【解決手段】用紙にインクを吐出するインクジェットヘッドユニット31と、インクジェットヘッドユニット31により印字される用紙のサイズを検出するセンサ203と、用紙サイズの測定要求があった場合に、センサ203に用紙サイズを検出させるセンサ制御部と、センサ203により検出された用紙サイズを操作パネル202に表示させると共に、検出された用紙サイズに対して補正する補正値を入力するための補正値入力欄を表示させる表示制御部304と、補正値入力欄に入力された補正値を、センサ203により検出された検出値を補正するための補正値として登録する登録部306とを備える。
前記登録手段は、さらに、前記サイズ検出手段により検出されたサイズに前記補正値を反映させた補正後サイズを記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
前記サイズ検出手段により検出されたサイズに対して前記登録手段により登録された補正値を用いて補正した補正サイズが所定範囲内である場合に、前記補正サイズを用いて前記画像形成手段に画像を形成させる補正サイズ判定手段を、
さらに備えた請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、紙媒体センサは、取り付け誤差等の影響により、実際の用紙サイズより常に数(mm)だけ長く検出されるなど、検出値にずれが生じる場合がある。そして、このずれは、個々の画像形成装置毎に、ずれる長さやずれる方向が異なる(実際の用紙サイズより長い又は短い)場合が多い。
【0008】
そのため、特許文献1に記載の画像形成装置では、紙媒体センサにより検出されたガイド部材の位置及び用紙サイズ記憶部に記録された媒体の寸法に基づいて、複数の候補サイズを抽出するので、紙媒体センサの検出値にずれが生じた場合、この紙媒体センサの検出特性により、実際の用紙サイズと乖離してしまうことがあった。
【0009】
これにより、適切に用紙サイズの設定ができず、適切に印刷ができない場合があった。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、センサの検出値にずれが生じた場合においても、適切に用紙サイズを設定することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置の第1の特徴は、
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズの測定要求があった場合に、前記サイズ検出手段にサイズを検出させるサイズ検出制御手段と、
前記サイズ検出手段により検出されたサイズを表示手段に表示させると共に、前記検出されたサイズに対して補正する補正値を入力するための補正値入力欄を表示させる表示制御手段と、
前記補正値入力欄に入力された補正値を、前記サイズ検出手段により検出された検出値を補正するための補正値として登録する登録手段と、を備えたことにある。
【0012】
本発明に係る画像形成装置の第2の特徴は、
前記登録手段は、さらに、前記サイズ検出手段により検出されたサイズに前記補正値を反映させた補正後サイズを記憶手段に記憶させることにある。
【0013】
本発明に係る画像形成装置の第3の特徴は、
前記画像形成手段に対して前記記録媒体を搬送する搬送手段を更に備え、
前記サイズ検出手段は、前記搬送手段による搬送中に前記サイズを検出することにある。
【0014】
本発明に係る画像形成装置の第4の特徴は、
前記サイズ検出手段により検出されたサイズに対して前記登録手段により登録された補正値を用いて補正した補正サイズが所定範囲内である場合に、前記補正サイズを用いて前記画像形成手段に画像を形成させる補正サイズ判定手段を、
さらに備えたことにある。
【0015】
本発明に係る画像形成装置の第5の特徴は、
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズの測定要求があった場合に、前記サイズ検出手段にサイズを検出させるサイズ検出制御手段と、
前記サイズ検出手段により検出されたサイズに対して補正する補正値を受け付ける補正値受け付け手段と、
前記サイズ検出手段により検出されたサイズに前記補正値を反映させて補正後サイズとし、当該補正後サイズに応じた画像形成処理を実行する制御手段とを備えたことにある。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像形成装置の第1の特徴によれば、表示制御手段が、サイズ検出手段により検出されたサイズを表示手段に表示させると共に、検出されたサイズに対して補正する補正値を入力するための補正値入力欄を表示させ、登録手段が補正値入力欄に入力された補正値を、サイズ検出手段により検出された検出値を補正するための補正値として登録する。
