(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-210087(P2017-210087A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】走行車両用アース片
(51)【国際特許分類】
B60R 16/06 20060101AFI20171102BHJP
H01R 4/64 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
B60R16/06 B
H01R4/64 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-104033(P2016-104033)
(22)【出願日】2016年5月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】598149275
【氏名又は名称】神港化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】柏原 広樹
(72)【発明者】
【氏名】内山 吉晴
(57)【要約】
【課題】構造を見直しての工夫により、型成形により絶縁部材を充填させる製造方法を踏襲しながらも、他方の導通部材と接地片又は一方の導通部材とが必ず導通されるように改善された走行車両用アース片を提供する。
【解決手段】導通材製の接地片2を、その先端部2bを除いて絶縁部3により覆ってなる接地本体1を有し、接地本体1の基端部1a側に設けられる取付部4を用いて走行車両に片持ち梁状態で支持可能に構成されている走行車両用アース片であって、取付部4は、接地片2の基端部2aの一側を導通支持する第1導通部材5と、接地片2の基端部2aの他側に沿わせられる第2導通部材6とにより構成され、第1導通部材5と第2導通部材6との間には絶縁中間部7が設けられ、第2導通部材6と第1導通部材5又は接地片2とを導通させる導通手段Dを設ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導通材料製の接地片を、その先端部を除いて絶縁材料製の絶縁部により覆ってなる接地本体を有し、
前記接地本体の基端部は固定され、かつ、前記接地本体の先端部は自由となる片持ち梁状態となるように、前記接地本体の基端部側に設けられる導通材製の取付部を用いて走行車両に支持可能に構成されている走行車両用アース片であって、
前記取付部は、前記接地片の基端部の一側を導通支持する第1導通部材と、前記接地片の基端部の他側に沿わせられる第2導通部材とにより構成され、前記第1導通部材と前記第2導通部材との間には絶縁材料製の中間部が設けられ、
前記第2導通部材と前記第1導通部材又は前記接地片とを導通させる導通手段が設けられている走行車両用アース片。
【請求項2】
前記導通手段は、前記第1導通部材における前記接地片を支持する部分と、前記接地片における前記第1導通部材に支持される部分と、前記第2導通部材とに亘る穴又は孔を形成し、かつ、前記穴又は孔に圧入される導通棒を設けて構成されている請求項1に記載の走行車両用アース片。
【請求項3】
前記導通手段は、前記第1導通部材における前記接地片を支持する部分と、前記接地片における前記第1導通部材に支持される部分と、前記第2導通部材とに亘る穴又は孔を形成し、かつ、前記穴又は孔に注入されるハンダを設けて構成されている請求項1に記載の走行車両用アース片。
【請求項4】
導通手段は、前記第1,2導通部材それぞれの基端部を連結する導通材製の連結部材を設け、前記第1,2導通部材及び前記連結部材により側面視でコ字状を呈する状態に構成されている請求項1に記載の走行車両用アース片。
【請求項5】
前記導通手段は、前記第1,2導通部材それぞれの基端部を挟み込む導通材製のクリップを装備することで構成されている請求項1に記載の走行車両用アース片。
【請求項6】
前記接地片と前記第1導通部材とがハンダ付けにより導通一体化されている請求項1〜5の何れか一項に記載の走行車両用アース片。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道交通車両やトラック・バスなどの走行車両に溜まった静電気を車両外に逃がすためのアース片、即ち、走行車両用アース片に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラック、バス、新交通システム(軌道交通システム)などの走行車両はタイヤを走行輪として装備しており、路面と絶縁される状態で走ることから、走行中に発生する静電気、漏電等によって車両が帯電し易くなっている。
