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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-210854(P2017-210854A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】自動ドアの制御装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20171102BHJP
   E05F 15/41 20150101ALI20171102BHJP
   E05F 15/643 20150101ALI20171102BHJP
   H02P 3/04 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
   E05F15/73
   E05F15/41
   E05F15/643
   H02P3/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-114234(P2016-114234)
(22)【出願日】2016年6月8日
(31)【優先権主張番号】特願2016-100330(P2016-100330)
(32)【優先日】2016年5月19日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516000321
【氏名又は名称】AMYドアテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103067
【弁理士】
【氏名又は名称】神戸 真澄
(72)【発明者】
【氏名】横井 裕治
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 守十樹
(72)【発明者】
【氏名】横井 堂好
【テーマコード(参考)】
2E052
5H530
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA01
2E052BA04
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA15
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA10
2E052GB06
2E052GB12
2E052GB15
2E052GC02
2E052GC06
2E052GD09
2E052HA01
5H530AA02
5H530BB17
5H530CC01
5H530CD13
5H530CD24
5H530CD33
5H530CE11
5H530CF03
5H530DD03
5H530GG02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半開放で停止状態にある引戸の開閉を通して老人等の手・腕などの機能の維持等を図りつつ、老人等に負担をかけずに引戸を自動開閉するという新たな使い方を得る自動ドアの制御装置を提供する。
【解決手段】停止検出部802が引戸の半開放状態での停止を検出後、引戸が開放方向に第1の一定の距離値を開放方向に移動したことを検出する第1の検出手器804aと、引戸が第2の一定の距離値を閉鎖方向に移動したことを検出する第2の検出器804bと、第1の検出器804aが検出すると、引戸を開放方向に移動する共に、第2の検出器804bが検出すると、引戸を閉鎖方向に移動する指令信号を生成する指令生成部806と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの動力に基づいて吊車を有する引戸を移動して前記引戸を開放したり閉鎖したりする自動ドアの制御装置であって、
前記モータを駆動するモータ駆動手段と、
前記モータ駆動手段を制御しながら前記モータを動作させるモータ制御手段と、
前記引戸が半開放状態にて停止していること検出する第1の停止検出手段と、
前記第1の停止検出手段が停止を検出した後、前記引戸が開放方向に第1の一定の距離値移動したことを検出すると第1の検出信号を発生する第1の検出手段と、
前記第1の停止検出手段が停止を検出した後、前記引戸が閉鎖方向に第2の一定の距離値移動したことを検出すると第2の検出信号を発生する第2の検出手段と、
前記第1の検出信号に基づき前記引戸を前記開放方向に移動するように前記モータ制御手段及び前記モータ駆動手段を介して前記モータを回転すると共に、前記第2の検出信号に基づき前記引戸を前記閉鎖方向に移動するように前記モータ制御手段及び前記モータ駆動手段とを介して前記モータを回転する指令信号を生成する指令生成手段と、
を備えたことを特徴とする自動ドアの制御装置。
【請求項2】
前記モータの回転する速度値を検出する速度検出手段を備え、
