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特開2017-211684情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-211684(P2017-211684A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20171102BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20171102BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   G06Q10/10 344
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-102121(P2016-102121)
(22)【出願日】2016年5月23日
(11)【特許番号】特許第6199441号(P6199441)
(45)【特許公報発行日】2017年9月20日
(71)【出願人】
【識別番号】516001270
【氏名又は名称】株式会社ログビー
(74)【代理人】
【識別番号】100134706
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】松田 敦義
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA13
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】予定が不用意に設定されることに起因する不都合の発生を抑止する。
【解決手段】本発明の一態様である「情報処理装置」(例えば、ユーザ管理サーバ20)は、一定用件(例えば、訪問a)に関連付けて複数のオブジェクト(例えば、利用者X1及び療養者Y1)が確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみ(例えば、利用者X1と療養者Y1のいずれか一方のみ)を確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定手段と、前記特定手段により特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件(例えば、利用者X2による療養者Y2への訪問cの存在により近傍時期に設定するべき優先度が相対的に上がる利用者X2による療養者Y1への訪問b)の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知手段と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知手段と、
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段が、能動オブジェクトが受動オブジェクトに関与する前記一定用件に関連付けて該能動オブジェクトと該受動オブジェクトとが確保されようとしている前記指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する前記近傍時期に該受動オブジェクトのみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記未定用件を特定し、
前記報知手段が、前記能動オブジェクトと所定の関係性を有する他の能動オブジェクトが前記受動オブジェクトに関与する前記関連用件の存在を報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段が、前記近傍時期と重複しない時期に前記他の能動オブジェクトと該他の能動オブジェクトが関与する他の受動オブジェクトとを確保する必要性を将来的に発生させ得る他の未定用件をさらに特定し、
前記報知手段が、前記特定手段により特定される他の未定用件との関係で前記他の能動オブジェクトを前記近傍時期に確保する優先度が相対的に上がる前記関連用件の存在を該他の未定用件にさらに関連付けて報知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記報知手段が、所定のルールに基づく制約により前記一定用件より優先度が高い前記関連用件の存在を優先的に報知する、
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定手段が、前記指定時期に近接する前記近傍時期に前記複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記未定用件を特定し、
前記報知手段が、前記一定用件を済ませる時期を制約する所定の事情を有する前記関連用件の存在を該所定の事情にさらに関連付けて報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定手段が、能動オブジェクトが受動オブジェクトを訪問する前記一定用件に関連付けて該能動オブジェクトと該受動オブジェクトとが確保されようとしている前記指定時期に近接する前記近傍時期に該受動オブジェクトのみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記未定用件を特定し、
前記報知手段が、前記能動オブジェクトと所定の関係性を有する他の能動オブジェクトが前記受動オブジェクトを前記近傍時期が属する日と同日に又は別日に訪問するべき前記所定の事情を有する前記関連用件の存在を報知する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知ステップと、
を含む、情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定機能と、
前記特定機能により特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知機能と、
を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルスケア分野等(例えば、医療分野,介護分野)の事業に適合する情報処理システムに関する。特に、療養者宅への個別訪問スケジュールの調整を支援する装置並びにその制御方法及び制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者を訪問する予定を新たに入れることができる医療従事者を把握しやすくする在宅診療支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、複数の医療従事者の空き時間及び訪問可能エリアを空き時間の前後の予定訪問先との位置関係を考慮してそれぞれ割り出し一覧表示する(特許文献1の[図7]−[図10]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−041183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新たな予定を設定する場面において、これから設定されるべき予定は既に設定されている他の予定の影響を受けることが多い。
特許文献1記載の在宅診療支援システムは、既に設定されている他の予定に関する情報を利用して新たな予定の設定を支援する。
【0005】
しかし、予定の優先度の高低と予定を設定する時期の先後との間には関係性がない。そのため、予定が不用意に設定されると、種々の不都合が生じかねない。
例えば、優先度が相対的に低い予定が不用意に設定されると、優先度が相対的に高い他の予定を後に設定する際の自由度が低下してしまう。この場合、優先度が相対的に高い他の予定を含むスケジュール全体の効率も低下しかねない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、予定が不用意に設定されることに起因する不都合の発生を抑止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定手段と、前記特定手段により特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知手段と、を具備する。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置の制御方法」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知ステップと、を含む。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定機能と、前記特定機能により特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「コンピュータ読取り可能な記録媒体」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定機能と、前記特定機能により特定される未定用件のうち前記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を前記近傍時期に関連付けて報知する報知機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させるプログラムを記録する。
【0008】
本発明の一態様に係る「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、本発明の一態様に係る「制御方法」及び「制御プログラム」に加えてもよい。