従って、駅ホームと車両との電位差や、車両内部での電位差によって乗り降り時などにおいて、乗客・乗員に静電気による不快感を与えてしまうおそれがある。
【0003】
そこで、このような走行車両においては、対地接触するアース片を設けたり、或いは特許文献1にて開示されるように、軌道横に設けられた接地レールに地接するアース片(接地シュー)を設けたりすることにより、車両に帯電した電気を車両外部に逃がすように構成されている。例えば、走行車両用アース片Eは、特許文献1の
図1や
図7に示されるように、ボルトなどにより取付部4が車両に取付けられた片持ち支持状態に装備されており、接地本体1の先端部1bが接地レールや路面に擦り付けられるように撓ませた状態で用いられる。
【0004】
例えば、従来においては、
図7(a)に示される走行車両用アース片が用いられている。
図7(a)に示されるように、走行車両用アース片Eは、導通材料製の接地片2を、その先端部2bを除いてゴムなどの絶縁材料による絶縁部3により覆われてなる接地本体1を有し、接地本体1の基端部に設けられる導通材製の取付部4を用いて走行車両に片持ち支持可能に構成されている。
【0005】
取付部4は、接地片2の基端部2aを挟む一対の銅板5,6を設けるとともに、一方の銅板5は、多数の芯線を扁平に束ねてなる接地片2の基端部2aに直接又は間接にハンダ付けされている。他方の銅板6は、接地片2の基端部2aの側面に接触させて沿わせられており、それによって接地片2に導通されている。
【0006】
従来の走行車両用アース片Eは、他方の銅板6を基端部2aの側面に接触させて沿わせた状態〔
図7(a)を参照〕で金型にセットし、接地本体1の周囲及び一対の銅板5,6間にゴムを充填させる型成形により製造されていた。そして、製造後には、
図7(a)に示されるように、電流計などのテスター18を用いて、(1)接地片2の先端部2bと一方の銅板5との導通試験、(2)接地片2の先端部2bと他方の銅板6との導通試験、及び(3)一対の銅板5、銅板6どうしの導通試験が行われ、全て導通していることが必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−258034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、製造後の導通試験において、試験(2)、(3)が非導通となる不合格品の出ることがしばしばある、という不都合があった。そこで、その不合格品を調べてみたところ、
図7(b)に示すように、他方の銅板6と基端部2aとの間にゴムが浸入されて薄い絶縁層aが形成されており、接触して導通しているはずの他方の銅板6と基端部2aとが絶縁されていることが知見された。つまり、加硫成形時にゴムが流動し、他方の銅板6と基端部2aとの間にゴムが入り込んでしまうのである。なお、図示は省略するが、基端部2aに沿わして導通されている金属板を設けた場合でも、その金属板と他方の銅板6との間にゴムが入り込んでしまう。
【0009】
一方の銅板5は元々接地片2に導通されているから、他方の銅板6が接地片2と非導通であっても良いような気もする。しかしながら、他方の銅板6のみが車両に導通される、という使用状況も考えられるので、いずれの銅板5,6も接地片2と導通させておく必要があり、従って、走行車両用アース片Eとしては改善の余地が残されているものであった。
【0010】
本発明の目的は、構造を見直しての工夫により、型成形により絶縁部材を充填させる製造方法を踏襲しながらも、他方の導通部材と接地片又は一方の導通部材とが必ず導通されるように改善された走行車両用アース片を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、導通材料製の接地片2を、その先端部2bを除いて絶縁材料製の絶縁部3により覆ってなる接地本体1を有し、
前記接地本体1の基端部1aは固定され、かつ、前記接地本体1の先端部1bは自由となる片持ち梁状態となるように、前記接地本体1の基端側に設けられる導通材製の取付部4を用いて走行車両に支持可能に構成されている走行車両用アース片において、