【0017】
これにより、次回からは、サイズの測定を実施するときには、サイズ検出手段により検出されたサイズを、登録された補正値を用いて補正し、補正した補正後サイズを補正値入力欄に表示させることができる。
【0018】
そのため、取り付け誤差や検出誤差により、実際の検出値にずれが生じる場合であっても、ユーザ入力に基づいてサイズを適切に補正することができるので、適切なサイズを設定することができる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置の第2の特徴によれば、補正後サイズを記憶手段に記憶させるので、次回から、同一のサイズの記録媒体を使用する場合には、ユーザは再度サイズの測定などを行うことなく画像形成させることができる。
【0020】
本発明に係る画像形成装置の第3の特徴によれば、サイズ検出手段が、搬送手段による搬送中にサイズを検出するので、ユーザ自らがサイズを測定する必要無く、使い勝手が良い。
【0021】
本発明に係る画像形成装置の第4の特徴によれば、サイズ検出手段により検出されたサイズに対して登録手段により登録された補正値を用いて補正した補正サイズが所定範囲内である場合に、補正サイズを用いて画像形成手段に画像を形成させるので、ユーザ入力により補正された補正後サイズと、サイズ検出手段により検出されたサイズがほぼ一致する場合に、ユーザ入力により補正された補正後サイズを採用することになる。
【0022】
これにより、ユーザ入力により補正された補正後サイズが確からしい場合のみ、ユーザ入力により補正された補正後サイズを採用するので、より適切なサイズを設定することができる。
【0023】
本発明に係る画像形成装置の第5の特徴によれば、サイズ検出手段により検出されたサイズに補正値を反映させて補正後サイズとし、当該補正後サイズに応じた画像形成処理を実行する。そのため、取り付け誤差や検出誤差により、実際の検出値にずれが生じる場合であっても、補正値に基づいてサイズを適切に補正することができるので、補正後のサイズに対して適切な画像処理を実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態の画像形成装置は、この発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定されるものではなく、この発明の技術的思想の範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
<画像形成装置の全体構成>
本発明の一実施形態であるインクジェット方式の画像形成装置1の構成について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置1の構成を示す構成図である。
【0029】
図1に示すように、画像形成装置1は、サイド給紙部10と、内部給紙部20と、画像形成部30と、排紙部40と、反転部50とを備えている。
【0030】
サイド給紙部10は、記録媒体として例えば印刷用紙Wが積層される給紙台11と、この給紙台11から最上位置の印刷用紙Wのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部12と、この1次給紙部12によって搬送された印刷用紙Wを循環搬送路CR上へ搬送する2次給紙部14とを備えている。
【0031】
内部給紙部20は、印刷用紙Wが積層される給紙台21aと、この給紙台21aから最上位置の印刷用紙Wのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22aと、印刷用紙Wが積層される給紙台21bと、この給紙台21bから最上位置の印刷用紙Wのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22bと、印刷用紙Wが積層される給紙台21cと、この給紙台21cから最上位置の印刷用紙Wのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22cと、印刷用紙Wが積層される給紙台21dと、この給紙台21dから最上位置の印刷用紙Wのみを給紙搬送路FR上へ搬送させる1次給紙部22dとを備えている。