例えば、前記特定手段が、能動オブジェクトが受動オブジェクトに関与する前記一定用件に関連付けて該能動オブジェクトと該受動オブジェクトとが確保されようとしている前記指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する前記近傍時期に該受動オブジェクトのみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記未定用件を特定し、前記報知手段が、前記能動オブジェクトと所定の関係性を有する他の能動オブジェクトが前記受動オブジェクトに関与する前記関連用件の存在を報知する、という技術的限定を加えてもよい。
このとき、前記特定手段が、前記近傍時期と重複しない時期に前記他の能動オブジェクトと該他の能動オブジェクトが関与する他の受動オブジェクトとを確保する必要性を将来的に発生させ得る他の未定用件をさらに特定し、前記報知手段が、前記特定手段により特定される他の未定用件との関係で前記他の能動オブジェクトを前記近傍時期に確保する優先度が相対的に上がる前記関連用件の存在を該他の未定用件にさらに関連付けて報知する、という技術的限定をさらに加えてもよい。
さらに、前記報知手段が、所定のルール(例えば、医療保険制度,介護保険制度など)に基づく制約により前記一定用件より優先度が高い前記関連用件の存在を優先的に報知する、という技術的限定をさらに加えてもよい。
また、本発明の一態様に係る「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、本発明の一態様に係る「制御方法」及び「制御プログラム」に加えてもよい。
例えば、前記特定手段が、前記指定時期に近接する前記近傍時期に前記複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記未定用件を特定し、前記報知手段が、前記一定用件を済ませる時期を制約する所定の事情を有する前記関連用件の存在を該所定の事情にさらに関連付けて報知する、という技術的限定を加えてもよい。
このとき、前記特定手段が、能動オブジェクトが受動オブジェクトを訪問する前記一定用件に関連付けて該能動オブジェクトと該受動オブジェクトとが確保されようとしている前記指定時期に近接する前記近傍時期に該受動オブジェクトのみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記未定用件を特定し、前記報知手段が、前記能動オブジェクトと所定の関係性を有する他の能動オブジェクトが前記受動オブジェクトを前記近傍時期が属する日と同日に又は別日に訪問するべき前記所定の事情を有する前記関連用件の存在を報知する、という技術的限定をさらに加えてもよい。
【0009】
この明細書において「予定」とは、何らかの用件に関連付けて単数又は複数のオブジェクトを「指定時期」に確保すること又はその確保された内容をいう。特に、「予定を設定する」とは、単数又は複数のオブジェクトを前もって確保することをいう。
この明細書において「スケジュール」とは、相互に関係のある複数のオブジェクトの「予定」をそれぞれ設定すること又はその設定された内容をいう。特に、「スケジュールを調整する」とは、相互に関係のある複数のオブジェクトの「予定」を矛盾なく設定することをいう。
この明細書において「オブジェクト」とは、確保の対象であって、人,物(動産,不動産),動物など他のものに代替できないものをいう。特に、「能動オブジェクト」はあるアプローチ(例えば、訪問,招待など)をするオブジェクト、「受動オブジェクト」は当該アプローチをされるオブジェクトをいう。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件のうち一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を近傍時期に関連付けて報知する。
よって、本発明によれば、予定が不用意に設定されることに起因する不都合の発生が抑止される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】概要の説明図である。(実施例)
図2】実施例のシステムのネットワーク構成例の説明図である。(実施例)
図3】サーバ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
図4】ユーザ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
図5】ユーザ管理サーバの機能構成例の説明図である。(実施例)
図6】管理データの項目例の説明図である。(実施例)
図7-1】スケジュール調整手順の説明図である。(実施例)
図7-2】スケジュール調整手順の説明図である。(実施例)
図8】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
図9】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
図10-1】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
図10-2】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.実施形態]
[1−1.概要]
本実施形態は、複数のオブジェクト(例えば、人,物(動産,不動産),動物など)を確保の対象とするスケジュールの調整を支援する情報処理システムに関する。
本実施形態のシステムは、新たな予定を設定する場面においてこれから設定されるべき予定が既に設定されている他の予定の影響を受けやすい点に鑑み、予定が不用意に設定されることに起因する不都合の発生を抑止するための仕組みを実装する。
【0013】
[1−2.情報処理装置]
本実施形態に係る情報処理装置は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に当該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定手段と、上記特定手段により特定される未定用件のうち上記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を上記近傍時期に関連付けて報知する報知手段と、を具備する。
情報処理装置は、サーバクライアントシステムを構成するサーバ装置やクライアント装置(ユーザ装置)であってもよいし、スタンドアロンで動作するユーザ装置であってもよい。
【実施例】
【0014】
[2.実施例]
[2−1.概要]
図1を参照して、本実施例の概要を説明する。
本実施例は、ヘルスケア分野等(例えば、医療分野,介護分野)の事業に適合し、利用者(例えば、医師,看護師,薬剤師,介護士などの利用者X1)による療養者(例えば、在宅診療対象者,介護対象者などの療養者Y1)への個別訪問に係るスケジュール調整を支援する情報処理システムに関する。
本実施例のシステムは、新たな訪問予定を設定する場面においてこれから設定されるべき訪問予定が既に設定されている他の訪問予定の影響を受けやすい点に鑑み、訪問予定が不用意に設定されることに起因する不都合の発生を抑止するための仕組みを実装する。
【0015】
本実施例に係るユーザ管理サーバ20(「情報処理装置」の一例。)は、特定部(522)と報知部(524)とを具備する(図5参照)。
特定部(522)は、個別訪問a(「一定用件」の一例。)に関連付けて訪問者たる利用者X1(「能動オブジェクト」の一例。)及び被訪問者たる療養者Y1(「受動オブジェクト」の一例。)が確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍時期に療養者Y1を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(「未定用件」の一例。)を特定する。
報知部(524)は、特定部(522)により特定される他の個別訪問のうち利用者X1と協力関係(「所定の関係性」の一例。)を有する利用者X2(「他の能動オブジェクト」の一例。)による療養者Y1への個別訪問b(「関連用件」の一例。)の存在を上記近傍時期に関連付けて視覚的に報知する。
【0016】
特に、特定部(522)は、上記近傍時期と重複しない時期に訪問者たる利用者X2と被訪問者たる療養者Y2(「他の受動オブジェクト」の一例。)とを確保する必要性を将来的に発生させ得る個別訪問c(「他の未定用件」の一例。)をさらに特定する。
このとき、報知部(524)は、個別訪問cとの関係で利用者X2を近傍時期に確保する優先度が相対的に上がる上記個別訪問bの存在を個別訪問cにさらに関連付けて報知する。
【0017】
[2−2.ネットワーク構成]
図2に、実施例のシステムのネットワーク構成例を示す。
本実施例のシステムは、複数のユーザ端末10(10−1,10−2,…,10−n)と、ユーザ管理サーバ20と、DBマネジメントシステム30と、を含む。DBマネジメントシステム30は、データ管理サーバ31と記憶装置32を含む。
【0018】
ユーザ端末10とユーザ管理サーバ20とは、通信ネットワーク40を通じてデータの授受が可能である。また、ユーザ管理サーバ20は、データ管理サーバ31を介して、記憶装置32に記憶されるデータにアクセス可能である。
通信ネットワーク40は、既存のネットワーク(例えば、インターネット(Internet),携帯電話網,無線WAN(Wireless Wide Area Network),無線LAN(Wireless Local Area Network),イーサネット(Ethernet)(登録商標)など)のうち少なくともいずれかを含んでいてよい。
【0019】
[2−2−1.ユーザ端末]
ユーザ端末10は、Webブラウザプログラムがインストールされたユーザ装置(コンピュータ)である。ユーザ端末10のブラウザは、所定のスクリプト言語で記載されたスクリプトプログラムの解釈・実行が可能であるものとする。