前記取付部4は、前記接地片2の基端部2aの一側を導通支持する第1導通部材5と、前記接地片2の基端部2aの他側に沿わせられる第2導通部材6とにより構成され、前記第1導通部材5と前記第2導通部材6との間には絶縁材料製の中間部7が設けられ、
前記第2導通部材6と前記第1導通部材5又は前記接地片2とを導通させる導通手段Dが設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の走行車両用アース片において、
前記導通手段Dは、前記第1導通部材5における前記接地片2を支持する部分と、前記接地片2における前記第1導通部材5に支持される部分と、前記第2導通部材6とに亘る穴又は孔11を形成し、かつ、前記穴又は孔11に圧入される導通棒12を設けて構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の走行車両用アース片において、
前記導通手段Dは、前記第1導通部材5における前記接地片2を支持する部分と、前記接地片2における前記第1導通部材5に支持される部分と、前記第2導通部材6とに亘る穴又は孔11を形成し、かつ、前記穴又は孔11に注入されるハンダ15を設けて構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の走行車両用アース片において、
前記導通手段Dは、前記第1,2導通部材5,6それぞれの基端部5a,6aを連結する導通材製の連結部材16を設け、前記第1,2導通部材5,6及び前記連結部材16により側面視でコ字状を呈する状態に構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の走行車両用アース片において、
前記導通手段Dは、前記第1,2導通部材5,6それぞれの基端部5a,6aを挟み込む導通材製のクリップ17を装備することで構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の走行車両用アース片において、前記接地片2と前記第1導通部材5とがハンダ付けにより導通一体化されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、第2導通部材と第1導通部材又は接地片とを導通させる導通手段が設けられているから、型成形時に他方の導通部材と接地片又は金属板との間に絶縁材料が浸入されて絶縁層が形成されていても、第2導通部材と第1導通部材又は接地片とを導通させることができる。
その結果、構造を見直しての工夫により、型成形により絶縁部材を充填させる製造方法を踏襲しながらも、他方の導通部材と接地片又は一方の導通部材とが必ず導通されるように改善された走行車両用アース片を提供することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、第1導通部材と、接地片と、第2導通部材とに亘る穴又は孔と、その穴又は孔に圧入される導通棒とによる簡単で廉価な構成により、合理的に導通手段を実現できる利点がある。
【0019】
請求項3の発明によれば、第1導通部材と、接地片と、第2導通部材とに亘る穴又は孔と、その穴又は孔に注入されるハンダとによる簡単で廉価な構成により、合理的に導通手段を実現できる利点がある。
【0020】
請求項4の発明によれば、第1,2導通部材それぞれの基端部を導通連結する連結部材を設けるだけの簡単構成により、経済的に導通手段を実現できる利点がある。
【0021】
請求項5の発明によれば、第1,2導通部材それぞれの基端部を挟み込む導通材製のクリップを装備するだけの簡単構成により、経済的に導通手段を実現できる利点がある。
【0022】
請求項6の発明のように、接地片と第1導通部材とをハンダ付けする構成を採れば好都合である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】走行車両用アース片の実機への取付け状態例を示す断面図(実施形態1)
【
図2】(a)走行車両用アース片の正面図、(b)走行車両用アース片の側面図
【
図3】(a)は
図2(a)におけるA−A線断面図、(b)は
図2(a)におけるB−B線断面図
【
図4】第2導通手段を有する走行車両用アース片を示す断面図(実施形態2)