前記第1の検出手段は、前記速度値が所定値以下で、前記第1の検出信号を発生し、
前記第2の検出手段は、前記速度値が所定値以下で、前記第2の検出信号を発生する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動ドアの制御装置。
【請求項3】
前記モータの回転位置を検出して回転位置信号を発生する位置検出手段と、
前記回転位置信号に基づいて前記引戸が動作していることを判断する動作判断手段と、
前記引戸の動作状態で、前記引戸に予め定められた値以上の圧力が加わったことを検出すると、圧力検知信号を発生する圧力検出手段と、
前記モータ制御手段は、前記圧力検出信号に基づいて前記モータ駆動手段をオフにする、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動ドアの制御装置。
【請求項4】
前記引戸が開放方向に移動して半開放状態にて停止したことを検出する第2の停止検出手段と、
前記第2の停止検出手段が停止を検出した後、前記モータ駆動手段がオフの状態で、前記引戸が閉鎖方向に移動したことを検出すると第3の検出信号を発生する第3の検出手段と、
前記指令生成手段は、前記第3の検出信号に基づき前記引戸を前記閉鎖端まで移動するように前記モータ制御手段及び前記モータ駆動手段を介して前記モータを回転する指令信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の自動ドアの制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動ドアの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動ドア装置は、下記特許文献1に記載のように、インバータはパルス幅制御された駆動信号によりモータの回転速度を制御している。ドアのブレーキ時では、最初は比較的小さなトルクで、そして次第に漸増するトルクでブレーキが施される。
【0003】
これにより、ドアの開閉速度や重量などのドア毎の特性に対応した適切なトルクでドアへブレーキをかけることができるので、ドア停止時のブレーキがかかり始めるときに、トルクが過大になる事態を防止する。このように、引戸の開閉を全自動で行うことにより、老人、車いす搭乗者にとっては大変ありがたいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−70276号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発明者は、老人ホームなどの施設に適用される自動ドアでは、上記全自動による引戸の開閉のみで機能的に不十分であることを見出した。すなわち、上記施設等では、引戸の開閉を利用して、老人、車いす搭乗者等の手・腕などの機能の維持又は回復にも役立ちながら、引戸の開閉の利便性も必要であるという課題を見出した。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、半開放で停止状態にある引戸を老人、車いす搭乗者の手・腕など動作通じて開閉することにより、老人等の手等の機能維持等を図りつつ、老人等に負担をかけずに引戸を自動開閉するという新たな使い方を可能にし得る自動ドアの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る自動ドアの制御装置は、モータの動力に基づいて吊車を有する引戸を移動して前記引戸を開放したり閉鎖したりする自動ドアの制御装置であって、
前記モータを駆動するモータ駆動手段と、
前記モータ駆動手段を制御しながら前記モータを動作させるモータ制御手段と、
前記引戸が半開放状態にて停止していること検出する第1の停止検出手段と、
前記第1の停止検出手段が停止を検出した後、前記引戸が開放方向に第1の一定の距離値移動したことを検出すると第1の検出信号を発生する第1の検出手段と、
前記第1の停止検出手段が停止を検出した後、前記引戸が閉鎖方向に第2の一定の距離値移動したことを検出すると第2の検出信号を発生する第2の検出手段と、
前記第1の検出信号に基づき前記引戸を前記開放方向に移動するように前記モータ制御手段及び前記モータ駆動手段を介して前記モータを回転すると共に、前記第2の検出信号に基づき前記引戸を前記閉鎖方向に移動するように前記モータ制御手段及び前記モータ駆動手段とを介して前記モータを回転する指令信号を生成する指令生成手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このような自動ドアの制御装置によれば、停止検出手段が引戸を半開放状態にて停止していること検出した後、モータ駆動手段がオフの状態で、第1の検出手段が引戸を開放方向に第1の一定の距離値移動したことを検出すると、指令生成手段が指令信号を生成して、モータ制御手段及びモータ駆動手段を介して引戸を開放方向に移動するようにモータを回転して停止する。つまり、老人等が引戸を開放方向に一定の距離値移動させることに基づいて、モータを駆動して引戸を自動開放して開放端まで移動し得る。
