより入力された操作データを制御部140に送信する。
【0033】
制御部140は、印刷装置101に備えられる各種機能を制御する。印刷制御部141は、CPU(不図示)を備え、制御プログラムを読込んだCPUにより実行される各種機能を実現する。
【0034】
制御部140は、各種機能として、印刷制御部141と、取得部142と、在庫記憶部143と、在庫算出部144と、判定部145と、報知部146とを備える。
【0035】
印刷制御部141は、印刷ジョブに基づいて、印刷部120を制御することにより、印刷用紙に所定画像を印刷する。
【0036】
取得部142は、通信部110を介して、可搬型記憶装置200から各種情報を取得する。
【0037】
在庫記憶部143は、印刷により消費される消耗品の在庫数を記憶する。具体的に、図3に示すように、在庫記憶部143は、機器IDと、消耗品情報と、消耗品の在庫数と、位置情報とを関連づけて記憶する。
【0038】
機器IDは、シリアル番号などのように印刷装置100を個別に識別する情報である。なお、図3には、印刷装置101(自装置)を識別する機器ID“aaa”が一例として示されている。
【0039】
消耗品情報は、消耗品の名称を示す。消耗品情報としては、“インク”の他、“印刷用紙”や“ステープル針”などが例として挙げられる。
【0040】
消耗品の在庫数は、印刷装置100ごとに準備される消耗品の在庫数を示す。図3には、印刷装置101(自装置)の消耗品の在庫数“2”が一例として示されている。消耗品の在庫数は、ユーザによって初期値が入力された後、消耗品が1つ交換される度に印刷制御部141によって1ずつ減算される。
【0041】
位置情報は、印刷装置100が配置されている位置を示す。位置情報は、例えば、XYZ座標系に基づいた座標値でもよい。
【0042】
在庫算出部144は、印刷装置101に接続されている着脱可能な可搬型記憶装置200が過去に接続した他の印刷装置102により記憶された他の印刷装置102の消耗品の在庫数と、在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する。
【0043】
判定部145は、在庫算出部144によって算出された在庫合計値が消耗品を補充すべき所定合計値以下であるか否かを判定する。
【0044】
報知部146は、在庫合計値が消耗品を補充すべき所定合計値以下である場合、ユーザに報知する。例えば、報知部146は、操作パネル部130に所定の報知メッセージを表示する。
【0045】
報知部146は、在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きい場合、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きいことをユーザに報知する。
【0046】
書込部147は、在庫記憶部143に記憶されている情報を、可搬型記憶装置200の可搬型記憶部210(後述)に記憶する。なお、書込部147が可搬型記憶部210(後述)に記憶させるタイミングは、特に限定されない。
【0047】
例えば、書込部147は、ユーザによって操作パネル部130に所定の書込指示が入力された際に、在庫記憶部143に記憶されている情報を可搬型記憶部210に記憶してもよい。また、書込部147は、可搬型記憶装置200が印刷装置101に接続された際に、在庫記憶部143に記憶されている情報を可搬型記憶部210に記憶してもよい。
【0048】
可搬型記憶装置200は、可搬型記憶部210を備える。可搬型記憶部210は、機器IDと、消耗品情報と、在庫数と、位置情報とを関連づけて記憶する。なお、可搬型記憶部210に記憶される情報は、制御部140の書込部147により記憶される。
【0049】
ここで、実施例1では、可搬型記憶装置200は、過去に他の印刷装置102に接続された後に、印刷装置101に接続されている。
【0050】
よって、可搬型記憶部210は、可搬型記憶装置200が過去に接続した他の印刷装置102によって記憶された他の印刷装置102の消耗品の在庫数を含む情報を記憶している。具体的に、図4に示すように、可搬型記憶部210は、可搬型記憶装置200が過去に接続した他の印刷装置102を識別する機器ID“bbb”、“ccc”、“ddd”に関連づけて、他の印刷装置102の消耗品情報と在庫数と位置情報とを記憶している。
【0051】
<印刷装置の動作>
次に、印刷装置101の動作について説明する。図4は、印刷装置101の動作を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートに示す動作は、消耗品が交換されて、印刷制御部141によって在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数が1つ減算された際に実行される。
【0052】
ステップS10において、取得部142は、可搬型記憶装置200の可搬型記憶部210に記憶されている情報を取得する。そして、在庫算出部144は、可搬型記憶装置200が過去に接続した他の印刷装置102により記憶された他の印刷装置102の消耗品の在庫数と、在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する。
【0053】