【0032】
このように、2次給紙部14には、サイド給紙部10及び内部給紙部20から印刷用紙Wが搬送され、さらに、後述する反転部50からも印刷用紙Wが搬送される。
【0033】
そのため、搬送方向における2次給紙部14の手前には、給紙された印刷用紙Wの搬送経路と、一方の面が印刷された用紙が循環して搬送されてくる経路とが合流する合流地点が存在する。この合流地点を基準に、給紙機構側の経路を給紙搬送路FRと称し、それ以外の経路を循環搬送路CRと称している。
【0034】
画像形成部30は、複数の印字ヘッドが組み込まれたインクジェットヘッドユニット31と、インクジェットヘッドユニット31の対向面に設けられた環状の搬送ベルト133とを備えており、2次給紙部14により給紙された印刷用紙Wは、環状の搬送ベルト133内に、用紙の搬送路面の裏面に対応して設置された吸引ファン131,132によって搬送ベルト133上に吸引され、所定の搬送速度で搬送されながら、インクジェットヘッドユニット31から吐出されたインクにより印刷用紙Wに印刷される。
【0035】
インクジェットヘッドユニット31の用紙搬送方向上流側には、トップエッジセンサ32が配置されている。トップエッジセンサ32は、循環搬送路CR上を搬送される用紙の先端又は後端を検出する。本実施の形態では、トップエッジセンサ32は、搬送ベルト133の上方に配置された光学式の反射型センサからなり、用紙が通過している際に「オン」を示す信号を出力する。この信号により、トップエッジセンサ32は、循環搬送路CR上を搬送される用紙の長さを検出することができる。
【0036】
画像形成部30により印刷された印刷用紙Wは、循環搬送路CR上に配置された搬送ローラ等によって筐体内を循環搬送路CR上を搬送される。循環搬送路CR上には、循環搬送路CR上を搬送された印刷用紙Wを排紙部40へ誘導するか、又は循環搬送路CR上を再循環させるかを切り替える切り替え機構43が備えられている。
【0037】
切り替え機構43は、印刷用紙Wを、後述する排紙部40又は反転部50のいずれか1方へ誘導するために、切り替える。
【0038】
排紙部40は、画像形成装置1の筐体から突出したトレイ形状をした排紙台41と、排紙台41に印刷用紙Wを誘導する一対の排紙ローラ42とを有している。そして、切り替え機構43により排紙部40に誘導された印刷用紙Wは、排紙ローラ42により排紙台41に搬送され、排紙台41に印刷面を下にして積載される。
【0039】
反転部50は、印刷用紙Wを反転させる反転台51と、循環搬送路CRから反転台51へ印刷用紙Wを搬送し、又は反転台51から循環搬送路CR上へ印刷用紙Wを搬送する反転ローラ52とを備えている。
【0040】
切り替え機構43により反転部50に誘導された印刷用紙Wは、反転ローラ52により循環搬送路CRから反転台51に搬送され、所定時間経過後、反転台51から循環搬送路CRへ搬送されることにより、循環搬送路CRに対して表裏が反転する。そして、表裏が反転された印刷用紙Wは、循環搬送路CR上に設けられた搬送ローラ53等の複数のローラにより循環搬送路CR上を画像形成部30へ向かって搬送される。
【0041】
図2は、サイド給紙部10の給紙台11を説明した平面図である。なお、ここでは、給紙台11を例に挙げて説明するが、給紙台21a〜21dも給紙台11と同様の構成を有する。
【0042】
図2に示すように、給紙台11は、載置された印刷用紙Wの幅方向(用紙搬送方向と直行する方向)にスライド可能に設けられたサイドフェンス16a,16bを備えている。
【0043】
そして、このサイドフェンス16a,16bの位置を検出することにより、給紙台11に載置された印刷用紙Wの幅を検出する用紙幅検出センサ17が設けられている。
【0044】
さらに、載置された印刷用紙Wを検出する用紙長検出センサ15が設けられている。用紙長検出センサ15は、光学式の反射型センサからなり、「オン」が検出されたとき、載置された印刷用紙Wの用紙搬送方向における長さが、用紙長検出センサ15が設けられている位置までの長さLよりも長いことを示している。また、「オフ」のときは、載置された印刷用紙Wの用紙搬送方向における長さが、用紙長検出センサ15が設けられている位置までの長さLよりも短いか、印刷用紙が載置されていないことを示している。これにより、用紙長検出センサ15は、給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙搬送方向における長さがLより長いか短いかを検出することができる。
