(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-211565(P2017-211565A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】音楽教材
(51)【国際特許分類】
G09B 15/04 20060101AFI20171102BHJP
G10H 1/34 20060101ALI20171102BHJP
G10H 1/18 20060101ALI20171102BHJP
G10H 1/00 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
G09B15/04
G10H1/34
G10H1/18 101
G10H1/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-105877(P2016-105877)
(22)【出願日】2016年5月27日
(11)【特許番号】特許第6182724号(P6182724)
(45)【特許公報発行日】2017年8月23日
(71)【出願人】
【識別番号】306044331
【氏名又は名称】片山 滋
(71)【出願人】
【識別番号】515175040
【氏名又は名称】深町 元子
(72)【発明者】
【氏名】深町 元子
(72)【発明者】
【氏名】片山 滋
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478BA21
5D478CC31
5D478JJ09
5D478KK12
(57)【要約】
【課題】従来の構成では、力が弱い者や体重の軽い幼児等では、全体重を乗せても音が出ない、また、押さえ続け、踏み続けた状態では、音が鳴らなくなってしまう等、体重の軽い幼児では、使えなかった。さらに床に置いて使用するため、広い場所も必要でしかも和音の学習をするには両手両足を使うか、複数人で行う必要があった。
【解決手段】 本発明の教材は、小型で机の上でも使用出来、小さな力で抑えても音を発し、押さえている時間だけ、正確な周波数の音を発する事が出来る。さらに音符記号のカードを容易に脱着可能な状態で表面に貼りあわせることで、音符記号を見ながらその記号の周波数の音を同時に聞くことで音符記号とその音を同時に覚えることが出来る。また、異なった周波数のセットを複数個用意することで和音の学習も容易に出来る教材を提供することも出来きる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押せば特定周波数の音を発生する電子回路を備えた外観形状同一の単体を複数個用意し、それらを並び替えることにより、音階や和音が構成可能な音楽教材。
【請求項2】
前記電子回路は、押しボタンと、該押しボタンの操作で特定周波数の音を発するコンピュータを備え、前記各単体のコンピュータは、プログラムの変更により、それぞれ異なる特定周波数の音を発し、それらの異なる音で音階が構成可能であることを特徴とする請求項1に記載の音楽教材。
【請求項3】
前記単体は、前記押しボタンの上に貼り付ける着脱可能なカードを備え、該カードには、前記電子回路が発する特定周波数の音を表す音符符号又は同一形状の記号が付されている請求項1または2に記載の音楽教材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽用の教材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、手や足で押した時に単音を発する空気枕状の教材は発売されていた。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-050275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、力が弱い者や体重の軽い幼児等では、全体重を乗せても音が出ない、また、押さえ続けたり、踏み続けたりした状態では、音が鳴らなくなってしまう等、体重の軽い幼児では使えなかった。また、異なった音を発する空気枕状の教材を同時に押さえて音を重ねる(以下和音と称する)には、音が持続する時間が短いため、聞き取り難く、また音が途切れる前は周波数がずれる等課題を有していた。さらに床に置いて使用するために、広い場所も必要で、しかも和音の学習をするには両手両足を使うか、複数人で行う必要があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決することを狙いとしたもので、小型で机の上でも使用でき、小さな力で押さえると、押さえている時間だけ、正確な周波数の音を発する事ができ、さらに音符記号のカードを見ながらその記号の周波数の音を同時に聞くことで、絶対音感を養い、またそれを使って和音の学習やカードゲームの神経衰弱のような遊びもできる教材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、押せば特定周波数の音を発生する電子回路を備えた外観形状同一の単体を複数個用意し、それらを並び替えることにより、音階や和音が構成可能な音楽教材である。その電子回路は、押しボタンと、その押しボタンの操作で特定周波数の音を発するコンピュータとを備え、前記各単体のコンピュータは、プログラムの変更により、それぞれ異なる特定周波数の音を発し、それらの異なる音で音階が構成可能である。具体的には、押しボタンを操作すれば、乾電池で動作するマイクロコンピュータ制御の電子回路を用いることにより、正確な周波数の音を発する。また、押しボタンを軽く押せば、特定周波数の音を発生し、しかも、押させている時間だけその周波数の音を発生し続けることが可能である。
前記単体は、前記押しボタンの上に貼り付ける着脱可能なカードを備え、そのカードには、前記電子回路が発する特定周波数の音を表す音符符号又は同一形状の記号が付されている。それを使用する際は、そのカードを押すことで押しボタンが押されて特定周波数の音を発する。
前記コンピュータのプログラムを変更すれば、異なった周波数の音を発生するので、そうした周波数の異なる単体を複数個用意する。そうすれば、カードを軽く押すだけで正確な周波数の音や和音を発し、押さえている時間だけ正確な周波数の音を発し続けることが出来るので、力の弱い者や体重の軽い幼児でも容易に音感を養う練習をすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の教材を使うことで、力の弱い者や体重の軽い幼児であっても、机の上や少ないスペースで音符記号見ながらその音符記号の音程の音(周波数)を同時に学ぶことが出来、さらに音符記号が書かれたカードを取り換えることで様々なゲームのような学習が出来、楽しみながら相対音感や絶対音感を養うことが出来る。使用方法の例として特定周波数を表す音符記号が書かれたカードと、そのカードに適合した周波数の単体を組み合わせて、そのカードを押して音を発することで音符記号とその音符記号に適合した音を覚える事が出来る。
