印刷対象データを保存するための特定フォルダ120を備えるサーバ100と、印刷対象データから生成される印刷ジョブに基づいた印刷を行う印刷装置200とを備える印刷システム1であって、特定フォルダ120に保存される第1印刷対象データから第1印刷ジョブを生成するジョブ生成部142と、第1印刷ジョブと印刷順番とを関連づけて記憶するジョブ管理部143と、第1印刷対象データを更新することにより生成された第2印刷対象データを検出するデータ検出部141と、を備え、ジョブ生成部142は、第2印刷対象データが検出された場合、第2印刷対象データから第2印刷ジョブを生成し、ジョブ管理部143は、第2印刷ジョブが生成された場合、第1印刷ジョブを削除するとともに、第2印刷対象データを当該第1印刷ジョブの印刷順番にて記憶する。
印刷ジョブの生成元となる印刷対象データを保存するための特定フォルダを備えるサーバと、前記印刷対象データから生成される前記印刷ジョブに基づいた印刷を行う印刷装置とを備える印刷システムであって、
前記特定フォルダに前記印刷対象データとして保存される第1印刷対象データから第1印刷ジョブを生成するジョブ生成部と、
前記第1印刷ジョブと前記第1印刷ジョブを印刷する印刷順番とを関連づけて記憶するジョブ管理部と、
前記第1印刷対象データを更新することにより生成された第2印刷対象データが前記特定フォルダに保存されたことを検出するデータ検出部と、を備え、
前記ジョブ生成部は、前記第2印刷対象データが検出された場合、前記第2印刷対象データから第2印刷ジョブを生成し、
前記ジョブ管理部は、前記第2印刷ジョブが生成された場合、前記第1印刷ジョブを削除するとともに、前記第2印刷対象データを当該第1印刷ジョブの印刷順番にて記憶する
ことを特徴とする印刷システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例に係る印刷システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。また、以下に示す実施例は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
[実施例1]
<印刷システムの構成>
図1は、本発明の実施例1に係る印刷装置が設けられた印刷システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、印刷システム1は、端末装置10に接続するサーバ100と、サーバ100に接続する印刷装置200とを備える。
【0016】
サーバ100は、通信部110と、特定フォルダ120と、サーバ記憶部130と、サーバ制御部140とを備える。
【0017】
通信部110は、ネットワークを介して、端末装置10と印刷装置200とに接続しており、端末装置10と印刷装置200との間で、各種データを送受信する。なお、ネットワークは、インターネットであってもよいし、ローカルエリアネットワークであってもよい。また、ネットワークの通信方式は、有線式であってもよいし、無線式であってもよい。
【0018】
特定フォルダ120は、ハードディスクなどの記憶媒体により構成される。特定フォルダ120は、印刷ジョブの生成元となる印刷対象データを保存するためのものである。
【0019】
特定フォルダ120は、端末装置10がアクセスできるように構成されている。特定フォルダ120は、端末装置10から送信された印刷対象データを保存する。特定フォルダ120に保存される印刷対象データは、端末装置10の操作によって修正された上で、更新される。
【0020】
サーバ記憶部130は、ハードディスクなどの記憶媒体によって構成される。サーバ記憶部130は、サーバ100内の処理に用いられる各種データを記憶する。例えば、サーバ記憶部130は、サーバ制御部140を構成するCPUの動作プログラムなどの各種プログラムや各種制御データやテーブルを記憶する。また、サーバ記憶部130は、CPU動作時のワークエリアや展開メモリとしても機能する。
【0021】
サーバ制御部140は、サーバ100に備えられる各種機能を制御する。サーバ制御部140は、CPU(不図示)を備え、制御プログラムを読込んだCPUにより実行される各種機能を実現する。
【0022】
また、サーバ制御部140は、印刷対象データに基づいて、印刷ジョブを生成する。サーバ制御部140は、通信部110を介して、印刷ジョブを印刷装置200に送信する。
【0023】
印刷装置200は、印刷対象データから生成される印刷ジョブに基づいた印刷を行う。印刷装置200は、通信部210と、印刷装置記憶部220と、印刷部230と、操作パネル部240と、印刷制御部250とを備える。
【0024】