例えば、図3〜4に示すように、在庫算出部144は、在庫記憶部143に記憶される印刷装置101の消耗品の在庫数“2”と、可搬型記憶部210に記憶される他の印刷装置102の消耗品の在庫数“4”、“6”、“2”を合計して、在庫合計値“14”を算出する。
【0054】
ステップS20において、判定部145は、在庫算出部144によって算出された在庫合計値が消耗品を補充すべき所定合計値以下であるか否かを判定する。なお、所定合計値は、予め設定されて判定部145に記憶されている。
【0055】
ステップS30において、在庫合計値が所定合計値以下である場合(ステップS20“Yes”)、報知部146は、ユーザに報知する。具体的に、報知部146は、操作パネル部130に「消耗品の在庫が不足しています。補充して下さい」などの報知メッセージを表示する。
【0056】
ステップS40において、在庫合計値が所定合計値以下でない場合(ステップS20“No”)、判定部145は、在庫記憶部143に記憶される印刷装置101の消耗品の在庫数が、所定在庫数以下であり、かつ、可搬型記憶部210に記憶される他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きいか否かを判定する。なお、所定在庫数は、予め設定されて判定部145に記憶されている。
【0057】
また、印刷装置101の消耗品の在庫数が、所定在庫数よりも大きい場合や、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数以下である場合には(ステップS40“No”)、動作を終了する。
【0058】
ステップS50において、印刷装置101の消耗品の在庫数が、所定在庫数以下であり、かつ、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きい場合(ステップS40“Yes”)、報知部146は、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きいことをユーザに報知する。
【0059】
例えば、所定在庫数が“2”であり、印刷装置101の消耗品の在庫数が、図3に示すように“2”であり、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が、図4に示すように“4”、“6”、“2”である場合、報知部146は、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が“4”、“6”と、他の印刷装置102を識別する機器ID“bbb”、“ccc”とを、操作パネル部130に表示する。
【0060】
<作用及び効果>
以上のように、本発明の実施例1に係る印刷装置101では、在庫算出部144は、着脱可能な可搬型記憶装置200が過去に接続した他の印刷装置102により記憶された他の印刷装置102の消耗品の在庫数と、在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する。また、報知部146は、在庫合計値が消耗品を補充すべき所定合計値以下である場合にユーザに報知する。
【0061】
これにより、可搬型記憶装置200を他の印刷装置102と印刷装置101(自装置)とに順番に接続すれば、印刷装置101は、他の印刷装置102の消耗品の在庫数と、印刷装置101(自装置)の消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出し、算出した在庫合計値が所定合計値以下である場合にユーザに報知できる。よって、複数の印刷装置100がネットワークに接続されていない場合であっても、複数の印刷装置100の消耗品の在庫数を管理して、消耗品の在庫に補充が必要である場合にはユーザに報知することができる。
【0062】
本発明の実施例1に係る印刷装置101では、報知部146は、消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きい場合、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きいことをユーザに報知する。これにより、消耗品を供給可能な他の印刷装置102をユーザに報知できるため、消耗品を補充する上での利便性を向上できる。
【0063】
なお、図3〜4に示すように、在庫記憶部143には、印刷装置101の位置情報が記憶されており、可搬型記憶部210には、他の印刷装置102の位置情報が記憶されている場合、報知部146は、次のように報知してもよい。
【0064】
具体的に、ステップS50において、報知部146は、在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数が所定在庫数以下であり、かつ、他の印刷装置102の消耗品の在庫数が所定在庫数よりも大きい場合、当該他の印刷装置のうち、印刷装置101との距離が相対的に近い他の印刷装置102を優先的にユーザに報知してもよい。
【0065】
この場合、例えば、報知部146は、在庫記憶部143に記憶される印刷装置101の位置情報“P0”を取得する。また、報知部146は、可搬型記憶部210に記憶される他の印刷装置102の位置情報“P1”、“P2”、“P3”を取得する。
【0066】