【0045】
図3は、本発明の実施例に係る画像形成装置1が備える制御部100の機能を説明した説明図である。
【0046】
図3に示すように、画像形成装置1には、ネットワークを通じて受信されたデータを印刷するためのモジュールである通信インターフェース201と、ユーザの操作を受け付ける操作パネル202と、センサ203と、制御部100と、インクジェットヘッドユニット31とを備えている。
【0047】
通信インターフェース201は、図示しないユーザ端末との間でデータの送受信を行う通信インターフェースであり、例えば、有線・無線LANやシリアル方式、USB方式等によりデータの通信を行うことにより、印刷ジョブを受信する。
【0048】
操作パネル202は、ユーザによる指示操作や設定操作を受け付けるモジュールであり、本実施形態においては、例えば、補正値の入力を受け付ける補正値入力受け付け手段として機能する。
【0049】
センサ203は、給紙台11,21a,21b,21c,21dに設けられた用紙幅検出センサ17および用紙長検出センサ15や、用紙搬送方向におけるインクジェットヘッドユニット31の上流側に設けられたトップエッジセンサ32などの各種センサである。ここでは、これらを総称してセンサ203と表記している。
【0050】
制御部100は、その機能上、印刷ジョブ受信部301と、印刷ジョブ記憶部302と、印刷制御部303と、表示制御部304と、センサ制御部305と、登録部306と、補正サイズ判定部307と、補正値記憶部309とを備えている。
【0051】
印刷ジョブ受信部301は、ページ記述言語などで記述された印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部302に記憶させるモジュールである。例えば、通信インターフェース201を通じて接続されたユーザ端末(図示しない)から画像データを含む印刷ジョブが入力され、印刷ジョブ記憶部302に記憶させる。
【0052】
印刷ジョブ記憶部302は、電源の供給が遮断されると記憶されたデータが消去される揮発性のメモリである。この印刷ジョブ記憶部302には、ユーザ端末から送信されて受信した印刷ジョブが保存される。
【0053】
印刷制御部303は、各色のインクジェットヘッドの駆動や、搬送経路の駆動手段の動作を制御し、画像形成処理全体を制御するモジュールであり、スケジューリングに従ったタイミング及び印字速度で画像形成を行う。より具体的には、印刷制御部303は、画像データ(ドロップデータ)に基づいて、搬送される用紙に対して、インクジェットヘッドユニット31からインクを吐出することによりライン単位で印刷する。
【0054】
表示制御部304は、操作パネル202を通じて、ユーザによる操作信号を受信したり、操作パネル202に様々な操作画面を表示させたりするモジュールである。表示制御部304は、センサ203により検出された用紙サイズを操作パネル202に表示させると共に、検出された用紙サイズに対して補正する補正値を入力するための補正値入力欄を表示させる。
【0055】
センサ制御部305は、用紙サイズの測定要求があった場合に、センサ203に用紙サイズを検出させる。
【0056】
登録部306は、補正値入力欄に入力された補正値を、センサ203により検出された検出値を補正するための補正値として登録する。
【0057】
補正サイズ判定部307は、センサ203により検出されたサイズに対して登録部306により登録された補正値を用いて補正した補正後サイズが所定範囲内である場合に、補正後サイズを用いて印刷制御部303に印刷させる。
【0058】
補正値記憶部309は、補正値およびユーザ登録用紙情報を記憶する。
【0059】
<画像形成装置1の作用>
次に、本発明の一実施形態である画像形成装置1の作用について説明する。
【0060】
図4は、本発明の一実施形態である画像形成装置1の処理を示したフローチャートである。
【0061】
操作パネル202からユーザ操作により、新規登録が要求されると(ステップS101;YES)、表示制御部304は、追加画面を操作パネル202に表示させる(ステップS103)。
【0062】
図5は、操作パネル202に表示された用紙サイズ一覧画面の一例を示した図である。
【0063】
図5に示すように、操作パネル202に表示された用紙サイズ一覧画面には、用紙サイズの一覧を表示する用紙サイズ一覧表示領域401と、追加ボタン402と、編集ボタン403とが表示されている。
【0064】
