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特開2017-211244圧力検出装置、および圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-211244(P2017-211244A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】圧力検出装置、および圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプ
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20171102BHJP
   G01L 19/14 20060101ALI20171102BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
   G01L9/00 303P
   G01L19/14
   H01L29/84 B
   H01L29/84 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-103562(P2016-103562)
(22)【出願日】2016年5月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】日本電産トーソク株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100134599
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】小林 喜幸
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
(72)【発明者】
【氏名】上村 恵宏
【テーマコード(参考)】
2F055
4M112
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD05
2F055EE14
2F055GG01
2F055GG25
4M112AA01
4M112BA01
4M112CA03
4M112CA04
4M112CA08
4M112CA12
4M112CA13
4M112DA18
4M112EA03
4M112EA13
4M112FA20
4M112GA01
(57)【要約】
【課題】部品点数を減らし小型化を図る圧力検出装置および圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプを提供する。
【解決手段】圧力検出装置100は、第1の面と第1の面の垂直方向裏側に位置する第2の面12とを有し、開口部13を備えるベース板10と、開口部13を覆って第1の面に配置され、開口部13内の被測定流体の圧力に応じた電気信号を出力する圧力センサと、圧力センサに電気的に接続されるリード端子30と、ベース板10およびリード端子30を保持し、リード端子30の一部が露出される露出部41を備えるハウジング40と、圧力センサを保護するコンデンサ50と、を有し、ハウジング40は、コンデンサ50を装着でき、装着されたコンデンサ50が露出部41内のリード端子30に電気的に接続されるコンデンサ収容部42と、コンデンサ収容部42に装着されたコンデンサ50をコンデンサ収容部42内で位置決めする位置決め部60と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と前記第1の面の垂直方向裏側に位置する第2の面とを有し、開口部を備えるベース板と、
前記ベース板の前記開口部を覆って前記第1の面に配置され、前記開口部内の被測定流体の圧力に応じた電気信号を出力する圧力センサと、
前記圧力センサに電気的に接続されるリード端子と、
前記ベース板および前記リード端子を保持し、前記リード端子の一部が露出される露出部を備えるハウジングと、
前記圧力センサを保護するコンデンサと、を有し、
前記ハウジングは、前記コンデンサを装着でき、装着された前記コンデンサが前記露出部内の前記リード端子に電気的に接続されるコンデンサ収容部と、前記コンデンサ収容部に装着された前記コンデンサを前記コンデンサ収容部内で位置決めする位置決め部と、を備える、
ことを特徴とする圧力検出装置。
【請求項2】
前記リード端子は、前記開口部の中心軸から離れる方向に向かって、前記ベース板の外側に延び、
前記位置決め部は、前記リード端子が延びる方向に交わる方向から前記コンデンサを挟む第1の位置決め部を備え、
前記ハウジングは、前記コンデンサ収容部から前記リード端子の先端側に向かって開口し、前記コンデンサを側方から内側に向けて出し入れ可能な挿入口を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力検出装置。
【請求項3】
前記位置決め部は、前記第1の位置決め部が前記コンデンサを挟む方向と直交する方向において前記コンデンサ上に位置し、前記コンデンサの位置を決める第2の位置決め部を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の圧力検出装置。