【
図5】第3導通手段を有する走行車両用アース片を示す断面図(実施形態3)
【
図6】第4導通手段を有する走行車両用アース片を示す断面図(実施形態4)
【
図7】(a)従来構造による設計段階の走行車両用アース片を示す断面図、(b)従来構造による実際の走行車両用アース片を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明による走行車両用アース片の実施の形態を、神戸新交通ポートアイランド線などの新交通システムの走行車両に適用されるものとして、図面を参照しながら説明する。なお、
図1,4〜7においては金属製バンド9は省略してある。
【0025】
〔実施形態1〕
走行車両用アース片(以下「アース片」と略称する)Eは、
図1,
図2に示されるように、導通材料製の接地片2を、その先端部2bを除いてゴム(絶縁材料の一例)製の絶縁部3により覆ってなる接地本体1を有している。
アース片Eは、接地本体1の基端部1aは固定され、かつ、接地本体1の先端部1bは自由となる片持ち梁状態となるように、接地本体1の基端側(基端部1a側)に設けられる導通材製の取付部4を用いて走行車両Cに片持ち支持可能に構成されている。
【0026】
取付部4は、接地片2の基端部2aの一側を導通支持する第1導通部材5と、接地片2の基端部2aの他側に沿わせられる第2導通部材6とにより構成され、第1導通部材5と第2導通部材6との間にはゴム(絶縁材料の一例)製の中間部7が設けられて互いに絶縁されている。
【0027】
アース片Eは、例えば、
図1に示されるように、走行車両(又は走行車両側の部材)Cに固定されている第1取付片13と、走行車両Cに固定されている第2取付片14とで取付部4を挟んでボルト止めすることにより、走行車両Cに片持ち梁状態で支持されている。接地本体1が撓んでその先端部1bが、接地レール(図示省略)や走行路面(図示省略)に押圧接触され、静電気を逃がすことが可能である。
【0028】
接地片2は、
図3に示されるように、多数の芯線(鋼線など)8を、複数の金属製バンド9を用いて扁平な断面形状となるように束ねてなるベルト状のものに構成されている。
図3(a)に示すように、接地片2における金属製バンド9が巻回されている基端部2aの一側には、銅板(導通材料の一例)製の第1導通部材5がハンダ付けにより導通状態で一体化されるとともに、他側には第2導通部材6が沿わされている。
【0029】
図2,
図3に示されるように、接地片2と、接地片2をその基端部2aを除いて覆う絶縁部3とによって接地本体1が形成されている。接地本体1の先端部1bは、その両面を斜めにカットし、かつ、横幅方向においてもテーパーにカットして、接地片2の先端部2bが露出する構成とされている。
【0030】
図2に示されるように、第1及び第2導通部材5,6と、第1導通部材5と第2導通部材6との間に充填される中間部7とによって取付部4が構成されている。取付部4には、その前後左右の4箇所に、ボルト止めなどに用いられる孔4a(符号4aは
図2にのみ記載する)が形成されている。なお、第1導通部材5と第2導通部材6とは同じ厚みであるが、互いに異なる厚みであっても良い。次に、導通手段D(
図1など参照)について説明する。
【0031】
取付部4においては、
図1,
図2,
図3(a)に示されるように、第2導通部材6と第1導通部材5又は接地片2とを導通させる導通手段Dが設けられている。実施形態1による第1導通手段D1(D)は、第1導通部材5における接地片2を支持する部分と、金属製バンド9と、接地片2における第1導通部材5に支持される部分と、第2導通部材6とに亘る径一定の穴(又は孔)11を形成し、かつ、その穴(又は孔)11に圧入される導通棒12を設けて構成されている。
【0032】
第1導通手段D1においては、銅製バーでなる導通棒12は、第1及び第2導通部材5,6、金属製バンド9、接地片2のいずれにも圧入されているが、少なくとも第1導通部材5と第2導通部材6との双方に圧入、又は少なくとも接地片2と第2導通部材6との双方に圧入されておればよい。なお、接地片2の基端部2aの金属製バンド9を省略し、接地片2を直接に第1導通部材5にハンダ付けなどにより一体化させる構成でも良い。
【0033】
前述したとおりに、ゴムの成形(圧縮成形など)により絶縁部3及び中間部7を形成する際には、隙間無く接触している基端部2aと第2導通部材6との間に、
