(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-210941(P2017-210941A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】ダイアフラムポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/02 20060101AFI20171102BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
F04B43/02 C
F04B43/02 M
F04B43/02 D
B41J2/175 501
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-106049(P2016-106049)
(22)【出願日】2016年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】391040870
【氏名又は名称】紀州技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100117097
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 充浩
(72)【発明者】
【氏名】竹本 博人
【テーマコード(参考)】
2C056
3H077
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056FA05
2C056KA01
3H077AA06
3H077BB03
3H077CC02
3H077CC09
3H077DD02
3H077EE37
3H077FF14
3H077FF43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】保守性に優れたシンプルな構造のダイアフラムポンプを提供する。
【解決手段】ダイアフラムポンプは、ダイアフラムに取り付けられたピストン5を前進させるピストン駆動手段を除いて、他の部材をユニットとして一体化した点を特徴としている。そしてダイアフラムユニット1は、ダイアフラム室21、入口ポート23、出口ポート25等が設けられたユニット本体と、ピストンを、ユニット本体に対して往復動自在に支持するピストン支持部材6とで構成されている。更に、ピストン支持部材には、圧縮コイルバネ62の反発力を利用してピストンを後退させ、入口ポートから液体を自律的に吸い込む自律吸込機構と、圧縮コイルバネ64の反発力を利用して、ダイアフラム室内の圧力が高まったときに圧力の上昇を抑えるダンパ機構とが組み込まれている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイアフラムの変形に伴って容積が拡大および縮小するダイアフラム室を有し、前記ダイアフラムに取り付けられたピストンの往復動によって前記ダイアフラム室の容積を拡大および縮小させ、入口ポートから吸い込んだ液体を出口ポートから吐出するダイアフラムユニットと、
当該ダイアフラムユニットとは分離して構成され、前記ピストンを一定の周期で前進させるピストン駆動手段と、を備え、
前記ダイアフラムユニットは、
前記ダイアフラム室、入口ポート、出口ポート、および前記ダイアフラム室と前記各ポートとを結ぶ流路が設けられたユニット本体と、
前記ピストンを、前記ユニット本体に対して往復動自在に支持するピストン支持部材とで構成され、
当該ピストン支持部材には、
圧縮コイルバネの反発力を利用して前記ピストンを後退させ、前記入口ポートから液体を自律的に吸い込む自律吸込機構と、
圧縮コイルバネの反発力を利用して、前記ダイアフラム室内の圧力が高まったときに圧力の上昇を抑えるダンパ機構と、が組み込まれていることを特徴とするダイアフラムポンプ。
【請求項2】
前記ピストン支持部材は、中心部に前記ピストンを摺動自在に支持する孔が形成され、かつ前記ユニット本体に形成された円筒状の開口部に摺動自在に支持された円柱状のスリーブを備える、請求項1に記載のダイアフラムポンプ。
【請求項3】
前記自律吸込機構は、
前記スリーブを、前記ユニット本体から離れる方向に付勢する第1の圧縮コイルバネと、
前記スリーブの飛び出しを防止する第1のストッパとで構成されている、請求項2に記載のダイアフラムポンプ。
【請求項4】
前記ダンパ機構は、
前記ピストンを、前記スリーブから離れる方向に付勢する第2の圧縮コイルバネと、
前記スリーブに対する前記ピストンの移動範囲を規制する第2のストッパとで構成されている、請求項2または3に記載のダイアフラムポンプ。
【請求項5】
前記第1および第2の圧縮コイルバネとして波形圧縮コイルバネを用いる、請求項4に記載のダイアフラムポンプ。
【請求項6】
前記ユニット本体は、
前記ダイアフラムと共に前記ダイアフラム室を画定する凹部が形成され、更に前記入口ポート、出口ポートおよび流路が形成されたフロントボディと、