【請求項4】
前記コンデンサは、コンデンサ本体と1対のリード部とを備え、
前記コンデンサ収容部は、前記1対のリード部の間に位置して絶縁する絶縁部を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧力検出装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記圧力センサの前記被測定流体の圧力を受ける面の裏面を覆う密閉された圧力基準室を形成する蓋部材を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧力検出装置。
【請求項6】
回転軸を備えたモータと、
前記モータによって駆動されるポンプ体と、
前記ポンプ体のセンサ用流路に連通して固定される請求項1から5のいずれかに記載の前記圧力検出装置と、
前記モータと、前記ポンプ体と、前記圧力検出装置とを格納するケース体とを備える、
ことを特徴とする圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出装置、および圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
気体、液体等の流体の圧力を測定するために、半導体式圧力センサを用いた圧力検出装置が使用されている。特許文献1には、圧力導入口を備えた金属ベース板と、ベース板の圧力導入口を介して流体圧を受ける圧力センサと、圧力センサにワイヤボンディングを介して接続される回路基板と、回路基板に実装される半導体式圧力センサの外来ノイズに対する耐力を確保するコンデンサと、を備える圧力検出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−257663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている圧力検出装置は、電源用の電極端子とグランド用の電極端子との間、及び出力用の電極端子とグランド用の電極端子との間にそれぞれ回路基板に実装したコンデンサを接続しているため、回路基板が必要であり、その分だけ収容スペースや部品点数が増大し、圧力検出装置が大型化するという問題がある。
今般、このような圧力検出装置をモータとモータの回転軸で駆動されるポンプ体とをケースに収めた電動油圧ポンプ内に格納する検討も行われているが、圧力検出装置が大型化すると電動油圧ポンプ自体も大型化し、ポンプ設置場所に制約を受けるなどの問題も生じていた。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、部品点数を減らし小型化を図ることができる圧力検出装置、および圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の圧力検出装置は、
第1の面と前記第1の面の垂直方向裏側に位置する第2の面とを有し、開口部を備えるベース板と、
前記ベース板の前記開口部を覆って前記第1の面に配置され、前記開口部内の被測定流体の圧力に応じた電気信号を出力する圧力センサと、
前記圧力センサに電気的に接続されるリード端子と、
前記ベース板および前記リード端子を保持し、前記リード端子の一部が露出される露出部を備えるハウジングと、
前記圧力センサを保護するコンデンサと、を有し、
前記ハウジングは、前記コンデンサを装着でき、装着された前記コンデンサが前記露出部内の前記リード端子に電気的に接続されるコンデンサ収容部と、前記コンデンサ収容部に装着された前記コンデンサを前記コンデンサ収容部内で位置決めする位置決め部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプは、
回転軸を備えたモータと、
前記モータによって駆動されるポンプ体と、
前記ポンプ体のセンサ用流路に連通して固定される圧力検出装置と、
前記モータと、前記ポンプ体と、前記圧力検出装置とを格納するケース体とを備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、部品点数を減らし小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の圧力検出装置の一実施の形態に係る平面図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る左側面図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る底面図である。
図4】本発明の一実施の形態に係る図3中のX−X断面図である。
図5】本発明の一実施の形態に係る図3中のY−Y断面図である。
図6】本発明の一実施の形態に係る表裏を反転した概略斜視図である。
図7】本発明の他の一実施の形態に係る底面図である。
図8】本発明の一実施の形態に係る図7中のZ−Z断面図である。
図9】本発明の圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプの一実施の形態に係る部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態)