本実施例のシステムでは、ユーザ装置として、Webブラウザプログラムをインストール可能な汎用の携帯装置(例えば、携帯電話,スマートフォン(smartphone),タブレット(tablet)端末,タブレットPC(personal computer),小型のPC,ウェアラブルデバイス(wearable device)など)を用いることができる。
なお、Webブラウザプログラムの代わりにユーザ装置に専用プログラムをインストールさせる構成にしてもよい。
【0020】
[2−2−2.ユーザ管理サーバ]
ユーザ管理サーバ20は、Webサーバプログラム(HTTPデーモン(HyperText Transfer Protocol Daemon)ともいう。)がインストールされたサーバ装置(コンピュータ)である。
ユーザ管理サーバ20は、ユーザ端末10からの求め(リクエスト)に応じて、データ管理サーバ31を介して記憶装置32から必要なデータを読み出し、必要に応じて加工しユーザ端末10に提供(レスポンス)する。また、ユーザ管理サーバ20は、ユーザ端末10からの求め(リクエスト)に応じて、ユーザ端末10から取得したデータを、データ管理サーバ31を介して記憶装置32に書き込み、処理結果をユーザ端末10に応答(レスポンス)する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、ユーザ管理サーバ20の機能を分担させ又はユーザ管理サーバ20にかかる負荷を分散させてもよい。
【0021】
[2−2−3.DBマネジメントシステム]
データ管理サーバ31は、DB(Database)サーバプログラムがインストールされたサーバ装置(コンピュータ)であり、内蔵する又は外部の接続可能な記憶装置32とともにDBマネジメントシステム(Database Management System)を構成する。
データ管理サーバ31は、例えば、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータを記憶装置32に格納する機能と、データの抽出要求に応じ記憶装置32から抽出されるデータを要求元に提供する機能とを有する。
なお、複数のサーバ装置を連携させてサーバシステムを構成し、データ管理サーバ31の機能を分担させ又はデータ管理サーバ31にかかる負荷を分散させてもよい。また、複数の記憶装置にデータを分散配置することも可能である。
【0022】
[2−3.ハードウェア構成]
[2−3−1.ユーザ装置のハードウェア構成]
図3に、ユーザ装置のハードウェア構成例を示す。
典型的なユーザ装置は、制御処理部を構成するMPU(Micro-Processing Unit)311と、主記憶部を構成するRAM(Random Access Memory)321と、補助記憶部を構成するROM(Read Only Memory)322及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)323と、入力部及び表示部を構成するタッチパネルディスプレイ331と、音声出力部を構成するスピーカ332と、通信制御部を構成するNIC(Network Interface Controller)341及び無線LAN(Local Area Network)チップ342と、を少なくとも有する。
【0023】
RAM321と、ROM322と、EEPROM323と、タッチパネルディスプレイ331と、スピーカ332と、NIC341と、無線LANチップ342とは、バスラインを介してMPU311と接続される。
MPU311は、(1)ROM322又はEEPROM323に記憶されたプログラムをRAM321上に読み込み、(2)プログラムの指示に従ってEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータをEEPROM323とタッチパネルディスプレイ331とスピーカ332とNIC341と無線LANチップ342との少なくともいずれかに提供する。
【0024】
[2−3−2.サーバ装置のハードウェア構成]
図4に、サーバ装置のハードウェア構成例を示す。
典型的なサーバ装置は、MPU(Micro-Processing Unit)やROM(Read Only Memory)を含む制御処理装置410と、RAM(Random Access Memory)を含む主記憶装置420と、HDD(Hard Disc Drive)を含む補助記憶装置430と、マウスやキーボードを含む入力装置440と、ディスプレイやスピーカを含む出力装置450と、ネットワークカード(Network Interface Card)を含む通信制御装置460と、を有する。
【0025】
主記憶装置420、補助記憶装置430、入力装置440、出力装置450及び通信制御装置460は、バスラインを介して制御処理装置410とそれぞれ接続される。
制御処理装置410は、(1)補助記憶装置430に記憶されたプログラムを主記憶装置420上に読み込み、(2)プログラムの指示に従って入力装置440と補助記憶装置430と通信制御装置460との少なくともいずれかからデータを取得し、(3)取得したデータをプログラムに規定される手順で演算・加工した上で、(4)演算済み・加工済みのデータを補助記憶装置430と出力装置450と通信制御装置460との少なくともいずれかに提供する。
【0026】
[2−4.機能構成]
図5に、ユーザ端末10、ユーザ管理サーバ20及びDBマネジメントシステム30の機能構成例を示す。
本実施例のシステムは、ユーザ端末10、ユーザ管理サーバ20及びDBマネジメントシステム30がリアルタイムで連携して動作する。特に、本実施例のシステムでは、スケジュールを調整する画面を構成するWebページ全体を順次更新するとともに、当該画面が表示されている状態においてなされるユーザ操作をイベントとして検出しこれに基づいてように構成されているものとする。
なお、既存の技法(例えば、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)など(「JavaScript」は登録商標))を用いてユーザ端末10とユーザ管理サーバ20とが非同期で通信を行うことにより、スケジュールを調整する画面を構成するWebページ全体を再表示することなく、当該画面の一部のみを再描画することができるように構成してもよい。
【0027】
[2−4−1.ユーザ端末]
ユーザ端末10の機能は、ユーザ装置向けOS(Operating System)と当該OS上で動作するWebブラウザプログラムとがユーザ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
ユーザ装置にインストールされるべきOSは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているのが一般的である。また、ユーザ装置にインストールされるべきWebブラウザプログラムは、出荷当初からユーザ装置にインストールされているか、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されるのが一般的である。
【0028】
なお、ユーザ装置にインストールされるべきWebブラウザプログラムは、各種の記録媒体(例えば、CD(Compact Disc),DVD(Digital Versatile Disk),MOディスク(Magneto-Optical disk),フラッシュメモリ(flash memory)など)に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に供給されてもよい。
また、Webブラウザプログラムに代えて専用プログラムをユーザ装置にインストールさせることによりユーザ端末10の機能を実現してもよい。この場合にも、専用プログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてユーザ装置に供給されてもよいし、上記各種の記憶媒体に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に供給されてもよい。
【0029】
ユーザ端末10は、制御処理部511と、通信制御部512と、表示制御部513と、表示部514と、入力部515と、を少なくとも具備する。
このうち、制御処理部511及び表示制御部513はMPU311を含んで構成される。通信制御部512はNIC341と無線LANチップ342とを含んで構成される。表示部514及び入力部515はタッチパネルディスプレイ331を含んで構成される。
【0030】
制御処理部511は、ユーザ端末10全体を制御するとともに各種の処理を実行する。
通信制御部512は、スケジュール調整画面に表示させるデータをユーザ管理サーバ20に要求して当該要求に係るデータを取得する。また、ユーザ管理サーバ20にデータを提供して保存させる。
表示制御部513は、ユーザ管理サーバ20から取得されたデータや入力部515から入力されたデータを表示部514に表示させる。
表示部514は、表示制御部513による制御の下で、データを表示する。
入力部515は、タッチパネルに対する接触位置を示すデータを出力する。
【0031】
[2−4−2.ユーザ管理サーバ]
ユーザ管理サーバ20の機能は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するWebサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
サーバ装置にインストールされるべきOSは、出荷当初からサーバ装置にインストールされているのが一般的である。一方、サーバ装置にインストールされるべきWebサーバプログラムは、出荷当初からサーバ装置にインストールされていてもよいし、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給さてもよい。