一方、上記のように停止を検出後、モータ駆動手段がオフの状態で、第2の検出手段が引戸を閉鎖方向に第2の一定の距離値を移動したことを検出すると、指令生成手段が指令を生成して、モータ制御手段及びモータ駆動手段とを介して引戸を閉鎖方向に移動するようにモータを回転する。つまり、老人等が引戸を閉鎖方向に一定の距離値を移動させることに基づいて、モータを駆動して引戸を自動閉鎖して閉鎖端まで移動し得る。
これにより、半開放状態にある引戸を老人等の手・腕などの動作により第1又は第2の一定の距離値を移動してから、引戸を自動により開放又は閉鎖する。このため、老人等が手・腕を用いて引戸を一定の距離値を移動するので、機能維持等に役立ち、しかも、一定の距離値を移動した後、引戸を自動で開放又は閉鎖するので、引戸の開閉の負担をも軽減できる。
なお、停止検出手段が引戸を半開放状態にて停止していること検出後に、一定時間経過しても第1又は第2の検出手段が検出しないと、引戸を閉鎖端又は開放端まで移動しても良い。
【0008】
第2の発明に係る自動ドアの制御装置は、前記モータの回転する速度値を検出する速度検出手段を備え、前記第1の検出手段は、前記速度値が所定値以下で、前記第1の検出信号を発生し、
前記第2の検出手段は、前記速度値が所定値以下で、前記第2の検出信号を発生する、
ことを特徴とするものである。
このような自動ドアの制御装置によれば、停止検出手段が引戸を半開放状態にて停止していること検出した後、モータ駆動手段がオフの状態で、第1の検出手段が引戸を開放方向に第1の一定の距離値を移動しても、モータの速度値、つまり引戸の速度が所定値以下でなければ、第1の検出信号を発生しないので、引戸が自動で動作することがない。これにより、老人等の自力による引戸の開放方向への移動を促進し得る。同様に、第2の検出手段が引戸を開放方向に第2の一定の距離値を移動しても、モータの速度が所定値以下でなければ、第2の検出信号を発生しないので、引戸が自動で動作することがない。これにより、老人等の自力による引戸の閉鎖又は開放方向への移動を促進し得る。したがって、老人等の腕などの機能維持を一層促進することになる。
【0009】
第3の発明に係る自動ドアの制御装置は、前記モータの回転位置を検出して回転位置信号を発生する位置検出手段と、
前記回転位置信号に基づいて前記引戸が動作していることを判断する動作判断手段と、
前記引戸の動作状態で、前記引戸に予め定められた値以上の圧力が加わったことを検出すると、圧力検知信号を発生する圧力検出手段と、
前記モータ制御手段は、前記圧力検出信号に基づいて前記モータ駆動手段をオンからオフにする、
ことを特徴とするものである。
このような自動ドアの制御装置によれば、制御手段が圧力検出手段の検出に基づいてモータ駆動手段をオンからオフにするので、モータが停止して引戸も停止する。これにより、引戸を手で動かすことなく、自動で引戸の半開放の状態を容易に形成できる。
【0010】
上記第1の検出手段は、第1の設定値と、第2の設定値とを有しており、上記第2の設定値は、前記第1の設定値よりも移動距離が長いことが好ましい。
老人と車いす搭乗者では、手、腕などの可動領域が異なり、一般的には、老人が車いす搭乗者よりも広い。このことから、例えば、第1の設定値を車いす搭乗者、第2の設定値を老人に合わせて、無理のない範囲で、手・腕などの機能維持に活用しつつ、老人等の引戸開放などの負担を軽減できる。
【0011】
第4の発明に係る自動ドアの制御装置は、前記引戸が開放方向に移動して半開放状態にて停止したことを検出する第2の停止検出手段と、
前記第2の停止検出手段が停止を検出した後、前記引戸が閉鎖方向に移動したことを検出すると第3の検出信号を発生する第3の検出手段と、
前記指令生成手段は、前記第3の検出信号に基づき前記引戸を前記閉鎖端まで移動するように前記モータ制御手段及び前記モータ駆動手段を介して前記モータを回転する指令信号を生成する、ことを特徴とするものである。
このような自動ドアの制御装置によれば、介護施設において、老人等が部屋に滞在している時に、介護者が部屋の内部の様子を伺う際に、手動で引戸を開放方向に移動して、引戸を半開放状態として、モータ制御手段及びモータ駆動手段を介してモータを停止する。引戸が半開放状態で停止後、モータ駆動手段がオフの状態で介護者は、部屋内の様子を伺い問題なければ、引戸を閉鎖方向に僅かに移動する。これにより、第3の検出手段が該移動を検出して第3の検出信号を発生して指令生成手段が引戸を閉鎖端まで移動するよう指令信号を生成して、モータを回転して引戸を閉鎖端まで移動する。これにより、介護者は、簡単に引戸を半開放状態として、部屋内の様子を確認して、問題がなければ、引戸を簡易に自動で閉鎖することができる。