以下、本発明を実施するための形態に係る圧力検出装置、および圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプを、図面を参照しながら説明する。
本発明の圧力検出装置100は、第1の面11と第1の面11の垂直方向裏側に位置する第2の面12とを有し、開口部13を備えるベース板10と、ベース板10の開口部13を覆って第1の面11に配置され、開口部13内の被測定流体の圧力に応じた電気信号を出力する圧力センサ20と、圧力センサ20に電気的に接続されるリード端子30と、ベース板10およびリード端子30を保持し、リード端子30の一部が露出される露出部41を備えるハウジング40と、圧力センサ20を保護するコンデンサ50と、を有し、ハウジング40は、コンデンサ50を装着でき、装着されたコンデンサ50が露出部41内のリード端子30に電気的に接続されるコンデンサ収容部42と、コンデンサ収容部42に装着されたコンデンサ50をコンデンサ収容部42内で位置決めする位置決め部60と、を備えて構成される。
【0011】
本実施の形態に係る圧力検出装置100は、図1図6に示すように、ベース板10と、圧力センサ20と、リード端子30と、ハウジング40と、コンデンサ50と、位置決め部60と、を備える。
【0012】
ハウジング40は、中央部に位置する略円筒状に形成されたハウジング本体43と、ハウジング本体43の中央部から両側に斜めに突き出して外側に位置する略矩形の露出部41およびコンデンサ収容部42と、ハウジング本体43の中央部から左右両側に突き出して外側に位置する取付対象への固定部44とを備えて構成され、ハウジング本体43は、蓋部材45を備えている。
ハウジング40は、例えばPPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂などの電気的に絶縁性を有する樹脂により露出部41およびコンデンサ収容部42と、ハウジング本体43と、取付対象への固定部44とが一体に形成されている。
ハウジング本体43は、ベース板10、圧力センサ20およびリード端子30を収容する。
【0013】
露出部41は、ハウジング本体43の中心部から離れる方向の先端部に形成されている。露出部41は、ハウジング本体43の中心軸方向(ベース板10の第1の面11から第2の面12に向かう垂直方向)の裏面側が開口し、ハウジング本体43に収容されたリード端子30の一部が露出される。
コンデンサ収容部42は、コンデンサ50のコンデンサ本体51を収容し、コンデンサ収容部42と連通する露出部41にコンデンサ50のリード部52を露出させる。
すなわち、コンデンサ収容部42の一部が露出部41を構成し、コンデンサ収容部42に収容されたコンデンサ50のリード部52が露出部41に露出している。
【0014】
コンデンサ収容部42は、ベース板10の中心部の開口部13から離れる方向の先端側が開口してコンデンサ50の挿入口47とされ、挿入口47以外の周囲三方が壁面で囲まれている。コンデンサ収容部42は、露出部41と同様、ハウジング本体43の中心軸方向(ベース板10の第1の面11から第2の面12に向かう垂直方向)の裏面側が開口している。
すなわち、コンデンサ収容部42は、ハウジング本体43の表裏方向(例えば、垂直方向)では、裏面側が開口し、表裏方向と直交する平面上(例えば、水平面上)では、ベース板10の中心から離れる方向の先端側が挿入口47として開口し、挿入口47以外の周囲が壁面で囲まれた空間となっている。
これにより、コンデンサ50は、挿入口47から中心側(内側)にスライドさせて側方(外側)からコンデンサ収容部42に装着できるようになっている。
【0015】
ハウジング40は、取付対象に固定するための固定部44を備えている。
取付対象への固定部44は、ハウジング本体43の左右両側に配置され、それぞれに取付孔が形成されており、圧力検出装置100を被検出体である取付対象に取り付けるための部分である。固定部44は、取付孔に金属製カラー46が取り付けられて補強されている。ハウジング本体43の両側に取付対象への固定部44を配置することで、取付対象が円板状の被検出体であってもその外周縁部に沿って圧力検出装置100を取り付けることができる。
本実施形態では、ハウジング本体43には、ベース板10、リード端子30がインサート成形され、取付対象への固定部44には、例えば黄銅などの金属製カラー46がインサート成形されている。
【0016】
蓋部材45は、ハウジング本体43の被測定流体側とは反対側(ベース板10の第1の面11側)を気密状態にするためのものである。蓋部材45は、ハウジング本体43の圧力センサ20が被測定流体の圧力を受ける面の裏面を覆い、密閉された空間を形成して圧力基準室Aとする。蓋部材45は、例えばハウジング40と同一材料のPPSなどの樹脂から構成され、例えばレーザー溶着によってハウジング本体43に封止状態で固定される。
【0017】