追加ボタン402は用紙サイズの新規登録するためのボタンであり、編集ボタン403は登録されている用紙サイズを編集するためのボタンである。
【0065】
ユーザは、用紙サイズ一覧表示領域401から任意の登録名を選択し、編集ボタン403を押下操作することにより、編集画面(図示しない)に遷移し、編集画面において用紙サイズを編集することができる。
【0066】
一方、ユーザは、用紙サイズ一覧表示領域401から用紙サイズを選択することなく、追加ボタン402を押下操作すると、表示制御部304は、新規登録が要求されたと判定し、
図6に示すような追加画面を操作パネル202に表示させる。
【0067】
図6に示すように、追加画面は、登録名を入力するための登録名入力ボックス501と、用紙幅を設定するための用紙幅設定502と、用紙長を設定するための用紙長設定503と、測定値を補正するための補正値設定504と、用紙サイズを測定するための用紙サイズ測定ボタン507と、登録される用紙サイズを表示する登録用紙サイズ表示領域506とを有している。
【0068】
ユーザは、登録名入力ボックス501に任意の登録名を入力した後、用紙幅設定502および用紙長設定503から任意の用紙サイズを入力することができる。
【0069】
用紙幅設定502は、用紙幅を入力又は表示する用紙幅入力表示502aと、用紙幅を短くするための用紙幅マイナスボタン502bと、用紙幅を長くするための用紙幅プラスボタン502cとを有している。
【0070】
ユーザは、キーボードなどの入力装置を用いて、用紙幅入力表示502aに用紙幅を直接入力することもできるし、用紙幅マイナスボタン502bや用紙幅プラスボタン502cを押下操作することにより用紙幅入力表示502aに表示された用紙幅を調整することができる。
【0071】
用紙長設定503は、用紙長を入力又は表示する用紙長入力表示503aと、用紙長を短くするための用紙長マイナスボタン503bと、用紙長を長くするための用紙長プラスボタン503cとを有している。
【0072】
ユーザは、キーボードなどの入力装置を用いて、用紙長入力表示503aに用紙長を直接入力することもできるし、用紙長マイナスボタン503bや用紙長プラスボタン503cを押下操作することにより用紙長入力表示503aに表示された用紙長を調整することができる。
【0073】
また、ユーザは、用紙サイズ測定ボタン507を押下操作することにより、用紙サイズを測定することができる。
【0074】
用紙サイズ測定ボタン507が押下操作されると、センサ制御部305は、サイズ測定要求があったと判定し(ステップS105;YES)、用紙サイズの測定を実施する(ステップS107)。具体的には、まずセンサ制御部305は、用紙幅検出センサ17により検出された用紙幅を取得する。そして、制御部100が、給紙台11に載置された印刷用紙Wを給紙して、給紙搬送経路FRおよび循環搬送路CRを搬送し、センサ制御部305は、トップエッジセンサ32に、循環搬送路CR上を搬送される用紙の長さを検出させる。
【0075】
そして、表示制御部304は、測定した用紙サイズ(用紙幅および用紙長さ)をそれぞれ操作パネル202に表示された追加画面の用紙幅入力表示502aおよび用紙長入力表示503aに表示させる(ステップS109)。
【0076】
ユーザは、用紙幅入力表示502aおよび用紙長入力表示503aに表示された用紙サイズ(用紙幅および用紙長さ)を確認する。
【0077】
このとき、自身が給紙台11に載置した印刷用紙Wと用紙サイズが異なる場合がある。これは、取り付け誤差や検出誤差に起因するものであり、実際の用紙サイズより常に2(mm)だけ長く検出されるなど、検出値にずれが生じる場合がある。そして、このずれは、個々の画像形成装置毎に、ずれる長さやずれる方向が異なる(実際の用紙サイズより長い又は短い)場合が多い。
【0078】
そこで、本発明の一実施形態である画像形成装置1では、測定された用紙サイズをユーザ入力に基づいて補正可能としている。
【0079】
具体的には、
図6に示すように、操作パネル202に表示された追加画面には、補正値設定504が設けられており、補正値設定504は、用紙長を補正するための補正値を入力又は表示する補正値入力表示504aと、補正値を小さくするための補正値マイナスボタン504bと、補正値を大きくするための補正値プラスボタン504cとを有している。ここでは、補正値設定504は、±10(mm)の範囲で入力可能としている。
【0080】
