(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-209976(P2017-209976A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】超薄型アルミプラスチックフィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 15/088 20060101AFI20171102BHJP
C09J 7/02 20060101ALI20171102BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20171102BHJP
C09J 11/02 20060101ALI20171102BHJP
B32B 15/14 20060101ALI20171102BHJP
B32B 15/085 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
B32B15/088
C09J7/02 Z
C09J201/00
C09J11/02
B32B15/14
B32B15/085 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-17039(P2017-17039)
(22)【出願日】2017年2月1日
(31)【優先権主張番号】105116132
(32)【優先日】2016年5月24日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517035256
【氏名又は名称】ミン−チェン ファン
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100181582
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 直斗
(72)【発明者】
【氏名】ミン−チェン ファン
【テーマコード(参考)】
4F100
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AA19D
4F100AA19E
4F100AA20E
4F100AB09E
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4F100AK12E
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4F100AK28E
4F100AK33D
4F100AK33E
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4F100BA10B
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4F100GB15
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4F100JL12B
4J004AA06
4J004AA07
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4J004AA17
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4J040NA19
(57)【要約】
【課題】粘着強度が高くて厚さが薄くなるアルミプラスチックフィルムを提供する。
【解決手段】超薄型アルミプラスチックフィルムは、トップ層1、P処理層4、接着層3、OC処理層5、アルミ箔層(AL)2、OC処理層5、接着層3、P処理層4、及びヒートシール層6から順次構成される。トップ層1と接着層3との間、及び、ヒートシール層6と接着層3との間に、酢酸エチル、ポリイミド及び硬化剤を含むP処理層4を設け、それに接着層3とアルミ箔層(AL)2との間に、二酸化ケイ素及びカドミウムを含むOC処理層5を設ける。それによって、粘着強度が高くて厚さが薄くなるアルミプラスチックフィルムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミド繊維(NY)により構成され、厚さが15μmを超えないトップ層と、
キャストポリプロピレン(CPP)により構成され、厚さが20μmを超えないヒートシール層と、
厚さが20〜25μmであり、前記トップ層と前記ヒートシール層との間に設けられたアルミ箔層(AL)と、
前記トップ層と前記アルミ箔層との間、及び、前記アルミ箔層と前記ヒートシール層との間に設けられ、無酸光学接着剤(OCA)、硬化剤、助剤及び添加剤を含む、少なくとも1つの接着層と、を備えた超薄型アルミプラスチックフィルムにおいて、
前記トップ層と前記接着層との間、及び、前記ヒートシール層と前記接着層との間に、酢酸エチル、ポリイミド及び硬化剤を含むP処理層が設けられ、
前記接着層と前記アルミ箔層の間に、二酸化ケイ素及びカドミウムを含むOC処理層が設けられている、超薄型アルミプラスチックフィルム。
【請求項2】
前記硬化剤は、ポリスチレン、フェノール樹脂、ポリイソプレンから選択される1種又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の超薄型アルミプラスチックフィルム。
【請求項3】