ベース板10は、圧力センサ20を支持する金属製の部材であり、例えば42アロイなどの金属材料で形成される。ベース板10は、第1の面11と、第1の面11の垂直方向裏面となる第2の面12と、を有し、作動油等の被測定流体が流通する開口部(圧力導入口)13を中心部に備えている。ベース板10は、中心部に開口部13を備える円板状の本体部10aと、本体部10aの周囲に段差部を介して連続し、取付対象に接触する環状部10bと、を備えたハット状に一体成形されている。環状部10bの環状の先端面が接触面10cを構成する。
ベース板10は、例えばインサート成形によって、本体部10a及び環状部10bでハット状とされた外側表面がハウジング本体43に埋設されるように気密状態でハウジング40に固定されている。
これにより、圧力検出装置100が被検出体である取付対象に固定部44を介して取り付けられると、ハウジング本体43に埋設された環状部10bの接触面10cが取付対象に接触するように固定される。
なお、ベース板10は、圧力センサ20を支持することから、被測定流体の圧力によりベース板10に歪みが発生しないような強度が確保されている。
【0018】
圧力センサ20は、ワンチップ化された半導体式圧力センサから構成されている。圧力センサ20は、ガラス製の台座(第1の絶縁層)21上にシリコンウエハを陽極接合して構成されている。圧力センサ20は、シリコンウエハに形成されたブリッジ回路からなるひずみ抵抗が、圧力の変化により電圧に変換されて出力されるように構成されている。圧力センサ20は、後述するリード端子30によって電源供給と電圧出力がなされる。圧力センサ20は、ベース板10の開口部13を覆ってベース板10の第1の面11に配置され、台座21がダイボンドにより気密状態に固定されている。
これにより、圧力センサ20には、開口部13を介して作動油などの被測定流体の圧力が加わることになる。
【0019】
リード端子30は、ハウジング40に気密にインサート成形され、一端がワイヤ31によってハウジング本体43内の圧力センサ20に電気的に接続され、他端がハウジング本体43の中心部から離れる方向の両側先端部の露出部41に突出して露出している。リード端子30は、電源用リード端子と、グランド用リード端子と、出力用リード端子と、を有して構成される。圧力センサ20とリード端子30を接続するワイヤ31は、例えば、アルミニウム製ワイヤから構成される。各リード端子30は、例えば、ニッケル(Ni)メッキされたリン青銅などから構成される。
一方の露出部41には、2本のリード端子30、例えば、電源用リード端子とグランド用リード端子の一部が露出され、もう一方の露出部41には、2本のリード端子30、例えば、出力用リード端子とグランド用リード端子の一部が露出される。そして、リード端子30の電源用リード端子に電源電圧が印加され、グランド用リード端子が接地されると、定電流が供給され、開口部13内の被測定流体の圧力による圧力センサ20の歪みに相当するブリッジ回路の出力電圧が出力用リード端子から出力される。
【0020】
コンデンサ50は、圧力検出装置100の圧力センサ20の外来ノイズに対する耐力を確保するためのものであり、例えばチップコンデンサで構成される。
コンデンサ50は、コンデンサ本体51と、リード部52とを備えて構成され、例えば、図6に示すように、コンデンサ本体51に2本のリード部52が延設されてコンデンサ本体51の長手方向に突き出すように形成(フォーミング)されている。
このコンデンサ50は、図5および図6に示すように、ハウジング40のコンデンサ収容部42に、先端側の挿入口47から中心側(内側)に向けてスライドさせるように側方(外側)からコンデンサ本体51を先にし、リード部52が後になるように装着されて収容される。
これにより、コンデンサ50は、コンデンサ収容部42と連通する露出部41に露出されたリード端子30の一部とリード部52が裏側で接するように収容される。
【0021】
コンデンサ本体51は、コンデンサ収容部42内で位置決め部60によって位置決めされる。
位置決め部60は、図3および図6に示すように、リード端子30が延びる方向(図3の紙面と平行な水平面上で、ベース板10の中心からの略放射方向:コンデンサ50の挿着方向)に直交する方向(略円周方向)からコンデンサ50を挟む第1の位置決め部61を備えており、コンデンサ50のコンデンサ本体51を、図3の紙面と平行な水平面上で、両側から挟むようにして水平方向の位置決めをする。
第1の位置決め部61は、片側に間隔をあけて2箇所ずつ形成され、コンデンサ本体51を確実に位置決めできるようにしている。また、略放射方向と平行に間隔をあけて樹脂成形することで第1の位置決め部61の成形の際の引けによる精度の低下の影響を抑えて位置決めできるようにする。
【0022】
位置決め部60は、第2の位置決め部62を備える。第2の位置決め部62は、コンデンサ50を、図3の紙面と平行な水平面と直交する垂直な方向(例えば、上下方向)においてコンデンサ50上に位置し、コンデンサ50の垂直方向の位置決めをするものであり、コンデンサ50の先端を図3の紙面と垂直な上下に位置決めする。