なお、サーバ装置にインストールされるべきWebサーバプログラムは、各種の記録媒体(例えば、CD,DVD,MOディスク,フラッシュメモリなど)に記録された状態で配布され当該記録媒体からユーザ装置に供給されてもよい。
【0032】
ユーザ管理サーバ20は、要求(リクエスト)に応じてスケジュールに関するデータを提供(レスポンス)する機能の他に、スケジュールの調整を支援するための機能として取得部521と、特定部522と、判定部523と、報知部524と、を具備する。
このうち、取得部521と報知部524とは通信制御装置460を含んで構成される。特定部522と判定部523とは制御処理装置410を含んで構成される。
【0033】
取得部521は、個別訪問(一定用件)に関連付けて複数の関係者(少なくとも、1人の利用者及び1人の療養者)について予定を設定しようとする時期(指定時期)を指定する時期指定データをユーザ端末10から取得する。
特定部522は、取得された時期指定データが示す指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する時期(近傍時期)に当該関係者のうち一部のみの予定を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(未定用件)と、近傍時期と重複しない時期に他の利用者の予定を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(他の未定用件)と、をそれぞれ特定する。
【0034】
判定部523は、特定された未定用件が一定用件との間で所定の関係性を有する用件(関連用件)に該当するか否かを判定する。
報知部524は、肯定的に判定された関連用件の存在がユーザ端末10の表示部514に表示されているスケジュール調整画面内の近傍時期に関連付けて表示されるようユーザ端末10に必要なデータ項目を提供する。
【0035】
[2−4−3.DBマネジメントシステム]
DBマネジメントシステム30のデータ管理サーバ31は、サーバ装置向けOSと当該OS上で動作するDBサーバプログラムとがサーバ装置にそれぞれインストールされることにより実現される。
サーバ装置にインストールされるべきOSは、出荷当初からサーバ装置にインストールされているのが一般的である。また、サーバ装置にインストールされるべきDBサーバプログラムは、出荷当初からサーバ装置にインストールされていてもよいし、各種の記録媒体(例えば、CD,DVD,MOディスク,フラッシュメモリなど)に記録された状態で配布され当該記録媒体からサーバ装置に供給されてもよい。
なお、サーバ装置にインストールされるべきDBサーバプログラムは、通信ネットワーク40を介し搬送波に重畳させてサーバ装置に供給してもよい。
【0036】
データ管理部531は、データ管理サーバ31を含んで構成される。データ管理部531は、データの格納要求に応じ要求元から取得されるデータをデータ記憶部532に格納する。また、データ管理部531は、データの抽出要求に応じデータ記憶部532からデータを抽出して要求元に応答する。
データ記憶部532は、記憶装置32を含んで構成される。データ記憶部532は、スケジュールに関するデータ(管理データ)を記憶する。
【0037】
[2−5.管理データ]
図6(a)に、利用者情報の項目例を示す。利用者情報は、本実施例のシステムの利用者に関連する情報である。
図6(a)に例示されるように、利用者情報は、キー項目である「利用者ID」と、「利用者区分」(例えば、医師/看護師/薬剤師/介護士の別)と、「利用者名」(例えば、本名,ニックネーム等)と、を含む。その他、利用者の確認に用いる認証情報(パスワードなど),利用者の属性を示す属性情報等を含んでいてよい。
本実施例において利用者情報は、新たに利用者登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0038】
図6(b)に、療養者情報の項目例を示す。療養者情報は、いずれかの利用者が担当する療養者に関連する情報である。
図6(b)に例示されるように、療養者情報は、キー項目である「療養者ID」と、「療養者区分」(例えば、診療対象/指導対象/介護対象の別)と、「療養者名」(例えば、本名,ニックネーム等)と、「療養レベル」(例えば、支援の必要度合いに基づく等級)と、を含む。その他、療養者の属性情報等を含んでいてよい。
本実施例において療養者情報は、新たに療養者登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0039】
図6(c)に、グループ情報の項目例を示す。グループ情報は、互いに協力するべき所定の関係(例えば、同一の組織に属する関係,同一の療養者を担当する関係など)にある複数の利用者を対応付ける情報である。
図6(c)に例示されるように、グループ情報は、キー項目である「グループID」と、当該グループに属する複数の利用者をそれぞれ特定する複数の「利用者ID」と、を含む。
本実施例においてグループ情報は、自動的に又は手動で新たにグループ登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0040】
図6(d)に、担当情報の項目例を示す。担当情報は、利用者と療養者とを対応付ける情報である。
図6(d)に例示されるように、担当情報は、キー項目である「担当ID」と、「担当区分」(例えば、診療/指導/介護の別)と、「利用者ID」と、「療養者ID」と、を含む。
本実施例において担当情報は、新たに担当登録がなされる度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0041】
図6(e)に、ルール情報の項目例を示す。ルール情報は、訪問回数のルールを定義する情報である。
図6(e)に例示されるように、ルール情報は、キー項目である「担当区分ID」及び「療養レベル」と、「単位期間」(本実施例では、1か月間)と、「最低訪問回数」と、を含む。なお、本実施例における「最低訪問回数」は、既存のルール(例えば、医療保険制度,介護保険制度等)で規定されている、病名による「最低訪問回数」であるものとする。
本実施例においてルール情報は、医療保険制度や介護保険制度などのルール(「所定のルール」の一例。)が改正される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0042】
図6(f)に、用件情報の項目例を示す。用件情報は、利用者と療養者の少なくともいずれかを確保するべき契機に当たる「用件」に関連する情報である。
図6(f)に例示されるように、用件情報は、キー項目である「用件ID」と、「用件区分」(例えば、訪問/会合/私用の別)と、当該用件を表す文字列である「用件名」と、当該用件の期間を特定する「開始時期」及び「終了時期」と、当該用件に強く関連する「場所」(例えば、訪問地,会合開催地など)と、を含む。
本実施例において用件情報は、所定のスケジュール調整手順(後述)を経て予定が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0043】
図6(g)に、訪問情報の項目例を示す。訪問情報は、訪問者たる利用者と被訪問者たる療養者とを対応付ける情報である。
図6(g)に例示されるように、訪問情報は、キー項目である「用件ID」と、訪問者の「利用者ID」と、被訪問者の「療養者ID」と、を含む。
本実施例において訪問情報は、所定のスケジュール調整手順(後述)を経て訪問予定が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0044】
図6(h)に、会合情報の項目例を示す。会合情報は、会合(例えば、同一のグループに属する利用者どうしのミーティング等)の出席者を特定する情報である。
図6(h)に例示されるように、会合情報は、キー項目である「用件ID」と、複数の参加者の「利用者ID」と、を含む。
本実施例において会合情報は、会合予定が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0045】
図6(i)に、私用情報の項目例を示す。私用情報は、私用の当事者を特定する情報である。
図6(i)に例示されるように、私用情報は、キー項目である「用件ID」と、当事者の「利用者ID」又は「療養者ID」と、を含む。
本実施例において私用情報は、私用が設定される度にDBマネジメントシステム30に記憶される。
【0046】
[2−6.スケジュール調整手順]
図7−1及び図7−2に、スケジュール調整手順を示す。本実施例では、下記の〔手順1〕〜〔手順4〕の流れでスケジュールが調整される。
なお、スケジュールを調整する利用者は、認証情報を送信して実施例のシステムに前もってログインするものとする。以下では、実施例のシステムにログインしている利用者を「ログイン利用者」と指称する。また、以下の例において利用日は2016年4月11日とする。
【0047】
〔手順1:ログイン利用者のスケジュールデータを表示させる〕
ログイン利用者の操作に応じて、ユーザ端末10がユーザ管理サーバ20にスケジュールページを要求する(S705a)。
ユーザ管理サーバ20は、要求を受領すると(S705b)、ログイン利用者に関連するスケジュールデータ(本実施例では、システム利用日を含む所定期間(例えば、利用日を含む月とその翌月の計2か月間)分の訪問情報,会合情報及び私用情報にそれぞれ対応する用件情報の「用件名」,「開始時期」,「終了時期」,「場所」など)をDBマネジメントシステム30から抽出する(S710b)。
【0048】