前記フロントボディと共に前記ダイアフラムの周辺部を挟み、前記ダイアフラムを前記フロントボディに固定するバックボディとで構成され、
当該バックボディには、前記円筒状の開口部が形成されている、請求項2乃至5のいずれかに記載のダイアフラムポンプ。
【請求項7】
前記ピストン駆動手段として、モータの回転軸に取り付けられた偏心カムを用いる、請求項1乃至6のいずれかに記載のダイアフラムポンプ。
【請求項8】
前記入口ポートおよび出口ポートは、チューブ接続用の継手を着脱する機構を備え、当該継手着脱機構は、
前記入口ポートまたは出口ポートに形成されたスリットと、
前記継手のうち、前記入口ポートまたは出口ポートへ挿入される円筒部の外周に形成されたリング状の溝と、
先端に一対の爪が形成されたポジショナとで構成され、
当該ポジショナの一対の爪を、前記スリットに挿入すると共に、前記継手の円筒部の溝に係合させることにより、前記継手を前記入口ポートまたは出口ポートに装着する、請求項1乃至7のいずれかに記載のダイアフラムポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク等の液体の移送に用いるダイアフラムポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイアフラムポンプは容積移送式ポンプの一種であり、ゴム製や樹脂製の膜で形成されたダイアフラムの往復運動と逆止弁を組み合わせて液体を移送している。
【0003】
ダイアフラムポンプでは、ダイアフラム室に吸い込んだ液体は必ずダイアフラム室から吐出されるため、何等かの理由で吐出側の配管が閉塞していても、ポンプが動いている限り圧力が高まり続けるため、ダイアフラムや構成部品が破損する。
【0004】
これを避けるため、吐出側配管にリリーフ弁を取り付け、ダイアフラム室で発生した過大な圧力を自動的に開放して、構成部品の破損を防止している。一方、リリーフ弁の取り付けは、ポンプの大型化やコストアップの原因となり、更には、構造が複雑になって保守性に問題が生じる。
【0005】
このため、本出願人は、リリーフ弁に代え、圧縮コイルバネを用いてダイアフラム室にかかる圧力の上昇を抑えるダンパ機構を提案した(特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1献記載のダイアフラムポンプは、直方体状のケーシングの内部にピストンを往復動させる駆動手段を収容している。そして駆動手段を用いて、左右側面に取り付けられたユニット内のダイアフラム室の容積を拡縮させ、吸入側ポートから流入した液体を出口ポートから送出している。
【0007】
同文献に記載のダイアフラムポンプでは、ピストンを往復動させる駆動手段に圧縮コイルバネを並列に設置し、何等かの理由でダイアフラムポンプ室の圧力が高まったときに、駆動手段にかかる圧力を圧縮コイルバネで吸収することにより、駆動手段の構成部品が破損するのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014-47624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載のダンパ機構は、駆動手段と並列に設置されていることから、構造的に複雑となり、保守点検に手間がかかるため、改善が求められていた。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、保守性に優れたシンプルな構造のダイアフラムポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため本発明に係るダイアフラムポンプは、
ダイアフラムの変形に伴って容積が拡大および縮小するダイアフラム室を有し、前記ダイアフラムに取り付けられたピストンの往復動によって前記ダイアフラム室の容積を拡大および縮小させ、入口ポートから吸い込んだ液体を出口ポートから吐出するダイアフラムユニットと、
当該ダイアフラムユニットとは分離して構成され、前記ピストンを一定の周期で前進させるピストン駆動手段と、を備え、
前記ダイアフラムユニットは、
前記ダイアフラム室、入口ポート、出口ポート、および前記ダイアフラム室と前記各ポートとを結ぶ流路が設けられたユニット本体と、
前記ピストンを、前記ユニット本体に対して往復動自在に支持するピストン支持部材とで構成され、
当該ピストン支持部材には、
圧縮コイルバネの反発力を利用して前記ピストンを後退させ、前記入口ポートから液体を自律的に吸い込む自律吸込機構と、
圧縮コイルバネの反発力を利用して、前記ダイアフラム室内の圧力が高まったときに圧力の上昇を抑えるダンパ機構と、が組み込まれていることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記ピストン支持部材は、中心部に前記ピストンを摺動自在に支持する孔が形成され、かつ前記ユニット本体に形成された円筒状の開口部に摺動自在に支持された円柱状のスリーブを備えることが好ましい。