第2の位置決め部62は、コンデンサ収容部42の表側の底部から裏側に向かって図3の紙面から突き出すように垂直方向に形成され、先端部がわずかにベース板10の中心からの略放射方向の外側に曲げられた鍵状に形成されている。
これにより、コンデンサ収容部42の挿入口47からコンデンサ50を側方から内側に向けて挿入すると、第2の位置決め部62にコンデンサ本体51の先端が当たることで挿入方向が位置決めされ、先端部の上下が規制されて垂直方向が位置決めされる。
コンデンサ収容部42内において位置決め部60で水平面上での両側及び先端と垂直方向の上下とが位置決めされたコンデンサ50は、リード部52と各リード端子30とが露出部41で接触し、溶接などによって電気的に接合される。すなわち、一方の露出部41では、電源用リード端子30とグランド用リード端子30との間にコンデンサ50の2本のリード部52が接合され、もう一方の露出部41では、出力用リード端子30とグランド用リード端子30との間にコンデンサ50の2本のリード部52が接合され、外来ノイズによる耐力を確保する。
なお、位置決め部60によるコンデンサ50の上記位置決め方向は、説明のための方向であり、圧力検出装置100の取付方向を何ら規定するものでない。
【0023】
また、圧力検出装置100では、コンデンサ50の2本のリード部52の間の絶縁性を高めるため、リード部52の間に位置する絶縁部63がコンデンサ収容部42の表側から裏側に向かって突き出すように形成されている。
この絶縁部63は、リード端子30の間にも突き出すことで、リード端子30の間の絶縁性とコンデンサ50のリード部52の絶縁性を向上する。
【0024】
このように構成した圧力検出装置100では、ハウジング40にインサート成形で設けたリード端子30の一部を露出部41に露出させ、露出したリード端子30にコンデンサ収容部42の挿入口47から収容したコンデンサ50のリード部52を配置して接合するようにしたので、これまでの回路基板をハウジング40内に収容して回路基板を介してコンデンサ50を接合する必要がなく、外来ノイズに対する耐力を確保するコンデンサ50を設けてもハウジング40をコンパクトにすることができ、圧力検出装置100自体を小型化することができる。
【0025】
上記構成を有する圧力検出装置100は、例えば取付対象である電動油圧ポンプ200などの被検出体のケース体230に格納されて使用される。
圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプ200は、例えば、図9に示すように、回転軸211を備えたモータ210と、モータ210によって駆動されるポンプ体220と、モータ210とポンプ体220と圧力検出装置100とを収容(格納)するケース体230とを備えて構成される。
モータ210は、図示しないリング状のステータの中心軸上で回転するロータに回転軸211が連結されており、回転軸211は、ケース体230を構成するモータケース231からポンプ体220内に突き出すように配置されている。
ポンプ体220は、ポンプロータ221を備え、モータ210の回転軸211に連結されて回転駆動される。ポンプ体220は、ケース体230を構成するポンプケース232内に収容(格納)されている。ポンプ体220は、吐出ポート222に連通してセンサ用流路223が設けられ、センサ用流路223の一端がポンプケース232のモータ210と対向する対向面232aに開口して設けられる。
ポンプ体220は、モータ210の反対側にポンプカバー240が設けられて覆われている。
【0026】
圧力検出装置100は、ポンプ体220のモータ210と対向する対向面232aに固定され、ベース板10の開口部13にセンサ用流路223を介して被測定流体が作用するように、ベース板10の環状部10bに、図示しないシール材を装着し、接触面10cを対向面232aに接触させて密封状態で固定される。圧力検出装置100は、取付用の固定部44の金属製カラー46に挿通したボルト(図示せず)でケース体230の対向面232aに固定される。
圧力検出装置100は、開口部13に作用する被測定流体の圧力と、圧力センサ20の裏側の蓋部材45で封止された圧力基準室A内の流体(大気)の圧力(基準圧力)との差分に応じて圧力センサ20が歪み(変形し)、この歪み(変形)に応じてブリッジ回路の抵抗値が変化し、出力電圧が変化する。この出力電圧の変化が測定信号として出力用リード端子30に出力される。すなわち、圧力センサ20が被測定流体の圧力に対応する電圧信号を出力する。
このような圧力検出装置100が格納された電動油圧ポンプ200によれば、部品点数を減らし、小型化を図ることができる。
【0027】
次に、このような圧力検出装置100では、圧力検出の際にベース板10が被検出体に密封状態で固定されていないと、圧力の測定精度に問題が生じることから密封性を向上する必要がある。