一方、介護者が部屋内の様子を確認後に、部屋内に入る必要があれば、引戸を開放方向に第1の一定値距離移動することにより、これを第1の検出手段が検出すると、指令生成手段が指令信号を生成して、モータを駆動して引戸を開放方向に移動して停止する。つまり、介護者が引戸を開放方向に一定の距離値移動させることに基づいて、モータを駆動して引戸を自動で開放端まで移動する。これにより、介護者が部屋内の様子を確認後、部屋内に入る必要があれば、引戸を簡易に自動で開放端まで移動できる。
なお、上記半開放状態は、引戸を開放方向に自動移動して、引戸に手を加えることにより圧力検出手段が圧力を検出して、引戸を停止することにより得ても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、半開放状態にある引戸を老人、車いす搭乗者が手動開閉を通して手・腕などの機能の回復等を促しつつ、過度に老人等に負担をかけずに引戸を自動開閉するという新たな使い方を可能にし得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態による自動ドアの制御装置の全体正面図である。
図2図1に示す自動ドアの制御装置の電気系統の全体図である。
図3図2による自動ドアの制御装置の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明の他の実施形態による自動ドアの制御装置の電気系統の全体図である。
図5図4による自動ドアの制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を図1及び図2によって説明する。図1において、住居内には、床、上枠8、二つの側枠にて形成された開口9に上吊り型で、長方形の板状の引戸3が設けられている。引戸3の上端部に軸5aを有する二つの吊車5がレール7内を移動することにより、図中の矢印のように引戸3を左右、つまり、水平方向に移動することにより、開口9を引戸3により開閉するように形成されている。
【0015】
自動ドアの制御装置100は、上枠8の上部に固定するベース板12を有しており、モータ14の回転を引戸3の開閉方向へ駆動部材22を移動するための駆動機構と、駆動部材22を開閉方向に円滑に案内するための案内機構30とを備えている。
【0016】
駆動機構は、モータ14の回転を主プーリ16の回転を従動プーリ20に伝達するタイミングベルト18を備えている。上側と下側とから成るタイミングベルト18の下側に連結固定された駆動部材22が引戸3の開閉方向に移動するように形成されている。
駆動部材22は板状で、一端部がタイミングベルト18の下側に固定されると共に、他端部が引戸3に連結固定されている。
なお、ベース板12には、モータ14、主プーリ16、従動プーリ20が回転可能に連結固定されている。
【0017】
案内機構30は、軸と軸受とを有すると共に、リング状の溝が形成された回転可能な三つのローラ31を有しており、駆動部材22に固定されると共に、軸を回転可能に固定するローラ固定部材33を備えている。
案内部材35は、ベース板12に固定されると共に、側面視略C形状で、このC形状の先端部にローラ31の溝と摺動しながら係合するように形成されている。
【0018】
図1及び図2おいて、自動ドアの制御装置100は、交流の電源101に接続されたモータ駆動部500を備え、モータ駆動部500を制御するモータ制御部600を有しており、指令発生部900からの動作指令信号がモータ制御部600に入力されるように形成されている。
【0019】
モータ駆動部500は、交流を直流に変換するコンバータ503を有しており、コンバータ503の出力にはコンデンサ509が接続されている。コンデンサ509の両端には直流を可変電圧可変周波数の交流に変換するインバータ511を有しており、インバータ511の出力にはモータ14が接続されている。
【0020】
モータ制御部600は、インバータ511への加速、一定速、減速、停止等の戸開閉指令信号を発生する開閉指令部602を有しており、戸開閉指令信号が減算器604を介して得られた速度偏差信号を速度積分制御部606と速度比例制御部608とに入力して、速度積分制御部606と速度比例制御部608との出力が加算器610を介して得られたフィードバック信号614を電力変換指令部612に入力して、インバータ511を駆動してモータ14を回転制御するように形成されている。なお、モータ14の回転位置に応じて回転位置信号としてのパルス信号を発生する位置検出手段としてエンコーダ52を有している
【0021】
モータ制御部600には、エンコーダ52からのパルス信号によりモータ14の回転速度となる速度検出信号を発生する速度検出部620を有しており、速度検出信号が開閉指令部602と減算器604とに入力されている。