次いで、ユーザ管理サーバ20は、抽出されたスケジュールデータ(既定用件)の少なくともいずれかをテンプレートデータ(ここでは、上記所定期間に対応する月単位カレンダー画面のテンプレート)に合成してスケジュール調整画面のページデータ(HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S715b)。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S715a)、スケジュール調整画面を表示する(S720a)。スケジュール調整画面の周辺には、ログインユーザが担当する療養者のリスト又は当該リストを表示させるためのリンクが表示されるものとする。
【0049】
〔手順2:指定療養者のスケジュールデータを表示させる〕
ログイン利用者が所定の療養者指定操作(本実施例では、療養者リストから選択する操作)を行うと、ユーザ端末10は、指定された療養者(指定療養者)を特定する療養者指定データをユーザ管理サーバ20に送信する(S725a)。
ユーザ管理サーバ20は、療養者指定データを受領すると(S725b)、療養者指定データにより特定される指定療養者に対するログイン利用者の担当内容を担当情報(図6(d))を参照して特定する(S730b)。ここで、個別訪問(一定用件)の設定モードとなる。
【0050】
続いてユーザ管理サーバ20は、指定療養者のスケジュールデータ(既定用件)を抽出する(S735b)。次いで、ユーザ管理サーバ20は、指定療養者のスケジュールデータ(既定用件)とログイン利用者のスケジュールデータ(既定用件)とを上記テンプレートデータに合成してスケジュール調整画面のページデータ(本実施例では、HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S740b)。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S740a)、スケジュール調整画面を更新する(S745a)。
【0051】
図8に、スケジュール調整画面の表示例を示す。
図8は、ログイン利用者(利用者X1)及び指定療養者(療養者Y1)のスケジュールデータ(既定用件)が反映されたスケジュール調整画面(月単位カレンダーの表示例)である。主要な既定予定を[リスト1]に示す。
なお、図8の表示例では、登録済み用件(既定用件)の「用件名」が表示されるリンクが、対応する日付けの領域にそれぞれ配置されている。いずれかのリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、長押し操作)が検出されると、当該リンクに対応する用件の詳細(例えば、「用件名」,「開始時期」,「終了時期」,「場所」)がポップアップ表示されるように構成するとよい。
【0052】
[リスト1]
・用件P1:個別訪問(X1→Y1)…最低訪問回数2回/月
・用件Q1,Q2:会合(X1)…終日
・用件R1:私用(X1)…終日
・用件S1:個別訪問(X2→Y1)…最低訪問回数3回/月
【0053】
〔手順3:関連用件を表示させる〕
ログイン利用者が所定の時期指定操作(本実施例では、訪問予定を設定しようとする時期の先頭に対応する領域から末尾に対応する領域までをスライドする入力操作)を行うと、ユーザ端末10は、当該時期指定操作を検知し、当該時期指定操作により指定される指定時期を特定する時期指定データをユーザ管理サーバ20に送信する(S750a)。
図9に、スケジュール調整画面の表示例を示す。図9の表示例では、18日に対応する領域を始点とし22日に対応する領域を終点とするスライド操作がなされ、18日から22日までが指定されている。
【0054】
ユーザ管理サーバ20は、時期指定データを受領すると(S750b)、DBマネジメントシステム30と連携して未定用件を特定する(S755b)。
本実施例では、少なくとも次の用件を未定用件として特定する。
〔用件A1〕受領した時期指定データが特定する指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍時期にログイン利用者のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
〔用件A2〕受領した時期指定データが特定する指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍時期に指定療養者のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
〔用件A3〕近傍時期(受領した時期指定データにより特定される指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する時期)と重複しない時期に、ログイン利用者と同一のグループに属する他の利用者と、指定療養者以外の療養者と、を確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
【0055】
上記〔用件A3〕に係る未定用件を特定する際には、担当情報(図6(d)),ルール情報(図6(e))及び過去のスケジュールデータ(図6(f)−(i))を参照するとよい。
具体的には、ある利用者がある療養者を担当している場合において、その担当区分について単位期間(本実施例では、1か月間)の最低訪問回数がn回(n:2以上の自然数)というルールが設定されているとき、単位期間(ここでは、1か月間)の日数をn等分して得られるn個の区間にそれぞれ1回ずつ個別訪問がなされるものと仮定する。その上で、当該ある利用者の非稼動時期及び既定用件と、当該ある療養者の既定用件と、に重ならない時期を、当該ある利用者が当該ある療養者を個別訪問し得る未定用件として特定する。
【0056】
続いてユーザ管理サーバ20は、DBマネジメントシステム30と連携して、特定された未定用件の中から関連用件を絞り込む(S760b)。
本実施例では、次の用件を関連用件と判定する。
〔用件B1〕ログイン利用者が指定療養者以外の療養者を個別訪問する用件(上記〔用件A1〕の未定用件と同じ)
〔用件B2〕ログイン利用者と同一のグループに属する他の利用者が指定療養者を個別訪問する用件(上記〔用件A2〕の少なくとも一部)
〔用件B3〕ログイン利用者と同一のグループに属する他の利用者が指定療養者以外の療養者を訪問する用件であって、下記のすべての条件を満たすもの(上記〔用件A3〕の少なくとも一部)
(a)日程の選択肢が所定数(例えば、2)以下である
(b)上記〔用件B2〕中の利用者が同一の用件の中に、時期が重複し又は近接する用件が存在する
【0057】
続いてユーザ管理サーバ20は、指定療養者のスケジュールデータ(既定用件)とログイン利用者のスケジュールデータ(既定用件)とを上記テンプレートデータに合成しさらに下記のように設定したページデータ(本実施例では、HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S765b)。
(a)上記用件B1及び用件B2が、近傍時期に関連付けて表示される。
(b)上記用件B3が、対応する用件B2に関連付けて表示される。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S765a)、スケジュール調整画面を更新する(S770a)。
【0058】
図10−1及び図10−2に、スケジュール調整画面の表示例を示す。
図10−1及び図10−2は、指定時期又はその周辺に関連用件が表示されるスケジュール調整画面(月単位カレンダーの表示例)である。主要な用件を[リスト2]に示す。
図10−1の表示例では、上記〔用件B1〕及び〔用件B2〕に該当する関連用件のリンクが指定時期に関連付けて所定の態様(本実施例では、「?」マークを付記)で表示されている。いずれかのリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、長押し操作)が検出された場合に当該リンクに対応する用件の詳細(例えば、「用件名」,「開始時期」,「終了時期」,「場所」)がポップアップ表示されるように構成するとよい。
【0059】
[リスト2]
・用件P2:個別訪問(X1→Y1)の候補…最低訪問回数が2回/月なので、18日,19日,21日及び22日が候補になる(なお、25日,26日,28日及び29日も候補である)。
・用件S2:個別訪問(X2→Y1)の候補…最低訪問回数が3回/月なので、18日及び19日が候補になる(なお、12日,14日及び15日も候補である)。
・用件S3:個別訪問(X2→Y1)の候補…最低訪問回数が3回/月なので、21日及び22日が候補になる(なお、25日,26日,28日及び29日も候補である)。
・用件T4:個別訪問(X2→Y2)…最低訪問回数が1回/週で26日か28日に設定する必要があるものとする。
【0060】
また、上記〔用件B3〕に該当する関連用件は、対応する〔用件B2〕に該当する関連用件のリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、タップ操作)が検出され当該リンクが選択されている状態でのみ表示されるように構成するとよい。
図10−2の表示例では、2016年4月21日の関連用件S3が選択された状態において、対応する関連用件T4のリンクが表示されている。併せて、関連用件S3のリンクが指定時期外の他の候補日に対応する領域に表示されている。
【0061】
図10−2の表示例を、具体的に解説する。
・用件S3の最低訪問回数は3回/月なので(上記[リスト2]参照)、2016年4月の候補日は、21日,22日,25日,26日,28日及び29日である。
・用件T4の最低訪問回数は1回/週で、26日又は28日に設定する必要がある(上記[リスト2]参照)。この場合、用件S3の候補日が21日,22日,25日及び29日に絞られる。つまり、用件T4との関係で、用件S3を21日又は22日に済ませるべき優先度が相対的に上昇する。
・そこで、用件S3の日程調整に影響を与え得る用件T4のリンクを用件S3に関連付けて表示させている。具体的には、用件S3のリンクを指定時期外の他の候補日に対応する領域に、用件T4のリンクをその候補日に対応する領域に、それぞれ表示させる。さらに、用件T4と候補日が重なる用件S3のリンク(26日及び28日のリンク)の表示を所定の態様(本実施例では、二重取消線)で表示させている。