このため圧力検出装置100Aでは、図7及び図8に示すように、第1の面11と第1の面11の垂直方向裏側に位置する第2の面12とを有し、開口部13を備えるベース板10と、ベース板10の開口部13を覆って第1の面11に配置され、開口部13内の被測定流体の圧力に応じた電気信号を出力する圧力センサ20と、圧力センサ20に電気的に接続されるリード端子30と、ベース板10およびリード端子30を保持し、リード端子30の一部が露出される露出部41を備えるハウジング40と、圧力センサ20を保護するコンデンサ50と、を有する圧力検出装置100Aであって、ベース板10は、圧力検出装置100Aが取り付けられる取付対象Bに接触する接触面10cと、開口部13の外周を囲むように形成され、ベース板10の接触面10cが取付対象Bに接触した状態において、ベース板10の接触面10cと取付対象Bとの間をシールするシール部材70と、を備え、ハウジング40は、接触面10cより圧力センサ20側に低く配置されて構成されている。
【0028】
また、圧力検出装置100Aでは、ハウジング40は、ハウジング40を取付対象Bに取り付ける取付孔が形成された複数のカラー46を備え、カラー46は、接触面10cと同一の高さまたは接触面10cより圧力センサ20側に低く配置されて構成される。
すなわち、ベース板10の環状部10bに装着されるシール部材70が取付対象Bである被検出体に接触され、ベース板10の接触面10cが取付対象Bである被検出体に当たるまで締め付けることで、シール部材70を押しつぶす圧縮状態としてシールする。
このシール状態を確保する場合に、ベース板10の接触面10cより先にハウジング40が当たったり、取付対象Bへの固定部44の金属製カラー46が被検出体に先に当たると、この状態からさらにベース板10を締め付けることができなくなり、シール部材70を押しつぶして圧縮状態とすることができなくなる。
そこで、圧力検出装置100Aでは、ベース板10の接触面10cがハウジング40より低くなるようにしたり、固定部44の金属製カラー46についても同様に、ハウジング40より低くなるように構成している。
こうすることで、シール部材70は、取付対象Bである被検出体とベース板10との間に圧縮状態が確保されて保持でき、密封状態の圧力流体の圧力を高精度に検出することができる。
【0029】
また、圧力検出装置100,100Aにおいて、例えば、図2に示すように、カラー46における取付対象Bとの接触面46aは、コンデンサ収容部42における取付対象Bとの対向面42aよりも取付対象B側に突出して形成されており、カラー46を用いて平滑面からなる取付対象Bに固定した際に、対向面42aと取付対象Bとの間にクリアランスDを設けることができる。このクリアランスDによって、取付対象Bを複雑な構造にすることなく、コンデンサ収容部42が車両の走行などによって振動する場合であっても、対向面42aと取付対象Bとが接触しない構造にできる。このため、取付対象Bへの固定部となる二つのカラー46,46の外側にコンデンサ収容部42を設ける構造であっても、異音等の発生を防止する作用効果がある。
【0030】
また、この圧力検出装置100Aでは、図7に示すように、コンデンサ収容部42は、ハウジング40の裏面側(ベース板10の第1の面11から第1の面11の垂直方向の第2の面12に向かう側)に開口し、開口する一部がリード端子30の露出部41を構成する。露出部41は、コンデンサ収容部42と連通し、コンデンサ収容部42の周囲全体が壁面で囲まれて構成されている。露出部41には、ハウジング本体43に埋設されたリード端子30の一部が露出している。コンデンサ50は、コンデンサ収容部42に裏面側から表側に向かってベース板10の第1の面11に対する垂直方向から装着して収容される。コンデンサ50は、コンデンサ本体51を中心側より外側に、リード部52を中心側に、配置してコンデンサ収容部42にベース板10の第1の面11に対する垂直方向(上下方向)から収容される。
【0031】
コンデンサ収容部42内には、位置決め部60が設けられて、収容されるコンデンサ50を位置決めする。位置決め部60は、図7に示すように、コンデンサ本体51を、図7の紙面と平行な水平面上で、ベース板10の中心から略放射方向の両側を挟むように左右方向を位置決めする第1の位置決め部66と、図7の紙面と平行な水平面上で、コンデンサ収容部42の外側の壁面とでコンデンサ本体51の中心側を押えるようにして前後方向を位置決めする第2の位置決め部67と、コンデンサ50のリード部52を溝内に位置させて、図7の紙面と平行な水平面上で、ベース板10の中心から略放射方向の両側から挟むようにして絶縁と左右方向の位置決めをする絶縁部68とを備えて構成されている。絶縁部68は、2本のリード部52の間に位置することで、絶縁することに加えてリード部52の位置決めにも寄与する。
なお、取付対象Bである被検出体に圧力検出装置100Aを取り付けることで、コンデンサ収容部42の裏面に開口した露出部41が取付対象Bである被検出体で塞がれることになり、コンデンサ50の収容状態が確保される。
なお、位置決め部60によるコンデンサ50の上記位置決め方向は、説明のための方向であり、圧力検出装置100Aの取付方向を何ら規定するものでない。
コンデンサ収容部42内において位置決め部60で位置決めされたコンデンサ50のリード部52は、露出部41に一部が露出するリード端子30と接した状態で収容される。露出部41では、コンデンサ50のリード部52とリード端子30とが溶接などで電気的に接続される.