【0013】
また前記自律吸込機構は、前記スリーブを、前記ユニット本体から離れる方向に付勢する第1の圧縮コイルバネと、前記スリーブの飛び出しを防止する第1のストッパとで構成されていることが好ましい。
【0014】
前記ダンパ機構は、前記ピストンを、前記スリーブから離れる方向に付勢する第2の圧縮コイルバネと、前記スリーブに対する前記ピストンの移動範囲を規制する第2のストッパとで構成されていることが好ましい。
【0015】
前記第1および第2の圧縮コイルバネとして、波形圧縮コイルバネを用いることが好ましい。
【0016】
また前記ユニット本体は、
前記ダイアフラムと共に前記ダイアフラム室を画定する凹部が形成され、更に前記入口ポート、出口ポートおよび流路が形成されたフロントボディと、
前記フロントボディと共に前記ダイアフラムの周辺部を挟み、前記ダイアフラムを前記フロントボディに固定するバックボディとで構成され、
当該バックボディには、前記円筒状の開口部が形成されていることが好ましい。
【0017】
前記ピストン駆動手段として、モータの回転軸に取り付けられた偏心カムを用いることが好ましい。
【0018】
また前記入口ポートおよび出口ポートは、チューブ接続用の継手を着脱する機構を備え、当該継手着脱機構は、
前記入口ポートまたは出口ポートに形成されたスリットと、
前記継手のうち、前記入口ポートまたは出口ポートへ挿入される円筒部の外周に形成されたリング状の溝と、
先端に一対の爪が形成されたポジショナとで構成され、
当該ポジショナの一対の爪を、前記スリットに挿入すると共に、前記継手の円筒部の溝に係合させることにより、前記継手を前記入口ポートまたは出口ポートに装着することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るダイアフラムポンプにおいては、液体の移送を行う部分をユニット化しており、ユニットが故障した場合には、ユニットを取り替えることによって直ぐに再稼動できるため、保守性が大幅に改善される。また、ピストン駆動手段をユニットとは分離して構成しているために、ポンプの構造が単純化して保守点検が容易となり、更にコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態に係るダイアフラムポンプの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すダイアフラムユニットの正面図(a)、側面図(b)および斜視図(c)である。
【
図3】
図2(a)に示すダイアフラムユニットのA−A線で切断した断面図である。
【
図4】
図1に示すダイアフラムポンプの平面図である。
【
図5】
図4に示すダイアフラムポンプのB−B線で切断した断面図である。
【
図6】本実施の形態にかかるダイアフラムユニットの動作を説明する断面図である(その1)。
【
図7】本実施の形態にかかるダイアフラムユニットの動作を説明する断面図である(その2)。
【
図8】本実施の形態にかかるダイアフラムユニットの動作を説明する断面図である(その3)。
【
図9】本実施の形態にかかるダイアフラムユニットの継手着脱機構の動作を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係るダイアフラムポンプについて、図面を参照して説明する。
【0022】
<ダイアフラムポンプの構成>
本実施の形態に係るダイアフラムポンプは、ダイアフラムに取り付けられたピストンを前進させるピストン駆動手段を除いて、他の部材をユニットとして一体化した点を特徴としている。
【0023】
図1に、本実施の形態に係るダイアフラムポンプの外観を示す。
図1に記載のダイアフラムポンプ10では、平板状の一対のサイドプレート111、フロントプレート112およびリアプレート113を直方体状に組み立てた中空のケーシング11のうち、対向するサイドプレート111、111にダイアフラムユニット1(以降、単に「ユニット」という)を2つずつ、合計で4つ取り付けている。
【0024】
本実施の形態に係るダイアフラムポンプ10は、前述の特許文献1に記載されたコンティニュアス方式のインクジェットプリンタにおいてインクの移送に用いることを前提としている。そして4つのユニット1は、ガターで回収されたインクのインクタンクへの移送、溶剤タンクからの溶剤のインクタンクへの移送、インクタンクからプリントヘッドへのインクの移送およびインクタンク内でのインクの攪拌にそれぞれ用いられる。
【0025】
ケーシング11のフロントプレート112には、ピストン駆動手段12の駆動源であるモータ121がギアボックス122を介して取り付けられている。またフロントプレート112とリアプレート113の間には、ケーシング11の中空部を貫通するようにモータ121のシャフト(回転軸)123が取り付けられている。
【0026】
後述するように、モータのシャフト123には、4つのユニット1のピストンを前進させる4つの偏芯カムが取り付けられており、モータ12の回転に伴って偏芯カムが回転して各ユニット1のピストンを一定の周期で前進させ、それぞれのユニット1において液体の移送が行なわれる。以下、