ユーザは、キーボードなどの入力装置を用いて、補正値入力表示504aに直接入力することもできるし、補正値マイナスボタン504bや補正値プラスボタン504cを押下操作することにより補正値入力表示504aに表示された補正値を調整することができる。
【0081】
ユーザは、追加画面から用紙長入力表示503aに表示された用紙サイズに対して補正したい補正値を入力した後(ステップS111)、OKボタン509を押下操作すると(ステップS113;YES)、登録部306が、補正値入力表示504a(補正値入力欄)に入力された補正値を、センサ203により検出された検出値を補正するための補正値として補正値記憶部309に記憶することにより登録を完了する(ステップS115)。
【0082】
そして、登録部306は、登録名称と、用紙幅と、補正値入力表示504a(補正値入力欄)に入力された補正値により補正した補正後サイズ(補正用紙長さUh)とを関連づけて、ユーザ登録用紙情報として補正値記憶部309に記憶させる(ステップS117)。
【0083】
以上のように、本発明の一実施形態である画像形成装置1では、表示制御部304が、センサ203により検出された用紙サイズを操作パネル202に表示させると共に、検出された用紙サイズに対して補正する補正値を入力するための補正値入力表示504a(補正値入力欄)を表示させ、登録部306が、補正値入力表示504a(補正値入力欄)に入力された補正値を、トップエッジセンサ32により検出された検出値を補正するための補正値として登録する。
【0084】
そして、次回からは、センサ制御部305が、用紙サイズの測定を実施するときには、トップエッジセンサ32により検出された用紙サイズを、補正値記憶部309に記憶された補正値を用いて補正し、補正した補正後サイズ(補正用紙長さUh)を用紙長入力表示503aに表示させる。
【0085】
そのため、取り付け誤差や検出誤差により、実際の検出値にずれが生じる場合であっても、ユーザ入力に基づいて用紙サイズを適切に補正することができるので、適切な用紙サイズを設定することができる。
【0086】
また、ユーザ登録用紙情報を補正値記憶部309に記憶させるので、次回から、同一の用紙サイズの印刷用紙Wを使用する場合には、ユーザは再度用紙サイズ測定などを行うことなく印刷することができる。
【0087】
例えば、ユーザは、
図5に示した用紙サイズ一覧画面の用紙サイズ一覧表示領域401から任意の登録名を選択し、編集ボタン403を押下操作する。すると、表示制御部304は、補正値記憶部309に記憶されたユーザ登録用紙情報から該当する用紙幅と、補正用紙長さとを読み込み、操作パネル202の編集画面(図示しない)に読み込んだ用紙幅と補正用紙長さとを表示させる。ユーザは、この編集画面において用紙サイズを編集することができるし、編集することなく、そのまま読み込んだ用紙幅と補正用紙長さとを用いて印刷させることもできる。
【0088】
なお、ここでは、用紙長を補正するための補正値設定504を有する構成としたが、さらに、用紙幅を補正するための補正値設定を有し、用紙幅を補正するための補正値も同様に補正値記憶部309に記憶する構成としてもよい。
【0089】
<変形例1>
本発明の一実施形態である画像形成装置1では、1枚の印刷用紙Wを搬送して、トップエッジセンサ32に、循環搬送路CR上を搬送される用紙長さを検出させたが、これに限らない。
【0090】
変形例1では、サイズ測定の精度を向上させるための、サイズ測定の際に、トップエッジセンサ32に、循環搬送路CR上を搬送される用紙長さを複数回検出させる。このときの測定は、同一の印刷用紙Wを反転部50を使って複数回測定するようにしても良いし、サイズが同じ異なる印刷用紙Wを複数使用して測定するようにしても良い。以下は後者の場合にて説明する。
【0091】
図7は、
図4に示したフローチャートにおけるステップS107の処理の変形例の処理内容を示したフローチャートである。従って、
図4に示したフローチャートにおけるステップS107以外の処理については、全て同じ処理内容となる。
【0092】
変形例1では、サイズ測定要求があると、
図7に示すように、センサ制御部305は、測定回数Yおよび測定積算値Sに「0」を入力して初期化する(ステップS201)。
【0093】
次に、センサ制御部305は、測定回数Yが測定回数上限Yth未満か否かを判定する(ステップS203)。ここで、測定回数上限Ythは、予め設定されている値であって、正確な用紙サイズを算出するために、印刷用紙Wを何枚用いてサイズ測定するかによって定められる。
【0094】