通信部210は、ネットワークを介して、サーバ100との間で通信する。
【0025】
印刷装置記憶部220は、ハードディスクなどの記憶媒体によって構成される。印刷装置記憶部220は、印刷装置200内の処理に用いられる各種データを記憶する。例えば、印刷装置記憶部220は、印刷制御部250を構成するCPUの動作プログラムなどの各種プログラムや各種制御データやテーブルを記憶する。また、印刷装置記憶部220は、CPU動作時のワークエリアや展開メモリとしても機能する。
【0026】
印刷部230は、印刷用紙に所定画像を形成する。印刷部230は、インクジェット方式により、所定画像を形成する。印刷部230は、インクを吐出するヘッド部、印刷用紙を搬送するための搬送部、所定画像が形成された印刷済の印刷用紙を排紙する排紙部などを備えている(いずれも不図示)。なお、印刷部230によって所定画像を形成する方式は、特に限定されず、例えば、電子写真方式であってもよい。
【0027】
操作パネル部240は、印刷装置200の上部に設けられ、表示/入力パネルと、読み取りや印刷等を開始させるためのスタートキー、読み取りや印刷等を停止させるためのストップキー、印刷枚数等を入力するためのテンキー(いずれも不図示)等の各種操作キーとを備える。操作パネル部240は、表示/入力パネル又は操作キーを用いてユーザにより入力された操作データを印刷制御部250に送信する。
【0028】
印刷制御部250は、印刷装置200に備えられる各種機能を制御する。印刷制御部250は、CPU(不図示)を備え、制御プログラムを読込んだCPUにより実行される各種機能を実現する。
【0029】
印刷制御部250は、印刷ジョブに基づいて、印刷部230を制御することにより、印刷用紙に所定画像を印刷する。印刷制御部250は、サーバ100から送信された印刷ジョブと印刷順番とを印刷装置記憶部220に記憶する。
【0030】
印刷制御部250は、ユーザにより操作パネル部240に所定の印刷指示がなされた場合、印刷装置記憶部220に記憶された印刷ジョブに基づく印刷を行う。このとき、印刷制御部250は、印刷ジョブに関連づけられた印刷順番に従って、印刷ジョブに基づく印刷を行う。
【0031】
<サーバ制御部の構成>
次に、サーバ制御部140の機能について、具体的に説明する。
図1に示すように、サーバ制御部140は、データ検出部141と、ジョブ生成部142と、ジョブ管理部143とを備える。
【0032】
データ検出部141は、特定フォルダ120を監視する。データ検出部141、新たな印刷対象データが特定フォルダに保存されると、当該新たな印刷対象データを検出する。
【0033】
そして、データ検出部141は、印刷対象データと、印刷対象データの作成日時(日時分秒)とを関連づけてサーバ記憶部130に記憶する。また、データ検出部141は、特定フォルダ120に記憶されていた印刷対象データが更新されると、更新後の印刷対象データを検出する。
【0034】
ジョブ生成部142は、データ検出部141によって特定フォルダ120に新たな印刷対象データ(例えば、第1印刷対象データ)が検出されると、当該印刷対象データから印刷ジョブ(例えば、第1印刷ジョブ)を生成する。
【0035】
また、ジョブ生成部142は、印刷対象データを更新した更新後の印刷対象データ(例えば、第2印刷対象データ)が検出された場合、更新後の印刷対象データから印刷ジョブ(例えば、第2印刷ジョブ)を生成する。
【0036】
ジョブ管理部143は、印刷ジョブ(例えば、第1印刷ジョブ)と、印刷ジョブを印刷する印刷順番とを関連づけて、サーバ記憶部130に記憶する。また、ジョブ管理部143は、更新後の印刷対象データから印刷ジョブ(例えば、第2印刷ジョブ)が生成された場合も、生成された印刷ジョブ(例えば、第2印刷ジョブ)と、印刷順番とを関連づけて、サーバ記憶部130に記憶する。
【0037】
また、ジョブ管理部143は、サーバ記憶部130に記憶される印刷ジョブと印刷順番とを、通信部110を介して印刷装置200に送信する。なお、印刷装置200では、印刷制御部250が、印刷ジョブに関連づけられた印刷順番に従って、印刷ジョブに基づく印刷を行う。
【0038】
<印刷システム1の動作>
次に、印刷システム1の動作について説明する。
図2は、印刷システム1の動作を示すフローチャートである。まず、
図2を参照して、新たな印刷対象データが特定フォルダ120に記憶された際に実行される新規処理について説明する。
【0039】
ステップS10において、データ検出部141は、特定フォルダ120内を監視する。例えば、データ検出部141は、特定フォルダ120内を定期的(例えば、3分ごと)にポーリングする。
【0040】