図2および
図3を用いてユニット1の構成と機能を説明する。
【0027】
<ユニットの構成と機能>
図2は、本実施の形態におけるユニット1の外観を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。また
図3は、
図2(a)に示すユニット1をA−A線で切断した断面図である。
【0028】
ユニット1は、フロントボディ2とバックボディ3で構成されたユニット本体と、ピストン5を、ユニット本体に対して往復動自在に支持するピストン支持部材6とで構成されている。
【0029】
また後述するように、ピストン支持部材6には、圧縮コイルバネの反発力を利用してピストン6を後退させ、入口ポート23から液体を自律的に吸い込む自律吸込機構と、圧縮コイルバネの反発力を利用して、ダイアフラム室21内の圧力が高まったときに圧力の上昇を抑えるダンパ機構とが組み込まれている。
【0030】
図3に示すように、合成樹脂の射出成形により作製されたフロントボディ2の中央部には、ダイアフラム4と共にダイアフラム室21を画定する凹部が形成されている。ダイアフラム室21は、流路22を介して入口ポート23に接続され、また流路24を介して出口ポート25に接続されている。
【0031】
入口ポート23および出口ポート25には、流体移送用のチューブ(図示せず)を接続するための継手7a、7bがそれぞれ取り付けられている。継手7a、7bは後述する着脱機構により、ポートへの取付けと取外しを簡単に行なうことができる。
【0032】
亜鉛ダイカスト製のバックボディ3の中央部には、ピストン支持部材6の構成部材であるスリーブ61を挿入する円筒状の開口部31が形成されており、開口部31には円筒状の金属で作製されたブッシュ32が嵌め込まれている。ブッシュ32の内面は樹脂コーティング層33で覆われており、円柱状のスリーブ61を摺動自在に支持する。
【0033】
バックボディ3は、フロントボディ2とでダイアフラム4の周辺部を挟んだ状態で、ボルトおよびナットを用いて固定される。なお、図中に表示されたボルト、ナット等の一般的な締結手段については、特に符号を付して説明することはしない。以後も同様とする。
【0034】
なお、本実施の形態では、強度と寸法精度を確保するためバックボディ3を亜鉛ダイカストで作製したが、必要な強度を確保できる場合は、フロントボディ2とバックボディ3を同一の樹脂材料を用いて一体成形し、それをユニット本体として用いてもよい。
【0035】
ダイアフラム4は円板状のゴムで作製され、中心部にピストン5を挿入する孔が形成され、周辺部には厚肉の鍔部41がリング状に形成されている。鍔41をフロントボディ2とバックボディ3で挟むことにより、ダイアフラム4の周辺部はフロントボディ2に対して固定される。
【0036】
合成樹脂で作製された円柱状のピストン5の前部(紙面に向かって左側)にはリング状のフランジ51が形成されている。ダイアフラム4の中心部に形成された孔にピストン5の前端部を挿入した状態で、ダイアフラム4をピストン5のフランジ51と円板状のキャップ52で挟み、タッピングビス53を用いて固定する。
【0037】
ダイアフラム4は、ピストン5のフランジ51とキャップ52で挟まれた状態においては、ピストン5と一体となって移動するため、ピストン5が前後方向に往復動すると、ダイアフラム4は、それに合わせて変形する。ダイアフラム室21の容積は、ピストン5が後退(紙面に向かって右方向に移動)すると拡大し、前進(同じく左方向に移動)すると縮小する。
【0038】
入口ポート23とダイアフラム室21の間の流路22には逆止弁8aが配置され、またダイアフラム室21と出口ポート25の間の流路24には逆止弁8bが配置されている。逆止弁8a、8bは同一の構造を有し、円筒状のチェックバルブフレーム81および82によって形成された中空部にボール83とOリング84が収容されている。
【0039】
ピストン5が後退(右方向に移動)し、ダイアフラム室21の容積が拡大すると、ダイアフラム室21内の圧力が低下して、逆止弁8bのボール83はOリング84に押さえつけられて弁が閉じる。これに対し、逆止弁8aのボール83は上方に移動して弁が開き、入口ポート23から吸い込まれた液体が流路22を通ってダイアフラム室21に流入する。
【0040】
一方、ピストン5が前進(左方向に移動)し、ダイアフラム室21の容積が縮小すると、ダイアフラム室21内の圧力が増加し、逆止弁8aのボール83はOリング84に押さえつけられて弁が閉じる。これに対し、逆止弁8bのボール83は上方に移動して弁が開き、出口ポート25から流体が外部に吐出される。このようにピストン5が左右に移動することにより、入口ポート23から液体が吸い込まれ、出口ポート25から液体が吐出される。
【0041】