この圧力検出装置100Aでは、コンデンサ収容部42に裏側から表側に向かってコンデンサ50を収容するようにしたが、これに限らず、圧力検出装置100のように、側方から内側に向けてスライドさせて挿入するようにしても良く、ベース板10の接触面10cを取付対象Bに接触させ、シール部材70を圧縮状態としてシールできれば良い。
【0032】
このような圧力検出装置100Aによれば、第1の面11と第1の面11の垂直方向裏側に位置する第2の面12とを有し、開口部13を備えるベース板10と、ベース板10の開口部13を覆って第1の面11に配置され、開口部13内の被測定流体の圧力に応じた電気信号を出力する圧力センサ20と、圧力センサ20に電気的に接続されるリード端子30と、ベース板10およびリード端子30を保持し、リード端子30の一部が露出される露出部41を備えるハウジング40と、圧力センサ20を保護するコンデンサ50と、を有する圧力検出装置100Aであって、ベース板10は、圧力検出装置100Aが取り付けられる取付対象Bに接触する接触面10cと、開口部13の外周を囲むように形成され、ベース板10の接触面10cが取付対象Bに接触した状態において、ベース板10の接触面10cと取付対象Bとの間をシールするシール部材70と、を備え、ハウジング40は、接触面10cと同一の高さまたは接触面10cより圧力センサ20側に低く配置されて構成されているので、シール部材70は、取付対象Bとベース板10との間に圧縮状態が確保されて保持でき、密封状態の圧力流体の圧力を高精度に検出することができる。
【0033】
また、圧力検出装置100Aによれば、ハウジング40は、ハウジング40を取付対象Bに取り付ける取付孔が形成された複数のカラー46を備え、カラー46は、接触面10cと同一の高さまたは接触面10cより圧力センサ20側に低く配置されて構成されているので、接触面10cより先にカラー46が取付対象Bに当たることがなく、シール部材70は、取付対象Bとベース板10との間に圧縮状態が確保されて保持でき、密封状態の圧力流体の圧力を高精度に検出することができる。
このような圧力検出装置100Aは、圧力検出装置100と同様に、例えば図9に示すように、電動油圧ポンプ200のケース体230内に格納されて使用される。これにより、圧力検出装置100Aが格納された電動油圧ポンプ200は、部品点数を減らし、小型化を図ることができる。
【0034】
以上、実施の形態と共に、具体的に説明したように、本発明の圧力検出装置100によれば、第1の面11と第1の面11の垂直方向裏側に位置する第2の面12とを有し、開口部13を備えるベース板10と、ベース板10の開口部13を覆って第1の面11に配置され、開口部13内の被測定流体の圧力に応じた電気信号を出力する圧力センサ20と、圧力センサ20に電気的に接続されるリード端子30と、ベース板10およびリード端子30を保持し、リード端子30の一部が露出される露出部41を備えるハウジング40と、圧力センサ20を保護するコンデンサ50と、を有し、ハウジング40は、コンデンサ50を装着でき、装着されたコンデンサ50が露出部41内のリード端子30に電気的に接続されるコンデンサ収容部42と、コンデンサ収容部42に装着されたコンデンサ50をコンデンサ収容部42内で位置決めする位置決め部60と、を備えているので、回路基板を用いることなくコンデンサ50をコンデンサ収容部42内に位置決め部60で収容位置決めすることができ、外来ノイズに対する耐力を確保することができる。また、部品点数を減らし、小型化を図ることができる。また、リード端子30とコンデンサ50とを露出部41で簡単に電気的に接続することができる。
【0035】