図1や
図3(a)に示されるように、加硫成形時にゴムが流動して入り込み、薄い絶縁層aが形成されてしまうことが知見された。
絶縁層aが形成されてしまうことにより、第2導通部材6は接地片2及び第1導通部材5と絶縁(非導通)されてしまって都合が悪い。そこで、第1導通部材5の孔、接地片2の孔、第2導通部材6の穴のそれぞれに圧入により導通する導通棒12を設けて、第1導通手段D1(D)が構成されている。
【0034】
従って、
図2に示す第1実施形態によるアース片Eにおいては、
図8(a)に示される導通試験を行うと、全ての試験(1)〜(3)が導通状態となって合格になる。その結果、
図1に示されるように、走行車両Cに第1取付片13と第2取付片14とを用いてアース片Eを取付ける場合に、第1取付片13と第2取付片14とのいずれか一方のみから集電する構成を採っても、良好に導通機能させることができている。
【0035】
〔実施形態2〕
実施形態2によるアース片Eを
図4に示す。このアース片Eは、実施形態1によるアース片Eと導通手段Dが異なるのみであって、その他は実施形態1によるアース片Eと同じであるため、その異なる第2導通手段D2(D)のみについて説明する。
【0036】
図4に示されるように、第2導通手段D2は、第1導通部材5における接地片2を支持する部分と、金属製バンド9と、接地片2における第1導通部材5に支持される部分と、第2導通部材6とに亘る径一定の穴(又は孔)11を形成し、かつ、その穴(又は孔)11にハンダ15を注入することにより構成れている。
【0037】
ハンダ15は、棒状のものを穴(又は孔)11に挿入してから熱を加えて溶かしてハンダ付け一体化する手段でも良いし、溶かした状態の溶融ハンダを流し込んで注入させることでハンダ付け一体化する手段でも良い。この第2導通手段D2(D)においても、接地片2の基端部2aの金属製バンド9を省略してもよい。なお、穴(又は孔)11には、ハンダ15のほか、導電性シリコーン、導電性ウレタンなど、流動状態で流し込んで固めることができる材料を用いることが可能である。
【0038】
〔実施形態3〕
実施形態3によるアース片Eを
図5に示す。このアース片Eは、実施形態1によるアース片Eと導通手段Dが異なるのみであって、その他は実施形態1によるアース片Eと同じであるため、その異なる第3導通手段D3(D)のみについて説明する。
【0039】
図5に示されるように、第3導通手段D3は、第1,2導通部材5,6それぞれの基端部5a,6aを連結する銅板(導通材の一例)製の連結部材16を設け、第1,2導通部材5,6及び連結部材16により側面視でコ字状を呈する状態に構成されている。
なお、第3導通手段D3は、第1,2導通部材5,6及び連結部材16が一枚の金属板により構成された単一部品でなる構造のものでもよい。
【0040】
〔実施形態4〕
実施形態4によるアース片Eを
図6に示す。このアース片Eは、実施形態1によるアース片Eと導通手段Dが異なるのみであって、その他は実施形態1によるアース片Eと同じであるため、その異なる第4導通手段D4(D)のみについて説明する。
【0041】
導通手段Dは、第1,2導通部材5,6それぞれの基端部5a,6aを挟み込む導通材製のクリップ17を装備することで構成されている。クリップ17は、第1導通部材5の外面にも第2導通部材6の外面にも圧接され、それぞれ5,6に導通されている。
従って、絶縁層aが形成されていても、第2導通部材6は第1導通部材5と導通されており、かつ、接地片2にも導通されている。
【0042】
〔別実施形態〕
第1導通部材5と接地片2とは溶接やボルト止めなど、ハンダ付け以外の手段により導通一体化される構成であっても良い。絶縁部3、中間部7、絶縁層aは互いに同じゴムで形成されているが、ゴム以外の絶縁材料でなるものでも良い。
なお、基端部2aの第2導通部材6側となる他側に、平面視で矩形をなすブリキ板などの金属板が、ハンダ付けなどによる導通状態で設けられていても良い。
【符号の説明】
【0043】
1 接地本体
1a 基端部
1b 先端部
2 接地片
2a 基端部
2b 先端部
3 絶縁部
4 取付部
5 第1導通部材
5a 基端部
6 第2導通部材
6a 基端部
7 中間部
11 穴又は孔
12 導通棒
15 ハンダ
16 連結部材
17 クリップ
D(D1〜D4) 導通手段