次に、入口ポート23から液体を自律的に吸い込む自律吸込機構、およびダイアフラム室21の圧力が異常に高まったときに圧力の上昇を抑えるダンパ機構が組み込まれたピストン支持部材6について説明する。ピストン支持部材6は、スリーブ61、自律吸込機構を実現する圧縮コイルバネ62およびピストンストッパ63、ならびにダンパ機構を実現する圧縮コイルバネ64およびワッシャ65で構成されている。
【0042】
本実施の形態では、圧縮コイルバネ62および64として波形圧縮コイルバネを用いている。波形圧縮コイルバネは、一般的な圧縮コイルバネのおよそ半分の高さで同等の加重を発生することができるため、軽量でコンパクトなピストン支持手段6を実現できる。
【0043】
最初に、自律吸込機構について説明する。バックボディ3の円筒状の開口部31の外周には、リング状のスペーサ34と圧縮コイルバネ62が挿入されている。圧縮コイルバネ62の前端はスペーサ34に接し、後端はスリーブ61の後端に形成されたフランジ66に接している。
【0044】
スリーブ61は、圧縮コイルバネ62の反発力によってバックボディ3から離れる方向に付勢され、その一方で、ユニット1をケーシング11から取り外した時に、スリーブ61が飛び出してダイアフラム4が変形するのを防止するため、ピストンストッパ63によってバックボディ3と一定の間隔を保った状態で保持されている。
【0045】
ピストンストッパ63は、金属板をプレス加工したもので、
図2に示すように、ピストン支持部材6を囲むような形状を有し、左右前端には、バックボディ3の側面に係止される爪631が形成され、後部には、キャップ69を通す開口632が形成されている。圧縮コイルバネ62を圧縮した状態において、ピストンストッパ63の左右の爪631をバックボディ3の側面に係止することにより、バックボディ3と一定の間隔を保った状態で保持される。
【0046】
次に、ダンパ機構について説明する。前述したように、円柱状のスリーブ61の中心部には、円柱状のピストン5を摺動自在に支持する孔が形成されている。またスリーブ61の前側(ダイアフラム4側)には、円筒状の溝67が形成され、そこに圧縮コイルバネ64が収容されている。
【0047】
図3に示すように、圧縮コイルバネ64の前端部はピストン5のフランジ51に接している。一方、ピストン5の後端には、タッピングビス54を用いてワッシャ65が固定されており、ワッシャ65の前部はスリーブ61の後端に接している。
【0048】
ワッシャ65はストッパとしての機能を発揮し、圧縮コイルバネ64を圧縮した状態において、ワッシャ65をピストン5の後端に固定することにより、ピストン5はスリーブ61から離れる方向に付勢され、かつストッパ(ワッシャ65)により移動範囲が規制され、スリーブ61と一定の間隔を保った状態で保持される。
【0049】
なお、スリーブ61の後端には、円柱状の開口部68が形成され、その開口部68に有底円筒型のキャップ69が嵌め込まれている。
【0050】
最後に、漏水検知センサ9について説明する。
図2および
図3に示すように、フロントボディ2とバックボディ3に挟まれるように漏水検知センサ9が設置されている。
【0051】
漏水検知センサ9は、長尺のフレキシブルプリント基板の一方の面に一対の導線を形成すると共に、導線の両端部を除いて絶縁性の樹脂で被覆したもので、ダイアフラムが破損して液体がダイアフラム室21の外に漏洩し、それが導線の先端に付着して導線間が短絡したときに、図示しない短絡検知器で検知するものである。
【0052】
短絡検知器(図示せず)は、検知された短絡信号に基づいて警告灯を点灯させ、またはスピーカから警告音を発して、ダイアフラム4が破損したことを作業者に知らせる。警告灯または警告音によりダイアフラム4が破損したことを知った作業者は、モータ121を止めてポンプ10の稼動を停止する。作業者がダイアフラム4を取り替えた後、ポンプ10を再稼動する。
【0053】
次に、前述の
図1、ならびに
図4および
図5を参照して、ピストン駆動手段12の構成と機能について説明する。ピストン駆動手段12は、モータ121の回転運動をピストン5の前進運動に変換するものである。
図4はダイアフラムポンプ10を上方から見た図、
図5は、
図4に示したダイアフラムポンプ10をB−B線で切断した断面図である。
【0054】
前述したように、本実施の形態に係るダイアフラムポンプ10では、4つのユニット1を同時に駆動するように構成されており、ケーシング11の左右一対のサイドプレート111には、ユニット1が2つずつ取り付けられており、これら4つのユニット1を1つの駆動手段12を用いて駆動する。
【0055】
図4に示すように、フロントプレート112には、ギアボックス122を介してモータ121が取り付けられ、モータ121の回転がギアボックス122で減速されたのち、シャフト123に伝達される。
【0056】
シャフト123の他方の端は軸受126によって支持されており、軸受126は、図示しないビスを用いてリアプレート113に固定されている。なお、
図4に示すシャフト114は、ケーシング11の補強材であり、フロントプレート112とリアプレート113をネジで固定することにより、ケーシング11の強度を増している。