前記助剤は、水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウムである、請求項1に記載の超薄型アルミプラスチックフィルム。
【請求項4】
前記添加剤は、フェノールエステル、フタル酸エステル、鉛塩、クレゾールから選択される1種又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載の超薄型アルミプラスチックフィルム。
【請求項5】
前記P処理層は、2μm未満の厚さに構成されている、請求項1に記載の超薄型アルミプラスチックフィルム。
【請求項6】
前記接着層は、5〜6μmの厚さに構成されている、請求項1に記載の超薄型アルミプラスチックフィルム。
【請求項7】
前記OC処理層は、2μm未満の厚さに構成されている、請求項1に記載の超薄型アルミプラスチックフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトパッケージリチウム電池包装材に関し、特に、接着性が非常に高くて、破損しにくくて、高温耐性、耐食性の超薄型アルミプラスチックフィルム包装材である。それによって、ソフトパッケージリチウム電池の体積が薄くなり、耐用年数を伸ばし、リチウム電池の効能を高める。
【背景技術】
【0002】
移動体通信機器の進化と発展に伴い、現在のスマートフォンは薄くなっている。それでソフトパッケージポリマーリチウム電池が薄片の正極及び負極で通信機器に接続して電源を提供できるため、現在の市場で主流の通信機器はソフトパッケージポリマーリチウム電池が使用されている。それに、iPhone(登録商標)やiPad(登録商標)などの通信機器にも幅広く使われている。それによって、それはニッケル水素電池(Ni−MH)、リン酸鉄リチウムバッテリー(LiFePO
4)、三元系(リチウム−コバルト−ニッケル電池、Li(NiCo)O
2)、コバルト酸リチウム電池(LiCoO
2)、マンガンリチウム電池(LiMnO
2)などの厚い電池を取り替える。
【0003】
しかし、現在のリチウム電池はよく拡張損傷を生じる場合がある。ポリマーリチウム電池の中は異常な化学反応により気体が出ると外包装に気体が溢れ、電池芯の膨れでソフトパッケージ電池は膨張する。更に、外包装が気体で広げられて大きくなって破損し、電池が破損し、それで使用者への傷害が生じるおそれがある。
現在のリチウム電池の膨張原因は以下に列挙する。包装不良、包装表面損傷、角位損傷、電池芯の水分含量が多すぎること、化学プロセスの間違い、SEIフィルムの不安定、過放電と過充電、外部ショート、内部ショート、腐食、異常な真空引きなどが原因である。それによって、リチウム電池膨張で移動体通信機器が損傷するおそれがある。
【0004】
ソフトパッケージリチウム電池は、上部シール、サイドシール、及び真空引きにより3辺のシール不良が生じる場合がある。シール不良により空気の水蒸気が電池の内部に入りやすくて、電解液が分解して気体が出る或いは包装表片の破損、角位損傷などの上記の原因でリチウム電池が膨張する、更に破損するおそれがある。それで使用者への傷害或いは電池損傷が生じるおそれがある。
現在のポリマーリチウムイオン電池ソフトパッケージ包装材は、アルミホイルと、様々なプラスチックと、様々な接着剤(バインダ樹脂)からなる複合ソフトパッケージ包装材である。
それの内部包装は流動性、浸透性、腐食性、溶解性の電解液を有するので、ソフトパッケージリチウム電池の外部シールは関わる企業にとって重要な課題になる。
【0005】
現在一般的なアルミプラスチックフィルムの大部分は、外層と、第一接着層と、中間層と、第二接着層と、ヒートシール層と、を有する。第一接着層は外層の内面と中間層とを接続する。第二接着層はヒートシール層の内面と中間層とを接続する。それによって、超薄型アルミプラスチックフィルムで包装する場合には軽くて便利になる。けれども、カバレッジとアンチバースト設備でよく損傷するおそれがある。それによって、電池が壊れてしまう場合がある。
それで、関わる業界はあるアルミプラスチックフィルムを研究開発した。そのアルミプラスチックフィルムにおいては、外層と、第一接着層と、第一底塗層と、中間層と、第二底塗層と、第二接着層と、ヒートシール層と、を有する。主の目的は、第一底塗層と、第二底塗層と、からなる機能性処理層で耐湿性、耐気性の構造を提供する。
第一底塗層は、アクリル樹脂(PMMA)と、ポリビニルアルコールと、調節剤と、ナノ酸化ケイ素と、カップリング剤と、粘着付与剤と、水とから構成される。調節剤は、メタノールと、エタノールとの混合物である。粘着付与剤はポリエチレンである。主にその機能性処理層で多層次複合フィルムを処理し、中間層を保護すること及び遮断することとして処理する。外層、中間層及びヒートシール層の間のスティッキ性を向上するため、底塗層にカップリング剤や、粘着付与剤などを設ける。