そして、ステップS20において、データ検出部141は、特定フォルダ120内に、新たな印刷対象データがあるか否かを判定する。具体的に、新たなファイル名の印刷対象データが特定フォルダ120に保存されたか否かを判定する。
【0041】
なお、データ検出部141は、新たな印刷対象データがないと判定した場合、すなわち、新たな印刷対象データが検出されない場合(ステップS20“No”)、ステップS10の動作を繰り返す。
【0042】
一方、ステップS30において、データ検出部141は、新たな印刷対象データがあると判定した場合(ステップS20“Yes”)、すなわち、新たな印刷対象データが検出された場合、印刷対象データと、印刷対象データの作成日時(日時分秒)とを関連づけてサーバ記憶部130に記憶する。
【0043】
具体的に、
図3に示すように、データ検出部141は、印刷対象データのファイル名と、印刷対象データの作成日時(日時分秒)とを関連づけたデータテーブルT1を記憶する。なお、作成日時は、印刷対象データに含まれるメタデータから取得してもよい。
【0044】
ステップS40において、ジョブ生成部142は、新たな印刷対象データから印刷ジョブを生成する。ここで、ジョブ生成部142は、印刷対象データのファイル名に基づいて、印刷ジョブのファイル名を設定する。
【0045】
例えば、印刷対象データのファイル名が“ccc.doc”である場合、印刷ジョブのファイル名を“ccc.doc.prn”に設定する。すなわち、印刷対象データのファイル名に所定の拡張子(例えば、“prn”)のみを付加して、印刷ジョブのファイル名を設定する。これにより、印刷対象データと印刷ジョブとの対応関係を認識しやすくなる。
【0046】
そして、ステップS50において、ジョブ管理部143は、生成された印刷ジョブと印刷順番とを関連づけてサーバ記憶部130に記憶する。
【0047】
具体的に、
図4に示すように、ジョブ管理部143は、印刷ジョブのファイル名と、印刷順番とを関連づけてジョブテーブルT2に記憶する。例えば、新しい印刷ジョブのファイル名が“ccc.doc.prn”である場合、ジョブ管理部143は、印刷が最後になる印刷順番“3”を関連づけて記憶する。
【0048】
この後、ジョブ管理部143は、印刷ジョブと印刷順番とを印刷装置200に送信する。具体的に、ジョブ管理部143は、印刷ジョブのファイル名と印刷順番とを関連づけて記憶したジョブテーブルT2と、印刷ジョブとを、印刷装置200に送信する。
【0049】
次に、
図5を参照して、特定フォルダ120に保存されている印刷対象データが更新された際に実行される更新処理について説明する。
【0050】
ここで、説明のため、特定フォルダ120には、印刷対象データとして第1印刷対象データが保存されており、その後、第1印刷対象データを更新することにより第2印刷対象データが生成されたものとして適宜説明する。
【0051】
ステップS110において、データ検出部141は、特定フォルダ120内を監視する。具体的に、データ検出部141は、特定フォルダ120内を定期的(例えば、3分ごと)にポーリングする。
【0052】
ステップS120において、データ検出部141は、特定フォルダ120内に、第1印刷対象データを更新した第2印刷対象データがあるか否かを判定する。具体的に、データ検出部141は、特定フォルダ120に保存される印刷対象データから、印刷対象データのファイル名と印刷対象データの作成日時とを特定する。
【0053】
そして、データ検出部141は、特定フォルダ120内の印刷対象データのファイル名と印刷対象データの作成日時と、データテーブルT1の印刷対象データのファイル名と作成日時とを比較する。データ検出部141は、特定フォルダ120とデータテーブルT1との間において、印刷対象データのファイル名が共通で、印刷対象データの作成日時が相違するものがあるか否かを判定する。
【0054】
以下に、ステップS120の動作について、一例を挙げて説明する。例えば、データ検出部141は、特定フォルダ120を監視した結果、特定フォルダ120に保存される印刷対象データのファイル名“aaa.doc”と作成時刻“☆☆☆”とを特定する。
【0055】
そして、データ検出部141は、
図3の例に示すデータテーブルT1を参照する。データ検出部141は、特定フォルダ120の印刷対象データのファイル名“aaa.doc”と作成時刻“☆☆☆”と、データテーブルT1の印刷対象データのファイル名“aaa.doc”と作成時刻“○○○”を比較する。
【0056】
この場合、データ検出部141は、特定フォルダ120とデータテーブルT1との間において、印刷対象データのファイル名が共通で、印刷対象データの作成日時が相違するため、第1印刷対象データを更新した第2印刷対象データ“aaa.doc”があると判定する。すなわち、データ検出部141は、第1印刷対象データを更新することにより生成された第2印刷対象データが特定フォルダに保存されたことを検出する。