【0057】
本実施の形態では、モータ121として、駆動トルクの大きいアウターロータ型のモータを採用している。なお、モータ212とギアボックス122の間には、駆動用のコイルが配置された平板状のプリント基板124が設置されており、プリント基板の一部に放熱板125が取り付けられている。
【0058】
シャフト123には、4つのユニット1のそれぞれのピストン5を前進させる4つの偏心カム124が取り付けられている。
図5に示すように、シャフト123の外周部に偏心カム124が固定され、更に偏心カム124の外周部に三層構造のベアリング125が取り付けられている。
【0059】
モータ121が回転すると、シャフト123と偏心カム124が回転する。ベアリング125は、ユニット1の後方に突出したキャップ69に接する位置に設けられており、シャフト123が矢印で示す方向に回転すると、偏心カム124の回転運動がベアリング125を介してピストン5の前進運動に変換され、各ユニット1のピストン5が往復運動を繰り返す。
【0060】
前述したように、各ユニット1のピストン支持部材6には自律吸込機構が組み込まれており、偏心カム124の回転に伴ってキャップ69と接する位置が後退すると、ピストン5は圧縮コイルバネ62の反発力によって後退し、
図3に示す位置、すなわちダイアフラム室21の容積が最大となる位置まで戻り、入口ポート23から液体を自律的に吸い込む。
【0061】
なお、圧縮コイルバネ62の強さは、移送される液体の粘性の程度を考慮して決定する。粘性が高い液体を移送する場合は、それに応じて圧縮コイルバネ62の強さを強くしないと、液体の移送に支障が生じる。
【0062】
また、本実施の形態にかかるダイアフラムポンプ10では、シャフト123に取り付けられた4つの偏心カム124は90度ずつ位相がずれており、偏心カム124の回転によって生ずる振動を最小限に抑えている。
【0063】
<ユニットの動作>
次に、
図6〜
図8を参照してユニット1の動作を説明する。最初に、
図6に基づいて、ダイアフラム室21を縮小して出口ポート25から液体を吐出する際の動作を説明する。
【0064】
図6は、前述の
図3のダイアフラム室21、流路22、24、入口ポート23、出口ポート25、および継手7a、7b内が液体Lで満たされた状態において、ピストン5が前進する前の状態を示している。
【0065】
ピストン保持部材6のスリーブ61は、圧縮コイルバネ62とピストンストッパ63の働きによってバックボディ3から一定の距離隔てた状態で保持され、またピストン5は圧縮コイルバネ64およびストッパ(ワッシャ65)の働きによってスリーブ61から一定の距離隔てた状態で保持されている。
【0066】
偏心カム124の働きによってキャップ69が矢印Aに示す方向に押され、スリーブ61が前進すると、それに合わせてピストン5が前進し、ダイアフラム室21の圧力が高まる。ダイアフラム室21の圧力の高まりに伴って、逆止弁8bのボール83が上方に押し上げられ、矢印で示すように、ダイアフラム室21内の液体Lが出口ポート25に圧送される。
【0067】
図7に、ピストン5が前進して、ダイアフラム室21の容積が最小となった状態を示す。この状態では、スリーブ61の後端とピストンストッパ63との間に隙間ができている。この後、偏心カム124の回転に伴ってキャップ69との接触位置が後退し、キャップ69を押す力が弱まると、圧縮コイルバネ62の反発力によってスリーブ61およびピストン5が矢印Bで示す方向に後退し、ダイアフラム室21内の圧力が低下する。
【0068】
ダイアフラム室21内の圧力が低下すると、逆止弁8aのボール83が上方に押し上げられ、矢印で示すように、入口ポート23内の液体Lがダイアフラム室21内に吸い込まれる。
【0069】
図6および
図7に示す動作を繰り返すことにより、ダイアフラム室21の容積が拡大および縮小し、継手7aを介して外部から入口ポート23に流入した液体Lは、出口ポート25から継手7bを介して外部に送出される。
【0070】
次に、
図8に示す図面に基づき、出口ポート25に接続されたチューブ(図示せず)が何らかに理由で詰まった場合の動作を説明する。この状態においても、ピストン5の往復動によって、吸引側ポート23からダイアフラム室21への液体Lの流入は引き続いて行なわれる。
【0071】
しかし、出口ポート25に接続されたチューブが詰まっており、ダイアフラム室21から出口ポート25への液体の移送が行なわれないために、ダイアフラム室21の圧力が次第に高まっていく。
【0072】
ダイアフラム室21の圧力が一定の値を超えると、
図8に示すように、偏心カム124の回転に伴ってスリーブ61が前進しても、圧縮コイルバネ64がダイアフラム室21の圧力によって圧縮されてピストン5は前進しない。このため、ダイアフラム室21内の液体Lは出口ポート25に押し出されず、また入口ポート23からの液体Lの流入もないため、ダイアフラム室21の容積が最大のままで圧力の上昇が抑えられる。