本発明の圧力検出装置100によれば、リード端子30は、開口部13の中心軸から離れる方向に向かって、ベース板10の外側に延び、位置決め部60は、リード端子30が延びる方向に交わる方向からコンデンサ50を挟む第1の位置決め部61を備え、ハウジング40は、コンデンサ収容部42からリード端子30の先端側に向かって開口し、コンデンサ50を側方から内側に向けて出し入れ可能な挿入口47を備えているので、コンデンサ50を挿入口47からスライドさせ、コンデンサ50の両側を第1の位置決め部61で挟むようにすることで、コンデンサ収容部42に側方から内側に向けて挿入して位置決めして収容することができる。
【0036】
本発明の圧力検出装置100によれば、位置決め部60は、第1の位置決め部61がコンデンサ50を挟む方向と直交する方向においてコンデンサ50上に位置し、コンデンサ50の位置を決める第2の位置決め部62を備えているので、コンデンサ50を挟む方向だけでなく、これと直交する方向に対しても第2の位置決め部62で位置決めすることができ、一層確実にコンデンサ50を位置決めしてコンデンサ収容部42内に収容することができる。
【0037】
本発明の圧力検出装置100によれば、コンデンサ50は、コンデンサ本体51と1対のリード部52とを備え、コンデンサ収容部42は、1対のリード部52の間に位置して絶縁する絶縁部63を備えているので、1対のリード部52同士の接触を、絶縁部63で物理的に防止することができ、絶縁性を向上することができる。
【0038】
本発明の圧力検出装置100によれば、ハウジング40は、圧力センサ20の被測定流体の圧力を受ける面の裏面を覆う密閉された圧力基準室Aを形成する蓋部材45を備えているので、圧力基準室Aによって基準圧力に対する圧力変化を検出することができる。
【0039】
本発明の圧力検出装置100、100Aを格納した電動油圧ポンプによれば、回転軸211を備えたモータ210と、モータ210によって駆動されるポンプ体220と、ポンプ体220のセンサ用流路223に連通して固定される請求項1から5のいずれかに記載の圧力検出装置100,100Aと、モータ210と、ポンプ体220と、圧力検出装置100,100Aとを格納するケース体230とを備えているので、部品点数を減らし、小型化を図ることができる。
【0040】
なお、上記実施の形態では、圧力センサとしてワンチップ半導体式の圧力センサを例に説明したが、圧力センサの構成は他の形式など任意である。
また、本発明は、上記実施の形態に何ら限定するものではない。
【符号の説明】
【0041】
100 圧力検出装置
10 ベース板
10a 本体部
10b 環状部
10c 接触面
11 第1の面
12 第2の面
13 開口部
20 圧力センサ
21 台座
30 リード端子
31 ワイヤ
40 ハウジング
41 露出部
42 コンデンサ収容部
42a 対向面
43 ハウジング本体
44 固定部
45 蓋部材
46 金属製カラー
46a 接触面
47 挿入口
50 コンデンサ
51 コンデンサ本体
52 リード部
60 位置決め部
61 第1の位置決め部
62 第2の位置決め部
63 絶縁部
66 第1の位置決め部
67 第2の位置決め部
68 絶縁部
70 シール部材
100A 圧力検出装置
200 圧力検出装置を格納した電動油圧ポンプ
210 モータ
211 回転軸
220 ポンプ体
221 ポンプロータ
222 吐出ポート
223 センサ用流路
230 ケース体
231 モータケース
232 ポンプケース
232a 対向面
240 ポンプカバー
A 圧力基準室
B 取付対象
D クリアランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9