【0057】
なお、データ検出部141は、第1印刷対象データを更新した第2印刷対象データがないと判定した場合、すなわち、更新した第2印刷対象データが検出されない場合(ステップS120“No”)、ステップS110の動作を繰り返す。
【0058】
ステップS130において、データ検出部141によって第2印刷対象データが検出された場合(ステップS120“Yes”)、データ検出部141は、第2印刷対象データと作成日時とを関連づけてサーバ記憶部130に記憶する。例えば、
図6に示すように、データ検出部141は、特定フォルダ120に保存される第2印刷対象データのファイル名“aaa.doc”と作成時刻“☆☆☆”とを関連づけて、データテーブルT1に記憶する。
【0059】
更に、ステップS140において、データ検出部141によって第2印刷対象データが検出された場合、ジョブ生成部142は、第2印刷対象データから第2印刷ジョブを生成する。
【0060】
ステップS150において、ジョブ生成部142によって第2印刷ジョブが生成された場合、ジョブ管理部143は、第1印刷ジョブを削除するとともに、第2印刷対象データを当該第1印刷ジョブの印刷順番にて記憶する。
【0061】
例えば、ジョブ管理部143は、過去に生成された第1印刷ジョブ“aaa.doc.prn”を削除して、ステップS140において、新たに生成された第2印刷ジョブ“aaa.doc.prn”をサーバ記憶部130に記憶する。このとき、ジョブ管理部143は、
図4に示すように、過去に生成された第1印刷ジョブ“aaa.doc.prn”に関連づけて記憶した印刷順番“1”と、第2印刷ジョブ“aaa.doc.prn”とを関連づけて記憶する。すなわち、ジョブ管理部143は、過去に生成された第1印刷ジョブ“aaa.doc.prn”の印刷順番を維持するように第2印刷ジョブ“aaa.doc.prn”を記憶する。
【0062】
<作用及び効果>
以上のように、本発明の実施例1に係る印刷システム1では、ジョブ生成部142は、第1印刷対象データを更新することにより生成された第2印刷対象データが検出された場合、第2印刷対象データから第2印刷ジョブを生成する。また、ジョブ管理部143は、第2印刷ジョブが生成された場合、第1印刷ジョブを削除するとともに、第2印刷対象データを第1印刷ジョブの印刷順番にて記憶する。
【0063】
これにより、第1印刷対象データを更新して第2印刷対象データが生成されても、更新前の第1印刷対象データから生成した第1印刷ジョブと、更新後の第2印刷対象データから生成した第2印刷ジョブとの2つの印刷ジョブが印刷されてしまうことを防止できるため、無駄な印刷を防止できる。
【0064】
また、ジョブ管理部143は、第2印刷対象データを第1印刷ジョブの印刷順番にて記憶するため、第2印刷ジョブの印刷時には、第1印刷ジョブの印刷順番が維持される。これにより、例えば、冊子や資料等の印刷物のページ順番を複数の印刷ジョブの印刷順番によって設定している場合に、印刷物のページ順番が変更されることを防止できるため、印刷物を作成する上での利便性を高めることができる。
【0065】
[本発明のその他の実施形態]
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。
【0066】
例えば、上述した実施形態では、ジョブ管理部143は、ジョブ生成部142によって生成された印刷ジョブと印刷順番とを関連づけて、サーバ記憶部130に記憶するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、ジョブ管理部143は、印刷ジョブと印刷順番とを関連づけて、印刷装置200の印刷装置記憶部220に記憶してもよい。これにより、印刷装置200において、印刷ジョブに基づく印刷を行う場合に、サーバ100と印刷装置200との間で、印刷ジョブを送受信する必要性が無くなるので、印刷ジョブに基づく印刷をより迅速に実行できる。
【0067】
また、上述した実施形態において、データ検出部141とジョブ生成部142とジョブ管理部143との機能は、必ずしもサーバ100に設けられていなくてもよい。例えば、データ検出部141とジョブ生成部142とジョブ管理部143との機能は、印刷装置200に備えられていてもよいし、ネットワークを介して、特定フォルダ120に接続可能な他のサーバに備えられていてもよい。
【0068】
このように、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。