【0062】
〔手順4:予定を設定する〕
利用者が所定の予定設定操作(本実施例では、用件名,開始時期,終了時期,場所をそれぞれ入力し又は選択する操作)を行うと、ユーザ端末10は、設定された予定を構成する予定データをユーザ管理サーバ20に提供する(S775a)。
ユーザ管理サーバ20は、予定データを受領すると(S775b)、一意のIDを付与し、ログイン利用者が指定療養者を「個別訪問」する新たな用件としてDBマネジメントシステム30に登録する(S780b)。次いで、ユーザ管理サーバ20は、新たに登録された用件が追加されたページデータ(本実施例では、HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S785b)。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S785a)、スケジュール調整画面を更新する(S790a)。
【0063】
[3.変形例]
[3−1.変形例1]
実施例では、ログイン利用者に療養者を指定させてからスケジュールを調整する手順を採用している(図7−1のS725b〜)。
これに対し、複数の療養者にそれぞれ関わる複数のスケジュールをまとめて調整する手順を採用してもよい。例えば、ログイン利用者が時期を指定すると、指定された時期に済ませるべき用件をカレンダー上に表示させ、ログイン利用者に選択させるとよい。
【0064】
[3−2.変形例2]
実施例では、ログイン利用者に時期を指定させてから当該時期に関連付けて関連用件の存在をまとめて報知する手順を採用している(図7−1のS750b〜)。
これに対し、関連用件の存在を個別に報知する手順を採用してもよい。例えば、スケジュール調整画面上でログイン利用者に複数の日付けに対応する複数の領域を順次通過するスライド操作をさせ、接触位置を含む領域に対応する日付けごとにその日に済ませるべき用件をポップアップ表示させるとよい。
【0065】
また、実施例では、時期を指定させる操作として、訪問予定を設定しようとする時期の先頭に対応する領域から末尾に対応する領域までをスライドする入力操作を採用している(図9)。
これに対し、時期を指定させる操作として他の操作を採用してもよい。また、指定時期は連続していなくてもよい。例えば、ある日付けに対応する領域に対する第1操作(例えば、長押し操作)により当該日付けを選択させ、当該ある日付けが選択された状態において他の日付けに対応する領域に対する第2操作(例えば、タップ操作)により当該他の日付けを選択させる。これらの操作を繰り返させ、訪問予定を設定しようとする時期が全て選択された状態で、選択完了を示す操作(例えば、選択完了を示すリンクをポップアップメニューから選択指定する操作)をさせるとよい。その後の手順は、実施例と同様である。
【0066】
[3−3.変形例3]
実施例では、関連用件を済ませることが可能な時期を制限する「所定のルール」として、「単位期間」における「最低訪問回数」を考慮している。
「所定のルール」に関しては、既存のルール(例えば、医療保険制度,介護保険制度等)に合わせて種々の実装形態が考えられる。例えば、これらのルールでは、(a)休日・夜間の加算,(b)一定期間における最高訪問回数,(c)病名による最低訪問回数等が決まっている。したがって、これらを考慮して保険点数が理に適うように関連用件の候補日程の選択肢を予め絞って利用者に提示することが可能である。
なお、既存のルールが改定された場合は、改定後のルールに合わせて絞込みロジックを変更するのが好ましい。
【符号の説明】
【0067】
10 ユーザ端末
20 ユーザ管理サーバ
30 DBマネジメントシステム
31 データ管理サーバ
32 記憶装置
40 通信ネットワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図8
図9
図10-1】
図10-2】
【手続補正書】
【提出日】2017年5月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち該一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件を特定する第1特定手段と、
前記第1特定手段により特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補を、ルール情報に規定される用件消化ルールに基づいて特定する第2特定手段と、
前記第1特定手段により特定される近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定手段により特定される近傍候補の存在を報知する第1報知手段と、
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記第1特定手段が、能動オブジェクトが受動オブジェクトに関与する前記一定用件に関連付けて該能動オブジェクトと該受動オブジェクトとが確保されようとしている前記指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する前記近傍期間内に該受動オブジェクトのみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記消化時期未定用件のうち該能動オブジェクトと所定の関係性を有する他の能動オブジェクトが該受動オブジェクトに関与する前記近傍関連用件を特定し、
前記第2特定手段が、前記能動オブジェクトが前記受動オブジェクトに一定期間ごとに関与するべき回数を規定する前記用件消化ルールに基づいて前記近傍候補を特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2特定手段が、前記第1特定手段により特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれない単数又は複数の周辺候補を前記用件消化ルールに基づいてさらに特定し、
前記第1報知手段により報知された前記近傍候補のうちいずれかを対象とする所定操作がなされた場合に、前記近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定手段により特定される周辺候補の存在を報知する第2報知手段をさらに具備する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
記近傍期間と重複しない時期に前記他の能動オブジェクトと該他の能動オブジェクトが関与する他の受動オブジェクトとを確保する必要性を将来的に発生させ得る他の消化時期未定用件を特する第3特定手段と
前記第3特定手段により特定される他の消化時期未定用件を消化するべき時期の候補である単数又は複数の他候補を特定する第4特定手段と、
前記第3特定手段により特定される他の消化時期未定用件のうち前記第4特定手段により特定される他候補のいずれかが前記第2特定手段により特定される近傍候補の少なくともいずれかに少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍関係にある周辺関連用件を特定する第5特定手段と、
前記所定操作がなされた場合に限り、前記第5特定手段により特定される周辺関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第4特定手段により特定される他候補の存在を報知する第3報知手段とをさらに具備する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2報知手段が、前記第3報知手段による報知がなされる場合に、前記第2特定手段により特定される周辺候補のうち前記第4特定手段により特定される他候補のいずれかと前記近傍関係にある競合候補の優先度が前記近傍関連用件を消化するべき時期の候補の中で相対的に低下する可能性を該競合候補が見え消し態様で表示される視覚的情報によりにさらに報知する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2報知手段が、前記第4特定手段により特定される他候補が所定数を超えない場合に限り前記視覚的情報により前記可能性を報知する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち該一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件を特定する第1特定ステップと、
前記第1特定ステップにおいて特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補を、ルール情報に規定される用件消化ルールに基づいて特定する第2特定ステップと、
前記第1特定ステップにおいて特定される近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定ステップにおいて特定される近傍候補の存在を報知する第1報知ステップと、
を含む、情報処理装置の制御方法。
【請求項8】
一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち該一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件を特定する第1特定機能と、
前記第1特定機能により特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補を、ルール情報に規定される用件消化ルールに基づいて特定する第2特定機能と、
前記第1特定機能により特定される近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定機能により特定される近傍候補の存在を報知する第1報知機能と、