ステップS203において、測定回数Yが測定回数上限Yth未満であると判定された場合(YES)、用紙サイズの測定を実施する(ステップS205)。具体的には、まずセンサ制御部305は、用紙幅検出センサ17により検出された用紙幅を取得する。そして、制御部100が、給紙台11に載置された印刷用紙Wを給紙して、給紙搬送経路FRおよび循環搬送路CRを搬送し、センサ制御部305は、トップエッジセンサ32に、循環搬送路CR上を搬送される用紙の長さを検出させる。
【0095】
次に、センサ制御部305は、測定積算値SにステップS205において測定された測定結果、すなわち、トップエッジセンサ32により検出された用紙長さを加算した後(ステップS207)、測定回数Yをインクリメントする(ステップS209)。
【0096】
そして、ステップS203において、測定回数Yが測定回数上限Yth以上であると判定された場合(NO)、測定積算値Sを測定回数Yで除算した値を印刷用紙Wの用紙長さとして算出する(ステップS211)。なお、補正値記憶部309に補正値が記憶されていない場合、補正値を「0」として算出する。
【0097】
以上のように、変形例1によれば、複数枚の印刷用紙Wを用いて、トップエッジセンサ32に、循環搬送路CR上を搬送される用紙の長さを検出させ、検出結果に基づいて用紙長さを決定するので、より正確に用紙長さを決定することができる。
【0098】
<変形例2>
変形例2では、さらに、ユーザ入力により補正された補正後サイズと、実際に給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙サイズが一致するか判定する。
【0099】
図8は、変形例2の画像形成装置1における処理内容を示したフローチャートである。
【0100】
補正後サイズ(補正用紙長さ)が決定されると、
図8に示すように、補正サイズ判定部307は、入力された用紙幅Uwが、(用紙幅検出センサ17により検出された印刷用紙Wの幅Vw±所定の検出マージンM)の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS301)。ここで、所定の検出マージンMは、用紙幅検出センサ17の取り付け誤差を許容できる値として予め設定されている。
【0101】
用紙幅Uwが、(用紙幅検出センサ17により検出された印刷用紙Wの幅Vw±所定の検出マージンM)の範囲内にあると判定された場合(ステップS301;YES)、補正サイズ判定部307は、補正用紙長さUhが、
図2に示すセンサ無効下限長さL1以上であり、かつセンサ無効上限長さL2以下であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、センサ無効下限長さL1およびセンサ無効上限長さL2は、用紙長検出センサ15の取り付け誤差を許容できる値として予め設定されている。
【0102】
用紙幅Uwが、(用紙幅検出センサ17により検出された印刷用紙Wの幅Vw±所定の検出マージンM)の範囲内にあり(ステップS301;YES)、かつ補正用紙長さUhが、センサ無効下限長さL1以上であり、かつセンサ無効上限長さL2以下である場合(ステップS303;YES)、ユーザ入力により補正された補正後サイズは、実際に給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙サイズが一致すると判定して、ユーザ入力により補正された補正後サイズ(用紙幅Uw,補正用紙長さUh)を選択する(ステップS305)。
【0103】
一方、用紙幅Uwが、(用紙幅検出センサ17により検出された印刷用紙Wの幅Vw±所定の検出マージンM)の範囲内にあるが(ステップS301;YES)、補正用紙長さUhが、センサ無効下限長さL1未満、またはセンサ無効上限長さL2を超えている場合(ステップS303;NO)、補正サイズ判定部307は、補正用紙長さUhが、用紙長検出センサ15が設けられている位置までの長さL以下であるか否かを判定する(ステップS307)。
【0104】
ステップS307において、補正用紙長さUhが、用紙長検出センサ15が設けられている位置までの長さL以下であると判定された場合(YES)、補正サイズ判定部307は、用紙長検出センサ15がオンか否かを判定する(ステップS309)。
【0105】
用紙長検出センサ15がオフの場合(ステップS309;NO)、ユーザ入力により補正された補正後サイズは、実際に給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙サイズが一致すると判定して、ユーザ入力により補正された補正後サイズ(用紙幅Uw,補正用紙長さUh)を選択する(ステップS305)。