【0073】
上述したように、本実施の形態に係るダイアフラムポンプ10においては、ユニット1に自律吸込機構を組み込むことにより、ピストン駆動手段12の機能を、一定の周期でピストンを前進させる機能に限定している。すなわち、ピストン駆動手段12の機能を、キャップ69を押す機能に特化させることにより、ピストン駆動手段12をユニット1から分離することが可能となり、結果として、ダイアフラムポンプの構造を単純化してコストダウンを図ることができる。
【0074】
更に、ピストン支持部材6にダンパ機構を組み込むことにより、前述したリリーフ弁と同様の機能を実現しており、ダイアフラム室21の圧力の上昇を抑えることによって、ダイアフラム4やその他の構成部品が破損するのを防止している。
【0075】
<ポートの着脱機構>
次に、
図9を参照して、継手7a、7bの着脱機構について説明する。継手着脱機構により、入口ポート23および出口ポート25への継手7aおよび7bの取り付けと取り外しを簡単に行うことができる。
【0076】
図9(a)〜(c)に、継手7bを出力側ポート25に取り付ける工程を示す。なお、説明の都合上、継手7bの形状を、
図2に示したものとは若干変更している。
【0077】
図9(a)に示すように、継手7bは、出口ポート25に挿入する円筒部71と、液体移送用のチューブを取り付けるチューブ取付部72とで構成されており、円筒部71とチューブ取付部72は互いに直交し、内部に液体を通す流路が形成されている。更に、円筒部71の外周にリング状の溝73が形成されている。一方、出口ポート25の対応する箇所には、一対のスリット26が形成されている。
【0078】
ポジショナ74は、継手7bの円筒部71を出口ポート25に取り付けるための部材で、L字状に折り曲げられた板状の部材の先端に継手7bの溝73に嵌合する一対の爪741が形成されており、ポジショナ74の幅は、出口ポート25に形成されたスリット26の幅よりも若干狭くなっている。
【0079】
出口ポート25に継手7bを取り付ける際、
図9(b)に示すように、継手7bの円筒部71を出口ポート25の中空部に挿入し、円筒部71の先端を逆止弁8bの上端に接触させる(
図3参照)。この状態においては、円筒部71のリング状の溝73がスリット26に対向している。なお、
図3に示すOリング85は、出口ポート25と継手7bとの間から液体が漏れるのを防止するものである。
【0080】
次に、ポジショナ74の一対の爪741をスリット26に挿入する。
図9(c)に、ポジショナ74の一対の爪741がスリット26に完全に挿入され、継手7bが出口ポート25に取り付けられた状態を示す。
【0081】
前述したように、ポジショナ74の一対の爪741の間隔は、継手7bのリング状の溝73の幅とほぼ等しいため、継手7bは、爪731が溝26に嵌り合った状態で位置決めされ、かつ出口ポート7bに対して固定される。この状態においては、継手7bの円筒部71を出口ポート25に対して回転させることができるため、チューブ取付部72の向きを自由に変えることができる。
【0082】
継手7bを出口ポート25から取り外す際には、スリット26からポジショナ74を抜き取った後、円筒部71を出口ポート25から取り出す。入口ポート23への継手7aの取り付けおよび取り外しについても、継手7bと同様の手順によって行なうことができる。
【0083】
以上説明したように、本発明に係るダイアフラムポンプにおいては、液体の移送を行うポンプ部分をユニット化しており、ユニットが故障した場合には、ユニットを取り替えることによって直ぐに再稼動できる。また、ピストン駆動手段をユニットとは分離して構成しているために、ポンプの構造が単純化して保守点検が容易となり、更にコストダウンを図ることができる。
【0084】
なお、上述した実施の形態では、ピストン駆動手段として、モータのシャフトに偏心カムを取り付けたものを用いたが、これに限定されない。ピストンを一定の周期で前進させることができるものであれば、エアーシリンダー等の他の手段を用いても良い。
【0085】
また、上述した実施の形態では、ダイアフラムポンプを、コンティニュアス方式のインクジェットプリンタにおけるインクの移送手段として用いる場合について説明したが、ポンプの用途はこれに限定されない。粘性の低い液体、例えば、アンモニア水、水、薬品等の液体の移送に広く使用できる。
【符号の説明】
【0086】
1 ダイアフラムユニット
2 フロントボディ
3 バックボディ
4 ダイアフラム
5 ピストン
6 ピストン支持部材
7a、7b 継手
8a、8b 逆止弁
10 ダイアフラムポンプ
11 ケーシング
12 ピストン駆動手段
21 ダイアフラム室
22、24 流路
23 入口ポート
25 出口ポート
31、68 開口部
32 ブッシュ
33 樹脂コーティング層
34 スペーサ
41 鍔部
51、66 フランジ
52、69 キャップ
53、54 タッピングビス
61 スリーブ
62、64 圧縮コイルバネ
63 ピストンストッパ
65 ワッシャ