を情報処理装置のコンピュータに実現させる制御プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち該一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件を特定する第1特定手段と、前記第1特定手段により特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補を、ルール情報に規定される用件消化ルールに基づいて特定する第2特定手段と、前記第1特定手段により特定される近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定手段により特定される近傍候補の存在を報知する第1報知手段と、を具備する。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置の制御方法」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち該一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件を特定する第1特定ステップと、前記第1特定ステップにおいて特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補を、ルール情報に規定される用件消化ルールに基づいて特定する第2特定ステップと、前記第1特定ステップにおいて特定される近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定ステップにおいて特定される近傍候補の存在を報知する第1報知ステップと、を含む。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「制御プログラム」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち該一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件を特定する第1特定機能と、前記第1特定機能により特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補を、ルール情報に規定される用件消化ルールに基づいて特定する第2特定機能と、前記第1特定機能により特定される近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定機能により特定される近傍候補の存在を報知する第1報知機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させる。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「コンピュータ読取り可能な記録媒体」は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち該一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件を特定する第1特定機能と、前記第1特定機能により特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補を、ルール情報に規定される用件消化ルールに基づいて特定する第2特定機能と、前記第1特定機能により特定される近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定機能により特定される近傍候補の存在を報知する第1報知機能と、を情報処理装置のコンピュータに実現させるプログラムを記録する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一態様に係る「情報処理装置」には、下記の技術的限定を加えてもよい。また、同様の技術的限定を、本発明の一態様に係る「制御方法」及び「制御プログラム」に加えてもよい。
・前記第1特定手段が、能動オブジェクトが受動オブジェクトに関与する前記一定用件に関連付けて該能動オブジェクトと該受動オブジェクトとが確保されようとしている前記指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する前記近傍期間内に該受動オブジェクトのみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記消化時期未定用件のうち該能動オブジェクトと所定の関係性を有する他の能動オブジェクトが該受動オブジェクトに関与する前記近傍関連用件を特定し、前記第2特定手段が、前記能動オブジェクトが前記受動オブジェクトに一定期間ごとに関与するべき回数を規定する前記用件消化ルールに基づいて前記近傍候補を特定する。
・前記第2特定手段が、前記第1特定手段により特定される近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち前記近傍期間に含まれない単数又は複数の周辺候補を前記用件消化ルールに基づいてさらに特定し、前記第1報知手段により報知された前記近傍候補のうちいずれかを対象とする所定操作がなされた場合に、前記近傍関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第2特定手段により特定される周辺候補の存在を報知する第2報知手段をさらに具備する。
・前記近傍期間と重複しない時期に前記他の能動オブジェクトと該他の能動オブジェクトが関与する他の受動オブジェクトとを確保する必要性を将来的に発生させ得る他の消化時期未定用件を特定する第3特定手段と、前記第3特定手段により特定される他の消化時期未定用件を消化するべき時期の候補である単数又は複数の他候補を特定する第4特定手段と、前記第3特定手段により特定される他の消化時期未定用件のうち前記第4特定手段により特定される他候補のいずれかが前記第2特定手段により特定される近傍候補の少なくともいずれかに少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍関係にある周辺関連用件を特定する第5特定手段と、前記所定操作がなされた場合に限り、前記第5特定手段により特定される周辺関連用件にそれぞれ視覚的に関連付けて、前記第4特定手段により特定される他候補の存在を報知する第3報知手段と、をさらに具備する。
前記第2報知手段が、前記第3報知手段による報知がなされる場合に、前記第2特定手段により特定される周辺候補のうち前記第4特定手段により特定される他候補のいずれかと前記近傍関係にある競合候補の優先度が前記近傍関連用件を消化するべき時期の候補の中で相対的に低下する可能性を該競合候補が見え消し態様で表示される視覚的情報によりにさらに報知する。
前記第2報知手段が、前記第4特定手段により特定される他候補が所定数を超えない場合に限り前記視覚的情報により前記可能性を報知する。
前記第1特定手段が、前記指定時期に近接する前記近傍期間に前記複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記消化時期未定用件のうち前記一定用件を消化する時期を制約する所定の事情を有する前記近傍関連用件を特定し、前記第1報知手段が、前記第2特定手段により特定される近傍候補の存在を前記所定の事情にさらに関連付けて報知する。
前記第1特定手段が、能動オブジェクトが受動オブジェクトを訪問する前記一定用件に関連付けて該能動オブジェクトと該受動オブジェクトとが確保されようとしている前記指定時期に近接する前記近傍期間に該受動オブジェクトのみを確保する必要性を将来的に発生させ得る前記消化時期未定用件のうち該能動オブジェクトと所定の関係性を有する他の能動オブジェクトが受動オブジェクトを前記近傍時期が属する日と同日に又は別日に訪問するべき前記所定の事情を有する前記近傍関連用件を特定る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
この明細書において「用件」とは、単数又は複数のオブジェクトを確保するべき契機をいう。このうち、消化するべき時期(済ませる時期)が未だ定まっていない用件を「消化時期未定用件」(単に「未定用件」ということもある。)と呼び、消化するべき時期が既に定まっている用件を「既定用件」(「スケジュールデータ」又は「登録済み用件」ということもある。)と呼ぶ。
この明細書において「予定」とは、何らかの用件に関連付けて単数又は複数のオブジェクトを「指定時期」に確保すること又はその確保された内容をいう。特に、「予定を設定する」とは、単数又は複数のオブジェクトを前もって確保することをいう。
この明細書において「スケジュール」とは、相互に関係のある複数のオブジェクトの「予定」をそれぞれ設定すること又はその設定された内容をいう。特に、「スケジュールを調整する」とは、相互に関係のある複数のオブジェクトの「予定」を矛盾なく設定することをいう。
この明細書において「オブジェクト」とは、確保の対象であって、人,物(動産,不動産),動物など他のものに代替できないものをいう。特に、「能動オブジェクト」はあるアプローチ(例えば、訪問,招待など)をするオブジェクト、「受動オブジェクト」は当該アプローチをされるオブジェクトをいう。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明では、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る消化時期未定用件のうち一定用件と所定の関連性を有する近傍関連用件に視覚的に関連付けて、近傍関連用件を消化するべき時期の候補のうち近傍期間に含まれる単数又は複数の近傍候補の存在を報知する。