前記の音符記号と異なる音符記号に合わせた周波数の単体を複数個用意し、同時に押すことにより、和音の習得にも役立つ。
また表面に書かれている音符記号を取り外して同じ印を付けることにより、基準となるピアノ等の音を聞いてその音と比較しながら同じ音を取るカードゲームの神経衰弱のような遊びや、周波数の異なる前記単体を複数個用意し、それらの音の高低を聞き分け、音の低い順番に並べ替えたりして遊びながら相対音感を養うことが出来る。さらには、複数個用意した前記単体のうちのひとつを音符記号に合致しない周波数の単体物を組み合わせたセットを用意し、そのセットの中で音符記号に合致しない音を出す単体を探し出す。そうした間違い探しゲームをすることで、絶対音感も養うことが出来る等、様々な学び方やゲームを楽しみながら音感を養うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る音楽教材を構成する一つの単体の外観図
【
図3】上記単体に貼り付けるカード類の一例を示す外観図
【
図4】上記単体に収納される電子回路の構成ブロック図
【
図5】上記単体の裏面に取り付け金具を取り付けた外観図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0010】
図において、音楽教材は、押せば特定周波数の音を発生する電子回路を備えた外観形状同一の単体1を複数個用意することにより構成される。この単体1は、
図2に示すように、例えば直径12cm位の円盤形等のスポンジ材質で作られており、その内部に、押せば特定周波数の音を発生する電子回路11(
図4参照)を備えている。具体的には、この円盤内にスピーカー2と、電池内蔵の押しボタン5付の箱3とが、ケーブルでつながれた状態で嵌め込まれている。この箱3には、
図4に示すように、プログラムによって特定周波数の信号を増幅回路に出力するマイクロコンピュータが納められており、その増幅回路の出力は、スピーカー2に出力される。また、電池と電子回路11との間には、押しボタン5が挿入されており、その押しボタン5を押せば、電子回路11が動作して、内蔵のマイクロコンピュータが特定周波数の信号をスピーカー2に出力する。
また、この単体1の押しボタン5が配置された面には、
図3に示した各種のカード7〜10を貼り付けるための面ファスナー4が取り付けられ、また、これらのカード7〜10にもその面ファスナー4に対応する位置に面ファスナーの相手方が取り付けられている。そして、これらのカード7〜10の一つを単体1の面ファスナー4に貼り付けて、カード7〜10を押せば、カード7〜10の下の押しボタン5が押され、それによって電子回路11に通電されて特定周波数の音がスピーカー2から出力されるようになっている。したがって、この押しボタン5を押している間、特定周波数の音が出力される。
また、カード7〜10が貼り付けられる単体1の上面には、その特定周波数を表す音符記号とその周波数を印字したラベル6を貼り付けている。これにより、カード7〜9が別なカードと取り換えられても、その特定周波数を表す音符記号のカード7〜9が正しく貼り付けられるようになっている。
また、このマイクロコンピュータは、プログラムを書き換えることにより、音符記号に合わせた周波数を発生させることができる。例えばパルスを発生させるプログラムを作り、そのパルスの発生する時間間隔を変えることで、音符記号に合わせた周波数の音の信号を作り、その信号を増幅回路で増幅しスピーカー2に出力する。また、周波数の異なった単体1を複数個用意し、それらを同時に押すことで和音の学習をすることが出来る。
さらにこれらのカード7〜10は、面ファスナー4で貼り合されているため、カード7〜9を外して単体1に同じ符号の書かれた
図3のカード10を貼り付ける事で、この同じ符号が貼付された、周波数の異なる単体1を複数個用意すれば、例えばピアノの音に合わせた音を探す音の違いを学ぶ学習や、音の違いを聞きわけて音の低い物順に並べ替えるという、音の微妙な違いを認識する学習(相対音感の訓練)が出来る。
さらには、単体1を複数個用意し、そのうちのひとつを音符記号に合致しない周波数の単体1としたセットを用意し、そのセットの中で音符記号に合致しない音を出す単体1を探す、間違い探しゲームをすることで、絶対音感も養うことが出来る等、様々な学び方やゲームを楽しみながら音感を養うことが出来る。
また、
図5に示すように単体1の背面に面ファスナーや取り付け金具12を取り付けて、例えば、ベビーカー等にも取り付けることにより、移動中も音符記号や、音を聞き分ける練習が出来たり、単に、ブザーのように押して遊んだりできる、おもちゃとしても利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
音符記号を見ながら少ない力で音を発することが出来るため、目と耳から音符記号を学習出来、また、表面のカードを張り替えることにより音の違いを感じ学習することも出来るため、特に年齢の低い幼児(1〜3才位)の音楽用の教材として有用である。
【符号の説明】
【0012】
1 単体物
2 スピーカー
3 電子回路の入った箱
4 面ファスナー
5 押しボタン
6 本体が発する音の周波数を識別するラベル
7〜9 単体物に貼り合わせるカード
10 音程がわからないように記された同一形状のカード
11 電子回路
12 取り付け金具
【手続補正書】
【提出日】2017年2月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押せば特定周波数の音を発生する電子回路を備えた外観形状同一の単体を複数個用意し、それらを並び替えることにより、音階や和音が構成可能な音楽教材であって、前記電子回路は、押しボタンと、該押しボタンの操作で特定周波数の音を発するコンピュータを備え、前記各単体のコンピュータは、プログラムの変更により、それぞれ異なる特定周波数の音を発し、それらの異なる音で音階が構成可能であり、前記単体は、前記押しボタンの上に貼り付ける着脱可能なカードを備え、該カードには、前記電子回路が発する特定周波数の音を表す音符符号又は同一形状の記号が付されている音楽教材。