しかしながら、アルミプラスチックフィルムの厚さが増えていった。それで、粘着強度を高めることと厚さを減らすことは業界の課題になった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、粘着強度が高くて厚さが薄くなるアルミプラスチックフィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ソフトパッケージリチウム電池でよく使われているアルミプラスチックフィルム包装材は、軽くて、薄くて、高温耐性、耐食性、抗穿刺等の特性が必要である。それで、よく使われているアルミプラスチックフィルムの大抵は、外保護層と、中間アルミ箔層と、内層の多機能層とから構成される。外保護層は、主に中間層を良く保護する。中間アルミ箔層は、酸素或いは他の流体をほぼ必ず遮断する。それによって、酸素或いは他の流体の透過性はほぼゼロになる。内層の多機能層は、良い化学安定性、良い抗穿刺性、高温耐性、且つヒートシールでショートせず、シール強度を保障することがなければならない。その上で本発明者は研究し、ようやく極軽、極薄、高温耐性、耐食性、抗穿刺、且つ粘着性が極めて強い超薄型アルミプラスチックフィルムを提供できる。
【0008】
本発明による超薄型アルミプラスチックフィルムにおいて、トップ層、P処理層、接着層、OC処理層、アルミ箔層、OC処理層、接着層、P処理層、及びヒートシール層から順次構成される。
トップ層は、厚さが5μm以下、ポリアミド繊維(NY)から構成される。
P処理層は、トップ層と接着層との間、及び、ヒートシール層と接着層との間に有する。P処理層は、酢酸エチル、ポリイミド及び硬化剤を含む。これによりトップ層と接着層との間、及び、ヒートシール層と接着層との間に、強い粘着力を有する。
接着層は、無酸光学接着剤、硬化剤、助剤及び添加剤などを混合する。
中間層は、アルミ箔層である。アルミ箔層の厚さは、20〜25μmであり、光線、空気、水蒸気を遮断する特性を有する。
OC処理層は、接着層とアルミ箔層(AL)との間に設け、二酸化ケイ素とカドミウムとを含む。それによって、接着層とアルミ箔層との間の粘着力を高める。
接着層のプロセスを単純とし、粘着付与剤とカップリング剤とを使わず、且つ二重のサンドイッチで包装することによりアルミプラスチックフィルム構造が形成される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示における実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1に示すとおり、本発明により提供する超薄型アルミプラスチックフィルムは、主にソフトパッケージリチウム電池のアルミプラスチックフィルムのパッケージ構造に用いられる。トップ層1、P処理層4、接着層3、OC処理層5、アルミ箔層2、OC処理層5、接着層3、P処理層4、及びヒートシール層6から順次構成される。
【0012】
トップ層1は、主に厚さが15μmを超えないポリアミド繊維(NY)から構成される。トップ層1の主要な機能はアルミ箔層2を保護して、空気中の水蒸気を防止する。
【0013】
ヒートシール層6は、厚さが20μmを超えないキャストポリプロピレン(CPP)から構成される。
アルミプラスチックフィルムを密封する時、ヒートシール層6を裏に折り返して高温で密着する。
一般的に、ヒートシール層6が高温で余り密着しない時、アルミプラスチックフィルムは破損して、入った電解質或いは他のものを外に漏らして、電池が故障してしまうおそれがある。
【0014】
アルミ箔層2(AL)の厚さは20〜25μmである。主要な機能は緻密なアルミ箔によって空気中の水蒸気をかなり遮断して、水蒸気が入ることを避ける。
【0015】
接着層3は、トップ層1とアルミ箔層2との間、及び、アルミ箔層2とヒートシール層6との間に挟まれ、主成分は無酸光学接着剤(OCA)、硬化剤、助剤及び添加剤を含む。光学専用のエコの無酸光学接着剤、硬化剤、助剤及び添加剤を混合して使って、主にアルミプラスチックフィルム中の関わるものを緊密に連接する。
【0016】
P処理層4は、トップ層1と接着層3との間、及び、ヒートシール層6と接着層3との間に有する。P処理層4の厚さは約2μm、主成分は酢酸エチル、ポリイミド及び硬化剤を含む。これによりトップ層1と接着層3との間は強く粘着力を有する。アルミプラスチックフィルムがもっと薄くなるため、それで未来の移動通信機器が軽くて薄くなる特性に合う。多重作業でP処理層4を増やし、これによりトップ層1と接着層3との間、及び、接着層3と底層との間に強い粘着力が形成され、離れなくなる。
【0017】
OC処理層5は、接着層3とアルミ箔層2との間に有し、主に二酸化ケイ素及びカドミウムを含む。
それによって、接着層3とアルミ箔層2との間に、厚さが2μm未満の薄層が形成される。
それで接着層3とアルミ箔層2との効果が相高まって、アルミプラスチックフィルムが破損すること或いは接合欠陥の問題を避ける。
それによって、本発明のアルミプラスチックフィルムと外部複合材料構造との粘着力が強くて剥離しない構造が形成される。
それによって、空気や水蒸気或いは他の物質などが内部のアルミ箔層に触ることを避ける。
極薄、耐穿刺、電池内部の汚染に抵抗し、高い構造強度、厳密なヒートシール、高温耐性、それでソフトパッケージリチウム電池は、電極とキャストポリプロピレン(CPP)と接着不良のことで電池が膨れる場合がない。
【0018】
上記の説明は、ただ、本発明による実施形態であり、本発明の実施範囲は、それによって、制限されない。また、本発明の精神に基づく、当業者による色々な等価変化や修正は、本発明の特許請求の範囲内に含まれている。
【符号の説明】
【0019】
1 トップ層
2 アルミ箔層
3 接着層
4 P処理層
5 OC処理層
6 ヒートシール層