よって、本発明によれば、予定が不用意に設定されることに起因する不都合の発生が抑止される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図1】概要の説明図である。(実施例)
図2】実施例のシステムのネットワーク構成例の説明図である。(実施例)
図3ユーザ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
図4サーバ装置のハードウェア構成例の説明図である。(実施例)
図5】ユーザ管理サーバの機能構成例の説明図である。(実施例)
図6】管理データの項目例の説明図である。(実施例)
図7-1】スケジュール調整手順の説明図である。(実施例)
図7-2】スケジュール調整手順の説明図である。(実施例)
図8】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
図9】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
図10-1】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
図10-2】スケジュール調整画面の説明図である。(実施例)
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
[1−2.情報処理装置]
本実施形態に係る情報処理装置は、一定用件に関連付けて複数のオブジェクトが確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に当該複数のオブジェクトの一部のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る未定用件を特定する特定手段と、上記特定手段により特定される未定用件のうち上記一定用件と所定の関連性を有する関連用件の存在を上記近傍期間に関連付けて報知する報知手段と、を具備する。
情報処理装置は、サーバクライアントシステムを構成するサーバ装置やクライアント装置(ユーザ装置)であってもよいし、スタンドアロンで動作するユーザ装置であってもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本実施例に係るユーザ管理サーバ20(「情報処理装置」の一例。)は、特定部(522)と報知部(524)とを具備する(図5参照)。
特定部(522)は、個別訪問a(「一定用件」の一例。)に関連付けて訪問者たる利用者X1(「能動オブジェクト」の一例。)及び被訪問者たる療養者Y1(「受動オブジェクト」の一例。)が確保されようとしている指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する近傍期間内に療養者Y1を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(「消化時期未定用件」の一例。)を特定する。
報知部(524)は、特定部(522)により特定される他の個別訪問のうち利用者X1と協力関係(「所定の関係性」の一例。)を有する利用者X2(「他の能動オブジェクト」の一例。)による療養者Y1への個別訪問b(「近傍関連用件」の一例。)の存在を上記近傍期間に関連付けて視覚的に報知する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
特に、特定部(522)は、上記近傍期間と重複しない時期に訪問者たる利用者X2と被訪問者たる療養者Y2(「他の受動オブジェクト」の一例。)とを確保する必要性を将来的に発生させ得る個別訪問c(「他の消化時期未定用件」,「周辺関連用件」の一例。)をさらに特定する。
このとき、報知部(524)は、個別訪問cとの関係で利用者X2を近傍期間に確保する優先度が相対的に上がる上記個別訪問bの存在を個別訪問cにさらに関連付けて報知する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
取得部521は、個別訪問(一定用件)に関連付けて複数の関係者(少なくとも、1人の利用者及び1人の療養者)について予定を設定しようとする時期(指定時期)を指定する時期指定データをユーザ端末10から取得する。
特定部522は、取得された時期指定データが示す指定時期と少なくとも部分的に重複し又はこれに近接する期間(近傍期間)に当該関係者のうち一部のみの予定を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(未定用件)と、近傍期間と重複しない時期に他の利用者の予定を確保する必要性を将来的に発生させ得る他の個別訪問(他の未定用件)と、をそれぞれ特定する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
判定部523は、特定された未定用件が一定用件との間で所定の関係性を有する用件(関連用件)に該当するか否かを判定する。
報知部524は、肯定的に判定された関連用件の存在がユーザ端末10の表示部514に表示されているスケジュール調整画面内の近傍期間に関連付けて表示されるようユーザ端末10に必要なデータ項目を提供する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
図8に、スケジュール調整画面の表示例を示す。
図8は、ログイン利用者(利用者X1)及び指定療養者(療養者Y1)のスケジュールデータ(既定用件)が反映されたスケジュール調整画面(月単位カレンダーの表示例)である。主要な既定用件を[リスト1]に示す。
なお、図8の表示例では、登録済み用件(既定用件)の「用件名」が表示されるリンクが、対応する日付けの領域にそれぞれ配置されている。いずれかのリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、長押し操作)が検出されると、当該リンクに対応する用件の詳細(例えば、「用件名」,「開始時期」,「終了時期」,「場所」)がポップアップ表示されるように構成するとよい。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
ユーザ管理サーバ20は、時期指定データを受領すると(S750b)、DBマネジメントシステム30と連携して未定用件を特定する(S755b)。
本実施例では、少なくとも次の用件を未定用件として特定する。
〔用件A1〕受領した時期指定データが特定する指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍期間にログイン利用者のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
〔用件A2〕受領した時期指定データが特定する指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する近傍期間に指定療養者のみを確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
〔用件A3〕近傍期間(受領した時期指定データにより特定される指定時期と少なくとも部分的に重複し又は近接する期間)と重複しない時期に、ログイン利用者と同一のグループに属する他の利用者と、指定療養者以外の療養者と、を確保する必要性を将来的に発生させ得る用件
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
上記〔用件A3〕に係る未定用件を特定する際には、担当情報(図6(d)),ルール情報(図6(e))及び過去のスケジュールデータ(図6(f)−(i))を参照するとよい。
具体的には、ある利用者がある療養者を担当している場合において、その担当区分について単位期間(本実施例では、1か月間)の最低訪問回数がn回(n:2以上の自然数)というルールが設定されているとき、単位期間(ここでは、1か月間)の日数をn等分して得られるn個の区間にそれぞれ1回ずつ個別訪問がなされるものと仮定する。その上で、当該ある利用者の非稼動時期及び既定用件と、当該ある療養者の既定用件と、に重ならない時期を、当該ある利用者が当該ある療養者を個別訪問し得る未定用件の候補時期として特定する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
続いてユーザ管理サーバ20は、指定療養者のスケジュールデータ(既定用件)とログイン利用者のスケジュールデータ(既定用件)とを上記テンプレートデータに合成しさらに下記のように設定したページデータ(本実施例では、HTML形式のソース)を生成し、ユーザ端末10に提供する(S765b)。
(a)上記用件B1及び用件B2が、近傍期間に関連付けて表示される。
(b)上記用件B3が、対応する用件B2に関連付けて表示される。
ユーザ端末10は、ページデータを受領すると(S765a)、スケジュール調整画面を更新する(S770a)。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図10−1及び図10−2に、スケジュール調整画面の表示例を示す。
図10−1及び図10−2は、指定時期又はその周辺に関連用件が表示されるスケジュール調整画面(月単位カレンダーの表示例)である。主要な用件を[リスト2]に示す。
図10−1の表示例では、上記〔用件B1〕及び〔用件B2〕に該当する関連用件のリンクが指定時期に関連付けて所定の態様(本実施例では、「?」マークを付記)で表示されている。いずれかのリンクの表示領域に対する所定操作(例えば、長押し操作)が検出された場合に当該リンクに対応する用件の詳細(例えば、利用者情報(図6(a))の項目,療養者情報(図6(b))の項目,担当情報(図6(d))の項目,ルール情報(図6(e))の項目など)がポップアップ表示されるように構成するとよい。