67、73 溝
71 円筒部
72 チューブ接続部
74 ポジショナ
81、82 チェックバルブフレーム
83 ボール
84、85 Oリング
111 サイドプレート
112 フロントプレート
113 リアプレート
121 モータ
122 ギアボックス
123 シャフト
124 偏心カム
125 ベアリング
126 軸受
【手続補正書】
【提出日】2017年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
シャフト123には、4つのユニット1のそれぞれのピストン5を前進させる4つの偏心カム
127が取り付けられている。
図5に示すように、シャフト123の外周部に偏心カム
127が固定され、更に偏心カム
127の外周部に三層構造のベアリング
128が取り付けられている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
モータ121が回転すると、シャフト123と偏心カム
127が回転する。ベアリング
128は、ユニット1の後方に突出したキャップ69に接する位置に設けられており、シャフト123が矢印で示す方向に回転すると、偏心カム
127の回転運動がベアリング
128を介してピストン5の前進運動に変換され、各ユニット1のピストン5が往復運動を繰り返す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
前述したように、各ユニット1のピストン支持部材6には自律吸込機構が組み込まれており、偏心カム
127の回転に伴ってキャップ69と接する位置が後退すると、ピストン5は圧縮コイルバネ62の反発力によって後退し、
図3に示す位置、すなわちダイアフラム室21の容積が最大となる位置まで戻り、入口ポート23から液体を自律的に吸い込む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
偏心カム
127の働きによってキャップ69が矢印Aに示す方向に押され、スリーブ61が前進すると、それに合わせてピストン5が前進し、ダイアフラム室21の圧力が高まる。ダイアフラム室21の圧力の高まりに伴って、逆止弁8bのボール83が上方に押し上げられ、矢印で示すように、ダイアフラム室21内の液体Lが出口ポート25に圧送される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
図7に、ピストン5が前進して、ダイアフラム室21の容積が最小となった状態を示す。この状態では、スリーブ61の後端とピストンストッパ63との間に隙間ができている。この後、偏心カム
127の回転に伴ってキャップ69との接触位置が後退し、キャップ69を押す力が弱まると、圧縮コイルバネ62の反発力によってスリーブ61およびピストン5が矢印Bで示す方向に後退し、ダイアフラム室21内の圧力が低下する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
次に、
図8に示す図面に基づき、出口ポート25に接続されたチューブ(図示せず)が何らかに理由で詰まった場合の動作を説明する。この状態においても、ピストン5の往復動によって、
入口ポート23からダイアフラム室21への液体Lの流入は引き続いて行なわれる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
ダイアフラム室21の圧力が一定の値を超えると、
図8に示すように、偏心カム
127の回転に伴ってスリーブ61が前進しても、圧縮コイルバネ64がダイアフラム室21の圧力によって圧縮されてピストン5は前進しない。このため、ダイアフラム室21内の液体Lは出口ポート25に押し出されず、また入口ポート23からの液体Lの流入もないため、ダイアフラム室21の容積が最大のままで圧力の上昇が抑えられる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
図9(a)に示すように、継手7bは、出口ポート25に挿入する円筒部71と、液体移送用のチューブを取り付けるチューブ取付部72とで構成されており、円筒部71とチューブ取付部72は互いに直交し、内部に液体を通す流路が形成されている。更に、円筒部71の外周にリング状の溝73が形成されている。一方、出口ポート25の対応する箇所には
スリット26が形成されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
前述したように、ポジショナ74の一対の爪741の間隔は、継手7bのリング状の溝73の幅とほぼ等しいため、継手7bは、爪
741が溝
73に嵌り合った状態で位置決めされ、かつ出口ポート7bに対して固定される。この状態においては、継手7bの円筒部71を出口ポート25に対して回転させることができるため、チューブ取付部72の向きを自由に変えることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】