なお、モータ14に流れる電流値を検出する電流検出器613の出力となる電流検出信号が開閉指令部602に入力してフィードバックを形成している。
【0022】
モータ制御部600には、引戸3が開閉動作の状態で、引戸3に加わる圧力検出をする圧力検出手段として挟圧検知部640を有している。挟圧検知部640は、特開2006−214148号公報に記載されているように、モータ14の電流検出信号と速度偏差信号とに基づく第1の検出条件を満たした場合に挟圧検知と判定する第1の挟圧検知部と、速度偏差信号に基づく第2の検出条件を満たした場合に挟圧検知と判定する第2の挟圧検知部と、フィードバック信号614に基づく第3の検出条件を満たした場合に挟圧検知と判定する第3の挟圧検知部と、引戸3の開閉動作時の挟圧検出をする時間領域に区切って、各時間領域毎に、第1、第2、第3の挟圧検知部のいずれかまたは組合せによる挟圧検知を行うかを予め設定する挟圧設定部(図示せず)と、を有している。
なお、圧力検出手段としては、引戸3の戸っ手にタッチスイッチ6を設けて、このタッチスイッチ6を人が押圧することにより、圧力検出しても良い。タッチスイッチ6が押圧されたことにより、開閉指令部602からの指令信号によりモータ制御部600及びモータ駆動部500を介して引戸3を停止させるようにしても良い。
【0023】
このため、挟圧検知部640には、電流検出器613の電流検出信号が入力され、加算器610の出力となるフィードバック信号614と速度偏差信号とが入力され、さらに、戸開閉指令信号も入力されている。そして挟圧検知部640が挟圧検知と判定すると、停止指令信号を開閉指令部602に入力されるように形成されている。
また、引戸3が開閉動作状態か否かは、エンコーダ52からのパルス信号が発生しているか否かにより判断する動作判断部630を備えている。
【0024】
機能維持指令部800には、引戸3が半開放状態で停止したことをエンコーダ52のパルス信号から検出する第1の停止検出部802を有している。移動検出部804は、モータ駆動部500がオフの状態で、引戸3が開放方向に第1の一定の距離値を移動すると共に、第1の所定値以下の速度検出信号(速度検出値)になったことを検出すると、第1の検出信号を発生する第1の検出器804aと、モータ駆動部500がオフの状態で、引戸3が閉鎖方向に第2の一定の距離値を移動すると共に、第2の所定値以下の速度検出信号(速度検出値)になったことを検出すると第2の検出信号を発生する第2の検出器804bと、を有している。
ここに、第1の所定値以下の速度検出値とは、ゼロまたは僅かな速度検出値となる。老人等が引戸3を動作しなくなったと判断する速度値だからである。
また、第1及び第2の一定値とは、同一値でも良く、車いす搭乗者用として15mm、老人用として300mmを例示できる。
【0025】
指令生成部806は、第1の検出器804aが第1の検出信号を発生すると、モータ14を回転して引戸3を開放端まで移動して停止するように開閉指令部602に開放指令信号を入力するように形成されている。さらに、指令生成部806は、第2の検出器804bが第2の検出信号を発生すると、モータ14を回転して引戸3を閉鎖端まで移動して停止するように開閉指令部602に閉鎖指令信号を入力するように形成されている。
【0026】
指令入力部900は、引戸3に対して表側に設けられると共に、押すことにより戸開閉指令を発生する第1の操作釦スイッチ901と、引戸3に対して裏側に設けられると共に、押すことにより戸開閉指令を発生する第2の操作釦スイッチ902と、が開閉指令部602に入力されるように形成されている。
【0027】
このように構成された自動ドアの制御装置の動作を図1から図3を参照して説明する。
指令発生部900からの動作指令信号により引戸3がモータ制御部600及びモータ駆動部500を介してモータ14を回転して動作すると、動作判断部630は速度検出部620からの速度検出信号により引戸3が動作していると判断する(ステップS101)。ここで、車いすの介護者が引戸3を止めると、挟圧検知部640は、電流検出信号、速度偏差信号などから引戸3に加わった圧力が所定値以上であるとことを検知し(ステップS103)、開閉指令部602から引戸3の停止指令信号を発生してモータ駆動部500を介してモータ14の回転を停止して引戸3を半開放状態で停止する(ステップS105)。これにより、停止検出部802が引戸3を半開放状態で停止したことを検出する。
【0028】
引戸3が停止でモータ駆動部500がオフの状態から、車いす搭乗者が引戸3を開放方向に第1の一定の距離値を移動して第1の速度値以下になると、第1の検出器804aが第1の検出信号を発生して(ステップS107)、指令生成部806は、開放指令信号を発生して開閉指令部602等及びモータ駆動部500を介してモータ14を回転して引戸3を開放方向に移動して開放端で停止する(ステップS109)。