【0106】
一方、補正用紙長さUhが、用紙長検出センサ15が設けられている位置までの長さL以下であるにもかかわらず(ステップS307;YES)、用紙長検出センサ15がオンの場合(ステップS309;YES)、ユーザ入力により補正された補正後サイズは、実際に給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙サイズが一致しないと判定して、用紙サイズとして不定形大用紙を選択する(ステップS311)。
【0107】
また、用紙幅Uwが、(用紙幅検出センサ17により検出された印刷用紙Wの幅Vw±所定の検出マージンM)の範囲外にあると判定された場合(ステップS301;NO)、または、補正用紙長さUhが、用紙長検出センサ15が設けられている位置までの長さLを超えていると判定された場合(ステップS307;NO)、補正サイズ判定部307は、用紙長検出センサ15がオンか否かを判定する(ステップS313)。
【0108】
用紙長検出センサ15がオンの場合(ステップS313;YES)、ユーザ入力により補正された補正後サイズは、実際に給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙サイズが一致すると判定して、ユーザ入力により補正された補正後サイズ(用紙幅Uw,補正用紙長さUh)を選択する(ステップS305)。
【0109】
一方、用紙長検出センサ15がオフの場合(ステップS313;NO)、ユーザ入力により補正された補正後サイズは、実際に給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙サイズが一致しないと判定して、用紙サイズとして不定形小用紙を選択する(ステップS315)。
【0110】
そして、印刷制御部303は、印刷ジョブに基づいて、印刷ジョブに含まれる画像が選択された用紙サイズの大きさに収まるか否かを判定する(ステップS317)。
【0111】
印刷ジョブに含まれる画像が選択された用紙サイズの大きさに収まる場合(ステップS317;YES)、印刷制御部303は、選択された用紙サイズに基づいて、印刷処理を実行する(ステップS319)。
【0112】
一方、印刷ジョブに含まれる画像が選択された用紙サイズの大きさに収まらない場合(ステップS321;NO)、画像が印刷用紙Wからはみ出してしまうことになるので、表示制御部304は、操作パネル202に印刷を続行するか確認するメッセージを表示させる(ステップS321)。
【0113】
そして、ユーザが操作パネル202から「OK」ボタンを押下操作すると(ステップS323;YES)、印刷制御部303は、ステップS319において印刷を実行し、「キャンセル」ボタンを押下操作すると(ステップS323;NO)、印刷制御部303は、処理を終了する。
【0114】
以上のように、変形例2では、補正サイズ判定部307は、用紙幅検出センサ17および用紙長検出センサ15により検出された用紙サイズに対して登録部306により登録された補正値を用いて補正した補正サイズが所定範囲内である場合に、印刷制御部303が、補正サイズを用いて印刷処理を実行する。
【0115】
そのため、ユーザ入力により補正された補正後サイズと、実際に給紙台11に載置された印刷用紙Wの用紙サイズがほぼ一致する場合、ユーザ入力により補正された補正後サイズは正しいと推定し、この用紙サイズを選択する。これにより、取り付け誤差により、実際の検出値にずれが生じる場合であっても、適切な用紙サイズを決定することができる。
【0116】
<その他の実施形態>
上述した実施例では印刷媒体Wのサイズを測定するため、搬送方向の長さの測定にはトップエッジセンサ32を、搬送方向と直交する用紙幅方向の長さの測定には用紙幅検出センサ17を使用した。しかし、印刷用紙Wを搬送している最中に搬送方向および用紙幅方向のそれぞれの長さが測定できるように、トップエッジセンサ32を用紙幅方向に延伸するライン状のコンタクトイメージセンサに代えるようにしても良い。
【0117】
また、上述した実施例では、画像形成装置1としてインクジェットヘッドユニット31を有するインクジェット方式の画像形成装置を一例に説明したが、本発明では、これに限定されず、孔版印刷装置やレーザー印刷装置等の画像形成装置でも、印刷用紙Wに印刷するので、同様に適用可能である。