そして、報知部146は、位置情報“P0”と位置情報“P1”との距離L1と、位置情報“P0”と位置情報“P2”との距離L2と、位置情報“P0”と位置情報“P3”との距離L3とを算出し、距離L1〜L3のなかで最も小さい位置情報に関連づけて記憶されている他の印刷装置102の機器IDと消耗品の在庫数とを、操作パネル部130に優先的に表示する。
【0067】
ここで、「優先的に表示する」とは、操作パネル部130に表示する他の印刷装置102が複数ある場合に、最も上側に表示することや、太字等により強調表示することを示す。
【0068】
これにより、他の印刷装置102のうち、印刷装置101に近い他の印刷装置102を優先してユーザに案内できる。よって、ユーザは、近い他の印刷装置102の消耗品を印刷装置101の消耗品に補充できるため、簡単に消耗品を補充することができる。
【0069】
[変形例1]
次いで、本発明の実施例1に係る印刷装置101の変形例1について説明する。
【0070】
ここで、上述した実施例1では、印刷装置101の消耗品と他の印刷装置102の消耗品との間には、互換性があることを前提としていたが、互換性が無いものも含まれる場合もある。
【0071】
このような点を鑑みて、変形例1では、図6に示すように、在庫記憶部143が、印刷装置101を識別する機器IDと、機種情報と、消耗品情報と、消耗品種類情報と、在庫数と、位置情報とを関連づけて記憶する。
【0072】
なお、機種情報は、印刷装置100の機種を示す情報である。また、消耗品種類情報は、消耗品の型式を示す情報である。
【0073】
また、図7に示すように、可搬型記憶装置200の可搬型記憶部210においても、他の印刷装置102を識別する機器IDと、機種情報と、消耗品情報と、消耗品種類情報と、在庫数と、位置情報とを関連づけて記憶する。
【0074】
そして、図5に示すステップS10において、在庫算出部144は、印刷装置101の機種と他の印刷装置102の機種とが同一である場合に、他の印刷装置102の消耗品の在庫数と、在庫記憶部143に記憶される消耗品の在庫数とを合計した在庫合計値を算出する。
【0075】
例えば、在庫算出部144は、図6に示すように、在庫記憶部143に記憶されている機種情報“X型”と消耗品の在庫数“2”とを取得する。また、在庫算出部144は、図7に示すように、可搬型記憶部210に記憶されている他の印刷装置102の機種情報“X型”に関連づけて記憶されている消耗品の在庫数“4”、“2”を取得する。
【0076】
そして、在庫算出部144は、印刷装置101の消耗品の在庫数“2”と、他の印刷装置102の消耗品の在庫数“4”、“2”とを合計して、在庫合計値“8”を算出する。
【0077】
以上のように、変形例1に係る印刷装置101では、在庫算出部144は、印刷装置101(自装置)の機種と他の印刷装置102の機種とが同一である場合に、在庫合計値を算出する。これにより、印刷装置101と他の印刷装置との間で互換性のある消耗品の在庫数を合計した在庫合計値を算出できるため、交換可能な消耗品の在庫合計値をより正確に算出できる。
【0078】
なお、在庫算出部144は、印刷装置101に消費される消耗品の種類と、他の印刷装置102に消費される消耗品の種類とが同一である場合に、在庫合計値を算出してもよい。
【0079】
この場合、ステップS10において、在庫算出部144は、図6に示すように、在庫記憶部143に記憶されている消耗品種類情報“インクA型”と消耗品の在庫数“2”とを取得する。そして、在庫算出部144は、図7に示すように、可搬型記憶部210に記憶されている他の印刷装置102の消耗品種類情報“インクA型”に関連づけて記憶されている消耗品の在庫数“4”、“6”を取得する。
【0080】
そして、在庫算出部144は、印刷装置101の消耗品の在庫数“2”と、他の印刷装置102の消耗品の在庫数“4”、“6”とを合計して、在庫合計値“12”を算出する。
【0081】
以上のように、印刷装置101に消費される消耗品の種類と他の印刷装置102に消費される消耗品の種類とが同一である場合に、在庫合計値を算出しても、印刷装置101と他の印刷装置との間で互換性のある消耗品の在庫数を合計した在庫合計値を算出できるため、交換可能な消耗品の在庫合計値をより正確に算出できる。
【0082】
[本発明のその他の実施形態]
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。
【0083】
例えば、上述した実施形態において、図5に示すステップS40〜S50の動作は、必ずしも実行しなくてもよい。すなわち、印刷装置100では、在庫合計値が所定合計値以下でない場合(ステップS20“No”)、動作を終了してもよい。
【0084】
このように、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1…印刷システム
100…印刷装置
101…印刷装置
102…他の印刷装置
110…通信部
120…印刷部
130…操作パネル部
140…制御部
141…印刷制御部
142…取得部
143…在庫記憶部
144…在庫算出部
145…判定部
146…報知部
147…書込部
200…可搬型記憶装置
210…可搬型記憶部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7