一方、上記引戸3が停止でモータ駆動部500がオフの状態から、車いす搭乗者が引戸3を閉鎖方向に第2の一定の距離値を移動させて第2の速度値以下になると、第2の検出器804bが第2の検出信号を検出して(ステップS107)、指令生成部800は、閉鎖指令信号を発生して開閉指令部602等及びモータ駆動部500を介してモータ14を回転して引戸3を閉鎖方向に移動して閉鎖端で停止する(ステップS109)。
【0029】
また、引戸3が停止してから(ステップS105)、一定時間、例えば10秒経過しても、移動検出部804は引戸3が第1又は第2の一定の距離値以上移動したことを検出しないと(ステップS111)、指令生成部806は、開閉指令部602等及びモータ駆動部500を介してモータ14を回転して引戸3を閉鎖方向に移動して閉鎖端で停止する(ステップS113)。
【0030】
上記実施の形態では、動作中の引戸3を介護者が触れることで挟圧検知部640が圧力を検出して引戸3を停止し、引戸3を半開放状態としたが、閉鎖状態の引戸3を介護者が移動して半開放状態としても良い。なお、この際、指令生成部806は、閉鎖状態からの引戸3の移動であるため、指令信号を生成しないことになる。
【0031】
上記実施の形態では、第1の検出器804aは、引戸3が開放方向に第1の一定の距離値を移動すると共に、第1の所定値以下の速度検出値になったことを検出すると、第1の検出信号を発生するようにしたが、引戸3が開放方向に第1の一定の距離値を移動することのみで第1の検出信号を発生するように形成しても良い。
同様に、第1の検出器804aは、引戸3が閉鎖方向に第2の一定の距離値を移動すると共に、第2の所定値以下の速度検出値になったことを検出すると第2の検出信号を発生するようにしたが、引戸3が閉鎖方向に第2の一定の距離値を移動することのみで第2の検出信号を発生するように形成しても良い。
【0032】
実施の形態2.
本発明の他の実施の形態を図4によって説明する。図4中、図2と同一符号は、同一部分を示し説明を省略する。
図4において、自動ドアの制御装置1100は、引戸3が開放方向に移動して半開放状態にて停止したことを検出する第2の停止検出器を1802と、第2の停止検出器1802が停止を検出した後、引戸3が閉鎖方向に移動したことを検出すると第3の検出信号を発生する第3の検出器1804cとを備え、指令生成部1806は、実施の形態1に加えて、第3の検出信号に基づき引戸3を閉鎖端まで移動するようにモータ制御部600及びモータ駆動部500を介してモータ14を回転する指令信号を生成する、ように形成されている。
【0033】
上記のように構成された自動ドアの制御装置の動作を図1図4図5を参照して説明する。図5中、図3と同一符号は、同一部分を示し説明を省略する。
指令発生部900からの戸開指令信号により引戸3を開放方向にモータ制御部600及びモータ駆動部500を介してモータ14を回転して動作すると、動作判断部630は速度検出部620からの速度検出信号により引戸3が開放方向に動作していると判断する(ステップS201)。ここで、介護者が引戸3を止めると、挟圧検知部640は、電流検出信号、速度偏差信号などから引戸3に加わった圧力が所定値以上であるとことを検知し(ステップS203)、開閉指令部602から引戸3の停止指令信号を発生してモータ駆動部500を介してモータ14の回転を停止して引戸3を半開放状態で停止する(ステップS205)。これにより、第2の停止検出部1802が引戸3を開放方向で半開放状態で停止したことを検出する。
【0034】
引戸3が停止でモータ駆動部500がオフの状態から、介護者が引戸3を閉鎖方向に僅かに移動したことを検出すると、第3の検出器1804cが第3の検出信号を発生して(ステップS207)、指令生成部1806は、開放指令信号を発生して開閉指令部602等及びモータ駆動部500を介してモータ14を回転して引戸3を閉鎖端まで移動して停止する(ステップS209)。
なお、上記実施の形態では、自動で引戸3を開放して、引戸3の圧力が所定値以上であることを検知して引戸3を停止して、引戸3の半開放状態を得たが、引戸3を手動により移動して半開放状態を得ても良い。
【0035】
本発明は、上記発明の実施の形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
100 自動ドアの制御装置、52 エンコーダ(位置検出手段)、500 モータ駆動部(モータ駆動手段)、600 モータ制御部(モータ制御手段)、606 速度検出部(速度検出手段)、630 動作判断部(動作判断手段)、640 挟圧検出部(圧力検出手段)、802 第1の停止検出部(第1の停止検出手段)、804a 第1の検出器(第1の検出手段)、804b 第2の検出器(第2の検出手段)、806,1806 指令生成部(指令生成手段)、1802 第2の停止検出部(第2の停止検出手段)、1804c 第3の検出器(第3の検出手段)。
図1
図2
図3
図4
図5